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2017-04

両足院にて遠州の桜の茶事 - 2017.04.09 Sun

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都をどりが華やかさを添える花見小路のどんつきは臨済宗建仁寺。かつて洛外に建てられた禅寺が、花街のど真ん中になるとは栄西さんも予想しなかっただろう。
4月の始め、こちらの塔頭・両足院にて遠州流のご亭主による茶事にお招きいただいた。
桜はこのころは、まだまだ蕾であったが。




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境内の桜もやっとこれから、、、というところ。




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両足院は半夏生のころは毎年、そしてさまざまなお茶のイベントで何回も来ているので、とても親しい感じがする。しかし、この日はわれわれ数人のお客のためだけに両足院を借り切ってのお招き、こんな機会はめったとあるまい。なんと贅沢なことよ。

普段は閉鎖されている正門からお迎えをうけた。(ちなみに下足番、水屋の方々は藪内流だった!)




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待合では遠州流の先々代、先代(だったかな)家元の画賛がかかる。絵は曲水の宴、筆をとり構想を練るふたりの王朝人の姿を家元親子の姿になぞらえたか。歌銘も多い遠州ならではの趣。

席入りに際して、広い庭園すべてがわれわれ独占の露地になる。(贅沢贅沢!)




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露地を通って、池にかかる橋をはさんでご亭主の迎え付けをうける。




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池の奥には臨池亭(右)と水月亭(左)二つの茶室があるが、一般公開の時に使われるのはもっぱら臨池亭で、となりの如庵写しの水月亭は外から眺めるのみであった。しかし、今回はその水月亭を使われるという。なんとうれしい。こちらは二畳半台目、鱗板つき暦張り、火灯窓ありの全くの如庵の写し(有楽窓はさすがになかったが)。

ここの蹲居も初めて使わせてもらった。




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(左が水月亭)



なにしろお仕事柄、すばらしいお道具をたくさんお持ちのご亭主、でてくる道具すべてが、ひとつあれば十分一会がなりたってしまうようなものばかり、それを惜しげもなくだしてくださる。

中でもこの席の松花堂昭乗の晩年の自画賛はとても印象に残る。
片膝をたてている墨染めの昭乗のお顔はどことなくとぼけていて、そのお人柄まで想像できてしまいそうだ。世俗を捨てた出家の身でありながら、桜の季節になるとそわそわしてあかんわ、、という内容の賛。わかるわかるわ〜。あの西行でさえ江口の遊女の家に宿をたのんだくらいだもの。出家といっても、中味は血の通った人間なのだから。お坊様でもそうなんだと思うと俗人のわれわれはどこかほっとする。

灰器が上田宗品の雲華焼、今回土風炉師としてのこの名前を学習したぞ。

遠州流の初炭は裏千家の後炭と同じ所作もあって、おそらく昔に近い形だろうと思われる。そういえば先日遠州流系のお客さまをお呼びしたときに、裏千家の炭手前があまりに早くおわってしまうのに(省略省略だから)びっくりされていたっけ。



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懐石は瓢樹さん。書院の大広間にて。
広間の広さにまけない狩野元信(永徳のじいちゃん・室町時代)の朝陽に波の絵がかかる。

向付に半開扇の古染がそろえられおもわず持って帰りそうになる(ウソ)
汁が赤出汁になったのに、季節はもう春なのだなあ、、と感じる。めずらしい食材もあり美味しくちょうだいしたが、お酒も美味しくてこまってしまうヽ(≧∀≦)ノ

出された石杯で、一番に飛びついたのがミニサイズの刷毛目〜!これ好きやわ。古備前の徳利は使い込まれてつやつや。

ここで下手くそな仕舞を披露して皆様のお目汚しをしてしまう。御連客だった師匠は落語(のような)語りを一くさり、ご亭主は髙砂のお謡いを。なんて楽しいんだ♪

主菓子は二條若狭屋さんのういろうの「しだれ桜」であった。美しいお菓子だ。




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中立後はふたたび小間にて濃茶を。
軸の代わりに後座にかかるのは石州の竹一重切花入れ、花は椿。茶碗は桜の花びらのような美しい御本のでた、端整な御本呉器。水指が黒くて、どこの焼物?と思ったら、古備前なのだと!w( ̄o ̄)w
あとで明るいところでみたら、確かに、備前の胡麻がでている。こんな黒いのは初めて拝見する。

