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2013-05

和装用の洋髪シリーズ〜美容室エメラルドさん - 2013.05.30 Thu

先日娘が友人の結婚式に参列するために帰省してきました。
私の訪問着を着付けようと(まだ娘に訪問着誂えてやっていない、、、(^^ゞ )思っていたのですが、難題はその頭。

なにせ私(の若い頃)に似て、太い・硬い・多い、、の三重苦の髪の上に長い、なんとかまとめ髪にしてやろうとがんばってはみたものの、、、、アカン。どんなにやっても髪の毛ピンピンはねまくり、髪留めはじき飛ばすヴォリューム、、ああ、うらやましい、、、じゃなくて!困った!!

これはやはりプロにお願いしよう、とお世話になってる祗園、縄手の美容室エメラルドさんへ。

いつもながら手早くあっというまに、あの手強い髪がこんなに、、、☆:・’ヽ(*・ω・)ノ*:・’゚☆゚・*

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これは魔法? 
福谷先生、ほんとにすごいわ。この髪飾りも先生が着物の色目にあわせて選んでくれたもの。

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おかげさまで娘は無事に着物でおでかけできました。
(帯結び、若干失敗したけど、「自分で結んだ」と言っておくよ〜に、と言い聞かせて^_^; 自分で着るのと違って人に着せるのはむつかしいわ、、、、)

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「いってらっさい」 お見送りシェル。

せっかくだから、過去エメラルドさんでお願いした洋髪シリーズを集めてみました。

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これは昨年の顔見世に行くときの。

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てっさい堂さんでゲットした鼈甲の簪をさしたもの。これ、フラメンコにつかう櫛、ペイネタに似ていてお気に入りなんだけれど、いかんせんちとでかすぎて、ちょっとハデ。

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いままでで一番お気に入りの髪型。顔がなければお茶屋の女将さんでとおる、、、とおらないか(^◇^;)

年とともに髪にヴォリュームも張りもなくなったと嘆く日が来るとは思わなかったなあ〜。あんなに多かったのに。さびしい限りですが、ここ一番の時はエメラルドさんにお願いすればOKよ。

おまけ

娘にもれなくついてきた孫娘。あんよはまだなながら、たっちができて、階段が登れて得意げ、、、なところです。

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あなたも3歳になったら七五三の時、髪結ってもらおうね。(この子の場合、反対に髪が薄いのが心配なんだが、、(´_`。)


観世会五月例会・2013〜「賀茂」 - 2013.05.28 Tue

京都に移住したらするぞ〜!と思っていた数々の事の中に、もう3年になろうとしているのにまだ完遂していなかったものの一つが観世会館デビュー。

お能を拝見する機会は何回かありましたが、せっかく徒歩圏内にある観世会館なのに、まだ行ったことがない。だって他のことがいろいろと忙しくて〜、、、、(^_^; ようするにプライオリティがちょっとお茶より低い、、、

で、今回は強制的に行くべく、早めに五月例会(毎月日曜日に例会がある)のチケットを入手。

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やっと観世会館デビューです。
五月の演目は「賀茂」、狂言「附子(ぶす)」、「籠太鼓」、「昭君」。(残念ながら所用あって昭君のみ見られず。)
座席は行ってから選べますが、中央の席はお能をご自分でもされているとお見受けする熱心なファンでほぼ満席。
私は前の方だから、と柱の影を選んでしまって、失敗!と思っていましたが、いやどうしてどうして、斜めながらも本舞台も、橋掛りなどま正面にみえる案外よい席でした。
今回は「賀茂」の話題を。

さて、時は五月、賀茂の祭(葵祭)もあったのにちなみ、初夏にふさわしい大作は「賀茂」。
舞台正面に白羽の矢をたてた「矢立て台」がおかれています。

都の賀茂神社と同一明神をまつる播州・室明神の神職が賀茂神社へ参詣を志し、御手洗川の清流に二人の里女が神にそなえる水を汲んでいるところにいきあたります。

  御手洗の聲も涼しき夏陰や 糺の森の梢より 初音ふりゆく ホトトギス

神職は川辺に立てられた白羽の矢のいわれをたずねます。里女は「ご神体とも御神物ともとにかくありがたいものだ。」と矢のいわれについて語ります。
昔この賀茂の里に「秦の氏女(うじにょ)」という女性がいて、朝な夕なこの川で水をくみ、神にささげていたところ、ある日白い矢が流れてきて水桶にとまった。

   ある時川上より 白羽の矢一つ流れ来たり この水桶に留まりしを 取りて帰り庵の軒に挿す

すると思いがけず氏女は懐妊し男児を産んだ。この子が三才になったとき、「父は?」と問えばこの矢を指し、たちまちこの矢は鳴る雷となって天に昇り別雷(わけいかづち:ちなみに上賀茂神社の正式名称は賀茂別雷神社)の神となり、その母子も神となった。

   賀茂の川瀬も変わる名の 下は白川 上は賀茂川 、、、瀬見の小川の清ければ 月も流れを尋ねてぞ、、、

都の川づくしの歌を歌いながら里女は姿を消します。

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ついで末社の神があらわれ今一度、賀茂明神のいわれを語り舞を舞います。
ほどなく御祖(みおや:ちなみに下鴨神社の正式名称は賀茂御祖神社)の神が神々しい天女の姿で現れ美しい舞を舞います。御祖神が袖を川にひたし涼んでいると、

  山河草木動揺して まのあたりなる別雷の神体来現し給えり

大飛出の面をつけ、赤髪に四手のついた唐冠のおどろおどろしくも神々しい別雷の神が雷鳴をとどろかせてあらわれ、五穀豊穣、国土守護を予祝しあばれまわります。

そうこうするうちに御祖神は糺の森へ飛び去られ、別雷神も天へ上がっていき、舞台はおわります。

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能楽を見る人が少なくなっているのは否めません。理由のひとつは現代劇をみなれたわれわれには進行のテンポがあまりに遅い、ということがあると思います。場面の切替の間の地唄があまりに長くて、ふと意識を失ったりして(^◇^;) 考えれば、これだけの単純なストーリーを1時間以上かけてやるのですから、早い生活リズムに慣れた現代人には普通の演劇としてみるのはちとつらいかも。

でも、能楽しろうとの私でも、この「賀茂」は登場人物が多いし、衣裳は美しいし、雷神の舞はケレン味があって気持ちよいし、楽しむのはストーリーではなくて、その時空間を味わうことなのではなかろうかと。

御祖神をやっていたのがあとで男前能楽師・吉田篤史さんだったと気づきました。まあ、面をつけておられたので、お顔を拝することはできませんでしたけどね。とても気品のある舞姿で、あでやかな瓔珞冠の天女を演じておられました。
後シテの雷神は前シテとして里女を演じた橋本光史さん。前段とうってかわってかっこいい雷神を演じられました。ややユーモラスな狂言方の末社の神、荘厳で優美な御祖神、そしてやはりオオトリにふさわしいのはこの雷神でしょう。見ている方も雷神が最後にでてくるのがわかっているので、いまかいまか、とドキドキします。

この能では、軒に挿した矢=別雷神になっていますが、上賀茂神社由緒ではこの3歳の子が別雷ということになっています。ここで秦の氏女となっているのが由緒では玉依姫、では別雷の父=白羽の矢は一体だれ?ということになりますねえ。乙訓神社の火雷神とか、松尾大社の大山咋神とか説があるようです。

観世会の会員になっておられる茶友のO様にもお目にかかることができ、能談義も楽しかった。こんなお仲間は貴重です。

さて、この「賀茂」の檜書店(二条通りの能楽専門出版社)の謡本を買ったのはこの日の演目を確かめたかったのと、もひとつ、

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きたる6月最初の週末に平安神宮である薪能の演目でもあるからなのです。(昨年の薪能
多分1回みただけではとらえきれなかったものを、何回も見ることによってさらに深く味わえるのではないかと期待しつつ。

かつて京都では室町の旦那さんなど、お茶とお能はかならず嗜んでおられたらしいです。そういえば武士もそうだった。一人前のおとなには必須な教養だったのですね。私は茶道はともかく、まだまだ能楽ファンともよべない素人ではありますが、能の演目は茶の湯の道具の銘や画題とも深く関わりがあり、興味はとてももっているのです。せめて題名を聞いて、どういう内容なのか思い浮かべられるくらいにはなりたいな、と思うのであります。


東寺・弘法市〜2013皐月 - 2013.05.25 Sat

昨年東寺の弘法市(毎月21日)デビューしたときは、あいにくの雨で、お店は次々とたたみ始める頃でしたが、それでもなんと宏大な市だろうと思ったものでした。

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今月久々におとずれた弘法さんは、ピーカン晴れ。

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日傘と、日焼け止めとサングラス必須なくらいの夏日。

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暑〜いなかでもたくさんの方がおいでです。おおきなキャリーバッグをころがして、戦利品を詰めて帰ろうというやる気満々な猛者もおられます。ではまけずにGo!

