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2018-06

「春日大社のすべて」展・奈良国立博物館〜「聖域」展・春日大社国宝殿 - 2018.05.21 Mon

奈良国立博物館で開催中の「春日大社のすべて」




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768年、中臣氏(のちの藤原氏)の氏神様として創建された春日大社は、藤原氏絶頂期の平安時代,多くの宝物の寄進を受けたため、「平安の正倉院」といわれるお宝の宝庫となった。




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(博物館前の氷室神社 すでに睡蓮が咲いていた)



なにしろ国宝やら重文やらがごろごろ、正倉院展にも劣らない展示物に頭がくらくらするほどである。



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博物館のポスターを見るに、あれ?どこかで見たような、、、、




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と、思って入館するとまずこの鹿がど〜ん!と。(けっこう大きいのよ)
あ!これ!
主祭神である武甕槌命(タケミカヅチのみこと)がはるか常陸国鹿島から白鹿にのって三笠山に降り立ったという由来をしめす春日神鹿御正体。春日鹿曼荼羅はいくつも描かれ像にもなっているが、これはうちのご近所の細見美術館に常時展示されている鹿さんではありませんか!

細見の館長さんによると、春日大社から「そろそろ返してくれませんかねえ、、」と言われているという、、、(^_^;  (ちなみにこれはかつて細見古香庵さんが正規にゲットされたもの)




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御神宝は螺鈿や蒔絵で彩られた調度品から、太刀、鎧兜まで、美しく、さらにその技術の高さに感動する。時代が正倉院から少し下ったこともあって、異国風は姿を消し大和風の雅なものが多い。
だれが奉納したのか、という記録も残っていて、かの悪左府として名高い藤原頼長とか,鳥羽上皇とか、平家物語でお馴染みの名前がでてきてうれしくなる。

そういえば頼朝が寄贈したとおぼしきでっかい鼉太鼓があって、これが比較的最近まで、700年にわたって使用されてきた(雅楽の時に)というのにも感動。




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(博物館庭園 茶室・八窓庵)


鹿曼荼羅も多いが、武甕槌命がなぜ鹿島からわざわざ来たのか???鹿島と中臣氏の関わりは???というルーツはいまだにわかっていない、というのもロマンがある。

春日曼荼羅も非常にたくさんあって、これは春日大社の全景を俯瞰したマップのようになっている。
13世紀、鎌倉時代の重文・曼荼羅を、奈良では町の自治会が所蔵してたりするから油断ならない。

曼荼羅で学習したのは、春日大社本殿では四神(さきの武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神)をまとめて春日神と呼んでおり、それぞれ本地が釈迦、薬師、地蔵、十一面観音であるということ。春日若宮御祭で有名な若宮(比売神の子供)は少しはなれたところにあって、本地が文殊なんだそうだ。しらなんだな〜。




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博物館をあとにして、ならまちを散策しつつランチへ。




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ここへくるとなんとなくいつも入ってしまうカナカナさん。





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カナカナランチをいただいて、エネルギー補給完了!




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次はいよいよ本丸・春日大社へ、、、、ではなくて、、、




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参道の途中、万葉植物園の裏手にある春日大社国宝殿
2年前の本殿造替(春日大社は遷宮はしない)記念行事の一環として宝物殿をリニューアルした建物、今回初めておとずれてみた。




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1Fは真っ暗な中、水や細い金属ワイヤを使ったインスタレーション、これはなかなか癒される。




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12月の若宮おん祭御旅所祭(昨年寒さに震えながら見たよ〜)で実際に使われる左方、右方の鼉太鼓はここに安置されているのか。あれは腹に響くような音が出る。

展示室は2F、こぢんまりとして広くはないが、博物館で一部展示されていた春日本・春日権現記(江戸時代に描かれた縁起絵巻)をもっとたくさん見ることができてよかった。この絵巻では、主祭神武甕槌命は衣冠束帯姿で顔が描かれていない(顔がかくれるポジションで描かれている)。畏れ多いということか。

奈良へ来れば、観光客はまず東大寺と春日大社はマストであり、何回も春日大社はお参りしているにもかかわらず、あまり知識がなかったわ。今回ちょっと勉強できて、またお参りすれば感じ方もかわるやも。(ちなみにそのあと樫舎へいったので、この日はお参りせず〜〜(^_^;)











