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2023-06

依水園煎茶席〜JR京終駅 - 2023.06.05 Mon



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梅雨に入った奈良、若草山の遠景、正面に見えるのが、、、


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江戸時代からの名庭園依水園である。
なんども入ったことがあるが、季節によってさまざまな植栽と、点在する茶室などを楽しむことができる。
今回6月1日の開園記念日にあわせて行ってみた。(入園料がお安くなる)まあ、それだけではないだろうが、奈良もあっというまに海外の観光客が増えた。


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まずは入り口の三秀亭。
普段はお食事処になっているが、なんと江戸初期の建築である!ここで開園記念日のみのイベント文人煎茶会、のぞいてみる。


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依水園は江戸時代のエリア(前園)、明治時代のエリア(後園)に分かれているが、前園は17世紀後半(家綱・綱吉時代)、奈良晒の将軍御用商人・清須美道清が別邸として建てた建築、特にこの三秀亭は当時の数寄屋建築。内装は明治時代に改築したそうだが。


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座敷に入るとまず目に飛び込んでくるのが睡蓮の咲く池、そして、、


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大和の山の景色である。三秀とは若草山、春日山、高円山の三山をしめし、この座敷から一望できたそうだが、明治になってできた建築物にはばまれてちょっとしか見えないのが残念。


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開け放した窓からは梅雨の頃の湿った空気に緑が美しくしたたる。

依水園はその後明治期に実業家・関藤次郎(現南都銀行頭取)の所有となり、築山式池泉回遊庭園である後園を作った。(戦後は海運業の中村家が所有し、現在に至る)


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ここらへんの意匠は明治になってからのものであろう。
煎茶席ご担当は美風流、現在は奈良で活動をされている。お家元が文人画も即興で描かれるという煎茶がはやった江戸時代の文人サロン的な雰囲気をかもしだす。

(余談ではあるが、お家元の風貌、しゃべり方、いい意味の胡散臭さ(^_^;ゴメン、、、に、つい最近急逝した茶友、風来坊茶人Tさんを重ねてしまってなんだか、しみじみした。)


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煎茶席のお菓子、家元のお嬢さんが手作りされたものとか。銘を「三秀」、美しいお菓子だった。



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席の後、依水園側から三秀亭を見る。
次の席の最中のようだ。席中には世界各国からの外人さんの姿もちらほら。


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さらに三秀亭遠景
昼頃には睡蓮はもう閉じてしまっていた。



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改めて後園に入る。
おお〜!なんという美しい景色!
あの大きな屋根は、、、ああ!東大寺南大門!すごい、かっこいい、遠くからでも迫力や〜!


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後園の作庭は裏千家の又妙斎だそうで、裏千家の茶室・又隠をうつした茶室もあれば寒雲亭をうつした広間もあり、いくつかの茶室がいくつかの建物に分かれて散在している。(ここらへん野村碧雲荘に似ている)


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庭を散策しながらあちこちの席でお茶を楽しんだのだろうなあ。


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一見りっぱな茶室にもみえるこの建物は寄付。なんて贅沢な寄付だこと。(絶対ここで茶会できる)


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庭園は小川を渡ったり、築山に登ったり、景色の変化を楽しみ、水車小屋もあったり、、、


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その季節の花を愛でる。
何年か前は桜の季節でお花見もできたなあ、、。


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トンボやら、野鳥やらをみかけるのもうれしい。ここは奈良県庁のほんお隣の立地なのに。


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大きな礎石と、


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能舞台、ほとんど野村徳庵と同時代の同じテイストの趣味を感じる。


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依水園を後にして、最近は市内循環のバスで楽に行ける方法を覚えたならまち南の果てにある七福食堂さん、この日はランチ休業であったが、念願の今月のパルフェ(枇杷と杏仁)いただけた。

その七福さんに行くときに降りるバス停が北京終町、そういえばJR京終駅(桜井線)近いんや、と思いつく。新しくなった駅舎がとてもおしゃれと聞いて一度いきたかったのだ。


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七福さんから徒歩5,6分、これがJR京終駅か〜!
、、って、みなさんちゃんと「きょうばて」って読めました?