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とくにこれを見つけたい!という希望はなく、お店をひやかして歩くだけなのですが、それでもどうしても茶道具にひきよせられますね。

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しかし、なんだかよくわからないテーマの店もあって、これなんかつい最近まで実家にあったぞ、というような昭和の物品が雑然と。こういうのも好きだけど。

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その中に掃きだめにツル、、、じゃなくてそこそこ立派な風炉・釜が。しかも灰まではいってるよ〜。お稽古用にはいいかも。

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あ〜、風炉の季節にほしい竹の花籠もいいなあ。(値段書いてないのがコワイが)

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これもあやしい、旧日本軍グッズ。当時戦地に赴く軍人さんにもたせた、寄せ書きをした日章旗まで売られているのだが、いいのか?それ。

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古伊万里専門のお店はガイジンさんがよくのぞいてはる。欧米では古伊万里人気。
さて、弘法さん、その出店の多彩さがすごい。

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え?ここは青物市でしたっけ?

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スリッパ専門店も。

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鑿、かんな、曲がり尺まである工具のお店。

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ここまできたらもうなにがなんだかわからない。どこかの市場がほんとうにまるまる引っ越してきた、といった感じ。

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これ、なにに使ったのかな、焼き印ばかりのお店。お菓子の焼き印だとうれしいと思ってみてみると「田中」とか「鈴木」とかいった名字ばかり。

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若干お腹がすいてきたので、これも出店で調達したチジミを木陰でいただく。ほかにも本格的な軽食店やコーヒー店まであるし、出店はバラエティに富みすぎて飽きないし、体力あればまる一日ここですごすのも可能です。

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見て楽しいのは茶道具以外では着物ですね。昔の着物はデザインがかえって斬新でおしゃれなものが多い。特に銘仙が豊富。着物の山をほじくり返して一枚1000円というのもあります。四条にリサイクル着物の店をだしておられる大安さんもこられてました。さすがにここは未仕立ての反物が激安。

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こちらは羽裏(羽織の裏地・ここに凝るのが男のおしゃれだった)生地を売っているお店。ほら、模様がお茶道具なんですよ〜。

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インド更紗の版木もなんだかおしゃれだわ。紫野の唐紙のお店、かみ添さんでもこのインドの版木つかった紙製品があったっけ。

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高野槙を売っているお店もたくさんありました。お盆の時に水供養をするのに使われるのは知っているのですが、それ以外にも、普段にお仏壇に供えられる物なのですね。これって関西だけの習慣?それとも真言宗だけ?(実家は天台宗だったので、高野槙を供える習慣はなかった)
ちなみに槇の木はつよいので、2週間は十分もつのだそうです。

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そこで、はっと、ここはお寺さんだった、と気づくのです。
なんだか東南アジアの市にトリップしている気分だったのですが。

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気になったのは李朝陶磁ばかりならべているお店。白磁、粉引、刷毛目、三島、、、どれも本物に見えるのですが。売っているおじさんの日本語がたどたどしかったので、韓国から来たのかと尋ねると、なんと北朝鮮から来た、とおっしゃる。え?ほんま?
韓国の李朝陶磁はニセモノばかり、北朝鮮にはまだまだたくさんある、、、んだそうです。しかもたしかに安い!で、本日の戦利品はこちらのお店でゲットいたしました(^_^)b

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帰り道、バス停をさがしたら、バス停がこんなことになってる。弘法さんの日だけ、ここのバス停は閉鎖されるんですって。

さて、そのお持ち帰りの戦利品、李朝白磁の壺はこんな風、、、、

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鴨川をどり 2013 - 2013.05.23 Thu

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ご存じ、先斗町でございます。京都のイメージをそのまま体現した通りですね。

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こちら、昭和初期に建てられたこの重厚な建物、先斗町歌舞練場であります。

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24日までおこなわれる鴨川をどり、行って参りました。

京都五花街のおどりは春先の祗園甲部・都をどりからはじまって、宮川町・京おどり、上七軒・北野をどり、そして5月は先斗町の鴨川をどり、ですの。祗園東だけは秋に祗園をどりを。(この祗園をどりを制覇すれば五花街コンプリートなります!)

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おお〜!
先斗町のシンボルマーク、千鳥の華やかな提灯が!
昔NHKのドラマで「恋する京都」という芸妓さんが主人公のドラマがあったけれど、あれここでロケしてたのね。

ん?
舞妓ちゃんと芸妓ちゃんが!

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どこぞのだんさん(旦那さん)とご飯食べの待ち合わせみたいでした。着物姿の旦那はんとこのあとどこかへいかはりました。それにしてもきれいやな〜。

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どんつきは鴨川に面していて良い景色なので、開演までのひとときをここで楽しむ。

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反対側は、、、川床。この日はちょっと肌寒かったので、ここで食べてはる人、根性か見栄で頑張ってはるんやろな。(^。^)

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荷物預かりのおばちゃんが、またええ味だしてます。なんだか鴨川をどり初演の明治5年から、ここにいてはるような、そんな感じ。建物もええな〜。

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舞台は都をどりの祗園歌舞練場が規模としては一番大きく、それにくらべるとこぢんまりしていますが、その分どこの席にすわっても舞妓さん、芸妓さん、囃子方さんを近くに見ることができます。(そのわりには今回も舞妓ちゃんのほうりなげる手ぬぐい、ゲットできんかった、、、)

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舞台は歌舞伎を思わせる忠臣蔵の名場面と、お座敷でお客さんに「忠臣蔵を」とリクエストされて、芸妓さんが見立ての忠臣蔵をやったら、、という趣向の「女舞忠臣蔵」二本立て。
女性が髷の鬘と羽織袴姿で大石内藏助なんかやると、宝塚みたいで実にかっこいい!

つねに着物を着ての立ち振る舞い、舞もプロである芸舞妓さんだから、当然といえば当然なのだけれど、着物姿が美しく見えるポーズを熟知しているな、と思うほど、所作の一つ一つが美しい。

着物も、帯留めなどの小物も、髪飾りも芸舞妓さんはつねに一流のものを身にまとう、歩く芸術品(京都の伝統工芸の広告塔ともいえるかも)、舞台の衣裳も美しくて美しくて、ぽ〜っと見とれてしまいました。

五花街のおどりはそれぞれ独特のカラーがあって、都をどりはほとんど舞だけ、他はミニドラマ仕立てが多いかな。どちらが良いかは人の好みによると思うけれど、私はストーリーがある方が好き。

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彦根城屏風のモチーフがみられる見事な緞帳。
京都に芸妓さん、舞妓ちゃんがいて、ほんとによかった\(^O^)/
(narahimuro様、ここらでひとつツッコミよろしく!)

