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2018-06

漆搔き・猪狩史幸展と茶話会〜川口美術 - 2017.12.13 Wed



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鴨川・下鴨、糺の森はもう冬景色も近い。




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下鴨川口美術にて、岩手県浄法寺(二戸地区)で漆搔きをなりわいとし、漆を搔かない冬には漆器をご自分で採取した漆で作っておられる猪狩史幸(いがりまさゆき)さんの個展開催中。
本日は猪狩さん本人のお話しを聞きながらお茶する、という会。

現在日本で使われる漆の90%が中国産で、残りの10%のうち6割以上を生産しているのが浄法寺、このあたりは8年前、浄法寺漆を復興させた岩館さんの講演会で聞いて知識としてはある。

さて、漆搔きが職業としてなりたっているのはこの浄法寺とあと関東の方に一箇所だけと聞いた。漆の需要はそれなりにあると思うが、律速段階は漆の木の生育にあるらしい。漆の木を植林して、掻けるようになるまで15年、そして1本の漆からとれる漆は約200ml、ひとつの漆製品には平均約30ml、漆の木が生える山にはそれぞれの所有者がいて、彼らがいつ漆栽培をやめるかわからない不確定さ。いろいろ問題はあるようだ。
今は日光東照宮の修復に国が買い上げるというビッグウェーブがきているので、上向きなのだそうだが、それがおわるとまた低迷期にはいる、、、漆掻きはそんな浮き沈みを繰り返しているとか。




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作品ととともに展示されている搔いた後伐採して2年くらいたった漆の木。
この筋状の傷から漆の樹液を採取する。山に入って1日もくもくと漆を搔く仕事はとても孤独な作業らしい。一日中だれとも話をしない日もあるとか。

猪狩さんは採取だけでなく、漆の精製もされている。ここでとれた漆はもともと少し黒い色をしているそうだ。作品を見せてもらうと、色素もなにもいれないで、漆だけの重ね塗りで作られた器は、渋い赤味を帯びた黒、と言おうか。木地が透けて見える溜塗に近い。木地は木地師さんにお願いしているそうだが、シンプルで日常使いの器として手の中でのおさまりがよい。





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左手に、漆を採取する桶(これも木の樹皮を使った手作り)、右手に採取する道具。この道具も作り人が絶滅危惧種であるらしい。

価格的に日本産は中国産漆の約5倍だそうだが、昨今中国産も漆も値上がりしているという。都市化がすすんで漆掻きのなり手がへったこと、中国国内でも需要が増えたこと、、、など。漆を使う職業の方は漆の値段の高騰に苦労しているらしい。




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クリスマスも近いので、ヤドリギがいけられている。

質疑応答で中国産の漆は日本産に劣るか、という話がでたが、漆は生育した土地や気候によってそれぞれ色や性質に土地の特色があるのだそうだ。だから中国の漆も日本の漆と性格は違っても品質は劣らないそうだ。ただし、採取法の違いなどから不純物混入が多かったり、流通過程が長いので、その間の品質管理ができていなかったりで、悪いイメージがついたらしい。
そうなのか、目からウロコ。やはりたずさわっている方の話は勉強になる。




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漆の森や、漆掻き、漆精製の作業の動画など、見せてもらって茶話会は終了した。

茶道具に漆は必要欠くべからざるもの、それらを生産するためにいろんな段階でいろんな人が黙々と仕事をしているのだ。塗の棗一つをとっても、有り難いと思わなくてはならない。
そんな漆のお話しであった。







イシス更紗会(さらさえ)〜鹿ヶ谷山荘 - 2017.05.27 Sat

御所南にあるジャワ更紗(バティック)のお店、バティックイシスの20周年記念展示会がまいどおなじみ鹿ヶ谷山荘(グランピエさん所有)にて。



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鹿ヶ谷通りから、大文字山登山道にも通じるけっこうきつい坂を登る。「俊寛山荘地」の碑がたつ。そう、平家物語で有名な鹿ヶ谷の密談の地ですよ。