明治開業時のままだった以前の駅舎を利用しつつ数年前に修復させた駅舎で、すごく素敵。



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駅ピアノで、あまりうまいとは言えないピアノを弾いていたお姉さん、なんだかその訥々とした音色がこの駅に妙にマッチして良い感じだった。


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京終エリアの活性化を目標に作られたNPO団体(NPO KYOBATE)による案内所兼カフェ、<ハテノミドリ>


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ここもとってもおしゃれ。
店内には奈良の特産品の販売もあって、軽食もあるのがうれしい。


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珈琲飲みながらながめる景色は鉄道。


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電車は1時間に2〜3本というめちゃローカル駅なのだが、だからこそ捨てがたい魅力があるなあ。ここで電車に乗って2分、JR奈良駅にむかった。



東大寺指図堂落慶など〜初夏の奈良巡り - 2023.05.21 Sun

初夏と言うには暑い奈良である。


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昨年秋に黄金色の絨毯を見たところの東大寺西大門跡の大銀杏も今は緑の陰を作る。


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今小路から歩いて戒壇堂の横を通って東大寺指図堂へ。
幕末頃の建築で老朽化していたが、このたび修理を終えて落慶を迎えられた。
2年前、まだ工事中の時に来たことがある。無料で入れて東大寺のかたにお話も聞いた。


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このエリア(東大寺北西部)には、平家の南都焼き討ちや松永久秀の東大寺焼き討ちのあと、大仏殿復興を担った建物が集まっている。資金を募った復興寺務所である勧進所(奥にある八幡殿は練行衆社参の折にお参りする場所でもある)、そしてこの指図堂。指図堂の名前の由来はここに復興の設計図(指図)を祀っていたことによる。

南都焼き討ちのあと、東大寺復興を担った重源上人は実は法然上人と同時代の人であり、彼を東大寺に招いたりもしている。大原問答の時にも同席したと言うから、きっと仲良かったのね。その後の災害による破壊から幕末に再興されたのは、法然を慕う浄土宗の門徒さんたちの喜捨によるものであった。よって、ここは華厳宗の東大寺の中にあって、浄土宗の法然を祀るお堂なのだ。



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修理の為の寄付をさせていただいたので、ご案内をいただき来て見たが、なんと!!
お堂の横に本気の茶室ができていた!


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奥の小間が「遣迎庵」といって、かつてここにあった茶室を再現させたものとか。


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この赤い腰張り、修二会の糊こぼしの造花の材料である紅花で染めた吉岡さんところの和紙なんだって!木の香も新しい建物の中、水屋も完備、これは将来貸し出しとかしてくれるんじゃないだろうか。



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写経場もあり、(予約なしでできる)


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庭園もきれいになった。
東大寺といえば大仏殿にしか観光客は来なくて、ここはけっこう穴場である。良い場所ができたな。


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修二会友でもある日本画家で僧侶でもある中田文花さんの散華を記念にいただいた。(販売はしてません)


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この景色だな。
記念に写真を。


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今小路の千壽庵吉宗で、かき氷。
色々種類があってめずらしいだだ茶豆とずんだのかき氷頼んでみたら、ずんだが結構ヘビーでお腹一杯。やっぱりフルーツ系にしとけばよかった。


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次にこの季節のお楽しみ、二月堂裏参道近くにある大湯屋。


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ホコリでも雪でも気のせいでもありませんよ。


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一面に舞う柳絮(りゅうじょ)

いまが真っ盛りなので、動画も見てね。




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大湯屋の横の池の表面にも雪のようにつもる。


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北京では春の風物詩とも言われる柳絮は柳の綿毛(種)なんである。


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柳は意外と種類が多くて、盛んに柳絮をとばすこれはマルバヤナギかタチヤナギ、専門家でも種類がわかりにくいとか。
うかうかしているとこの綿毛、マスクの中にも入ってきて、くすぐったいったら(*^_^*)



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ここには今は緑の大銀杏もあって、秋も楽しみだな。西大門のを見に来たときに足を伸ばしてくるべし。


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二月堂の裏参道を見ると、おお!なんか立派な白い花を咲かせている木が!場所的に清水公照師がおられた宝厳院だろうか。


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これはヤマボウシの花であった。なんとたくさん花をつけているのだろう。宝塚時代に庭にあった我が家のヤマボウシは毎年花が2〜3しかつけなかったのを思い出すなあ。


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ここで東大寺とはお別れ、バスにて西ノ京(唐招提寺〜薬師寺エリア)をめざす。