大山崎春茶会〜「福建」 - 2013.05.21 Tue

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これはこの春木津川と宇治川をわかつ背割り桜の遠景を見るためにでかけた大山崎山荘の枝垂れ桜。

これがこの季節にはこんなに。

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季節は足早にうつろっていきますね。

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山荘に足をいれてすぐに出迎えてくれるこの緑のトンネルも、秋には見事な紅葉のトンネルに、あっというまになるのでしょう。

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おや、もうこんな標識が見えてきました。

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大阪の中国茶館無茶空茶館主催の、春秋恒例の中国茶会。

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この広い大山崎山荘内の庭園をフルに使って、森の中のアップダウン、木陰にかくれた小さな茶席を見つけるように茶杯ひとつもって逍遙するそれはそれは楽しい茶会なのです。

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参加証代わりの缶バッジ、今回はこんなの。仕事を終えてからの時間ぎりぎりの参加だったので、一番人気の茶室・彩月庵席は整理券がとれず残念でしたが、それでも十分楽しみごたえがありました。毎回新しい場所に茶席がしつらえられるので、今回はどこにあるのかな〜とさがしながら行くのもまた楽しみのひとつ。

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まずは茶室・橡ノ木茶屋の「水仙席」へ。

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この茶席はもともとは立礼用の席だったんです。窓の外には青楓と下を流れるせせらぎも楽しめるすてきな空間なんです。

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こちらでいただくのは昨年春収穫された武夷岩茶・武夷水仙。

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菓子は開心果(ピスタチオ)と杏仁。中国茶ではいわゆる干菓子がでるのですが、また抜群の相性です。

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水仙茶は中国茶ではよくでる、とても香り高いお茶です。飲んだあとも茶杯に残る香りを楽しむのがお約束。

ところで今回の春茶会のテーマは「福建」。
中国茶のなかでは最高といわれる武夷岩茶の産地、武夷山のある福建省。今回供されるのはすべてこの福建省のお茶、ということにちなむもの。

ちなみにWIKIによると、
「武夷岩茶」と表示できるのは、武夷山市内にある100余りの認可企業によって生産され、かつ、名岩区または丹岩区の原料を使用し、武夷岩茶としての特質、国家規格に合致しているものに限られている。


そうです。

橡ノ木茶屋から細い裏の階段をおりて、せせらぎをわたると、、、おや?

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道端にこんなものが。

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上の氷がとけてしたたった冷水で、下の茶葉をじっくり淹れた感じになっているお茶、点翠席。この下の器から匙を使って茶杯にお茶をすくいいれます。

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鉄観音茶の製茶課程ででる細かい茶粉は普通とりのぞかれるのですが、この茶粉は濃い味がでるため冷茶にするとおいしいのだそうです。まじった茶粉はもちろん飲み込んでもOK!

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さらに庭園の森をぬけて、、、、

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ぱっと視界が開ける芝生広場。陽射しも空気もさわやかなので、あちこちの日陰で三々五々のんびりくつろいでおられる方も。

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おや、「あやしい中国人」のイメージを体現しておられる人が、、(^_^;

こちら竹筏席、この手に持った青竹から茉莉花珍珠螺(ジャスミンティー)冷茶をいれてもらう。後にあるのが帆を張った竹の筏で、このお兄さんはその船頭さん、ということらしいですよ。

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こちらのお菓子は福建省特産のオリーブをなにかで漬けたもの。これ、めちゃうま!

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さて、芝生広場のもう一方では東屋で工芸茶の百花席。

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これが淹れる前の工芸茶。ひところこれにはまっていろいろ買ったことあったなあ。

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お湯にいれるとポットの中に花が咲きます。

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淹れ終わったあとのお茶もこうして水にいれておくと、しばらく水中花として楽しむことができるんですよ。

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お菓子は南京つくねに落とし焼き。宮川町の蒼穹さんのものでした。

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いいわね、この緑の木陰。

東屋からまたお屋敷の方へ緑の中を歩いて行くと、、、みつけました、次なる茶席。

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森の中のお茶席は、松燻席。
福建紅茶の席です。

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茶葉は正山小種(ラプサンスーチョン)。
烏龍茶などが半発酵茶とすると、紅茶は完全な発酵茶、実は紅茶のルーツは福建省だったのだとか。ラプサンスーチョンは松の木で燻製するため、独特の燻煙香があります。(これ完全な受け売り。どうせ茶カブキで全部外す私だもの。いじいじ)

さあ、最後の荒茶席をさがしましょう。

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あ、テント発見!

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日本茶の荒茶といえばブレンドしていない単一品種の茶葉のことですが、中国茶の荒茶は少し意味が違うようです。半発酵させた茶葉に火入れをした状態が荒茶。ここから封をして常温、あるいは炭火でさらに発酵をゆっくり促し、味に深みをそえてはじめて出荷されるのだそうです。

このザルの下の方が荒茶。上の小さい器にはいっているのが製品となったお茶です。

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こちらでは三種の荒茶をのみくらべ。
武夷肉桂、水仙、そして武夷岩茶の最高級茶の大紅袍。

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たしかに製茶されたものにくらべると、素朴な香りです。洗練されていない分、よりフレッシュな感じ。(ボージョレー・ヌーヴォーみたいなもの?)
味音痴の私でも、三種の違いが少しわかったような気が、、、、(^_^;

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いつも疑問に思うのは、岩茶の茶葉は植物学的に同じチャの木であるので、日本茶と同じ製茶をしたら同じような味になるのかどうかということ。聞いてみたら、土壌に含まれるミネラルなどの成分がちがうから、きっと違う物になると思います、とのこと。なるほどね。でも試してみたいなあ。

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終了間近の訪問でしたが、今回もたっぷり楽しませてもらい帰路につきました。室礼も環境も、そしてお茶も最高です!


(おまけ)

JR山崎駅の真ん前に、国宝の茶室・待庵を有する妙喜庵があります。拝見するには1M前からの予約が必要で、いまだ行けていませんが、写真だけ、撮って帰りました。

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紫〜染織史家・吉岡幸雄+染師・福田伝士 ドキュメンタリー - 2013.05.18 Sat

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ぎりぎり京都の上映に間に合った。

川瀬美香監督・撮影 映画「紫」。(公式サイト

日本の伝統色=植物からだけもらった色の再現をライフワークとする、京都の染司よしおかの五代目、吉岡幸雄さんと、試行錯誤しながら染色の実際を担当する先代から仕える染師、福田伝士さんの二人三脚のドキュメンタリー。

縦軸に、東大寺二月堂お水取りのときに十一面観音を荘厳する椿・糊こぼしの材料となる和紙をおさめるまで。横軸に植物染料による染めの色の豊かさ、自然からもらった染料にこだわるがゆえの困難さなど。

吉岡さんは40歳までは美術工芸関係の出版にたずさわっておられた。家を継ぐことになったとき、すべての化学染料を放棄、すべて植物由来の染色にきりかえるという決断をくだされた。
化学染料ができるまでは、日本では古来の色をすべて植物で染めていたわけで、いにしえの染師の仕事をみるにつけ、その色の独特なニュアンス=化学染料では表現できない、、や淡い色の中にさえある豊かな色彩に惹かれ、それを再現したいと思われたそうだ。

正倉院の時代から、古来の染師のわざはすでにMAXであって、現代においては、それに追いつくことができないと言われる。さらに夾纈(きょうけち)といわれる、現代ではすでに失われた高度な染色法すらあったと。それらを復元すべく仕事をされているうちに出会ったのが薬師寺玄奘三蔵大祭、東大寺二月堂お水取りにまつわる染色物。

失われていた伎楽を復活させた薬師寺玄奘三蔵大祭()。その伎楽の衣裳50組をすべて新しく染色して再現したのが先代だったという。その縁で吉岡さんは今でもその衣裳、小道具を古典から再現した紋様、古来の染料による色彩、古来の縫製の技術にのっとって担当されておられるとか。

