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2017-03

渉成園〜早春 - 2017.03.10 Fri

学生時代、たぶんここはまだ公開していなかったのじゃないかな。



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河原町の五条をくだったあたりに続く長い長い塀。
当時なんやろなあ、と思いながらもあまり興味はなく、、、



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渉成園(しょうせいえん)という名勝庭園と知ったのはかなり後。でもこのあたり、通りすぎはしてもあまり歩く機会もなかったのだ。
市比賣神社からほど近いので、やっと中へ入ってみようという気になった。


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こうしてまわりに枳殻(カラタチ)の生垣があるので、枳殻邸(きこくてい)とも。




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東本願寺が徳川家光より賜った寺所で、光源氏のモデルにもなった源融の六条河原院跡という説もある。




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最初にここを賜った本願寺13世宣如上人が、自らの隠居所と定め、陶淵明「帰去来辞」の一節、「園 日に渉って以て趣を成す」から「渉成園」と名付けたとか。




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源融の六条院であれば、寝殿造りの屋敷の前にひろがる池といった風情の印月池だが、残念ながら、冬の池干しのためごらんのようなありさま。



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そこに風情を添える侵雪橋も修復中〜〜(>_<)ゞ




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気をとりなおして建物探訪。

ご多分にもれず渉成園の建物は何度か焼失しており、現在残る建物の多くは幕末〜明治の再建。

これは大書院・閬風亭(ろうふうてい)。能を演じることもできるキャパらしいが、中はうかがえない。



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これは(たぶん、、、だいぶん忘れた、、)茶室の蘆庵の中門。




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四畳半に三畳台目、二階の茶席は主に煎茶風、、、らしい。中へ入れないのはいかんともしがたいなあ。




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数ある建物のなかで一番目を惹くのがやっぱりこれ、傍花閣。明治の再建らしいが、、、なんとも奇っ怪な姿。




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一階を支える柱のカーブや、意味不明の円窓、彫りの装飾。技術的にはすごいと思うが。




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この雰囲気はむしろ煎茶的だなあ。ここで煎茶の立礼席ができそうだ。




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二階にあがる階段は右と左にひとつずつ。上は四畳半の部屋だそうだ。




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傍花、、、花の傍ら。この桜の傍らってことね、きっと。まだ蕾だけれど咲いたらきっと良い眺め。



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池にせりだす臨池亭と滴翠軒。

こちらではお茶会かなにかが開催中のもよう。いつか中にはいってみたいものだ。




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池をぐるっと回って池のはしっこにかかる回棹廊。池が干上がってなければきっと良い眺めだろう。




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この姿は平安神宮の泰平閣を連想させる。あれのミニ版といった感じ。



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橋をわたって中の島に建つのは縮遠亭。
二つの建物をつなぐ部分がおもしろい。ここも池にせりだす茶室になっている。ほんまに茶室だらけの渉成園。うらやましい。




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島から振り返る(干上がった)池。
これはまた水のある時にゆっくり来ねばなるまい。今回あんまりゆっくりできなかったし、見落としもたくさんあるので。




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園内のあちこちで植木屋さんがお仕事にいそしんでいた。これだけの広さだからメンテナンスはさぞや大変な事と思う。




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京都タワーもこんなに近くに見えるロケーション。これもシュールな景色だわ。




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渉成園をでて歩いてすぐ、最近できて話題になっているKaikado cafeへ行って見よう。




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銅や真鍮製の茶筒で知られる老舗開化堂さん運営。
自社の茶筒のみならず京都の陶芸や木工などのギャラリー風にもなっている。使われている椅子とか食器、カトラリーにいたるまで、京都のアートクラフトというこだわり。




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建物はもと市電の施設だったそうで昭和2年の建物で、ええかんじのレトロ。




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茶筒をイメージしたというまあるいチーズケーキ、美味しゅうございました。





市比賣神社〜ひいなまつり - 2017.03.06 Mon

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河原町五条下るに市比賣神社がある。
前々から名前だけしっていたが実は行ったことがない。




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3月3日にひいなまつりのイベントがあると聞いて、休みも重なったことだし、いそいそと。




