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2023-06

書写山圓教寺x杉本博司 - 2022.10.19 Wed

杉本博司さんを追いかけて、姫路市立美術館へいってこのパンフ見なかったら、行こうとは思わなかったし、そもそも、このお寺の存在をほとんどしらなかった。


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書写山圓教寺にて杉本博司のインスタレーション「Noh Climax 能クライマックス(後期)」、圓教寺って聞いたことあるようなないような。行こうと思ったら姫路市内からちょっと距離があり、、、


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最後にロープウェイに乗らなければたどりつかないというアクセスにやや難がある。
さらに書写山全体が境内で、ゆっくりあるけば1時間半はかかるというし、坂はきついし、、、で、日和りまして境内を行くシャトルバス(!)を利用。


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しかしながらバスを降りても、中心地たる三つの堂(大講堂・食堂・常行堂)エリアに行くには、この勾配のきつい坂!(降りる時の方がこわかった)


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ひーひー言いながら坂を登ると千体地蔵さんがならんでいたり、大黒堂というちょっと侘びた感じの小さなお社があったり、


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い〜い感じに朽ちた塔頭・瑞光院。


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姫路城主本多家の廟屋。土塀が良い感じである。

そして、坂を登り切って視界が開けたかと思うと、、、


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おお〜!なんという壮麗な堂宇だ!しかも時代が十分ありそうな古び方!
右手が大講堂、正面が食堂(じきどう)、そして


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左手にあるのが杉本さんの展示のある常行堂である。真ん中のせりだしている所は能舞台でもある。
いずれも室町時代の建築!すごっ!!ちょっとこの三つの堂の迫力に感動してしまった。ここまで来てよかった、杉本さんありがとう、、、
なんでもこの建築群は映画「ラストサムライ」のロケ地として使われたという。(映画見てないけど)

開祖は平安時代中期の性空上人、西の比叡山といわれる広大な堂宇を持ち、後白河法皇、後醍醐天皇など天皇・法皇らの信仰も篤かったという。ちなみに「書写山」とは、もともとこの地にあった素戔嗚尊伝説の「素戔(すさ)」→しょしゃ になったという説あり。



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さて、この常行堂、重要文化財であり普段は非公開なのである。中へ入って、写真までOKとはありがたい。ご本尊は阿弥陀如来像、室町時代の仏像である。光背のそのまた後ろの壁にかすかに菩薩像の絵がみられるのだが、二十五菩薩来迎図なんだそうだ。これも古い。


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この阿弥陀様のまわりを荘厳しているのが杉本さんの<光学硝子五輪塔>である。


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五輪塔〜地 水 火 風 空 の世界の構成要素、これを現すのに硝子という素材を使うとは。透明度が高いので光を通し向こうの景色がよく見えるのだが、写真では捉えきれない。人間の眼に勝るレンズはない。


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この丸い水輪にあたるところに杉本さんの写真「海景」シリーズのフィルムを閉じ込めた、とあるが、目をこらしてみてもよくわからなかった。あってもなくても美しいが。


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長年踏みしめられ木目をあらわにつやつやの木の床も美しい。ちょうどご本尊の背面がスクリーンになっていて、杉本さんのインスタレーション「Noh Climax 能クライマックスー翁神男女狂鬼」の映像が流れる。能が舞われるのが、ここの舞台であったり姫路城であったり、かつて能がさかんに演じられた時代の光と音響はこんな感じなのだろう。
杉本さんの言葉がしみる。「なにもかもなにもかも昔の方がよかった」



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正面の本堂を常行堂から見て、


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一番たたずまいが素敵だったこの食堂へ。二階建てのこの良い感じに古びた古式の建物。よそではこんな建築様式見たことがない。一階部分に小さく見えるのは写経されている方々である。



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中へ入って写経場からのぼってきた坂方面をみる。木々の葉がそろそろ色づき初めている。ここにすわってこの景色を眺めて暮らしたい、、、とちょっと思った。


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ここの扉は全面上に跳ね上げる蔀戸であるところも素敵。(「源氏物語絵巻」なんかに描かれているのが蔀戸)


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二階にも上がれて、ここには仏像などの展示あり。ここから大講堂を見る。


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裏は書写山の森である。この感じ、談山神社に似ているような。あっちは神社だが。


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一階で見た眺めを二階からも。跳ね上げられているのが蔀戸。


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展示には歴代の瓦釘も展示され、これ炭道具の火箸にいいのだわ〜とついよだれをたらしてしまう。

さて、ロープウェイ駅までのバスが1時間に3本なのでそろそろ帰ろう。奥の院はあきらめた。


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途中懸崖作りの摩尼殿へもちらっと寄ってみる。


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もともとここは性空上人が桜の木に刻んだ如意輪観音がおさめられる本堂だったのだが、大正年間に焼失、昭和の戦前に再建されたという新しい建物。(なんと設計武田五一)


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こちらは蔀戸ではなく扉であった。


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帰りのロープウェイで見下ろした姫路の市街。瀬戸内海もかすかに見える。
駆け足であったが圓教寺、来れてほんまによかった。恐るべし西の比叡山!と感動した次第。



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