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2018-12

市川孝茶車展 - 2018.12.11 Tue

市川孝さんは滋賀県にお住まいの陶芸家、、、だが、実は金工も木工もお手のもの、なにより中国茶茶人としての方が最近では有名になっちゃって(^_^;
台湾で一番有名な日本人陶芸家であり、台湾だけでなく中国大陸でも彼の中国茶茶器を求める人はあとを絶たないと聞く。
かくいう私も主に市川さんのミニ風炉シリーズをたくさんもっているのだ。



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数多い市川ファンのひとりとして、彼のプロデュースする茶菓花器事や茶遊記などのお茶会になんども足を運んで、その世界を堪能してきた。
おりしもK美術から届いた彼の作品展を知らせるハガキに、御自作の茶車8号(!)と称する車の写真が。



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市川さんは、お茶好きが嵩じて、茶車と称する熱源も水もコンパクトに収納できて、どこへでも引いていけ、どこでもお茶席にしてしまう装置を自分で作っちゃうのだ。いろいろ改良を重ねて、最新の8号車完成(右手奥)。7号車とともにK美術で展示の間、お茶のふるまい。




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亭主も日替わりで、期間中煎茶、珈琲席、抹茶席をこの茶車を使ってする、という趣向。

これはOさんが煎茶席をされたときのもの、茶車7号。水のタンクも装備していれば、バネつきのポールで段差のある場所にも水平に車を設置できるというスグレモノ。しかも溶接から組み立てから全部自作と言うから、これはもう陶芸家、、、という名称をとうに越えている。



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今回、8号車初使いで、抹茶席をさせていただいた。
道具は、展示中の作品から使えそうな物を好きなようにピックアップさせてもらえるという贅沢な席。手あぶりまでご用意くださって、火の面倒はすべて市川さんがみてくれるというお大名亭主(^_^;




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こんな感じでしつらえてみた。
テーブル部分は古いバンダジを解体した物で、いかようにも組み合わせられ、最後はコンパクトにまとまる。熱源は下に七輪をセットアップ。



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七輪部分はこうなっていて、ここから炭を追加投入できる。



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椿はうちの庭から、茶筅筒はふくいひろこさんの茶箱展でゲットしたもの。お盆は水野祐二さんの作品。前から市川さんにお願いしていた茶杓は、当日朝、削ってきてくださった黒文字の木。




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お菓子は御菓子丸さんに「鉱物の実」をお願いした。この日は柚子味。美味しくて美しくて食べるのがもったいない宝石だ。
ガラスドームはグランピエでゲットした本来は電灯の火屋。




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これも茶車(何号か忘れた)。ここに茶碗をならべる。市川さんのものもあれば、お友達のチェコのマルティンさん(陶芸家かつ茶人)のものも。ここからひとつ選んでもらって、セットされた箪笥にならべた更紗の帛紗も選んでもらって、、、、



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お茶を点てる。



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この釜も陶器!市川さん作で初使い。
蓋が湯がわくとカタカタ音をたてることをねらわれたらしいが、ちょっとサイズがあわず、音はしなかった(^_^;
それにしてもこの釜、ほんとうによくお湯がわく。そしてその沸かしたお湯は冷めにくいような気がした。



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K美術の同じ庭で市川さんも7号車をつかって中国茶席をはじめはった。




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もう道具の使い方の発想が既成概念にとらわれずすてきで、しかもこんなん欲しいな、、、と思ったら自分で作れるというなんてうらやましい才能。

私も自分の席ほっといてこちらに客として参加。ながいことゆっくりさせてもらう。市川さんの「お茶が好きで好きでたまらない」気持ちと、ふところのおおきなおおらかなお人柄で、、、、




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(お客様が手作りでもってきてくださった栗きんとんを陶板であぶっているところ)


なんというのだろう、ほんとうにゆるやかな時間が流れる。心からこの瞬間が楽しい!振り返ってこの庭にうろうろしていた半日がいとおしい。




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夕刻、暗くなるまで。数人のお友達がきてくれたし、なんと茶碗の作者のマルティンさんまできてくれて、少人数だったけれどそれだけに贅沢な時間を堪能した。もっとこの場所にいたい、、、そんな場所はめったにないんだよ。



