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2017-10

「東博(東京国立博物館)に負けてる?」茶事 - 2017.08.24 Thu

茶人として数寄者として、はたまた人間として敬愛申し上げる(尊敬だけでなく、愛があるのよ)タライ・ラマの二つ名をお持ちの和尚様のお茶事に半年ぶり。




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夕ざりの茶事、御連客は加賀の某有名道具商のご当代とか、祗園の益田鈍翁ことK庵様とか、なんとまあ、おそろしいことでした。なんとか下の席にすべりこみもぐりこみです。




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これはこの春行った東博の「茶の湯」展、図録です。分厚いです。
和尚様の今回の茶事は「東博に負けてる茶事」?!家に帰って道具を思い出しながら一生懸命この図録チェックしました。

さてさて、東博と同じ土俵に上がるだけでもすでにすごいのに、お開きになってみればその「負けてる」がご謙遜、控えめということに気づくのです。



待合掛けは(曹洞宗の偉いお坊様、、?だったか?)団扇の絵。
団扇(=修行)でよんでも蛍(=悟り)はよってこないが、団扇で払っても蚊(=煩悩)はよってくる、、団扇を捨てて
蚊帳に入れば蚊にさされることもないとか云々。スミマセン、なんとな〜くはわかるのですが。




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本席には澤庵さんの賛に蜆子和尚(居所を定めず、河辺で蝦や蜆をとって食べ暮らした唐代の僧)蝦釣りの絵。賛はこのごろの禅僧は自分のために悟ろうとして、本来の目的の人のために悟ろうとはしない、、、というような〜、、、(^_^; これもまた難解。

ここが一つ目のポイント、東博に牧谿の蜆子和尚図でてたんですね〜。



懐石はこちらの席の名物イタリアン、お酒は盃でワインを飲む、という和尚様スタイル。
向付はじめ焼物や強肴の器がまたすばらしい。和尚様はおそらく古唐津に関しては日本一(もしかして世界一)、しかも茶事にばんばん使われるコレクターではないかしら。つぎつぎくり出される古唐津、古染、古伊万里の上手の数々。

一番最後まで悩んでおられたという石盃はいつもながら垂涎の品々。私は刷毛目の小塩笥だったのだが、これ前回の時も同じの選んでたわ(^_^;やっぱり。
目玉は最初に和尚様が手に入れたという歴史的記念品の井戸の小盃+その受け皿。京都のあの敷居の高いYT古美術に、初心者でいきなり行くかなあ、、と思いつつ、この出会いがなければ、古美術蒐集もお茶も始まらず、こんなすばらしいコレクションを私ごときが使わせていただく事もなかったかと思うと感慨深いわ。なにより井戸盃のお尻の梅花皮のプリティなこと!!





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そして今回も、いつもみんなを震撼させるという古唐津塩笥のブイヤベース使い!匂い移る、貝殻で傷がつく、とさんざん人に言われても、やめませんね〜和尚様(^_^;
5月の西行庵で席をもたれたときにこの塩笥が水指として使われるのを初めて見たときには思わず、水に油がういていないか気になった。(大丈夫でした〜)

みなさまのリクエストに応じて今回も懐石中の脇引盆の盆回し、いつもより多目に回していただきました(^_^;なんてエンターテイナーなタライ・ラマ師。





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これもこちらで拝見できるのを楽しみにしているこ唐津残欠。かなり大きく重いです。出光美術館の残欠室にあるやつに遜色ないです。絵柄の松、箸の竹、そして夏越の梅(こちらのお寺のお盆過ぎのお菓子だそう)で松竹梅!



中立で外に出るともうすっかり暗く。中立後の席入りの合図はもちろんお寺の鐘。銅鑼よりはるかに深くいい音がしますね。




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こんな夕方過ぎに、まだ開いているムクゲw( ̄o ̄)w 後座までいかにこの状態で保っていただいたのか、ご苦労に感謝。

さて、濃茶+続き薄は怒濤の東博対抗シリーズ。
しかし不肖わたくしの力量では全部はワカリマセン。その場で図録もみせてもらって、さらにあとで調べてたぶんこうだろうと漸く理解したのが、、、(違ってたらスミマセン和尚様)

