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2017-06

鞍馬寺・竹伐り会2017 - 2017.06.21 Wed



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鞍馬寺なのである。
市中から叡電に乗って30分。
でもここからがまた一山のぼらねばならないのである。(ケーブルカーもあるけどね)
若い頃は鞍馬の奥の院から貴船へのトレッキングはよくしたものだが、今となってはもうしんどいわ。




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6月20日に毎年おこなわれる鞍馬寺の竹伐り会式、学生の頃からだからかれこれウン十年、行こう,行きたい、行かねば、、、と思いつつ一度も行けなかったのは、かくの如く遠いのと、平日とは限らないというのがありまして。

かくして何年越しかの宿願をやっと果たせたのであります。
苦労してたどりついた本殿はなにやら御利益ありそうで、すでに近江座、丹波座の文字も見えますね。





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本堂前のパワースポットとかいう△石。(昔はこんなんなかったような気がするが)

鞍馬寺は歴史的には真言宗であったり天台宗であったり、修験道や陰陽道など、いろんな宗派がまじって最終的に宗派にとらわれない、けれど名前は鞍馬弘教というお寺である。5月のウエサク祭など、どこか異国的なにおいがする祭事もある。




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けれどやっぱり一番有名なのは竹伐り会だろう。(ちなみに鞍馬の火祭は由岐神社のお祭りだからね)

本殿前の結界。
これを切って(すばやすぎて写真とれんかった、、、)式のはじまり。





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鞍馬は今でも七仲間という家柄・家格をあらわすしきたりが残っていて、このあたり八瀬童子を思わせる。

お坊様のあとに赤い傘を差し掛けられているお方が導師様。
女性で、どうみても90才は越えておられるようだが、しっかりとした足取りで入堂された。




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竹を伐るのは七仲間の内、一番鞍馬寺と所縁の深い大惣仲間の人たち。
手に持つのは錦の袋に入った竹を切る太刀。装束はご存じ弁慶スタイル。昔の僧兵もかくや、あらむ。




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東に近江座、西に丹波座。
これはお酒?による浄めをうけているところ。(たぶん)

ちなみに竹伐り会の起源は宇多天皇のころ、というから9世紀末。

鞍馬山中興の祖・峯延上人の修法中、大蛇があらわれてこれをとって喰おうとしたのを、神呪の霊験にて大蛇を屠ることができた。この大蛇を切って龍ヶ嶽に捨てたことから、竹を大蛇に見立てて伐るのである。




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ついでお稚児さんによる「七度半の御使」

それぞれの役にむかって「竹伐りの神事めでとう候」「近江、丹波の竹見事に候」、、、云々。
最後に近江・丹波両座に「竹ならしあげ候へ」と竹ならしをうながす。









ふだん使い慣れない古語をたどたどしく言うところがかわいいですね〜。

ちなみに竹ならしとは、後の勝負伐りの時の両座の条件を同じにするために竹を切りそろえこと。これはけっこう何本もの竹を伐らはった。




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ふりかぶって、、、




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伐る。
一発で切れることはまずなく、2〜5回くらいで竹は切れる。




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伐る方もだが、竹を支えている人たちの真剣さがまた絵になる。

ちなみにみんな腰に難除けの南天の枝を挿している。




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これを何度も繰り返し、竹ならし終了。
中にはこれで仕舞かと帰る観光客もいるが、本番はこれからでっせ。




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本番の竹の勝負伐り(近江座、丹波座で伐る早さを競う)の前に舞楽奉納。
今年は迦陵頻。(毎年演目は変わるようだ)





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これも地元の鞍馬小学校の子たちなんだろうな。
そういえば、正面のよく見える場所に「鞍馬小学校観覧席」があった。やはりこれも地元密着の行事。うらやましい。





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勝負伐り。
合図は導師のかかげる檜扇なのだが、ちょうど影になって見えぬ。ちろっと扇だけ見えているのだがおわかりだろうか。




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竹を一節とびに五段に伐るのだが、もう早くて早くて撮影追いつかず。





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(で、ピントずれずれ)