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奈良の1日の締めくくりに先だって東塔落慶法要に参席したばかりのところの薬師寺に滑り込み、写経!はい、今日もりっぱな金釘流書であります(^_^;



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写経勧進の帳面(一冊12巻)、二冊目にはいった。今度は表紙が朱色なのね。一冊目は若草色だった。特に信心深いという訳ではないが、かつてすごく心が動揺することがあって眠れない事があった。その時に般若心経をとなえているといつの間にか寝ていた、、、というような経験があり、なにか心を沈静化させるものがあるのかもと思う。一生懸命思い出そうと集中するのが有効であったのかもしれんけど。





薬師寺東塔落慶法要 - 2023.04.27 Thu

国宝・薬師寺東塔(白鳳時代)が10年にわたる史上最大の改修修理修復に入ったのは平成21年、まだ京都に移住する前だった。10年もかかると聞いて、長らくこの姿をみられないのが残念に思うとともに、10年先、自分ははどうなっているだろう??と思っていたあの頃。年月はあっという間に流れ、♪あの頃の未来に僕らはたっているのかな〜(^_^;、、、で、3年前、覆屋の取れたばかりの東塔を見に行った。

フェノロサが「凍れる音楽」と讃えた、というその姿は健在であった。それを記念しての落慶法要、あべのハルカスでの薬師寺展(チケット買った)がおこなわれるはずだったが、コロナですべて流れてしまった。



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そして3年、ついに落慶法要の晴れの日を迎える東塔。
2000人規模の法要を5日間、の大きな法要となる。



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晴れの日、水煙の上に五色の吹き流しがおどる。なにやら塔も誇らしげだ。


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整然と並べられた椅子、この日は気温こそ22度くらいだったが、じっと屋外にいるとじりじり暑い。


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10時半からの法要に2時間前に行ったにもかかわらず、開門前にすでに行列ができている。みなさん、熱心な信者だ。(私の信仰心はちょっとあやしいのだが)
かくの如く、スタッフさんもご案内のお坊さんたちも手ぬぐいに麦わら帽子着用、熱中症対策をしてはった。


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しかもお持ち帰りの記念品がはいった紙袋には薬師寺ウォーターまではいっていて、参会客が熱中症で倒れないように、とのお心使い。「はい、ここでみなさん、お水を飲んでください!」という親切な指示まで(^_^;


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さらなる対策としてやはり紙袋にはいっていた水煙モチーフの手ぬぐい、、、


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これを半ば強制的に全員頭にかぶる(^_^; なんだかアヤシイ新興宗教みたいに見えるな。

私は黒っぽい服をきていったものだから、焦げるかと思うくらい暑かったが、これで大分ましに。白は太陽光線を反射しやすいという小学校の時の理科の実験(虫眼鏡で太陽光に焦点を結ばせると黒い紙の方が白よりはやく燃えるという、、)を思い出したりして。



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さらに入ってたのは「開眼筆」
東塔におさめられたご本尊(釈迦四相像・中村晋也作)の開眼の儀をされるのだが、その時思いだけでも一緒に、とみんなで筆を突き出す、というイベント(?)


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これはその予行演習(^_^;
会奉行の大谷師の人の心をそらさない、面白おかしい説明と解説で、みんなで「南無釈迦牟尼仏〜!」を唱えながら筆を突き出している練習風景。筆の角度やらもお手本を見せるという念の入れよう。


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(法会に参列されるお坊さんたちの晴れの履き物)

太陽光にさらされながら、日焼け止めを塗りながら待つこと約一時間。


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昭和56年、高田好胤師の写経勧進にて再建された西塔の水煙にも吹き流しがひるがえるのを眺めたりしているうちに南都楽所の楽人達入場。


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その楽の音にあわせて舞楽・振鉾(えんぶ)が会場を祓い清める舞を。まずは赤袍の左方。


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ついで緑袍の右方。
(つがい舞で左方は大陸系、右方は高麗系といわれる)


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柄香炉を捧げ持つお坊さん達の袈裟もこの法会のために誂えた草木染めのものだという。


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式衆は薬師寺のみならず末寺の方々もおられ、尼さんもおられてたいそうな人数であった。


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ついで音楽にあわせて三重塔の全層の扉を一度に開くという開扉の儀、これ前の方に陣取ったので、かえって見えにくかった。しかし二層目三層目の扉が開くのは初めて見た。