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市川さんがチャフーをのせるのに使っていたこの器(下に余剰のお湯がたまる)、いただいて帰る。この底がきっぱりとへこんでいるところに妙に惹かれて、こんなふうに水をはってもどきどきするような気持ち。



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そして、御自作の黒文字の茶杓もちょうだいした。
なにか銘をとお願いしたが、いろいろ迷われたり辞退されたりしたあげく、「茁(サツ)」の一字。中国語での発音はむつかしくてわからないが、意味は芽生えなのだそうだ。良い銘をもらった。
この心地良き一日の記念と思い出に。







初轆轤茶碗完成!〜まさんど窯にて - 2018.12.09 Sun




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信楽の秋の山々は洛中よりも紅葉がすすんでた。



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さて、信楽の古民家、ここに居を構え骨を埋める覚悟をされた(?)”サラリーマン陶芸家”こと平金さん(まさんど窯)のお家。サラリーマンと週末陶芸と二足の草鞋履きだが、最近ではお茶にうるさい方々(ビッグネームも含む)がその茶碗を欲しがっておられると聞く。



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ここで今年の夏、生まれてはじめて轆轤ひきの体験をさせていただいた記事をおぼえておられるだろうか?(→)当然ながらこんなに轆轤が扱いにくい物とはシランかった。

この時ものした一応「井戸茶碗」と五輪塔、猫、の我が作品、これの窯焚きまで経験までさせてもらった人はそう多くないと思うよ。



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思い出す、あの完徹ナイト!(→窯焚きの様子

本日はこの時の作品を受け取りに。



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おお〜!!



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井戸茶碗1号
これは轆轤を挽いたときにくにゃ〜っとつぶれたのを、あわてて平金さんに修正してもらったものだ。(かなりお直ししてもらっている)
手前の猫は亡猫2匹への供養に。



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井戸茶碗2号

どうだ!喜左右衛門井戸なみのこのゆがみ!(大汗)
これもかなりお直ししてもらっているが、平金さんはきっちり私の指の轆轤目がのこるよう指導してくれた物。



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上から

口の少し下にぐるっとへこみがあるのが茶碗を締めていていいのだそうだ。自分で作ってみてはじめてわかる茶碗の鑑賞ポイント。そういわれてみるとだんだんよく見えてきて、これ我が作ながら好きかも(*^_^*)

ちなみに右の五輪塔も我が作。中を削ってもらって香合になっている。
奥の五輪塔はいっしょに作って窯焚きもごいっしょしたEちゃん、Mさん、平金さんのもの。




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梅花皮もなかなか\(^o^)/
釉薬でわからなくなっているけれど、糸切りもさんざん失敗したんだよね。(意外とむつかしい糸切り)そのためらい傷がうっすらすけて見える。ますます愛着がわく。




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ここでこの茶碗で初点てすべく、茶籠を持参(最近ゲットした)



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と、その前に、平金さんがブランチのすき焼きをこさえてくれることに。



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二人でいただくつもりが、信楽の仲良しの陶芸家さんがこられたり、ご近所の2歳児がお母さんと来たり、だんだん口が増えて、牛肉はちょっと争奪戦(^_^; でもたくさんで食べるって楽しいね。いろんなお話しを聞きながら完食、最後のうどんすきまでたべたらお腹一杯になった。
これって理想郷的な暮らしだなあ。



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そして茶碗1号2号でそれぞれ点てる。
口当たりもまずまず。そして一度お茶をいれただけで色がちょっとついたので、これは使っているうちに育ちそうだ、という予感。



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ちなみに茶籠の中は更紗が貼ってあって、良い感じよ。

そして茶碗はじめもろもろ持って帰った。使うたびにしんどかったけれど今思えば貴重で楽しい体験であった完徹窯焚きナイトをおもいだすのだ。どこへ出してもその逸話ごと語れる茶碗である。




