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2018-02

銀月サロン・冬(〜早春)茶会〜銀月アパートメント - 2018.02.25 Sun

北白川の知る人ぞ知る(映画のロケもよくおこなわれるところの)銀月アパートメント




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だれが建てたのか、いつごろ建ったのかすらわからないけれど、少なくとも戦前の、レトロなアパートなのだが、現役、現在はアーティストなどがお住まいとか。




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春には眼前の桜が一番美しく楽しめる二階の部屋の銀月サロン、中国茶サロンです。今回は冬茶会、、、といいつつ、外は春のような陽気で早春茶会といった風情になりました。




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お花は桃とアオモジ



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毎回御趣向のセンスある室礼がすばらしく、なにかの参考にしようと思うのだが、力不足でなかなかここまではできません。




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この簀の子の小箱だって、どこでみつけてこられるのだろう。

蓋をめくると、、、




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お茶菓子が!

ミルフィオーリの小皿にのっているのは、大阪のエクチュアさんのジンジャーハニーチョコと、これなに?美味しい!の烏梅(ウバイ・青梅を燻製した物)とシークァーサーのドライフルーツ。





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台湾ではお茶をいれるときに台に茶神という小さな人形をおくことがあるそうです。お茶をいれるたびにお湯や洗茶をかけるので、時間とともに良い色になるのだとか。





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今回のテーマは武夷岩茶。
武夷岩茶は福建省武夷山で採れる有名なお茶だが、焙煎(ほうじ茶といっしょ)工程がはいるそうです。

その焙煎の浅い「岩中蘭」、中くらいの「水金亀」、強めの「金賞肉桂」の飲み比べ。
浅い方から強い方へ、茶色は少しずつ濃くなっていきます。




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(背景が春には見事な枝垂れ桜の桜色になる)


静かな室内と、岩茶の高い香り、心癒されるゆっくり時間





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なにかと時間内にあれもこれもしなくちゃ、と時間と競争するのが好きな自分にとって、ほんのしばしの”時間を忘れる時間”でもあります。美しい室礼の中で。




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さて、実は一番楽しみなのはこれだったりして(^_^;
点心タイム

本日のメニューは
油飯:豚のでんぶをのせたご飯、中華粽の中味のような印象
麻油鶏:鶏の骨付きを生姜や枸杞、棗などでことこと炊いたスープ、これは台湾では風邪をひいたときなど、お母さんが作ってくれる、というお粥のようなスープ
麻婆豆腐:席主お手製の豆板醤を使ったもので、今まで食べたどの麻婆豆腐よりスパイシーで美味しい




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デザートは湯圓、白玉粉につつまれているのは胡麻餡、ゆでたて熱々がまた美味しい。




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最後に大菊茶、お湯に入れて花開くのを楽しみつつ、菊の香とともにいただきました。




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今回も美味しく佳い時をすごしました。
次に来るときはこのしだれ桜が花開く頃です。もう枝先は色づき、春は近いと確信できたことでした。




正午茶事〜「楽の十碗十様」@東京淡交社 - 2018.02.22 Thu

今年初の東京
京都ではいろいろお世話になっている淡交社さんの東京教室に行くのははじめて。

雑誌「淡交」で、まず最初にここから読む、という読者の多い茶道心講の筆者・岡本浩一先生主催の茶事で、東京淡交社ビル内の茶室「慶交庵」にて開催。先生の大寄せ茶会は行ったことがあるが、茶事ははじめてなので期待してでかけた。




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(ビル内の茶室ながら蹲居もある)


寄付の軸が住友春翠、最晩年の「松無古今色」
これはご著書「茶道を深める」に入手されたエピソードが載っていたものだ。

待合は四畳半の小間で、よく参禅に行かれている品川東海寺の和尚様の達磨の絵、「不識」

今回の御趣向は「楽」。
迎付のあと、八畳の広間へ席入り。軸は今の御家元がお若い頃に書かれた一行物「明眼衲僧會不得」、出典は碧巌録とか。以前、この軸がかけられた席にお家元が来られた時のエピソードがおもしろかったのだが、ちょっと内緒。

