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2020-02

嵯峨嵐山・福田美術館 - 2019.12.23 Mon




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12月にはいって嵐山の狂乱の混雑は解消されたようだ。




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紅葉も終わって落葉した嵐山はそれなりに美しい。
さて、この観光混み混みシーズンが終わるのを待って、満を持して(?)やってきたのはコチラ。



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10月オープンしたばかりの大堰川沿い、福田美術館



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大手金融会社アイフル創業者の福田吉孝が「100年続く美術館」をコンセプトに創ったプライベート美術館である。



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なにしろ抜群のロケーション、スタイリッシュで場所になじむ建築(東京工業大学教授・安田幸一設計)、コレクションの素晴らしさは言うに及ばず、なんと言ってもヨーロッパ並みに撮影OK!という太っ腹、というわけですでに美術館クラスタの間では話題がもりあがっている。



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近未来的な、ギャラリーまでのルート



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しかも左手には渡月橋も含む大堰川の絶景が望める。
(しかこのガラスの模様は写真撮るのにうっとうしいな、と思っていたら景観条例にのっとるとこうなるのだそうだ。)



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ギャラリー1
細見美術館を思い出す。あれもスタイリッシュな美術館の構造だし。



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(「龍田姫」木村武山・・・龍田姫が楓を赤い絵の具で彩っているところ)


コレクションは応挙、蕪村、北斎、池大雅、若冲、その他江戸の絵画から始まって、近代の上村松園、竹内栖鳳、関雪、木島櫻谷などなど。いずれも名品佳品だと思う。



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中でも、やっぱり若冲の墨絵「群鶏図押し絵貼屏風」はええなあ〜。
きりっと大見得を切る細密に描かれた雄鶏の横で、手を抜いたみたいに丸だけで表現された雌鶏のとぼけ具合が好きで、やっぱり若冲ええ人やったに違いない。

ポスターにもなっている木島櫻谷の大きな二双の「駅路之春」も春爛漫の旅する人や馬の長閑なひとときを描いていて、一瞬自分もその景色の中にいるような気がしたよ。



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あと、もふもふのこの子も好き♡
速水御舟「春眠」



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ギャラリー2

ここの音声ガイドはQRコード読み込みで自分のスマホで聞けるという、ようするに無料!
ここも太っ腹!

あとパノラマギャラリーにローランサンとかマチスの西洋絵画が数点。



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ショップの一画は坪庭になっているところも良い感じだ。



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見終わって、ミュージアムカフェパンとエスプレッソへ。(ここ、表参道が本店のパンと珈琲のお店なんだってね。)まあ、ここからの眺めが一番いいかもしれない。渡月橋もばっちし。



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ここでランチしておいとまする。



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嵐山を訪れる外国人観光客は多いけれど、押し合いへし合いしながら食べ歩き、、、よりこういう所にこそ行ってみてほしい、日本文化をもっと知りたければ。
また行きたい美術館がまた一つ増えた。(あとはちょっと遠いのがね〜)



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ちなみにさきほどのもふもふ猫の全景はこれです。
早春、芽吹いたばかりの木の下、というのがまだ寒さを思わせて、まどろむ猫が寒くないかなと心配になるのである。



仏像 中国・日本〜大阪市立美術館 - 2019.12.08 Sun



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久しぶりの大阪天王寺、通天閣も見えるディープ大阪にある大阪市立美術館へ。



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「仏像 中国・日本」展と銘打ってあるが主に中国二千年(戦国・春秋時代〜)の中国の仏像彫刻の歴史を時代をくだって見ていくという展示。地味に仏像ばかりならんでいるんだろうな〜と思っていたが、なかなかどうして、中国の仏像って個性的なんだな。



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展示は紀元前の仏像製作時代以前からはじまる。
銀製男子立像(仏像以前)は永青文庫所蔵、5cmくらいの小さな、兵士のややデフォルメされた像で、ぴかぴか。どうしてこれが紀元前4〜3世紀のものとわかったのだろう?というくらいきれい。根付けにしたいくらい。

6世紀南北朝時代・西魏の如来三尊像には7世紀の法隆寺釈迦三尊像の面影があるし、ちょっと首をかしげた如来石像はかわいいおじさんみたいな感じだし、しなやかな座位ポーズをとっているもの、木喰仏に似たようなものも。総じてこの時代の仏像はどこか人間くさく、私のあまり好きではない平安時代ののぺっとした仏像とは全然違う。