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境内には古いお雛様がたくさん飾られていた。

ここは女人守護の神様、雛祭りはまさにふさわしいイベント。

しかし、延暦14年(795)、藤原冬嗣が垣武天皇の命により、官営市場東市・西市の守護神として創建されたのが初めなので、本来は市場の神様。




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ところが、御祭神は全て女神様なので、女性の守り神とされ、子授け、安産の御利益があるとか、歴代皇后の信仰も篤かった。(現在も「皇后陛下勅願所」)

今も湧く境内の天之真名井の水は歴代天皇の産湯に用いられたそうだ。
(そういえばNHK「京都人の秘かな愉しみ」にも水の女神様としてでてきたな、ここ)




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姫ダルマのおみくじの入れ物には祈願を書いてここにおさめる。
真っ赤でかわいい。


さて、ひいなまつりのイベントは河原町をはさんだ反対側のひと・町交流館にて開催。(参加費用2000円)



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まずはお雛様のお菓子と言えばこれよね、のひっちぎりとお抹茶をいただく。

桃挿華(ももかざし)守りもいただくが、これは結び柳と桃の枝、いずれも厄除けのお守り。
孝明天皇皇后様がこれを雛祭りの夜に風呂に浮かべて邪気払いをした、という由来があるらしい。桃の木はいろんなところで邪気を払う物としてあちこちで活躍してるな。追儺の弓も桃の木だし。



さて人雛様の着付けがメインイベントなのだが、それを待つ間、平安時代の雅な遊びのデモンストレーションを拝見。



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双六。
これは源氏物語絵巻にもでてきてたわね。駒の進め方にもいろいろ複雑なルールがあるらしく、テレビやネットのない時代、ゆっくり優雅にこれで時間を過ごしたのだろう。



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貝あわせ。
これもお雛様の紋様。


他に投扇興の体験もあった。



さて、ここで先日山科家旧別邸ではじめて聞いた衣紋がでてくる。

身分の高い方の装束、色目、着付けにたずさわたったお公家さんは山科家と高倉家。今でも両家は健在で、皇室の儀式や葵祭などの衣裳衣紋などにご活躍。




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ただし、山科、高倉流というのは男性皇族の衣紋だけをいうのだそうだ。(女性には特に流派はない)
後世。高倉家は武家の、山科家は公家の衣紋に別れたそうだが、皇室関係のお仕事は両家が協力しておこなっているとか。


で、今回衣紋を担当されるのは高倉家の衣紋道研究所で勉強されている先生方。

ふつう衣紋には、前衣紋者、後衣紋者の二人がペアで息をあわせてされるそうな。




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紐をしめたり、漆塗の板みたいに硬い帯を巻いたり、かなりの力仕事に見える。



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束帯の完成。
男性の衣裳は位によって厳密に紋様や色が定められており、これは三位のお公家さんの衣裳。
(ちなみに天皇様は黄櫨染色、桐竹鳳凰の紋様、太刀は佩かない)

袖もぱりっとうまくふくらませるのにもコツがあることを学習した。




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さて、次は女房装束。

ちなみに十二単という言葉は正式にはないそうで、唯一文献にみられるのが「平家物語」壇ノ浦の建礼門院の装束についてだけらしい。知らんかったわ。



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萌黄の単衣。

緋袴は既婚者、未婚の女性は濃き色というえび茶色の袴。



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さて、袿をどんどん衣紋されていくよ。
これは紅梅襲の色目。ほぼ白に近い紅からだんだん濃い紅色をかさねていく。五枚重ねることが多いので五つ衣(いつつぎぬ)とも。





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表(うわぎ)は紋様有り、これは三位以上の方は二重織物という二重に織られた布を使う。




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最後に唐衣(丈が短い)と裳をつけて、畳紙(たとうし・メモ帳とかお手紙とかになる))を胸に入れ、扇を持って完成!

しめて17kg!

どっこい歩けやしない。先生がおっしゃるには、女性がそれほど歩かなくてすんだ平和な時代であったのだと。




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しかし、,,重ねた色目のなんと美しいこと!

日本人でヨカッタ、、、と思うわ。




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バックスタイル。




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この姿で、会場にある雛壇に上るのは容易ではないと思ったが、モデルさんはまだ大学生、若いからちゃんとのぼらはった。偉い!



