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2023-06

銀月サロン〜新緑茶会2023 - 2023.06.04 Sun



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ついこの前、門前の桜がまだ残っていた北白川・銀月アパートメントにて、もう新緑の銀月サロン。


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桜のころには桜色に、そして今はもう緑の色に染まる室内にて、今年の中国茶の新茶を楽しむ。


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暑くなる季節、冷蔵庫で水出し36時間の阿里山高山茶、さわやかで甘みのないジュースのような味わいですっと涼しくなる。


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本日のお茶のラインナップの最初は浙江省産の明前西湖龍井茶(ろんじんちゃ)、しかも「特級」付き。

ちなみに龍井茶の産地・西湖は日本でも昔から有名、<象潟や 雨に西施がねぶの花>と芭蕉が詠んだ中国春秋時代の傾城・西施に例えられる湖である。(「ひそみにならう」は西施由来のことわざ)


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明前は清明節の前に摘まれたと言う意味で、明後に比べるとお値段がはねあがるのだそうだ。
(中国では清明節は4月5日前後、先祖の墓参りをし、野山に春の遊びに出かける季節)
小さいでたばかりの芽を摘んでできたお茶で、発酵させずにすぐ釜炒りするのだそうだ。道理で香りがほとんど抹茶!お茶屋さんの周りでただよっているあの香り。


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ところが!
お湯を注いで飲むと、全く煎茶と違う。確かに中国茶、なのだ。不思議〜。煎茶と違って蒸しの工程がないことが理由だろうか、はたまた気候風土の違いだけ?

しかし不思議なことに、このお茶、他のお茶を飲んだり点心食べたりの合間に何煎も自分で煎れていると、最後はなじんだ日本茶のあの味になるのである。不思議不思議。


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お茶のお供は美味しさ凝縮のドライ芒果(台南玉井産)とドライデーツ(棗)
これをかじりながら何煎もお茶を飲む。


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二番目のお茶は台湾・阿里山烏龍茶。
お湯で煎れると水出ししたものと、ほとんど別物というくらい味の変化がある。

一煎目は香りがたつが、どうしてどうして、二煎目の美味しさといったら!香りもあれば味もしっかり出て乳香もあり〜の爽やかさも甘さもあり〜の、でほんま美味しかった。杯の残香も忘れずに楽しむ。


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煎れる前はころころ丸まっていた茶葉がお茶を煎れ終わるとこんなに開くのね。広げてみるとちゃんと一芯二葉。



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それから毎度お楽しみの点心!
龍井茶で作った茶粥、アクセントに魚卵、あっというまに完食。中国茶の茶粥はまず米を油でいためるのだと教えてもらう。


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もう一つは叉焼包子
とても美味しい。これはレシピを聞いても絶対自分でうまくできる気がしない(^_^;

最後のお茶は同じく阿里山蜜香紅茶、完全発酵の紅茶である。ちなみに台湾で紅茶が作られだしたのは最近のことである。今では日本のお茶の産地でも紅茶はつくられているよね(和紅茶)。
これも甘くて、紅茶なんだけれど、しっかり中国茶のテイストを残している。日頃ティーバッグですませているから、ほんとうに美味しい紅茶をいただくのはしあわせ。



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紅茶のお供のスイーツはレモン羊羹(これもレシピを聞く、作りたい、いつか、、、(^_^;)
ずんだ餅の豆乳がけ。(実は中の餅が岡山のきびだんごという(^▽^))

桜、新緑ときて、次回はまた秋の紅葉の頃また会いましょう、銀月サロン。



銀月サロン〜桜茶会2023 - 2023.04.15 Sat

北白川疏水畔の銀月アパートメント
ここでの銀月サロン・桜茶会は2年ぶりだ。(コロナで中止)


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大覚寺舟遊び茶会が終わるまで、気持ちのゆとりがなかったので、最終日になんとか滑り込んだが、アパートメントの前の桜はほとんど葉桜。


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それでもなんとか部屋の中をほんのり桜色に染めるだけの花はがんばってくれていた。花が盛りの頃のこの部屋は、ほんとうに桜色になってそれは美しい空間になるのだ。


