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2018-06

茶事デビュー!のご亭主の名残の炉の茶事 - 2018.04.25 Wed

お茶とお能と、それだけではなくて歴史や伝統文化にたいそうご造詣の深いご亭主、今シーズンいよいよご自宅の茶事デビュー!ということでお招きにあずかった。




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玄関の待合にていただいた汲み出しは冷たく冷えた甘夏の皮の香りがするお水で、4月とは言え暑い日にありがたいこと。


ここのふきぬけに、最近手に入れはったというアルプスの画家・セガンティーニの未完の作品の大きな陶板画がかかる。アルプスの空は蒼いので、この絵も水色の印象。(セガンティーニといえば子供の頃から親しんだ大原美術館にある羊飼いの絵を思い出す。あれも水色の空が印象的な絵だった)




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実はご亭主、物語を紡がれる方で、茶の湯をテーマにしたシリーズの本も書かれている。その中に印象深い茶事のエピソードがたくさんでてくるし、どれも茶事をしたことのある人なら深く頷けることも多くて、きっとお茶事の手練にちがいない!とだれもが思うだろうに、今回はじめてとはあまりに意外である。それほど茶事の描写がすばらしいのだ。




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お忙しくて時間がとれなかったこともあっただろうが、一番のネックは懐石料理だった、、、そうだ。(私も最初の懸案がそれだった)それをいろんな方から情報をあつめ、(たぶん)試行錯誤、その結果、手作りされたという懐石は、まあ、なんて見た目も美しく、美味しかったことか!苦手、、、なんてご謙遜!

それにしてもこの足付き膳はすてきだわ。





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懐石の華・煮物椀のあしらいも美しく、とても美味しゅうございました。
鉄線蒔絵の煮物椀もすてきだった。

茶事に到るまでのエピソードや、本に茶事や茶の湯のことを書くご苦労や、そんなお話しをききながら、いただく。ずっと以前からご亭主をご存じの御連客さまからも昔のお話しなどきけて、これもまた楽しい。

掛け物は「柳緑花紅」
最近のご著作に、この紅の花は中国ではかならず桃なのだ、という一節があったのを思い出した。
香合が、精巧なミニチュアの謡本を重ねたような焼物で、これもすてきで、お能のすきなご亭主らしいものであった。(能楽堂で時々お目にかかってましたね)





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そして、お菓子まで手作りされるとは!
白味噌たれの餅、山椒風味、行者餅やあぶり餅のイメージで、懐石のしめくくりにぴったりであった。




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中立後は濃茶点前
茶室の電灯を消してもらうと、仄かな夕刻の障子越しの光の中、お点前の姿がきりっと美しい。
静かに濃茶が練り上がるのを待つ。
ご亭主はお茶事や茶会に参席されるときは袴姿のことが多く、それがまたよくお似合いだ。

たっぷりと濃茶らしくまったりと練り上げられたお茶はとても美味しく、ついつい茶碗に残った濃茶にお湯入れを所望してしまう。これがまた絶妙に美味しい。(私の存じ上げている手練れのお茶人さんの何人かは、これをかならず所望される)




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干菓子は上賀茂・霜月さんの干琥珀
続き薄にてさらにお茶をいただく。

お道具はひとつひとつ足でまわって見つけられたもの、茶縁つながりで作家さんにたのまれたもの、なんとご自分で絵付けされた茶碗(これがシックでまたプロの技)まで、いずれも思い入れのあるものばかり。中には共通の知人の作家さんの作品もあり、これも楽しかった。




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最後まで、きりっと美しい所作で、おひとりでこなされた茶事
かといって気負いというものを感じさせず、淡々と粛々とされる姿は、やはりダテに茶道のお話を執筆されているわけではないなあ、、と感じ入ったのであった。

無事デビュー果たされまして、おめでとうございます。
私も新たな茶事友が誕生してうれしゅうございます\(^O^)/
さらに精進され、どんどん茶事をなされますよう。(よんでいただけるのを楽しみに!)