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三人官女、五人囃子(大学の雅楽部の学生さん)もそろって、人雛完成。




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そして、本来の雛祭りのルーツであるところの儀式、「天児(あまがつ)の儀」。

人がたに穢れを移して、本来はこれを焼いたり川に流したり、後世では厄払いとして寝所においたり。




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神社の方にもこれがあって、天児に厄除けをしてもらうお祓いもあった。
ちなみにこれは子供の枕元に厄除けとして飾られていた天児。




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最後に三人官女(ほんまの巫女さん)の桃の枝をかざすお神楽を見てここを後にした。



公家雅に魅せられて〜旧山科家別邸・源鳳院 - 2017.03.05 Sun


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ご近所の岡崎神社へ行く途中にはいつも前を通るこの建物。
以前は「洛陽荘」という名前の旅館だったのだが(現在は源鳳院と改名)、中へはいったことはない。なんだか格式高そうなお屋敷やな〜と思っていた。

実はそれもそのはず、元お公家さんも山科家の別邸だったんだ。




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山科家は公家の家格でいうと羽林家になる。(トップが摂関家、ついで清華家、大臣家、名家と並んで羽林家)

もともと衣紋装束(身分の高い方の衣裳の着付けをする)の家柄だそうで、高倉家とその世界を二分しているとか。
実は後日、それについて詳しい話をきけるイベントがあったので、その件についての記事は後日。



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お雛様の展示があるからとご案内いただいて、おそるおそる入ってみた。(入り口になんの案内もないのでどきどきだったよ)




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入り口は旅館らしく改修されているのでモダンな造り。




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広間の座敷には新旧(といっても新でも江戸時代)お雛様がいっぱい。
ああ、桃の節句やねえ。(ちなみにうちは旧暦で祝うからまだ出してもいない)




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この広間は庭に面していて陽がさしこんでぽかぽか。




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山科家に伝わる束帯や袿などの古式ゆかしい衣裳に冠。

最初「衣紋衣裳」ってなんのことだかわからなかったので、???だったのだが。

昔の宮様やお公家さんなどの身分の高い方はご自分でお着替えをなさらない。特に正式の衣裳は一人ではとても身につけられるようなものではなかったのだ。そこで衣紋方、衣裳を着付ける役目を担っていたのが先にあげた山科家と高倉家。
衣裳を着付けることを「衣紋する」という。

そうか、だからお雛様なんだ。
雛人形は庶民がお公家さんの雅に憧れてそれをまねて作ったお人形、人形に着付けるのにも衣紋、有職故実の知識が要る。現在山科家が古いお雛様をお持ちだったり、さらにもとめたりされるのは、衣紋の研究という側面もあるのだ。




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こちら檜扇。
平安時代の絵巻物では、これで顔をかくしたり、花や文をのせたりしていたが、近世になってから開くことはなくなったそうだ。(だから皇后様は一度もご自分の檜扇をお開きになったことがなく、紋様をご存じないと聞いた。)




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これは古い享保雛かな。お顔がゆで卵っぽいのでわかる。

なんと山科家の若様がお雛様について解説くださる。(ちなみに高倉家も健在で衣紋道の研究所をお持ちだ)




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御殿のお雛様も菊置き上げだったり、御簾の巻き上げ金具がちゃんとついていたり、紐結びもなんとなく有職故実っぽかったり、雅びやわ〜。




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床の間にもならぶお雛様。

この屋敷はオリジナル部分は大正9年だから今から約100年前に建てられたそうだ。
上棟式の写真や、できたばかりのこの屋敷のここ大広間で、当時の当主山科伯爵の神前結婚式の写真も拝見できた。もちろん公家の正式な衣裳で。(束帯と小袿?)