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けっこう顎が出そうなくらいしんどい坂道だが、振り返ってみると良い眺めだ。




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この鹿ヶ谷山荘は一時レストランでもあったらしいが、その建物がまた素晴らしく、好きな場所のひとつ。




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バティックイシスは、主幹の石田加奈さんが本場ジャワでも失われつつある更紗を、ジャワに滞在しながら新たに作っておられる作品を展示するギャラリー。




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今では本場でもイシスの更紗はハイブランドなのだそうだ。




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更紗の布は大事な道具を包む布として昔から茶人にとってはなじみのある布。
かくいう私も更紗の持つ雰囲気が好きで、主に印度更紗をコレクションしているが(まあ、プリントもので高い物ではないのだが)こちらのジャワ更紗はまた別格だなあ。




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手描きで、きちんと染色してあるので、裏と表が区別が付かないくらい。
イシスのデザインは古典紋様もあるのだろうけれど、けっこう新しいのもある。スタイリッシュでセンスがステキ。




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これなんか、特にお気に入りのデザイン。紋様も細かく,色合いがまた美しい。いかんせん、お値段がかわいくないので(^_^; 

でも隅々まで手描きの、丁寧で緻密な仕事をみれば納得のプライスだ。




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イシスのスタッフさんが実際に身につけているのがバティックのサロン。輪っか状になった布に体を入れて結ぶだけでスカートになるという伝統衣裳。歩くと模様が変わって見えて、また巻き方によってさまざまに印象を変える。




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広い山荘のあちこちにさりげなく広げられるバティックの海をしばし楽しむ。




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中二階の隠れ部屋みたいなコーナーでは好日居さんの茶席が。良い雰囲気の室礼の中で、中国茶を数種、美味しくいただく。好日居さんもバティックのサロンを身につけておられた。




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一階のダイニングコーナーではVolverさんのお弁当も予約でいただけるのだが、この日はすでにランチは別件ですませていたので断念。




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そうこうするうちイシスの主幹、石田加奈さんのトークが始まる。
残念ながら時間切れで後ろ髪ひかれつつ、とりあえずお値段手頃で美しいバティックをさがして帰ろうと。




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ちなみに山荘の最上階にはこんな眺めの良いテラスがある。ここでお弁当食べてはる人もいたわ。




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で、ゲットして帰った二枚。野点風にお茶をするときの掛け物にしたり下に敷いたりするために。(尻の下に敷くにはちょっとモッタイナイが)




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ご覧のように、プリントではない証拠に染料がきちんと下まで通って、裏表の区別がほぼありません。
ああ、きれいだ。

次回の野望として、更紗で帯や着物(かなりお金がかかると思われる)を作りたい、、、




鹿ヶ谷山荘〜ペルシャの残景・キリムやラグ - 2016.11.21 Mon

鹿ヶ谷の山の中、グランピエさん所有の鹿ヶ谷山荘、とても素敵な場所なのだ。

初めて行ったのは昨年秋

今年もご案内をいただいてでかけた。




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昨年はシャトルバスがあったのだが、今年は自力でたどりつこうと、哲学の道の奥にある霊鑑寺の横からスタート。




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これがまたきつい坂なんだわ、、、
ここは大文字登山ルートのひとつなのだが、まさに大文字登山したくらいのエネルギーを消費したよ。




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振り返ればこんな眺め、どれだけ高いんだか。




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もうダメ〜〜、、、と思った頃にやっとたどりつく山荘。




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ここでもう一息、階段!



