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2019-06

ご夫婦で迎えていただいた茶事 - 2019.06.15 Sat

阪急電車沿線
このあたりは豪邸が多い。



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神戸でもなく大阪でもない「阪神間」、ここには独特のハイソサエティーな文化がある。
宝塚時代によく利用していたなじみの場所でとてもなつかしい。
この阪神間にあるHさんのお宅の茶事にお招きいただく。3月に雛の茶事に新婚二組さんとしてご夫婦でお招きしたお返しに(ほぼ強制的に(^_^;)



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こちらにお招きいただくのは何年ぶりかしら。つごう3,4回は来ているのだが、その頃はHさんは独身でいらした。お嫁さんを迎えはって、今日はなにやらお家全体がはなやいでいるように見えるのは気のせいではないと思う。

待合の掛け物が「華」だったので、華燭のことかな、と思ったが、今年華甲(還暦)を迎えられるということで。でも、ご自宅で咲いた華やかな芍薬を入れた花入はやっぱり髙砂手。めでたい!




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腰掛け待合いのこの猫シッポ蚊取り線香には燃える、、、いや萌える。

恒例の?座掃を持っての迎え付け、この姿にはもう慣れた。(最初はびっくりしたけど)
石州流鎮信派のお茶人さんであり、茶道の諸流派のお点前の比較研究などの御著書もあるご亭主である。



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本席は小間なのだが、相伴席ともいうべきとなりの三畳まで開け放っておられる。この三畳ははじめて拝見したが、ちゃんと掛物釘、無双釘、釣り釜の釘もある網代天井の茶室になっているのにびっくり。これは茶室として使ってもいい感じだ。



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なぜ開け放ったかというと、ご夫婦で点心をご相伴くださったから。
御連客のもう一組の(ほぼ)新婚さんといっしょに色々お話しできて楽しかった。
Hさんは、最初お目にかかった時はなんだかちょっと切れすぎてコワイという印象だったのだが、今こうして奥様とにこやかに並んでおられる姿はおだやかで、別人?みたい(^_^;



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今回煮物椀は奥様手作り、美味しゅうございました。

本席の軸は松永耳庵90才のもの、近代数寄者のひとりだが、95歳まで長生きされたそうだ。お互い90すぎても、元気でお茶ができたらいいね、と思う。

いつも言っているが、流派の違いは炭手前に一番顕著だと思う。久々に拝見した鎮信流の炭手前、風炉の灰は湿し灰で作って、乾かしてから使うとか、灰器の灰は風炉でも湿し灰とか、裏千家では月形を切るところに穴をあけるとか、ほんとうに流派のバリエーションが面白い。

特筆すべきは羽箒の研究に関して右に出るものがない当代一の下坂玉起さんからもらわれたという羽根。Hさんのご意見が参考になったということの御礼で、アオサギの羽根。飾羽根もついて美しかった。
「飛行機に衝突したアオサギ」という説明があって、こういう野鳥の羽根は捕ったものでないという説明がいるのだな、と納得。



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御菓子は宝塚時代よく行った、なつかしいお菓子屋さんのだった。ここの御菓子は造型も美しいのだ。銘が「令和」、だからおそらく梅と蘭。



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後座の花はコバノズイナ、撫子、フジウツギ
花入が備前の蹲なのだが、高校生の時にもとめられたという。なんという渋い高校生がいたものだ(^_^;

茶入が鎮信流流祖というべき肥前平戸藩主・松浦鎮信の箱がつく膳所で、釉薬のなだれが幾筋もあって、五月雨みたいやな〜と思ったらほんとうに銘が「五月雨」でびっくりした。
長次郎のムキ栗を思わせる四角い古唐津茶碗で濃茶をいただいた。
茶杓が幕末のお公家さんの手作り、珍しい。この方は画も書も歌もされる風流人であったようだ。
銘が「みかは水(御溝水)」、内裏の中に張り巡らされた溝を流れる水で、清涼殿の前の物が風情があった、、、らしい。さすがお公家さん。