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加藤朝胤管主のご登壇、右手のおつきの僧が持っているのがかの開眼筆。


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開眼之儀、もちろん参会者もさきほどの練習のように「南無釈迦牟尼仏〜!」と唱えながら参加しましたよ。


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これが後ほど拝見したその筆
右下に、高田好胤師のご遺影が飾られていたのに気づかず、惜しいことをした。


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散華
この散華のシャワーは、極楽浄土もかくや、とばかり、風にひらひら舞っていっそう場を晴れやかにする。ほんま、この散華って好き。なんとか一枚ゲット。



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その間に舞台右では武者小路千家家元による献茶(日替わりで五流派の家元が奉仕される豪華さ)


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左では御家流香道宗家三条西宗匠の献香(こちらも五流派日替わり)
三条西家だけあって衣冠束帯のお姿。


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この日の祝辞は東大寺別当橋村猊下であった。


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この祝辞も日替わりなのだが、南都五山のトップの呼称が、それぞれ違うのな。


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式衆退堂、これを先導する会奉行はzoomの講座でおなじみ、先だって花会式の咒師でもあった高次師。


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続いて観世流能奉納(奈良と言えば能の発祥の地ですからね)
この日の演目は「羽衣」キリ、最近習ったところなので、謡いもちょっと謡えたりするので尚うれしい。

参会者には東塔におさめられた釈迦四相像の作者の中村氏(御年97歳!)と松久保秀胤長老(95歳!)もいらして、なにやら拝みたくなるありがたさ。


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法要が終わっていよいよ東塔内参拝、2000人もの人でありながら、順番に誘導していただいて混乱もなく。


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入り口から中をのぞいて拝見したことはあるが、中へ入れたのは初めてではなかろうか。今回心柱の空洞部分を補足した木は浜松の樹齢400年の檜だという。1300年+400年、気が遠くなるような年月、そしてわれわれがみなこの世を去ってもさらに1000年以上も立ち続けますように、と祈った。

天武帝が妃・鸕野讃良(後の持統帝)の病気快癒を祈って建てられし、み寺の塔、凍れる音楽、そして塔の上なるひとひらの雲(佐々木信綱)、、の東塔である。

明治5年の東塔の写真を見ると傷みが激しく痛々しい姿であったが、ここまでかつての姿(であろう)を取り戻せたのは、長い年月をかけて守り修復してきた薬師寺さん、写経勧請その他で支えてこられた信心篤い善男善女のみなさんのお力のたまもの。



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ちなみに新しくおさめられたご本尊釈迦四相(ブロンズ製)は<入胎><受生><受楽><苦行>である。釈迦が誕生して王子の時代を経て、悟りをひらくための修行にはいるまで。そののちの<成道><転宝輪><涅槃><分舎利>は西塔へ。


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薬師寺を辞して向かったのは、、、


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ここから徒歩15分くらいのところにある大池である。(今年の山焼きはここでスタンバイしたが、雨で燃えなかった(^_^;)

若草山を背景に東西両塔に五色の吹き流しがたなびく姿の遠景をこの目におさめたくて。
(間に小さく、まもなく覆屋に覆われ修復にはいる興福寺の五重塔、見えますか?)



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帰って見た豪華記念品の数々。本来ならばお弁当をだすところ、コロナゆえ是非これを、と管長さんが企画したお赤飯のパック、2つも〜!早速レンチンして薬師味噌でいただく。美味しい〜。


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唯識は難しくて理解しがたいが、ぼつぼつ読もう。緑色のはゲットした散華。




美吉野の山桜ははや〜吉野山2023 - 2023.04.08 Sat

3年目の吉野山
例年より1〜2週間早い開花と散り際にあわてて参上。

つくづく吉野山デビューがコロナの最中でよかったと思う。だって、今年の吉野山は特に中千本あたり国の内外を問わず人・人・人、、、、中にはマナー的にどうよ?と思う人もいて、多分こんな時に来たらもう二度と吉野へは来たいと思わなかったかもしれない。(桜に罪はないのよ、混雑してても花は美しいけれど、それを楽しむ心のもちようが、、、)

朝9時前に着いた近鉄吉野駅からバスで中千本、中千本からマイクロバスで奥千本までまずは一番奥まで行く。(このマイクロバスが3台しかなくて1時間待ち〜)