ひさご棚にかけてある羽根が孔雀のあのきれいな部分でびっくり。炭手前ではお手製の竹の網籠の炭斗がでてきて、これもおどろく。茶人はここまでこわだるのだ。
車軸釜の濡肌も美しく、香合はイタリアアマルフィの焼物、「和洋の境をまぎらかす」のも先生のテーマであった。




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懐石は下鴨茶寮の東京支店の板さんが出張。
向付に赤楽、飴釉、、、の蛤、主に(私も作陶教室で楽茶碗をひねったところの)吉村楽入さんのものである。先生と楽入さんの交流はご著書にもくわしい。以前八王子のみささ園での茶会の主人公は楽入さんの宗入「亀毛」写し、軸はそれに添えた彼の消息を軸装したものであった。(「茶道に憧れる」に写真あり)

懐石も美味しく頂戴したが、強肴にイベリコ豚がでてきたのは一堂感激。茶事にお肉を使われるというのはこれも御本で存じ上げていたから。あと汁椀にもバルサミコ酢、五色人参のつけあわせなどなど、ご亭主の意向に沿うユニークなもの。
ガラスのちろりも中の氷をいれる部分を磁器製とし、特注してあとから京焼で焼かせたものというこだわり。強肴のユニークな織部っぽい器は本にも載っていたアメリカ人の乾山研究者の手になる物。

石杯の中に、敦煌でもとめたという夜光杯があり、一座のもっぱらの話題をさらう。玉でできた透き通る柄付グラスの形。「葡萄名酒夜光杯 欲飲琵琶馬上催、、、」王翰の詩の世界が広がるよね。(これも読み返したら、本の中に写真があったわ)

千鳥の時のお酒がサイダー割のもの、10人のお客さんと千鳥をするには若干希釈しておく必要が、、、(^_^;、なるほど、これはよいアイデアかも。

主菓子はご自分で出かけられた先で美味しいと思ってとりよせたという、木曽のサルナシ羊羹。サルナシは日本のキーウイフルーツともよばれるらしく、甘酸っぱい味がとてもさわやか。初めていただいたし、言われるまで正体がわからなかった。




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後座

普通後座は床が花で軸は掛けないが、特別にかけてあるものを見れば、今年の大宗匠の年賀状(戌の絵入り)を軸装したものであった。先生の大宗匠に対する深い尊敬の念と交流は以前から存じ上げているので、これも納得である。

で、今回一番好きだったのが、竹の花入、川上不白のもの。全体に黒っぽく時代がついて、正面に園城寺ばりのひび割れ、これは金継ぎが施されていて、めちゃ渋いの。花は壇香梅と椿
浅くて入れにくい花入れを上手に使う方法などもご伝授いただく。

道具は時代のものより同時代を生きる作家の物を使いたい、とおっしゃる中で、これと濃茶の主茶碗・了入の黒楽はアクセントになる。この黒楽はのんこうの青山とちょっぴり印象が似通う。
次茶碗も若松の絵のついた(何代か忘れたが)赤楽で、惺斎の自動車判の箱がついていたのが印象的。

続き薄では次々でてくるいろんな楽茶碗、楽入さんの物が多かったが、これが出た時には出た〜!と思った。 ↓




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「茶道を深める」の表紙にもなった光悦の「不二山」写し。コピーではなく、意訳的な不二山、本物を手にとれるとは!光悦のは持ったことはないが、おそらくそれよりごつくて意識的なゆがみがある感じ。
あとは大樋や、鈍翁の茶碗(これも渋くて光悦っぽくてよかった)、裏千家の高名な業躰先生の手づくねとか。(私はごく末端の弟子なので、これらの先生方を残念ながら存じ上げない)

茶入が急遽差し替えたという虫明、茶道資料館の春の展示テーマが「むしあげ」なのにあわせられたそうな。私の知る虫明焼と印象がことなるが、底の土をみると虫明独特の黒い土であって、納得。




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御連客は先生ゆかりの方から、ご遠方からこられた茶道心講で先生のファンになった方まで。道具の作者のエピソードとか、手に入れた時のお話しなどユーモアを交えてお話しいただき和やかで、楽しい時をすごした。この上、小間で少人数、真剣勝負の先生の茶事を経験してみたいなあと思ったのは贅沢であろうか。




