topimage

2016-09

大宮鞍馬口〜串揚げ万年青 - 2016.09.25 Sun

いつも前はとおるのだけれど、なかなか行く機会がなくて行きたくて、、と思っていた大宮鞍馬口の万年青(おもと)さん、息子の帰省にあわせて家族でおでかけ。



IMG_3827.jpg



北大路大宮(大徳寺前あたり)から南下して、コインパーキングにいれたパーキングの入り口がなんと鳥居!!
ちょっとばちあたり(^_^;
碑を見たら「今宮神社御旅所」!  境内には建物はみあたらずほとんど駐車場、、、、京都はこんなところもけっこうあります。




IMG_3808.jpg



さて、気をとりなおして万年青さん。
こんな長〜いカウンターもすでにうまってます。人気店です。



IMG_3809.jpg



ご主人がひとりでめまぐるしくくるくるたち働いて次から次へ串揚げ揚げてはります。
おまかせコースにすると次々新しい食材の串揚げがでてきます。串揚げとしてはあまり見たことのないような食材も。きゅうりとか、五角形じゃなくて8角形くらいの大きなオクラ(ダビデの星オクラ)とか。

お野菜が多いのがうれしくて、つけるタレもソースだけじゃなくおろしポン酢、マスタード、塩、山椒、、、で飽きが来ないの。イチジクがおいしいのは知っていたけれど、蛸が思いの外おいしくて。



IMG_3817_20160924214314f17.jpg



これはジャガバター串揚げ!お塩でいただきます。
ここで、ん?!!この木彫りの菊割皿はどこかでみたことがある、、、



IMG_3807.jpg



この高知の粗塩と沖縄の雪塩のいれものの蓋の木工、、、ますます見たことがある。

もしやと思って奥様に聞いたらやっぱり!!
無理矢理水指の蓋を作らせ^_^;たり、好日居さんの木の筋彫りトレーと同じのをもとめたりしているところの木工、水野悠介さんのものだった!

あとで聞いたところによると川口美術さんはここで水野さんの作品とお出合いしたのだそうな。今はそこで展示会するようになっているものね。



IMG_3820.jpg



で、ここの奥様がこういう食器の目利きでらしく、良い作家物をかしこく手に入れてはるとか。よく見ると、私の好みとも合うお宝食器が後の棚にずら〜っとならんでるわ。



IMG_3821.jpg



うすいガラスのコップ。おひやをいれたり、おかわり自由のキャベツを主体とした(串カツだもんね、キャベツはマスト)サラダをいれるのだが、大ぶりだけれど思いがけず軽くてこれいいな、と。
これもガラス作家さんのものらしいが、試作品を安くわけてもらっているとのこと。



IMG_3818.jpg



箸休めの湯葉豆腐アーモンド添えの、アーモンド型の彫りの木皿も水野さんの。



IMG_3823.jpg



そろそろお腹がいっぱいになってきたのでオーダーストップ。すると本日の串のメニューをだしてくれて、最後に揚げて欲しいと思う物はありませんか?とおたずね。

いろいろまよったけれど、珍しい栗の串揚げ!ほこほこでおいしかった。(あとバナナの串揚げも心惹かれたが、さすがにお腹の方が、、、、)




IMG_3824.jpg



これも油っぽくなったお腹にありがたい二品目の箸休め、葡萄のおろし和え。
器のお猪口(茶巾入れになりそう)もいいなあ。



IMG_3826.jpg



最後に再び水野さんの菊割皿でほうじ茶アイス(桃シャーベットもあるよ)をいただいて締め。

お値段もお手頃、アルコール類も多種あってうれしい。でも串揚げにはやっぱりビールかな(^_^)b(運転手は飲んでませんのでだじょうぶよ)





水車の竹中みち〜茶の湯と川床のある風景5日間の顛末 - 2016.09.23 Fri

P7240168_20160922232642c82.jpg



岡崎の平安神宮より南、都メッセの疏水から分流する白川。
春には桜の秘密の名所ともなる大好きな通り道。

けれどこの美しい景観は、ほっておいたら観光開発やマンション開発の波にのみこまれ破壊されていたかもしれない。この界隈にお住みの方の維持努力があってはじめて美しく保たれているのを知ったのは、今年五月、茶事のために白川ぞい・竹中庵をお借りしたとき。