*二徳三島  刷毛目+三島の二作三島 和尚様のは中が粉引っぽいので三作三島?と思ったが、私実際三作三島って見たことないの。これ、よかったなあ。

*斗々屋茶碗「廣島」 遜色ない斗々屋はええ感じにヒビ、ヒビ、がはいっていて銘の「深山路」がぴったり

*古備前肩衝「さび助」(古田織部命名) 横から見たフォルムが長方形という、、和尚様の肩衝、これも渋くて遜色なし


*彫三島「木村」 これ、別の時に東博へ行ったときに見て感銘受けたやつ。外側にも印花がある外花手。和尚様のは外花がないのと、花の段数が少ないのと、花びらが一枚たりなくて8弁なのが「負けてる」ポイントだとか。しかし、花びらまで数えるか〜と思ったが、自分の物なら比べるわねえ。
これにお白湯いれてもらったら、尚くっきり印花が浮かび上がって美しかった。




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*そして最大にして最高のご馳走が、伊賀の「破れ袋」対抗の伊賀耳付水指!

ところが先だっての茶事に出そうとしたところ耳が片一方ポロっと、、、、((((;゚Д゚)))))))
和尚様はしばらくは落ち込んではったそう。ところが、ある日ふとみると「うん、これは水指正面から解放されてるやん!」
耳付きのままだと正面は二方向に限られるが、欠けたことで正面から解放され、結局斜めに、はすかいに水指をおいたところ、正面よりよくなったではないか!たしかに、表情というか動きが生まれている。すごいセンスやなあ、、、

というわけで、これも耳ありなら「負けてた」かも、だが一つ耳になって互角!

(両方欠いて「耳なし芳一」と銘をつけたらどうや、という話もしきりとでました(^_^;)




たぶん東博勝負はまだあったかと思いますが、私がひろえたのはここまで。(´◦ω◦`)

今回もすごかったですね。道具について道具愛について語り出したらとまらない和尚様と御連客様。夜は更けて更けて、帰り高速を間違えてお正客様の車で大阪を一周したりのオマケもありつつ、語り尽くせない楽しいひとときでした。和尚様のエンターテイナーぶりも笑顔もいつもながら最高のご馳走でした。



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お土産にそれぞれにいただいた団扇は、、、、蚊=煩悩を払うのにつかいましょうかね(^_^;



炉の名残の五事式の茶事 - 2017.04.30 Sun

ひさびさに五事式の茶事に参加した。
(最近さぼってはいるものの(^_^; )花月、七事式のお稽古をさせてもらっている席主さんのお宅で。

五事式の茶事とは七事式のうちの五つを組み合わせた茶事で千家だけの茶事かな。




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待合には七事式の偈頌のお軸。

席入り前の腰掛け待合いでは、春らしいうららかな陽射しとご丹精のお庭の花を楽しむ。

席入りして、まずは廻り炭から始まる。それぞれが炭を炉からあげたりついだり。上手なヒトがやればよいのだが、なかなか火箸は炭をたくさんつかみづらく、炭が灰まみれ。炭のつぎ方はそれぞれ独創的についでよいので、ここでセンスがとわれる。

最後に埋み火を掘り起こして最終的に炭をつぐのは亭主役の人の仕事。埋み火があまりに小さくて弱々しいので心配したが、炭ってつくんですね〜。その後、お湯がごうごうと沸いた。

まもなく来る来月はもう風炉の季節、廻り炭は炉の炭を名残惜しく楽しむためにこの時期にされることも多い。




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懐石は三友居さんの点心で。
豆ご飯と生麩の田楽がおいしい。ついつい美味しい和歌山のお酒、のみすぎる。二献目は燗酒でまたすすんでしまう。どんだけ飲むんだ。やっぱり茶事は酒よね、、、云々。




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主菓子は北白川やまもとさんの躑躅きんとん。
この繊細なきんとんは馬の毛(尻尾?)で漉して作るのだそうだ。

桜が過ぎて躑躅、季節は順番違えずすすんでいく。名残の春。名残の炉。




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後座は仙遊で。
且座でやることも多いが、私は仙遊の方が好きだし慣れてる。

花は花寄式で。このたくさんの、花台からあふれているお花の数々はすべて席主さんのお庭から。
すばらしいご丹精だ。うちの花ちょぼちょぼの庭とえらい違い、茶人の格の違いね。
みんなで花寄をしたので、花寄屏風に花が一杯、これにかこまれて茶事は粛々とすすむ。


