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2023-06

恒例・師走の北野天満宮界隈2018 - 2018.12.21 Fri

今年もせわしない師走ではある。



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師走と言えば、毎年ここに来なければならない用事がある北野の天神さん。
天神市やら、梅干しの土用干しやら、梅見やら、月釜やら、ここにはほんとうによくお参りしている。



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これも恒例、来年の干支の大絵馬
イノシシなんだが、手足が馬っぽい(^_^;



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日光東照宮もかくやと(行ったことないけど)思われるきらびやかな三光門をくぐって、、、



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これをゲット
大福梅(おおぶくうめ・だいふくではないよ) 
言わずとしれた北野の梅林でとれた梅、季節毎の梅仕事を経て、お正月に大福茶としていただく縁起物。13日の事始めの日から入手可。



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今年も無事拝領できたことに感謝し、久々にゆっくりどこに何があるか、だいたいわかる境内を散歩。梅の季節には後光がさしているように見える三光門のとこのフォトジェニック狛犬さん。枯木が背景では、ややさびしそう。



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境内に牛の像は数々あれど、一番好きな赤い目のジュノー(心のなかでの呼び名)



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境内の北辺にある末社・摂社のお社



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隣には煩悩のかたまりのような絵馬の塊
なんか怨念がただよってきそうだな(^_^;



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摂社では一番大きな地主神社、ここの後ろにあるイチョウがまた見事で、落葉の頃にはこの屋根が黄色く染まるのだが、今年はみそびれてしまった。

もひとつ、この季節の拝領品で(元旦から〜)、梅の木を剪定した枝、「思いのまま」もおすすめ。
これは水にさしておくと、ちゃんと梅の花が咲くんだよ。



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神社の北東の角から上七軒の通りと、そこから枝状にわかれる五辻通りがある。
西陣の一角で、今でも古い町家がまだ残っている好きな通りだ。以前はここに、ひだまりという町家カフェがあったのだが、なくなってしまった。おちつけていいとこだったんだが。




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五辻通りに面して千本釈迦堂(大報恩寺)がある。大根炊きで有名なんだが、今年は行きそびれた。なんでも大根食べるのに1時間以上並んだ、といううわさをきいた。昔はそうでもなかったと思うが。



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春に美しい枝垂れの、おかめ桜もこんな感じで、春の盛りの姿を想像するのみ。



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ちなみになにげに建っているこの本堂、鎌倉時代の建築で(洛中最古)国宝なんよ。
とくとご覧あれ。

それからさらに東へ、行ってみたいカフェがあるのだ。



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↑これ

ってどれ?って思うよね。

これ↓


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なんともまあ、不思議な立地のヱントツ珈琲舎
残念ながらまだ開店にはちょっと早すぎた。中にはいるのは今後の課題としよう。




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入り口のドアのガラスに「まぼろし探偵社」とか、、、



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なんともそそる建物である。




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上七軒の老松さんで上生菓子を買って、、、




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昭和の雰囲気漂う、かつて市電が通っていたという(さすがにその時代は知らない)北野商店街を通って家路についた。




勅封般若心経1200年戊戌開封法会〜大覚寺 - 2018.11.27 Tue

奥嵯峨・大覚寺

60年に一度だけひらかれる扉が今まさに開いている。



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明智門
明智光秀が居城としていた亀山城(現・亀岡)の門を移築したもの
大覚寺宗務所と華道嵯峨御流の本部へ続く入り口

再来年の大河ドラマが明智光秀が主人公とあって、ここもきっとロケに使われるのだろうなと思う。



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そしてここも明智陣屋、亀山城の移築である。
今回ご縁をもってこちらから入らせていただき、お坊様の説明付きで拝観



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さて、その60年、戊戌(ぼじゅつ・つちのえいぬ)の年である。
時は弘仁9年(818年)、時の帝、嵯峨天皇は全国におこった干ばつや疫病を憂い、これを、まさにおさめんと、弘法大師のすすめのもと、般若心経に帰依し、紺地に金字で心経を書写した。