しかし、私も遠州流のお点前はかなり見たので、なんだか慣れてきた。
淡々と下地窓の光をバックにお点前されるお姿が自然体で、(あれだけすごい)お道具の説明も控えめで、するするといつのまにか終わっているという、これは利休が理想的といった点前の姿ではなかったか。



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薄茶は趣向を変えて、書院の八畳ノ間で。部屋へはいるなり、うっとりするような雅な香りが。伽羅を焚いてくださったのだ。しかも!仁清の蝶の聞香炉で。これ以上なにを望みましょうや。

しつらいは唐木を多く使った唐風。風炉で点前された。ここで灰白色の斗々屋にいたくひかれたのだが、一見絵唐津のような古萩の茶碗に描かれた弦巻(弓の弦の予備をくるくる巻いたもの)から、能の「弓八幡」へ行くあたり、さきほどの髙砂ともあわせて、ご亭主の能への造詣の深さがうかがえる。


書院棚に広げられた遠州の消息(?)、初桜を尋ねてあちこちいって、よかった、とか感激したとかのメモみたいなものか。何百年後ののち、こうしてたくさんの他人にじろじろ見られることになるとは思わなかっただろうな。文中に「福知山」の文字などもみえ、遠州の息づかいまで感じられる文字面で、その人となりがまた想像されるのであった。



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お土産にいただいたのが、薄茶席でだされた紫野源水の有名で人気な桜の有平糖。宝石みたいにきれいなお菓子だ。
これをなめなめ、この日いくつの桜が席中に咲いただろうかと数えるのも後の楽しみの茶事であった。
茶縁に深く感謝。






利休忌の茶会〜旧三井家下鴨別邸 - 2017.03.30 Thu

昨年秋に修復後公開されるようになった旧三井家下鴨別邸。最近こちらで茶会をするのがお仲間うちではやっています。



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茶室は一番奥にあって一般公開されていないので、拝見できるのは使う人の特権。
今回の茶会のご亭主は、昨年秋に菊慈童の茶会をしてくださった藪内のお茶友さん。御趣向は「利休忌」。
利休は旧暦2月28日に自刃しているので、新暦でちょうど今ごろの季節。



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邸宅の庭園がそのまま茶庭になるという贅沢なロケーション。




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蹲居に椿が一輪。
宗旦椿の逸話を思い出しつつ、これは企んだものかたまたまか?




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こちらの待合はこの円相窓がとてもステキだ。

待合掛けには菜の花の絵。
利休忌は菜の花忌とも呼ばれることは有名です。利休が好んだ花だっただからとか、最後の茶室に活けられていたとか、諸説ありますが、利休忌が終わるまで茶席には菜の花をいけないという不文律もあったりします。




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主菓子がこれまた菜の花のイメージの朧饅頭。
表千家の利休忌ではこれがだされるそうです。本来は黒糖餡だそうですが、今回はご亭主の注文で蓬餡。蓬の香りが高くとても美味しかった!(甘楽花子・製)




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藪内の武家点前にて濃茶を練るご亭主。

床には利休250年忌(幕末のころ)についての大徳寺管長の書。(漢文が読めませんでした、、、^_^;)
釜も利休が切り型を作った阿弥陀堂。


なぜかお茶友さんの藪内率が高く、藪内のお点前にもずいぶん慣れてきました。
お正客がやはり藪内の、タライ・ラマ師(^_^;の二つ名をもつ和尚様だったので(雨の日の茶事に笠の代わりにプラタライを出してくださるのをみなさん楽しみにされている)会話もとても楽しい。




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薄茶席にかかっていたのは「心外無別法」。
迫力のある字で、心のほかに別の法はない、と。

これに対面しながら、珠光が古市播磨に与えた「心の文」を連想していました。
「心の師とはなれ 心を師とせざれ」
心をコントロールして心(=感情)に支配されることのなきよう。一見相反する言葉が禅語の中にはたくさんあります。いずれも真実、というよりどちらが正しいかとこだわっていること自体がもうダメ、というところでしょうか。




