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2023-12

ハレの日の後祭・鉾町〜山鉾はなくとも - 2020.07.24 Fri

八坂の神様の依り代である榊が御旅所にとどまるこの一週間、、後祭の鉾町は賑わう。例年なら。
今年は山鉾はたたない。それでもそれぞれのご町内は町衆の心意気とばかり、美しいハレの日の姿をみせるのだ。



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ここ数日連日であいている時間に後祭エリアの鉾町をおとずれる。



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最後まで鉾立てにこだわり断腸の思いで断念しはった大舩鉾さんの会所。粽や祗園祭グッズを時間を決めて授与中。



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本来なら今年の巡行に船頭に飾られるはずだった、金箔が完成した竜頭。昨年までは白木のままであったが、全部に金箔をほどこすには資金がなあ、、と言っていたのに、もう完成とは!さすがの心意気である。



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竜頭と年交代で船頭に飾られる大金幣もお目見え。



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南観音山では楊柳観音様の拝観ができ、山の屋根部分が外からも見えるように。
例年はいまごろ(これを書いている23日23時ごろ)あばれ観音がでるころだなあ、、、。



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北観音山の吉田家では例年とかわらず屏風祭の飾り付け、これも鉾町町衆の心意気やね。



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吉田御大もご機嫌麗しくすごしておられるよし、よかった。



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と、驟雨におそわれる。黒主山のある室町通り



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雷鳴があまりに激しいので怖ろしくなって鯉山の会所で雨宿り。鯉山さんは今年は会所は開かずであった。



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また別の日、ふたたび黒主山の誉田屋さん、例年ならここにキーヤン画伯の鯉の垂れ幕がかかるのに。



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役行者山に茅の輪がでていると聞いたので、行ってみると、、、おお!山伏さんがいる。


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会所の中で小規模の護摩焚きと法会があって、そのあと会所前でいつもの山伏問答が聞けるとはラッキー。






いつもなら鉾町に車ははいれないので、安全なのだが、今年は交通規制がないので車も歩行者も自転車もびゅんびゅん通るのがなんか違和感あるなあ。



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ふたたび北観音山の吉田家にもどり、毎年関係者にしか配られない(北観音山は粽もグッズも一切販売しない唯一の山)粽を遠目で眺める。六角町の六角マークがついているのだ(ベンゼン環にも見える(^_^;)


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吉田家の前、祭礼気分でこの日は浴衣。(友人からもらった写真)



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夕暮れを待って、ふたたび鉾町へ。
高張り提灯に灯が入り、なんだか尊い景色だ。切なくなる。



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祭礼の幕に灯のともる町家


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ふたたび吉田家
ほんに美しい。この景色を今の京都はほぼ失いつつある。(責任者でてこい!)


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ヒオウギの向こうの奥座敷では吉田御大が、祭礼のお客様を迎えておられる様子を垣間見ることができた。

良くも悪しくも心に残る今年の祗園さん。



コロナ下の祗園祭鉾町を歩く2020 - 2020.07.09 Thu

綾傘鉾の粽が届いた。毎年宵山で買うものなのに。



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そして毎年6月の末には粽作りのお手伝いをして、その記事から毎年「祗園祭」のカテゴリーをたちあげて楽しみに記録していくのに、今年はそれもない。葵祭が中止になった時から祗園祭もやばいな、、と危惧していたのがあたってしまった。コロナ禍はいまだ下火とは言えない状況が続く。



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四条新町界隈、毎年電柱に黄色い網がかけられるのを見て、今年も山鉾巡行楽しみやな、と思うのだが今年は全然平生とかわりない町並み。
さびしいのだが、一生に一度しかない(そうであってほしい)祇園会の記録もとっておこうと、昼間鉾町をぐるぐる散策してみた。



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四条通りに面する月鉾さんではしっかり会所飾り。この日粽授与をされていた。飛沫防止ビニールシートがしてあったのが世情だ。


