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2024-03

手のひらの自然 小倉百人一首〜京菓子展2017 - 2017.11.10 Fri

弘道館にて毎年公募している京菓子のデザイン、実作、の展示がおこなわれる「手のひらの自然 京菓子展」、今年のテーマは「小倉百人一首」であった。




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京菓子は、銘を聞いてさらにイメージをふくらませることができる宝石のようなお菓子だと思うが、それが百人一首の歌によせて実作で展示されるのだから、これはちょっと興奮する。




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寄付に、小間に、広間に、展示されている30点の京菓子。
ひとつひとつにライティングが施されて、浮かび上がって見えるのは壮観だ。




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寄付にあったのは京都市長賞受賞の「紅水染(もみじ)」
  ちはやぶる 神代も聞かず竜田川、、、がテーマだね。からくれなゐにくくられた水がかくも美しく。



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 瀬をはやみ 岩にせかるる瀧川の、、、

が、テーマの「清流」。透明な錦玉が、きっと夏には涼しげ。




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たくさんの賞を獲得して、私もこれいいな〜と思ったのがこの「つきあかり」




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画像ではうまく再現できていないが、実際はもっと透き通ったブル−。

  、、、、もれいづるつきの かげのさやけさ


味わうことはできないが、日本酒錦玉製なのだそうだ。中心をずらせた穴が秀逸。




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 かささぎの わたせるはしに おく霜の、、、

カササギを連想させる翼の造型。練り切り製。




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これもけっこう好き。ブルー系のお菓子が京菓子には珍しいので、よけいに惹かれるのかも。
で、歌は、、、忘れました(^_^;

これも「かささぎの、、、」だったかな。




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 しのぶれど 色に出にけり わが恋は、、、

「彩心」という銘のこのお菓子はすけて見えている恋心があでやか。




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葛製のお菓子、「遠望」

  わたのはら こぎいでてみれば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白波

小舟と沖つ白波。これもブルー系で好き。





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これもちょっと萌えた「舞うひと」

 あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ、、、

姿をしばしとどめんと、僧正遍昭が歌ったをとめの舞の衣が風にひるがえるイメージがすぐさま浮かんだのである。



 
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これも好きだな、「言霊」

これには特定の歌はなくて、歌自体が言霊というコンセプトか。

ぷくぷく湧いて出てくる言の葉は言霊となって身の回りにあふれる、、、そんなイメージ。





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「滝の糸」

  滝の音はたえてひさしくなりぬれど、、、

真ん中の錦玉部分が透き通っていてきれい。




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さて、呈茶の席では、実際に展示されているお菓子のうち三種からひとつ選べるのだ。




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私はこれを選んだ。

「ひとりぬるよ」

  嘆きつつ ひとりぬるよの 明くるまは、、、

真っ黒なこなしに巻き付いたとりどりの色の糸、、、、おんなの情念がからみつく、、、そんなイメージ。

菓子で真っ黒は墨でしかだせない、と弘道館の太田先生。老松で(昔)和菓子を実際に作ってはったしねえ。この黒は古梅園の墨なんだそうで。中の白餡といい、黒いこなしといい、最近食べた和菓子の中で一番おいしいかも。




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呈茶しながら太田先生、例によって蘊蓄を次々ご披露して下さる。今回もしらんかったわ〜!とビックリするような豆知識を少々仕入れた。(円山公園真葛が原の安養寺は山号が慈円山、ここから円山公園の名前がついたとか、いろいろ、、)

そして昔作ったという和菓子ノートもみせてくださった。お菓子の材料がグラムでなくて匁なのがツボ。



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なんとお茶をいただいた茶碗の絵付けが、、、かのカイロ大学を卒業し東京でブイブイいわしてはったあのお方。(今はちょっとアカンけどな)ちなみに文字はアラビア語で平和、、、だったかな。




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最後に、北野大茶会の絵図がかかる床の間に工芸菓子「青空寂寞」




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 奥山にもみぢふみわけ 鳴く鹿の、、、

見事な秋の山の風景になっていた。


他にもたくさんあったのだが、全部はのせきれない。今年は終わってしまったが、毎年テーマをかえて公募され、展示されるので、まだの方は来年是非。






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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

こんな素敵な催しがあったなんて・・・あ~知らなんだぁ

先週末までだったんですね

こんな美しい菓子たちを

どんな風に、カメラで切るか

考えただけで、ちょっと、ゾクゾクする私です><

和菓子、こうなるとアートですね!職人さんの美意識を競うのですね!どれも素敵で食べるのがもったいないみたいですね!!

高兄様

これ、今頃毎年やってますよー。
照明が白熱系なのでWB調整してもなんだかなーの写真になりました。(カメラのせいにする(^-^;)
実物はもっと美しい。
是非来年、お手並み拝見したいですわ。

みゅうぽっぽ様

これはデザイン部門と実作部門があって、デザイン部門はだれでも参加できます。まあ、センスがないからしませんがね、私は。


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