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薄茶はお手伝いの女性の方が点ててくださいました。武家点前の女性版はどうなんかな〜と思っていましたが、全然違和感ありません。いままで拝見した藪内の中でいちばん美しいお点前でした。
藪内は宗匠筋によって若干所作が違うようです。

薄器が大棗だったのですが、蓋裏に「力」と。
これを見たらすぐ利休の遺偈「力囲希咄、、、」がイメージされます。
実際大中小三種作られたこの薄器にはそれぞれ「力」「囲」「希」と蓋裏に書かれているとか。またすてきに珍しいものをお持ちです。




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点心は、こちらもいつもは非公開の二階広間にて。
ここからの庭園の眺めはとてもすばらしい。




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そんな景色を楽しみながら点心をいただく。
ご亭主のとりどりのぐい飲みコレクションも楽しく、それぞれ好きなのでお酒もたくさんいただきました。
ここでもお茶の話に花が咲く楽しさ。




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お開き後はみなさま自主的にお片付けのお手伝い、まあ手際よくかたづいたこと!
さすが、茶人は違う。



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ご亭主をお見送り(?!)したあと、ぶらぶらと近くの出町柳まで。
ここには有名な早咲きおかめ桜の長徳寺、満開でした。




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一足お先にお花見!




和尚様の雛の茶事 - 2017.03.11 Sat

昨年の秋、みのり茶事にお呼びいただいた日は雨、仲間内で伝説となっている雨笠ならぬプラスチックタライを笠に使えた感激(^_^;はいまも忘れません。(なのでご亭主の和尚様は「タライ・ラマ」の二つ名をお持ちです(?))


このたびは雛の茶事にお招きいただきました。
待合に掛けられた短冊は山本由之の雪を歌ったもの。

ところで山本由之さんってだれ???と思うでしょ。私もしらなかった。
実はあの良寛さんの実弟なのです。まずはここで和尚様の心あたたまるお話を拝聴。

長男である良寛さんが実家をでて出家したものだから、山本家の商いを継ぐことになった弟由之さん。初めは順風満帆だったものの、そのうち家業は傾き一家離散、妻にもさきだたれ自暴自棄、酒に溺れる放蕩の荒れた日々をすごしていました。ある日弟を家によんだ良寛さん、ひとことも責めることなくもてなし、帰り際に兄のわらじの紐をむすんでいた由之さんはなにやら熱い物がしたたってくるのに気づきます。はっと上を見ると兄の目からはらはら涙が、、、。

はっと我に返った由之さん、それからというもの世を捨て庵をむすび、俳人として生きたそうです。兄の愛はかくも大きかった。(、、と、こんなものでしょうか?聞き間違えあるやもしれませんが、、、)

峰の庵の雪景色を歌ったこの歌は、俳人となってからのものでしょうか。
いきなりしんみり。さすが説法はお上手です。


中待合には半泥子の蕨春草萌える図が。

そして、、、、

本席にはその、、その,,良寛さんの消息が〜〜!!

なんて心憎い演出でありましょうか。しかも内容が朝から客がきてお酒をのんでおり云々。
和尚様曰わく、雪=白、春草=緑、お酒を飲んでほんのり赤くなった良寛さんの頬=赤
で、菱餅の色を現したのだそうです。

ヤラレタ〜〜!!


まずは炭手前。藪内独特の霰灰、角のハマグリ、炉中に撒く灰もやはり霰なので、灰匙にあたるとカラコロ音がするのが印象的でした。炭のつぎ方も裏千家と全然理屈が違うのが面白い。
たっぷりとした濡釜も浄林、炉縁が六角ナグリの漆か自然の煤の色、大きな節がとてもよい景色でこれには萌えました。
座掃きも小さい同じ羽根でこまめになんども掃く所作が自流とだいぶん違う。




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懐石の前に、、、お!鏡割り。小さな樽の蓋は実はマグネットで初めから三つに割れているもの(^∇^)
杵で割って(?)小さな柄杓で白酒をよばれました。お雛様にふさわしい御趣向です。




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こちらの懐石はいつも美味しいイタリアン、お料理もさることながら、なにせ器がもう次々と眼福物もの。
白酒の次は海上がりの古備前鶴首にはいった日本酒(ワインより日本酒が飲みたいと以前ワガママ言っていましたので。言ってみるもんやな〜)、また備前燗鍋でワインと三種のチャンポン、飲み助にはなんてうれしい!

