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2023-06

修二会2018〜3月13日〜お松明、走りの行、香水給わり、達陀 - 2018.03.16 Fri

若草山をのぞむ大好きな景色




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今年のお水取りは3月2日に若狭の鵜の瀬までお水送りにきっちり行ったから、なおさらはりきってでかけるのである。




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二月堂

3月13日、これに先立つ深更に、閼伽井屋の若狭井でのお水取りがおこなわれた日。その明くる日にあたり、修二会の行も残すところあと一日、という日だ。




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若狭井がある閼伽井屋
2日にお水送り見ましたけど、ちゃんとゆうべ届いたのですね。(とイメージした方が楽しいよね)




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鵜の瀬から時空をとんできて、若狭井があふれるときにともに出現した白黒の鵜のお姿が閼伽井屋の屋根にある。




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じっと待つこと2時間
しかし今年はほんまにあったかい。お水取りがまだおわっていないのに、、、といぶかしく思うくらい。

今回はお松明のあとのお堂での走り、達陀が目的だったので、なるべく正面の西の局の場所を確保すべく、お堂直下でなく、参道階段に近いところに場所とり。




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三度の案内の声を聞いて(3度目は「出仕の案内(あない)!」「承って候!」)
いよいよ北の回廊を上ってくるお松明
た〜んた〜んたんたんたたた、、、という練行衆が内陣にはいる差懸(さしかけ)の音も忘れずに耳を傾ける。

こういう音も音楽的で楽しみたいのだが、いかんせん周囲のおばちゃんの声がうるさくて〜(´・_・`)





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北に上がり南の欄干の端まで走るお松明

今年も無事、見ることができた。私にとってはスパンのとっても短い「不退の行」ですわ(^_^;




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今年はやや遠景



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それでも火の粉は少しだけ飛んでくる。美しいながめ

達陀のある日(最後の3日間)は参拝客も多いので、規制が年々きびしくなるが、なんとかお堂正面の西の局に潜り込み成功!すでに参拝客でぎゅうぎゅう。(数時間前にいっとかないと、場所とれない。)

これから約5時間あまりをお籠もりする。




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その前に、場所を確保してちょっと用足し。
茶所は最後の3日間はミニ食堂に早変わりするので、軽食をとることもできる。




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他の日は使われない竃にも火が入り、大釜に湯もわく。これも3日間だけのお楽しみの風景だ。





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瓜灯籠


二月堂のお堂には東西南北に局があり、女性でもここまでは入れる。格子の向こうに内陣、外陣が見え、外陣には男性の参拝客(東大寺所縁の招待客のみ)のみ

昨年は南の局でお籠もりしたが、寝ると死ぬぞ!と思うくらいの寒さであったがな、今年のあったかさはどうなんだ。防寒グッズ山ほど用意したが用がなかった。

13日はまず神明帳、「○○の大明神、XXの大明神、、、大明神、、、」と歌うように続く。遅参して若狭井を湧かせた遠敷明神もよばれているはず。




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カラコロと鈴の音、法螺貝の音、差懸の音、声明の声、とくに「南無観 南無観 南無観、、、」のいわゆる南無観コーラスは何度聞いてもいい。般若心経もふつうのメロディーとちょっと違って音楽的で、これも耳にここちよい。
今年もお声に艶があってすごくいい上司永照師が大導師で入堂されており、お声を聞き分けることができた。

正面なので、戸帳がよく見える。その向こうの灯明に描き出される練行衆の影が幻想的で、視覚でも楽しめる。

走りの行は23時ごろから

最初は差懸の音をひびかせて戸帳(白い粗い目の長い布)の向こうで練行衆がお堂のなかをぐるぐるまわるのだが、いつのまにか差懸の音が消えている。
練行衆が足袋はだしでだんだんスピードをあげてぐるぐる走る走る。

 兜率天での1日は人間界の400日にあたる。少しでも天上界に近づかんと、走るのだ。
咒師の「しっちへん!」というかけ声で1人が外陣にとびだし五体投地をする板、バンバン!という音。