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大舩鉾さんも粽授与中。
鉾だけ建てるのか、何もしないのか、粽だけ授与するのか、は、それぞれの鉾町に任され、みなさん色々悩んで考えはったと思う。大舩鉾さんは最後まで鉾立てだけはしたいとがんばっておられたが、ついに苦渋の決断をされたと聞く。



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綾傘鉾は会所となる大原神社に提灯だけをあげて、粽も後援会のみの配布、一般には授与されない方針。


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船鉾さんは注連縄だけ。
また後日提灯はあげはるかもしれないけれど。


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船鉾町のこちらの呉服商さんの奥座敷で、お茶友さんが毎年される祇園会の茶会が楽しみであったが、今年はそれもないやろな。



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こちらは鉾町にある菅大臣神社でお昼寝中の猫さん。ここの境内ではかならず猫に出会うのだが菅公は猫好きだったのか?(^_^;

山鉾巡行、お稚児さん選びにお稚児さんの社参、神輿、、とすべて中止にはなったが、八坂神社の神事は内々におこなわれるらしい。神輿の代わりに神籬(ひもろぎ)を巡行させるという話も聞いたが、これは毎年血湧き肉躍る(^_^;われわれの祗園祭じゃな〜い!
神事神事というが、庶民には町衆の力を示すハレの日で良いじゃないかと思う。



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普段は普通の内科医院のこちらは祗園祭の間だけ木賊山のお飾り所になるのである。ご神体の飾ってある後にレントゲン室など見えて消毒液の匂いなどもして、良い感じなのだが、いつもの日常通りまったくかわらない様子。



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太子山の会所となる秦さんところも普段通り。昨年は宵山の頃お邪魔させてもらってうれしかったな。


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油天神山の会所となるところも、、こんな感じ。


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高提灯もでない鉾町、空と雲だけは梅雨の晴れ間の蒸し暑さ、これが祗園祭の季節なんだよなあ、とさびしく思う。


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西洞院、蟷螂山のある場所。


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後祭の南観音山会所には注連縄


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山鉾をおさめた蔵
今年は巡行が終わった後の柳の枝がもらえない、、、


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北観音山 吉田家
吉田塾もあれ以来開かれていないが吉田孝次郎先生はお元気かな。ちょっと(かなり?)がっかりされていることと思う。

鉾町の保存会の方々は吉符入から紋付を着て、内々に八坂さんへお参りに何回か行かれると聞いた。先生も行かれただろうか。


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鯉山
う〜ん、あの伝左甚五郎の鯉の彫り物が今年は見られないとは。



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山伏山も静か。
小さい山を出す町は、内々以外はほとんどなにもされないところが多いらしい。


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菊水鉾は会所を開いて、粽はじめ山鉾グッズの販売をされていた。ここの二階囃子は間近まで行って見ることができるのでよいのだが、あのコンチキチンが今年は、、、


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鶏鉾の会所


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なぜか鉾立を最初から最後まで見ているのが多いのが鶏鉾で、暑い中何時間もここで待ってたっけ。一昨年前までは駐車場だったのが、昨年から商業施設もはいる新しくごっついビル(京都経済センター)になった。


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岩戸山では調度ターミナル京都さんの二階に提灯をぶら下げているところだった。


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こちらの中では岩戸山のお飾りが一部されていて、粽もお供えしてある。



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奥座敷にあるカフェは、毎年鉾町歩きの時の休憩所にしているのだが、お店の人と今年はさびしいですねと言い合う。



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キャラメリゼされたデコポン・スライスをのせたデコポンかき氷を食す。
昨年はここの二階の茶室でもすてきな茶会があったっけ。



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祇園会の茶会といえばこちらのご兄妹さんの祇園会の茶会も今年はなしかな。ここは高橋町、山鉾巡行の開始の合図となる斎竹、注連縄をだすご町内である。近くのホテルで宵山の1日だけ飾られる注連縄にお供えしていただける八坂神紋入りのかわらけコレクションもことしはできないな。



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それでも鉾町には御神酒の御札が各家に張り出される。
大賑わいはなくても、心は祗園祭だ。