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テーブルには水に浮かべた桜の花と葉。


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本日のウェルカムティーは銀月ジャスミンスパークリング
上質のジャスミンティーを濃く入れて炭酸水と冷やす。ボトルにいれるとおしゃれだ。


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プチプチ泡がはじけてジャスミンティーの香りもはじける。グラスも桜色


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本日お茶と楽しむドルチェは、大好きな棗のお菓子(ドライ+フライ)と、台南の玉井(Yujing)ドライ芒果(マンゴー)。玉井はマンゴーの名産地で今が旬、フレッシュなマンゴーをドライにすると甘みがぎゅっと濃縮されて、かめばかむほど美味しい。


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菓子をつまみながら次なるお茶、台湾峨眉・東方美人茶を。一煎目、金色の色が美しい。(中国にも四川省に峨眉山の地名はあるが、台湾とは別、蛾眉郷)
ここで蛾眉に定住した客家(はっか)の話を聞く。古くは中原(黄河流域)にルーツを持つ客家(原則漢民族)は独自の言語を持ち、戦乱などを避けて南下、定住をくりかえし、その南東の果てが台湾の蛾眉あたりなのだそうだ。


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東方美人茶はウンカに茶葉を噛ませることで有名なお茶だ。とにかく香りがすざまじくいい。
先日NHKの番組で見たが植物が虫などの攻撃をうけると、特殊撮影で何かの物質がその場所にうわ〜っと集まってくる映像を見た。多分東方美人のうまみもそうなんだろう。



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次のお茶は台湾、文山包種
烏龍茶の中で一番発酵度の低いお茶で、日本の緑茶に近い。
茶葉はどことなく煎茶っぽいし、入れた茶の色もほとんど緑茶煎茶なので、ついそのつもりで飲むと衝撃が走る。全然別物なのだ。まさに烏龍茶、ちょっと発酵がはいるだけでどうしてこんなに違うのか不思議〜。


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客同士でお互いに何煎もいれあいっこしている間にお待ちかね、点心登場。
ドライトマトを使ったシュウマイがもう美味しいのなんの。ドライトマト、自分で作ろうと心に決める。あとワカメと新タマネギと塩だけで味付けした粥がまた美味しくて。新タマの甘みがくせになる。(すぐ家でまねしてみた)


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最後のお茶はこれも台湾凍頂烏龍茶
これはもう、安定の香りと美味しさ、そして杯の残り香がうっとりさせる。



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これにあわせるお菓子がイチゴパウンドケーキ
大阪天満のPâtisserie Ravi,e relierので、この日最終日だったので、残りの一本全部をいただく、というラッキーな日であった。



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お茶はコロナ前のがまだ残っていて、只今熟成中?なので、お土産は迷わず大好きな棗のお菓子を買って帰る。

桜がちょっと寂しいから、2年前の桜の銀月サロンの画像貼っておくね。


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3年ぶりの銀月サロン〜中国紅茶会 - 2022.11.24 Thu

3年前、コロナで突如中止になってしまった北白川・銀月アパートメントの銀月サロン桜の茶会。桜の季節ではないけれど、3年ぶりに訪れることができる幸せ。


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アパートメントの庭の枝垂れ桜は紅葉も過ぎ早くも落葉の季節。ああ、ここは変わらないなあ、とほっとする。


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懐かしいような、ついこの前きたばかりのような、、、そんな感じがするサロンである。


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久々の中国茶会のテーマは<紅茶>


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中国ではもともと主に緑茶が飲まれていたが、緑茶が合わない硬水の英国より、紅茶を要望されて、茶葉を完全発酵させた紅茶が量産されるようになったそうだ。


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その最初の紅茶が福建省で作られた正山小種(ラプサンスーチョン)。英国では松で焙煎したスモーキーなのが好まれるらしいが、日本人的には正露丸臭?(^_^;といわれているが、、、
ちなみに産地の桐山は武夷山の一部だそうで、いわば岩茶のお仲間。


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minceされた茶葉。
煎れたお茶は見事なルビーレッド。一杯目から衝撃であった。今までラプサンスーチョン美味しいと思った記憶がないが、これはスモーキーさは全くなく、後口が甘い。そして香りが岩茶の烏龍茶の芳香でありながら、やっぱり紅茶、という認識ができる。最近飲んだ中国茶のうち一番美味しいかもしれない。