和上(練行衆の中の四職の一つ)が「御帳をあげはんべれ〜!」と声を上げると、兜巾、篠懸の格好を許された堂童司が、外陣と内陣をへだてる戸帳をまずふわっとひろげる。そしてきりきりきりと独特の作法で巻き上げてゆく。たくさんのお灯明が燃え明るいので、はっきりと内陣の須彌壇の前に山型に積まれた壇供の餅や糊こぼしの造花の荘厳がくっきり見える。これは兜率天の様子を参拝客にみせているのだという。


走りの行のあとは香水給わり
これも数年前いただいたことある、、と思ったらすでに5年前のことだった。

今回は鵜の瀬までいったので、その水をいただけるのでは、、と思ったが、参拝客にふるまわれるのは昨年の香水なんだそうな。残念。ちなみに練行衆にはその年の新しい香水が与えられる。

「礼堂に香水参らせ〜」

これを合図に格子にかけよって手をさしだす。
(↓小学館の「東大寺お水取り」より)



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長い柄の付いた唐銅水杓で手のひらにたっぷりいただいた。口に含むと甘露、今年はひとしお感慨深い。

午前1時頃、いよいよ達陀

これも数年前南の局から(いっぱいで西にははいれなかった)端っこの方でかすかに見ることができたのだが、今年は堂々真正面から。西の局から内陣までの距離は短いので、思った以上の迫力。

咒師が四天王勧請、四方にて場を浄める四方加持ののち、八天の加持。 

八天は水天(水を撒く)、火天(火の粉)、芥子(ハゼ)、楊枝(楊枝)、大刀、鈴、錫杖、法螺

1人1人が小走りにあらわれ、身をかがめて何回かはずみをつけたあとピョンと跳び上がってはそれぞれの呪物まいてはすばやくひっこむ。

このときのはずみを付ける動作が蛙を連想させてとてもユーモラス、一体どこからこの所作はきたのだろうか。不思議でしょうがない。(これも由来がわからないそうだ)

下の写真(小学館)はたぶんハゼを撒いているところ




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そのあと達陀のクライマックス、3m、40kgある杵型の達陀松明をひきずって堂内を一周した火天と、洒水器と散杖をもった水天のせめぎあい、「ブ〜ン、ブン。ブ〜ン、ブン。」という独特の法螺貝のリズム、とびちる炎、、、もうただただ美しかった。

最後に局の方に向けて放り投げたたきつけられる松明、圧巻である。


興奮さめやらぬなか、この日の行を終えた練行衆が「ちょうず、手水〜」とさけびながら下堂、午前1時半である。











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練行衆が参籠所にお帰りになった後、せっかく本当の若狭の遠敷明神へ、今年はお参りしたのだから、(おそらく)分社の二月堂上にある遠敷明神にお参り、私の中で、今年は若狭と奈良がつながった。



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一段高いところにある遠敷明神から眺める瓜灯籠




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お松明が登ってきた北の回廊をおりて帰途につく。




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練行衆の体をささえる食事をつくる湯屋の夜の景色もとても好きだ。




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裏参道からの帰路




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輪注連の懸かる塔頭発見、ここの方が練行衆に出仕されているしるし。




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というわけで、、、、今年はお籠もりに重点をおいて西の局ゲットのため、お松明の燃えさしあつめははしょってしまった。参籠所の前で、かろうじて見つけた小さな燃えさしのみ、これが今年の戦利品である。


お水取りはおわった、春が来る、、、いやもう十分来ているよね、今年は。





若狭・お水送り2018〜後編 - 2018.03.06 Tue

若干時間は逆戻りするが、こちらは若狭神宮寺の閼伽井屋




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こちらの閼伽水が鵜の瀬で献じられ、二月堂若狭井に届く、、はずである。