<おまけ>

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帰路につく乗換駅の御徒町、ウン十年ぶりにちょっと寄ってみたアメ横は、、、、



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日本ではない,アジアのどこか、、、になってたなあ、、、  (^_^;





茶の湯釜とその周辺〜茶道資料館 - 2018.02.20 Tue

「釜は一室の主人公ー」

今季の展示は茶の湯釜
茶の湯釜の研究をされている茶道資料館学芸部長の伊住禮次郎さんの企画とお聞きした。




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釜の歴史は芦屋、天明からあれど、この展示は裏千家歴代好み物を中心に、ということで与次郎からはじまる。
歴代の好みの釜を作った多くの釜師の釜と、その背景に、その代の家元の書画が添えられているのは、どの釜師とどの家元がつながっていたのか、わかりやすくて,その時代の雰囲気もうかがえていいな、と思った。





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このポスターにもなっている与次郎の万代屋がやはり一番の圧巻。
現在の万代屋のモデルとは少し違って、擂座の数や位置、ごつごつしていかにもたたき割りました,という感じの羽落、洗練される前の荒々しい感じがまたよい。

利休好み阿弥陀堂、これも好きな形だが口に欠けがあるのは時代の性か意匠か?やはり荒々しい。

少庵好みの雲龍釜の掻き立て鐶が油皿の灯芯抑えのデザインとははじめて知った。

金沢で花開いた仙叟ー寒雉の釜は、有名な焼飯釜に代表されるように洒脱で奇抜な意匠の物が多い。鐶から湯気の出る塩屋釜もその最たる物だよね。元禄時代くらいか、あの頃の明るい雰囲気を感じる。

光格天皇から、宝鏡寺に入った内親王へおくられた夕顔台子一式は釜だけでなくすばらしかった。これは宝鏡寺で見たことがあるかもしれない。釜も風炉も杓立、建水、火箸すべて夕顔の花のデザイン。浄雪(大西十代)、七代浄益、台子と棗は七代宗哲。釜が、尼門跡に贈るにしてはごっつい唐犬釜なのは印象的。さすが大西家中興の浄雪。

釜回りのものとして圓能斎夫婦の銀婚式と,又妙斎の華甲(還暦)を祝った銀華茶会につくられた香合が美しい。小さい溜塗の香合で蓋に雪華の蒔絵あり。(作者不明)

淡々斎のころになると金重陶陽の備前、糸巻型の風炉などもあってびっくり。

釜はね〜、あれこれほしいけれど、場所をとるからね〜、、、と指をくわえて拝見するのであった。






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しかし、ちらちら見え隠れする3月末の次期展示の虫明(むしあげ)焼のポスター、、、呈茶席の茶碗まで虫明だったので、とても気になる(^_^;
出身が岡山なので地元なのだ。窯のあるあのあたり、虫明という名字の人も多いのだよ。
明治になって伊木家の庇護を失い一時廃れかけたが、そののちなんとか復興している。母からもらった茶碗にも虫明(戦後)がひとつあるのだが、ワタシはけっこう好きなのだが、地味っぽいので茶席での人気はいまいちという、、、、(^_^;

また来期も楽しみにして行こう。





京都冬の旅2018〜妙覚寺・元信の大涅槃図 - 2018.02.18 Sun

堀川今出川を上がると表千家、裏千家があり、茶道資料館もあるので、このあたりよくうろついているのだが、、、





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小川通りと上御霊通りの交差する当たり、こんな大きな堂宇があるとはしらなんだ。
妙覚寺、日蓮宗の古刹である。裏千家の門前には本法寺というやはり日蓮宗のお寺があるのだが、ここらへんは日蓮宗のメッカなのか?