ついで聞香2種。
正客と,次客が本香、次香を焚く。沈香をご用意くださったので、なんともみやびな香りを楽しめた。客はみな手練れの方ばかり、スムーズに茶事はすすむ。




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美味しく練られた濃茶をいただき、ついでお薄は花月で。
この干菓子は、席主さんの手作り!
浮島がぱさぱさしていなくてしっとりと美味しいのはすでにプロ級の腕。

花月は、今回茶事なので、全員がお薄とお点前があたるまで。ここのところ花月さぼっていたので、やりながら思い出してはああ、そうやった、、、と。やはりお稽古は生ものです。使っていないと腐る。がんばらな。

どうやっても茶杓がのらない景徳鎮の替え茶器に四苦八苦。最後は茶入、茶杓、仕覆、薄茶器、替え茶器の5点をどうやってならべ、どうやって持って帰って拝見するのか?のお勉強。




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仙遊がおわれば一二三の式。
亭主役の人を採点する花月なのだ。かわいらしい十種香札とその箱を使う。最高点は月の一、最低は無印の三。月以上は家元とかにしか点けないのだそうだが、なんだか釈然としない。今回花の一をいちばんたくさん獲得してはった。すばらしい。


客の数が多かったので、都合6時間を越えた。
足が死んだが(^◇^;)ごいっしょさせていただいた方々と、ああだこうだと議論しながら、笑いながらシェアした時間はただただ楽しい。

ご準備、お片付けしてくださった席主様に深く感謝。

まもなく初風炉の季節、そろそろ炉もふさがなくては。







両足院にて遠州の桜の茶事 - 2017.04.09 Sun

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都をどりが華やかさを添える花見小路のどんつきは臨済宗建仁寺。かつて洛外に建てられた禅寺が、花街のど真ん中になるとは栄西さんも予想しなかっただろう。
4月の始め、こちらの塔頭・両足院にて遠州流のご亭主による茶事にお招きいただいた。
桜はこのころは、まだまだ蕾であったが。




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境内の桜もやっとこれから、、、というところ。




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両足院は半夏生のころは毎年、そしてさまざまなお茶のイベントで何回も来ているので、とても親しい感じがする。しかし、この日はわれわれ数人のお客のためだけに両足院を借り切ってのお招き、こんな機会はめったとあるまい。なんと贅沢なことよ。

普段は閉鎖されている正門からお迎えをうけた。(ちなみに下足番、水屋の方々は藪内流だった!)




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待合では遠州流の先々代、先代(だったかな)家元の画賛がかかる。絵は曲水の宴、筆をとり構想を練るふたりの王朝人の姿を家元親子の姿になぞらえたか。歌銘も多い遠州ならではの趣。

席入りに際して、広い庭園すべてがわれわれ独占の露地になる。(贅沢贅沢!)




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露地を通って、池にかかる橋をはさんでご亭主の迎え付けをうける。




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池の奥には臨池亭(右)と水月亭(左)二つの茶室があるが、一般公開の時に使われるのはもっぱら臨池亭で、となりの如庵写しの水月亭は外から眺めるのみであった。しかし、今回はその水月亭を使われるという。なんとうれしい。こちらは二畳半台目、鱗板つき暦張り、火灯窓ありの全くの如庵の写し(有楽窓はさすがになかったが)。

ここの蹲居も初めて使わせてもらった。




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(左が水月亭)



なにしろお仕事柄、すばらしいお道具をたくさんお持ちのご亭主、でてくる道具すべてが、ひとつあれば十分一会がなりたってしまうようなものばかり、それを惜しげもなくだしてくださる。

中でもこの席の松花堂昭乗の晩年の自画賛はとても印象に残る。
片膝をたてている墨染めの昭乗のお顔はどことなくとぼけていて、そのお人柄まで想像できてしまいそうだ。世俗を捨てた出家の身でありながら、桜の季節になるとそわそわしてあかんわ、、という内容の賛。わかるわかるわ〜。あの西行でさえ江口の遊女の家に宿をたのんだくらいだもの。出家といっても、中味は血の通った人間なのだから。お坊様でもそうなんだと思うと俗人のわれわれはどこかほっとする。

灰器が上田宗品の雲華焼、今回土風炉師としてのこの名前を学習したぞ。

遠州流の初炭は裏千家の後炭と同じ所作もあって、おそらく昔に近い形だろうと思われる。そういえば先日遠州流系のお客さまをお呼びしたときに、裏千家の炭手前があまりに早くおわってしまうのに(省略省略だから)びっくりされていたっけ。