かつてこの白川の水流をつかった竹中精麦工場(大麦の加工工場)が竹中庵の場所にあったのだ。向いのマンションの場所には冷蔵工場、マンションに建て替えられるとき少しでも景観を維持するようにと白川との間に桜の木を植えて欲しいと要望し、それがかなえられ、今や桜の名所になったわけだ。




IMG_3707.jpg



その景観を維持し、少しでも知ってもらおうと数年前からこの季節、竹中庵の竹中さんのお世話で、都市計画の専門家や学生さんも交えてひらかれる白川茶会、今年は5日間、亭主を日替わりで、白川の真ん中に床をすえて行われた。

おりしも台風直撃の5日間、、、さて、いかがあいなりましたでしょうか。



IMG_3706.jpg



前日お掃除の手伝いにいったときの川床の様子。お〜やっとるやっとる。かっこいいな、これ。



1日目


IMG_3731.jpg



初日の亭主はF太朗君。

実は川床をつかってちゃんと亭主ができたのはこの日だけ、F太朗、ええとこ全部もってった!




IMG_3734.jpg



通りすがりの人もいたかも。大人も子供もお茶を知っている人もいない人も、楽しそうに茶席の下の水の流れを楽しみお茶を楽しむ。



IMG_3725_20160922232420b38.jpg




中には亭主にお尻をむけて足を川につっこみながらお茶する人も。
なんとも楽しい風景。



IMG_3733.jpg




その茶席の上流にあるのはこれまた建築デザインを学ぶ学生さんの力作ピラミッド茶室。(実はこれも台風のせいで一日しか稼働しなかった!)



2日目



IMG_3745.jpg



亭主は不肖わたくし。

川床の上で川の中でやるのを楽しみにしていたのに、無情の雨!
お向かいの竹中さん所有の町家(将来はゲストハウス)の一階にて急遽場所変更。



IMG_3740.jpg



庭でとれた秋海棠と白の水引も用意し、



IMG_3739_2016092223250066b.jpg



急遽の茶室こしらえに逆勝手も準備し、



IMG_3748.jpg



愛信堂さんにお願いした干菓子もたくさん用意したのに、、、、



IMG_3741.jpg



雨が、、、集中豪雨のような勢い。
道行く人は急ぎ足で家に帰る、、、わな、そりゃ。自分が客でもさすがにこんな日はいらんわ。

雨の激しさにめったにない白川の増水がおこり、床が冠水したら流れて行ってしまうので、撤去すべきかどうするか担当のKさんは悩んでいる。




IMG_3744.jpg



結局ピラミッド茶室の学生さん(一人としてお茶を習ったことある人いなかった。やっぱり世間的にお茶はやはり特殊な世界なんか、、、)と、大雨をついてきてくれたありがた〜いわずかなお客さんだけでこの日はおしまい。(ありがとうございました!!)





IMG_3749.jpg



豪雨の音に白川の流れの音もかきけされ、、、室内ではろうそくをともして竹中さんとKさんと水屋手伝いしてくれたWさんと、おもに白川の景観についてお茶について、いろいろ静かに語りあえたのがよかったかな。



3日目


実はKさんから台風のため三日目以降中止にします、と伝達がきたのだが、、、

そこは亭主一味がだまっていなかった。どんな条件でもお客さんがこなくても、茶会はやる!!
おお〜!!素晴らしき数寄者魂!

その熱意にほだされて、床も撤去せずにすんだことだし、竹中庵の母屋を茶室にして継続することに。




IMG_3754.jpg



3日目の亭主は秘密結茶のMちゃん姉妹+能ユニット(?)TBTのMさん。

Mさん所有の能面(神体系だったか?)が飾られた床。



IMG_3757.jpg



葉っぱの茶巾置、兎さんの五徳など、Mちゃんらしさいっぱいの素敵な席になっている。



IMG_3759.jpg



お茶をいただくあいだ、外の白川の方から聞こえるMさんの小鼓。どうやら川中の床几のところで打っているらしい。しかも冴え冴えとしたよい音!
Mさんいわく、後のマンションが能舞台の鏡板の役目をして反響が抜群なんだそう。そうか、白川、音曲や謡の舞台にも最適やんか。