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干菓子器に振り出しとして青磁の鴛鴦がでてきたので、やっぱり新婚さんやしね〜というと、深読みしずぎと言われた(^_^;

薄茶の御茶碗は、先だって私の茶事で彫三島他三島シリーズお出ししたので、お返しにかどうか、写しではあるが外花内花(印花が内と外にある。外にあるものは外花といって貴重)の彫三島を出してくださった。三島好きにはうれしい。
もうひとつが、阪神淡路大震災の時に粉々にわれた大樋をこまめに金繕いした茶碗。Hさんのお宅も被害がひどかったエリアであり、震災の経験を共有する身としては心にしみるものがある。よくぞ繕って残されたこと。
茶杓がお茶のお師匠様にちなむものであったのも、Hさんのお茶のルーツを感じさせて印象的であった。さらにこれからもお茶を通じて生きていく、という決意表明でもあったのですね。(お手紙より)

薄茶では奥様がお運びをされて、息の合ったところをみせてくださったし、お二人がとてもお似合いで、もう何年も連れ添った夫婦のようなおだやかなしっくり感があって、いいなと思う。
とにもかくにも、お幸せなのね、と私もうれしゅうございましたよ。






歴史学者がお正客の夕ざり茶事〜O先生幽寂庵にて - 2019.05.14 Tue

雑誌「淡交」の「茶道心講」でおなじみ、社会心理学者のO先生と知己を得て10数年になる。その間、先生がご亭主の大寄せの茶会や茶事に何度か行かせてもらったことはある。しかし憧れていたご自宅・幽寂庵でのプライベート茶事はまだ経験がなく少々さびしかったのだが、苦節10年?(^_^;ようやく願いが叶い、お招きいただいた。東京へ。

しかもお正客が、最近利休に関する新書をだされたばかりの歴史学者のN先生であった。N先生のご専門は古代史(奈良〜平安)と最近では茶の湯の歴史についていろいろ御本を書かれている。参席するに当たり、事前に拝読させていただいたが、これがすごく面白かった!歴史学とは古文書をいかに読むか、今まで正しいとされていた歴史が古文書一つでひっくりかえされるとか、目からウロコのことばかり、世間で言われる歴史は案外うそばっかりのこともあるのだ、の感を深くした。ただそれゆえ、茶の湯の歴史の泰斗の方々からのご意見も色々あるようで、正解のない文系の学問はいろいろ大変だなと思う。(理系は比較的すっきりしてるんだけれどね)

始まる前からちゃっかり、御本へのサイン会?でご署名いただいてうれしい。



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待合は、大日本茶道学会を創立した田中仙樵が書いた宗旦の「世間の茶の湯は富貴にしてさはがしく貧賤にして静かなることなし、、、、」の有名な一節。
汲み出しは昨年の茶事で拝見した、敦煌で求められたという夜光杯(葡萄名酒夜光杯 欲飲琵琶馬上催・王翰)にて。

お庭がうまく良い露地になっていて、いよいよお久しぶりのO先生の迎付。ちょっと興奮する。
本席は八畳、季節的にはもう風炉であるが、O先生考案のマンションなど浅い炉壇用の平蜘蛛の釜をN先生にお見せしたかったとのことで、炉で透木にて。

夕ざりの初座は花、O先生が最近興味を持たれているという川上不白の尺八花入れ、入れてあった花はツキヌキニンドウと(たぶん)開花した大山蓮華とあとひとつ(不明)
棚は糸巻棚であったが、あえて地板のない表千家の糸巻棚を使われ、水指が瀬戸であったがなかなか存在感があってよかった。(なにしろ銘が「在黒」)

天板に載っている八角薄器はこれも以前拝見したことのある待庵古材を使った薄器で、今回N先生の御本に「待庵を利休が作ったという根拠はどこにもない」という章があって、それに寄せたもののようです。

炭点前のあと拝見した香合はペルシャの焼物、没薬でも入れたのでしょうか、エキゾチックなもの。O先生の茶事は「和洋の境をまぎらかす」ですものね、と納得。



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(これはうちの庭のフタバアオイ)