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こちらはかつては懐石料理のレストランだった場所。
今ではイベントの時に使われているが、展示物もさることながら、建物や室礼をみるのが愉しみで。




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今回の展示はイラン系遊牧民、アフガニスタン、トルコ、中央アジアのキリムやラグなどの織物。クッションカバーになるものや日よけになるものや、敷物以外もたくさん展示。



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トラディショナルないかにもキリム、ラグ、というのが多い中、目に付いたのはこのかわいいデザイン。
織物ではなくて実は刺繍なのだ。ピロピロっとでている毛糸のふわふわは使っているうちにすり切れて、同時に災いもすり切れて持って行ってくれる、という厄除けのうようなもの。



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これもまたかわいい〜〜(*^_^*)

デパートなどで販売されているいわゆるペルシャ絨毯は、緻密で端々まできっちり始末したものだからお値段も高い。ここに展示されているものは遊牧民が作った物だから、すごく緻密な刺繍が施されていると思ったら、端っこのかがりがけっこう雑だったりと、そのおおらかさが味になっていいのだ。お値段も安いとはいわないが、けっこうお手頃。




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山荘内はあちこちが中央アジア〜トルコを連想させる室礼になっていてステキ。



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渡り廊下。
ここはレストランになる前はどなたか所有していたのかな。数寄者が数寄をこらした建物とお見受けする。



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渡り廊下の向こうにはいごこちよさそうな、隠し部屋のようなスペース。
ここも中央アジアテイスト。




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見晴らしの良い月見台も遊牧民スタイル。
こんなところで夜、いっぱいやりたいね。



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二階からみおろしたカウンターコーナー。ここで予約していたランチをいただこう。
ここは眼前に森が広がり、足元は掘りごたつみたいにヒーターがはいっていて居心地良い。




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この日のご担当は「旅する料理人」こと船越雅代さん。(行ったことないけど高瀬川べりのレストランkilnのシェフだった方だそうだ)



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サラダにひよこ豆のペースト「フムス」。(トルコで食される)上に一粒のっているのは石榴。
料理も今回の展示に合わせてペルシャ風。




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そのペーストやサラダをこのフラットブレッドにのせていただくのだ。



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キノコや肉団子、根菜類もはいったスープはスパイシーで、大好きな香草も入っていて美味しいの。
デザートはカリンの蜜付け、甘さほんのりでヘルシーでございました。




ガラスの世界〜YDSギャラリーにて - 2016.08.05 Fri

新町二条上ル・Shop & Gallery YDSさんで、ガラス作家・西山芳弘さんの展示会があるとのこと、とるもとりあえずGo!




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なぜなら、今年3月、ここのギャラリーでこっそりひらかれた御茶Bar(記事の終わりの方にちょこっと写真アップ)で、使われていたガラスのボトルやグラスやお皿、あまりにユニークで美しく、西山さんのお名前を頭にメモしていたからなのだ。

やはり夏のガラスは特別。懐石道具もガラス物を使いたい季節だし。




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おお!いきなり心わしづかみのガラスの蓋付き、、、なんというのだろう?食籠とでも、水指とでも?

中に水出し中国茶がはいっていて、これをふるまっていただく。しかもディスプレーのお菓子まで頂戴した。
つい水指に、、、と思ってしまうが、こういう使い方もできるのだ。もちろん中国茶でなく水出し煎茶もいいし、サングリアなんかもいいし、生花をぎっしりつめこむのもいいなあ。
いろいろアイデアが刺激される。




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これ、これ、このグラス!
御茶Barで使われていてこの不整角形、肉厚の底の重量感、色つきの液体を入れたときの輝きなど、いいなあ〜と思ったのだ。ちなみにお菓子のカヌレはこのあといただきましたよ。



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このグラスは中味がはいってないと、どこまでがガラスなのかわからないところに惹かれる。これもガラス部分が多くて重量感が良い感じ。

ウイスキーなんかがおいしく飲めそう。




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もちろん、グラス類だけでなく小鉢やお皿もある。お値段も作家物なのに手が届きやすい設定で、あれもこれもほしくなる。(収納キャパに問題があるのでなんでもつれてかえるわけにはいかないのだが)




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大きなガラスのプレート越しに見る世界。




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というので、あれこれ悩んだあげくお持ち帰りはこちらの3点。




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そしてこのガラスボトル。

銀のススキをいけてみた。








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