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二月堂の若狭井は固く秘密にされてみることができないが、ここ、若狭の閼伽井屋はおおらかだ。中へ入って、水を飲むこともできるのだ。まだ修二会で清められて御香水になる前だからいいのかしら。


さきほどの本堂の中では修二会(薬師悔過法、こちらは薬師如来なのね)がおこなわれている。見ることはできないが中の様子はマイクで流される。これもおおらか。

修二会の達陀(だったん)も有名だが、こちらでも法要の最後に達陀がおこなわれ、火天が達陀松明を振り回すのは見ることができる。







法螺貝の音や火のはじける音は二月堂で聞くものと同じでなにやら懐かしい。



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火天の火は松明にうつされ、、、、



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大護摩法要の元火となる。
二月堂の法要より、若狭のは修験道の色彩が濃い。四方を浄める法弓の矢をねらったが、ゲットできず残念(´・_・`)




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気がつけば境内は人でぎっしりだ。



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大護摩の火は大松明にうつされ、いよいよ鵜の瀬まで、1.8kmの松明行列開始!



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まるでKKKみたいな装束(^_^;



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このうちの誰かが御香水を持っているはずなんだが、シャッターチャンスを逃した。
大松明、法師一団が出発した後はいよいよ中松明の出発。護摩壇の火を順次つけていく。









中松明はだいたい3〜6人くらいでかつぐ。
うちらの中松明はおばさん3人、おじさん1人でかつぐ。これがけっこう重い、、、1.8kmかあ、、、がんばれ!

しかし、これ何かに似ている、、、と思ったら、そうだ、鞍馬の火祭だ。
調べれば,鞍馬も(ついでに水の貴船も)、若狭彦・姫神社〜比叡山〜東大寺〜熊野本宮の東経135度にほぼ乗っているではないか。これはほんとに不思議だ。

修二会をはじめた実忠和尚は印度僧といわれてきたが、拝火教(ゾロアスター)のペルシア僧だったという節もあり、火の祭の系脈はそんなところからきているのかもしれない。





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ほぼ満月のもとの中松明の行列。
この後に約3千人といわれる手松明の行列が延々と続いて、これが美しい景色なんだそうだ、、、そう、中松明かつぐのに精一杯で、見る余裕がなかった!!残念!!




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ちょっとだけ、手松明の遠景(^_^;




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うちらの松明。
松明は追い越せないので、前がとまるとこうやって松明を立てて休憩。




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前を行く松明からほとばしる火の粉、道におちてはぜる火の粉、、、人工の灯りのない道にそれがとても美しく、しばし松明の重さを忘れる。




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ようやく鵜の瀬に到着
向こう岸ではすでに松明に火が入り遠敷川の水面を照らす。




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ここでもまず護摩供養
ほんとうに修験道色濃い




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そして行衆は対岸にわたり、いよいよ送水神事のはじまり



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し、、、しかし、、、松明のスモークであまりにも見えへん!

水師が送水文を読みあげ、その紙をはらりと鵜の瀬に流し、ついで法剣で浄め、御香水を鵜の瀬に注ぎこむ(かろうじて肉眼では見えたが、画像は無理がある)









御香水が注ぎ込まれた瞬間、ひびきわたる法螺貝の音




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パンフの写真を載せておくので、だいたいこんなもの、と想像してね(^_^;



 
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激しい流れの鵜の瀬
10日後に無事、東大寺二月堂若狭井に到着しますように

鵜の瀬から道へ上がる途中に紙コップにお酒をついで待っている人たちがいて、出仕者や参拝者に御神酒のふるまい、これを立ち直会というのだそうだ。




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また若狭神宮寺まで帰る道はほんとうに真っ暗で、行灯の明かりだけがたより、この「下根來」というのが鵜の瀬の地名であり、八百比丘尼の出生集落である。

いや、ほんとうに良い経験であった。美しい景色も見た。奈良ほど参拝客は多くないし、規制もゆるいので、お水送りもやみつきになりそうな気がするわ。



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夜は宿に一泊して早朝、有明の月とともに始発で仕事に向かったのだが、これは夜が明けてきた頃の敦賀駅の風景。
家を出たとき、京都は春だったが、ここはまだまだ雪解けころの早春の風情