「近江の勝ち〜!!」
と叫びながら先に切り終えた近江座が切った竹を持って本坊へ走るところ。





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これは負けた丹波座の方。

ちなみに勝った方の地方が豊作になるのだとか。

持っているのは本物の刃物なので、手が滑って飛んでくることももるので下がって下さいよ〜と警備の人が言ってたわ。




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かくのごとく、すっぱりときれいに切れた切り口。




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かくして、ご一同様下堂され式は終了。
この間約1時間。
なかなか見応えがあった。来てヨカッタ。




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この竹の結界がおもしろい。

さあ、伐る!という直前に熱中症で倒れた方がいて担架が出るという一場面もあったが、カメラ小僧ならぬじいさんが救護要員に(写真が撮れないから)座れ!と悪態をついていたのはいただけない。分別ついているはずの歳なのにマナーというか人間としてどうよ。





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などということもありつつ、下山。
鞍馬の仲間組織についてちょっと興味がわいてきたのでまた勉強しようと思う。






梅雨のまほろば茶事 - 2017.06.18 Sun



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そろそろ七夕の趣向もいけてる季節なので、うらの梶の木の葉っぱを玄関に。お客さまおでむかえ。




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寄付は梅雨の頃なので、雨→雷様→北野天満宮の雷よけの御札を。、、、なのに関西はまったくの空梅雨で,この日も良い天気だったのですがね。

ちなみにこの御札は天満宮の摂社、火之御子社で毎年6月1日におこなわれる雷除大祭で拝領できる御札ですのよ(北野神社火之御子社雷除?護所)。これにかけて待合には大津絵の雷様、その下に天神さんの土人形を配してみました。、、、、でも雨、ふらないね(^_^;




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そろそろ茶室が温室と化す季節になったので、風炉釜は切掛で。
丸灰にしてみましたが、茶室が暗いのをよいことに、細部は見えないのがミソ(^◇^;)




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待合は夏の室礼。この網代がちべたくて気持ちよい。

さて、今回の茶事は「まほろば茶事」と銘打ちました。




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一番最初にいつか愛する奈良をテーマに「まほろば茶事」をしたいと思ったのはもう7〜8年前になるでしょうか。京都に引っ越す前後のこと、一本の茶杓を手に入れたことから始まります。

やや煤竹めいたごつい、節がやや上のほうにあるその茶杓はどなたの作やらわかりません。おそらく無名の数寄者の方が手慰みで作って共筒を作った、、、というところではないでしょうか。その姿もなかなかのものですが、なにが気に入ったかってその歌銘なんです。


「やまとは くにのまほろば たたなづく 青垣 やまごもれる やまとし うるわし」



万葉集にある倭武尊の有名な歌であります。共筒に書かれたその歌をみたら、もう連れて帰るしかないと思いました。(ちなみにうちの子どもたちの名前も万葉集からとりました)




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かくして、最初の道具。
いつかまほろば茶会もしくは茶事をする日のために、少しずつ大和の国にまつわる道具を集めていったのです。
ときに奈良の御道具屋さんや、ギャラリーへも通って。




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私は南都七大寺の軒丸瓦にいたく惹かれておりまして、先だって奈良のギャラリーで東大寺のそれを蒔絵で写した薄器をねらって入手したのであります。
軒丸の真ん中に盧舎那仏の梵字、それをとりかこむ「東大寺大仏殿」の文字。ボディーにはこれまた素敵な軒平瓦。




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それを入手したギャラリーのオーナーに、幕末明治の赤膚焼の名工・木白(奥田木白)の茶碗なんか手に入りませんかね〜となにげにいってみたところ、後日、なんと!それが手に入ったのであります!

赤膚焼といえば奈良絵のイメージですが、当時赤膚焼はなんでも焼いたのです。仁清風、髙取風、萩風、、、と多様。三つ見せていただいた中で一番気に入ったのは南京赤絵写しでありました。


この茶碗がまほろば茶会Go!の合図になりました。




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本席の軸は、ほら、好きといったでしょ?すでに東大寺の軒丸瓦の拓本の軸をかなり前にゲットしていたのですよ。
字は東大寺管長であった狭川明俊師。年代からいくと、現在の管長(狭川普文師)のお祖父様でしょうか。





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本日のお正客は東京のお茶友さんです。やっと茶事にお招きできました。それにご近所の藪内のお茶友さん、一番つきあいの長い前の社中からのお茶友さん。