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さて、その平金さん、ご存じの方もおられると思うが、美術工芸愛好家にははずせない雑誌「和楽」の「茶の湯はロックだ!」特集にロックな生き方の陶芸家として登場!
ますます全国区だなあ。この影響はかなり大きかったもよう。



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窯焚きメンバーのお写真もあって、この号は保存版になった。
さらに某国営TVの美術系番組の取材も受ける予定という。ますます有名になっても、たまには遊んでくださいね〜。(完徹はもう無理かもだけど、、(^_^;)




百の手すさび〜近代の茶杓と数寄者往来〜MIHO museum - 2018.12.02 Sun

信楽のMIHO museumは山の中をぐるぐる、、、ケモノ道を走ってやっとたどりつく。
今回の展示は近代数寄者?茶杓ぅ〜?ということで、どうもターゲット外のような気がしていたのだが、、、

いや〜見応えあったわ!さすがミホというべきか。

ところでミホの周囲の山々は美しく紅葉して、感激のあまりたくさんたくさん写真を撮ったので、ここで披露しがてら書こうと思ったのに、、、誤操作で写真がみんなぶっとびました。゚(゚´Д`゚)゚。ひえ〜!

かろうじてスマホ画像が残ってたのでここに並べますが、紅葉の写真が一枚もなくて、、、(泣)





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メインテーマはいわゆる近代数寄者の交流と自作の茶杓、なのだが、それだけでなく彼らゆかりの茶道具がえらくすばらしかったのだ。

近代以前の茶杓として、利休、古織、遠州、不昧、石州、鎮信などの茶杓がならんでいるだけですでにすごい。

「近代数寄者」を代表する大数寄者といえばやはり益田鈍翁、「近代数寄者の大立者」のキャプションが正鵠を得ているし、一番大きなコーナーになっていた。
彼の削った茶杓はわりとオーソドックス。
鈍翁といえばこれ、という覚々斎てづくねの黒楽「鈍太郎」、ゆがんでかしいで、見る方向によって表情をかえる大ぶりの茶碗。先日いった香雪美術館の半泥子展で見たが、半泥子作のこの鈍太郎へのオマージュでふたまわりデカイ、もう茶碗とはいえないサイズの茶碗、銘が「無茶太郎」というのを思い出してひそかに笑った。




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(近未来的なエントランスまでのトンネル)


その鈍翁が(なんの折かは忘れたが)開いたひとつの茶会の道具が茶席よろしく展示されていたが、これは痺れた。かっこよすぎ。
掛け物が蒔絵厨子(時代不明)の扉3枚で蓮華、毘沙門天が描かれ、芦屋の四方釜はやつれた風炉にかかり、風炉先が楽浪(紀元前後時代)の古材、それの中に興福寺の華鬘をはめこんだもの。
これは数寄とかいうのを越えている室礼だと思う。
(先日の仏教美術コレクターの茶会を思い出した。井戸茶碗に濃茶を練り、それを泥水になぞらえて枯れ蓮をいけているような、、、ゾクゾクする)




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(宗教法人の施設は心遣いがこまかいところが多い。傘もこんなに用意)



それ以後は鈍翁と交流のあった近代数寄者の年代順オンパレード。原三渓が「鈍翁の一日」という絵巻物をものしていたり、茶杓もさることながら、彼らの交流がうかがえてうらやましい気持ちになる。茶道具、茶の湯、古美術で共通の知見と趣味をもった人たちが、集まってお茶によんでよばれて、侃々諤々の議論をしたり、道具を競ったり、、、ハイレベルの楽しい人生だなあ。とはいえ、本業での苦労は多々あっただろうが。
この人たち見てると、数寄に命かける、という感じがひしひしと伝わる。うちらのお茶は所詮あそび、趣味の域をでない。買ったら生活に困るというわけではないが、若干家計に響きそうな高額なものなら、私は買わない。でも、彼らなら借金をしてでも、家をうっても手に入れる!という気迫とモノへの思い入れのレベルが違うのだ。(実際は十分財産のある人たちなんだけれど)



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(お土産にMIHO豆腐はマストアイテムですわよ)


