オランダ・ベルギー紀行2018〜その9・ブリュッセル近郊の古城ホテル - 2018.08.20 Mon
旅行記の最後にブリュッセル(正確には近郊)のホテルもなかなかよろしかったのでご紹介。

ブリュッセル中心部から厄13km、車で15分というところ、17世紀に建てられたお城(詳細不明)であった建物をホテルとして利用している Kasteel Gravenhof。
庭園が半端なく広くて、朝夕に野鳥も憩いにくる。
裏庭にはうっそうとした小さな森もあって、ここで鴨だけでなくアオサギもみかけた。
宿泊客はそれほど多くなく、むしろ近くの人たちがパーティーなどをして楽しむ場所のようだ。
広い庭園のガーデンパーティー、、、いいな〜。
ある日などはちょっとドレスアップした人たちが夕刻カクテルグラスを手に三々五々あつまっているシーンも見た。映画みたい。
その人たちにホテルスタッフと間違えられ(^_^;「トイレットペーパーなくなってるわよ」といわれる私って、、、、(´;ω;`)アジア人の出稼ぎ労働者に見えたのね。き〜っ!!(*`皿´*)ノ
う〜む、なかなか、、、
フェルメールの絵に見えなくもないエントランス。
ここは受付も朝食の準備や片付けも基本1〜2人のスタッフでやっているみたいで、フレンドリーでよかった。しかも値段もリーズナブル。
あとは日本から持参した茶箱で時々お茶。
部屋から庭を見下ろしながら
エントランスの前庭から
いつも旅につれていくのは若手の陶芸家Aくんと日本画家Tさんコラボのこの御茶碗。
オランダ・ベルギー紀行2018〜その8・ブリュッセル点描 - 2018.08.20 Mon
ブリュッセルは首都なんだが、機能的にはできていないような気がする。車で20分の郊外の宿をとったので、都心まで車で行くのだが、いかんせん、駐車場がきわめてきわめてわかりにくい。しかも径は蜘蛛の巣状、一方通行もあり思ったところにたどりつかない。去年のポルトガルは、わりとどこにでも路駐ができたのだが。