しかし、一番「和洋の境をまぎら」かしたのは材料調達から調理まで(調理師免許もお持ちなのだと!)こなされた懐石であった。お手製のうわさの懐石をいただくのは初めてである。

マグロのたたきに味の違う三色トマトの向付からびっくりしっぱなしで、煮物椀の今年初鱧の骨切りまでご自分でされたと聞くともう脱帽以外にない。
美味しい純米酒のでたあとは、N先生の新書出版記念ということでお祝いのシャンパンもでてきた。ベーコンや野菜、クリームチーズなどをバゲットパンに埋め込んだのがとても美味しく、シャンパンに合う。これは一度中身を詰めてパンごと冷凍し、切ってから解凍という手間のかかったものであった。(ご著書「茶道を深める」にも出てました!)
この季節ヨーロッパでは必ず食卓に上るというホワイトアスパラのアスパラソース掛けというのもお酒がすすんでしまうではないか。

八寸にN先生のご出身地、和歌山の「南蛮焼(なんばやき)」といわれる肉厚のはごたえのある蒲鉾。茶事経験が少なく、肩のこらない茶事にしてほしいというN先生がリラックスできるようなお心遣いを所々に感じましたが、こんなところまでなんですね。

連客のわれわれは懐石の間中、いろいろ疑問に思っていた茶の湯の歴史のあれこれを(公ではちょっと聞きづらいような、、)N先生にお聞きしたらすごくクリアなお答えが帰ってきて、こちらも大いに興奮したのである。もう、こういう茶の湯の歴史の話大好き!

そして、どうして利休の本を書こうとおもわれたのですか?という質問に、今世界的に茶の湯に注目が集まっているが、佗茶=利休と決めつけられるのに危機感を抱かれたとか。佗茶の世界は利休だけが作ったものではない、利休の足跡と言われているもののなかには、他の人の業績もまじっている可能性もあり、もっと大きな時代のうねりの中でとらえないといけない、そういうことを言いたかったのです、と。


懐石の〆に主菓子が、ブランデー漬けの干し無花果などが入った羊羹で、美味しいのなんの。あとでお聞きして、絶対うちでも注文しようと思った。(wagashi asobi)




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後座は燈火にて。
すごいのは短檠の代わりに天上からぶら下げられた大きな古いランプ。これはオランダへ学会出張されたときに膝の上に大事に抱えて飛行機に乗って持ち帰られたものとか。上からなので仄かなやわらかい影を生みだしてすてきであった。

軸が、お祝いにと「山呼萬歳聲 皇紀二千六百年(昭和15年)」

O先生のお点前は豪快にして細心であった。練られた濃茶はだまひとつなく、なめらか、茶碗の底に残った濃茶の美しいこと。お祝いなのでお相伴、と言われて最後にわれわれと一緒に濃茶を飲まれた。主茶碗が了入の赤、次茶碗が白い釉薬の楽でこれはなんだろ?なんだろ?と首をひねっていたら、なんとO先生が盟友・吉村楽入さんところで手尽くねしはった茶碗であった。



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楽入さんといえば、この御著書の表紙を飾ったこの光悦・不二山写し、この茶碗も薄茶で登場してテンションあがった。過日機会を得て、楽入さんところで茶碗をひねったのもよき思い出である。
ビックリなのは、ご自分で絵付けされたというカキツバタの茶碗、金彩まではいった色絵!どこまでご多才なのであろうか。

茶碗で一番いいなと思ったのは鈍翁(もしくは鈍翁指導の陶芸家鈍阿かも)、光悦の黒写し。先だって本物の光悦でお茶をいただきお尻を撫でまくったあの興奮が蘇るようなええお尻のお茶碗でしたわ。



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クライマックスが薄茶の茶杓、これもだれのやろう?と思っていると、N先生のために削られた御自作で、最後にこれをN先生に共筒、箱とも贈呈されたのだ。しかも銘が「孤高の貴筆」。
こんなのを用意されてもらえるなんて、N先生はどれほどお喜びになったであろうか。