若狭・お水送り2018〜中編 - 2018.03.05 Mon


お水取りの水を送る、その鵜の瀬がこちらである。




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大雨のあとなので、遠敷川は増水し濁っているが普段はもっと水は澄んでいるそうだ。



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すでに報道陣の特別席が最前列にもうけられていて、川岸まではいけないのがちょっと残念。




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お水送りがおこなわれる一連の行事に修験道の護摩焚きがある。川べりに用意された護摩壇。




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川に浮いている行灯みたいなものに「鵜の瀬」の文字。夜、ここで若狭神宮寺の閼伽井屋の水が投入され、10日後、二月堂の若狭井に届くといわれる。




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川べりに用意された松明。
水と火の祭(儀式)が予想されわくわくする。




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漫画「陰陽師」では、ここから清明が瓜を流し、それが水中洞穴にひきこまれるように描かれていた。



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若狭彦・若狭姫二神をお守りする若狭神宮寺。
ここでお水送りの松明行列に参加するための手松明を購入できる。参加者は手松明に火をともし、ここから先ほどの鵜の瀬までの約1.8kmを行列して歩くのだ。




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参加者は手松明にそれぞれ願い事を書く。




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こんな感じで持って歩く。道は長いし,夜はひえこむし、火花もとんで服に穴をあけるので、みなさん、防寒、防火花対策ばっちりで。



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私は手松明ではなくて、わりと大きい中松明を4人でかつぐことにした。
中松明の担ぎ手はこの法被を貸してくれる。団子のように厚着した上にレインコート、法被、ともう身動きとれないくらいに着ぶくれて、、、でもビジュアルはもうどうでもいいの、、、、




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そろそろ暮れてきた境内に、若狭神宮寺の修二会、達陀、大護摩を見るためにたくさんの人が集まってきた。




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これは松明行列の先頭に立つ大籠松明、その向こうに見えるのが今宵担ぐ予定の中松明だ。意外とでかい、、、はたして大丈夫か?




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日も落ちて白装束の、行事を司る人たちが本堂に入っていく。いよいよ炎の行のはじまりだ。

(つづく)





若狭・お水送り2018〜前編 - 2018.03.04 Sun

東大寺二月堂修二会はずっと追い求めるテーマ(というか単なる物好きなんだが)で、ここ20数年来毎年どこかの日に行っている。そして毎年何かしら新しい発見があるのでますますのめりこむのだが、ここ数年来、二月堂の若狭井にお水をおくる若狭のお水送りに行きたいな、、、とずっと願っていた。今年、曜日並びがよいので、思い切ってでかけることにしたのである。


ご存じのように、3月12日、修二会のクライマックスお水取りは、二月堂前の閼伽井屋の中にある若狭井から香水を汲み上げる絶対秘密の儀。その若狭井にわく香水はその10日前、3月2日に若狭の国の遠敷川(おにゅうがわ)の鵜の瀬からおくられてくるとされる。


修二会をはじめた実忠和尚が全国の神を請来したときに、釣りに夢中で遅れた若狭の国の遠敷明神がおわびにご本尊・十一面観音に聖水を送ることを約束、そして二月堂前の大岩をうがって白黒2匹の鵜とともに聖水が湧き出たという。これが若狭井である。
(ちなみに本堂の裏にも遠敷神社がある)


若狭の鵜の瀬には地下に水の道があって東大寺につながっていると信じられているが、現実的に考えれば鵜の瀬の水は日本海にそそぐだけである。しかし、そんな伝承が生まれた背景には、若狭の地理的歴史的条件がある、というのは民俗学者、歴史学者の研究テーマであるし、八百比丘尼伝説や、徐福伝説など不老不死の伝説がたくさん残るのも若狭で、それもまた実におもしろいのだ。