IMG_3758.jpg



Mちゃんの炉はお湯をわかすだけぢゃありません。肴も炙ってお酒とともに出していただく。3日目も楽しいうれしい席であった。



4日目


またまたここでハプニング。

朝から台風直撃の大雨で担当亭主がリタイアを宣言。ところがどんな環境でもやるのがお茶だ!こんなおいしいシチュエーションを逃してなるものか、とF太朗君の数寄魂炸裂!水着+ゴーグル持参で雨の中、川床で茶席をやると宣言。




IMG_3760_201609222326019dd.jpg



夜までに台風は通り過ぎ、雨もあがったが、一体どういうことになっているのろう、、、と行ってみると、、、、なんと!床の上ではじまっていたのはKさんによる大鍋宴会!しかもスタッフばかりとはいえたくさんの人。みなさんの好き者、、、いや数寄者ぶりはよ〜くわかりました。




IMG_3763.jpg



朝の雨がウソのように穏やかな白川の流れの音をききながら鍋をつつき酒を飲み、



IMG_3772.jpg



こんな景色を楽しむ。
この白川の景色、ほんとうにいいなあ。特に近所にあってうれしい限り。



IMG_3771.jpg



そうこうするうちに床几からちょうどみえる場所から月ものぼってきたではないか。



IMG_3777.jpg




遅れてきたF太朗君は早速湯をわかし、ほんまに(雨ふってないけど)水着+ゴーグルでお茶を点ててくれたのだ。実はこの夜が一番楽しいお茶だったかもしれない。



5日目 最終日


やはり雨がふろうと台風がこようとお茶する!とのたまわった数寄者の鏡・Y&Yペアの席。




IMG_3784.jpg


竹中庵母屋にて。



IMG_3785.jpg



Y&Yペアは裏千家と藪内のペア。これはどうまとめるのか?
と思っていたらなんと山里棚。これは両派共通の棚なのだ。

そのいわれを博覧強記のYさんから聞いてびっくり!もともと藪内剣中が利休からたまわり、藪内に伝わるも、淡々斎が使わせて欲しいと、かつて使うたびに藪内に挨拶にいっていたのだそうだ。
知らんかったなあ、、そんないわれがあるとは。



IMG_3786.jpg



お菓子は月。Yちゃんこだわりの鍵善さん特注のもの。泡雪寒みたいにふんわりしてとても美味しかった。雲華のお皿もYちゃん家ゆかりの品。

道具組がYさんこだわりのストーリーになっていて、わざわざこの茶会のためにいろいろ入手された物も多い。これは中止するわけにはいかんよなあ。




IMG_3793.jpg



川床のそばに沈めてある大きな壺に鴨川で刈ってきたというススキをいっぱい投げいれてくれたのもYさんであった。



IMG_3789.jpg



かくして亭主の数だけ数寄のありようがあった白川茶会、雨にも負けず風にも負けず無事お開きとなりました。



お茶は亭主する方が楽しい、絶対そう思う。



野村美術館講座〜「金碧画の金箔と現代の金箔〜光琳、燕子花図、紅白梅図の秘密」 - 2016.09.21 Wed

光琳、宗達、等伯らの金碧画の金箔にはなぜか細かいヒビ、というかシワがあるのに気づかれただろうか?意識して見なかったら絶対スルーしているが、そう言われてみれば真四角の金箔の中にミミズの這ったような線が。

現代の金箔はきれいな真四角で、そんな線はない。いったいこの線は何??
というところから西陣「箔屋野口」野口 康さんの話ははじまる。



P9160269.jpg
(定点観測的な景色^_^; 碧雲荘脇の野村美術館への道)



箔屋とは?

金糸銀糸に輝く西陣帯、それに使われる「引箔」の地作りをする仕事。「引箔」というのは帯の中に織り込まれる横糸で、金箔を貼った和紙を0.3ミリ幅程度に細かく裁断し、糸状にしたもの。これを専門的につくるのが家業。先代くらいまでは金糸もつくっておられたそうだ。一口に引箔といってもただの金箔ではなく、金の色、質感、紋様までいろいろなバリエーションをこなされる。野口さんはその家業の4代目。




P9160271.jpg




最初金碧画の金箔のこの線がなにを表すのかわからなかったそうだが、ある日はたと気づいたのはこういう制作過程。




P9190259.jpg




金箔は金を薄く薄く叩いてたたいて引き延ばす。その過程で初め真四角だった金箔の元は4辺がふくらみをもってきて、膨張した四角形になる。
現代でははしっこを切って真四角に成形するのだが、当時、上図に示した方法ように

