東博にて古筆の会 - 2016.02.03 Wed
以前から「オトロシイ」会、と聞いてはいたけれど、ついにコワイモノ見たさに(?)そのオトロシイ会に初参加。
、、で、オトロシイ会は想像を遥かに超えたオトロシイ会だった、、、、やっぱり。

久々の東博だ!(東京国立博物館)

本館入り口のこのすばらしい眺め!

おお〜!ミュージアムショップがえらくスタイリッシュに生まれかわっとる!おしゃれやな〜。
、、、、と、本日のオトロシイ会の舞台はこちらではなくて、、、

普段は公開されていない東博の庭園の中にたたずむいくつかの由緒ある建物群のひとつ、九条館。
いわずとしれた五摂家の一つ、九条様のお屋敷。いまでも京都御所内には九条家ゆかりの拾翠亭(週末公開)が九条池のほとりに残っていて、とてもいい茶室があるのだ。そのかたわらに立っていたお屋敷なんだろうな。お江戸でお目にかかるとは。
こちらは茶会などにも利用できるそうで、本日こちらでそのオトロ、、、いや、某古筆の会。

おとなりにたたずむのは江戸時代、天台宗寺院として尾張に建てられた書院で、後に益田鈍翁邸内に移築されていたという応挙館。

さて、何から書こうか内容がすごすぎて、私の知識や理解をはるかにこえているので、どうしよう、、、。
集われたのは、あとで聞くところによると、和歌や文学、書道、美術館の学芸員、古美術商、古筆コレクター、それもその方面では一流どころの方ばかりなのだそうだ。(しかもびっくりするほどお若いエキスパートもおられた)
まずは某地方の古名家に残る短冊貼交屏風について、研究しておられる方のお話しを拝聴。
貼交屏風にはいろいろな時代のいろいろな人の手になる短冊や古今切が貼り付けられていて、そのうちのいくつかを解説+参会者のコメントですすめられる。
しかし、、、、
テクニカルタームがわからない、、、会員の方には常識的知識で周知のことが全然わからんぞ。時代もそれ平安なの?室町なの?ひ〜〜(>_<)ゞ
歌合切があって、三人の女流歌人の名があるのだが、昔の女流歌人は姓名を書くわけではないから、たとえば「新宰相」とサインしていてもどの時代のどの新宰相なのかわからない。それを過去の歌合わせの出席者、日時の記録、からひろってこの人かこの人と思われる、、、なんて推測するなんて推理小説みたいで楽しくないこともないが、厖大な記録にあたる作業だよ、これは。
わからないなりに、例えば「永仁五年八月十五夜歌合」、参加者藤大納言典侍、中将、内宮内侍、、などの文字をみているとその歌合わせの雅な様子が頭の中にうかんでくるのは楽しい。(ちなみに永仁五年は1297年)
内容だけでなく、書体、書かれた紙の質、料紙の模様は書かれたあとで描かれたものか先に描かれたものか、綴じ目のあとがあるとかないとか、、、そこまでが研究対象なのか!!と未知の深い世界を垣間見た思い。

昼休みには、若い古筆研究者の方が奥様の作られたきんとんでお茶を点てだししてくださったのにはなごんだ。抹茶点てるのだけはお手伝いできるぞ。(ただし、お茶は彼の方がきれいに点ててた、、)
彼は特に鑑定札(古筆鑑定の証書のような札・こういうのがあることも初めて知った)の鑑定にかけては右に出るものがいないんじゃないか、と思われる方で、すでに大学生の頃から古筆の魅力にどっぷりだったんだそうな。
午後からは、その一流の方々のご自慢の古筆の鑑賞会。
まあ、でるわでるわ、私でもわかるようなすごいものが。
当時中国から輸入した雲英刷りの美しい唐紙料紙に書かれた仮名の歌は平安時代までさかのぼるもの。(これ一枚でベンツ一台とか(@_@;) )でも、これは私のようなものでも感動するほどほんとうに美しかった。目の前にぱああ〜っと源氏物語の世界が広がる(これしか知らんのよ)
消息あり、和漢朗詠集あり、古今集あり。
出るたびに皆様くいいるように眺め回し、おお〜、これはこれは!ほうほう、これは!とかおっしゃる。私はそれがどうすごいのかわからんケースが多かったが。
二月堂焼経はお水取りの時に奈良国博にでるやつだ、これはすごい。定家の書き入れのある和歌とか、(私でも知っているかの有名な)高野切(伝・紀貫之)の一部にはちょっとどきどきした。
みなさん、よくこれだけ手に入れられたこと。中には所属する大学研究室を背負ってオークションでせり勝ったものもあるとか。そして真の古筆を眺め回しているから目利きなんですね。すごいなあ。どの世界にも、好きで好きでその道をとことん錐のように突き進む人たちっておられるんだ。(あ〜!私はどれも中途半端で、、、(>_<) )尊敬、尊敬。

(釘隠は九条家の紋、下り藤のモチーフ)
さて、この日のお話しで一番興味深かったこと。
古筆の年代を書体とかではなく、料紙の炭素C14年令による年代測定法で誤差2〜30年以内で特定できるということ。これで筆者を特定できた事例も多々あるらしい。絵画で行われるようになったX線分析が新たな発見を次々しているのと同じことね。
ただし、これは料紙を傷つけなくてはならないのが欠点。測定のために古筆のごく一部を100万円で買って調べた、、、こともあるそうですよ。やっぱりこれはオトロシイ世界だったわ。
(それでも、よんでくださった、さるお方様に感謝!)
、、で、オトロシイ会は想像を遥かに超えたオトロシイ会だった、、、、やっぱり。

久々の東博だ!(東京国立博物館)

本館入り口のこのすばらしい眺め!