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新たな注連縄が張られた長刀鉾の会所


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四条通りのアーケードには、1日から駒形提灯がしっかり飾られていた。


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どうか来年はみなが健康で無事普段通りの祗園祭が迎えられますように


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最後に大丸の山鉾のディスプレーを見て、さびしい心を少し慰められて帰った。





南禅寺〜奥の院・駒ケ滝 - 2020.05.29 Fri

いまは近所の人しか来ないけれど、普段は観光客で賑わう南禅寺のその奥に、滝行場となる滝があるのをご存知だろうか。実は私もしらなかった。


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夕刻、散歩がてら碧雲荘界隈を通って、南禅寺へ。
碧雲荘の花菖蒲はまだ少し早いみたいだ。昔はこの季節だけ堀の近くまで行けたのだが。


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碧雲荘脇の疏水分線の道も緑あざやか、夏草も茂りはじめた。ここで野の花をつむのも蓬をとるのも。


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珍しくここに鴨のつがいがいた(写真はメスの方)。やっぱり人がいないせいかね〜。


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野村美術館、自粛休館する前の最終日に行ったのもずいぶん昔のことのような気がする。まもなく開館すると思う、、というか、してほしい。


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西門を通って南禅寺境内に入る。
南禅寺は徒歩圏内、自分の庭の延長のような感覚であるがゆえに、かえって今までわざわざでかけることも少なかったのであるが(インバウンドでごった返しもあるので)。



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苔と木々の緑が美しい。


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絶景かな〜の山門も緑の中にひっそりと。


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なにしろ紅葉の名所なので、青楓の季節も麗しいのだ。


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TVのサスペンスもの定番の水路閣。(なぜ謎解きをここでするかな〜?)



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夕刻ということもあったが観光客ほぼゼロなので普段は撮れないこんな無人の写真も簡単に撮れてしまう。


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アーチをくぐって、上に登って、、、


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この水路閣の上、琵琶湖疏水は流れ、、、


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隧道を通って山科まで水は流れるのだ。


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そこにあるのが南禅寺では一番奥にある東山の麓の最勝院高徳庵




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だれが創建したのかいつ開山なのかはっきりしない、、くらい古い塔頭である。(現地へ移転は大正年間)


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境内に奥の院・駒ケ滝まで二町とある。ええ〜っと二町でどれくらい?遠かったらやめようと思ったが計算すると200mくらいなんでこれならいけそう。



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最勝院の右手の道をずっと山の方へ登っていく。


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坂道はゆるやかだ。


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奥の院への道である。とちゅう大杉明神とか豊丸明神とか土着神を祀ったとおぼしき社や碑がほんとうにたくさんある。


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このあたりは東山山系の足元になるので山の水が滲み出るような水の気配だ。



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お、お社が見えてきた。


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奥の院についた。背後に駒ケ滝、空気がぜんぜん違う。

奥の院は、鎌倉時代に駒道智大僧正が隠棲したとされる。僧正は摂関家の出自で比叡山で天台密教をきわめ、のちに南禅寺管長(長更)、永観堂住持もつとめ、伝説によると白い馬(駒)に跨り天空に身を隠した(なくなった)といわれる。よって駒大僧正とよばれ、その隠棲した奥の院の滝を駒ケ滝とよぶようになったとか。



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駒ケ滝、ほとばしる水は山水であろう。



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この滝は滝行ができるらしく、行者のための小屋も整備されている。洛中からあまり距離のない場所での滝行なんて!こんなところがあったなんて、すばらしい!