茶事を終えて帰る道すがら、N先生がほろ酔い加減で「楽しかった、ああ、楽しかった」とくりかえしおっしゃっていた言葉にすべてが集約できるのではなかろうか。





一年ぶりの春雨の茶事・夕ざり〜其中庵  - 2019.04.29 Mon

(3月に参席した茶事であるが、同じテーマで数会されるので、控えていました。ご亭主、五会を無事終えられ、お許しもでたのでアップします)

昨年3月、其中庵さんが亀岡・楽々荘を離れ、あらたな船出の決意とともに催された春雨の茶事、あれからちょうど一年たつのですね。

ふたたび澤庵さんの春雨の消息を掛けての茶事、春雨アゲインです。



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昨年は春雨を越えて春の嵐、横殴りの雨でしたが、この日はおだやかな日和、おや、露地がまたグレードアップしている。青竹の枝折戸増設。迎え付けの雰囲気がでるわね。



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山口華陽の松と桜の絵に迎えられ、待合の煙草盆は田楽箱、花見の御趣向にて。



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白磁の汲み出しには亀岡からご亭主が持ち帰られた桜のはなびら

本席には一年前に拝見した春雨の文、お久しぶり。
金剛流ワキ方高安某へ、書き始めは春雨の中、書き終わる頃雨もあがって、、という文章があり、沢庵さんの心情やその時の情景が目に浮かぶようです。



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炉に掛かる釜は織部好みの筋釜(江戸名越)、蓋に修理の後があり、そのために打った鋲が良い景色でした。
お炭のあとは恒例の、出過ぎず引きすぎない万惣さんの懐石。茶事の懐石のお手本です。

つぼつぼに入っていたのは、、、、昨年と同じ、春雨の軸にかけた春雨!!最初だれも気づかずご亭主をがっかりさせてしまい、申し訳ない(^_^; すっかり1年前のダジャレを忘れておりました。




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吉野の桜の吉野椀には桜の花びらのような柚子の花びら

ちなみにこの日の客は4名と、贅沢な一会、しかも美女ぞろいであります。(文句は受け付けません)華やかな雰囲気で懐石をいただき、小吸物の中身に???となり、、、生姜の芽を輪切りにしたものでした。



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向付が南京赤絵花更紗紋様
石杯が呉須赤絵
ここで赤絵の違いを勉強しました。

八寸、千鳥のご馳走(一芸)は、私はもう何回もQueenで失敗しているので、つい最近まで仕舞をやっていたところの「芦刈〜笠之段」を。難波津あたりの春の景色を謡ったもので季節にぴったり。とちゅうで息切れしましたが、、、、(^_^;



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主菓子は老松さんの花見団子、当然ながら田楽箱で。



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中立(くどいけど1枚○○万円の讃岐円座〜♪)

後座は燈火のもとにて。
黒薩摩古帖佐(島津義弘が朝鮮から連れ帰った陶工・金海に薩摩で焼かせた焼き物)の花入れに有楽椿、そして軸が遠州の歌に変わっていた!
この頃遠州のお茶に惹かれるとおっしゃっているご亭主、ここはやっぱりこれで締めましたね。私的にはこれがなによりのご馳走でした。

歌は「吉野山 雲か雪かと偽りし たれかまことか 花の咲くらむ」

吉野山の雲や雪にみまがえる桜の美しさを歌ったもので、これもこの茶事にあまりにぴったり。目の前にまだ見たことのない吉野山の桜の風景が浮かぶようです。

秀吉が亡くなった後、織部や遠州らが利休をしのぶ茶会を吉野でしたそうです。そしてもしかしたら有楽などもいたかもしれません。そんな茶会への思いをいたす歌、春の宵にしばし、遠州の歌の元に釜の松風だけ聞こえる茶室に座すひとときは、おだやかで幸せなひとときでありました。