今回の煮物椀は季節柄、鱧にジュンサイ+すだちでございます。あとはあいかわらずの献立で(^_^;




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二献目はちまちま、これもためこんだ作家物のぐい飲み各種、お好きなのを選んでいただきました。
酒器は昨年夏ギャラリーYDSさんでゲットした西山芳弘さんのガラスボトル。

気心がなんとなくわかる主客で、笑ってくださるツボも同じなので、いままでの茶事の中で一番たくさんの笑いをいただきました。私のいい加減さも笑って許していただき、楽しい茶事になりました。




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さて、あいかわらずのぼろぼろの初炭のあと、例によって西陣愛信堂さんが、またやってくれました!!
まほろばだから「大和三山でひとつよろしく!」とだけおおざっぱな依頼に頭をひねってくださって、どんなんがくるかワクワクして、箱をあけたとたん目がハートになりました。なんとすてきな!


白は白妙の衣を干す天香久山
赤は火がうねる畝傍
緑は桜の名所、青葉桜の耳成山


先日明日香に行ったときに車から見た大和三山の風景が蘇りました。




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後座。
さあ、でましたよ、飛鳥時代の(白鳳よりちょっと古いか?)ほんものの軒丸瓦。
玄関にいつも飾っているのを急遽花入れに。といっても後に小さな瓶に水をいれて、蓋置で高さを調整して挿してあるのですが。

花はこの日までもつかどうかはらはらしたうちの裏庭のヤマアジサイ。




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茶事のハイライト(でもここまでたどり着いた段階でちょっと息切れ)濃茶はたっぷり召し上がっていただく。
青磁の水指は宗哲さんと蘇山さんの姉妹コラボの作品です。暑いときには涼しげな色が好きです。





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今回は後炭もして、(あまりしたくなかった(^_^;)風炉中拝見もいたしました。薄暗いのをたのみに)。

薄茶の干菓子は、薬師寺でしか手に入らない樫舎さんの葛菓子「白鳳の飛天」と、この季節だけの御菓子丸さんの「半夏生の宝珠」。
この季節、建仁寺塔頭両足院は池を巡る白くなった半夏生の群生を一般公開されます。そのときだけの販売の菓子。しかも人気なのですぐに売り切れるのです。なんとかゲットできてよかった。白い琥珀の中にひそんでいるのは緑のピスタッチオなんです。


ちなみに両足院の半夏生はこちら(2014年)



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そして主茶碗は、、、もちろんあの木白。
おしゃべりが弾みすぎて、たいへんでした。東京からいらしたお正客さまに無理矢理私のお茶を点てさせるという暴挙にも、快く応じてくださって感謝です。

約4時間の濃密な時間の後、ほんとうに楽しく一会を終えました。



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戦い終わった水屋。これから後片付けをね。
楽しかったせいか、あまり疲れを感じずに、終えましたよ。

茶室がビニールハウスくらいの温室になる季節がやってきます。
しばし茶事も休憩。、、、、あ、できたら朝6時くらいの朝茶ができたらいいけどな、、、、



つれづれ写真日記〜入梅の頃 - 2017.06.15 Thu



脈絡なく日々の京都ぐらしを写真でつづってみた。



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洛東法然院のたもとにある金毛院。
ここはお茶がほんとうにお好きなご住職がおられる。
毎月第2日曜日に月釜。






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ご丹精のお庭の美しいこと。
とりわけ100種以上もあるという紫陽花のこの季節は最高。





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お茶を通じてお知り合いになったパワフル女社長の茶道具展。
御池にある、元造酒屋だった大きな町家、嶋臺ギャラリーが会場。はじめて中へ入った。あまり町家だった頃の面影はないけれど。え?この値段?、、、な茶道具ゲット。




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さすがに御年20才になると、ちょっと猫でも外見が年とってくる。人間ならかるく100才越えのシェルさん。
最近は食欲の権化、、、、というか食欲しか残ってないような(^_^;




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うめだ阪急のギャラリーで池田重子コレクション。
お宝アンティーク着物が見放題、撮り放題。




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暑くて、夏はできれば着たくない着物。
そんな夏着物や帯にここまで手をかけているよき時代。絽だよ、この刺繍帯。




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なんて素敵な帯なんだ。




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こちらは点描ともいうべき相良刺繍。なんと細かい!