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するとたちまち疫病はおさまったという。
この霊験あらたかな般若心経は勅封され、秘蔵されることになるのだが、その弘仁9年が戊戌の年であったため、60年ごと戊戌の年に勅使によって開封され開封法会として公開されるのだ。
今年がその戊戌の年、10月から今月末まで、それが公開されている。嵯峨天皇が書写されてまさに1200年、そして私には最初で最後の拝見のチャンス。(さすがに今から60年先は生きちゃいね〜)




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勅封心経殿
大覚寺に来るたびに目にしてはいたが、そうか、この建物であったか。
こちらに嵯峨天皇御宸筆般若心経が。ここに入るためにたくさんの人が行列を作っている。



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入殿に先だって、手に塗香して清める。

ガラスの向こうに1200年たったとは思えないくらい美しい金字の心経が。
嵯峨天皇は平安の三筆のひとりであるから、その字の美しく気品あることは言うに及ばずだが、撚りを掛けない絹糸で織ったという紺地がまたすばらしい。
巻頭に阿弥陀三尊?釈迦三尊?が描かれていたらしいのだが、これはどんなに目をこらしてもよく分からなかった。




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(嵯峨菊が境内のあちこちに。さすが嵯峨御流の本家)


のちに宝物殿で、近代技術を駆使して復元した心経を拝見したが、書かれたばかりの頃はこんなに金字も鮮やかで、阿弥陀三尊も金色に輝いていた、というのがわかる。
勅封は嵯峨天皇を嚆矢として、他にも宝物殿に開示されているのが後光厳天皇、後花園天皇、後奈良天皇、正親町天皇、光格天皇の般若心経。でもやはり、嵯峨天皇のがダントツやわ。




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大沢の池には枯れ蓮がわびしさをそえる。
(1年前、ここで池に舟をうかべて茶会をしたのが懐かしい)

桓武天皇(父)ー平城天皇(兄)ー嵯峨天皇(弟)の系譜は、親子の確執やら薬子の乱やら権謀術数がうずまいた時代でもあった。そんな時代を生き抜いた、そして空海大好きだった嵯峨天皇の時代にはるかに思いをはせる。




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あとは境内で、奥嵯峨の紅葉を楽しむ。


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ここは今年の、関西をえらいめにあわせた台風の直撃を受け、被害が大きかったと聞くが、まさに倒木がそのままだったり、折れた木の切り株だけが残ったりで、その爪痕はいまだに残っていた。



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恒例の中秋の名月観月宴も中止になったが、お聞きするに竜頭鷁首の舟が沈没したのだと!
さらに宸殿の半蔀を閉めなかったために、奥の狩野某の襖絵の襖がみなぶっとんだとか。あっというまの出来事だったらしい。



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それでも今は心静かに。
般若心経、紅葉の美しさにこころ洗われるひとときであった。



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人出は多かったが、人混みをすりぬけ特別にご案内いただいたのはNK様のおかげにて、帰りにさきほどの紅葉かとみまごうお菓子まで頂戴した。感謝感謝、そして合掌






4年ぶりに河井寛次郎記念館 - 2018.11.03 Sat

馬町あたりへ来たので、久しぶりに河井寛次郎記念館へいってみた。
前回来たのは、寛次郎のお孫さんで、ここの学芸員をされている鷺 珠江さんを囲んで寛次郎の茶碗でお茶を楽しむという会だった。




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棟方志功筆、黒田辰秋作の「河井寛次郎記念館」

ここはとても好きな場所で、京都に移住する前からよく訪ねた。特に京都に家を作るに当たって、レベルこそ違え、なにか参考になるものはないかときょろきょろ。実はそういう方は多いらしい。




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寛次郎一家のだんらんの場所であったという1階の囲炉裏ばた。

寛次郎が設計し、島根県安来町(出身地)の大工の棟梁であった兄が建てた重厚な、それでいてあったかい家。椅子やテーブル、家具もひとつひとつ寛次郎が設計し作り上げた物。




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囲炉裏の向かいのテーブルには寛次郎や、民藝関係の雑誌や書籍がたくさんおいてあるので、ここにすわって、まるで自分の家みたいにくつろぎながら読書。ここはほんとうに落ち着く。




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陶房と母屋の間にある中庭からの母屋の眺め。
この日はまったくの秋晴れであったので、、、




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縁側では、いつもどこからとなくやってくるというサビ猫がお昼寝。カメラをむけてもあくび一つしたあとはコチラを全く無視して爆睡(^_^;
気持ちよさそうだな。猫になりたい。




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二畳ほどの小部屋が居心地良さそうと思ったら、ここ本来は茶室だったんね。いいな〜。
なにより、この李朝っぽい風炉が、、、ほしい!