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(中国骨董のミニカップ 茶杯かデミタスか微妙なところ)


二つ目のお茶は安徽省の祁門(キーマン)紅茶。
世界三大紅茶(ウバ、ダージリン)の一つといわれる。英国におけるラプサンスーチョンの人気に目をつけて、清朝時代から国を挙げて大量生産、世界にプロモーションをしかけた結果有名になったお茶なのだそうだ。(その後民営化されて質の良くない茶葉もでまわることになったらしいが。)


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こちらは水色(すいしょく)がオレンジである。わりとあっさりくせがなく飲めるので、お菓子にとてもよく合う、と思った。


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ちなみに本日のお菓子はイチジクをアールグレイと菩提樹蜂蜜で煮たものに、ほろほろクッキー。


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三つ目の紅茶は雲南省・滇紅(てんこう dienhong)。滇は雲南省の古称。
滇紅は手のひらほどもある大葉種の新芽を摘んだお茶。水色はさらに明るく黄色みをおびて味は淡いがやっぱり紅茶と感じる。これも何煎でもいけるお茶だ。


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そしてそしてお待ちかね!(*^_^*)点心の時間。
久々に味わう銀月さんの手作りぷりぷり海老シュウマイ。


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そしてきのこたっぷりの薬膳スープ。ことこと3時間、手羽を煮込んだスープで、すっかり身も心もあたたまった。

最後の紅茶は台湾の蜜香紅茶。
蜜香というだけに東方美人茶のようにウンカ(虫)のもたらした茶葉の変化あり。いままでの3つの紅茶とは全く違う独特の香りだが、それでもやっぱり紅茶と認識できる。私、この蜜香系大好き。


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この紅茶にあわせるのは淡路島のモーツァルト牛乳(モーツァルトの曲を聞かせた牛からとれるミルク)で作ったミルク寒に自家製イチジクシロップをかけたもの。期待にたがわず美味しい。

このところ中国茶系の紅茶、日本茶系の紅茶を飲む機会が増えた。いずれも美味しく、安いティーバッグにはもうもどれないなと思う。しかしながら同じお茶のDNAを持ちつつどうしてこんなに多彩な変化ができるのだろう。茶葉を見つけて利用方法を考えた昔の人は天才だ!

すてきな眺めの部屋とセンス良い室礼で何杯もの紅茶をいただきゆったりする、、、こうしていると3年ものブランクがあったのだがウソのように思える。このひとときが貴重な時間。また次の季節にも是非。






「旅するお茶」〜五感が楽しむ中国茶会 - 2022.09.17 Sat



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大好きなうるわし屋さん主催の中国茶会に。
茶会主催者グループには、中国茶人の堀口一子さんや、一度は行きたいと切に願っている御所市のパティスリークリアンさんなどお目にかかった事のある方のお名前があってうれしくなる。


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会場はめったに行くことのない(というか行ったことのない)麩屋町万寿寺通りあたり。このあたり昔の京町家がたくさん残っていてすごく良い雰囲気だったので、今度またゆっくり歩いてみようと思う。


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倉庫を改装したというThe Side  というギャラリー。以前のギャラリーを数年前、若きパフォーマンスアーティストのMegumiさんがクラウドファウンディングの力もかりつつ引き継いだものらしい。今回彼女も映像にて参加されるという。


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階段を上った先が暗室になっていて、、、


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BGMはサウンドレーベルZEIT主催の橋本次郎さん。アンビエントっぽいBGMとこの暗さですでに異世界へ紛れ込んだような気分。


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ゆらゆらゆれる布に小さな照明、それから参加者は「白い服」を指定されているので、布の林を行く他のお客さんの姿も景色の一部に。


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その奥にありました。中国茶でおなじみの一子さんの席。
茶席の間は深くお茶の世界にひたるためにカメラはしまって、五感をとぎすませてこの瞬間を味わい尽くすとする。


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最初に一子さんの音叉の音でしばし深呼吸、呼吸を整え短時間瞑想。
そして水出し単叢蜜香烏龍茶のウェルカムティーを。グラスはじめお道具はうるわし屋さん。

お湯でいただいても私的には最高の中国茶蜜香烏龍茶を水出しとはなんとぜいたくな!さわやかでかつ香り高いってどういうの。

水出しで汗を引かせて次に一のお茶は武夷岩茶(水仙)。烏龍茶の一である。
これは蜜香に比べると香りの力強さが際立ち、茶を飲んだあとの杯の残香がいつも最高だと思うもの。杯を鼻にあててクンクン、しばしあやしまれる。いや、これが最高なんだって!