薬師寺や東大寺の幡(仏教寺院でたてられる幟のようなかざり)も担当され、さらに二月堂お水取りの椿の造花を作る和紙を毎年奉納されている。

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これはニセモノですが、こんなイメージね。

その和紙を染めるのに芯の黄色は梔(くちなし)を、そして赤は山形、伊賀上野の紅花を。
昔はどこででも栽培されていた紅花が、いまではほとんどが山形でしか手に入らない。紅花染料を確保するために吉岡さんは山形や昔の産地だった伊賀上野で、頼み込んで栽培してもらう契約農家を開拓までされている。(九州竹田の紫根、工房近くの蓼藍なども農家との交渉で栽培してもらっている)そこからしないと、もう植物による染色は日本ではむつかしくなってきているのか、、、

しかし、必要な紅紙を作るのに紅花60kgがいりようなのに、日本でかき集めて集まるのは15kgほどなんだとか。そんなに少ないのか?!とびっくりしてしまった。残りは残念ながら中国からの輸入紅花となる。
吉岡さんが言うには、紅花の色素含有量が年々減ってきているらしい。かつて自然と共存してきた人間が、近代になってさんざん大地を痛めつけたツケがまわってきていると言われる。そういえば日本の農業自体が疲弊をいわれて久しい。こんなところにも影響がでているのか、と暗澹たる気持ちにはなるが、私は農業の苦労を知らないのでそれをいう資格はない。

自然からもらった日本古来の色を復元したい、その吉岡さんのつよい意志を実際の形に変えているのが染師・福田さん。どこか飄々としたおじさんだが、この人なしでは染司よしおかはなりたたない。染めの技術は大筋は成書があっても、実際には役に立たず、経験と勘だけがものをいう世界なのだそうだ。
工房の染めの道具はボールやお皿、スプーン、、となんだか料理を思わせる。料理の味付けもスプーン何杯、では再現できない+αがある点で共通しているのかも。
そして京都の豊かな水が染めの色をいっそう冴えさせるのかな、と思う。

タイトルの「紫」は、吉岡さんの一番好きで、一番染めるのがむつかしい色からきている。
紫色は、紫ではなくて白い花をさかせるムラサキ草の根からとれる。この草は脆弱なので生育がむつかしく、古来より貴重な染料であり、これで染めた紫の衣裳は高貴な人しかまとえなかった。紫の物語といわれる源氏物語のように、高貴で奥深く、そして妖艶な色、、、それが紫根の紫。
(ちなみに私は下々のものなので紫のものは洋服も、着物もございません^_^; 似合わないし)

映画の最後、染め上げた椿の造花用の和紙に「奉 吉岡」と墨書した熨斗をかけ、丁寧に風呂敷でくるんでお水取りの練行衆の潔斎所である別火坊(ここでお水取りにさきだち練行衆たちは協力して造花をこしらえる)へ自ら運ぶ吉岡さんの姿が。
紅で染めた和紙は、もとは同じなのに梔で染めた黄色い和紙より重いという。紅花の命がたしかにそこにこめられていて、それでこそ、十一面観音に献げられるにふさわしい荘厳となるのだな、と思う。
(ああ、一つで良いからおさがりの椿、ほしい、、、)



*京都での上映は終わりましたが、18日から神戸の映画館(元町映画館)で上映されるそうです。吉岡さんの舞台挨拶がある日もあるそうですよ。





色無地の誂えとおそろいのバッグ - 2013.05.16 Thu

茶席の着物といったら、訪問着や付下げよりもやっぱり色無地一つ紋がいいと思う。
で、色無地と言ったらやはり地紋の美しさに惹かれる。
染め色はいろいろ注文がつけられるけれど、白生地の地紋は選択肢があまりないことが多い。

そこで以前から目を付けていた伊と幸さんにコンサルト。白生地をたくさんあつかっておられるので、地紋の種類の多いこと!うれしくなります。かえってどれにしようかとうれしい悩みが、、、

好きなモチーフ、葡萄唐草があったのでこれに決定。色は今まで色無地としては持っていなかった桜鼠に。
一つ紋もいれて誂えたものができあがってきました。

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夜撮ったので、色があまりきれいにでてないのが残念、、、(>_<)ゞ


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色無地の地紋は見る方向によって模様の浮き上がり方、色が変わって見えるのがまたよいのです。遠くから見るとよくわからなかった地紋が好きな紋様だったりするとうれしくなる。

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よそのお店でお買い得だった生地は、たしかに安いのだが、中国産の絹で、地紋もいまいち。やはり長く着て、あわよくば娘にも孫にも手渡そうとおもったら、少々財布がいたんでも国産の絹地がいい。もう手触りからしてちがうので、まとったときの感触もほんと気持ちいい。これ、女性にしかわからない感覚かも。

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さて、今回のもうひとつのお楽しみはおそろいのバッグ。着物を仕立てたあとのあまり布がたくさんあるので、バッグもできますよ、とのご提案があり、値段もリーズナブルだったのでお願いすることに。その完成品がこれ。

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これは早速先日もっておでかけし、日中にとった写真で、実物の色に近いです。

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普通の和装バッグは収容量がいまいち少ないのが不満でしたが、うれしいことにこのバッグ、とてもたくさんはいります。中のしきりも機能的。
ただ、ひとつの欠点が、、、
それは持ち手が共布なので、長く使っているとそこだけ手垢がついてずず黒く汚れてしまうだろうってこと。だからといってしまいこんでしまうのはあほらしいし。

で、またまた良い物を発見!

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革製持ち手カバ−!
通販でゲットしました。

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スナップで簡単に着脱できるのもミソ。

これに味をしめて、箪笥にねむっている他の着物のあまり布をバッグにしようかな〜ともくろむ。
ほんと、着物まわりのことって、楽しい〜(∩.∩)



Fortune Garden京都〜旧・島津製作所本社 - 2013.05.14 Tue

(今日は実はグルメ記事ぢゃありません。スミマセン)

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昨年結婚式場・レストラン・パーティー会場としてデビューしたFortune Garden 京都

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実は島津製作所の旧本社の建物。島津のロゴはそのまま保存(^_^)v
ええなあ、このエントランスファサード。

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だって武田五一の設計だもの。
京都市役所、府立図書館と同じ戦前の名建築だもの。

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Fortune Garden京都は東京の資本ながら、壊されずにすんだのは本当にヨカッタ。
ええなあ、このディテール。

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しかし、河原町通りのこのビルの前はよく通っていたはずだけれど、Fortune Gardenになる前はどんなだったか、いまいちはっきり記憶にない。あまりにあたりまえすぎて目に入ってなかった。こんなになってはじめて名建築だったんだ、、とわかるとは!(まあ、島津に用事はなかったので入る機会もありませんでしたが)

ネットでさがしてみたら改修される前の画像を発見。コチラ→
そういえば、そうそう、、、と思われた方も多いのでは?