さて、ここはベルギー観光のど中心、グラン・プラス。
世界中の観光客が集まり、いろんな言語が聞こえる。
ちなみにベルギーはドイツ語とフランス語という語学系列の違う2つの言語を使用し、しかも英語までしゃべれるというトリリンガル以上がたくさんいてる。いったいどうなっているんだ!
ここは17世紀末に建てられたギルドハウスに囲まれた広場。
おりしも数日後(8/16〜19)に2年に1回というフラワーカーペットがおこなわれるのだが、残念ながら1日違いで無理だな。というわけで、この日(12日)も全然その準備の気配はなかった。
広場を囲むギルドハウスにはいちいち名前がつくのだが、それが結構大仰。たとえば「王の家(王様は住んだことがない。現在はミュージアム)」、「スペイン王(パン屋のギルド)」「雌狼(射手のギルド)」「黄金の木(ビール販売業者)」などなど、、、
ちなみに現在はカフェとかレストラン、ショップに多くが使われている。
グランプラスの近く、一応これは見とかないと(^_^;
世界一衣裳持ちの小便小僧Manneken-pis マネケンってワッフルの名前かと思ったが、「小僧」っていう意味だったのね。
そのワッフルも、日本で知られるワッフルはリエージュタイプでもちもち感あるが、ブリュッセルタイプがここでは多く、ぱりっとした上に、これでもか!とカロリーの塊を載せる。
グランプラスちかくのパサージュ「ギャルリー・サンチュベール」、ここにはお世話になった。カフェもレストランも買い物も、こぎれいでこじゃれていたのでとても便利だったのだ。
ここにはベルギーチョコの各メーカーの店もたくさんあって、軒をきそっている。ディスプレーもたいそうおしゃれ。
初日はここのなかのレストランで食事をしたが、食事の友はやはりベルギービールだろう。独特のランビックタイプをためす。これは天然の酵母でゆっくり発酵させたビールで、ビールの古酒というべきもの、ワインのような香りがするという。ちなみに私が飲んだのはクリークというサクランボをいれて発酵させた物。泡までチェリー色で甘くてジュースみたい〜♪
夜ともなれば、といっても21時頃まで明るいのだが、パッサージュの美しさはさらに増すのである。
こちらはグランプラスの夜景
これも美しい。
翌13日朝には、グランプラスに囲いができていた!!
いよいよフラワーカーペットの準備にはいるのね。
これは一昨年の写真らしいが、広場が花で埋め尽くされるそれはそれは美しいイベントなのだそうだ。(けっこうニアミス日程で悔しい)
歩き回ってこの日の夕食はパッサージュの近くのシェ・レオン。
19世紀末創業のムール貝といえばここ!の老舗。
観光客にも人気で、なかなか混み合っている。上に飾られている写真は歴代のシェフなんだそうだ。
内装もアールヌーボー様式、、といったら言い過ぎか(^_^;
で、ムール貝のブイヤベースをたのむ。確かに汁は貝の出汁がきいていて美味しかった。
こちらは小エビのクロケット(コロッケ)だが、小エビのイメージが日本のとちがって、どちらかというとアミみたいなエビ。魚釣りのエサみたいでちょっと苦手〜。
せっかくベルギーだし、ワッフルも食べておこう。テイクアウトでなく、ちゃんとしたところで。
ここはワッフルの老舗、ダンドワ。スピキュロスという薄焼きのシナモンクッキーも有名らしい。
もちろんベルギータイプ、トッピングはいろいろ選べるが、体重には目をつぶって、ここは生クリームとチョコソース!相方はアイスクリームとへーゼルナッツ。二人でいったいどれだけのカロリーを摂取したのかコワイ。添えるお茶も選べて、なんとちゃんとした玄米茶!もあった。
こちらがダンドワ外観。これもおしゃれね。
さらに14日朝!
フラワーカーペットの準備はますます進んで、ついに芝生パートも完成近い。かえずがえすも見られないのが悔しい。
その後は、メトロにのって、全然観光地じゃないところへ、アールヌーボー建築の家をわざわざ見に行ったり(中へははいれないのだけど)、道に迷ったり、うろうろして、、、、
最後はまたパッサージュのレストランで、、
ビールで締める!(この日はホワイトビール)
オランダ・ベルギー紀行2018〜その7・アントワープ - 2018.08.19 Sun
ブリュッセルからアントワープまでは鉄道を利用することにした。

ブリュッセル中央駅のチケット窓口
首都の中央駅にしてはこぢんまり。
ヨーロッパはわんこ連れの乗客もめずらしくない。
(いれば、の話だが)鉄ヲタさんのためのショット
ヨーロッパ一美しいといわれるアントワープ中央駅に到着!
さすがきれい〜、、、と思っていたら、、、まだまだこれは序の口だった!
うお〜〜〜!!
なんと美しい!!
(京都駅がちょっとはずかしい、、、)

ベルギーでは「アントウェルペン」
1895年建設開始、ベルギーの建築家ルイ・デラサンセリ設計
国の重要文化財だというのもうなづける。
これは映画のワンシーンか??
駅だけで観光してしまいそうだ。
いやいや気をとりなおして、、、、
アントワープと言えば日本人にとって「フランダースの犬」であり、ルーベンスではなかろうか。
私は小学生の時に「フランダースの犬」を読んで涙し、当時ヨーロッパがどこにあるか、ましてアントワープがどこにあるのかわからないまま、その地名がルーベンスの名前とともに記憶に刷り込まれた。(ちなみにアニメ版は見ていない)多くの日本人がそうだと思う。
物語で主人公ネルロとパトラッシェの最後の場所、ノートルダム大聖堂
ところが本家ベルギーではこの物語はあまり知られていなかった。なぜなら書いたのがイギリス人で、当初ベルギーでは出版されなかったらしい。なのにあまりにも日本人が聖地巡礼とばかりたくさんおしよせるので、逆輸入の形でベルギー人にも認知されるようになったとか。
ただし、ベルギー人にはこんな悲しい物語は不人気だとか。日本人は好きだけど。
ベルギー人はネルロのような少年をほっておくような不人情なことはしない!とおっしゃっている方もおられると聞く(^_^;
これがかのルーベンスの「キリスト降架」
ネルロが見たくて見たくてあこがれてかなわず、いよいよ最期の時にこっそりしのびこんで見て、手をさしのべてこときれる、、、最期の場面の絵なのだ。
物語の挿絵でなんとなくイメージはもっていたが、これなんだな。
絵の前のここ、、ネルロとパトラッシェが最期をむかえたあたりはここかな。
おそなえの蝋燭は、ちゃんと火をつけている。昨年行ったポルトガルでは防火のためか、蝋燭はみんなLEDになっていたが(^_^;
ノートルダム=聖母マリアなので、もひとつルーベンスの「聖母被昇天」
教会の一隅にも聖母の人形がうるわしくたたずんでいた。
しかし!!
教会前の広場に比較的最近できたらしい(日本人観光客用に?)ネルロとパトラッシェのモニュメント、どうみてもチャーリーブラウンとスヌーピーにしか見えない!Σ(´Д`*)