一枝窓〜宗和流宗匠の茶事 - 2018.03.25 Sun

ここは東京をはなれること少々、一枝窓という名の茶室。
とうとう念願の宗和流・U川宗匠の一枝窓茶事にお招きいただく。(師匠、ありがとうありがとうありがとう。゚(゚´Д`゚)゚。)  (宗和流HP

キャベツ畑ものぞめる田園の中に突如あらわれる数寄屋門、中へいざなわれると、とんでもない茶の湯空間が広がっていたのだ。




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(一枝窓露地の枝垂れ梅)


U宗匠のお茶をはじめて拝見したのが約3年前、宗和流会長に就任されることを決心され(世襲ではない)、流祖・金森宗和と深いつながりのある大徳寺真珠庵・山田老師に参禅、「寒鴉(かんあ)」の齋號を授与された披露茶会@根津美術館であった。まだ40代の若さにしてすばらしい創造力、マネージメント力、人脈。お話ししたわけではないけれど、とても包容力のある暖かい、そして面白い方ではないかと秘かに思っていたのである。
そのご縁もあって、昨年秋,宗匠が懸けられた八王子美ささ苑獨楽茶会にもはるばるでかけた。その流れで宗匠と親しい師匠のお声かけで今回の茶事が決定、感激もひとしおである。

関西各都市からばらばらに、連客に茶友をつのったら、お彼岸のさなかなのに僧籍の方が3人も集まるという、、、(^_^; 実に楽しい席組となった。





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(これはうちの露地の楓の芽吹き)



待合に、不思議な、でも魅力的な未来風に解釈した観音様?の墨絵が掛かっていて、これはだれのだろう???と一堂首をかしげていたら、作者は「ファイナルファンタジー」のアートディレクター上国料勇さんという方だった。(ファイナルファンタジーを知らないモノで、、、)茶事の八寸のおさかなとして、さらさら席中で描かれたものを軸装されたとか。これがご縁で、宗匠の参禅の師、山田老師の真珠庵の襖絵を描くことになったそうだ。(このニュースは京都新聞でなにげに見ていた)


露地では枝垂れ梅が散りかかり、塀越しに近隣の桜の木が見える。腰掛け待合いの雨樋や枝折り戸にそれぞれ工夫があり、これも宗匠自ら考案されたものなのだろう。

初座席入り
三畳台目中柱下座床給仕口付きの小間で、突き上げ窓もある。
床にかかるのは近衞応山(信尋)の宗和への消息で、日付が「三月尽」、まさに今の季節。宗和の茶は公家社会を中心に浸透していたから、これもその人脈をうかがわせるもの。

炭手前で見事な古芦屋の釜を拝見するが、鐶付きが見猿、聞か猿、、、言わ猿がないなあ、、と思ったら、古色も見事な蓋のつまみがクチナシ(言わザル)とか。
ここらへんから宗匠の高尚なギャグが連発。

「炉縁の材は?」
「真珠庵のクリの古材ですが、クリではありません」
「?」
、、、、庫裡と栗ね (^_^;

箱書にあった「寛延(かんえん)○年、、、」と読んでいたら「B型ですかね」
「?」
、、、B型肝炎なのね。


以前2回の茶席はフォーマルな席だったので、きっとおすましされていたと思う。でもこの方は本当はもっとユーモアのある面白い方にちがいない、と思っていたので、まさに的中、茶事の間中、ずいぶん笑わせていただいた。

ちなみに宗和流の炭手前で印象深かったのは枝炭の上に「花炭」と称して小さい輪炭をおくこと。まるで梅の枝に花が咲いたように見える。
また、小豆石の炉壇がみごとであったことと、寒鴉斎の号にちなんでなんと烏で作った羽根が、まさに濡れ羽色で美しかった。(こんど烏の羽根がおちていたらひろっておこう、、)