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古瀬戸の茶入は、、、、これも銘がそのものズバリの「春雨」
(「春雨の ふるは涙か桜花 散るを惜しまぬ人しなければ」)
満開の桜もやがては散りゆく。
散ればこそいとど桜はめでたけれ 憂き世になにか久しかるべき(伊勢物語)
私も行っていたはずのうるわしやさんの茶箱展の隅でご亭主が見つけはった茶入、ちょっと悔しい。



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続き薄の干菓子は老松さんの摺り琥珀、桜

御茶碗が濃茶は何度か拝見している大ぶりの金海。
薄茶は垂涎の桃山黒織部、高麗無地刷毛目、出口王仁三郎手づくね赤楽(大本教では燿碗というらしい)、遠州が所持した信楽「花橘」の写しで筆洗・岡田雪袋(不昧の後継者)箱、などなど。

花橘は後拾遺集・藤原高遠の歌によります。

 昔をば 花橘のなかりせば 何につけてか 思ひ出でまし

花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする、、、の古歌を踏まえて、花橘がなければ何にかこつけて昔の人を思い出せるだろうか、、と、そんな意味。

最後は遠州写し、甫竹(利休や織部の茶杓の下削りをしていた)の茶杓で締めです。



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席を辞すると露地には燈火が用意され、春の宵は更けていきます。

遠州に惹かれて、和歌に惹かれて、最後は客に歌所望(;゜0゜)



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苦肉の作で一節ずつ詠むという、4人の合作といたしました。なんとなく歌になっているのが本日の茶事の功徳でしょうか?(^_^;



八重桜とたこ焼き茶事 - 2019.04.04 Thu

ああ、タライ・ラマ師のたこ焼き茶事も何回目でありましょうか。今でもたこ焼きする?のお声がかかると、わ〜い!と、とびついてしまうのです。



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寄付にて東大寺の清水公照師(私、この方大好きでいくつか書とか泥仏とか持っております)の書、「華」を眺め、これは東大寺華厳経の華でありましょうが、花でもあり、のちのちの伏線に。

今回は主に私のお茶友さん数人をひきつれて(?)の会であり、皆様、こちらは初めてなので、待合にかかるお馴染みの親鸞聖人絵伝の絵解きを和尚様がしてくださる。改めて拝聴すると勉強になることがいっぱい。
親鸞9歳、慈円の元に仏門に入る時、今日は疲れただろうからもう休めと言われて
 「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐のふかぬものかは」
今すぐ教えをと乞うた、と言われたシーン。なにげに「桜」の言葉が。

さらに待合の軸が百人一首の札を飾った物。歌は伊勢の「いにしえの 奈良の都の八重桜 けふ九重に匂いぬるかな」
これを見て、内心やった〜!と。もしかしてもしかして、あの名碗に再々々会できるかも、と。

薮ノ内流の炭手前は初めての方も多く、そのあまりの違いに(炭の置き方、灰、炭そのもの、種火の置き方などなど大違い)皆様興味津々。異常に茶友に藪内率の高い私はなんだかもう慣れたけれどね(^_^;
ここで重要なのは香合。奈良の「八重桜」古材で作った「菊」の香合。伏線がわかりやすすぎて期待がどんどん高まるわ。



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本席の軸はこちらもはやり(?)の古筆で組題百首ものの走りとなった堀河百首(平安後期)のうち、春の歌三首。読めそうでなかなか読めませんでしたが、こんな古筆を目の前でおがめるとは!

さて、いよいよお待ちかね、たこ焼き懐石の始まり、まずは湯葉と胡麻豆腐から。
向付がお正客様からお詰めまで、時代を追った主に唐津・有田の焼きものの歴史になっているのでありました。桃山の総織部からはじまって古唐津〜初期伊万里〜古九谷(これも金沢ではなく有田産とほぼ確定)ときて、燗鍋かわりのポットが輸入用有田柿右衛門様式でゴールです。
いやはや、本でみるだけではなく、目で見て手でさわれる貴重なお勉強です。



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ちなみに私のは古九谷、某美術館所蔵のモノだったそうでb(’0’)d
乗っているのが和尚様のご子息Y君考案、フライドうどん!これがまた後を引く美味しさで、たこ焼きの前にさんざん食べてしまったわ。




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さて、いよいよたこ焼き!