そして石杯が、、、もう泣かせる泣かせる。
刷毛目の塩笥のぐい飲みサイズ、金繕いあり!ないよ〜、なかなか刷毛目で塩笥でこのサイズ。めちゃかわいくてかわいくて手放したくありませんでしたわ。



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例によって、みなさんが「油がしみこむのではないか?」とはらはら心配されている古唐津ブイヤベース、今宵もでましたでました。
使う前後に水通ししているから大丈夫、と得意げにピースサインのお茶目な和尚様はおっしゃるけれど、やっぱり太っ腹すぎます。

焦がしたご飯にあさりのスープが、湯斗と湯の子みたいで洋風に解釈するとこうなるのか、のナイスアイデア。

最後にでたシチリアオレンジシャーベットもこんなん使ってええの??の絵唐津でございました。




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神戸つるやさんの特注菓子をいただいて中立。
お菓子は桃襲とでもいいたい袿をまとったお雛様(o‘∀‘o)*:◦♪


後入りの合図の銅鑼がすごく佳い音色で、さすがお寺様だと余韻を楽しみました。


濃茶席は珍しく長板?と思いましたが、向こうに杓立て、右に水指(しかも懐石でおかわりのパンがはいっていた古伊万里のポット!!)左に茶入、手前に火舎蓋置。珍しい置き方。

実はこれは藪内独特の菱かざりという置き方なのだそうです。
自流なら菱形の水指を使う所ですが、こういうのもありなんですね、お茶って意外と融通無碍なのよ。

軸は森寛斎を初めとする江戸の絵師たち何人かの合作の、墨絵のお雛様、描き表装。


そして、、、、一年ぶりにまた手にすることができました、井戸茶碗・小貫入「八重桜」。(根津の井戸茶碗展に個人蔵ででていたもの)
一年前、和尚様が楽々荘で八重桜に寄せてと題する釜を掛けられたときにこれで濃茶をいただいた感激が蘇ります。

再び我が手の中に〜(ほんの一時にしろ)。
小貫入の名にしおう内側のびっしり細かい貫入、釉薬の小さな盛り上がり、外側の梅花皮は控えめ、どこをとってもええな〜、、、の言葉しかでてきません。
今回おつれした御連客は八重桜と初めてのご対面、皆様、感激の面持ちでありました。は〜、、、+゚。*(*´∀`*)*。゚+




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八重桜の感激もさめやらぬ薄茶席では楽しいお菓子が。
(あん、振り出しがまた安南v(o゚∀゚o)v)




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山形県鶴岡市のからからせんべい。振るとからから音がして、中から小さなおもちゃがでてきます。お煎餅も黒糖の味がしっかりしてとても美味しい。



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私のは瓢箪でしたが、他にも小さな鈴とかダルマとか。そうか、お雛様サイズね。

お菓子の台も薄器もこれぞThe 李朝!、茶碗も三島系、朝鮮陶器の流れをくむ絵唐津、「李朝オタクもしくは李朝ミーハー」にはうれしいセレクションでありました。


そして最後にやっぱり和尚様のあったかいお人柄(コレクションもね!)が心にしみて、感動しつつ、みな、家路につきました。
深く感謝いたします。
合掌



茶友の縁日ミニ茶事 - 2017.02.26 Sun

某お寺さんの近くで、縁日にあわせて毎月茶会をされているお茶友さんとこへ、やっとこさ行けました。
なにしろ超人気なのと曜日が不確定なので私にはハードルがかなり高く、キャンセルまちでなんとか。

会費が2000円とお安いので、点心とお薄くらいかな〜と思っていたら、びっくり!!これで足がでないのかしらん、と心配になるほど、これはもう「茶会」ではなくて「茶事」ですわ(◎-◎;)!