懐石は八畳の広間にて
また八寸が長い長い、だって御連客がみな芸達者すぎて終わらない(^_^;





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これがバカウマだった奈良今西酒造のどぶろく。まさに爆発的にうまい酒。(ちなみに最初のお酒は宗和出身地の高山のお酒だった)

宗匠に八寸のおさかなとして求められて、イタリアン茶事の雄・Y和尚は例の割り箸芸(鼻の穴につっこむようにみせるやつ)を見せるし、M尾流のT和尚は声明をひとうなり、師匠はプチ落語をご披露、もうみんなお酒の勢いもあって笑いがとまらない。八寸のあとにも懐石がでてくるのは、お酒が長くなったときの臨機応変版なのね。

石杯の数を人数より一つ少なくするのは、杯が回せるから(いろいろな杯で飲める)というのは勉強になった。

名残惜しい八寸、懐石の最後にでた主菓子が、齋號披露茶会でもでた赤坂・塩野の「鴉笑」、寒鴉齋好み。黒糖のきいた小豆色のきんとんを切ると、中から赤い餡がでてきて、まさに鴉が笑ったよう。





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(これもうちの露地のつわぶき)



後座はふたたび小間にもどって。
少し暗くなった部屋で静かに練られる濃茶は斗々屋茶碗にて。茶入が美ささ苑茶会で拝見したあの背の高い高い肩衝であった。またここで再会できるとは!不昧公が作らせた出雲焼で、仁清の背高肩衝「存命」写し。あの時見損ねた、不昧公おかかえの指物師だった(小林)如泥の雪月花の三つの箱も今回はちゃんと拝見できた。


そしてそして今回最大のサプライズが薄茶席であった!!




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(寒鴉→枝にとまっているんですが、見えるかな?)



別棟の二階へ上がるとまずは二畳中板の薄暗い小間、床はなく、真珠庵和尚の画賛がかかる。釜はどこ?と思っていたら、まずは一辺の襖を開ける、するとあらわれる台目席!中柱が(そうは見えないけど)鉄で、壁が建材ボードというのもびっくり。いえいえ、まだまだ序の口、「人数が多いときは、、」とおっしゃりながら、隣の辺の襖をあける、おお、一畳の相伴席、これで三畳台目ね、と思っていたら、残る最後の辺の襖をあけはなつ、、、うおおお〜〜〜((((;゚Д゚)))))))
いきなり開放的な広い窓からさしこむ光、そこは三角形の畳もあるという変形ながら四畳半ほどの茶室になっていて、逆勝手の炉に釜がかかりお湯がわいていたのであった。


こちらは窓辺に客が腰掛けられる仕様になっていて足が楽。
お茶碗はたくさん出てきましたよ〜、仁清の三玄院天目!そういえば根津の齋號披露茶会ではじめてこの三玄院天目、というのを知ったのだった。





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これはその時の引き出物、宗匠プロデュースのスガハラガラス(sghr)で写した三玄院天目。これは透明だが、不透明黒ガラスのもあって、すごいcreativity、と思ったが、美ささ苑の茶会ではガラスでかの有名な重文茶碗・鱗波紋茶碗も写していてさらに驚いた。その茶碗にも今回再会できて感動したのである。

ふりかえって思い出せば、おどろいたり、よく笑ったり、(よく飲んだり)心はずむ楽しい茶事であった。やっぱり、私が目をつけた(?(^_^;)だけあって、宗匠はほんとうに多才なすてきな茶人でした。御連客も思うに最高・最強のメンバーでこんな一座建立はもうないのではないかと思うほど。
ありがとうありがとうありがとう(師匠、特にありがとう!)と心でくりかえし、京都に帰り着いたのであります。



(一枝窓の茶室の画像がこちらでちらっと拝見できます。宗和流HPより)





春雨と船出の茶事〜其中庵 - 2018.03.23 Fri

其中庵さんが、亀岡の楽々荘を去るにあたって、さらば楽々荘茶事を催しはったのは昨年の一月のことであった。

 