教会からでたところでものすごい雨。
ゲリラ豪雨ってヨーロッパにもあるのね。しばしチョコレート屋さんの軒先で雨宿り。
小降りになったので、そこから中世の路地を探してうろうろ
ああ、狭い路地から見る教会の塔は美しいな。
ブラーイ・ケンスハングとよばれる小さな路地は中世からのたたずまいを残しているという。
なかなか入り口がみつからず苦労した。
ここには50年前までは、貧しい人たちが共同の井戸やトイレを使って生活していたそうだ。
現在ならかえって住宅価値が高そうだが。
この小路の中庭的なスペースではノートルダムの鐘がことに美しく反響するという。
どこを切り取ってもフォトジェニック
おや、なんだかすてきな、、、、
ああ、レストランになっているのね。
せっかくだから交渉、飲みものだけでもいい?
雨でお客さん少なかったせいか、入れました(^∇^)
レストラン「テ・ホフケ」
16世紀の建物なんだそうですよ。
やっぱりここでもビールを一杯!
そして中世のささやかな庶民の暮らしの片鱗をあじわったタイムスリップもおわり。
もう一箇所行きたかったルーベンスの工房は月曜ゆえお休み、これはしごく残念であった!
では、アントワープにさようなら。
オランダ・ベルギー紀行2018〜その6・ブリュッセル〜マグリット美術館など - 2018.08.19 Sun
ブリュッセル中央駅の周辺、王立図書館や、美術館がたちならぶこのあたりは芸術の丘とよばれる。

さらに丘を登ると、、
小高いのでなかなかよい眺望

王立美術館は中が3部に別れており、古典美術館、世紀末美術館、そして、今回一番行きたかったマグリット美術館!
懐かしい〜!
これは3年前、京都市立美術館に来たマグリット展。それまで名前は知っていたものの、じっくり見たことはなかったのだ。キリコに私淑したように、同じようなシュールレアリズムでありながら、どこか不気味な印象のキリコに比べて、からっとドライで明るく楽しげな感じがする。
美術館にあった1971年、東京と京都の国立美術館へ来たときポスター。そのころは名前すら知らんかったよな。