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建物の造りも当時のモダンの気風が取り入れられているような印象。
これは廊下との間の欄間。




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化粧裏天井。
お寺や商家のお屋敷と違って(どこがどうとはよう言えんが)なんだか雅な。さすがお公家さんの別邸。

向かいの庭では紅梅がつぼみをふくらませていた。

この景色、なんだかよく○○画報とかでモデルさんが立ってる景色に似てるな、と思ったら、しょっちゅうここで撮影があるそうですよ。ここに立てば着物をお召しの方ならぴったりはまる感じですよね。




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こちらは新しく改修したとおぼしき部屋。
和モダンという感じ。低い網代の天井が落ち着く。




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お日さまぽかぽかの日当たりの良い廊下で、愛信堂さんの麩の焼きと加賀棒茶をいただく。




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お庭も拝見できるので、これも楽しい。



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植治の庭らしい。奥まではいかなかったが、ここも東山を借景にできるポイント。



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さて、美しく雅なものたちをみて、気持ちだけはお公家さんになって(^_^;)おうちへ帰ろう。




二つの天神社で梅見 - 2017.03.02 Thu

うかうかしてたらいつのまにか3月になってたわ。
早く梅見の記事をアップしなくちゃ!



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やっぱり北野天満宮ははずせない。1月、大雪の日に来たとき、すでに開花している梅があったが、やはり25日の梅花祭前後が一番見頃。



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ここには梅苑もあるけれど、やはり神社の背景があってこそ梅も引き立つと思うの。




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この季節には花をつけ、初夏に実をつけ、梅干しにして夏には境内で土用干し、そして年末に大福梅としていただく、一年を通して、梅仕事をそれとなく眺めているから、ここの梅は特別いとおしい。




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あざやかな紅梅もよいが、



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やはり楚々たる白梅の方が好きかな。
近くには白梅町もある。白梅町に比べればマイナーだけれど、北野には紅梅町もあるのよ。




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白梅を背負うジュノー(この牛に勝手にそう名付けてます)。
今年もそんなあなたを見ることができたわね。




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三光門のそばのフォトジェニックな角のある狛犬さん。なにせ梅の枝が後光みたいで絵になるのん。




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実はこの日は梅花祭の前日。
上七軒のきれいどころがお茶を点ててくれる会場はちゃくちゃくと準備中。今年は土曜日とかさなったので、すごい人出だったとあとで聞いた。


さて梅見のあとはランチどこでしよう。ここらにくるといつも悩むのだが。



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以前来たときに気になっていた、天満宮東門前の蕪庵(かぶらあん)に入って見よう。

普通の住宅の、玄関脇の部屋を改造してカフェにしているといった造り、中も狭いのだがそれがかえって落ち着くし、手作り感がいっぱいでなんだかなごむ。




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お昼の日替わりランチ、この日のメインはサーモンカツ。
まあこんなもんだろうと、予想したよりはるかに美味しい。ありふれた料理にも一手間かかっていて、意外な収穫にひそかに喜んだのであります。天神さんへ来たらランチはここにしよう。




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で、デザートといったらやっぱりここ、リスボン時代を知っているところのカステラ・ド・パウロ。
大鳥居の東側。



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ここは天神さんに来たらほぼ毎回寄っているな。

お持ち帰りすることも多いが、今日は店内でいただこう。



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カステラよりもパステルデナタ!!(ポルトガルのエッグタルト)
パウダーシュガーとシナモンをふりかけて。これ最高。


さて、もう一つの天神さんは下京区、祗園祭の岩戸山のあたりにある。



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菅大臣社。

観光客はほとんどこない知る人ぞ知る、静かな神社。この地は菅原道真の紅梅殿・白梅殿という邸宅があったといわれ、ほん北側に紅梅殿神社というさらにひっそりした小さな神社、、、というよりはお社があります。


太宰府まで飛んでいった伝説の飛び梅はもと、ここに生えていたんだそうな。



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この日はここの月釜へ。
四畳半の茶室で蹲居をつかって席入り。京都に月釜数あれど、ここは中でも特に好き。意外と知られていない穴場でもあるのよ。




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境内には猫もいる(^o^)



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枝垂れ梅の向こうにかすかに見えるのは道真が産湯につかった、と言われる井戸。



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薄紅の花の雨だ。




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油小路へ続く参道にも見事な白梅。

天神さんというより、なる前の道真さんへ思いを寄せながらそぞろ歩きもまたよし。




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参道の石畳の二箇所に(一箇所はいまいち確信がもてない)、天神さんのお使いの牛の角があるので、是非、みつけてみてね。



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最後はおまけのわがやどの梅。


  我が宿の 梅咲きたりと 告げ遣らば 
        来と言ふに似たり 散りぬともよし (万葉集)


聖護院門跡〜本山修験宗総本山 - 2017.02.24 Fri

今年の京の冬の旅特別公開で、一番うちから近いのが聖護院である。
近すぎていままで中にはいったことがない。




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聖護院、聖護院といって地名だし、聖護院大根も連想するけれど、「聖体護持(天皇をお守りする)」から来たのね。しらなかった。そもそも白川上皇の熊野詣での先達を務めた、三井寺の増誉大僧正が賜った名前だそうだ。さらにその後修験者を統括することになり、全国に2万の末寺をかかえる修験道総本山になった。



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あら〜!
境内の白砂がこんなにきれいになってる!