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素焼きをする小さな窯のその奥に、



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寛次郎愛用の登り窯

京都市内では環境問題とて、窯場が次々となくなり、みんな山科の方へ引っ越していったのは少々残念でもある。昔は煙や炎をだしていたのだろうな。




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ここで轆轤を挽いたり手づくねしたりした、寛次郎の陶房。今もって彼の作品がたくさんおかれている。
我が愛する高麗茶碗、それへ導いてくれたのは、民藝であったから、民藝の旗手のひとり、寛次郎の茶碗が欲しい!とひところ思ったが、とても手がでない値段であったので、あきらめてそのまま。




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さて、母屋へもどろう。
このタイル張りのレトロな洗面所も萌えポイント。



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二階から囲炉裏端をみおろす。
ここはたくさん人がおしかける観光地ではないが、陶芸に興味がありそうな外国人の姿が多かった。熱心に英語の陶芸の本をずっと読んではった外人さんも。



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二階の踊り場は日当たりも良く、ちょっとした応接スペースにもなっている。
あ、寛次郎先生のお写真。

  「暮らしが仕事 仕事が暮らし」

このお言葉は実に深いですね。



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ここは読書スペースであったでしょうか。居心地よさそう。



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この家の、どこにいてもの明るさは真ん中に設けられた吹き抜けにある。この二階から一階を見下ろす、という仕掛け(?)が欲しくて、規模は小さいながら参考にさせていただいたな。



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そうこうするうちに今もって現役の、この家の新築祝いに柳宗悦から贈られたという柱時計がボーンとのどかに時をつげたのであった。




梅湯ツアー〜旧五条楽園散歩 - 2018.10.15 Mon

新旧乙女でサウナの梅湯ツアーをいたしました。




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実はこの銭湯が建っているのは五条楽園という、まあいえば遊郭がつい最近まであったところです。2010年警察の手入れがあって以降、ほとんどの「お茶屋」が廃業してしまったので、その昔のその筋の建物が廃墟っぽく残っていますが、それ以前はちょっと足をふみいれることができない場所でした。(今でも某指定B団の事務所あるし)

そんな場所にあった老舗銭湯、数年前廃業されようとしたときに、受け継いだのが20代の若者だった、ということでちょっと有名になりました。この方にさる飲み屋さんでお目にかかったことがあり、一度は行きたいと前々から思っていたのですが、声をかけたら「私も!」という乙女が数人、で、ならば梅湯ツアーを、ということに。



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昔の銭湯の番台は男女湯両方見渡せる場所にあったけれど、そこはリノベーションして、番台だけ独立型。入浴グッズも完備なので、手ぶらで入れます。
脱衣所なども手作り感あるリノベ、そしてドライヤーとか、クレンジングとかローションとか、使いやすい工夫があちこちに。でも脱衣ロッカーはレトロな昔のまま。学生時代は銭湯にほんまにお世話になったので、懐かしい!

湯船につかってほんまにほかほか。サウナもあるけど、私は苦手なのでパス。
ここの客層は、昔っから愛用している地元の方々(五条楽園にも普通の民家があるとは実はしらなかった)、若干年齢層高し、と国内外の観光客もけっこういるみたいです。

湯からあがったら、これもリノベされた二階で休憩できるので、サイダーとか、お約束の珈琲牛乳とかマミーとかゆっくり飲めるのです。ここの窓ガラスは古いなみなみガラス(波打っている)で良い風情。




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経営者がお若いので、いろんなアーティストや職人さんとのコラボで、梅湯グッズも販売、タオルは迷わずゲットしました。ほかにケロリン洗面器がすっぽりはいるビニール引きのトートバッグとか。
帰りは彼が番台にいなかったっけれど、「ボイラー室にいます」の札に、がんばってや〜と思わず声をかけたくなりました。