茶道資料館「むしあげ」〜紫野界隈のお店など - 2018.05.17 Thu

茶道資料館では今季「虫明(むしあげ)〜岡山に花開いた京の焼物」展
これは岡山出身者としては行かねばなるまい。




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しかし、岡山に虫明(むしあけ)という地名もあるし、虫明(むしあけ)さんという姓もあるのだが、なぜ「むしあげ」とにごるようになったのか?謎だ。

虫明焼といえば、私がすぐに思いつくのは灰色〜肌色の細水指で鉄絵のあるものだが、実はすごく多彩な焼物だったようだ。
幕末明治の裏千家家元・玄々斎と親交のあった、岡山藩の主席家老・伊木三猿斎(1818~1886)が虫明の邸内に開いたお庭焼といわれる。

清風与平(仁阿弥道八に師事)、真葛香山など京焼の名工を招聘して作らせた物の他、三猿斎自身が作った物も多い。




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三猿斎の写真。なかなか男前。
はずかしながら、岡山で育ったのに三猿斎の名前は当時かすったこともなかった。(お茶に全然興味なかったからね)




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初代清風与平が虫明焼として作った物は、金襴手や染付、ほとんど京焼といっていいものが多かったのね。虫明のイメージとずいぶんちがう。というか、京都の粟田焼、奈良赤膚焼の木白もそうだが、多彩すぎて特徴がつかめない感じ。後期作品になってようやく私のイメージする虫明焼になる。
それにしても清風の染付はホツなどもあって、どうみても古染にしか見えないのがコワイ。


有名なのがこれ


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三島写し釣瓶水指。これは渋くていいな〜。
玄々斎が少庵250年忌の茶会をもよおすにあたって少庵所持の三島水指を写し300個つくらせた虫明焼。これ、高麗物の写しが抜群にうまい全日根さんも写していたような気がする。蓋が一閑と宗哲の二通りあるんだそうだ。

ポスターにもなっている引舟水指はこれも花三島写しで、楽了入の引舟香合、備前の引舟水指と並べて展示してあるのが興味深かった。どちらかというと私はやっぱり備前の方が好きかな〜。
三猿斎は備前や伊賀なんかも自分で作っていて、この方も多才な人だったんだ。

真葛が作った茶碗はお馴染みの虫明、という感じで色が萩焼と粉青の間くらい、鉄の絵付けが多種あるが、氷裂紋が印象的でよかった。

ちなみに私が母から譲り受けた虫明焼の茶碗は、虫明が伊木家の庇護を失って廃窯になった後に復興されたもので、黒井一楽さんのもの。色はもっと翡翠色にちかく、このイメージが虫明と思っていたので,今回、もっと多彩であることを学んだ。




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さて、茶道資料館のある紫明通りからはじまる(西)鞍馬口通りは個性的なカフェや食堂やお店がならぶ大好きな通りなのだ。
この日のランチはちょっと資料館からあるくけれど千本通り手前の旅する定食・やまゆう堂さん。





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隔週代わりで世界の料理を定食にしているそうですよ。




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この日はベトナムランチ
どでかいライスペーパー春巻きと、、、



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牛肉のフォー
パクチーたっぷりで多幸感(パクチーで瞬間トリップできる)、美味しかった!




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このあたりは西陣の一角になるのかな、細いろうじにはまだまだ町家が軒をつらね、観光客はまずこない。あちこちで織機の音も聞こえる。




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デザートは、楽美術館の近くから昨年紫野に移転してきはったブックカフェことばのはおとさんで。暖簾に手招きする黒にゃんこがいるごとく、ここのオーナーさんは大の猫好き。




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いつか評判の「にゃんこパフェ」を食べたいとねらっているのだが、なかなかハードル高い。(数量限定)




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あ!珈琲に福だるま!




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もちろんブックカフェなので、読書をしながらの長居もゆるされるかも。




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似た雰囲気で好きだった北野天満宮近くのひだまりさんがなくなってしまったのが残念だったので、ここが資料館の近くに移転してくれてほんとうれしい。




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近く、紫野には、能好きな方にはぴんとくる「雲林院」もありますよ。

  藤咲く松も紫乃(紫野) 藤咲く松もむらさきの 雲の林を尋ねん (謡曲「雲林院」)




国芳の金魚を見に大阪市立美術館へ〜旧住友家本邸・慶沢園 - 2018.05.15 Tue

雑誌を読んでいたら、、、、




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国芳のこの金魚、何度も見ているはずなのに、まじまじと見ると、うぷぷぷ、、、、(^艸^)
尻びれが足なのはわかるが、なぜ尾びれをほっかぶりに使う(^_^;