これを4〜5煎までいただき、味と香りの変化を楽しむ。


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お茶を飲みながら次は宇陀からお越しの出汁料理研究家のchiedashiさんの小点心をいただく。
出汁料理というからにメインは二種類の昆布でとった出汁の茸のお汁。ほんまこれ美味しいお出汁だった。茸の汁がこんなに美味しいとは!
他に豆腐の西京味噌漬け、プルーンの粽、乾燥赤紫蘇の葉など、ちょっと心が洗われた。(胃袋もね)


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二のお茶は老樹白茶水仙。
自分でも作る(そして失敗する)白茶は微発酵のお茶である。最初香りは自作のと同じ白茶だな、、と思ったら後に来るまろやかな深みは自作の茶と全然べつものであった。飲んでいる内にさ〜っと汗が出て、そのあと涼しさが。白茶は体を冷却するお茶だというがなるほど。

そしてお待ちかね!クリアンさんの茶菓!

ナッツのメレンゲ、ミニフィナンシェ、そしてこれが絶品の巨峰パルトドフリュイ!いままでのと食感を変えてみたかったとのことでゼリーとジャムの間くらいのやわらかさ、スプーンで供する。そして白茶をすする。

耳ではアンビエントをほのかに聞きながら、白い布に生き物のように変化する風と光のアートをこちらもかすかに感じつつ美味しいもの、美味しいお茶、五感すべてが楽しんでいる。
最後にまた音叉の音で瞑想、夢からさめたのであった。

すてきなすてきな時間であった。うるわし屋さんと堀口さんクリアンさんたちとの御縁に感謝である。


ちなみに画像は一子さんがinstagramにアップされているので、雰囲気だけでも。



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お土産までいただきうれしいことこの上ない。
クリアンさんのオレンジクッキー、高山奇蘭茶葉!


マダムの中国茶会 at 岡崎・好日居 - 2022.06.08 Wed



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最近ちょっとご無沙汰しているけれど、かつて中国茶教室によく通った岡崎の好日居さん。なんと先だって我が家の茶事においでくださったマダムがお礼にとちょっとした茶会をここでします、、、とのことで久々に。(全然ちょっとした、、ではなくてすごい!だったけど(^_^;)


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中身は完全に茶事仕立て
茅の輪ならぬ山の蔓で作った輪からはいる待合。ここは森の中、という設定。


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山でご自分で採ってきたというクロモジの一枝。この葉っぱを半日水につけておいたクロモジ水からスタート。


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クロモジは茶席で使う楊枝だが、新たに削ると芳香がするがごとく、水にもほんのり香りがうつってさわやか。まさに日本のハーブだわ。


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現在東南アジアと日本を行き来するマダムが、そちらから持ち帰った容器や飾りがセンス良く茶籠におさまる。


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さて、席入りすると大きな壺に投げ入れたチャの木の枝の下に茶器が。ちなみにこの茶の木の葉、大葉種らしく掌ほどの大きさがある。


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最初にいただくのは馬鞍山(マーサン)プーアル茶の生茶2016年もの。
緊圧茶なので、袋からだして、塊になった茶葉を千枚通しでゆっくり、葉を傷めないようにほぐす。ここは好日居さんのお仕事。



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ちなみに生茶とは、一般的なプーアルが人工的に発酵させるのに対して、茶葉をそのまま詰めて蒸し固めた物、味わいとしては青茶に近い。



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一般的なプーアルとちがって、爽やかで青みがたつ。もちろん飲んだ後の杯の匂いはかならず聞く。(多幸感♪)下にしいたコースターは木の化石だそうで、ここでも森の中という設定。