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(御所 出水の糸桜)



  飯疏食飲水 曲肱而枕之 楽亦在其中 (論語)

其中庵さんはここを去っても茶を愛するの心強く、祗園のお店で茶狂会を続けておられたが、このたびついに自宅を茶事のできるように改修し、ここに席披きの茶事をひらかはった。
そして不肖ワタクシ、他の親しいお茶友様とご一緒に参席の栄誉に浴したのである。





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苦労された其中庵さん力作の露地。
100kgもある石をご自分でころがして据え付けられた蹲居。




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これもつい最近ご自分で作られた塵穴である。

この露地の景色を、歩みながら腰掛け待合いにすわりながら楽しむ予定が、いきなりの春の嵐、よこなぐりの雨も降って断念。そういえば楽々荘最初の茶狂会も雷鳴轟く大嵐であったなあ、、と懐かしく思い出す。(かのときも、今回も、察するに大雨男F太朗のせいであろう(^_^;)





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楽々荘にもかかっていた鈍翁の「茶狂」の軸がこちらの待合に。「其中庵」の扁額も懐かしい。

本席は八畳、炉を切るのにもご苦労されたあとがしのばれる。障子をしめれば、ここはマンションの一室とは思えない密度の濃い茶の湯空間になった。茶の湯愛も業というべきか、執念というべきか、とうとうここまで形にしはったのには感動。


初座では、楽々荘とのえにし浅からぬお客さま方がこの席披きを感慨深く語り言祝ぐ。





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(御所の白木蓮)



床には澤庵 宗彭の消息「春雨の文」
金剛流脇方高安家の某への手紙で中回しが金剛裂か?

外は春雨を通り越して春の嵐であるが(^_^;




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(合掌の形の木蓮)


例によって出過ぎず引きすぎず絶妙のあんばいの富山・万惣さんの懐石
白魚のしんじょうや、富山のホタルイカのぬた、はまぐりのピカタなど、どれも春の味覚で美味しく頂戴したが、やはり一番のご馳走は煮えばなからお米が光っているご飯であった。




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席披きなのでみんなの折敷にツボツボがあったのだが、これの中味が???
ふつう酢の物をいれることが多いが、これは?と亭主にお聞きすると「あれ」と言って軸の方へ目配せ、、、、、ああ!そうか、春雨!! (大受け)

八寸ではお約束のお謡い
F太朗渾身の(?)「猩々」にあるじ十八番の「四海波」
以前茶事で私が歌ったQueenやりましょか?で全員で「We will rock you!」 を手拍子、まことに楽しい八寸タイムであった。

老松さんの美味しく美しいつくねきんとんをいただいて中立となった。




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(近衞の糸桜)



後入りはさいわいにも雨が小やみになったので、やっとあるじ力作の蹲居をつかうことができてよかった。




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後座は燈火のもとにて

室町時代の竹の華籠(けこ・散華のいれもの)に一枝の桜
平家納経を思わせるような麗しい法華経の掛け物

それぞれの影が揺らめく中、濃茶が練り上がるまでの静寂は、濃縮された空間を作り出す。さきほどまで大騒ぎしていたメンバーとは思えぬほど。

手の中にすっぽり入りそうなかわいい小さい古瀬戸の茶入はその名も「春雨」。これを入手されたときのお話しもおもしろかった。

濃茶の茶碗も、続き薄でたくさんでた茶碗も、多くは楽々荘で何度か拝見した物であって、これもまた巡り会えたことがうれしい。そして楽々荘に通った数年のことをあれこれ思い出す。まさに薄茶でだされた干菓子「さまざま桜」の心境である。(さまざまな ことおもいだす桜かな 芭蕉)





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それにもまして其中庵さんはさまざまな事を思い出されていることだろう。