そいうえば、大阪市立美術館で「江戸の戯画展」やってて、国芳の金魚全9図が見られるんじゃなかったっけ。




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というわけで、仕事(大阪)がえりにひとっ走り天王寺へ。
久々の天王寺、駅前商店街はあまりかわらんが、天王寺公園はアプローチがえらいきれいに整備されてた。




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「江戸の戯画展」

江戸も中期から末期、太平の世が続いたせいか、人々を笑わせるような戯画がたくさん描かれ、これらは今でも見るとクスクス笑いをさそわずにはいられない。
笑えるもの、ちょっとお下品なもの、でもこれ現代の人が描いたといわれてもわからないと思うよ。笑いのセンスは案外昔からかわらないのかもしれないね。





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はじまりは17世紀の鳥羽絵、そして生没年不明の耳鳥斎の漫画、この2種は大阪を中心にしたものであったから、お笑いはやはり歴史的にも大阪やねんな。

その後北斎漫画、河鍋暁斎につながる流れでけっこう貴重な絵のオンパレードだったが、やっぱり私の目的は国芳の金魚!




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国芳と言えば、猫シリーズもここ、大阪市美で昔やってたので堪能したが、とりあえず今回は金魚!

散逸した物もあると思われるが、現在確認されている「金魚づくし」は全部で9図、一つの部屋に一堂に会した。




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「ぼんぼん」・・お盆の時期にこどもたちが「ぼんぼん」と言いながら町を流した風習から
柳ならぬ水草が垂れている下を団扇ならぬすくい網を持って。なぜか金魚に手をひかれているのがオタマジャクシの団扇をもったカエル

心いたく惹かれた「にはかあめんぼう」では、水の中では雨は降らないがアメンボウがふる(^_^;)やっぱりおかしいや、この尻尾でほっかむりの金魚!

「すさのおのみこと」・・ウナギをヤマタノオロチに見立てて湯飲みを酒樽に

「玉や玉や」・・水中でシャボン玉?を売る金魚 腰に紐を巻いて尻びれをはしょっているのがなんとも。

「さらいとんび」・・1匹の金魚がなにかをさらって飛んでいくのを啞然と見送る金魚たち そばの屋台とおぼしき店の提灯が「みじんこ」とか「赤ぼうふら」とか金魚の好物ばかり




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ホルダーケースになっているのは「いかだのり」
これがまた萌える〜♪ だって尾びれを紐でたくし上げているんだよ〜(^∇^)

「まとい」は纏、水草とすくい網で作った纏をもって火消しをまねる金魚たち

「酒のざしき」・・すくい網を三味線に、浮き草や梅花藻の花をもっておどる芸者金魚に杯にかぶりついて酒を飲むお大尽金魚、この子がまた酔眼で笑える。酒のアテはもちろん赤ボウフラ!

最後に「百物語」・・怪談を百話語り終えたとろこで怪異が起こるというが、金魚の場合は猫が金魚鉢をねらって現れるというオチ。

ああ、やっぱり国芳最高!(猫好きなとこも最高!)

実は10図目があるのではないかと言われていて、上方でみつかった絵師不明の金魚の「けんじゅつ(剣術)」というのが国芳の写しではないかといわれているそうだ。ただ、この絵、尾びれが足になっている点で国芳とちがうような気がする。国芳のは尻びれが足だからね。


国芳の金魚を堪能して満足した後はすぐおとなりの慶沢園




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大正7年に住友家の本邸庭園として作られたが、その後本宅を神戸に移すに当たり大正15年に大阪市へ寄贈したもの。現在管理は大阪市なので、150円で入れる天王寺というごちゃごちゃした町の中のオアシスなのよ。




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池泉回遊式、、、とくればそう、かの7代小川治兵衛さんの作。
池にはもう睡蓮が咲いていた。



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四阿から池をのぞむ、、、
だれがここが天王寺のど真ん中と思うだろうか。



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背景を見たら納得だけれど、、、(^_^;
野鳥も水鳥もやってくるからすごい。繰り返すがここ、天王寺駅のすぐそばなの。




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それにしても庭園の中の石はどれもこれも巨石だらけで、あの時代の近代数寄者の好みと財力を思い知らされる。
3代木津宗詮が作った長生庵という茶室もあるが、ここは有料貸し出しだれているそうだ。




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この池の中に、もしかしたら国芳のような金魚ワールドがあるかもしれない、と思うと楽しい。