さて、自作の茶杓、時代が下るにつれて、だんだんアバンギャルドになってくるのがおもしろい。中には茶杓としてどうよ?と思われるものも(^_^;
実は彼らの茶杓より、彼らのコレクションの方が見てて楽しかった。

印象的なのが
耳庵所持の粉引茶碗「大雪山」
耳庵作の茶杓「面壁」、、紫竹を使い中央に穴の開いたぶっとい茶杓、アバンギャルド系だが、面壁する達磨さんの姿が浮かんでくる。
高橋箒庵の「大正名器鑑」の本歌のセット
小井戸「六地蔵」




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図録に茶杓の部分名称と形の解説など載っていて、これはありがたい。勉強しなおす。

それにしても、はるばるここまで来た甲斐があるというか、おつりがきそうなくらいの展示で堪能いたしました!






香雪美術館・玄庵茶会2018 - 2018.11.29 Thu

神戸御影と言えば、閑静な超高級住宅街である。
そこにむしろひっそりたたずむ香雪美術館、朝日新聞創始者の一人で数寄者、美術収集家、実業家であった村山龍平翁(号・香雪)の茶道具、美術品コレクションをおさめる。
(今年大阪にも中之島香雪美術館ができ、話題になった)



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左手が旧・村山家邸
御影の市中に突如あらわれる広大な森は数千坪という。近づくだけで、もうかしましい野鳥の声がするバードサンクチュアリでもある。
ちなみに右手はフィギュアの羽生弓弦君ですっかり有名になった弓弦羽神社。



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毎年龍平翁の命日、11月24日あたりに追福茶会である玄庵茶会がおこなわれる。
玄庵とは、藪内の家元に師事した彼が邸内に建てた国宝「燕庵」の忠実な写しの茶席である。
私が、この玄庵茶会に行きだしてから早6年がたつ。行けない年もあったので、数えてみると4回目。




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なにしろ広大な庭園、和館、露地を使っての茶会であり、お宝の館蔵品を実際に使ってお茶を飲ませていただけるので、美術館系の茶会としては一番好きかもしれない。

まずは藪内燕庵にあるのと同じ編笠門をくぐって、いざ、バードサンクチュアリ、いや、市中の森の中へ。
ドウダンツツジの真っ赤な紅葉や、まだ少し緑を残す楓、燃えるような楓、白い花を開く椿の大木、、、などなどを眺めつつ、寄付へ。




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ここの寄付・待合は大きな火鉢に美しい菊炭をこれでもか、というくらい惜しげもなくいれてくださるのが楽しみでもある。寄付の煤竹の船底天井も鑑賞ポイント。

待合の掛け物は利休の藪内剣中宛の消息。茶事の御礼云々

主菓子は末富のきんとん、一瞬クリスマス?と思った色合いは「今朝の庭」、苔の上に散った紅葉らしい。説明されたのが、夏に天球院や、秋の赤穂茶会でお目にかかった藪内のI先生であった。(なんだかだんだん藪内に知り合いが増えて、、、裏千家なのに、、、(^_^;)




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織部考案の割腰掛け待合い(主と従者を分ける)も燕庵と同じ。いよいよ中門(しつこいけど、これも延段の踏み石も忠実な燕庵写し)を通って、玄庵にはいる。
今回は一席9名で、玄庵の三畳台目でも相伴席を使うことなく、ゆったりとできて、これは贅沢なことであった。(最初の年は相伴席のはしっこでえらく窮屈だった記憶が)

お点前は藪内のお家元、先日碧雲荘茶会でもお点前してくださった。そう、最初の年(2012年)はまだ若宗匠だったんだよね。当時私は、今よりさらに未熟で、道具のことほんまにしらんかったなあ。今もたいしたことはないが、当時よりは勉強したかな。




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さて、玄庵
掛け物は宗峰妙超(大徳寺開山・大燈国師)の法語、32行もあって法語としてはおそらく最長のものとか。書かれたのが1337年、亡くなる直前のものだという。
伊賀の花入「慶雲」には椿、照り葉、小菊
水指が南蛮玉簾、と、ここらはまさに王道をいくコンビネーション。