3月は身内の方や友人とお別れした想い出がたくさんある月だとおっしゃる。それ以上に出会いもあり、この季節は其中庵さんにとって特別な季節なのだそうだ。

そんな季節に席披き、新たなる其中庵の船出である。
その航路に幸多からんことを感謝とともに祈る。







正午茶事〜「楽の十碗十様」@東京淡交社 - 2018.02.22 Thu

今年初の東京
京都ではいろいろお世話になっている淡交社さんの東京教室に行くのははじめて。

雑誌「淡交」で、まず最初にここから読む、という読者の多い茶道心講の筆者・岡本浩一先生主催の茶事で、東京淡交社ビル内の茶室「慶交庵」にて開催。先生の大寄せ茶会は行ったことがあるが、茶事ははじめてなので期待してでかけた。




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(ビル内の茶室ながら蹲居もある)


寄付の軸が住友春翠、最晩年の「松無古今色」
これはご著書「茶道を深める」に入手されたエピソードが載っていたものだ。

待合は四畳半の小間で、よく参禅に行かれている品川東海寺の和尚様の達磨の絵、「不識」

今回の御趣向は「楽」。
迎付のあと、八畳の広間へ席入り。軸は今の御家元がお若い頃に書かれた一行物「明眼衲僧會不得」、出典は碧巌録とか。以前、この軸がかけられた席にお家元が来られた時のエピソードがおもしろかったのだが、ちょっと内緒。

ひさご棚にかけてある羽根が孔雀のあのきれいな部分でびっくり。炭手前ではお手製の竹の網籠の炭斗がでてきて、これもおどろく。茶人はここまでこわだるのだ。
車軸釜の濡肌も美しく、香合はイタリアアマルフィの焼物、「和洋の境をまぎらかす」のも先生のテーマであった。




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懐石は下鴨茶寮の東京支店の板さんが出張。
向付に赤楽、飴釉、、、の蛤、主に(私も作陶教室で楽茶碗をひねったところの)吉村楽入さんのものである。先生と楽入さんの交流はご著書にもくわしい。以前八王子のみささ園での茶会の主人公は楽入さんの宗入「亀毛」写し、軸はそれに添えた彼の消息を軸装したものであった。(「茶道に憧れる」に写真あり)

懐石も美味しく頂戴したが、強肴にイベリコ豚がでてきたのは一堂感激。茶事にお肉を使われるというのはこれも御本で存じ上げていたから。あと汁椀にもバルサミコ酢、五色人参のつけあわせなどなど、ご亭主の意向に沿うユニークなもの。
ガラスのちろりも中の氷をいれる部分を磁器製とし、特注してあとから京焼で焼かせたものというこだわり。強肴のユニークな織部っぽい器は本にも載っていたアメリカ人の乾山研究者の手になる物。

石杯の中に、敦煌でもとめたという夜光杯があり、一座のもっぱらの話題をさらう。玉でできた透き通る柄付グラスの形。「葡萄名酒夜光杯 欲飲琵琶馬上催、、、」王翰の詩の世界が広がるよね。(これも読み返したら、本の中に写真があったわ)

千鳥の時のお酒がサイダー割のもの、10人のお客さんと千鳥をするには若干希釈しておく必要が、、、(^_^;、なるほど、これはよいアイデアかも。

主菓子はご自分で出かけられた先で美味しいと思ってとりよせたという、木曽のサルナシ羊羹。サルナシは日本のキーウイフルーツともよばれるらしく、甘酸っぱい味がとてもさわやか。初めていただいたし、言われるまで正体がわからなかった。




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後座

普通後座は床が花で軸は掛けないが、特別にかけてあるものを見れば、今年の大宗匠の年賀状(戌の絵入り)を軸装したものであった。先生の大宗匠に対する深い尊敬の念と交流は以前から存じ上げているので、これも納得である。

で、今回一番好きだったのが、竹の花入、川上不白のもの。全体に黒っぽく時代がついて、正面に園城寺ばりのひび割れ、これは金継ぎが施されていて、めちゃ渋いの。花は壇香梅と椿
浅くて入れにくい花入れを上手に使う方法などもご伝授いただく。