1)縦に直線に切る
2)左右を逆に辺が直線になるように
3)上下のハミダシを切って直線にする
4)切り端をスキマにうめる

この継ぎ重ねた跡が謎の金箔上の線だったのだ。(箔足という)
完璧な正方形より、この線が、ゆらぎ、日本人の美意識にとてもマッチする。(欧米人、古代中国人が好むパーフェクト、シンメトリーは日本人好みではない)


その継ぎ重ねの仕方がまちまちな絵もあるが、唯一光琳のみ、重ねの方向が見事に全図そろっているのだそうな。
これは光琳の強い意図があったと思われる。


ところが、、、

光琳の誰もが知っている紅白梅図、その技法については明治の頃からずっと議論が続いていたらしいが、2004年NHKの特別番組「光琳 解き明かされた国宝の謎」で「金地は金泥による偽装金箔、箔足は手描きによるもので光琳のだまし絵である」と東京文化財研究所が結論づけたのだ。


かつて写真家でもあり、日本画も学び、現に箔屋として日々金箔を扱っている野口さんとしてはこれはだまっておれなかった。これに反論し続け、ついに2010年、東京理大による物理光学的検査で金碧画の金地は金箔である、という断定を得たのだ。
専門家じゃないからどちらが正しいかとはよう言えんが、少なくとも宗達や等伯の金碧画にさえある箔足、それ手描き、、というのはどう考えてもおかしいよな。


ただ、東京理大のこの研究には新たな問題もあった。
紅白梅図の真ん中を流れる流水の部分。ここにも四角い箔足があるのに、この部分からはごく微量の銀しか検出されなかった。しかし理大は銀箔の上に墨で描き水流の部分は銀を硫黄の煙で変色させたもの、と結論づけた。


これにも野口さんは反論している。

1)銀箔を四角く切って糊で貼り合わせる(銀箔は金箔のように継ぎ重ねができない)
2)水流部分にのみ墨を引く
3)温水に浸すと糊がとけて銀箔は剥離、継ぎ目にのみ、しみこんだ墨の跡が四角く残り箔足のように見える
4)これに濃い膠液で水流を肉筆で描く
5)乾いた後上に墨を塗る
6)乾燥後、これを水に浸すと膠とその表面の墨はとけだし流紋となる


呉服・帯の仕事をしてその技法に熟知しているからこそ考えつく方法。

ろうけつ染めとか友禅の糊置きなどの技法に通じ、しかも、その光琳こそ呉服屋の御曹司だったではないか。
これもしろうとの私には正誤は断定できないが、どう考えても野口さんの勝ちだよなあ。机上の推論より実技を体得している方が強いもの。



これまた決着をみない美術史上の課題であるが、当の光琳はお墓の下で「ふっふっふ、、、解けるものなら解いてみよ」と笑っているかもしれない。





(野村美術館は改築のため来年からしばし長い休館にはいります。)




観月はお茶とともに - 2016.09.19 Mon

今年の旧暦8月15日は9月15日と不思議な符合。お月見は15日ながら月齢は13日くらいだったかな。



P9150254.jpg



お天気が心配された中、なんとか東山から上る月を眺めることができた。
ここは祗園近くの某ビアガーデン。



P9150255.jpg



某流派のユニークな宗匠社中がここで釜を掛けはった。

でも夜は暗い写真ばかりでお見苦しいですね。



IMG_3694.jpg



ここまでくるとなにがなんだか、、、(^_^;