おお〜!ミュージアムショップがえらくスタイリッシュに生まれかわっとる!おしゃれやな〜。
、、、、と、本日のオトロシイ会の舞台はこちらではなくて、、、

普段は公開されていない東博の庭園の中にたたずむいくつかの由緒ある建物群のひとつ、九条館。
いわずとしれた五摂家の一つ、九条様のお屋敷。いまでも京都御所内には九条家ゆかりの拾翠亭(週末公開)が九条池のほとりに残っていて、とてもいい茶室があるのだ。そのかたわらに立っていたお屋敷なんだろうな。お江戸でお目にかかるとは。
こちらは茶会などにも利用できるそうで、本日こちらでそのオトロ、、、いや、某古筆の会。

おとなりにたたずむのは江戸時代、天台宗寺院として尾張に建てられた書院で、後に益田鈍翁邸内に移築されていたという応挙館。

さて、何から書こうか内容がすごすぎて、私の知識や理解をはるかにこえているので、どうしよう、、、。
集われたのは、あとで聞くところによると、和歌や文学、書道、美術館の学芸員、古美術商、古筆コレクター、それもその方面では一流どころの方ばかりなのだそうだ。(しかもびっくりするほどお若いエキスパートもおられた)
まずは某地方の古名家に残る短冊貼交屏風について、研究しておられる方のお話しを拝聴。
貼交屏風にはいろいろな時代のいろいろな人の手になる短冊や古今切が貼り付けられていて、そのうちのいくつかを解説+参会者のコメントですすめられる。
しかし、、、、
テクニカルタームがわからない、、、会員の方には常識的知識で周知のことが全然わからんぞ。時代もそれ平安なの?室町なの?ひ〜〜(>_<)ゞ
歌合切があって、三人の女流歌人の名があるのだが、昔の女流歌人は姓名を書くわけではないから、たとえば「新宰相」とサインしていてもどの時代のどの新宰相なのかわからない。それを過去の歌合わせの出席者、日時の記録、からひろってこの人かこの人と思われる、、、なんて推測するなんて推理小説みたいで楽しくないこともないが、厖大な記録にあたる作業だよ、これは。
わからないなりに、例えば「永仁五年八月十五夜歌合」、参加者藤大納言典侍、中将、内宮内侍、、などの文字をみているとその歌合わせの雅な様子が頭の中にうかんでくるのは楽しい。(ちなみに永仁五年は1297年)
内容だけでなく、書体、書かれた紙の質、料紙の模様は書かれたあとで描かれたものか先に描かれたものか、綴じ目のあとがあるとかないとか、、、そこまでが研究対象なのか!!と未知の深い世界を垣間見た思い。

昼休みには、若い古筆研究者の方が奥様の作られたきんとんでお茶を点てだししてくださったのにはなごんだ。抹茶点てるのだけはお手伝いできるぞ。(ただし、お茶は彼の方がきれいに点ててた、、)
彼は特に鑑定札(古筆鑑定の証書のような札・こういうのがあることも初めて知った)の鑑定にかけては右に出るものがいないんじゃないか、と思われる方で、すでに大学生の頃から古筆の魅力にどっぷりだったんだそうな。
午後からは、その一流の方々のご自慢の古筆の鑑賞会。
まあ、でるわでるわ、私でもわかるようなすごいものが。
当時中国から輸入した雲英刷りの美しい唐紙料紙に書かれた仮名の歌は平安時代までさかのぼるもの。(これ一枚でベンツ一台とか(@_@;) )でも、これは私のようなものでも感動するほどほんとうに美しかった。目の前にぱああ〜っと源氏物語の世界が広がる(これしか知らんのよ)
消息あり、和漢朗詠集あり、古今集あり。
出るたびに皆様くいいるように眺め回し、おお〜、これはこれは!ほうほう、これは!とかおっしゃる。私はそれがどうすごいのかわからんケースが多かったが。
二月堂焼経はお水取りの時に奈良国博にでるやつだ、これはすごい。定家の書き入れのある和歌とか、(私でも知っているかの有名な)高野切(伝・紀貫之)の一部にはちょっとどきどきした。
みなさん、よくこれだけ手に入れられたこと。中には所属する大学研究室を背負ってオークションでせり勝ったものもあるとか。そして真の古筆を眺め回しているから目利きなんですね。すごいなあ。どの世界にも、好きで好きでその道をとことん錐のように突き進む人たちっておられるんだ。(あ〜!私はどれも中途半端で、、、(>_<) )尊敬、尊敬。

(釘隠は九条家の紋、下り藤のモチーフ)
さて、この日のお話しで一番興味深かったこと。
古筆の年代を書体とかではなく、料紙の炭素C14年令による年代測定法で誤差2〜30年以内で特定できるということ。これで筆者を特定できた事例も多々あるらしい。絵画で行われるようになったX線分析が新たな発見を次々しているのと同じことね。
ただし、これは料紙を傷つけなくてはならないのが欠点。測定のために古筆のごく一部を100万円で買って調べた、、、こともあるそうですよ。やっぱりこれはオトロシイ世界だったわ。
(それでも、よんでくださった、さるお方様に感謝!)