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懐石は瓢樹さん。書院の大広間にて。
広間の広さにまけない狩野元信(永徳のじいちゃん・室町時代)の朝陽に波の絵がかかる。

向付に半開扇の古染がそろえられおもわず持って帰りそうになる(ウソ)
汁が赤出汁になったのに、季節はもう春なのだなあ、、と感じる。めずらしい食材もあり美味しくちょうだいしたが、お酒も美味しくてこまってしまうヽ(≧∀≦)ノ

出された石杯で、一番に飛びついたのがミニサイズの刷毛目〜!これ好きやわ。古備前の徳利は使い込まれてつやつや。

ここで下手くそな仕舞を披露して皆様のお目汚しをしてしまう。御連客だった師匠は落語(のような)語りを一くさり、ご亭主は髙砂のお謡いを。なんて楽しいんだ♪

主菓子は二條若狭屋さんのういろうの「しだれ桜」であった。美しいお菓子だ。




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中立後はふたたび小間にて濃茶を。
軸の代わりに後座にかかるのは石州の竹一重切花入れ、花は椿。茶碗は桜の花びらのような美しい御本のでた、端整な御本呉器。水指が黒くて、どこの焼物?と思ったら、古備前なのだと!w( ̄o ̄)w
あとで明るいところでみたら、確かに、備前の胡麻がでている。こんな黒いのは初めて拝見する。

しかし、私も遠州流のお点前はかなり見たので、なんだか慣れてきた。
淡々と下地窓の光をバックにお点前されるお姿が自然体で、(あれだけすごい)お道具の説明も控えめで、するするといつのまにか終わっているという、これは利休が理想的といった点前の姿ではなかったか。



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薄茶は趣向を変えて、書院の八畳ノ間で。部屋へはいるなり、うっとりするような雅な香りが。伽羅を焚いてくださったのだ。しかも!仁清の蝶の聞香炉で。これ以上なにを望みましょうや。

しつらいは唐木を多く使った唐風。風炉で点前された。ここで灰白色の斗々屋にいたくひかれたのだが、一見絵唐津のような古萩の茶碗に描かれた弦巻(弓の弦の予備をくるくる巻いたもの)から、能の「弓八幡」へ行くあたり、さきほどの髙砂ともあわせて、ご亭主の能への造詣の深さがうかがえる。


書院棚に広げられた遠州の消息(?)、初桜を尋ねてあちこちいって、よかった、とか感激したとかのメモみたいなものか。何百年後ののち、こうしてたくさんの他人にじろじろ見られることになるとは思わなかっただろうな。文中に「福知山」の文字などもみえ、遠州の息づかいまで感じられる文字面で、その人となりがまた想像されるのであった。



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お土産にいただいたのが、薄茶席でだされた紫野源水の有名で人気な桜の有平糖。宝石みたいにきれいなお菓子だ。
これをなめなめ、この日いくつの桜が席中に咲いただろうかと数えるのも後の楽しみの茶事であった。
茶縁に深く感謝。






利休忌の茶会〜旧三井家下鴨別邸 - 2017.03.30 Thu

昨年秋に修復後公開されるようになった旧三井家下鴨別邸。最近こちらで茶会をするのがお仲間うちではやっています。



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茶室は一番奥にあって一般公開されていないので、拝見できるのは使う人の特権。
今回の茶会のご亭主は、昨年秋に菊慈童の茶会をしてくださった藪内のお茶友さん。御趣向は「利休忌」。
利休は旧暦2月28日に自刃しているので、新暦でちょうど今ごろの季節。



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邸宅の庭園がそのまま茶庭になるという贅沢なロケーション。




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蹲居に椿が一輪。
宗旦椿の逸話を思い出しつつ、これは企んだものかたまたまか?