今回ガイド役をつとめてくれた方は、つねにコンパスを携帯し、神社がどちらの方向をむいているか意識してまわる、とおっしゃっていたが、なぜか若狭にはコンパスが狂う場所や時間がいろいろあるらしい。丹(に=水銀)の産地でもあることから地質学的にもおもしろい場所である。




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若狭の国、福井県小浜、ここへ来たのは40年ぶりくらいだ。
当時もたくさん散在する寺にあちこち詣でたはずなのだが、とんと記憶がないところが悲しいところ。

まずは若狭彦・若狭姫の夫婦神の渡来からはじまる。
海からやってきたと思われるこの二神は唐人の姿をしていたと言われ、朝鮮半島・大陸にひらいたこの地には渡来人・海人(あま)族がたくさん来ていた歴史とかさなる。鵜の瀬に降臨した二神はのちに若狭彦神社、若狭姫神社へ鎮座された。





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若狭姫神社
大きさや規模から言うとコチラの方が若狭彦神社よりりっぱ。門は真東を向き、春分秋分には鳥居越しに朝日のご来光をを拝めるらしい。




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修二会に遅刻した遠敷明神ゆかりの遠敷神社はこの若狭姫神社の古称という。




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本殿のそばにそびえる見事な千年杉。




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境内は空気にも土にもなんとなく水の気配を感じる。湧き水は飲むことができるので、一口いただく。甘露。
若狭自体が水脈が豊富な場所であり、この季節は雪解け水もあいまって、よけいに水の気配を感じるのだろうか。

そして二月堂のご本尊、十一面観音はまさに水の性の仏様である。(左手に水瓶をお持ち)修二会において水が大きな役割をはたしているのもうべなるかな。





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ついで若狭彦神社。
ここには二本の大きな杉の大木が参道をはさんで立っており、これが鳥居の役割をはたしている。現在の鳥居の原型はこういうものであったろうとのこと。




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前方は拝殿かなにかの跡らしい。

本殿の屋根の上の千木と鰹木はそれぞれ男神、女神で違うそうだが、ここではなぜか若狭彦なのに女神仕様になっているそうだ。長い歴史の途中でまちがったのか、もともとここが若狭姫の方だったのか、まったくわからないというのもおもしろい。(姫の方が彦よりりっぱだったのはそれ?)




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この境内には溶け残った雪がまだわだかまっており、あふれる地下水も量が多い。やはり水の国だ。




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この平城京を中心とした五芒星は有名で、漫画「陰陽師」でもでてきていたのだが、まことに興味深い。

お水取りのはじまり遠敷明神こと若狭二神の神社〜平安京・比叡山〜平城京・東大寺〜吉野金峯山寺〜熊野本宮は、東経135度にみごとに一直線にならんでいるのだ。(参考→


お水送りの水の流れはこの直線上の流れでもある。
この道は仏教や大陸の技術・文化・人の伝来の道でもあり、御食国(みけつくに・朝廷へ食材を献上する土地)の若狭から海産物が朝貢された道でもある。(特に塩、それから鯖!鯖街道の入り口だもんね!)その道が仮想の地下の水の道を生んだ、と考える学者も多い。

東大寺開山の良弁上人がこの鵜の瀬上流の土地出身であった、という伝説(?)は今回初めて知った。(鵜の瀬下根來に住んでいた子供の頃、鷲にさらわれ、杉の木《良弁杉って今も何代目かがある》にひっかかっていたところ、僧たちに助けられ、のちに東大寺開山した高僧になったという)
奈良と若狭のつながりはこんなところにも!





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ついでに不老不死伝説の方も。
こちらは空印寺にある八百比丘尼入定の場所と言われる洞窟で、中へはいることができる。まっくらだが。




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人魚の肉を食べたばかりに若い姿のまま年をとらず800年生きた少女は、全国津々浦々、橋をかけたり、寺を修復したり、椿を植えて行脚したという。そんな椿の末裔か、洞穴のそばにたくさん咲いていた。





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