道具は時代のものより同時代を生きる作家の物を使いたい、とおっしゃる中で、これと濃茶の主茶碗・了入の黒楽はアクセントになる。この黒楽はのんこうの青山とちょっぴり印象が似通う。
次茶碗も若松の絵のついた(何代か忘れたが)赤楽で、惺斎の自動車判の箱がついていたのが印象的。

続き薄では次々でてくるいろんな楽茶碗、楽入さんの物が多かったが、これが出た時には出た〜!と思った。 ↓




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「茶道を深める」の表紙にもなった光悦の「不二山」写し。コピーではなく、意訳的な不二山、本物を手にとれるとは!光悦のは持ったことはないが、おそらくそれよりごつくて意識的なゆがみがある感じ。
あとは大樋や、鈍翁の茶碗(これも渋くて光悦っぽくてよかった)、裏千家の高名な業躰先生の手づくねとか。(私はごく末端の弟子なので、これらの先生方を残念ながら存じ上げない)

茶入が急遽差し替えたという虫明、茶道資料館の春の展示テーマが「むしあげ」なのにあわせられたそうな。私の知る虫明焼と印象がことなるが、底の土をみると虫明独特の黒い土であって、納得。




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御連客は先生ゆかりの方から、ご遠方からこられた茶道心講で先生のファンになった方まで。道具の作者のエピソードとか、手に入れた時のお話しなどユーモアを交えてお話しいただき和やかで、楽しい時をすごした。この上、小間で少人数、真剣勝負の先生の茶事を経験してみたいなあと思ったのは贅沢であろうか。




<おまけ>

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帰路につく乗換駅の御徒町、ウン十年ぶりにちょっと寄ってみたアメ横は、、、、



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日本ではない,アジアのどこか、、、になってたなあ、、、  (^_^;





雪舞う〜二畳隅炉の茶事 - 2018.02.15 Thu



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京都は降っていなかったのに、たどりつくとそこは粉雪が舞って、、、いや、吹雪いていた。

師匠のお宅での茶事におまねきいただく。なんだかしょっちゅうお目にかかっているので、そんなにたったとは思えなかったが、計算すると2年近くぶりであった。

すでに広間と小間の茶室をお持ちなのに、その上どうしても欲しかったという二畳の茶室を、廊下の空間をいかして完成させた、とのこと、その茶室を拝見できるのがとても楽しみである。連客は若いお茶友さんおひとり。




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ご亭主自らのお出迎えを受けて、普段の広間が待合。
障子の向こうは雪吹の庭であるが、室内は障子越しのやわらかい光。

今は途絶えた珉平焼の鑵子(釜)が湯気を吐き出して静か。ここから汲み出しのお湯をいれていただく。




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しかし、師匠、いつのまに赤穂緞通をゲットしていたのか。(それも藍をふんだんに使ったええやつや)

脇床に聞香炉、沈香・羅国のほのかな薫香




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腰掛け待合いにまず驚く。
以前から足のわるい方の為に廊下に作ってあったという、掘りごたつ形式のスペース、(以前は気づかなかった!)ここが室内腰掛け待合いになるとは!


ここにつながる躙り口から席入りすると、ここが二畳隅炉の茶室であった。待庵と同じ間取り。

網代の落とし天井、後にサッシがあるとは思えない下駄をはかせて調整した障子建具、躙り口もとりはずせばもとの襖にもどる工夫が。もとはといえば、広間と小間を裏でつなぐ廊下の一部、鎖の間みた〜い♪

しかし、なにゆえ二畳にこだわるのか。
それはここで懐石をいただき、お茶をいただく中でなんとなく、おいおいとわかるのである。





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(向付:ピーナッツ入りのお手製ごまどうふ 弘入だったかな、のつぼつぼ♪ 根來の折敷)



