京釜鑑賞茶会〜大西清右衛門美術館+うめぞのさん - 2012.12.06 Thu
大西清右衛門美術館では年に2回茶釜鑑賞茶会を開催しています。
他の茶道具と同じくご多分に漏れず、いつもはガラスの向こうでしか見ることのできない名物茶釜。
大事にしすぎてガラスの向こうにおくことで、一般人に敷居を高く間口を狭くしたことへの危機感をやはり大西さんも(楽さんと同じく)感じておられるのでしょう。
そんな本でしかみたことのないような釜をこの手でなでくりまわせる貴重なチャンス!
しかも大西さんのお点前付き!

なので一つ紋を着て、はりきってでかけました。
(しかしですねえ、本日は釜が主役なのに釜の写真は1枚もありません。アシカラズ)

三条新町あたり、その地名も釜座(かまんざ)。
九州の芦屋釜、関東の天明釜、ときてそのあとに隆盛をきわめたのが京釜。
その釜師が多く住んだ町がそのまま町名になっています。

大西家はいわずとしれた千家十職の釜師ですが、17世紀初頭、初代浄林が京へ上洛し、三条釜座の座人になったのが始まりだそうです。
当代で16代。私よりちょ〜っとお若い。
美術館内にあるお茶室でまずは大西さんのお点前にて一服。
表さんのようです。
お道具も表千家の歴代家元の書付が多く、ちょっと名前をきいただけではいつごろの方なのか全然わからない。
とりあえず軸は吸江斎(表千家10代幕末のころの家元)の「三冬枯木花」。
三冬とは陰暦10月から12月の三ヶ月をさします。
お菓子は亀末廣さんのきんとん「初霜」。
主茶碗は后熊川「雪曇」、替えは楽五代宗入の黒楽。
大西さんのお点前はなんだか飄々としていて、楽さんのお点前とも味がちがいます。
どちらもお人柄がでています。
さて、一服いただいたあとはおまちかねのおさわりタイム(
変な意味じゃ〜ありませんよ)

(美術館のエントランス)
さて、それぞれおざぶ(座布団)を敷いて出てきた本日の釜は、、、
1)先代・浄心さんの繰口釜・・釜肌に漆を焼き付けていて、つやのある独特の赤味のある色。
つまみが南鐐でキラキラと美しい。蓋に侘びた模様をわざとつけるための技術なども講義していただく。
2)名人と言われた2代・浄清の平釜・・口の周りに紗綾紋、胴に雷文。350年ほど前のものにしてはモダンな意匠
3)与次郎釜・・この手で与次郎(利休のころの天下一釜師)にさわれる日がくるとは(うるうる)しばらくてばなしたくなかった。スリスリ
。中にも手を突っこんでスリスリ。
釜肌のかせた感じが長次郎の黒楽に似て、なんともいえない味わいが。
やつれをわざと作るために胴の一部に指のあとともとれるへこみ(釜型でいうと出っ張りになるが)がまたええ感じ。
4)芦屋釜・・筑前国遠賀川周辺で鎌倉〜桃山時代の釜の産地で京釜よりはるかに古い時代あり。
二枚貝の鐶付、波頭に青海波、舟、山の地紋がとても繊細で当時からこんな技術があったのか、と驚く。
最近ではかえってこんな地紋の細かい釜は見られないな。
しかもこの釜の蓋にはぴしっとできた割れ目があり、これに南鐐の鎹が打ってある。これがまたええ味で。

(エントランスの水盤の中の睡蓮。大西家のどなたかの作。金属の種類を変えてあるので、それぞれ錆びた色が違うのを計算しているとか)
ところでお稽古なんかでは釜肌は皮脂がつくと錆びるので、直接手で触っては絶対イケナイと習っているはず。
なのにこんなにさわりまくって良いのかしら?
大西さん曰く、もちろん鑑賞会のあとは全部湯通しをして油を洗い流してちゃんとメンテするとのこと。
だよね〜。
「でも、最近の人は釜を大事にしすぎです。ちゃんと後始末してやれば手で触っても大丈夫なんです。しまい込んでおいても錆はきますから、どんどん使って欲しい。」
と、大西さん。
そしてつかったあとの手入れ方法など、教えて下さった。
そうか、洗ったあと炉にかけるだけではだめなのね。
湯を半分にして、ふたたび炉にかけぐらぐら湧かし直すのがコツなのね。
ま、そんなにいい釜はもっていませんけど〜。ヽ(  ̄д ̄;)ノ
鑑賞会のあとは大広間で大原・卯庵さん(一日一組の茶懐石のお店)の点心をいただく。
大原の紅葉がたっぷり添えられて、とてもきれいでおいしかったです。
この時出てきたあまたの燗鍋も、これまた古浄味だの浄雪だの江戸大西家初代のだの、、、、も〜くらくらしそう。
ここでの床の間の軸は東山魁夷の五葉松の釜の下絵。
先代の浄心さんとよくコラボしたそうですよ。
あ〜、これもやみつきになりそうだわ。

さて美術館からほこほことして出てくるとお向かいの町家ではこんなお店が。
第1日曜限定の町家市場、釜座マルシェ。
土付きの里芋やら大きな九条葱やら、おいしそう。着物でなければ束にしてもってかえるのに、、、、

〆は新町蛸薬師のカフェ・ギャラリーうめぞのさんで和スイーツを。(甘い物は別腹なのよ)

こちらも町家なんで、トイレまでええ感じです。

おいしゅうございました

帰り道の白川でみつけた鴨。
お食事中でした。
他の茶道具と同じくご多分に漏れず、いつもはガラスの向こうでしか見ることのできない名物茶釜。
大事にしすぎてガラスの向こうにおくことで、一般人に敷居を高く間口を狭くしたことへの危機感をやはり大西さんも(楽さんと同じく)感じておられるのでしょう。
そんな本でしかみたことのないような釜をこの手でなでくりまわせる貴重なチャンス!
しかも大西さんのお点前付き!

