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2024-03

東大寺華厳茶会2016 - 2016.05.06 Fri

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今年35回目を迎えた東大寺華厳茶会、この茶会の記事を書くのも5〜6回目かなあ(^_^;



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東大寺好き(お水取りフェチ)とお茶好きがあわさって、ここんとこ毎年でかけている。



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法要時にはためく幡(ばん)。
天気予報では雨が心配されたが、なんとかもってくれた。そういえばいままで参席した中で5月3日、雨がふったことがない。適度な曇り加減で暑くもなく寒くもなく、待ち時間が苦にならない天気である。



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GWまっただ中とて観光客も多い中、とりどりの着物をお召しのみなさまがた、4席の茶席の間を逍遙。



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毎年最初に大仏殿裏の副席(毎年いろんな数寄者が釜をかけられる一番人気の席)を攻略するのだが、ここが一番待ち時間も長く、大宗匠の御献茶と重なることが多い。だから大和茶のお茶壺道中とか、献茶式(11時〜)をご覧になりたい方は時間配分をお気をつけあれ。




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そもそも東大寺を建てられた聖武天皇を法要する祭の一環として行われることになった華厳茶会、労をとられたのは鵬雲斎大宗匠であった。なので毎年御献茶をされる。大仏様への御献茶、大仏殿の階段を天目台をもって毎年てすりもつかわず登られる。御年90はいくつか過ぎられたはず。今年はもうのぼらないでください(転ぶと危険だから)と業躰さんたちがとめるらしいが、たぶん、今年ものぼられたのであろう。
副席を待っている間におわりそうなので拝見できないなあ、、、と思いつつ。




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回廊で待っている間にお茶壺の姿が遙か遠景にみえた。これがカメラの望遠機能ぎりぎりの画像。



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少しだけ大仏殿をのぞき大宗匠のお姿をチラと拝見しただけ(いつ席入りになるかわからないので)。来年は廻る順番を変えて、御茶壺道中から久々に見ようかな、と思う。



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さて、副席。

いやあ〜〜一休さんの軸がでてました〜〜!!
「諸悪莫作 衆善奉行」


白楽天と鳥巣禅師のエピソードで有名な禅語だが、一休さんかあ、、、と感激して拝見。

釜をかけられたのは、こちらも大宗匠に負けず90歳をいくつか越えられた奈良の数寄者さんであった。



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(お菓子は大和郡山・菊屋の「藤」)



古銅に入れられた花は姫大山蓮華のつぼみ、香合が現在奈良国博で開催中の「信貴山縁起絵巻」中の剣の護法童子がころがす法輪にも似た八角輪宝。

六代宗哲はすごいな、の薄器・仙叟好形歌棗。
「花もなく 実もなき枯木 いけてみよ こころの花は 何かまさらむ」
とは宗旦の歌らしい。溜塗の上に黒い漆で歌が書かれているので、会記がなければまず読めないくらい渋い。


それからそれから当代の楽さんの焼貫きっぽい(アヴァンギャルド)黒楽!
家元が席主に乞われてつけた銘が「幽玄」。
なんでもドイツ語のJugend(若さ)からきているとか。ヒットラーユーゲント(少年隊)と関係があったのかどうか、聞き漏らしたが。

替茶碗も金森宗和所持の井戸とか、赤膚焼の木白(もくはく)の茶碗とか、八碗で南都八景をひとつひとつ描いた茶碗とか、すばらしいお道具ばかり。お席主のお歳においつくまであと30年くらいあるけれど、こつこつ集めたとしてもとうてい追いつきませんな。

茶杓が不見斎で銘が「横笛」であったが、これもお席主が邦楽?を習うにあたって最初に奏じた曲銘なのだそうな。

ほんま、毎年毎年副席はすごい。(やっぱ一休がよかったなあ〜)



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次に本坊にて濃茶の今日庵席へ。



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お道具組は大宗匠がされたそうで、、、という話をきいていたら、その大宗匠がすぐ目の前で参席客に挨拶されていた。献茶はみることできなかったが、ここでお元気なお姿を拝見。ほんまに腰もまがっておられない。すごいです。




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お菓子は末富の「香具山」。昔の記事を読んでいたら数年前にも同じのがでていた。淡い草色がはるか飛鳥にある山の姿を彷彿とさせる。

この席で正客されていたのが、4月初めひな会式で訪れた法華寺の尼様だった!

軸は玉舟宗璠(江戸初期の大徳寺禅僧)の「咄々々 力口希」。利休辞世の一部。
竹二重切の花入は、かすがいがいっぱいうたれてつくろわれている今日庵伝来のもの、銘を「老僧」。やぶれかぶれの衣をまとった老僧かな(^_^;) ただし竹の内側は金砂子の漆ぬり。

花はケマンソウにテッセン。




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(若草山ものぞめる本坊の庭には杜若もしくは菖蒲が)


根來の香合に一入茄子茶入「仙人」、茶杓が宗旦「山猿」、渋渋好み。

加賀光悦を長入が写した物も大きくて迫力あったし、一番ええな〜と思ったのが大徳寺呉器。おおぶり。残念ながら拝見だけだったが、こういう大きいので一度お茶を飲みたいもの。



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これも毎年恒例、辻留さんのお弁当をいただき、



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勧学院の東大寺席へ。
ここは東大寺学園の父兄が奉仕され、学園長でもあり、お茶に造詣の深い上野道善師の席でもある。



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なんといってもここはご本尊の前で点茶され、本堂でお茶をいただく、という独特の雰囲気が好き。



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お菓子は、奈良・樫舎さんの葛焼「草千里」。
こちらのお菓子は毎年いろいろ工夫されているなと思う。




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上野師が書かれた東大寺の「大」の字がお茶碗ひとつひとつの中に。



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最後に大仏殿回廊の奈良青年部呈茶席へ。
ここは一般の方もまじってお茶をいただける。大仏殿を背景に葛のお菓子を食べて一服。




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お花はフタリシズカとキスゲ?でしょうか。



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今年の記念品は花喰い鳥の香合。東大寺古材をもって指物師・岩木秀斎作る。
なぜかこの木材とてもよい芳香がするのだが、材はなんであろうか?



(記憶違いもあるかと思われるので、間違っていたらご指摘下さい。特にユーゲントの由来が、、、)



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