仏像の周辺に漢字の碑文が彫られているものも多く、読めないながら漢字がわかるので、なんとなく意味がわかってありがたい。(この漢字文化は捨ててはいけないと思う。本家中国や韓国では半ば捨ててしまってるけど)



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(昭和11年竣工の文化財でもある美術館 京都市立はなあ〜、、変に手をいれちゃって、、、(´・_・`)


遣隋使、遣唐使が大陸から日本へ持ち帰った仏像は日本各地のお寺や美術館におさまっているが、唐代のはどこか西欧人を思わせる顔立ちが多く、国際大都市であった長安には胡人もいただろうし、とひとり納得。

個人的には南宋時代の仏像が好き。
神奈川の清雲寺にある木造の観音菩薩座像は、片手を後ろにつき、片手は膝におき片膝立ててリラックスしている酔っ払い、みたいなポーズで艶めかしい。
京都泉涌寺の韋駄天立像は剣を横に持ち合掌した姿がりりしい。

元〜明時代に若狭の国に漂着した迦楼羅立像は前腕を両方失っているが、漂着したときにこれを包んでいたという大きな赤い布(ところどころぼろぼろ)も一緒に展示され興味深い。彩色された鳥の顔の迦楼羅、どんな運命のもとに日本にたどりついたのか知りたい。



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今回一番のお気に入りは京都・萬福寺(黄檗宗・なにごとも中国風)所蔵の清時代の韋駄天立像。
ほぼ等身大の韋駄天は歌舞伎の見得を切るような躍動的な姿でかっこよく、見上げる高さでみるとほれぼれしちゃう。これ、萬福寺で見ているはずなのに記憶にないのはどうしてだろう???

ちなみに萬福寺開山の中国から来られた隠元禅師は日本の仏像は、これちがうで、と言ったかどうか(^_^;わざわざ大陸から仏像を将来したのだ。

韋駄天さんの絵はがきがほしいと思ったが、全身像がなくて残念。


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まあ、きりっとしたお顔だけ絵はがきで。
全身像はコチラのブログで見られます。なんと萬福寺と言えばこれ、というあの有名な布袋さんの後ろ側におられたのですね。今度行った時にはしっかり拝んでこよう。






高麗茶碗〜三井記念美術館 - 2019.11.21 Thu

根津美術館を出て、表参道の駅地下にけっこうな規模のフードコートがあることをM姉様に教えていただき、二人でなかよくランチした後は三井記念美術館へ。途中武者小路千家の若がなにげに歩いておられるところに遭遇したり、、、、



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途中紅茶ではなく日本茶のフレーバーティー50種!というのお店に驚きながらたどり着く。
(スイカとかチョコミントとかバナナミルクとか、ちょっと想像できないというかしたくないような、、、オーナーはフランス人だと。納得)



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不白展をオープンそこそこに出かけることにしたのは、これの会期に間に合わせんがため。
大好きな高麗茶碗シリーズ!
高麗の分類とか歴史とか、かなり勉強した方だと思うが、繰り返し刺激を与えてないと消えていく情報が多いお年頃(^_^;、それに高麗茶碗図鑑がわりに図録がほしかったのだ。

高麗茶碗の分類は、特に後期の日本からの注文のものが混乱しているというか、わかりにくく、研究者によっても分類が異なるので、私たちがまちがえても全然セーフ!だと思っている。
今回の展示は
1)朝鮮半島の日常の器を茶道具に見立てたもの〜井戸、粉青など
2)日本向けに注文に応じて焼かれたもの
  ①釜山の借用窯で焼かれたもの〜斗々屋、伊羅保、御所丸、蕎麦など
  ②釜山の倭館窯で対馬藩が運営にたずさわったもの〜金海、半使、御本、呉器、玄悦・茂三・弥平太などなど(これが一番ワカラン)

と分け、各種類の代表となるような茶碗を展示してあるので、生きた図鑑でもありわかりやすく(言うてもワカランが)勉強できるようになっている。



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私が好きなのはやはり見立ての時代の物で、井戸はそりゃ好きだがなかなか手を触れる機会がなく、比較的入手しやすい粉青シリーズ(三島・粉引・刷毛目)。
ここでおさらい 
  <粉=白い化粧土 青=透明釉の色>  で粉青
刷毛目や三島のうすいブルーの地は釉薬の色なんである。はっきり言って倭館窯以降の物には全く興味がない。借用窯のものも伊羅保までかな。あまりに日本人っぽくってなんかのびやかさがないというか、作意がすぎるような気がするのだよ。(あ、でも彫三島は好き)



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(重い図録二冊をリュックにかついで持ち帰った)


気になった物をいくつか

刷毛目「合甫」、全部刷毛目なのだが、粉引とどうちがうのか?