主茶碗が、なんとあの志野の「朝日影」。
以前記念品でもらった美術館のカレンダーに載っていたあのすてきに面白いわけのわからない絵の描かれた志野ではないか。(参考写真→)一見魚の頭のように見える紋様が魅力的。
村山龍平は朝日新聞だから朝日影、、、と思っていたらちがった、古歌からとったのね。
(「千早ふる 神路の山の朝日かけ なほ君が代にくもりあらすな」)

ちなみに私がいただいた茶碗は替えの御本立鶴「住之江」
立鶴の写しは数々あれど、その本歌でお茶をいただけるなんて、、、、 o(≧▽≦)o 

さらにステキだったのが、伊達家伝来瀬戸肩衝「堪忍」
肩衝とは一瞬みえない風船がぷーっとふくらんだような形で、まさに破裂寸前の堪忍袋か。
伊達政宗は天下をねらいつつもはたせなかったし、いろいろ堪忍せねばならぬことも多かったのだろうな、と推察する。政宗公はじめ代々の伊達家藩主がそれそれ牙蓋をあつらえているところ、とても大事にされていた茶入だと思われる。

釜は天明、責紐釜
茶杓は織田有楽作「初霜」細かい斑入りの竹



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濃茶のあとに点心
雨でない限り、この庭園の一角に焚き火をして、幔幕を張り、紅葉の楓のむこうに玄庵の藁葺きの屋根を見上げながら、食事をいただくのもまた楽しみの一つ。
席には焚き火の灰よけのうわっぱりも用意されている。




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点心は高麗橋吉兆
燗鍋を置いていってくれて、しかもおかわりまで持ってきてくれてなんてうれしいんだ♪



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そう、デザートもいつもこれ。
柿+葡萄にソーダ味のゼリー。これも楽しみで。

炭道具が飾りおきされている大広間は50畳

ここに飾られていた松平不昧公の「富貴長命金玉満堂〜大明宣徳年製(後半はちょっと記憶がアヤシイ)」 中国の焼物に良く書かれている吉祥句を書いた物だが、これ、なんだか一度見た記憶がある、、、と思って調べたら、やはり6年前に待合にかかっていたものだった。再会を果たす。

再会はそれだけではなかった。



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点心のあと、紅葉の海を眼下に見る二階の座敷で薄茶席。

ここの床にかかっていたのが春屋宗園の「臨済四照用語」
内容はむつかしくて覚えられなかったが、なんか調べたことがある、と思ったらこれもやはり6年ぶりの再会であった。これは藪内剣中が春屋に頼み込んで書いてもらったもので、藪内歴代の箱がたくさん付随しており、かなり大切にされてきたもののようだ。残念ながら手放されて、今はこうしてこの美術館にある。

花入が古織の一重切り、花は山茱萸+α(失念!)、東本願寺伝来
祥瑞の蜜柑香合はかなり初期のものか?古染の雰囲気もあり、蓋裏にお約束の「五良太甫」
西本願寺伝来は時代の薄器、松梅蒔絵で上に竹の茶杓をのせて松竹梅か?
水指は七官青磁の酒会壺、共蓋のつまみが獅子?
茶杓は藪内7代竹翁 「鳳珠」

蓋置の古染の丸三宝がかわいくて、印象深かった。

そして、もう一つの6年ぶりの再会(6年ごとにサイクルしているのかな??)は替え茶碗の、初代大樋・飴釉茶碗「包柿」
その名の通り、どう見ても熟れた柿に見える色合いが抜群。これ好きやわ〜。なんで覚えているかというと釘彫りで、ぐるぐる渦巻と雨みたいな縦線が描かれているのが印象に残っているのだ。形は光悦っぽいし。

主茶碗は、砂の多い陶土で作られたため砂御本とよばれる大ぶりの茶碗。外側が一見雲華焼のようにみえる。陶工の手を感じさせる口のとびでたところ、その真下の指の跡が見所かな。
替茶碗、乾山の黒楽松文 松の葉がブルーなのが乾山のセンス。