楽さんのギャラリートーク・能と楽茶碗〜楽美術館 - 2018.05.01 Tue

楽美術館の展示が「能と楽茶碗」と聞いて、MIHO美術館も「猿楽と面」だったし、能、きてる!と思ったのだが実際はどうなんだろう。

ひとつは当代の楽さんが、もう長いこと金剛流宗家で謡を稽古されていることとの関連だろう。
(ちなみに5月3日に楽さんと金剛永謹さんの対談イベントが金剛能楽堂である。私は別件で行けない、残念すぎる)

能と茶の湯は多少の前後はあるものの、ほとんど同じ時代に大成された芸能、芸術であるし、それを好んだのは武家社会であったという共通項もある。茶道具に、謡曲にちなむ銘がおおいこともご存じの通り。
なのでこの2つはとても親和性があって、回りをみるとお茶と能を2つやっている方は意外に多い。習わないまでも興味のある人はもっと多い。

今回の展示は、楽茶碗の銘にちなむ金剛家やその他所持の貴重な能面をいっしょに展示する、という画期的なもの。出目家の(これMIHO で学習したわ〜)是閑、河内という桃山時代の面打ちの名工の面が楽茶碗とともに拝見できるのだ。





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特別企画として、3回の当代によるギャラリートークがあった。いずれも一般客のいない時間におこなわれ、すかさず第3回を申し込んだのだが、1回2回とそれぞれ内容がちがって3回でやっと展示物全部を網羅するとのこと、、ということだった。通しで行くべきだったな。





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常慶の「長袴」は狂言袴からきており、ややゆがんだ姿は織部の時代の空気があるとのこと。

3代道入と4代一入の茶碗が期せずしてならんで「須磨(黒)」「明石(赤)」と銘打たれているのは源氏物語の須磨の侘びと明石の明るさをあらわして納得。

6代左入の「姥捨黒」はまさに能の姥捨で、月の光をあびて捨てられた姥の魂が浄化される雰囲気がよくでているとおっしゃる。たしかに月の光を連想させる姿だが、並んでいる9代了入の姥捨は赤楽で明るくて、ちょっとイメージがわかない。ちなみに銘をつけたの啐啄斎だそう(^_^;

左入の「祗王(赤)」「祗女(白)」ほんまに色が違うだけでうりふたつの茶碗で、どちらも真ん中が少し反っていて非対称、解説には体をそらした浮世絵に描かれた祗王の写真が添えられていて、このイメージか、と書かれている。私はむしろ白拍子の烏帽子の形に見えたが。

14代覚入(当代のお父上)の茶碗の銘はご母堂がつけたものが多いそうだ。最近能の「国栖(くず)」を見たところだったので、そう名の付く黒楽は横に筋が何本もつけられていて、たしかに水の流れを連想させる。(国栖魚は鮎のこと)

9代了入・10代丹入・11代慶入コラボの式三番叟、それぞれ白の翁、黒の三番叟、赤の千歳もおもしろい。

そうそう、観世会館で舞わせてもらった「三輪」の銘のつく長次郎の筒茶碗も忘れてはいけない。これは赤楽というより、土の色という印象的な茶碗。釉薬の景色が三輪の神木・杉に見えるからではないか、とおっしゃる。なるほど。

一番聞きたかったのは長次郎「シコロヒキ」
これは昨年の近代美術館の楽展でもでていたのだが、どういう意味の銘かスルーしてたもの。しころとは兜の後に矢よけのためにあるびらびらの部分のこと。平家物語で、怪力の平景清が相手の源氏の武将のしころを引きちぎった、という一節による。
一部が裂けているのでそういう銘がついたのだろうというお話だったが、私にはどうしてもその裂け目が見つからなかった、、、


しかし、なんでこんな銘がついた???というような、わけのわからないものもないではない。しかし、それはお茶の家元がつけたりするものなので、楽家に責任はないよ(^_^;





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ポスターになったこの茶碗は長次郎「道成寺」 (+後シテの般若の面)
ひっくり返せば確かに鐘に似ている。形は熊川に激しく似て、天王寺屋会記にある「はたぞりの茶碗」は、これではないかと目されている。まだ利休の今焼として完成する前の、高麗物を写している初期の時代の作品ではないかとおっしゃってた。

そしてふっと、,,目をあげると向こうの壁にかけられた小面と目があってしまった。
静かにひたすら美しいのだが、笑ったりすましたりしているように見えてちょっとコワイ。これが能面だよね。あらゆる感情を内包する。「能面のように無表情」というセリフはウソだよね。