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こちらの待合はこの円相窓がとてもステキだ。

待合掛けには菜の花の絵。
利休忌は菜の花忌とも呼ばれることは有名です。利休が好んだ花だっただからとか、最後の茶室に活けられていたとか、諸説ありますが、利休忌が終わるまで茶席には菜の花をいけないという不文律もあったりします。




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主菓子がこれまた菜の花のイメージの朧饅頭。
表千家の利休忌ではこれがだされるそうです。本来は黒糖餡だそうですが、今回はご亭主の注文で蓬餡。蓬の香りが高くとても美味しかった!(甘楽花子・製)




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藪内の武家点前にて濃茶を練るご亭主。

床には利休250年忌(幕末のころ)についての大徳寺管長の書。(漢文が読めませんでした、、、^_^;)
釜も利休が切り型を作った阿弥陀堂。


なぜかお茶友さんの藪内率が高く、藪内のお点前にもずいぶん慣れてきました。
お正客がやはり藪内の、タライ・ラマ師(^_^;の二つ名をもつ和尚様だったので(雨の日の茶事に笠の代わりにプラタライを出してくださるのをみなさん楽しみにされている)会話もとても楽しい。




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薄茶席にかかっていたのは「心外無別法」。
迫力のある字で、心のほかに別の法はない、と。

これに対面しながら、珠光が古市播磨に与えた「心の文」を連想していました。
「心の師とはなれ 心を師とせざれ」
心をコントロールして心(=感情)に支配されることのなきよう。一見相反する言葉が禅語の中にはたくさんあります。いずれも真実、というよりどちらが正しいかとこだわっていること自体がもうダメ、というところでしょうか。




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薄茶はお手伝いの女性の方が点ててくださいました。武家点前の女性版はどうなんかな〜と思っていましたが、全然違和感ありません。いままで拝見した藪内の中でいちばん美しいお点前でした。
藪内は宗匠筋によって若干所作が違うようです。

薄器が大棗だったのですが、蓋裏に「力」と。
これを見たらすぐ利休の遺偈「力囲希咄、、、」がイメージされます。
実際大中小三種作られたこの薄器にはそれぞれ「力」「囲」「希」と蓋裏に書かれているとか。またすてきに珍しいものをお持ちです。




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点心は、こちらもいつもは非公開の二階広間にて。
ここからの庭園の眺めはとてもすばらしい。




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そんな景色を楽しみながら点心をいただく。
ご亭主のとりどりのぐい飲みコレクションも楽しく、それぞれ好きなのでお酒もたくさんいただきました。
ここでもお茶の話に花が咲く楽しさ。




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お開き後はみなさま自主的にお片付けのお手伝い、まあ手際よくかたづいたこと!
さすが、茶人は違う。



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ご亭主をお見送り(?!)したあと、ぶらぶらと近くの出町柳まで。
ここには有名な早咲きおかめ桜の長徳寺、満開でした。




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一足お先にお花見!




和尚様の雛の茶事 - 2017.03.11 Sat

昨年の秋、みのり茶事にお呼びいただいた日は雨、仲間内で伝説となっている雨笠ならぬプラスチックタライを笠に使えた感激(^_^;はいまも忘れません。(なのでご亭主の和尚様は「タライ・ラマ」の二つ名をお持ちです(?))


このたびは雛の茶事にお招きいただきました。
待合に掛けられた短冊は山本由之の雪を歌ったもの。

ところで山本由之さんってだれ???と思うでしょ。私もしらなかった。
実はあの良寛さんの実弟なのです。まずはここで和尚様の心あたたまるお話を拝聴。

長男である良寛さんが実家をでて出家したものだから、山本家の商いを継ぐことになった弟由之さん。初めは順風満帆だったものの、そのうち家業は傾き一家離散、妻にもさきだたれ自暴自棄、酒に溺れる放蕩の荒れた日々をすごしていました。ある日弟を家によんだ良寛さん、ひとことも責めることなくもてなし、帰り際に兄のわらじの紐をむすんでいた由之さんはなにやら熱い物がしたたってくるのに気づきます。はっと上を見ると兄の目からはらはら涙が、、、。

はっと我に返った由之さん、それからというもの世を捨て庵をむすび、俳人として生きたそうです。兄の愛はかくも大きかった。(、、と、こんなものでしょうか?聞き間違えあるやもしれませんが、、、)

峰の庵の雪景色を歌ったこの歌は、俳人となってからのものでしょうか。
いきなりしんみり。さすが説法はお上手です。


中待合には半泥子の蕨春草萌える図が。

そして、、、、

本席にはその、、その,,良寛さんの消息が〜〜!!

なんて心憎い演出でありましょうか。しかも内容が朝から客がきてお酒をのんでおり云々。
和尚様曰わく、雪=白、春草=緑、お酒を飲んでほんのり赤くなった良寛さんの頬=赤
で、菱餅の色を現したのだそうです。

ヤラレタ〜〜!!