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滝のそばにはお不動さん


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滝から下を見る。


駒大僧正にはもうひとつ伝説があって、亀山上皇がこの地に離宮を作った際に、この地への執着強かった僧正の死霊が夜な夜なあらわれたという。最終的には東福寺・第三世無関普門(大明国師)がこの死霊を鎮めたとされる。この功績により、のちに大明国師は南禅寺開山となったのであった。



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ほとばしる水の清冽さ、つめたさ


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そして美しさ
山の清浄な空気につつまれて、最初心細かった心もおちつき、しばしここに身をゆだねる。
こんな場所が家の近くにあったなんて、、、

さすがに滝行は今は風邪ひきそうだし遠慮しておく。


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周辺には、観世音菩薩、八劔大明神、飛車大明神、八ツ崎大明神、駒ケ滝地蔵大菩薩、力彦大明神、、、、名前を聞いただけではわからない土着の神さまがたくさん祀られている。



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かなりあやしげな雰囲気もただよう。ほんまに日本は八百万の神の国やな。お寺にあるというのも、こういう日本人の宗教観って好き。



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しらべたけれど不明だった「力彦大明神」
何系の神様なんだろうか。


この滝の上には洞穴があって、厳島弁財天など祀られているそうだが、さすがに夕刻ゆえちょっとこわくて遠慮した(^◇^;)

地図をみるとその先をどんどん行くと大文字山の三角点に達する道もあるようだがかなりケモノ道っぽい。(ツレが他日どんどん奥へ行って、新島襄墓所に出た、と言っていた。)


そろそろ暗くなってきたので、人ならぬモノもでるやもしれぬ、とそのあとはとっとと帰路についた。南禅寺の奥をきわめたい人、昼間ならこわくないので是非。





嵯峨野鳥居本〜愛宕念仏寺 - 2020.05.24 Sun

知人のTLで鳥居本の平野屋さんが、お店をあけておられるという情報をゲット。
最近なにかと嵯峨野にご縁のある方に会うこともあり、久々にでかけてみようと思う。


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大覚寺に近いところに車をとめて、そこから鳥居本をめざす。しょっちゅう行っている化野念仏寺へ行く道なのだが、ちょっと変則的な裏道を通る。このあたり感じの良い茅葺きの家がまだ点在。(ちなみに右の家は「売家」であった。だれか買わんかな)



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細い裏道をぬける。



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そして旧愛宕街道にでる。ここはお馴染みの通りで化野念仏寺千灯供養の時期には愛宕古道街道灯しが行われ、夜提灯やぼんぼりに照らされて幻想的な街道になるのだ。

↓2年前の街道灯し

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この街道には古い民家がたくさん残っているのもうれしい。お土産物屋さんもたくさんあるのだが、ほとんどの店が閉まっていて、人通りもきわめて少ない。普段から少ないよ、という説もあるが(^_^;



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その化野念仏寺も自粛閉山中。


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(民家の山法師の花)

そこを通り過ぎてさらに奥へ行く。実はここから先、まだ行ったことがないのだ。道は緩やかな上り坂。


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このあたりは嵯峨野鳥居本伝統的建築物群保存地区になるという。なるほど見事な民家がしっかり残っている。(洛中になぜそれができなかったのだ?)



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このあたりはベンガラを使った家が多い。



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現在も火除けの神様として信仰も篤い愛宕神社への参道である。京都の家には必ず一枚は貼ってあるという「阿多古祀符 火廼要慎」の御札がいただけるところである。(ちなみにうちには違うお寺の火除け札が、、、、(^_^;)



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閉まっているけれどなんだかおされなアンティークのお店になっている古民家も。



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バッタリ床机に格子窓というThe町家なこちらは嵯峨野鳥居本町並み保存館として使われている明治時代の町家である。(休館中)



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おおお、なんと最近はまりかけている京都トレイルの地図の販売もされているではないか。いずれ手にいれる所存。


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道は奥に続き、嵐山高雄パークウェイ(→高雄までいけるが現在閉鎖中)とクロスする。



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道端に、、、おおおお!茶人にとって、この季節垂涎の花である大山蓮華がなにげに咲いておる〜!!たくさん開花していたが、蕾の写真を激写。摘んで帰りたい気持ちを抑えるのにくろうしたよ(^_^;



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左手にも見事な<くず家>(茅葺きの家)、奥に、、、見えてきた、愛宕神社の一の鳥居だ。



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昔はここから愛宕神社のある愛宕山登山を目指した。ちなみに愛宕山は900m級の山なので、大文字山の二倍の高さ、比叡山と良い勝負の標高なんである。