王立美術館のエントランス
古典美術館はこの二階の両脇に作品がならべられている。
まずは古典美術館
ここはルーベンスルームで、大作がずらっと並ぶ。
有名なところで「東方三賢王の礼拝」など
ついでこんなシュールなトンネルをぬけていよいよマグリット美術館へ
「黒魔術」
マグリットはこの作品でもそうだが、青空の色が美しくて印象的なのだ。
「善意」
この紳士はマグリット自身に見える。シュールレアリズムの画家にしてはまともな人生をあゆんだマグリット。なので健全なシュールさなんだな。
人気の「光の帝国」
この暗い絵のどこが光の帝国?と思うが、、、、
このガス灯の周辺のミクロな空間が光の帝国なんだろうか。空にまだ光があるのにガス灯の周辺だけ宵で、なんとも不思議なシチュエーション、それに「光の帝国」というタイトルをつけるこのセンス。このテーマはマグリットお気に入りらしく、何枚か同じテーマの絵があるらしい。
わ〜これも懐かしい!
好日居さんでマグリット茶会「これは茶会ではない!」に参加したときに、使われた「これはチーズケーキではない」 ↓
このあと、これにそっくりに作られたケーキを食べたっけ。
なんか、マグリット、楽しいな〜♪
トイレにいったら、鏡までがマグリットしていてさらにうれしくなった。
京都で見た絵もたくさんあって、ついたくさん絵はがきを買ってしまった。そのうちだれかのところに郵便で行くかもね。
そして大好きな空から紳士が降ってくる「ゴルコンダ」のノートも!
さて、ここからは世紀末美術館。世紀末は世紀末でも19世紀末。
やや有名なアンソールの「奇妙な仮面」
ちょっと背筋がもぞもぞする感じ。
おなじくアンソールのこっちの方が気に入った(^_^;
「Bad Doctors」
よく見るとコワイよこれ。
ミュシャ「自然」
女性がほんまに美しい。
忘れてならないブリューゲル
これは父のほうの「ベツレヘムの戸籍調査」、息子のほうのほぼ同じ絵も並んでいる。
ナザレからベツレヘムまで戸籍登録をしに旅をしてきたマリアとヨゼフがえがかれているのだが、背景はほとんどブリューゲルの生きた時代のベルギーで、描かれているのは当時の庶民の生活。
細かく見ると豚をさばいているところや、戸籍係のペンをもって聞き取りをしている感じなどがじつに生き生き。
もう一つ、父ブリューゲルのこのシュールな作品!
「反逆天使の墜落」
堕天使軍と大天使ミカエル軍の戦いを描いた絵だが、細かく見ると実にすごい、シュールレアリズムも真っ青なのだ。見たことも想像したこともないようなさまざまな怪物の姿が美しくもおどろおどろしい。対する天使軍の毅然とした美しさ。
あ!なんか、かわいいいのめっけ!(^_^;
どんどん地下へ潜っていく世紀末美術館だが、最後に地上にもどろうと乗ったエレベーターに驚愕。おお〜!!椅子席が10席くらいあるエレベーターなんて、はじめてだようΣ(゚д゚|||)
オランダ・ベルギー紀行2018〜その5・ブリュージュ - 2018.08.18 Sat
中世の町並みを残すブリュージュは「北のベネチア」とも「天井のない美術館」とも。
ベルギー行ったらブリュッセルはいかなくてもここは、、、と以前から言われていたが行く機会がなかなかなかったのだ。やっと来ることができたが、ここは景色を楽しむ場所なので、今日は写真の羅列です。あしからず。
夕刻
北ヨーロッパは21時頃までほの明るい。
家族経営の小さな宿のあるじに教えてもらった運河沿いの景色の良い道を歩く。
時に教会へ寄り道
パン屋でパンを買って運河のそばで食べたり、、
これは運河巡りの小舟からみた「世界で一番小さい窓」なんだそうだ。
わかるかな?建物の真ん中当たり、普通サイズの窓のちょっと上。
何の部屋なんだろう、ここ。
水鳥もたくさんいると思ったら、、、、
もっとすごいのがいた。
シネマもなんかクラシックだなあ。
めずらしい一部木造の建物も
さて、一番賑やかなマルクト広場
世界中の観光客が集まってくる。ナショナリティもいろいろ、ここは京都なら祗園か清水寺か。
これは朝のマルクト広場
観光用の馬車がせいぞろい。ちょっとタイムスリップした感じ。
でも馬ってかわいいよね。
そして忘れてならないのがチョコレートライン!
ブリュッセルにはなくて、ここが本店。これも宿のあるじのおすすめ、ベルギーチョコでは一番とのお墨付き。
ショコラティエ・ドミニク・ペルソーヌが自ら作るチョコレートは、確かにベルギーで食べた各社のチョコの中ではダントツだった。
カカオの種類
日本好き?
桜とか、柚子、抹茶などのフレーバーが、、、中には東京という名前で中味がワサビ風味のものまで。
これだけ買って帰ってふたりであっというまに食べてしまった。ちなみに後のはリップスティック型のチョコ。
さて、家族経営の一風変わった宿に泊まったので、その写真も。
見かけは130年くらい前の建物の町並み、オーナーさんの生まれ育ったお家だったそうだが、、、
もと子供用の寝室だったという部屋は、なんともシュールな改装。だってバスタブが二階にあるんだよ〜(洗面コーナーの上に乗っかっている黒いやつです)。トイレには扉がなく、シャワーととなりあわせ。
あるじの愛犬ネルソン君
公共スペースのキッチンはきれいな小庭に面して、
出発の朝、コーヒーを手づからいれてくれたのだった。