まずは炭手前。藪内独特の霰灰、角のハマグリ、炉中に撒く灰もやはり霰なので、灰匙にあたるとカラコロ音がするのが印象的でした。炭のつぎ方も裏千家と全然理屈が違うのが面白い。
たっぷりとした濡釜も浄林、炉縁が六角ナグリの漆か自然の煤の色、大きな節がとてもよい景色でこれには萌えました。
座掃きも小さい同じ羽根でこまめになんども掃く所作が自流とだいぶん違う。




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懐石の前に、、、お!鏡割り。小さな樽の蓋は実はマグネットで初めから三つに割れているもの(^∇^)
杵で割って(?)小さな柄杓で白酒をよばれました。お雛様にふさわしい御趣向です。




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こちらの懐石はいつも美味しいイタリアン、お料理もさることながら、なにせ器がもう次々と眼福物もの。
白酒の次は海上がりの古備前鶴首にはいった日本酒(ワインより日本酒が飲みたいと以前ワガママ言っていましたので。言ってみるもんやな〜)、また備前燗鍋でワインと三種のチャンポン、飲み助にはなんてうれしい!

そして石杯が、、、もう泣かせる泣かせる。
刷毛目の塩笥のぐい飲みサイズ、金繕いあり!ないよ〜、なかなか刷毛目で塩笥でこのサイズ。めちゃかわいくてかわいくて手放したくありませんでしたわ。



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例によって、みなさんが「油がしみこむのではないか?」とはらはら心配されている古唐津ブイヤベース、今宵もでましたでました。
使う前後に水通ししているから大丈夫、と得意げにピースサインのお茶目な和尚様はおっしゃるけれど、やっぱり太っ腹すぎます。

焦がしたご飯にあさりのスープが、湯斗と湯の子みたいで洋風に解釈するとこうなるのか、のナイスアイデア。

最後にでたシチリアオレンジシャーベットもこんなん使ってええの??の絵唐津でございました。




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神戸つるやさんの特注菓子をいただいて中立。
お菓子は桃襲とでもいいたい袿をまとったお雛様(o‘∀‘o)*:◦♪


後入りの合図の銅鑼がすごく佳い音色で、さすがお寺様だと余韻を楽しみました。


濃茶席は珍しく長板?と思いましたが、向こうに杓立て、右に水指(しかも懐石でおかわりのパンがはいっていた古伊万里のポット!!)左に茶入、手前に火舎蓋置。珍しい置き方。

実はこれは藪内独特の菱かざりという置き方なのだそうです。
自流なら菱形の水指を使う所ですが、こういうのもありなんですね、お茶って意外と融通無碍なのよ。

軸は森寛斎を初めとする江戸の絵師たち何人かの合作の、墨絵のお雛様、描き表装。


そして、、、、一年ぶりにまた手にすることができました、井戸茶碗・小貫入「八重桜」。(根津の井戸茶碗展に個人蔵ででていたもの)
一年前、和尚様が楽々荘で八重桜に寄せてと題する釜を掛けられたときにこれで濃茶をいただいた感激が蘇ります。

再び我が手の中に〜(ほんの一時にしろ)。
小貫入の名にしおう内側のびっしり細かい貫入、釉薬の小さな盛り上がり、外側の梅花皮は控えめ、どこをとってもええな〜、、、の言葉しかでてきません。
今回おつれした御連客は八重桜と初めてのご対面、皆様、感激の面持ちでありました。は〜、、、+゚。*(*´∀`*)*。゚+




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八重桜の感激もさめやらぬ薄茶席では楽しいお菓子が。
(あん、振り出しがまた安南v(o゚∀゚o)v)




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山形県鶴岡市のからからせんべい。振るとからから音がして、中から小さなおもちゃがでてきます。お煎餅も黒糖の味がしっかりしてとても美味しい。



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私のは瓢箪でしたが、他にも小さな鈴とかダルマとか。そうか、お雛様サイズね。

お菓子の台も薄器もこれぞThe 李朝!、茶碗も三島系、朝鮮陶器の流れをくむ絵唐津、「李朝オタクもしくは李朝ミーハー」にはうれしいセレクションでありました。


そして最後にやっぱり和尚様のあったかいお人柄(コレクションもね!)が心にしみて、感動しつつ、みな、家路につきました。
深く感謝いたします。
合掌



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