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次のお茶は天台山雲霧茶だが、なんとこれを焙じていれるという。今回初めて茶を焙じる際に使う刷毛(現地で使われるもの)の使い方を見た。
焙烙にいれた茶葉をゆっくり刷毛でなでて焙じる。

入れてもらったお茶はまさにほうじ茶の香り高いやつ、という感じ。
ちなみに天台山あたりは非常に霧が濃く、よい茶葉ができるそうで、雲霧茶。最近最澄展を見てきた私には、ああ、最澄様がいらした天台山〜というので勝手にもりあがる。

唐代から飲まれていたお茶は団茶(緊圧茶、茶葉を固めてほぐしてから飲む)だが、明代になるとこのような散茶が主流になる。



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次にでてきたのは西洋のコーヒーカップ。マダムコレクションのひとつ。
完全発酵の紅茶は、西洋で好まれ、さかんに輸入されたお茶、なのでカップは西洋風。今回ラプサンスーチョンのオリジナルと、のみやすく改良したあたらしい紅茶の飲み比べ。

ラプサンスーチョンは紅茶の元祖といわれ、福建省武夷山で栽培される茶葉だが、かな〜りスモーキー。人は正露丸臭という(^_^; お茶の好きなイギリスの水が硬水なので、このくらいのクセが好まれたというが、まずくはないが、日本人には好き嫌いはあるだろうなと思う。
比べると、改良茶葉の紅茶はとても飲みやすく、美味しかった。



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そこでお菓子。
御菓子丸さんの「法相華」
表面に正倉院文様のような法相華もようがうっすら浮き出る。木型を誂えて作った新作である。ほろほろの砂糖にこっそり忍ばせたこの香りは、、、杏仁であった。



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これで終わりかと思ったら、なんと中立。
奥の大谷石の間でしばし待つ。



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こちらに用意されたお水用のグラスは小谷真三さんの倉敷ガラス。このガラスのことで以前好日居さんと盛り上がったことがある。(お互いに小谷真三さんに会って話したことがある)

後座入りのお鳴り物は涼しげな鈴の音で。


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おお〜!なんと!豪華なテーブル!
ここまでのおもてなしをいただくとは予想もせず(会費も、え?これでいいの?というくらいお安かったのに)恐縮するやらうれしいやら。

ちなみにお正客的立場の其中庵さん、最近息子さんがご結婚なされ、そのお祝いもかねてマダムが用意されたそうだ。後ろの壁にかかった白い紙にそのお祝いの旨がかかれている、という手の込みよう。


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テーブルセッティングはマダムと好日居さんのお仕事、なんておしゃれでセンスの良い!
ライ麦パンにつけるバターはへしこ入り、これは癖になる。待合で籠に入っていた銀器の中はデュカというアラブのスパイス。これも美味しく手まり寿司にかけまくる。
シャンパンありーの白ワイン、赤ワイン、そして好物の日本酒まで〜♪



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手まり寿司はototojetさんのケータリング。こんなおしゃれな店、存在をしらんかったわ。さすがマダム。


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お酒のあてにだされた何品かのうち、みなに大絶賛されたのが、マダムお手製の「蘇(古代チーズ)」!上手に焦がさんとふんわりとした仕上がりで、皆さんといっしょに完食。

これでお開きかと思いきや、まだまだ続く茶会。



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国の名前のカードをそれぞれ引いて、それにちなむあたらしい抹茶の飲み方を。


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例えば、ベルギーなら抹茶とビールのカクテル。これはチェコのエルダーフラワーのお茶で抹茶を点てるところ。


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私は韓国だったので、抹茶に朝鮮人参パウダーを混ぜた物を大きい器で点てる。真ん中の穴は茶葉の影である。(茶葉の上から抹茶を篩って影を作るお遊び)


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これは国名はわすれたけれど、蜂蜜と抹茶をシェイカーでシェイクして、グレープフルーツゼリーの上にうかべたおしゃれな飲み物。
もうお茶をこれでもか、と素敵な飲み方でたくさんいただいて、気づけばけっこう宵もふけていた。

美しい夕べをありがとう。
心もお腹もいっぱい。マダムと好日居さん、ご一緒したお茶フェチ?の方々にも感謝です。ありがとうございました。楽しかった!!





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