お点前は藪内のF宗匠のお孫さん。この方はいつも見ている藪内をさらに武張らせたようなお点前をされる。切れ味鋭い武士、、って感じであった。




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茶会でお腹一杯、胸一杯になったので、それ以上つめこめず、美術館の展示の川喜田半泥子ゆかりの石水美術館のお宝の展示はさらりと流してしまった。近ければいまいちど、日にちをあらためて来るのだが。

さて、今日も美しい紅葉と、萌え萌えの茶道具を心にしっかと、とどめておこう。
(いや、最近物忘れがはげしくて、、、、(^_^;)






野村碧雲荘茶会2018〜美術館開館35周年記念 - 2018.11.21 Wed

野村美術館開館35周年記念で、いわゆる南禅寺別荘群の雄、広大な碧雲荘(重要文化財)にて茶会。




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野村美術館のセミナー会員や、野村得庵とゆかりの深い藪内流の方々、野村家にゆかりの方々、などを招いて5年に1回おこなわれる。
前回きてからもう5年もたつのか、早いなあ。オリンピックより長い。次回また5年先はいくつになっているのだろう、、と勘定しておもわずぎゃ〜!とおののいてしまった(^_^;




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ここへ入るのは茶会以外も含めて3回目(最初は野村の大株主ご接待のご相伴)
普段は非公開、一般人には開かずの庭園なのである。




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不老門をくぐっていざ!

まずは大きな池越しに見る紅葉した東山の絶景、借景として永観堂の多宝塔もとりいれているスケール。
写真をお見せすることができないのが残念なくらい手入れの行き届いた池泉回遊式庭園はやや浅いながらも紅葉が見事で、あちこちに点在する数寄屋の茶室や疏水から引いた小川のつくる滝や流れが、その景色に入ると、ちょっと夢見心地くらい美しい。作庭はもちろん植治。

ここに一体いくつの苫屋、茶室、があるのか正確にはその数をしらない。書院だったり、侘びた小間だったり、舟だったり(蘆葉舟)、そのタイプもいろいろ。



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池をのぞむ待月軒にて谷館長のご挨拶、それから野村證券の社員さんとおぼしき人たちに先導されてまずは花泛亭・書院で濃茶席。

野村得庵は茶の湯を藪内の家元に師事したので、そのゆかりでお点前は(前回は当時、若であったが)藪内のお家元。
お正客が藪内の偉い先生だったらしく、私の席は藪内率が異常に高かった。濃茶の時にいっせいに多数の方が藪内の横長の大きい帛紗をだされたのであせったわ。アウェイ感高い。

半東(?)に野村の学芸員Tさん。道具の説明がさすがに、茶人のそれでなく、学術的で正確、時代考証も検証済、といった感じで、質問には、うてばひびくようにお答え下さるのがスカッとする。

寄付の掛け物は「宗旦所持の灯籠と蹲居をお譲りする」という添え状、表千家11代碌々斎。最終的にこの灯籠と蹲居は得庵がゲットして、碧雲荘内にあり、これは茶会おわりに見せてもらった。



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本席が無準師範(光悦会で消息見たばかり)の「葺」
美術館がリニューアルオープンしたのに掛けて、屋根を葺きなおした、、の意味をこめたそう。

花入は野村家所持の伊賀、わりと素直な感じ。

雲州蔵帳の呉須赤絵菊兎香合はよく展示でも拝見した。

水指がこの前リニューアルオープンしたての展示でガラスの向こうに拝見したばかりの、あのムガール帝国産(これも諸検査で確実に判明)の南蛮毛織抱桶ではないか!今日は実際に水をたたえて、ちょっとほんまに冷たいかどうかさわりたかったが。やはり金属なので、水が外に結露して、畳をぬらすのをおそれたのか、のちに日本で小さな足がつけられたのだそうだ。(西本願寺伝来)