ついこの前、節分の時はこんなだったのに、、、




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しかし、その修験道も明治になって廃止例がだされ、廃仏毀釈の嵐も吹き荒れたため、多くの山伏が還俗し末寺はなくなった。

還俗した山伏や廃寺がほそぼそと持っていたご本尊や仏像の数々、海外に流出や破棄を免れたものが,聖護院に寄せられた。これらを「客仏」というらしいが、今回それらの展示も同時にみることができる。



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客仏の多くは不動明王だったり、修験道の祖・役行者だったり、修験道の本尊・蔵王権現だったりするのだが、今回の目玉はなんといっても美しい弁財天尊立像(旧才智院本尊)だろう。

お厨子の中、とぐろをまく黄金の龍のうえにすっくと小袿をまとい立つ姿は神々しくも美しい。まるで立雛をみるようだ。高さは1mくらいだろうか。(画像はこちらでも見られます)

女雛がかぶる瓔珞きらきらの冠みたいなものをいただき、夏と冬で袿を変えたそうだ。ところが近年になって、袿の下の小袖・袴を外してみると、陽に当たらなかったため当時のままの鮮やかな極彩色が施された木彫がでてきたらしい。その写真が展示されていたが、これまた美しいこと!よく残ってたなあ。

この像は平成の世まで末寺であった定泉寺の末裔が保管しておられたそうだが、高齢のため聖護院に預けられたもの、常は塔頭の積善院に安置されているそうだ。よく大事にしてこられたものだと思う。同時にこうして消えていく歴史あるお寺の運命を哀しく思う。




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後白河法皇の皇子が入寺されたことから始まり、明治まで37代のうち25代が皇室から入られたというすこぶる付きの門跡寺院。さらに天明の大火で御所が焼け、明治天皇のひいじいちゃん、お父さんになる光格天皇、孝明天皇が聖護院に避難されたことから仮の御所にもなったという格式の高さ。




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本堂には役行者のご本尊、これには前鬼・後鬼という式神がつきそうのが普通らしい。
ご本尊の他にもそれぞれの時代の不動明王、蔵王権現など、修験道に関係する客仏の数々。修験道廃止例以降、天台宗の寺院となっていたが、戦後独立して修験宗を立ち上げたので、仏壇のイメージが一般的な寺院とはかなり雰囲気が違う。

荘厳の金襴の紋が菊の御紋の上に法螺貝という山伏の寺らしい意匠ですてきだったわ。



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もう一つの見所は重要文化財の書院。御所より移築した建物で後水尾天皇デザインの建物。

上座と下座があるが、そのへだてなく多くを聞いて楽しむ、という意味の「多聞室」という後水尾天皇御宸翰の扁額がかかる。

意匠がまた凝っていて、襖は当時の一流の三人の絵師によるもの、棚の持ち送りの透かし彫りやら、ダイヤモンド型がならぶのモダンな欄間や、天皇が愛した笹竜胆の七宝の釘隠や結び文の釘隠、火灯窓のガラス、女性たちがおしゃべりを楽しめるようにと広めに幅をとった下座の床の間など、さすが〜!というほどすばらしい。やはりただものでない、ごみのおさん。




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最後に、聖護院はかつて現在の京大病院あたりまでひろがる広大な森を有し、この森の紅葉が錦の織物のように美しかったことから錦の林=錦林とよばれたそうだ。

うちの娘も数年通った錦林小学校、錦林車庫、ずっと「錦林(きんりん)ってなんの意味やろなあ???」と思ってきたけれど、そういうことだったのか!!
そんな歴史を地名に残す京都って、やっぱりええなあ。




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