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半襟なども眼福、眼福。





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庭の甘茶が盛りのころにあわせて一般公開される建仁寺・霊源院。
昨年初めておとずれて、お茶室でお茶とアッサンブラージュ・カキモトのお菓子を楽しんだ。今年は昨年に比べて人が多いこと!





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ヤマアジサイの変種でもある甘茶の庭。





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一畳台目向板の妙喜庵という小間でも甘茶がふるまわれていた。この狭さ、、、おちつくわ〜。





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祗園歌舞練場のこの、、、クラシックとアヴァンギャルドのハイブリッド感!!




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初めて行った河村能舞台。
こちらを切り盛りされているパワフル女丈夫さまともお茶を通じてお知り合いに。(しかしパワフル女性、身の回りに多すぎ!)
河村浩太郎さんの「邯鄲」、かっこよかった!吉田篤史さんのご子息(子方)のお仕舞いがすばらしい。
もっと小さかった頃の仕舞を見たことがあるので、このくらいの子の成長ってすごいなと思った。





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観能は単衣のお召しと柳燕の帯にて。




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祗園小石の黒蜜かき氷。




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仁王門近くのフレンチラ・プチ・セヌでランチ。シェフがひとりできりもりされている。




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久々にがっつりお肉を食べた。満足。
ナイフはラギオールだよ。




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祗園町のなにげない風景。
花見小路は中国人であふれているが、ここはまだ静か。




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祗園加加阿365のお干菓子、、、ならぬチョコレート。
美し、美味し。




白鳳伽藍復興完了!〜薬師寺食堂完成 - 2017.06.12 Mon

白鳳当時の面影を残すのが東塔だけだった薬師寺の白鳳伽藍を再興しようと、高田好胤師が発願されたのは半世紀前、もう50年もたったのだなあ。



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その費用をまかなうため、お写経勧進という方法を開始、それをおしすすめるため全国を行脚、公演、写経の勧めを説いて回られた。最初に復興したのが昭和51年の金堂、ついで56年の西塔、、、、そして白鳳伽藍最後に完成をみたのが食堂(じきどう)である。(しょくどうじゃないよ。確かに僧侶たちの食事の場ともなったがそれのみでなく広く生活の場であった)





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ちなみに寺院にそなえていなければならない建物は7つで七堂伽藍といい、塔・金堂・講堂・鐘楼・経蔵・僧房・食堂であるという。

今回食堂完成のお披露目が一般公開(7月1日〜)に先立ち、結縁者(写経勧進をした人)対象におこなわれた。
私は写経はまだ1度しかしていないが、屋根瓦を一枚寄進いたしましたので、、、、


       ↓

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もう2年も前のことなんだなあ。




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売店の入っている東僧坊では今日も修学旅行生にお坊様が法話を。
これは高田好胤師の「青空説法」を引き継いだもの。50年も受け継がれてきた法話で、いつも生徒たちの笑い声にあふれる。




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さて、完成した食堂。

堂内を広く使うため、柱の数をオリジナルよりかなり減らしているそうな。もともと柱があった場所に白い石が敷かれて、それとわかるようになっている。その代わりに耐久性、耐震性を補強するため柱の中は鉄筋、まわりを木の柱で覆ったという建築。特に耐震性は抜群なのだそうだ。伊東豊雄設計、施工は竹中工務店。




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堂内に入ってまず中央の阿弥陀三尊浄土図を拝む。天井は立体的にメタルの渦巻のような孔雀の羽根のような紋様で荘厳。ご本尊の左右にそれぞれ7枚、計14枚の壁画。最前列のはしっこににすわって見た正面の壁画が、、、あ、これ畝傍山!よく見れば隣は耳成や。すでにここでじーんと感激。




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法要の間、じっくり浄土図をながめる。
阿弥陀様と観音菩薩、勢至菩薩の脇侍、ああ、東塔の水煙の飛天もちゃんとおいでだ。天に鳳凰、阿弥陀様の足元に迦陵頻伽、白鳳の仏たちの再来だ。