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終点の金峰神社から一番奥の西行庵のある場所へは、さらに急な坂、足場の悪い崖みたいな道を上らなければならないので、団体客はこないし、ここまで歩く人も多くはない。本来の静かな美吉野の桜を楽しむには奥千本がいい。(多少息はあがる)


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例年なら4月後半に満開になる奥千本も4月4日段階でもう七分咲き、この数日後に満開になるというあわただしさ。


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ああ、いいなこの景色。
ここには中千本あたりの混雑はない。

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杉などの木が伐採された斜面にあらたに植えられた桜の幼木もある。


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さて、人も少ないのでここで茶籠をとりだし、山桜を愛でながら一服。(下に敷いたクロスは先日有楽町の茶友さんの茶の湯展でもとめたもの。良い色やわ)


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そして西行さんにも一服奉る。
漂泊と桜をこよなく愛した歌詠み人へ。
(西行庵の中には西行さん人形がおいてある(^_^;)


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この山桜のグラデーション!
単一クローンのソメイヨシノでは表せないパステル感がある。ソメイヨシノも美しいが集団になると完璧な美人達がうわ〜っと押し寄せてくる感じでちょっとこわい。山桜のやさしい色が好き。
(茶友さんに聞いた話、美吉野を愛した小林秀雄はソメイヨシノは桜ではない!とまで言い切ったそうな。)


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かくの如くたたなづく緑の山々の中にある絶景。
ソメイヨシノが一般的にたくさん植えられるようになったのは昭和かららしいから(作られたのは幕末)、それまでの古典文学に歌われる桜はすべて山桜。
開花と葉が出るのが同時の種類も多い。木の個体差も多々ある。



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木の切り株に腰掛けて、さかんに鳴く鶯の声を楽しむ。ここらはほんまに鶯多い。


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吉野山は、修験道の最大最高の修行地である大峯山山上ヶ岳奥駈道の入り口にあたるので、修験道がらみのものも見られる。金峰神社前の休憩所には役行者の木像も。

さて、あとはどんどん山を下りて上千本〜中千本へとくだる。全行程登るのはかなりしんどいので、奥千本から下る一方にしたが、下り坂もけっこうきつい。


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忘れてならないのが上千本の水分神社(みくまりじんじゃ)
ここのしだれ桜を見ずして帰るべからず。


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慶長年間(桃山)に再建された古い社の檜皮葺の屋根にこぼれかかる枝垂れ桜。


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前から眺め


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下から眺め


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また脇から眺める。


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この桜に一昨年初めて出会えてよかったと思う。
その時はここはほんとうに静かで他に人が数人しかいなくて、その美しさに思わず息をのんだ。


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残念ながら今年はすごい人混みで人が写りこまない写真をとるのに一苦労。混雑の中ではあの感動はもう味わえないだろうなあ。(お泊まりで早朝という手はある)


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上千本から中千本へ


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ますます美しいグラデーション。ここらはすでに散りに入っていて、桜吹雪をなんども浴びた。


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左手にはるか金峯山寺がみえる。あそこまで歩くのだ。


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この景色を見ながら昼飯にしよう。


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一昨年、コロナでほとんど客がこなくて夕方に売れ残ったお弁当をかこっていたおじいさん。昨年は少し賑わいを取り戻して、素朴なお弁当をいただいた。今年は大賑わいでよかった。


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中でいただくと目の前にこんな景色、、、あら、かなり散っちゃってるわね(^_^;


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賑わいすぎて昼少しまわっただけなのに弁当売り切れ、キツネ寿司4個でお腹をなだめる。

そして中千本、道の両脇に店がつらなり、一番混雑するエリアだ。よってここで見るのは、、、


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吉水神社の前の「一目千本」の景色だけ。


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おお!さすがに美しい!(よってスマホ、カメラを持った人でごったがえす、、、)


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しかし、吉野のこんな山深い中、上古は大海人皇子、中古は南朝の後醍醐天皇、よく来られたものだなあ、と感慨にふける。いまでこそ近鉄でホイホイ都(京都)から日帰りでくることができるが。



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もう一つのミッションが毎年行っているもともと葛菓子工房だったTSUJIMURA & cafe kitonでスイーツを食べること。2年前は待ち時間なしだったが、さすがに今年は、、、(^_^;
でも葛餅の入ったイチゴパルフェ、美味しくいただきました。