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今回も和尚様、Y君のツイン焼たこ。
日本一ピースサインの似合う和尚様の跡継ぎさんも実にピースサインが似合うのでありました。



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食べ方は、ソースだけ、塩だけ、出汁だけ、といろいろお好みあれど、私はぶれずに神戸式(ソースをぬってその上に美味しい出汁をかける)。これは神戸の下町の駄菓子屋さんで食べられた方法なのだそうです。
ちなみにたこ焼きの器は例によってまさんど窯、平金井戸茶碗であります。くりかえすたこ焼き攻勢にすっかり色が付いて良い御茶碗に育っています。(たこ焼きでいいのか?という問題もありますが)



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酒器も垂涎の古陶磁で、お酒は兵庫五国(摂津、播磨、但馬、丹波、淡路)それぞれのものをご用意下さいました。いずれも美味しく、きっちり空にしておきました。



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かなり重い、出光美術館コレクションもびっくりの絵唐津陶片に盛られたお菓子はかわいいお雛様。(まゆまろ=京都のゆるキャラ、っぽい)



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(ご自慢の草木染めレザー数寄屋バッグ・若い作家さん染色家さんの合作)


中立後の後入りはお寺の鐘の音にて。



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後座の花は桜
花入は藪内4代の御作だったか。

どっしりとした存在感のある水指は室町のころの古丹波。茶入が昨年和尚様が唐津やきもん祭で釜を掛けられたときの薩摩小壺(もしくは鶴首?)、お懐かしや。釉薬の掛け残りが三日月のようで銘が「残月」(だったかな??)



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そして、そして、、、お楽しみの主茶碗が、あの根津の井戸展にも個人蔵としてだされていた井戸・小貫入「八重桜」!また出会えました。何度かこれでお茶を飲ませていただいていますが何回見てもええな〜。内側の釉薬のまだらに入る貫入の具合がなんとも(*≧∪≦)
待合の八重桜の歌から、香合の八重桜、桜桜で、期待感はいやがうえにも盛り上がり、そしてクライマックス、この八重桜にたどりついた感激。



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(親鸞聖人の最初の師匠であった慈円さん)


しかけはもう一つあって、香合が「八重桜」古材の「菊」であって、濃茶の替え茶碗がもう一つの井戸、「小菊」。こちらも井戸の特徴はしっかりそなえていながら、八重桜と並べるとやや地味な印象。春と秋の違いとしてこれはこれでやっぱり渋くてすてき。




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(和尚様よりいただいた写真)


薄茶は席を改めて(Y君大活躍)
先ほどの桜がこんどは柱にかかり、軸は描表装のお雛様。
藪内独特の菱飾り(長板に水指、杓立、薄器、蓋置を菱形に配置)で、、、ああ〜〜水指が、いつもイタリアン茶事でパンをいれてる古伊万里や〜w(゚o゚)w

お客様の数だけ違う茶碗で来るこのお蔵の深さ。瀬戸唐津、朝鮮唐津、安南、伊部(備前)、呉須赤絵、堅手の柔らか手(?!)の卵手(これよかったわ〜)、あともうひとつ(失念)。

茶杓がこれも懐かしい、唐津(筑紫)と須磨をむすぶ逸話にちなむ銘「釣り竿」。
神功皇后三韓征伐の折、戦いの行方を占うため鮎を釣ったが、戦勝後その釣り竿を持ち帰り須磨のあたりで、これを地面に立てるとそこに竹林ができたという伝説にちなむもの。

今回もほんまに楽しく勉強になったたこ焼き茶事、ありがたいことです。マナーとしてたこ焼きの粉はきっちり空にしてかえりました。
和尚様、ありがとうございました。




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お土産が、明石の蛸のぺったん焼(後を引く美味しさであっというまに完食す)でまた笑わせていただきました(*^_^*)