なので一つ紋を着て、はりきってでかけました。
(しかしですねえ、本日は釜が主役なのに釜の写真は1枚もありません。アシカラズ)

三条新町あたり、その地名も釜座(かまんざ)。
九州の芦屋釜、関東の天明釜、ときてそのあとに隆盛をきわめたのが京釜。
その釜師が多く住んだ町がそのまま町名になっています。

大西家はいわずとしれた千家十職の釜師ですが、17世紀初頭、初代浄林が京へ上洛し、三条釜座の座人になったのが始まりだそうです。
当代で16代。私よりちょ〜っとお若い。
美術館内にあるお茶室でまずは大西さんのお点前にて一服。
表さんのようです。
お道具も表千家の歴代家元の書付が多く、ちょっと名前をきいただけではいつごろの方なのか全然わからない。
とりあえず軸は吸江斎(表千家10代幕末のころの家元)の「三冬枯木花」。
三冬とは陰暦10月から12月の三ヶ月をさします。
お菓子は亀末廣さんのきんとん「初霜」。
主茶碗は后熊川「雪曇」、替えは楽五代宗入の黒楽。
大西さんのお点前はなんだか飄々としていて、楽さんのお点前とも味がちがいます。
どちらもお人柄がでています。
さて、一服いただいたあとはおまちかねのおさわりタイム(


(美術館のエントランス)
さて、それぞれおざぶ(座布団)を敷いて出てきた本日の釜は、、、
1)先代・浄心さんの繰口釜・・釜肌に漆を焼き付けていて、つやのある独特の赤味のある色。
つまみが南鐐でキラキラと美しい。蓋に侘びた模様をわざとつけるための技術なども講義していただく。
2)名人と言われた2代・浄清の平釜・・口の周りに紗綾紋、胴に雷文。350年ほど前のものにしてはモダンな意匠
3)与次郎釜・・この手で与次郎(利休のころの天下一釜師)にさわれる日がくるとは(うるうる)しばらくてばなしたくなかった。スリスリ

釜肌のかせた感じが長次郎の黒楽に似て、なんともいえない味わいが。
やつれをわざと作るために胴の一部に指のあとともとれるへこみ(釜型でいうと出っ張りになるが)がまたええ感じ。
4)芦屋釜・・筑前国遠賀川周辺で鎌倉〜桃山時代の釜の産地で京釜よりはるかに古い時代あり。
二枚貝の鐶付、波頭に青海波、舟、山の地紋がとても繊細で当時からこんな技術があったのか、と驚く。
最近ではかえってこんな地紋の細かい釜は見られないな。
しかもこの釜の蓋にはぴしっとできた割れ目があり、これに南鐐の鎹が打ってある。これがまたええ味で。

(エントランスの水盤の中の睡蓮。大西家のどなたかの作。金属の種類を変えてあるので、それぞれ錆びた色が違うのを計算しているとか)
ところでお稽古なんかでは釜肌は皮脂がつくと錆びるので、直接手で触っては絶対イケナイと習っているはず。
なのにこんなにさわりまくって良いのかしら?
大西さん曰く、もちろん鑑賞会のあとは全部湯通しをして油を洗い流してちゃんとメンテするとのこと。
だよね〜。
「でも、最近の人は釜を大事にしすぎです。ちゃんと後始末してやれば手で触っても大丈夫なんです。しまい込んでおいても錆はきますから、どんどん使って欲しい。」
と、大西さん。
そしてつかったあとの手入れ方法など、教えて下さった。
そうか、洗ったあと炉にかけるだけではだめなのね。
湯を半分にして、ふたたび炉にかけぐらぐら湧かし直すのがコツなのね。
ま、そんなにいい釜はもっていませんけど〜。ヽ(  ̄д ̄;)ノ
鑑賞会のあとは大広間で大原・卯庵さん(一日一組の茶懐石のお店)の点心をいただく。
大原の紅葉がたっぷり添えられて、とてもきれいでおいしかったです。
この時出てきたあまたの燗鍋も、これまた古浄味だの浄雪だの江戸大西家初代のだの、、、、も〜くらくらしそう。
ここでの床の間の軸は東山魁夷の五葉松の釜の下絵。
先代の浄心さんとよくコラボしたそうですよ。
あ〜、これもやみつきになりそうだわ。

さて美術館からほこほことして出てくるとお向かいの町家ではこんなお店が。
第1日曜限定の町家市場、釜座マルシェ。
土付きの里芋やら大きな九条葱やら、おいしそう。着物でなければ束にしてもってかえるのに、、、、

〆は新町蛸薬師のカフェ・ギャラリーうめぞのさんで和スイーツを。(甘い物は別腹なのよ)

こちらも町家なんで、トイレまでええ感じです。

おいしゅうございました


帰り道の白川でみつけた鴨。
お食事中でした。