待合の立雛の掛け物を拝見しつつ席入り。ああ、もうお雛様ですねえ。



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毎月趣向をこらしておられるようですが、今月は四畳半を逆勝手台目使いにされて。
まずは後炭を拝見。

逆勝手で台目、しかも後炭、、、、って今までに一度も見たことありません。まず一般的に見る機会ないでしょう。チャレンジャーです。

そしてお手製の点心が、、、、はんぱなかった!
どれも美味しい中、一子相伝瓢亭卵に遜色のないゆで卵、これにはレシピをついついお聞きしましたわ。
お酒の進むカラスミまでつけていただいて、お酒も燗酒と冷やと二種を堪能。




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お櫃までだしていただいた銀杏ご飯には銀杏ごろごろ。

昨年の朝茶事で点心を作った経験から言うと、いろいろつめこむ点心の方が種類がいるので、かえって普通の懐石より手間がかかる。なのにすごいわ、と舌をまいたのでありました。




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中立の前の主菓子は、お善哉、それに糀がのっかっていて一手間かかっています。
器の菓子碗はお寺の市で入手されたものとか。朱塗りがお雛様っぽくて華やか。


中立の後は逆勝手台目で薄茶点前、御趣向のお茶碗で二服ずついただきました。



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お手製お干菓子がまた感動モノ、ラズベリー味の梅をうめこんだペパーミント味の干琥珀のできがプロ級なのでびっくり(◎-◎;) (私はなんど干琥珀作りに挑戦してどれだけたくさんの砂糖をドブに捨てたことやら)

柑橘のチョコかけに、干し柿の中に百合根餡を仕込んだもの。この日のためにどれだけお手間をかけてくださったのやら。


人気でなかなか予約がとれない理由がよくわかりましたわ。

それにしても、これを始めはってからもう2年、1ヶ月も休むことなく続けることは並大抵ではないと思います。体調管理もしなければならないだろうし、趣向も考えないといけないし、うかうかしていると1ヶ月なんてあっという間です。それはしんどい作業だと思うけれど、同時に楽しい作業でもあると確信します。

以前は奥伝の自主稽古をごいっしょしていました。その後、ご自分の茶をどのように発展させるか、いろいろ考えられて始められたのだなあ、となかなか行くチャンスもなくよそ目に見ていましたが、とてもすてきな居場所、道をご自分で作られたのだなあと感慨深いです。まだまだ現在進行形で形もさらに発展されることと思います。競争率高くて当分は行けそうもありませんが、また季節を変えて参席できたらなあと思います。

そして、まけずに自分の茶も実践していかねば、、と改めて思った次第です。



大火鉢と主客自在の茶事〜宵の紫野・陶々舎 - 2017.01.24 Tue

年末にお招きしたお茶人さんから初釜茶事のお招きがあった。出雲とのご縁の深い方で、ここ、紫野・陶々舎とのご縁も深い。



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陶々舎(巻末に参考文献?のせました)は大徳寺・孤篷庵に近い、国籍も性別も背景も違う三人のお茶を愛する若者のシェアハウス。昭和初期の建物に一階は電灯のスイッチをぶっちぎって(^◇^;)夜にもなればろうそくの灯りを楽しむ場所。

この3〜4年ほどの間、何回ここにかよわせてもらったやら。お茶だけでなく、能や狂言のパフォーマンスもあればギャラリーにもなり、日本酒の会とか、だれかの誕生日といっては宴会をし、、、今や、年令性別国籍関係なくいろんな人たちが出入りする、茶の湯を核とした梁山泊のようなものに。




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腰掛け待合いの後にある(実は雨戸の)影向の松は、やはりここにいりびたっている^_^;(Iやん、ゴメン)日本画の若いアーティストの作。能のパフォーマンスのときにはこれを座敷側に向けて鏡板として使うのだ。

露地の灯籠や蹲居、飛び石も軽トラで運んで彼らが自分でつくりあげたもの。
そういえば、ここの露地ができる前、あるじたちが留守なのに藁灰を焼かせてもらったこともあったな。付け焼き刃の煎茶の練習をさせてもらったり、近くにきたらふらりと寄ってお茶よばれたり。(多かったのが宴会で、よう飲んだわ^_^;)