真熊川と鬼熊川では、印象と裏腹に鬼の方が小ぶり

大好きな粉引ではあるが伝世品は極めて少ないのにそのうちの4つまで出ていた!しかもその景色が4つとも全然違うのにおどろく。三井がもっている「三好」が一番好きかな。

三島はなんと3つしかでてない。それも二得三島とか。普通の三島は数が多すぎて価値がいまいちなんかな。よだれのとまらん三作三島もあった。

井戸茶碗がこれでもか!とでていたのは圧巻である。大井戸、青井戸、小井戸。根津で見たタライラマ師の「八重桜」に匹敵する小貫入「雄蔵山」は藤田所蔵、雰囲気がよく似ている。

日本からの注文品の時代になると斗々屋と蕎麦の区別がつかなかったり、呉器や御所丸はあまり好きではないし、、、と思っていたが、なかなかどうして、名品となるとやはり格が違う。
斗々屋の極渋しかし多彩な味わいの「奈良」を見ていたとき、これを現在の所蔵主に取り次いだという某道具屋さんがいらして、来歴を説明してくれたのがうれしかった。(M姉様のおかげです)

黄伊羅保は3つのみ、しかし全部伊羅保か?と思うくらい趣がちがう。

東博の彫三島「木村」がでていた(。>ω<。)ノ私が見たことのある唯一の外花!(茶碗の外側にも印花がある貴重なもの)これ好き♪



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(夜の三井タワー)


最後に興味深かったのがパネル展示になっていた「御誂物控〜(元禄14年から宝永2年まで)」である。これは昭和55年に発表された釜山の倭館窯、特に当時そこを仕切っていた弥平太への注文書で、これによって倭館窯の歴史研究が飛躍的に進んだと言われる資料である。(対馬歴史民俗資料館蔵)
そこには注文する器のことこまかな寸法入りの切り型とか紋様とかが描かれ、展示にはその図からおこしたと思われる器の現物があり(御本編笠・弥平太)おお!と感動した。
さらにずっと高麗青磁と思われていた雲鶴青磁が御誂物控に載っており、初めて注文されて作られた御本とわかった、というあたりはもう鳥肌ものである。


この展示をM姉様とずっとおしゃべりしながら(スミマセン、はた迷惑でした)一緒に見た。ここに個人蔵の展示品をいくつも出している数寄者さんとお友達でもあるお姉様はさすがにすごい。
今自分で作った言葉だが「茶の湯インテリジェンス」の高い人と展示を見るのはなんと楽しく勉強になることであろうか。
東京駅でお別れしたが、この日一日ずっとおつきあいくださりありがとうございました、の気持ちをこめて最敬礼。



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新幹線に乗る前に、最近東京駅地下にできたカンノーリバーのお店へ。(カンノーリを模したシチリアというお菓子に最近はまっているの)私がこんなしゃれた店を知っているわけないので、ここはブロ友のMariko様に教えていただいたのだ。




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その場で好きなクリーム、トッピングを組み合わせて作ってくれるので5種5本をオーダー。新幹線の中で食す。美味しいからって言っても、やはり2本が限度でありました(^_^; (のこりは家人へお土産)



川上不白生誕三百年「江戸の茶の湯」〜根津美術館 - 2019.11.19 Tue

東京日帰り美術館巡りツアー、今回は頼もしい東京のお姉様、M様のエスコートつき(*^_^*)
あちこちの美術館の会員になっておられるので、御供でちゃっかり無料で入館させていただいたり。



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東京の美術館では一番行っているお馴染み根津美術館。
今年は江戸千家流祖・川上不白生誕三百年ということで、江戸の茶の湯を川上不白にスポットをあて、その師である表千家如心斎、あまたの弟子たちにからめての展示になる。

そもそも不白に興味を持ったのは、数年前に不白箱の高麗茶碗を入手したことから。そしてなんと何回かお茶を飲ませてもらっている小井戸「八重桜」(かのタライラマ師個人蔵だよ♡)が出展されているというではないか!行かいでか!