茶入は中興名物瀬戸玉柏手、銘「芦垣」印象はやや薄いが、載っていたお盆が、天川四方盆。

主茶碗・坂本井戸、茶杓・西本願寺伝来 豊公共筒(秀吉さんがけずった)
坂本井戸はさすがに展示だけだったが、正客ののまれたのが鉄鉢型の大ぶりな青磁。北宋・汝窯の箱があるが、そこは学術的検証の結果、鈞窯(北宋・汝窯から少し離れた場所)青磁らしい。雨過天青の色がとても心惹かれる。これは20世紀初頭に仏教伝来のルートを学術調査するためにシルクロードを旅した西本願寺22世大谷光瑞がその時に持ち帰ったものだという。

私がいただいた茶碗は摂津の高原焼という江戸初期の焼物、はじめて聞く名前。一見胆礬のない黄瀬戸の様なイメージで、写実的な菊が釘彫りされていた。



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濃茶の後は大書院にて点心、三友居さん。
この煮物椀の椀種、カラスミがなかに入ったお餅でとっても美味しくて感動。

大書院は昭和天皇ご大典のおり、京都に滞在された久邇宮邦彦王(香淳皇后のお父上)の宿泊場所として得庵が建てた物だと聞いた。欄間のザ・琳派!という扇面図は神坂雪佳。
ここは向かいに能舞台が建つ。茶の湯と同じくらい能にのめりこんだ得庵であるから。下に音響をよくするために埋められた甕がみえ、床は3cm近い厚さだという。残念ながら最近は能舞台として使われたことはないという。もったいな〜。




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庭園の紅葉を楽しみながら、ところどころに隠れる様に立つ茶室ものぞきながら、最後は中書院にて薄茶席。
前回は四阿みたいな立礼席で野村家の方(上品なご年配の女性)が席をもたれたが、今回野村家の若いお嬢さんがお点前。あれ?裏千家流?(^_^;

半東がこれもサプライズで面識のある粟田焼の安田様であった。それに点出もお茶友の才媛M女史が!思わずリラックスした楽しい席になった。

掛け物がこれも茶室には意外な上村松園の美人図。美しい!中回しが打ち掛けの紋様?とおぼしく見えて、より美人をたおやかにつややかに見せる。

釜が初代寒雉の瓢箪型雲龍、鐶付がかなり下にあって、安定悪そうだがそこはバランスをとって底を重くしているのだそうだ。

飾りおきの茶器が原羊遊斎の秋草尽蒔絵
どこが秋草尽くし?と思うくらい遠目には青貝の虫しか見えないのだが、近くで光にすかしてみると、黒い漆で秋草が浮かび上がる趣向、夜桜棗の技法だね。蓋をそっとあけると蓋裏と蓋の立ち上がりにびっしり雪花紋が描かれているのにはどきっとした。秋草の季節の後に来る冬を暗示しているわけか。さすが不昧の愛した羊遊斎!





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茶碗は野村の所有する名茶碗のオンパレード
飾り置は黄伊羅保「武蔵野」
正客さん、次客さんにはめずらしい了入の黒赤入れ子のペア。中の赤楽がかわいいと評判。いずれも数印。
数ある中で私がいただいたのは永楽和全の金海写し、これはなかなかよかった。
他にも御本雲鶴、保全、虫明、陳元賓、明平焼、御菩薩焼など、なかでも古高取「女郎花」はビックリするくらい軽くて薄造りでよかったわ。

最後に「粟田焼は?」と思わず冗談で聞いたら、ちょっと照れくさそうに水屋から茶碗をだしてきてくださった。しかも今日の思い出に、と待月軒からの碧雲荘の眺め〜池と東山の景色を写し取った絵付けが!二羽の白鳥もいて、これには拍手喝采であった。




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(左手が碧雲荘の生垣)


茶会がおわれば三々五々、庭園内を散歩、あまりに美しい景色に、辞するのがほんとうに名残惜しかった。



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帰って茶会記を見直しながら美しく佳きひとときを反芻す。
ああ、別世界、、、




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おまけの画像は碧雲荘のお隣にある旧・細川家別邸、現在は某企業が有する。ここの紅葉はいちはやく見事な真っ赤になるので楽しみなんだ。(私が学生の頃はすごく荒れ果てていた記憶が、、、)




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ちなみに締めていった帯は更紗紋、最近のお気に入り




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