「京の国宝」〜京都国立博物館 - 2021.09.09 Thu
京都国立博物館開催中の「京(みやこ)の国宝」展(後期日程)へ。

寺社文化財の大きな危機は、明治維新の廃仏毀釈と第二次大戦前後の混乱の時期におきた。
その時期をいかに乗り越え、調査、保全、記録、法整備をしてきたか、という先人達の努力という点に重点がおかれた展示になっている。
特に明治19年の寺社宝物の調査や目録、それを作成するように命じた京都府の行政文書(重文)などは、初めて見るものばかり。今までこんな文書の展示ってあったのだろうか。
文書は墨書でこまかく記載され、記載された用紙も時代を経て古び、当時の人たちの労力に思いを馳せる。廃仏毀釈で失われるものの価値に気づいた人たちの、失われてはいけないという情熱がひしひしと感じられる。文化財の多かった京都と奈良だからできたことかもしれない。
宝物取調書に今ではお馴染みの国宝の名前が(例えば高山寺の鳥獣戯画!)書かれているのが感慨深い。先人達の努力がなければ、今目にすることもできなかったかもしれないもの。
明治29年の宝物簿が「推古時代」「天智帝時代」「弘仁時代」以下「藤原時代」とどんどん薄くなっていくのになるほど感。
もう一つの危機であった大戦後、それに昭和24年の法隆寺金堂の火災の教訓を経て、昭和25年に初めて制定された文化財保護法、その原本の展示もあった。昭和天皇の御名御璽に当時の総理大臣・吉田茂の署名に当時の時代を感じる。(吉田茂の国葬の記憶のある世代ですの)
その後も文化財の経年劣化風化を補修する取り組みなど写真、文書で知ることができ、日ごろ楽しんで見ている国宝、文化財がいかに守られているかという、いつもと違う切り口で見ることができてよかった。
(ミュージアム行くときはこの単眼鏡を忘れずに)
気になった国宝をいくつか。
もう何度も見ているが、御堂関白記(陽明文庫)、平家納経(厳島神社)、明月記(冷泉家時雨亭文庫)、瓢鮎図(妙心寺退蔵院)、無準師範の円爾弁円印可状(東福寺)もあったな。
ずっと「ゆり文書」と誤読していた(^_^;東寺百合文書(ひゃくごうもんじょ)。
宗達の「風神雷神図屏風」もお久しぶり。
それから、10月からの展示も楽しみ。
一昨年から改修工事にはいって、閉館中の東京・畠山美術館のお宝が京都でおがめる〜♪。
暑い日だったので、鑑賞のあとはかき氷活動も組み合わせる。お向かいの三十三間堂の南側へ。ここらへん滅多に来ることがないので、細い路地の向こうに見える京都タワーの景色がものめずらしい。
ずっと気になっていた茶舗清水一芳園のかき氷。
こちらはタブレットで注文からトッピングから支払いまでできる便利さ。
で、チョコミントエスプーマのかき氷、練乳は自由に追加できるやつ。
美味しかった(*^_^*)
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● COMMENT ●
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高兄様
明日までですね。
滑り込みセーフ???
滑り込みセーフ???
鍵コメ様
国宝の類いは何度見ても感動新たですね。(忘れやすくなっているのもありますが、、、W)
便利堂さんのコロタイプの仕事は知人がつとめているのもあって興味を持っています。
なんでもデジタルの時代に、昔からの仕事のすごさを残してくれてありがたいことです。
便利堂さんのコロタイプの仕事は知人がつとめているのもあって興味を持っています。
なんでもデジタルの時代に、昔からの仕事のすごさを残してくれてありがたいことです。
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京の国宝は、是非行かねば・・・・
急いで、行って来ます^^;