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一般公開初日とあって、けっこうな人出であったが、会期中何回か催される不白流系の宗匠や茶人さんによる茶席もあるせいで、お着物姿の方も多かった。(私も茶会ねらったが、あっというまの満席であかんかった)

川上不白はもともと紀州藩江戸詰家老水野家(新宮)に仕えていたが、おそらく水野家の茶頭にするべく16歳の時に江戸から京都の表千家へ送り込まれた。当時の表千家は千家中興の祖といわれた如心斎が当主、経済的にも文化的にも台頭してきた町人に稽古をつけるべく奮闘。その如心斎と不白は、おそろしいほど強い絆でむすばれた師弟関係であったようだ。参禅を重要視した如心斎が大徳寺玉林院で参禅で籠もったとき、不白も伴い、ともに大龍和尚からそれぞれ「天然」「孤峰」の道号をなかよくもらっている。(両展示あり)



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七事式制定に不白が参画したのも有名な話。
さらに如心斎は不白に「茶湯正脈」の証文を与えた。
不白が、<珠光、紹鷗、利休、少庵、宗旦、江岑、随流、覚斎、如心>のきらきらしいビッグネームにつらなる正統な跡継ぎという証明であって、最後に<宗雪(不白に与えた号)>とくる。
以後京と江戸を行き来し、江戸に千家の茶の湯を広めるべくがんばった不白に如心は備前の水指「黙雷」を贈る。(黙雷庵は不白が江戸でかまえた最初の茶室)



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(入れなかったお茶席〜)


また、当時豪商冬木家にあった「利休遺偈」を千家に取りもどすのが如心斎の悲願であったが、不白の働きかけでついにとりもどし、その礼として如心は手づくねの島台茶碗を贈るのである。この島台、我々が知っている島台とちがってどちらかというとお皿みたいな感じ。これ、以前江戸千家(弥生町)の初釜につれていってもらったときに、飾ってあったのを拝見した記憶あり。再会できるとは!

かくの如く、二人の師弟の絆は固く、展示でも二人の像が仲良く並んでいたのには感動する。



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(お若い頃から根津でブイブイいわしてた?Mお姉様が、道なき道をすたすたと先導してくださった(^_^;)


遺偈をとりもどして翌年、如心斎没、跡継ぎの啐啄斎はまだ幼く、それを支えた後、不白はふたたび江戸へ。江戸で腰を落ち着けて千家の茶の湯を広める覚悟をきめる。この際、如心斎の門人であり後援者でもあった鴻池家からなんと与次郎の黒楽「紙屋川」を餞別に贈られているのである(展示あり)。どれだけ期待されていたんだろう、おそろしいわ。当時不白36歳。




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当時武家の茶道というと石州流が主だったところへ切り込む不白、江戸詰の大名やその家来たちに千家の茶の湯を教える(中には我が郷里の池田藩の藩主も)。そして彼らが国元へ帰ったときにその茶の湯を国元にも広め千家の茶の湯は全国に広がった、という点でやはり不白は茶の湯の歴史上重要人物だったといえる。



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さて、小井戸/小貫入「八重桜」のはなしである。

明治以降、久留米藩茶頭からの流れをくむ蓮心川上宗順(不白を一世として五世を名乗る)は近代数寄者との深い交流があり、彼らの茶会の水屋をしばしばつとめた。この人は記録魔であり、茶席などで見た道具を正確なスケッチ入りで記録しているのだが、そのうちの一つがこの「八重桜」なのだ。使われた茶会は南三井家の一休忌茶会。今回の展示を開催するにあたって初めて持ち主のタライラマ師も知ったという。いや〜そんな御茶碗でお茶飲ませてもらっているってシアワセや〜と思いながら今はガラスの向こうの八重桜を見る。

茶席でみるのと違って、明るいライトの下で単眼鏡で見るとまたあらたな発見があって、この茶碗はほんと興味深い。このあと三井記念美術館の「高麗茶碗展」へいったのだが、小井戸としては八重桜、どれにも勝てる!と思った。



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(かくの如く不白茶会はほぼ満席)


50代で家督を譲り隠居した不白はその後作陶、俳句、書画を楽しんだ。残したそれらの作品もたくさん展示され、それらを見ることで彼の足跡業績をたどる。
展示を時間をかけて(Mお姉様とディスカッション?しながら)見終わった後は、まるで川上不白の一代記を読み終えた心地がした。

おまけにお姉様のおかげで、やはり展示にいらしていた江戸千家(池の端)の若(20代!若い!)にもご挨拶できるという幸運にもめぐまれたのは忘れがたい。



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根津美術館をでたあとはM姉様のご案内ですぐ近くのギャラリーarte classicaへ。こちらは手にとれる展示の高麗、唐津というちょっとツボ過ぎる茶碗のラインナップ。まあ、お値段もそれなりに、、、(^_^;