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もう一つの内部を広く使うための工夫がこのご本尊を3Dの仏像にせずに2Dの壁画にしたこと。

依頼されたのは平山郁夫画伯の弟子であった田渕俊夫画伯。

平山画伯の絵は玄奘三蔵伽藍に「大唐西域壁画」としておさめられているが、これは仏法が印度からシルクロードをへて中国に到達した物語。田渕画伯はその先、中国から大和へ、藤原京、のちに平城京へたどり着いた仏法の道を描かれた。




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これがもう感動モノで、、、。
中国の険しい山々を背景に遣唐使船が仏法にまつわる人的物的土産をもって、大和へ旅立つ。
海が荒れることもあっただろうが、やがて懐かしい大和が海の彼方に見えてくる。
瀬戸内海に入って鳴門の渦潮ものりこえ、御津の浜松(摂津難波の港)へ帰帆、遣唐使船は帆をたたむ。
  いざこども はやくやまとへ おほともの みつのはままつ まちこひぬらむ (憶良)
ここで大和川をさかのぼり、早春の飛鳥川、夏の畝傍山、秋の耳成、雪景色の天香久山、かつて明日香の地にあった伽藍の数々、そして薬師寺が初めて建立された藤原京、のちに移転された平城京の俯瞰図へ。

かくして仏法は大和の国の中枢にたどりつく。




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(大修理中の東塔。しばらく姿が拝めないのがさびしい)



この14枚の仏法伝来の壁画に5曲のテーマ曲を作曲したのが東京芸大西岡教授門下の若手5人。3人の若手女性音楽家がバイオリン、チェロ、フルートでこれをご披露。これがまたよくてね。
幾多の苦難を越えて、仏法伝来のために尽力した人たち、中には思いを果たせず大和に帰り着かなかった人たち、、の思いが想像されて、壁画と音楽でついうるうるしてしまった。
最近涙腺ゆるい、、、





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法要のあと、外に出ればまぶしい初夏の光の中に建つ、金堂と西塔。
初めて奈良へ来た小学生の頃、まだこれらはなかったのだなあ、、、と感慨深い。





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感動したあとだし、写経道場で写経をしてかえるべし。
入り口にはいると梅の香りがぷ〜ん、、と。境内でとれた梅の実どうぞお持ち帰りを、と。うちにもしこたまあるからこれはご遠慮申し上げた。




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午前中のお写経に来られた方にふるまわれるおうどん。花会式の結願の日にもふるまってくれるし、こういうところ薬師寺、好き。まずはこれをいただいて、いざ、心身を清めて写経。




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やっぱり全部はいつまでたっても覚えきれない般若心経。
庭からのここちよい風の入る中、不思議と頭がからっぽになるひとときであった。善哉。

あいかわらずのカナクギ流、先に完成しておさめはったご高齢の方の写経を見ると、これがまたお手本より麗しい!どうやったらこんな文字が書けるのか。自分のを出すのが若干恥ずかしいのであった。




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*)食堂一般公開7月1日〜
  お見逃しなく!!




梅雨前の嵯峨野散歩 - 2017.06.10 Sat

所用ありまして嵯峨野へ。
ついでに久々に嵯峨野散歩。




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とりあえず清涼寺に車を停めて歩き始める。
清涼寺のあぶり餅。このお姉さんがほのぼのしていていい。

嵐山の駅周辺はもう観光客でごった返して、かつて嵯峨「野」の葬送の地、、、なんて面影もないが、清涼寺まで来ると人はぐっと少なくなる。




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中院入道前大納言藤原為家卿之墓。
為家は定家(ご存じ、小倉百人一首はこのあたりで編まれたのよ)の息子、かつ「十六夜日記」の阿仏尼は彼の側室。
で、このあたりの住所が中院なのだ。

教科書で習った歴史を肌で感じる京都だこと。




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その近くにある厭離庵。紅葉が美しいそうで、5月や紅葉のシーズンのみ一般公開されているそうな。
定家の別荘といわれていたが、現在では定家に百人一首を依頼した蓮生上人の山荘という説が有力。

閉鎖中はひっそりとして中の様子はうかがいしれない。





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清涼寺の近くのMOMI CAFEでランチしようと思ったに、、、 closed。
一体ここは何戦何敗してんだか。いまだかつて開いているときに出会ったことがない。