さて、建物ウォッチングをかねてこちらのレストランで夕食を。

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なんだか大正デモクラシーの世界に迷い込んだようです。(竣工は昭和2年ですけど)
奥の方にウェイティングバーもあって、大人の社交場のイメージ。

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でもフレンチの食事はカジュアルな感じで、お値段も若者向きにややお安めの設定。
こちらカウンター席。

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え〜、、、本日はビルウォッチングがメインなので、お料理の写真はこれで終わりです。(^_^; アシカラズ。
でもおいしかったですよ。雰囲気もあわせてオススメはしておきます。

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ちょっと外の廊下部分も見てみましょう。ああ、いいですねえ、この雰囲気。

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上へ行く階段部分はややシンプル。

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反対側からカウンターをのぞむ。

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北門のエントランスホールもパイプをくゆらす大人達の会話が似合いそう。

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もう少し暖かくなったらオープンカフェにもなる、すべての部屋から見ることができる庭は竹林と鯉の泳ぐ池。この庭はFortune Gardenになってから新しく作られたようです。京都らしいウェディングの背景としてよく似合うかも。

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ともあれ、ふたたびこの建物に灯がともったのね。
フレンチもレトロモダンビルウォッチングも、ごちそうさま。


憧れの忘筌にて一服〜大徳寺・孤篷庵 遠州忌茶會 - 2013.05.12 Sun

遠州公のかの有名な茶室、忘筌をはじめて訪れたのは一昨年の秋、特別公開の時でした。

この茶室建築の歴史上の意味からも重要な茶室は、利休時代に極限までに削られた小間の茶室から、織部の鎖の間を経て小堀遠州がたどりついた控えの間のある、点前座は小間を思わせるが実は書院というもの。

茶室から「舟入板の間」を通して、下半分が切り取られた障子に縁取られて拝見する庭。
まったく絶妙のバランス。

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(雑誌よりお写真拝借)

できれば茶室を見るだけでなく、ここでの茶会を体験してみたいものだと思わずにはいられませんでした。
忘筌のある孤篷庵は遠州の隠居所であり菩提所でもあるので、毎年遠州忌には遠州流の家元がここで献茶をされる、というのを聞きましたが、遠州流じゃないしねえ、、、と諦めていたのですが、、、

これもありがたい茶縁にて、その望みを果たしてまいりました。

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毎年5月、孤篷庵にておこなわれる遠州忌茶會、この日は朝から京都ににつかわしい小雨で、緑も石畳もしっとりと美しさを増しているようです。

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遠州流の方ばかりと思っていましたが、お裏さんの知り合いにもたくさん出会いましたし、茶道界ではそこそこ有名な方の姿もチラホラ。主催の小堀遠州顕彰会は流派をこえた財団というだけでなく、茶人であるかぎりは皆様、忘筌への憧れ、遠州公への敬愛の思いは同じなのですね。

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遠州流家元によるお献茶からはじまって、濃茶席、薄茶席、点心、最後にこころおきなく忘筌の茶席を楽しむ計画としました。

遠州公の菩提を弔う献茶はなんとご親族方のすぐ後の席で拝見。(これは裏千家みたいな大きな組織ではありえん、、)要するに台子の点前なのですが、柄杓の構え方、武家茶道の基本である右につける帛紗、などマイナーな違いはあれ、基本は私たちが習っているのとかわらないな、と思います。
もともと台子の点前から始まって流派別れしたので、台子はすべての流派の祖先みたいなものですから、当然と言えば当然なのですが、それを改めて確認。

献茶では白い帛紗を使うのですが、あらかじめ結界のようにして台子の柱の一本にくくりつけてあったのは印象的。そして畳のへりの模様が遠州七宝だったのにはさすが!と。

薄茶席では、別室でお茶をいただいて其心庵で、道具組を拝見。其心庵は明治の頃の11代家元が建てた小間。(三畳台目、、、くらい?だったかな)
道具組は遠州ゆかりの人々にちなむもの。

後水尾天皇の題御宸翰に、遠州の和歌の師匠であった冷泉為頼自詠の歌。後水尾天皇は遠州とともに寛永文化サロンの中心的人物。
釜は遠州が指導した釜師、大西浄久(大西家二代の弟)。水指は後水尾天皇にちなんだ修学院焼。替え茶碗が、遠州指導の信楽焼「花橘」を本歌とする高取。茶杓が後水尾天皇の弟、近衛応山公作。
お干菓子が東京の源太萬永堂の遠州緞子裂紋様。

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紅白で唐花模様の部分は食べちゃったので、七宝だけお持ち帰りで画像を。

ついで書院にて濃茶を点てだしでいただき(お菓子は末富さんの「あやめ」)隣接する山雲床(さんうんじょう)席にて道具を拝見。山雲床は龍光院の国宝・密庵写しの四畳半台目席。
釜は古芦屋、口八景といって、八角形の口の立ち上がりの八面に蕭湘八景を描いたもの。遠州は近江の生まれなので近江八景をこれになぞらえたもの。

軸は春屋宗園。この茶室の床壁は水墨画が描かれているのですが、もうかなり古いので黒っぽく重厚な感じなっており、こういう床にこそ映える重い軸です。しかも中廻しが紅地金襴、その紅色がとてもあざやかで映えること!床と軸のバランス、マッチングはとても重要なのだと再認識。

ビックリしたのは遠州流では灰形を湿灰で作ること。火がおこるにしたがって徐々にはしから白く乾いていくのも景色とか。乾燥灰と湿灰ではどちらが灰型をつくりやすいのでしょうか?遠州流の人にお聞きしても「乾いた灰で作ったことがないからわからない。」とのことでした。(^_^; 私たちは湿灰で作ったことがないからわからないし。
それから枝炭が黒、なのも驚き。(千家では胡粉で白い)

本堂で祗園松むろさんの点心をいただいて、いよいよ忘筌席。

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九畳+三畳の控えの間。
利休の小間でもなく、かといってそれ以前の書院とも違う。織部の鎖の間をさらにはっきりさせた相伴席。(ちなみに現在の忘筌は江戸時代に焼失し、遠州を限りなく尊敬する不昧公によって正確に再現されたもの)

以前拝見したときは建築として空の状態で見たわけですが、今回は釜があり、軸がかかり、緞通が敷かれている。こうした茶席としてしつらえられると、まったく違う空間になるのですね。ここでお点前を拝見できるのも貴重な経験です。(ちなみに軸はこれも遠州と交流のあった澤庵 宗彭の一行物)

孤篷庵の孤篷とはそもそも苫で編まれた孤舟を意味する言葉。忘筌では舟内から外の景色を愛でる趣向になっているのです。できれば障子を開け放って舟入板の間を眺めながらの茶席だったらなあ、、と思いますが大勢の方が通られますのでそれは仕方ないですね(^_^; そのかわり席がおわって他の方々が退室されたあと、開け放たれた障子からかの有名な景色を目に焼き付けておこうと少しゆっくり座ってみました。

障子下軒露地に置かれた蹲居・露結(遠州の字で刻まれている)は、水面に日差しを反射させ、室内の砂摺り天井に波紋を照らし出す工夫が施されているとか。雨の日ゆえ、それは確認できず。「露結」とは兎を意味する「露結耳」からきているそうです。「荘子」の「得魚而忘筌、得兎而忘蹄」から、忘筌の魚と対をなすものとして。すごいですねえ、ここらへんのセンスも。

は〜、、、(* ̄∇ ̄*)、、、
憧れの忘筌席、堪能いたしました。

遠州公、大名にして、天下一の造園・建築・工芸デザイナー・テクノクラート・歌人・香道家・能筆家そして大茶人。遠州流を学ぶ人だけではなくすべてのお茶を愛する者にとって、やはり憧れの茶の湯の巨人です。


新緑の苔香居・2013 - 2013.05.10 Fri

この前上桂に来たときには秋のさかりでこんな感じでした。

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こちら葉室山浄住寺の山門。

今日は緑したたる新緑の山門です。

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この浄住寺のさきを少し行くと苔香居の威風堂々たる門が見えてきます。

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上桂・葉室御霊神社の社家の筋で庄屋もつとめた400年もの歴史がある山口家住宅です。

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ご当主は現在はここに住まれてはいません。住まなければ痛むにまかせてしまうのを惜しまれたのでしょう。いろいろなイベントを年に何回かしてはります。

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(玄関)

人が出入りする機会をどんどん作って、建物の保存維持だけでなく、伝承されてきた暮らし、生活文化をも後世に伝えたい、そんな思いでしょうか。

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苔香居のイベントは、蕎麦打ちの会やおくどさんでご飯の会などユニーク。
私は以前おくどさんでご飯の会によせてもらったことがあります。