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平野屋さんの手前に、これも400年の歴史のあるつたやさん。茅葺きの屋根が良い感じである。



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一の鳥居のすぐそばに鮎料理で有名な平野屋さん
「あゆよろし」の提灯がかかる。

この鳥居のお膝元にあるから鳥居本という地名なのね。先日NHKの「ブラタモリ」でタモリさんがおっしゃっていた「地名には歴史が刻まれているので、行政の都合で勝手に変えちゃいかんのです。」という激しく同意したご意見を言っておられたのを思い出す。



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このコロナの緊急事態下でもお店をあけておられるのはありがたいなあ。他にお客様はどなたもおられない。「日ごろからそんなに人は来ませんよ。」とのこと。

平野屋さんも400年の歴史、江戸初期から愛宕詣での人たちのお休み処で、名物しんこ餅を供した他、保津川でとれる鮎を扱う鮎問屋だったという。それをいつの頃からか、料理して出すようになったそうだ。



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鮎の解禁は6月以降なので、ここでは甘いもんを一ついただこう。



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あたご名物しんこ餅もあるのだが、、、



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やっぱり柚子餡と、こし餡の桜餅に惹かれて、、、
柚子はこの先をさらに奥に行くとたどりつく水尾の里の名物だからかなあ。


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長い歴史が磨いてきた建物がすてきで、いずれまたご飯を食べに来たいものだと思う。あ、、でも私鮎というか川魚苦手なんだった(^0^;)


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平野屋をあとにしてさらに奥へ、愛宕山の方へすすむ。



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一般的な愛宕山登山ルートの出発点・清滝と水尾の分かれ道。


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この先けっこう恐そうな?愛宕山トンネルがある。



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その手前にあるのが愛宕念仏寺である。

愛宕神社は「あたご神社」愛宕念仏寺は「おたぎ念仏寺」と読む。「おたぎ」の方が古い地名で愛宕山もかつて「おたぎ山」とよばれていた時代もあったとか。いつのまにかあたごに変化したもよう。



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ミニ懸崖作りの地蔵堂、愛宕人神社の本地仏(本地垂迹)火除け地蔵尊をお祀りする。さてその右手の石垣とおぼしきものが、、、実はこちらの名物羅漢さんの石像群なのだ。

開山は奈良時代という古さでありながら、何度も流失焼失荒廃をくりかえし、もともと現在の六波羅蜜寺近くにあったのを、現在の地におちついたのは大正年間だったという。



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昭和30年に天台宗本山から住職を命じられた西村公朝師が着任されたときには荒廃すざまじかったという。当時の清水寺の大西良慶管長の後押しで、復興に奮闘する。仏師でもある西村師が昭和55年からとりかかったのが「昭和の羅漢彫り」事業であった。



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彫ったのは希望した一般の参拝者、最初目標500体だったのがいつの間にか1200体になったそうだ。
境内を埋め尽くす個性的な羅漢さんたち。



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かなり個性的な方もあって、彫った人にどこか似ているのかも知れない。お参りしたら自分に似ている羅漢さんにも会えるかも。うん、私は似たのを見つけたよ。わりとどこにでもある和風の顔だし(^_^;


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お気に入りはこの晩酌ペア


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昭和という新しい時代の物ながらもう40年近くたつとこんなに苔むすのだ。ここは山の水があちらからもこちらからもにじみ出るような場所だからなおさら。



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右手の本堂はなんとか喪失を免れた、鎌倉時代の再建、重要文化財である。



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本堂のきざはしにすわって、しばしこの静寂を楽しむ。世間のコロナ騒ぎ、緊張を強いられる生活をいっとき忘れられた。



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街道に近い場所にもお行儀良く並ぶ羅漢さんたち。



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お寺に別れを告げて街道を嵐山の方へもどれば、ここにも京都トレイルの標識が。このあたりは西山コースになるのだな。がぜん愛宕山登山をしたくなった。あんな高い山、ぜえ〜ったい登るもんか、と千日詣(7月31日〜8月1日にかけて登ると千日分の御利益があるといわれ大勢が登る)に行く人を尻目にかねて言っていたのだが、人生なにがおこるかわからん。




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あと嵯峨野あたりを少し歩いたのだが、なんと!いつもは観光客で埋め尽くされる竹林の径、こんな人の居ない写真撮れたの初めてではなかろうか!!