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風呂上がりには高瀬川向かいのキコク食堂へ。
キコクとはすぐ向かいにある枳殻邸(渉成園)からきた名前でしょう。




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良い味出してるおっちゃんがやってる食堂で、メニューが昭和でなかせます。
ビール飲みつつあれこれ注文、フライ系が多くておいしいのだけれど、



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唯一首をかしげたのが「シュウマイのフライ」
なんでシュウマイをフライにするかな〜(^_^;
あとラーメンではなく中華そば!!めちゃ美味しかったです。



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そのあとは風呂上がりほろよい加減で夜の旧五条楽園散歩。ガイドはかつてご近所に住んでた乙女。
昔なら考えられんことやけど。

これは高瀬川べりに近所の住民が勝手においたとおぼしき涼み台?ここで川風にふかれるのも気持ちよいです。



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本来ならばツアーの予定にはいっていた「眼科・外科医療器具歴史博物館」、これも行きたかったのですが現在休館中。歴史を感じさせる仕舞屋でしたが。



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あとは迷路のような楽園をぐるぐる。

これもその筋のお茶屋だった建物。廃業後ゆえ、まっくらですが、建物的には雰囲気があります。こんなお茶屋建築がたくさん廃墟となって残ってますが、これを観光資源として利用しない手はないので、数年後にこれは旅館とかレストランとかカフェとかになるのではないかと思います。今でも楽園内の小さな飲みやさんとか、外国人観光客がたくさんはいっていました。



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そしてあの任天堂の旧本社もこの五条楽園にあるのです。



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建築は昭和8年とか。


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お茶屋建築と同時にたくさんのこっているのがタイル張りの壁が特徴のカフェー建築。
おしゃれなカフェじゃなくて、女給さんがサービスしてた時代のカフェーです。それが今じゃほんまのおしゃれなカフェにリノベ。



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楽園で遊ぶ前後に利用した人も多いのでしょう。でもかわいい。



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こんな建物をウォッチングするのも現在ならでの楽しみ。写真もたくさん撮ったのですが、真っ暗すぎてこのくらいで。あとは是非、梅湯につかりがてらおでかけください。



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ツアーの最後は五条近くの鴨川の河原で鴨茶。
乙女のMちゃんが道具一式をさらっとだしてあっというまに茶席のできあがり。鴨川眺めながらのお茶はいつもながら大変美味しいです。




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そしてお茶している横をとおりすぎる通行人も、「まあ、鴨川だからね」とやさしくスルーしてくれるのが京都のいいところ。鴨川万歳!です。

残念ながら月は見えませんでしたが、楽しい乙女ツアーでありました。みんなありがとう。






「Purus Terrae 浄土」〜現代作家が描く大徳寺・真珠庵襖絵 - 2018.09.09 Sun

イラストレーター/アートディレクターの上国料(かみこくりょう)勇さんのお名前をはじめて知ったのは、大徳寺真珠庵とのゆかりも深い、宗和流宗匠の茶事の折であった。
待合にかけられた色紙は、彼が茶事に招かれた折、観音菩薩の姿を墨でささっと即興で描いた物であったが、古美術の観音ではなく、かといって現代的な解釈でもなく、なんとも魅了されてその作者のお名前を覚えた、というわけである。




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(真珠庵・一休宗純を開祖とし、一休から圜悟克勤墨蹟を拝領した村田珠光作庭の庭、金森宗和好みの内露地茶室・庭玉軒がある)



聞けばファイナルファンタジーのアートディレクターとしてその方面では有名な方だそうだが、いかんせん、ジェネレーションギャップでFFが何かを私はいまだによく知らない。

その上国料さんが真珠庵の襖絵を描かれ、9月から一般公開、という。これはいかずにおくべきか!