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これがその時の写真。すごい堂々たるおくどさんでしょ?しかも現役。この時はここで薪をくべて炊いたご飯や、お釜の底のおこげを楽しみました。

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今回よせてもらったのは年に2回の虫干しの会。
今のご当主の母上やお祖母様のお召しになったたくさんの着物の一部を虫干しも兼ねて展示されます。
開け放った縁側のそとの緑のすがすがしいこと!
それに垂涎の鍋島緞通がおしげもなく〜〜!!(゚ロ゚屮)屮

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明治〜大正のころの着物でしょうか。名家に伝わる極上のお着物の数々。当時のものとは思えないくらいモダンな意匠もあれば、さすが!とうなるような超豪華・超技巧のお着物も。すばらしい!
今では一般にはだれも締めない丸帯などもあり、この写真のように引き抜き結び(お女中さんでもいないと一人では締められない結び方・なので模様の天地が逆になっている)でしめる帯も時代を感じます。
これ、模様が逆ゆえ、当節の太鼓結びをすると模様が逆になるのでちょっと使えない、、、

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ご当主の母上かお祖母様の婚礼衣装。今では留袖は比翼というウソツキ襲ですが、このころはほんとの三枚襲。しかもそれぞれに紅絹などの裏がついた袷仕立てなので、かなり重いと思われます。
それにしてもため息が出るほどのお衣裳です。着用したいとは言いません、眺めているだけでも幸せな気持ちになります。これをまとった花嫁さんのはれやかな、そして誇り高い気持ちを想像できるようです。

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夏着物も凝っています。今でも全然古くさいという感じはしなくて、かえって斬新なイメージなのはよほどの名品ということでしょうか。

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あと華やか豪華な衣裳だけでなく、お祖母様が日ごろから普段着としてまとっていらした紬や絣などの着物もたくさん残っていました。こういう普段着は杉本家などでも残っていないそうです。ほとんど形見分けとして散逸するケースが多い中、ここまで残っているのは奇跡的。きちんと手入れされ、すぐにでも着用できそうなほど。

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以上、ご案内いただいたF様の受け売り〜(^_^; 
F様は着物関係のプロでおられるので、そのご縁で虫干しの会には毎回お手伝いされているんです。そういえばおくどさんでご飯の会のときも、火吹き竹で一生懸命薪を熾してくださいましたね。いろいろとありがとうございました(^▽^)/

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眼福をいただいたあとは口福(*^^)v を土間にて。

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この土間の上は高い天井、煙抜きもあってよい感じです。

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ご当主の趣味でもある手打ち蕎麦とおくどさんで炊いたご飯を頂戴する。

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このついてくるおこげがたまらん!
このままでもパリパリおいしいけれど、ほうじ茶のなかに放り込んでふやかして食べるとなおおいしい

そしていよいよお楽しみの茶室・泰庵の茶席を。

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家の中に森があるんですよ。そのなかに茶室がふたつ、あるそうです。

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こちらは待合。
囲炉裏に自在、、、なんて素敵な、、、

先々代のご当主がりっぱなお茶人さんで、「苔香居」の名前もその方の命名とか。この囲炉裏の間の奥に昔轆轤があって、淡々斎がきて土をひねっていたというから、すごい(@_@;)

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お菓子は粽。(正直食べにくい、、、トホホ)

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こちらも市中の山居の腰掛け待合い。
虫干しの会では毎回裏千家茶道学園の学生さんがこうしてお釜をかけてくれるんです。

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泰庵は二畳台目+中板。
この日は釣り釜で、釜はなんと浄林(大西家初代)。お軸は山口誓子の歌。
お茶をいただいたお茶碗は高麗の熊川。これらのすべてのお道具は山口家の所有物。
淡々斎の箱書きのものが多く、お祖母様の削った茶杓に淡々斎が銘をつけた、、、というのはその交流の親密さをうかがわせるものですね。

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お茶室からいったん外に出ると、こんな「在釜」の旗が。(゚▽゚*)

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最後はこれも邸内の庭にあるカフェで一服。

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おいしいコーヒーをいただいたあと、苔香居をあとにすることにいたしましょう。

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青楓のころもやはりすばらしい苔香居、ここは何遍来てもええな〜。

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ちなみに本日の帯。
苔香居は西山、西山と行ったら竹林、竹といったらやはり雀でしょう>^_^<
屋久杉の繊維で織ったとても軽い今ごろの季節の帯ですの。




千本ゑんま堂大念仏狂言〜釘抜地蔵さん - 2013.05.07 Tue

千本通りはかつて平安京の朱雀大路(目抜き通り!)のあったところどす。
それをちょ〜っと北の方へ行くと、通りに面して唐突にお寺があらわれるんです。

ああ、もうすでに♪カンデンデンの音が〜。

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引接寺というてもわからへん。千本ゑんま堂いわな。

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こちらのご本尊は閻魔さま。暗いお堂でお参りすると、大きくて眼力がこわいので、やっぱりウソはつかんとこ〜と思う。
京の人が言う「この前の戦争」こと^_^; 応仁の乱で、平安末期の初代閻魔さんは焼失、現在のは15世紀に復元されたものやて。それでも十分古い。

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5月初めに4日間、夜も境内でひらかれる大念仏狂言。すべて無料のふとっぱら。
舞台は期間中、必ずはじめに演じられる「えんま庁」。途中からだったのでよくわからず。

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ちょっと前の方に席をゲットして、二つ目の演目「寺譲り」。
壬生寺の狂言はすべて無言劇なのに、こちらのはすべてセリフあり。

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寺を譲られたちょっとマヌケの沙弥(さんみ)さん、寺にものを借りに来るのを断る方便を隠居した和尚さんからさずかるも、融通がきかないのでへんてこなことに。まるで落語を聞くようなおもしろさ。30分という意外に長丁場なのに、全然たいくつせえへん。

「せんだって逮夜に参り、おりふし道にて雨に会い、、、、、」


名調子!

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演目の間は舞台で囃子方ひとりがカンデンデン、、と太鼓と鉦をならしてはる。
舞台裏にて小休止の残りの囃子方さん。

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お盆の頃に迎え鐘、送り鐘になる鐘楼には南北朝のころの刻印があるそう。このあたりは平安京三大葬送地のひとつ「蓮台野」の入口にあたるので、それでなるほど閻魔さんか。

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続く演目は「にせ地蔵」。
これは竹三郎と梅三郎が悪巧みをしているところ。お地蔵さんにばけてお供え物を山分けしようという魂胆。

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梅三郎が化けたこのお地蔵さん、ちょっと変やろ?
なにがって、、、

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後ろ向きにお面をかぶっているので手と足の向きが逆。うぷぷぷ、、、、
それでもお供えを持って参拝する人は「南無しゃかしゃかしゃか、、、」といろんなお願いを。このお願いの内容は毎年アドリブなんやて。

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ニセ地蔵の要求で帯や着物までお供えしちゃった婿さんがほしい娘はん。「あれじゃ婿はこんわいな。」

この狂言、かつては西陣の特定の家の男子のみ世襲で継承されてきたもので、一時は20日以上も延々と演じられるほど人気があったんやて。TVの普及ともに狂言を見る人もおらんようになって、昭和39年に中断、昭和49年に舞台と衣裳焼失で一時は完全消滅も覚悟しはったそうや。

でもそれがバネとなってゑんま堂狂言保存会が結成され、いまでは4歳〜65歳の30人くらいのメンバーでがんばってはるんやて。

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さて、舞台。手と足が逆なことに気づいた庄屋さんにばれてしもうてえらいことになった〜、、、でおしまい。

演目は昼の部、夜の部あわせてこの日は11演目も続けられるそうや。
おもしろかったしまた来年もこよう(* ̄ー ̄)v
保存会のみなさん、おきばりやっしゃ〜!応援してますで〜!