軸は「霊香薫四海」
あの待合の聞香炉はこの霊香のイメージであったか。

懐石はご亭主+奥様のチームプレーのお手製。
極侘びの茶室での作法を勉強する。
小間では折敷は半かがりに置くが、二畳になると縁うちへひきこまばならない。
懐石の皿などは広げるスペースも少ないので、出したらすみやかに片付ける。亭主は半歩、茶室にはいっただけで、手を伸ばせば用が足りるこの距離感。





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(秘密の(^_^;中味の煮物椀 めちゃ美味し)



お酒も盃と石杯で美酒をいただく。
さしつさされつさしつで、外の雪がうそのような暖かさ、これも二畳の空間なればこそ。
懐石道具もいつもどおりゆるみのないすばらしい道具ばかりで、使わせていただけるありがたさ。酒器をはさむ距離は広間とかわらないはずなのに、とりかこむ空間が狭いと心理的により近くに感じるということを体感する。

強肴のからすみ(しかも自家製)とクリームチーズの紫蘇の葉巻き、あれもっと飲めって言ってるよな、まったく。八寸のくちこときた日にはもう、、、何杯でもいけそうや。




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この季節ならではの梅いっぱいの小吸物の蒔絵は、表が青貝で、底にまで松竹梅の蒔絵があるすてきなものであった。

つねづね引重(二重で上に香物、下に焼物をいれる)と両細箸の使い方が疑問であったが、今回これも学習した。極侘びなので、さらに省略した一重の箱に焼物と香物をいれ、煮物のあとに客にあずける。
先に焼物をとってまわし、正客にもどしておいて、お湯の持ち出しの時に、箸の反対をつかって香物を取ってまわす。

すみやかに折敷がかたづけられたあとに炭点前。
本来ならば炉の時期、炭は懐石の前だが、部屋が暑くなりすぎるとのご配慮。釜は阿弥陀堂、炉縁も極侘びの沢栗。いずれも名品。

香合が古染の毬挟、これは数年前、こちらへ初めてお招きいただいた時に手に取ったものであった。感慨深い。あの時初めて毬挟という形をおぼえたのであった。




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もう、この三島の鉢には泣きましたよ、ワタシ。

そして、ご亭主お手製の椿餅、和菓子の起源ともいわれる、これもまた極侘びのお菓子かもしれない。中は黄味餡、白い餅とのコンビで、まるで椿の花のおしべのように見えるのであった。





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後座

席入りの瞬間にはっとする。閼伽桶の花入に椿と梅。

水指はさらに極侘びの常滑、素朴でゆがんだ姿がなんとなく伊賀の破れ袋を思い出させる。蓋をあけたとき、中の水面がしっかり見えるのは二畳の茶室ならでは。
わびた旦入の黒楽で練られた濃茶は客畳に出される。手をだせばふれあえる距離。これをご亭主もいっしょに三人でいただく。これもこの距離なら。

「お服加減は?」
の一言でほぐれる座の会話
主客との絶妙の物理的、心理的距離感、利休はこれを知っていて待庵を作ったのではないかとおっしゃる。なんとなく、つい気安くなって、なんでも話してしまいそうな距離である。師匠が楽しみながら苦労しながらこの二畳茶室を作った気持ちがようやくわかりはじめる。

一客一亭にもふさわしいかもしれない。ただし、この時はよほど親しい間柄でないと。

続き薄は佗茶にふさわしく、濃茶と同じ茶碗で。
茶入、薄器、茶杓はいうにおよばず美術館級の名品ぞろいであるが、やはり極侘び。知識もなにも及ばないが自分のレベルで師匠とのお茶談義は楽しい。薄茶二服にお白湯(っぽい極薄茶)をいただいておひらき。楽しくて、時を忘れ、勉強もたくさんさせてもらった一会であった。感謝感謝である。


あまりに二畳が暖かかったので、外がまだ雪が舞う寒さであったのにおどろいた。しかし、春もそんなに遠くない季節だなあ。






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