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その前にNHKのスーパープレミアム特番「大徳寺真珠庵 現代絵師たちの格闘」も拝見。なるほど、そういう苦労話が、、、と納得した上でさらに気持ちはもりあがるのである。

ちなみにこの襖絵プロジェクトに参加された作家さんは上国料さんの他に

北見けんいちさん、、、皆様ご存じ「釣りバカ日誌」の漫画家
山賀博之さん、、、映画監督 「エヴァンゲリオン」の制作会社
濱地創宗さん、、、日本画家で僧侶
山口一也さん、、、美術家
伊野孝行さん、、、イラストレーター Eテレアニメ「大人の一休さん」担当

いずれも真珠庵が所有する長谷川等伯らの方丈障壁画が修理にはいったのをうけて、襖絵を新調するのに和尚さんが請来された作家さんばかり。しかし、よくこんなメンツを選ばれたとビックリする。一体どういう調和がうまれるのだろうか。




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真珠庵の前の大木には台風被害の爪痕が。
折れた木のいたいたしい姿はあったものの、大徳寺の広い境内は今日は倒木などもまったくきれいにかたづけられていてお見事。




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まず入った本堂に北見けんいちさんの「楽園」が正面左右の3面
総カラーであの漫画の雰囲気がそのまま。浜ちゃんとすーさんまでいてるし、後姿で黄昏れて?いるご住職の姿も。これもNHKの特番で拝見したが、いろいろ思い入れもあり、ご苦労もされたようである。ただ、感想はちょっとむつかしく、意見が二つにわかれるかな、といったところ。

檀那の間の山賀さん、「かろうじて生きている」墨絵
のども裂けよとばかりなく海猫の顔と中央の円相(海のテトラポットの上)が印象的。

衣鉢の間の濱地さん、「寒山拾得」ほぼ墨絵
4本の銀杏(だったか?)の木のはしっこにそれぞれかくれんぼでもするような寒山拾得
空間の取り方がとてもよくて、好きだわ,この絵。落ち葉のおちる微かな音や、拾得の箒の音がきこえるような気がする。

仏間の山口さんは本来は本堂の下の袋戸棚の扉絵 「空花」
深い青と黒をかさねたような背景に銀色の星?この作品をつくるあたって、和紙をご自分で漉くことからはじめられたという。

大書院は伊野さん そのまま「オトナの一休さん」がマイクをもって、小僧さんや森女とおぼしき女性の鼓や琵琶などにあわせて絶唱。焼き餅を焼く他寺の和尚さんや、骸骨まで木のかげからのぞく。
これも100年後かつての風俗として語られるだろうか。



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全く、和尚様の頭と感性の柔軟さに驚くばかり。

そして最後の礼の間、私的にも真打ち!上国料さんの「Purus Terrae 浄土」




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(買った絵はがきをそれ風にならべてみた)


う〜ん、これがやっぱり一番見たかった!
なんという宇宙観。
(奥様がモデルという)蓮ではなく彼岸花の座の上にすっくと立つ観世音菩薩、腰のあたりに飛行機関か、と思わせるような半円のわっかをまとって不思議な宝冠をいただく。来迎のお姿か。
来迎の雲をひきつれ(ようしらんがEXILEの某がモデルという)風神雷神がこれに従い、琵琶をかかえカモシカとコウノトリ?を従えた弁財天。
中空には不思議な建物がいっぱい建っている空中都市がごとき浄土の船がうかび、ここに載るのは阿修羅か?




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左手の面には黒雲を背負った不動明王、既成概念の龍にはほどとおい不思議な龍をしたがえ宝珠を持つ龍王、白狐(おいなりさん)にのる咤枳尼天はまだあどけない少女の顔。

これはなんだ、、、そう、夏の旅行でさんざん見てきたヨーロッパの近世絵画、宗教絵画と比せられるものではなかろうか。技術的なすごさもさることながら、その世界観が圧倒的。さすがファイナルファンタジー!(ようしらんけど、、、(^_^;)

まだこれから加筆もされていくという。
これは本物を是非間近で見て欲しい。新たな発見がいくつもありそう。

一般公開は12月16日までだが、終わりに近づくにつれ、時間予約じゃないと拝観できなくなる可能性もあり(聚光院の狩野永徳の襖絵もそうだった)、早めに行くのがおすすめ!



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大徳寺にきたときのお休み場所は、町家カフェのはしりのここレモン館(ランチも可)か、15時〜だけど和菓子とお酒、またはお茶、の狐庵。最近もっぱらここらへんです。







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