その足で少し南へ行くと、これまた石像寺ではわからん、釘抜地蔵さん。

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弘法大師創建というからには古い歴史のお地蔵さん。

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苦を取り除くから「苦抜き地蔵」とも、お地蔵さんが手に刺さった2本の釘をぬいて病の苦しみをすくったからとも。なのでここのシンボルは大きな釘抜きと2本の釘。

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ありゃ〜、、ここに奉納されているのもみんな釘抜きと2本の釘!願いが叶った御礼におさめていかはるらしい。

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お堂のまわりをくるくる回って、お堂の一画にある箱に竹の棒を入れている人がおってや。なんやろ?

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なんでも年の数だけ竹棒をもって、一周するたびに箱におさめていって、なくなるまでお祈りすると願いがかなうんやて。うちの年の数やと、願いがかなうまえに目がまわりそうやなあ、、、、、



注)本日はニセ京ことばでおおくりしました(^_^;



春日の森の藤に酔ふ〜奈良国立博物館・當麻寺展 - 2013.05.05 Sun

華厳茶会のあと、奈良公園を歩いていたら、、

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藤の花が盛りではありませんか。
そうだ、これはやはり春日大社の砂摺りの藤(砂にするほど花房が長い)を見に行かねば。

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春日大社の参道は春日原生林のはしっこ。とても都市の中とは思えません。静謐な神域のたたずまい。

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奉納された灯籠には鹿のレリーフも。この参道は数年前の厳寒の深夜に見た春日若宮御祭の遷幸の儀で、警蹕(けいひつ)の声とともに若宮の御神霊がくだっていかれた道だなあ、、と思い出しつつ。

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境内の砂摺りの藤の古木。まだ少し早く、砂をするまでは房はのびていません。

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それでも垂れ下がる藤の花房は美しい。
この時期、春日大社の巫女さんたちは藤の前簪を頭につけはるのですが、この日は残念なことに巫女さんには出会えず。

ここの藤だけでは少し物足りないので、神苑の萬葉植物園の藤の園へも。

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そしてこちらへも行かなくちゃね。

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奈良国立博物館にて開催中の特別展は、、

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當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-

今年は當麻曼荼羅完成1250年記念なんですって。


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展示は當麻寺曼荼羅が完成したのと同時代の平安初期の仏像群、教典、工芸品など。圧巻はなんといってもその曼荼羅そのもの。

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伝説に寄れば、仏教に深く帰依した中将姫が尼になってのち、観音様の導きのもと、蓮の茎から糸をとり、五色に染め上げ、それをもって観音が一夜でみごとな曼荼羅に織り上げたという。


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子供の頃、「中将姫物語」という絵本を持っていて、その絵がとても美しくて、特に蓮の茎を五色に染め上げる場面がとても印象に残っています。なので、これがあの曼荼羅か、と思うと感激もひとしお、、、、でもちょっと原本は痛みがひどすぎて、正直何が描かれているのかほとんどわからない(^_^;
(それに中将姫伝説って、けっこう複雑なのね。しらなかったわ。知識が絵本止まりなので。)


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展示では、江戸時代に復元模写された、完成当時はこうであっただろうと思われるきれいな曼荼羅の画像と、その絵解きの映像も公開され、なかなか見応えがありました。これだけの織物を作る技術が1000年以上も前にあったこと、これだけの手の込んだ緻密な大作を織り上げたその信念は、篤い信仰心が支えていたのでしょう。


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おや、藤の花がこぼれているのかな?
と思ったら、花の名前はわかりませんが、藤によくにた草の花が足元に咲いていました。

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當麻寺というと毎年5月14日に行われる練供養が有名ですが、これは中将姫が亡くなるときの菩薩来迎の姿を模しているとか。展示の中には江戸時代のもので、菩薩たちが手に手にいろんな楽器をもって踊るがごとき姿をあらわした小さな彫像群がありましたが、あのイメージですね。そうそう、平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩と同じ。
あんな楽しそうな来迎ならあの世へ行くのもさびしくないかも、、、

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これは八重黒龍という八重咲きの藤。う〜む、さすがにこれはちょっとくどいかな?

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以前、山の間から阿弥陀様がぬっと上半身をつきだしている絵を見たことがあって、あまりに異様なので記憶にのこっていたのですが、あれがあったんです。あれは二上山のかなたにあると信じられた西方浄土から、阿弥陀様が来迎された図で、山越阿弥陀像というのだそうです。あれはちょっとコワイ(^_^;

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ふたたび曼荼羅。
中央に阿弥陀如来、両脇に観音菩薩と勢至菩薩、多くの菩薩・聖衆、宝閣や散華、飛天、蓮の花をもった天人、、極楽浄土はかくもうるわしい。死をおそれることはなにもないのだ、という御仏の教え。
現代人にとっては簡単に帰依できそうもないけれど、それでも少し救われる気がするのは、その教えを一心に信じこの曼荼羅を織り上げたような人たちが、かつてほんとうに存在したという事実にでしょうか。

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ふたたび奈良公園の藤の花。
どの季節にも見頃の花がある。うましうるわし。これこそが地上の極楽浄土?
、、、なんちゃって。


東大寺華厳茶会・2013 - 2013.05.04 Sat

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奈良の鹿の角も、生えたてのほやほや、柔らかい産毛に覆われる季節。

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5月のさわやかな風にあおられる幡。(多分これ吉岡さんが染めた物)

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今年も5月3日、恒例の大和茶の新茶奉納、ひき続き裏千家大宗匠による御献茶と続く 東大寺華厳茶会がやってまいりました。

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3年前、はじめて行ったときは献茶式を、2年前は茶壺道中をメインに見てきましたが、今年は(昨年は行けず)どちらもスルーして、お茶席をゆっくり楽しむことに。

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ちなみに大仏殿・献茶会場はこんな感じ。

さて、茶席は4席ですが、例年とおなじ3席を同じ順番で^_^;(なので前の記事とほとんど変わらない内容、、、スミマセン)

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一番人気の(?)副席は大仏殿裏にて。今年はうちの社中の先生のお知り合いがかけはったらしい。ここで1時間待ちはこれも例年どおり。このためにいつも一冊文庫本をもっていきます。

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目が疲れたら、したたる緑をぼ〜っと眺めて急がない時間をすごします。

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普段は入れない大仏殿の裏にお茶席があるんです。一席60人ぐらいぎゅうぎゅうにつめこまれたので、お隣とのご挨拶も肩をすくめてですが、この席は遠方にお住まいの偉い先生がかけはるので、お道具も楽しみが多いのです。

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お菓子の銘は「三山」。大和三山ですね。中の餡がピンク色、黄色、こしあん、蓬餅のすてきに美しい生菓子です。まさに春の大和の山々のイメージ。
お軸は良子皇太后(昭和天皇皇后)の御染筆、藤童子。藤の花を摘もうとしている水干姿の童子の絵。お若い頃の絵でしょうか。皇太后のイメージそのもののおっとりやわらかで気品のある絵でした。本席にこういう絵をもってこられたのはとても新鮮に感じました。

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華厳宗宗務所では今日庵席と点心席。

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こちらの庭園は若草山を借景に、眺めもすばらしいのです。

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建物は建て増しをくりかえしたのか、アップダウン、右へ左へ迷路みたいなのですが、さすが風格があります。

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待合でお菓子をいただいて(末富製、銘は「香具山」)本席は濃茶席。実際に席中では使われないのですが、名品のお道具の数々はごくちかくで拝見できます。(制限時間あり、だけど)
やっぱり歴代楽より青井戸茶碗(銘「立浪」)の方に目がいく、、、、すてきに複雑な色。
了入の楽の銘が「母父開」と書いて「鉢開き」と読ませるのはしゃれが効いていておもしろい。

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さてお楽しみの点心はこれも例年通り、辻留さん。

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ボリュームもたっぷり、美味しゅうございました。

最後は私の大好きな勧学院の東大寺席。

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東大寺管長をされていたこともある上野道善師が席主をつとめられる席で、お寺のお堂が茶席にはやがわり。板張りの茶席もなかなかお寺さんらしくて好きです。ちなみに道善師の茶杓、一本もってます(^_^)b

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勧学院はもともと東大寺の学問所で、今でも大学の先生などをよんで仏教や文化の講座をひらいていて、一般参加もできます。(くわしくはこちら

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こちらも小一時間待ちましたので、文庫本が大活躍。でもここも景色がよいのであまり苦になりません。

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入席の順番券に「芳村観阿席」と書いてあるので???