ギャラリーオーナーさんの茶事〜大工棟梁と庭師さんとご一緒に - 2019.03.29 Fri

西の方、国宝の美しいお城がある町へ、ギャラリーのオーナーさんのお茶事にお招きいただく。



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玄関に「在釜」のりっぱな額が。
本日ご連客のお若い大工の棟梁の作であった。



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腰掛け待合いにはなんだかオリエンタルな煙草盆、もしかしたら水煙草かもしれないとご亭主。
ご亭主はアジアの布に造詣の深い方で、本も上梓されており、若い頃からアジアやアフリカ遍歴もあるそうで、ここからすでにご亭主ワールドのはじまり。



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玄関脇の小さな流れがあるかとも見える露地は、これもご連客のお若い庭師さんの作。蹲居までの石の配置が変化に富んで、実際の長さより長く楽しんで露地を渡った。




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普通の塵箸の倍くらいある長い箸は、青竹でこれも庭師さん。青竹が箸にも結界にも灰吹きにも使えるって、、、青竹がふんだんに使える環境がうらやましすぎる。



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さらに躙り口にまたびっくり!
普通のサッシの掃き出し窓をうまいこと躙り口にしているのだが、その段差をきれいにカバーしているこれは、着脱可能、棟梁の作。




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こんな感じでサッシの戸なのに出入りがとてもスムーズ。
ちなみに席入り中の方が棟梁。
以前から、大工さんなのに陶芸ができて、大工だから竹の花入れでも茶道具でもなんでも自分で作れるヒト、ということでお名前だけは存知あげていた。実際にお目にかかれて、ご縁をいただいたのはとてもうれしい。




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お手製の懐石を美味しくいただく。ギャラリーをされているだけあって、懐石道具も新旧とりまぜてとてもセンスがすてき。

ちなみに炉縁も棟梁作、しかもその古材が本日の半東・水屋をされている方のお家の門だったそうで、これもびっくり。



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焼物や強肴、八寸につく箸は庭師さんの作、しかも青竹、煤竹、胡麻竹、、、と種類を変えているのがなんともうらやましい。

酒器は作家物の吹きガラス、八寸の島らっきょう(沖縄産)!
私は某沖縄パブの、おつまみの島らっきょうを全部食べ尽くしたツワモノ(?)なので、どれだけこれが好きかおわかりいただけるだろうか。



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かわいらしいお雛様の主菓子をいただいて中立

後座の花入は、下をななめにスパッと切った青竹、花は椿にトサミズキ。
釜が天明甑口八景釜で、蓋が大きいので、釜のふちと蓋置の二点支持で。これは木村宗慎さんの初釜でも見た扱いだが、ちょっとかっこいいな。

茶入の仕覆がインドネシアのバティック(ろうけつ染め)であるあたりがご亭主らしい。実は私も先だって、ご亭主のあつかわれているアジアの布、インドのシルクサリー地で着物と帯を誂えた。まとうのが楽しみなのだが、インドのものだけあって、袷でも涼しげ、今の季節はちょっと寒い、、、ということでまだ袖を通していない。



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続き薄は途中から、久しぶりにお点前をした、という庭師さんにお茶をたててもらい、半東さんも席入りしてもらう。
まさんど窯の平金さんが、まだ楽々荘で南丹丼茶会をしていたころ(私がまだ楽々荘を知らない頃)に作った(井戸ではない)茶碗がでてきたり、そのころから棟梁やご亭主は彼といっしょにお茶の活動をされていたとは、世の中ほんまに狭い。
半東さんは、この春思い切って1年限りのモノづくりの学校へ入るため、転居されるというし、京都からごいっしょしたお茶友さんは、3日!もかけてウユニ塩湖へ行った話を聞かせてくれるし、話はつきない。

そして最後に、炉中の炭拝見を所望、釜をあけてもらう。胴炭はしっかり残って割ることはできなさそうだが、他の炭はきれいに燃えていた。この時の炉中の景色ってほんとに萌える。
懐石の時にぽこぽこよく沸いて、濃茶の時に少しおちついて最適の温度、続き薄でだんだん釜の煮えがおさまって行く、、、今回の茶事の炭は大成功でしたね。




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