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2013-06

高台寺・遺芳庵 朝茶会 - 2013.06.10 Mon

朝。



ねねの道から、この階段をのぼる。

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高台寺山門。ご存じ、ねねさんゆかりのお寺。

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東山からのぼったばかりの朝日の名残のある境内をいく。

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朝のうちはまだ涼しいけれど、今日も一日暑くなりそうな予感。東山がそういっている。

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遠景に祗園閣(大雲院)をながめ、上を見上げると、

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朝日に輝く緑の圧倒的な美しさ!
境内はまだ公開前の時間。他にはだれもいません。

この僅かな時間を利用して、1年に1週間だけ、1日3名、合計21人だけが楽しめる朝の茶会があるのです。

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大きな吉野窓の遺芳庵。普段は非公開。

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この遺芳庵のお向かいには灰屋紹益好みの四畳半の茶室。

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遺芳庵は、灰屋紹益が愛してやまなかった吉野太夫が先だったあと、彼女を偲ぶために作られた茶室だそうです。もとは現在の武者小路千家のあるあたりにあったのを、明治年間に高台寺内へ移築したもの。

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吉野太夫(二代目)は江戸初期のおひと、天下無敵の美女だった、、、というだけではありません。和歌、連歌、俳諧などの教養にくわえ、楽器、茶道は言うに及ばず、書道、香道、華道、貝覆い、囲碁、双六まで文句なしにすごかったのだそうな。

たしかに美人は三日も見れば飽きる(らしい)。加えて深い教養と、美しい性格(そんな性格をあらわした逸話が残っている)、それがあったればこそ、天下の皇子・関白近衛信尋と当時随一の文化人かつ豪商の一人、灰屋紹益(光悦の親戚筋)が彼女を争ったのですね。結局、恋の勝利者は紹益で、彼女は26歳の時に妻となったのです。

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遺芳庵は一畳台目・向切(この炉は一度もここで使われたことはないそうですが)+向板で洞庫付き。
この洞庫の下の簀の子の部分が流しになっていて、建水がいらないのです。

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お点前が始まって、ん??なんだ、この違和感、、、、と思ってはじめてこれが逆勝手であることに気づく!!(遅いよ)しかも一畳台目といえば、正客から三客までその場を動かずに手を伸ばせば楽にお茶碗が取り込める距離感。

こんな距離感、洞庫や逆勝手のプライベート感、太夫を知る人だけ呼んで、ともに彼女を偲ぶにふさわしい空間だと思いました。38際の若さでなくなったのですから、佳人薄命を地でいったのですね。

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天井は竹。
垂撥には阿以波さんの水芭蕉の団扇がかけられ、これが花であります。
そして建仁寺管長さんの「吸江水」。馬祖語録の「一口吸盡西江水」から来た言葉と思われます。ここ、高台寺は現在ご住職はおられず、建仁寺さんが管理しているんですって。

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だからお菓子「紫陽花」も、建仁寺御用達の松原通り、松寿軒さんなのね。とてもきれい!

さて、その妻に先立たれた紹益は悲しみの余り、その遺灰を飲み込んだと言われています。

   「都をば 花なき里となしにけり 吉野を死出の 山にうつして」

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客として座っていた間はこの吉野窓を背にしていたので見ることができませんでしたが、この窓を楽しめるのは実は亭主一人である、、、ということに気づきました。ここで茶を点てながら目をあげるとそこに太夫が愛した吉野窓、死して後もなお、深く愛されたお人だったのですね。

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一席がすんだあとは、水屋も拝見させていただく。

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水屋から、遺芳庵を望む方向。

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水屋側の出口。
こうしてみると小ぶりでかわいい茶室棟です。

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ふたたび表に回ってみる。見学に来た小学生が「森の中の小人のお家みたい」というのもうべなるかな、、、ですね。

そろそろ拝観時間開始になったようです。観光客に混じっていっしょに本堂など拝見。

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この本堂から見る東山を背景にした、ねねさんのお霊屋の眺めは絶品です。
しかも朝早い時間なので、こんな滅多に見ることのできない風景も見ることができましたよ。

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畳のへりを新品に変える算段をしているところ。寺院の紋縁ってこんなになってるんだ!

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