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あとで調べてみると江戸時代の茶人で、原羊遊斎などとも交流があり、不昧公の道具選びにも一役かった人だったらしい。これがそのお墓とか。

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東大寺らしく待合の鯉のぼりのとぼけた絵は清水公照さんのもの。風炉先にも公照さんの独特の字になる華厳経が書かれていました。お道具も東大寺ゆかりのものばかり。お水取りのお松明からつくった茶杓なんかもいいですね。(ちなみに私がもっている善道師の茶杓もお松明からつくったものですの〜)

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お菓子は、、、鯉のぼり≧(´▽`)≦♪ もう一種類、兜を模したお菓子もあったんですよ。

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一歩参道に足を踏み出すと、GWさなかとてたくさんの参拝客が歩いてにぎやかなのに、一歩門をはいれば別天地です。

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恒例の好評記念品は、管長北河原公敬師の箱書きの香合でした!



青蓮院・好文亭〜茶カブキ之式 - 2013.05.03 Fri

名前の通り緑したたる青蓮院庭園ですが、、、

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あの赤いのはなんでしょう?
ドウダンツツジ?いえ、あれが紅葉するのは秋ですし、、、

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なんとりっぱな霧島ツツジの赤でした。

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5月5日まで、こちらのお茶室好文亭、特別公開中です。
(とはいえ、毎月第3日曜にはこちらで月釜もあるんですけれどね)
霧島ツツジのトンネルをくぐっていってみましょう。

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天明の大火で御所が炎上した際、ときの後桜町上皇は青蓮院に避難、仮御所とされました。好文亭は、その上皇の御学問所だった建物だそうです。

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不幸にも平成5年、不心得者による放火で焼失、現在の建物は正確な再建だそうです。
春の特別公開中はきちんとしたお点前でお茶をいただけるので待合で待っていたのですが、、あら〜、、、そろそろ七事式の会の練習刻限が!!
せめてお茶室だけでも拝見を、と無理をおねがいすると、私一人を客に「ちょっと早送りで、、、」とお点前していただけましたの〜(^▽^)/ なんて贅沢なひととき!

こちらは四畳半の茶室が三つもあるそうですが、そのうちのひとつ、上村淳之画伯の花鳥図でいろどられた明るく色彩豊かな茶室でしたよ。

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ほんとうに青蓮院は「青(=緑)」ですのね。

そしてその足で一直線に七事式の会へ。

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本日の課題は「茶カブキ之式」。中世に禁止令まででるほどはやった闘茶になぞらえて制定された式。
早い話がお茶銘のあてっこです。私はまだ数回しか参加したことがないので、まだものになっていません。

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とはいえ、むつかしいのは点茶役(茶を点てる人)と執筆者(記録係)だけなので、これはあらかじめ決めていたから、客ならなんとか。さらに正客、末客以外なら、、、って、できる役少な〜┐(´-`;)┌

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本日も席主さま手作りの薯蕷。これは鯉のぼりですね
(薯蕷はむつかしいのよ。作ったことないけど、、、、^_^;)

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銘柄のわかっている2種の濃茶を試し飲み。そのあと正体不明の茶(客)を混ぜで3種をあてるゲームのようなもの。最低4服の濃茶を喫するので、かなりお腹にこたえます。十分食事を事前にしておかないと、気分がわるくなることも。それにさきほど好文亭で一服いただいているし、、、

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、、、というわけ、ではありませんが、この記録の中で見事ひとりだけ総はずししたのが、わたしで〜す(;・・)ゞ
(みんなはずすのもむつかしいと思いません??)どれもおいしくて、差がないようにしか思えなかったんだもん。
それでも全正解がおひとり、さすがですね。この茶カブキ之式の記録はこの正解者さんのところへいきます。
多分これから先もこの用紙、いただけることはなさそうです。のほほ、、、( ̄‥ ̄)=3




新緑茶会 - 2013.05.01 Wed

炉の季節もいよいよおわりです。
私のペースとしてはめずらしく、春先に茶事を2回もして、楽しかったのでまだ炉をしめてしまうには名残惜しい気持ちがありました。なのでお茶友さんとゆく炉の季節を惜しむ茶会を。

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なんといっても緑が麗しい季節、露地の若緑が一番のごちそうとなります。

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なので新緑茶会と銘打ち、「緑・翠」をテーマに。

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蹲居まわりも苔の緑、羊歯の翠、ユキノシタの緑。

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待合にも青楓の緑をそえて、「薫風自南来」。
薫風は緑の風とも申します。(禅宗的意味合いはもっと深いのですけれど、、、、)

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汲み出しはここのところ汗ばむ陽気が続くので、ひやした恒例小豆茶を。(小豆茶好きなの。虎屋さんの一条菓寮で入手できます)

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ついでに私の着物も緑の無地を。

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すっかり明るくなった陽射しのプリズム効果で風炉先窓に虹がうかびます。(画像ではあまり再現されていませんが)
今回は濃茶と続き薄で、午前と午後、2席もうけました。朝の陽の当たり方と昼過ぎの当たり方がちがうので、茶室の明るさ、影のできぐあい、などそれぞれ違って風情があります。

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茶室の躙り口、連子窓から切り取る景色も緑。

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名残をおしむ炉の中の景色。
今回は炭手前もなく、いきなり濃茶をねらないといけないので、どういう時間配分で湯の煮えをつけたらいいのかが問題でした。炉の季節は、懐石の時間が湯相を調整するよう計算されたものなのだなあ、と改めて認識。

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おかげさまで、なんとか濃茶はあつあつのお湯で練れましたのでホッとしました。
主菓子は虎屋さんのきんとん。その銘も「遠」。
今を盛りのつつじの花でピンク色にうめつくされた山のあちこちに遠慮がちにみえる葉の緑、、、のイメージかしら。

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花はテッセン。朝と昼と花のほころび方が微妙に違います。相手は生き物なので、そのときそのときで生け方も調整しないといけないのでしょうが、私のは本当の「投げいれ」。技術もなにもありません。それなりに見えるのはテッセンのお手柄。

さてさて、茶杓の銘も「千年」。
本当は松の緑のことだと思うけれど、まあ「翠」の字がはいってるしまあいいか、、、と(^_^;
ちなみに久田宗匠作(表さんだけど、、、、)

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干菓子はまもなく盛りをむかえる牡丹の押し菓子と、新緑になぞらえた薄緑の金平糖を。(いけこ様、ありがとう!)
え〜と、アンティークの銀のマスタードスプーンを添えるつもりがみあたらず、急遽調達したのが実は茶碗蒸し用の匙で、、、、(^_^;

おいで下さった茶友のみなさまと茶談義に花が咲き、炉の季節を惜しみ、やってくる風炉の季節の灰型の苦労話をし、ゆるゆると楽しい時をすごす、これもまた茶の功徳なり。
おいでくださった皆様、ありがとうございました。

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あけて翌日、灰を全部あげて炉を閉めました。また秋の開炉の季節まで、しばしお別れです。

しばらく緑の季節を楽しみながら、、、さあ、風炉だ!灰型だ〜!!w(( ̄ ̄0 ̄ ̄))w


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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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