丹後エクスカーション2023〜③間人・立岩〜天橋立 - 2023.05.13 Sat
間人、、、、と書いて、何と読むか?
関西人ならだいたいわかるかもしれないが、そうでなければまず読めんだろうなあ。

これは<たいざ>と読むのである。
間人蟹で有名♪
昼ご飯をいただいた縄屋さんから車で20分ほど、日本海へ突き出た丹後半島の北部の地名である。名前の由来は諸説あるが、聖徳太子の母・穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)(別名・間人皇后)が物部と蘇我の騒乱を避けてこの地に身を寄せたという伝承が有名。
このあたりの浜は砂というより石英の小礫なので、近くの網野町の琴引浜の鳴き砂のように、踏むと石英がこすれあってキュッキュッと鳴るのである。
さてこの威容を誇る立岩は安山岩の一枚岩、高さ20mもあるという。
柱状節理という懐かしい名前も思い出したりして眺めたり、そばまで行ってさわったり。伝説ではこの岩のなかに悪さをしていた鬼が封じ込められ、時に泣く声が聞こえると言うが、確かに風が吹くと岩にあたった気流の変化でひゅ〜と音がする。昔の人は色々よく考えたものだ。
同じ日本海もこちらは日本三景の一つ、説明のいらない天橋立。
これはビューランドと言って山頂から橋立を見下ろす施設なのだが、ここに入るまで道は大渋滞、駐車場は満杯、リフトにのるのに1時間、、、とGWの悲劇が次々と。まさかこんなことになっていようとは。
これは有名なまたのぞきで撮った写真だが、まあ、上下反転させただけで、この年になると腹筋が弱って前屈がただただ苦しいだけであった(^_^;
橋立の根元にある日本三大文殊の一つ橋立山・智恩寺のシンボル、文殊の知恵の輪から見た橋立。でも私は横から見た天橋立の方が好きかな。
リフトで降りるときの景色がまたこわいような素敵なような。
先ほどの知恵の輪の智恩寺、文殊信仰の有名な寺院で創建は平城天皇の頃といわれる。(9世紀)
先ほどの知恵の輪はもともと海運の安全祈願の灯籠で、この輪を三回くぐると知恵を授かるという。(ちょっとくぐれんわな、、、)
ここのおみくじは扇型。開いてはじめて運勢がわかる仕様。
文殊堂には寺猫も住んでいて、この子はピクリとも動かず爆睡中。
同じく欄干にいた寺猫さん。
ご本尊の文殊菩薩像は秘仏ゆえ、拝見できなかったが、年に数日だけご開帳があるそうで、獅子に騎乗したお姿だそうだ。
♪ 獅子には文殊や召さるら〜〜ん (謡曲「玄象」)
智恩寺から天橋立をわったってみよう。わたるのは初めて。
まずは橋立へわたる回旋橋を渡る。この橋の下、真ん中にあるのが回旋させる機械である。
写真ではわかりにくいが、ちょうど大きめの舟が通るとき、90度回転して橋にぶつからないようにするシステム。
天橋立は全長3.6km、歩くと小一時間、レンタサイクルだと20分ほどか。
ここには約7000本の松の木が植えられているので、海風が吹くとほんものの松風=松籟を聞くことができるのだ。
一番細いところでは道の左右に海が見える。どこで休んでもいいし、浜で裸足になってもいいし、いろんな楽しみ方ができる。
浜にはいろんな植物が海風にも潮にも負けずに繁殖していて、強い生命力を感じる。
なんかきれいな花、、、と思ったらハマナスだった。
バラ科なので一重の薔薇そのもの、こんな繊細な花がこんな過酷な環境で咲くことに驚きを禁じ得ない。
橋立は海の中にあるにもかかわらず、真水の井戸があるという驚きも。日本名水百選にもえらばれた磯清水。海の底に淡水の層があるという。
橋立の 松の下なる磯清水 都なりせば 君も汲ままし 和泉式部
時間の都合もあり、約3分の1歩いて引き返す。
それにしても日本三景の一つとはよく言ったものだ。確かに横からみても上から見ても、渡っても、気持ちのいい場所であった。(周辺の混雑さえなければ〜〜)
丹後エクスカーション2023〜②グルメ編〜富田屋と縄屋 - 2023.05.12 Fri
グルメ編
まずは宮津駅前と言ったら富田屋さん。10年前そらいろつばめ様に、ここ有名なの、と教えていただいて、その時は後述する縄屋さんへ行くので、横目で見ただけだったのだが、このたびめでたく?入店!
このレトロなネオンとたたずまいから惹かれる。18時ころ行った時にはすでに20人以上の待機であった。それでもわれわれのあとにどんどん続く順番待ち、結局入店まで約1時間、気候がよかったのでなんとか。
「大衆食堂」というだけあって、カレーが380円とか、もうコスパのよいこと。それだけでない、伊根にも近いここは新鮮な海鮮が食べられるのだ。
刺身定食と刺身盛り合わせと、天ぷら盛り合わせをたのんだが、天ぷらの海老なんか、ぷりぷりで大きくて、もっとお腹のキャパがあったなら、サザエの壺焼とかアサリ焼とかうな丼とか、、、、食べたかったなあ、、(^_^; 海鮮の出汁がきいているのか、味噌汁の美味しいこと。
厨房はたくさんおられるようだが、ホールはおばさん2〜3人で回していて、みているだけでてんてこ舞いだなあ、、、と。お客さんも次から次へと新規やら追加やら。うわさに違わずええとこやわ、ここ。1時間待つ甲斐あり。もっと近くにあったらなあ。
おつぎは宮津から車で約30分、日本海に近い弥栄町にある魚菜料理・縄屋さん。
ああ、懐かしい、この土壁、オーナーさんがDIYで作られたのも健在。10年前そらいろつばめ様に連れてきていただいた時のまま。
ただ何年か前に改修されたそうで、かつてご飯をいただいたところはウェイティングルームに。
部屋から見える庭も10年前に比べてすごく豊かに緑になっている。
↓ これ10年前の時の写真
奥に新しいカウンターが。
右手奥にある薪をくべた竈、料理はほぼこれだけを使う。薪の火力が強い最初に羽釜でご飯、懐石の一文字飯(煮えばなでアルデンテ)が最初に出てくる。さすが宗箇流のお茶人さんでもあるから。ここを思い出したのは、実は昨年の広島・宗箇流初釜で久々にお目にかかって、気になっていたからなのだ。
あとは「魚菜料理」と銘打っている言葉通りに、次から次へとでてくる、いろんな種類の魚、もう多すぎて名前覚えられず。
それに使われる山菜、自家菜園の野菜も多種すぎて。このあたりはほとんど周りが山なので、採取にことかかないのかもしれない。
あわせたお酒はもちろん「伊根満開」、これロックでも美味しいんだ。
山菜はご自分で山に入って採取されるとか。山三つ葉とか、聞いたこともないような種類のものも。
薪の火は下に落ちたのをすくって焼き物用に使ったり、うまく使い回ししている。いわばエコ料理だ。白子の天ぷら、美味しい〜♪
あと、ノドグロの煮物椀、ノドグロってほんまに魚のくせに脂がのってて美味しいのね。子供の頃魚料理をうけつけなかったのに、お酒を飲み出して、美味しく食べられるようになって、ヨカッタ!