これだけ若い人たちが集まってくるのは、こういう(いわゆる茶道のややこしいしがらみがない)場所がいままでなかったことと、いろんなイベントを試行錯誤でおこない情報発信の努力もおこたらなかったことと、、、なにより三人三様のお茶への深い情熱、自由で独創的なアイデアと実行力あればこそ。
うわさを聞きつけて海外からも旅行客がふらりと立ち寄ったり泊まったりするし、茶の湯関係のビッグネームも立ち寄られるというから、これはほんますごいよ。




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枝折戸を留める輪っかが手作りの稲藁注連縄。こんなところもニヤリとする。




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席入り。
この日は夕方になると部屋の中でも吐く息が白い寒さ。酷寒のときに、茶席に手あぶりを置くことはよくあるが、ここでは待合にあった大火鉢をど〜んと茶席に。あったかい!!思わずかかえて手放したくなくなる。

連客は陶々舎のみなさんだが、ご亭主はご挨拶のあとお点前を彼らに任せなさる。客が亭主になったり、亭主が客になったり、変幻自在の茶事のはじまり。ロウソクの幻想的な灯りのもとで、不思議な感覚を味わう。




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ご亭主(男性)手作りの心づくしの懐石をいただく。昆布の出汁をとるのに1〜2日かけてくださったという。なかでも煮物椀の治部煮が熱々で、具だくさん、なんて美味しい!ああ、こういう煮物椀もありなんだとひとつ学習。

お酒も新潟の雪中梅をご用意くださった。最初冷やでいただいて、あとで熱燗をいただくが、このお酒は冷やでも美味しいが、燗になると香りが立って軽やかになり、何杯でもいけるお酒に変身するのだ。なんて美味しい、、、(*≧∪≦)

主菓子は出雲の三英堂さん(不昧公命名の「山川」「菜種の里」で有名な老舗)の三分咲きの椿の練り切りであったが、これも不昧公による「四ヶ村」の銘がある。



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中立の時には大火鉢をまた移動。この家では火鉢は貴重な暖房器具。炭を追加すると炎まで上がって、かかえている手がやけどをしそうなくらい熱くなる。炭火は、暗い中で美しく、だれでも飽きず眺めたくなるものだね。

あ、外で屋根から溶け残った雪がおちる音がした。



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後座。
床の間に一升はいる酒瓶がどん、、、と。

ああ、これは以前ここでの茶事に招かれたとき、日本酒をいれ封をして、酒の口切りやったやつだ(^◇^)
しかも花所望ときたな。

花台にご用意いただいたのはすべて枝物。どれもその枝先に小さな芽吹きが見て取れる。春を感じて、この季節、花よりもうれしい。花をいれる才能はないので申しわけないのだが、大好きな緑の実をつけたアオモジと、あと2種投げいれさせていただいた。



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よくみると、酒瓶には私の名前の名札がぶらさがっていて、あ、これでボトルキープ(^_^)vだ。

濃茶は、陶々舎の、外つ国から来た美女・Kさんの手によって練られる。
ロウソクの灯りの中で、し〜んとした静寂の中、美しいお点前は粛々とすすむ。その姿は胸にしみて私は忘れないと思う。



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ここでいろんな人たちと出会い、縁をつなぎ、楽しい時をすごさせてもらった。ご亭主とのご縁もここからはじまった。陶々舎は今年中に発展的解消をする。これからの人生の方が長い人たちだから、どんな風に発展していくのだろうか。既に三人三様の発展の萌芽はある。ここで茶事に招かれるのは、おそらく最後だろうと思うといろんな思いがよみがえり胸に迫るものがある。


ご亭主の選ばれた軸は「白玉無瑕」。まったく傷のない、完全無欠の悟りに到った心のことをいうのであろうか。これを見て「白珪尚可磨」を思い出す。完全無欠な玉でもさらに磨くように努力すべし。もともと完全でも無欠でもないわれわれなら、さらに自分を磨く努力をせねばなるまいな。


吐く息も白い、雪もよいの夜空、なんだかんだで通い慣れた孤篷庵前の道を万感の思いをかみしめつつ帰路につく。さまざまなことに感謝もしながら。




<参考文献(?!)>


暮らす旅舎「京都はお茶でできている」

昨年末出版された京都の、いろんな形のお茶の本。茶目線の京都案内でもあり、実は陶々舎の本でもあるのです。拙ブログにおいで下さる方には絶対興味ある内容になっています。是非ご一読を。


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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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