大文字山三角点〜ワイルドな霊鑑寺ルート - 2020.05.22 Fri


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すっかり青葉の季節になった哲学の道、あいかわらずだれもいません。



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哲学の道をぶらぶら散歩だけ、、、と思っていたが、ついむらむらと最近わいてきた登山願望で、やっぱりきょうも大文字山登ろうかな〜と。今回はポピュラーでない、哲学の道に近い霊鑑寺ルートで。(あとで思いっきり後悔する)



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霊鑑寺の横の道を上るが、ここはかなり勾配がきつい。



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途中にあるグランピエさんの鹿ヶ谷山荘はイベントや展示で何度か来たことがある。お家からの眺めがすばらしいのだ。



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そこからさらに奥に登るのは初めて。あ〜、しんど、、と思っていたが、まだまだ序の口の序の口であった登山。



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銀閣寺ルートよりはるかにワイルドで嶮しく長い。



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しかも倒木(おそらく一昨年の台風被害と思われる)をまたいだり、くぐったりしないと先へ進めない道。


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これはとおせんぼをされているようだ。

野鳥の声がかまびすしい。それを楽しむゆとりはだんだんなくなる。しんどくてしんどくて目眩までしてきた。倒木の上にすわりこんでしばし休憩、、、を何度くりかえしただろう。あたりは見通しの悪い森の中、人影はなし、ここでメニエールでもおこしたら救難信号ださんとあかんかな〜(大汗)



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お!人工建造物、、、頂上も近いか?と思ったがぬか喜び。



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ここはまさに「平家物語」の鹿ヶ谷の密談が行われた俊寛僧都の山荘跡だったのである。
まだ先は遠いのかな〜とだんだん心細い。



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ひゃ〜!ほんまのケモノ道や。
そこへ初めて下山される方と遭遇。
「まだまだ遠いですか?」と聞いたら「もうすぐですよ。30分もかからないくらい、、、」
30分!!
近いか?それ?

がっくりしつつもがんばって登る。



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すると突然開ける視界。


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やった〜!大文字山の頂上である。
ここは「大」の字の火床がある場所よりかなり高いのだ。道理で先日より嶮しくて長いはずだ。



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三角点の標識
ここまで登ったのははじめてだ。(登りはじめはその予定ではなかったのだが(^_^;)



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ここからは洛中だけでなく、山科まで望める。
びっくりしたのは、何人か先客がいたこと。銀閣寺ルートで火床の方から登ってこられたのだと思うが、いや、今の京都、にわか登山ブームか?(^_^;



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しばしここで休憩して大の字の火床をめざす。こんどは下り道だがそれなりにけわしい。道らしくない部分もある。



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そしてでてきたのが、先日ここでお茶一服点てたところの「大」の字のてっぺん。
今日はヒマをもてあましている中学生たちに占領されてた。

やはり眺めが頂上より近い感じ。頂上はけっこうな高さなんだな。



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今回は大の字の右の払いに沿って鹿ヶ谷(登ってきた方)方面へおりることにする。
この急な階段、足滑らしたら大惨事になりそうなので注意して降りる。



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でた〜!
くだりはラクチン、出口は霊鑑寺横を登ったところにもどった道になる。ここから登れば楽だったのだな、と思うが思いも掛けず大文字の頂点を極めることが出来てそれは怪我の功名。



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この坂道の脇の家の猫ちゃん。
これもごほうびか。


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そしてやっと霊鑑寺に帰ってきた。
時間にして3時間〜4時間弱。



daimonnjitizu



歩いた道をあとでチェックすると、こんな感じ。
大の字が火床のあるところ、△が三角点。

そして、、、、登った階数を見て欲しい! 



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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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