最後に羽釜の底のおこげを。懐石で言えば湯桶にあたる。
デザートのムース(聞き損ねたがピスタチオ?)の上に乗るきれいな小花はウワミズザクラ。これは集合体でブラシのような花なのだが、ひとつひとつがこんなに美しいとは思わなかった。それよりもなによりも食べられるとは!
カウンターからは厨房が半分見えるので、料理、盛り付け、飾り付けがよく見えて、これも楽しかった。ここも交通の便(車のみ、冬季はスノータイヤ必要)の悪さをおしてまで来る価値がございました。
丹後エクスカーション2023〜①伊根 - 2023.05.11 Thu
丹後半島の伊根へ
前にここへ来たのは大学出たての独身の頃だから40年も前(!)。伊根が実家の友人の家に遊びに行ったのだ。当時ここはほんとに田舎の漁港でのんびりとした雰囲気であったが、、、
まあびっくり!
いつの間にこんな一大観光地になったの??
駐車場に車をいれるのに空きをさがすのも一苦労なくらい。
それでもこの道は昔の建物がたくさん残っていて懐かしい空気がある。右手の建物群はほとんどすべて伊根の代名詞の舟屋である。舟屋は主に漁業に関する作業場なので、住居は左手の建物群になる。そういえば友人の家もこんな感じだったな。
懐かしい感じのたばこ屋さん、レトロな建物も多く、そのほか古くは江戸後期の建物も残っているそうだ。
対岸の舟屋群、230軒くらい残っているそうだ。
しかし伊根の海はきれだなあ、、、、
ヒトデとそれが狙ってる?ウニ。ウニはあちこちにいっぱいいたが、まあ入漁権の問題で採ってはダメだろう(^_^;

入漁権といえば友人のお父上が持ってはったので、私たちは海にもぐってサザエを捕って、それを浜で焼いて食べた記憶がある。なんとのんびりした時代だったことよ、今をみればもう隔世の感。
舟屋側から海をみたところ。
ここの舟はまだ現役みたいだ。ちょっと対岸に行くのにも、舟はほんまにここでは便利な乗り物だ。
これは伊根漁港、お父上はここで働いてはったのだ。懐かしいなあ。伊根の人は魚はここで買うそうだ。(浜売り)採れたてピチピチ、美味しいだろうなあ、、、
かつてウニが嫌いだった私がこのあたりで採れたてのを食べて、あまりの別物感にその美味しさに目覚めたという、、、(*^_^*)
舟屋群を一周する観光船は大きいのやら小さいボートみたいのやら、いっぱい。いつもはこんなに人多くないのだそうだ。やっぱりGWだからか、どの船もすぐ満員になる。せっかくだから乗ってみた。
ボートからみる舟屋。
このあたりカモメが群れをなしている。沖には牡蠣の養殖場もあり、そのあたりにたむろしている連中も。
もちろん満員で、待ち人数多くて入れなかった、Instagramとかで人気の舟屋日和の伊根カフェとレストラン。
いやもうただただあまりの観光地ぶりに驚くばかり。伊根に行く途中の道でもこんなんあったけ??と驚くような高層マンションが(リゾートマンションか)林立していていやな予感がしなのだが、、、
それでも昔から、ここは実際の生活の場であることはかわらない。それを大事にしてくださること、観光客もそれを大事にすること、、、を祈るばかり。某観光都市みたいにはならないでね。
海からも見えるこの建物は、、、クンクン、(好物の)お酒の匂い、、、酒蔵?そう酒蔵だった。
しかも華やかな赤いお酒で有名な「伊根満開」の蔵元(向井酒造)だったとは!!
(ちなみに手に持っているのは酒粕アイス最中)
都市部では今入手しにくいらしいが、さすがにここにはたくさんあったよ。赤い古代米から女性杜氏さんが開発したお酒。ほんのり甘みと麹っぽい香りが美味しいのだ、これ!