東山から上った月を広口の水指の水に映した所なんですよ。
みやびだけれど、スマホ写真で再現は不可能ですねえ、、、、



P9150256.jpg



月はどんどんかけのぼり、、、

秋月揚明暉  明暉を揚げる。



IMG_3701.jpg



その足で祗園から一気に賀茂街道、賀茂川べりのいつもの晦月居さんの鴨茶へ。

これも真っ暗でなんの写真やら、、、、とほほ、、、
でも賀茂川の風に吹かれながらいただくお煎茶は味わい深い。



P9150264.jpg



月も祗園でみたときよりさらに上り、ときおり雲にかくれながらも中天近くへ。賀茂川で眺める月はまた格別だ。




IMG_3714.jpg



翌日、十六夜、既望、の月は円山公園の西行庵で眺める。



IMG_3721.jpg



月齢は14、より満月に近い。



IMG_3710_20160917235122111.jpg




こちらの家付き猫、黒猫ちゃんにお出迎えを受け、観月の茶会。



IMG_3720.jpg



掛けられた大きな軸が「月にうさぎ」でなく「月にお狐さん」に意表をつかれる。
、、、信太の森のうらみ葛の葉、、、を連想させる。

前にミニお稲荷さんの社が据えられ、ろうそくの灯りだけの中、お狐さんへの献香、献茶のおごそかな式をみせていただく。そのあと直会の点心と薄茶を。


ろうそくの暖かい灯りを囲む者は、皆なんだか心が一つになったような気がしたのでした。


今年の観月はよき人々、よき所にて、楽しめた幸せに感謝。




秋雨のみのり茶事2016 - 2016.09.16 Fri

茶事にお招きいただいて、当日朝起きて、雨だ、やった!!と思ったのは初めてかも。



IMG_3654_20160915000747374.jpg



昨年は、秋晴れの日にみのり茶事にお招きいただいた。あれから約1年、ふたたび、今年はしっとりした秋雨みのり茶事になった。ご亭主はスーパー数寄者(#^.^#)であられる和尚さま。




IMG_3655_2016091500074909b.jpg




なぜ雨で喜んだのかというと、、、、先だって和尚様が茶事をされた折に急な雨。笠の用意がないままそれなら!っとご準備されたのがこのプラタライであったのだ。
これが意外にうけてうけて、タライ庵のタライ・ラマ師という二つ名をお持ちになることに。それ以降みんなが期待するもんだから、和尚様、とうとう笠を代えられぬまま。




IMG_3659_20160915000749c2e.jpg




こんな感じに((^∀^*))!!
雨ではないのにこれをしたがる数寄者の方もおられるとか。私たちはしっかり実用でプラタライを使用。
和尚様だから許される離れ技ですが。


そんなお茶目はさておいて、茶事は重厚で説諭に富んだお話で始まる。

待合にかけられた大観の「遠寺晩鐘」、小さな墨絵のスケッチ。
山寺の晩鐘に驚き、山のねぐらに帰っていた鳥の群れが一瞬羽ばたいた瞬間を小さくすみに描いている。この絵を見せると幼稚園児は(和尚は幼稚園の園長さんでもあらせられる)「ゴ〜ンって鐘の音が聞こえた!」というのだそうだ。
なんたる感性。音を聴かずして音を聞く。

ついでは月を見ずして月を見る、、、本席の指月布袋。(かの室町時代のビッグネーム禅僧の画(゚△゚;ノ)ノ )
凡人は月(仏法の真理)を見ずして教え示す指(悟りにいてる方法論)ばかりを見る。示唆に富む画題。
そういえば昨年のお茶事では仙厓さんの指月布袋をみせていただいたなあ、、と思い出す。

なぜ月にウサギがいるのか、なぜ月は満ち欠けするのか、幼い頃聞いた仏法説話もなつかしく聞かせていただく。
(猿、狐、兎の「ジャータカ」の有名な話は絵本で読んだが、成敗されて半分に切られた蛇が腹いせに月を飲み込んだが、切られたところからまた月がでてきて、また飲み込んで、、、、のお話しは初めて、童心に返りおもしろかった(^^) )



IMG_3663.jpg



こちらの懐石はイタリアン。ご近所のリストランテのシェフが来て作ってくださるのだ。杯にいただくお酒はもちろんワインで。

あ!
古染付!

先日の古染付・祥瑞古陶磁勉強会でご同席したので、その復習に、とたくさんたくさん古染をだしていただいた。ありがたし。

しかも今回のご連客はプロ、アマ両者の古陶磁専門家もしくは愛好家、器を見ながら(控えめにされていましたが)解説いただけたのがうれしい。私はまだまだ勉強が足らんなと思ったことです。


しかしながら心配は、この古染にオリーブオイル、ガーリックたっぷりのイタリアンをのせていいのか?!ということ。




IMG_3668.jpg



こんな、、、こんなよだれが出そうな古唐津の塩笥に入っているのはブイヤベース!
だ、、だいじょうぶか??と思いつつも、おしげもなく使ってくださる和尚様の太っ腹ぶりには頭が下がる。