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いい雰囲気なのにね。ハイシーズンしかやってないのかしら。
人を避けてローシーズンのしかも平日に来るような客は相手にされないのね(T_T)




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二尊院。
この通称「紅葉の馬場」が一番の見所。

前を歩く観光客が写真をとり続け、なかなか進まないので、このシャッターチャンスにはちょっと時間がかかってしまった。気持ちはわかるけれどね。




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翠が麗しい。




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通常門である黒門から本堂をのぞむ。(本堂正面にあるのは勅使門)




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境内には室町時代の建築物も残るのだ。熱田神宮や伊勢神宮など八社を請来した?八社宮。
よく見ると本体のお社は別の屋根で保護されている。




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和菓子好きとしては忘れてならない小倉餡発祥の地。
二尊院周辺(小倉山周辺)の菓子職人和三郎が、空海が中国から持ち帰った小豆の種子を栽培し、作ったのが始まりとされるのだそうだ。
ありがたやありがたや。(饅頭を作ったのは林淨因だけれどね)




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ここは角倉了以の墓所もあったり、花もきれいで見所は多い。





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もちろん釈迦如来、阿弥陀如来の「二尊」をお祀りする本堂もお忘れ無く。
ちなみにお釈迦様は極楽往生をめざす人を送り、阿弥陀様はそれをお迎えする仏とかや。




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手水の周辺に半夏生発見。
さすがにまだ早く、白くはなっていない。




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そうか、もう睡蓮の季節か。





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本堂の床の埋木。自称埋木フェチとしては激写せねばなるまい。ここはあまり収穫なかったけれど。(フェチとしては西本願寺がオススメ)





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嵯峨野をさらに奥へ行く道を歩む。
途中でトラ猫に出会う。




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嵯峨野の奥は化野、それこそ明治の頃まで死体がごろごろしていたという葬送の地。いまでは街道はきれいに石畳。




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これは同じ道を四年前の8月、念仏寺の千灯供養に行ったときの写真。(記事→
なにせこの夜は大嵐で雷稲妻のひどい天気ゆえ、観光客もまばらでそれはそれでよかったのだ。




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化野念仏寺、ほんまにあの日以来、ひさしぶり。




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参道で日蔭の蔓発見!
(もちろんお持ち帰りしてないわよ(^_^; )





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紅葉を透かして見あげる仏舎利塔。




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西院の河原。

8000体以上あるという石仏はかつて化野一帯に葬られた人々の墓石。
散乱し、土に埋もれていたそれらをここへ集めたのは明治の頃という。

表面にほられていたであろう仏様の姿はもうすっかりおぼろげになって、墓石かどうかもよくわからない感じだが、真ん中にたつと、それらがすべて中央にある仏塔を向いているのがわかる。
真ん中にたつと、すべての石仏にみつめられているようでちょっとぞわぞわした。




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8月23日24日は千灯供養、美しい景色なので是非おすすめする。(ただし天気がよいときはかなりの人出は覚悟の上で)



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四年前の千灯供養の写真、貼っておくね。




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ここまでくると観光客は数えるほどで、嵐山駅周辺の人わさわさの竹林より美しい竹林の道が楽しめるよ。




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やさしいお顔のお地蔵様。
生まれようとして生まれなんだ子、幼くして亡くなった子を慈愛の目で見つめるがごとし。




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帰る道で気づいた、あ、泉仙ってここにあるんだ。(精進料理、仕出しのわりと有名なお店どす)




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帰りにちょっと足を伸ばして野々宮へも。
なにせ先日の薪能の演目が「野宮」だったので、その舞台装置でもある黒木の鳥居をちょっと見たくなって。(ちなみにこのあたり人いっぱい、、、)





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むしやしないは老松さんの嵐山店で、、、




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とろっとろのできたてわらび餅。




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清涼寺の近くの豆腐の森嘉さんで、カラシ豆腐を買いたかったのだが、手荷物いっぱいで断念。残念。
(森嘉さんの名物飛竜頭は大丸で買えるよ)




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お土産に老松さんでこの季節だけのお楽しみ、稀少な夏蜜柑で作った夏柑糖を買って帰ったのは言うまでもない。



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