最後に当代のアヴァンギャルド系焼貫茶碗「砕動風鬼(世阿弥言うところの妄執を抱えた人間の霊・姿は鬼でも心はまだ人間)」
楽では禁じ手の金彩銀彩のある茶碗、それに対する面は現代の面打ちさんで、この茶碗に触発されて打ったもの。黒い肌に金色の牙をもち、ゆがんだ顔の般若、ただし楽さんにいわれて角を切った、、というもの。これは見事に呼応していた。角を切らせた楽さんの感性もするどいと思う。なにせ心はまだ鬼になっていないのだから。




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(お土産のシールやポストイットなどなど)



茶碗の話をしだしたらとまらない楽さんと、能面のはなしをしだしたらとまらない金剛のお家元とのお稽古はいつまでたってもおわらないときもあるという。そんなエピソードも拝聴しながらのギャラリートーク、充実した90分であった。






池大雅〜京都国立博物館 - 2018.04.27 Fri

あいにくの雨の中、国立博物館の池大雅展へ。



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池大雅と聞いて、名前はけっこう有名でよく知っているにもかかわらず、どんな作品か?と聞かれると意外に知らないことに気づく(^_^;

なのでいろいろ調べつつ拝見、まずは南画の天才という。
、、、、で、南画ってなに?これもなんとな〜くはわかっていても、定義をはっきり知っている人はあまり多くないのではないかと。

江戸時代後期、御用絵師だった狩野派にあきたらず、もっと自由な作風を求めておきた作風であり、中国の元・明時代の風景を描く南宗画がもとになっているそうな。わりと新しい。
その大成者が池大雅(と与謝蕪村)なのだ。




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中国の風景画をお手本にしたものなので、見たことのないはずの中国の山水の風景画が多く、中国趣味に満ちている。漢詩を題材にしたものも多く、赤壁の賦とか、漢詩とか、これは漢詩好きにはたまらん。

しかしそれだけにとどまらず、彼は日本全国スケッチ旅行もしていたのだ。「日本十二景図」では、宮島、妙義山、玄界灘、東尋坊、松島、髙砂、錦帯橋、三保の松原、、、、と現代でもJTBなんかイチオシの観光地をくまなく歩いて絵に残しているのだ。




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このポスターは大作「五百羅漢」
もとは萬福寺の障子絵だったそうだ。
筆ではなく、紙縒りや指を使って描いた線はとぎれとぎれの特徴的なもの、描かれているのは一人として同じ表情ではない羅漢さんのモブシーン。これは隅々までみるととても楽しい。獅子や象や虎などの動物もユーモラスに描きこまれている。

印象的だったのは「西湖春景・銭塘観潮図屏風」
右双の春の西湖の景色は細かく細かく描きこまれ、何本も何本も線を重ねた水の表現がすばらしい。
対して左双の秋の観潮図は右大半がほとんど空白に近い。よく見るとうすい線が水を現しているのだが。この対比を持ってくるところが心憎い。俺はどんな手法もマスターしてるんだぞ〜、という感じか。




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池大雅は若くして父を失い、15歳で二条樋ノ口町で扇屋をはじめたという。樋ノ口町は今の河原町二条東入るで、私にはなじみの場所、現在貝葉書店のあるあたりかなあと想像するのも楽しい。
妻は玉瀾と号して、彼女もまた画才あふれる人で、その画も展示されている。この玉瀾さん、真葛が原、今の円山音楽堂のあたりにあった(西行庵のあたりかな)茶屋の娘で、祖母、母も歌人として有名だったそうだ。のちにこの夫婦はこのあたりに家をかまえる。夫婦そろってちょっと奇人っぽいところがあったようで、おもしろい逸話も残るという。


彼の生きた時代、売茶翁や白隠禅師などもいて、交流があったことを知る。彼の才能を見いだした柳澤淇園や、あと合作の「十便十宜図」(国宝)がある与謝蕪村も、けっこう文人綺羅星の時代だったのだな。煎茶道の隆盛時代とかさなるのもなんとなく納得。





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「十便十宜図」は切手にもなったので、さすがにこれは知っている。展示の最後の最後にでてくるんだものなあ、、、憎いわ。これは川端康成が所持していたことでも有名なのだそうだ。ノートサイズの意外に小さな絵であった。


さすがにこれだけたくさんの池大雅をみるとお腹一杯になったが、リアル胃袋はむしろ空いてきたので、、、、、



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お向かいのハイアットのグリルでちょっと贅沢ランチとしゃれこんだ。雨に濡れた緑の景色も美しかったよo(^▽^)o







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