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創建は14世紀、はじめは四条大宮あたりにできたそうだが、たびかさなる火災や戦火、焼き討ち(!)などで現在の場所に移転したのは秀吉の洛中整理令の時。
当初の建物はうしなわれたが、この大門だけは聚楽第の裏門を移築したものといわれ、数少ない聚楽第の遺構らしい。




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この門、秀吉の栄華からその後の時の流れをみてきた歴史の証人なのだな。



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今年の冬の旅で特別公開中。背景の桜、咲いたらきれいだろうな。


秀吉以前、まだ二条衣棚に妙覚寺があったとき、この寺は信長の定宿であった(本能寺よりもここへ泊まった事が多かった)。美濃領主斎藤道三の息子がここの上人であったゆかりという。正妻も道三の娘であったしね。かの本能寺の変のときは信長の長男、信忠がここへ泊まっていたそうだ(のちに二条新御所で自害)。けっこう歴史の表舞台になっていたのね、ここ。今まで知らなかったが。




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この広い境内は、戦国時代から江戸初期にかけて兵士を集結させるのに使われる軍事機能があったらしい。



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正面の堂々たる祖師堂。井桁に橘は日蓮宗の紋。




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今回の特別公開は日蓮宗らしいちょっと華やかな本堂とか、自然庭園とかが見所なのだが、やはり一番見たかったのは初公開(?)の伝・狩野元信の大涅槃会図。元信はご存じ狩野派の祖というべき人で、かの永徳のじいちゃんにあたる。
ちなみに元信も永徳もこの妙覚寺に墓所があるのだ。





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(冬の旅パンフの写真)



かなりでかい。全幅吊りきれず下の方は垂れている。いつか見た等伯の涅槃図よりは小さいけど。あれは縦15m、これは6mほど。
入滅する釈迦のまわりで嘆き悲しむ弟子、天界の住人、獣たち。色彩はかなり華やか。
共通しているのはめったに涅槃図で描かれない猫が描かれている点。こちらの猫は毛並みが茶トラで、先日旅だった我が愛猫シェルの姿とだぶっていかんわ(´;ω;`)
仏教への帰依篤い鼠を食べた罪で普通涅槃図に描かれないとか。(十二支からもれたのもそれという)

一般的に涅槃図では、釈迦の母、摩耶夫人が天から迎えに来る構図が多いらしいが、これは嘆き悲しむ人の中にさりげなく混じっておられる。釈迦の真後ろでオレンジ色のハンカチで鼻をかんでいる、、、でなくて涙をぬぐっている女性がそれ。
すごく人間くさい姿がたくさん描かれ、桃山ルネッサンスの息吹を感じるのである。





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こちら,元信の墓所の碑。




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寺の裏にこちらの檀家さんの墓所があるが、まわりが一般住宅にかこまれているのがなんだか京都っぽい。



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まだまだ寒い日が続くが、木立の先は確かに少し色づいてきて、陽光も春のきざし。




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帰りはここより歩いてすぐの茶道資料館にて釜を拝見、この話はまた後日。





雪舞う〜二畳隅炉の茶事 - 2018.02.15 Thu



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京都は降っていなかったのに、たどりつくとそこは粉雪が舞って、、、いや、吹雪いていた。

師匠のお宅での茶事におまねきいただく。なんだかしょっちゅうお目にかかっているので、そんなにたったとは思えなかったが、計算すると2年近くぶりであった。

すでに広間と小間の茶室をお持ちなのに、その上どうしても欲しかったという二畳の茶室を、廊下の空間をいかして完成させた、とのこと、その茶室を拝見できるのがとても楽しみである。連客は若いお茶友さんおひとり。




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ご亭主自らのお出迎えを受けて、普段の広間が待合。
障子の向こうは雪吹の庭であるが、室内は障子越しのやわらかい光。

今は途絶えた珉平焼の鑵子(釜)が湯気を吐き出して静か。ここから汲み出しのお湯をいれていただく。




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しかし、師匠、いつのまに赤穂緞通をゲットしていたのか。(それも藍をふんだんに使ったええやつや)

脇床に聞香炉、沈香・羅国のほのかな薫香




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腰掛け待合いにまず驚く。
以前から足のわるい方の為に廊下に作ってあったという、掘りごたつ形式のスペース、(以前は気づかなかった!)ここが室内腰掛け待合いになるとは!