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さらにお姉様行きつけの青山骨董通りの古布・古民藝のお店へ古民藝もりたへ。こちらなかなか魅力的な品揃えでお互いにでき心?でつい散在す。古布について造詣の深いオーナーご夫婦がとても味があるお店だった。



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この日残念ながらお休みだったが、宗和流の宇多川宗匠がもりたさんの近くに最近ひらいたというレストラン即今の場所だけ確認して、次の美術館へ向かう。




ZENGA〜白隠と仙厓展 - 2019.11.07 Thu

白隠・仙厓ときたら行かずばなるまい。あの絵が大好きだから。



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晴天の守山・佐川美術館
気持ちの良い湖岸道路をドライブして到着。(やっぱり遠いわ〜)



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白隠 1686〜1768
仙厓 1750〜1837

と、ほとんどすれ違いなのだが、原の白隠、博多の仙厓といわれ、宗教的中央から距離を置いた場所で民衆の教化、弟子の育成に活躍した禅僧である。
ふたりとも、その時代を映しつつユーモラスで、禅の公案みたいに頭をひねるような禅画を数多く描いた。



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さて、白隠の圧倒的な絵を見ていると、これはユーモラスだけでは理解出来んな、これはむつかしい、と思わざるを得ない。
おそらく当時の江戸の人たちが常識的に身につけていたであろう知識や、風俗、地口(洒落)にいたるまで、一般の現代人にはわからないことばかり。さらに漢籍や仏教に関する歴史や知識がないと、ああ面白い絵だなあ〜で終わってしまう。

「隻覆達磨(遷化の後、インドへ帰る靴を片方だけ持った達磨をパミール高原で見た、、云々)」
「普化振鈴(棺桶の中で鈴を振りながら遷化した普化という禅僧)」
こういうのを見て理解できる人のインテリジェンスはすごい。



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というので、ミュージアムショップにあったこの本を読んでみたのだが、白隠は深いわ。
だてに現在のすべての臨済禅流派の元をたどると白隠に到る、といわれた臨済禅の中興の祖とよばれてないわ。(ちなみに有名な公案「隻手音声」は白隠さんのもの)これを読んでから展示を見ればよかった、と思うくらいディテールに深い意味があったのね。



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白隠の絵にくりかえし出てくるキャラクターは布袋さん、観音様、お多福さん、そして達磨さん。
くりかえし出てくる言葉は「直指人心 見性成仏」
絵はのほほんとしているが、この方はほんとうに厳しい修行を自己に課した人だったらしい。禅病という禅の修行中におこる、1種の心身症みたいなものにおかされたこともある。そんな人だからこそこのノホホン絵にも説得力があるのではなかろうか。



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上品で優美な観音様があったかと思うと、道端でおしっこをしている絵があったり、ぎょろ目の達磨さんににらまれたかと思うと、眉毛の下がったにこやかな布袋さんにほっとしたり、、、
まあ、それだけでもいいのかも知れない。あれこれ意味を考えて理屈をこねくりまわすのは、白隠が若かりし頃陥った陥穽にはまったのと同じかもしれないし(^_^;

ちなみに若くて理が勝って鼻持ちならなかったらしい白隠(当時は慧鶴)を打ちのめして生涯の師となった正受老人(道鏡慧端)はあの真田信之(幸村の兄)の庶子だったというから面白いなあ。



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そして博多の仙厓さん、これにはもう降参、ただ笑うしかない脱力感がたまらん。
もうどんな教えがこめられているのか、理解しようとする努力すら初めから放棄。
動物がとくにすごく?て、これ、虎?虎ですか?鳥?ですか???猫が紙袋に頭をつっこんで、それを見て笑う子供、、、って、これほんとに猫ですか?



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そういえば有名な絵に「○△□」だけ、というやつもありましたね。
珍しく真面目に?描いたのが「神農図」で、この神農さんはフクロウみたいにふっくらとして虎みたいな顔で好き。

脱力してクスクスと笑う、ニンマリする、これなに?と頭をひねる、、、もう仙厓さんはこういう見方でいいじゃないか、と思うわ。

展示の一画に同じ画題で二人の絵を並べて比べるコーナーがあったけれど、あれはよかった。同じユーモラス系禅画でも趣が全然異なることがよくわかる。

ちょっと交通の便がアレだけれど、オススメです!


〜12月1日まで




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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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