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最後に金峯山寺蔵王堂へお参り。
あら〜ここも境内の桜、すでに散っている、なんという早さ!今年は。


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青い憤怒の蔵王権現三体を間近に拝む。
2年前は一泊したので早朝の勤行にもいけたねえ。あの朝日にてらされた山桜を思い出す。

   敷島の大和こころを人ととはば 朝日ににほふ山桜花  (本居宣長)

これにて帰路につく。
ありがとう美吉野の山桜、今年も来られてよかった。来年もきっと。







薬師寺花会式結願鬼追い式2023 - 2023.04.03 Mon



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夜も更けた奈良・西ノ京
薬師寺へ今宵結願の日を迎えた花会式(修二会)へ。

東大寺修二会と同じく薬師寺もこちらは10人の練行衆が7日間六時の行法をされる。これも後夜は午前3時からという厳しい行法なのである。昨年は他日も結願の日も日中、初夜の法要は金堂の外から拝見聴聞した。今年は諸般の事情で結願法要もオシマイの方で拝見、鬼追い式のみに照準をあわせた。


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薬師寺のは二月堂とちがって法螺貝、鉦に太鼓が入るのでかなり華やかでオーケストラ的。五体投地も柄香炉を捧げ持って、体を海老反りにして屈伸、絶叫するので最終日にはみなさま、お声がかなりかすれていらっしゃる。

20時前には国宝・東塔を背景に鬼達が手に持ってあばれまくる松明の準備がすすむ。しかし、二月堂と言い、奈良はほんっと国宝で松明だからね、すごいよ。(事前に消防隊スタンバイ)



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結縁法要の声明や音楽を聴きながら、今年もまたこの境内に一本咲く桜に出会えたことを喜ぶ。


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結願法要も無事終わり、結願の証の朱の牛王法印を額に受けた練行衆達が手に法螺貝や鉦を持ってお出ましになる。


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鬼追い式の場を浄める咒師が登場する。今年も高次喜勝師だ。法要終わったばかりで体力的にも限界近いだろうに


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炎のあいまを疾走する。


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中門より五人の鬼が登場。


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ここの鬼はなめちゃいけない。私が知っている中で一番凶暴。


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大松明を振り回している間はまだよいが、


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手松明を持ち出すとやばい。


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観衆が並ぶ柵にその炎を打ち付け回るのだ。


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これ今回の一番のお気に入り。
写真撮るのか火をよけるのかどっちかにしろよと自分でも思う。


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髪焦がしたり服や靴焦がしたり、飛び散る火の粉は半端ないのである。あちこちで(ちょっと喜びを含んだ)悲鳴があがる。阿鼻叫喚、、、に近いかも(^_^;


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手松明が打ち付けてばらけてしまうと、すぐ新しい松明を補給、それを調達する係のおじさん。


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これが鬼追い式のクライマックス


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そして、ここでは鬼を追うのは毘沙門天なのである。ちょっとお面が鬼っぽい。BGMは鉦太鼓法螺貝とにぎやかだ。


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この毘沙門天の歩き方が独特でユーモラス、これを見るのが楽しみ。


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鬼が反省して金堂にはいりお浄めをうけたのち、参拝客の入堂が許される。10種の造花で荘厳された薬師如来さま、日光・月光菩薩さまのお姿を近くで拝見。
花は桜・梅・桃・杜若・山吹・百合・椿・牡丹・菊・藤である。今でも二軒のお家が家族総出でつくっておられる。


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これは数年前、そのお家のお話を聞きに行った時の画像。ほんとうに美しい。この花が手に入れられればなあ、と思いつつ何年かしら、いまだにゲットできず。かわりに?鬼が暴れてこわした松明の燃えさしの破片をもらった。


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玄関で二月堂輪注連と仲良くならべて、なにやら呪術的コーナーをつくってしまった(^_^;


ともあれ、今年もお参りできてほんとによかった。あとは4月の新薬師寺修二会の松明で締めたいところだが、今年は都合でできず、今期の炎がらみの法要はこれにておしまいである。ああ、奈良って楽しい、、、

<おまけ>
TLやインスタで、知り合いの二月堂修二会ガチクラスタの皆様も同じ場所にいたことが判明、今年の練行衆さんも発見、やっぱり楽しい奈良なのである。






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