ここにつながる躙り口から席入りすると、ここが二畳隅炉の茶室であった。待庵と同じ間取り。

網代の落とし天井、後にサッシがあるとは思えない下駄をはかせて調整した障子建具、躙り口もとりはずせばもとの襖にもどる工夫が。もとはといえば、広間と小間を裏でつなぐ廊下の一部、鎖の間みた〜い♪

しかし、なにゆえ二畳にこだわるのか。
それはここで懐石をいただき、お茶をいただく中でなんとなく、おいおいとわかるのである。





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(向付:ピーナッツ入りのお手製ごまどうふ 弘入だったかな、のつぼつぼ♪ 根來の折敷)



軸は「霊香薫四海」
あの待合の聞香炉はこの霊香のイメージであったか。

懐石はご亭主+奥様のチームプレーのお手製。
極侘びの茶室での作法を勉強する。
小間では折敷は半かがりに置くが、二畳になると縁うちへひきこまばならない。
懐石の皿などは広げるスペースも少ないので、出したらすみやかに片付ける。亭主は半歩、茶室にはいっただけで、手を伸ばせば用が足りるこの距離感。





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(秘密の(^_^;中味の煮物椀 めちゃ美味し)



お酒も盃と石杯で美酒をいただく。
さしつさされつさしつで、外の雪がうそのような暖かさ、これも二畳の空間なればこそ。
懐石道具もいつもどおりゆるみのないすばらしい道具ばかりで、使わせていただけるありがたさ。酒器をはさむ距離は広間とかわらないはずなのに、とりかこむ空間が狭いと心理的により近くに感じるということを体感する。

強肴のからすみ(しかも自家製)とクリームチーズの紫蘇の葉巻き、あれもっと飲めって言ってるよな、まったく。八寸のくちこときた日にはもう、、、何杯でもいけそうや。




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この季節ならではの梅いっぱいの小吸物の蒔絵は、表が青貝で、底にまで松竹梅の蒔絵があるすてきなものであった。

つねづね引重(二重で上に香物、下に焼物をいれる)と両細箸の使い方が疑問であったが、今回これも学習した。極侘びなので、さらに省略した一重の箱に焼物と香物をいれ、煮物のあとに客にあずける。
先に焼物をとってまわし、正客にもどしておいて、お湯の持ち出しの時に、箸の反対をつかって香物を取ってまわす。

すみやかに折敷がかたづけられたあとに炭点前。
本来ならば炉の時期、炭は懐石の前だが、部屋が暑くなりすぎるとのご配慮。釜は阿弥陀堂、炉縁も極侘びの沢栗。いずれも名品。

香合が古染の毬挟、これは数年前、こちらへ初めてお招きいただいた時に手に取ったものであった。感慨深い。あの時初めて毬挟という形をおぼえたのであった。




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もう、この三島の鉢には泣きましたよ、ワタシ。

そして、ご亭主お手製の椿餅、和菓子の起源ともいわれる、これもまた極侘びのお菓子かもしれない。中は黄味餡、白い餅とのコンビで、まるで椿の花のおしべのように見えるのであった。





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後座

席入りの瞬間にはっとする。閼伽桶の花入に椿と梅。

水指はさらに極侘びの常滑、素朴でゆがんだ姿がなんとなく伊賀の破れ袋を思い出させる。蓋をあけたとき、中の水面がしっかり見えるのは二畳の茶室ならでは。
わびた旦入の黒楽で練られた濃茶は客畳に出される。手をだせばふれあえる距離。これをご亭主もいっしょに三人でいただく。これもこの距離なら。

「お服加減は?」
の一言でほぐれる座の会話
主客との絶妙の物理的、心理的距離感、利休はこれを知っていて待庵を作ったのではないかとおっしゃる。なんとなく、つい気安くなって、なんでも話してしまいそうな距離である。師匠が楽しみながら苦労しながらこの二畳茶室を作った気持ちがようやくわかりはじめる。

一客一亭にもふさわしいかもしれない。ただし、この時はよほど親しい間柄でないと。

続き薄は佗茶にふさわしく、濃茶と同じ茶碗で。
茶入、薄器、茶杓はいうにおよばず美術館級の名品ぞろいであるが、やはり極侘び。知識もなにも及ばないが自分のレベルで師匠とのお茶談義は楽しい。薄茶二服にお白湯(っぽい極薄茶)をいただいておひらき。楽しくて、時を忘れ、勉強もたくさんさせてもらった一会であった。感謝感謝である。


あまりに二畳が暖かかったので、外がまだ雪が舞う寒さであったのにおどろいた。しかし、春もそんなに遠くない季節だなあ。






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