IMG_3674.jpg



八寸が二種でたあとで、「藪内は八寸三種じゃないんですか?」「おっと、これは失礼、忘れておりました。ただいま用意します。」、、、で席中で松茸を焼く、、、という段取りだったらしいですが、どなたも失礼かと思い何もいわなかったので、 (^ ^;)和尚様自作自演で松茸の網焼き。

昨年もいただいたのだが、今年はプロに教えを請われたという松茸が縮まずにしっとり焼きあがる裏技を駆使してのグレードアップ。初物の松茸がより美味しくちょうだいできた。(日本酒を含ませたキッチンペーパーをかぶせて焼く。マネしたいが松茸高すぎて多分買えない!)


興が乗ったのか、和尚様、席中でやおらお盆回しをはじめ(きゃ〜!あれがぶっ飛んだら絵唐津が、古染付が、朝鮮青磁があ〜〜〜Σ(゚д゚|||))

そのほか幼稚園の園児に大好評だったと思しき芸を次々ご披露。なんてサービス精神!いや、園児にもどれて楽しいのですがね、和尚様、ちょっと太っ腹すぎます。(茶席での奇行が多かったという朝吹柴庵が乗り移ったとおっしゃってましたが(^ ^;))




IMG_3679.jpg



かくの如き楽しい懐石の締めは満月錦玉、お皿もこの前の研究会でみせていただいた古染付。

中立ちの待合にかけられていたのもまた月。
英一蝶の十六夜月。齢70を越えるとぶん回し(コンパス)を使っても満月がよろけて十六夜の月になるわい、、、といった画賛。




IMG_3687.jpg
(この写真は和尚様に提供いただく)




たっぷりと露をうった後座の花。
お庭で山芍薬のはじけた実がとれるなんてうらやましい。(うちの庭のは葉っぱばかり)

先ほどの賑やかな初座とうってかわって静けさの中で粛々とすすむ濃茶点前。
主人公は、、、重厚な奥高麗。

どっしりと手にとると重く、その肌は青味をおびてお尻はほんと美しく丸い。高台の露胎に釉薬が二筋流れ込んで、そのうち一つがくるっと猫のしっぽのよう。反対側に陶工の指のあと。釉薬につけるときにできたとおぼしき約400年も前の指跡。その時代に思いを馳せる。

奥高麗は高麗と名はつくけれど唐津で焼かれた焼き物。文禄慶長の役で朝鮮から連れてこられた陶工たちが、唐津で焼始めた初期の茶碗といわれているので、なんとなく大陸的なおおらかさ。今この時、この場所で現代のわれわれに愛玩されるとは作った陶工も想像しなかっただろうな。

これまた江戸初期のビッグネーム茶人の箱書き付き。いまは行方知れずの有名な奥高麗茶碗と寸分たがわぬ、と添え書き。長次郎の今はなき「鉢開き」に面影が似ているので「面影」と銘をつけられた黒楽の話を思い出してしまった。


最後にお正客の古美術のプロの方が、ずっと控えめにしてはったのに「これはまちがいのない奥高麗です。」と断言しはったとき、なんだか今日の茶事が決まった!と思った。




IMG_3684.jpg



垂涎の古備前大皿!


お薄席でもたくさんの名碗をだしていただいた。二服いただくのに、あれでも飲みたいこれでも飲みたいと茶碗の選択に困ってしまうほど。
中でもお気に入りは典型的安南、この形は好き。振り出しも安南、これもいい。備前池田家伝来の古備前沓形茶碗も景色があってよかったなあ、、、

初座の大笑いお座興があって、座がなごんで後座で怒濤の息つく間もない感嘆、心にくい演出。

名残惜しけれどこれにて、みのり、稔り、御法茶事、おひらきとなりました。





NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (7)
茶の湯 (236)
京のグルメ&カフェ (46)
町家ウォッチング (5)
弘道館 (6)
岡崎暮らし (44)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (26)
京都めぐり2016 (23)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (6)
美術館・博物館 (35)
奈良散歩 (15)
大阪散歩 (1)
着物 (5)
京の祭礼・伝統行事 (30)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (1)
京都和菓子の会 (3)
パリ紀行2014 (7)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
京都でお遊び (4)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
中国茶 (12)
ギャラリー (1)
暮らし (2)

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR