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2013-10

風炉をしまう〜炉を開く - 2013.10.30 Wed

風炉から炉の季節へ。
一年はめまぐるしい。お茶をしようと思ったらこの時期は特にあわただしい。


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先日茶会で使ったままの風炉の灰、やっと片付けようという気になった。というか片付けないと炉を開きにくいし。灰を篩っておわり。ほんとうは灰汁抜きとかいるんだろうけれど、それは今の生活時間では無理だわ。とかなんとか言い訳言い訳、、、


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五徳も底瓦も数日このまま乾燥。


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畳は本来なら炉をふさぐ丸畳があるのだけれど、あれ、ひとりでは持てないしへたしたら押しつぶされるし、、、で風炉の期間中もずっと桑の板で蓋をしていただけだから、開けるのは簡単。藪内も風炉用に畳代えないというし。


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また炉って灰がたくさんはいるのよね。五徳を据えて、釜をのせて高さ調整。うちは小間だから五徳はまっすぐ置くのよ。四隅をかきあげるのだけれど、これは後日の仕事にしておこう。

柄杓も風炉用から炉用に代えて、沈香はしまって練香だして、、、って、あら!もうほとんど残っていない!買い足しにいかなくちゃ。

お点前の風炉→炉はもう何年もやっているのでそれほど戸惑うことはないけれど、先日の社中の稽古、アレは参った。行之行台子のつもりでいったら真之行台子、おまけにいきなり炉だし。アワアワであたふたしてしまったわ。まだ修行が足りん!


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こうして道具を入れ替えることで季節の移ろいを実感できるのはうれしいことだ。今年も気がついたらあとわずかではないか!今年の紅葉はどうだろう。楓はちょっとだめそうだが、ドウダンツツジは少し色づき始め。


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社中のお稽古のあと、持ち帰りさせていただいたヒキオコシ。変な名前。調べたら「延命草」ともいって漢方の材料にもなるんだって。

さて、ぼちぼち初の手作り懐石に挑戦!の準備でもしようかな、、、



栄西禅師800年大遠諱慶讃大茶会・四頭茶礼など〜建仁寺 - 2013.10.28 Mon

茶の種と臨済禅を中国から持ち帰った栄西禅師の遺徳を偲ぶ。茶の湯を志す者にとってはとりわけ。禅師が入寂して来年でなんと800年!考えればすごいことだなあ。


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大遠諱慶讃大茶会が建仁寺でおこなわれたのですが、時悪しく台風の接近によりこのように土砂降り。でもがんばって着物で行ったの。着物は雨コートでなんとか、でも足袋はぐちょぐちょ。(替え足袋をたくさん用意しておくべきでした)


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建仁寺さんの生垣は茶の木。今は花期なのでたくさんの椿に似た花がついています。しかし、、、道に池ができとるがな。


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茶の招来800年を記念して建てられた茶碑にもこの日はお茶が供えられていました。

メインイベントはなんといっても四頭茶礼。中国の禅宗寺院でおこなわれていた茶礼で毎年4月の栄西忌に行われているものですが、今回は慶讃大茶会ということで特別に。

一昨年の栄西忌で一度四頭茶礼を経験していますので、今回は四頭の頭のひとり(頭=正客・4人にそれぞれ8人の連客、計36人が一堂にお茶をいただく。詳しくは上記のリンクを見てね)をねらいましたの。


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まあ、こんな感じの配置ね。実はこの画像一昨年のもの。この時はみなさんバシバシ写真撮り放題だったのですが、さすがに今回ははばかられて。で、一昨年の画像を並べてみますね。


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正客になるメリットは、各頭の席に広げてある座牌という座布団のような布(江戸時代のものらしい)を触れること、そして給仕の(イケメン)お坊様が胡跪(片膝つきのひざまずき)でお茶を点ててくれること。(連客の茶は立ったまま点てる)なんだか昔のお公家さんか殿様になった気分∈^0^∋ のほほほ、、、


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一昨年はこの方丈の屋根は銅板から本来の形であるこけらに葺き替え中で、テントに覆われていたのですが、ずいぶんすっきりしました。


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それでも耐久年数は25年くらいということなので、すでに次の葺き替えのこけら寄進がおこなわれています。私も寄進しましたが、、、、今から約30年先、生きてるかどうだか、、、(^_^;


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四頭以外の茶席は建仁寺のあちこちの塔頭にちらばっているので、そのたびに雨コートを脱いだり着たり雨の中を歩くのはなかなかの苦行。


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唯一の濃茶席(霊洞院)はこの日、藤田美術館がご担当。館長さん、意外とお若い方でびっくり。


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藤田といえば国宝の曜変天目など良いものたくさんお持ちですものね。東山御物の砧型青磁花器なんかでてましたわよ。マンサクの照葉に吹上菊がよくにあってました。京都の釜師西村道也(18世紀ごろ)の侘びた四方釜がまたよくてね。同じ形の釜、もっているのですが釜肌が全然ちがう。

津田宗及の茶杓・共筒(筒書に天正12年の年号あり)は鼻息たっぷりかけるほど至近距離で拝見。信楽水指箱書きの「大黒庵」は、、、紹鷗のもの。中興名物だって。

、、、、というようなものがたくさん。

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雨ながら、、いえ雨ゆえにお庭の眺めもすばらしい。


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茶の花はツバキ科だけあって、椿に似ているけれどもっとつつましやかな感じ。うちの茶の花は今年1輪しか咲かなかったけれど、ここのは満開って感じですね。


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お次はいつもなにかとお邪魔している両足院。


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6月には半夏生がすがすがしく生い茂る庭園。表千家・大中会席。


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このお庭にある六畳の茶室・臨池亭でお稽古されているお社中さんだそうです。うらやましい環境ですが、冷暖房完全完備のお茶室でのお稽古はそれなりにたいへんだとか。


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淨元の小丸釜、淨雪の鉄風炉。灰は鉄風炉ですから、かきあげになって赤い前瓦。水指が蛸壺に唐津釉をかけた侘びたもの。掛物が「心外無別法」の一行。なんと吸江斎(幕末の頃)11歳のときの書。小学生くらいでこんな字を書くか!昔のお子はみなこんなだったのかしら。


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雨もまた美しい両足院を出てまたまた雨の中。


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杉苔も水没しとるがな。(@_@;)


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続いて久昌院では表千家の重鎮、堀内長生庵。堀内宗完宗匠は先日高台寺・北政所茶会で御献茶されておられたのを拝見しましたが、そのときはきびしいお顔付でした。でもこの日はとても楽しそうににこにこと、お道具のことをはなしだしたらとまらない、という感じでお話しされていたのが印象的。


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こちらの席では与次郎の小万代屋釜を拝見。本席の軸が如心斎の消息で、「歌二首を書くのにどっちの様式がよいか?」というような内容で、堀内家初代仙鶴にあてたものが挿絵いりでなかなかおもしろかったです。
それから見た目同じ金輪寺とずん切りの茶器の違いなども教えていただき勉強になる。如心斎好みの稲塚花入も印象的。

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菓子器がなんとエルメス!宗匠がパリにいかれるだびに集めた物だそうで、パリでもとめたにも関わらず、本漆塗りでは?ということでした。

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点心は禅居庵さんにて。お給仕はまたまたイケメン坊様。青い目の坊様もいらした。こちらの奥様は某有名イラストレーターさん。


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禅居庵の庭にて。今年は10月も月末になってまだ金木犀が元気なのにはおどろいてしまう。


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食後はまた気合いを入れ直して、正伝永源院、三斎流の席へ。

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ここは先日細川護煕さん作の襖絵が話題になったところですよ。


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そして織田有楽斎の墓所でもあります。そう、あの国宝の茶室、現在は犬山市にある如庵は元はこの塔頭にあったのです。


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境内には数寄屋建築の第一人者・中村昌生先生監修による本歌とうり二つの如庵が再建されていました。有名な鱗板はなんとか見えるのですが、有楽窓はどこ???


三斎流は初めて拝見する流派ですが、細川三斎を祖と仰ぎ、三斎の門人である一尾伊織が許しを得て興したので一尾流(いちおりゅう)ともよばれるそうです。現在家元は出雲在住だそうで、出雲にちなむお道具をたくさんだしてはりました。完全な武家点前で帛紗は右腰、細川家の九曜紋入りの帛紗。礼はサムライみたいに両手を脇に控える。茶筅を置くときなど、刀をつきだしているような勇ましい感じ。お家元はとても気さくな方でしたが。


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お菓子も出雲のお菓子屋さん謹製で銘を「白菊」。これ聞いてピーンときました。細川三斎が伊達政宗と争奪戦をした一木四銘の名香が「白菊」ですものね。


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さて、本日いよいよ最後の席は、西来院・武者小路千家の木津宗匠のお席。


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武者小路特有の綺麗な赤い飾り紐+房の巻かれた矢筈棚を初めて見ました。
これには七宝の水指、柄が煤竹で裏が漆塗りの柄杓というのがお約束の棚なんだそうです。お公家さんの家で冠を置く棚(冠卓)からヒントを得て考案した物だとか。だから貴族趣味的な感じで、お茶の棚としてはちょっとめずらしい。
私たちの席が最後だったらしく、大サービスで当代の楽さんの赤楽茶碗、全員に回してみせてくださった。ラッキー。

さあ、これで朝からほぼ6時間、お茶にどっぷりつかった一日は終わりです。


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お茶を日本にもたらしてくださった栄西禅師にあらためて感謝。

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これは建仁寺境内の茶の生垣になっていた茶の実をちょっとわけていただいたもの。禅師が持ち帰った茶の種はかくもありなん、、、なんちゃって。



楽膳柿沼にてまたまた茶談義 - 2013.10.26 Sat

学生時代のテリトリー、熊野神社のほど近くにあるお魚料理がうまい割烹楽膳柿沼さん。


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実は京都に移住する前に一度お邪魔したことがあります。本当のことをいうと私はちょっとお魚料理が苦手。刺身はOKですが煮魚系がちょっと、、、、。なのにここでいただいたお魚料理がとてもおいしくて、町家を改修した雰囲気もいいなと思っていました。

でも、なかなか再訪するチャンスがありませんでしたが、先日久々にカウンター席でいただいたお寿司(握りもあるのよ)がちっちゃくてかわいくておいしくて。

によって、遠方からおいでの茶友の茶友、はじめましての方との夕食会をこちらで。


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陶箱ででてきたのは八寸的お酒のあてにぴったりな品の数々。カラスミもはいってました稲穂は揚げてあるのでつまんで一粒のこらずいただく。


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今回はお座敷席へ。ここからみる厨房には、かつてここがばりばりの町家だったときの井戸・釣瓶が見えます。ちらっと後に生け簀がありますね。こちらのお魚は日本海の浜坂漁港から仕入れておられるんですって。


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以前きたときにもこの座敷のなぐりの床が気に入っていたのです。いまも健在。でも障子がはいったり、少しリノベーションされたようです。当時はまだオーナーのお母上ががんばってお運びさんしてはりました。今は楽隠居されておられるようです(^o^)


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竹筒にいれてそのままにがりを打ったお豆腐。大豆の味がしっかり。


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お造り。
ええ〜っと?醤油がないんですけれど、、、
実はお皿の右端にある黒い塊が醤油のにこごり。これをくずしながらお造りにくるんでいただくという。確かにその方がお魚の味はしっかり味わえますね。


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とてもボリュームのある煮物椀。中味は忘れたんですが、葛仕立てになっていて、これはお茶事の懐石にも使える。

今回も初対面ながら、茶の湯にどっぷりつかっているわれわれは話題がつきることがありませんでしたの。人生におけるお茶の立ち位置はそれぞれ違っているのですが、違っているからお話しを聞くのはとても興味深い。


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焼物。えっと、、、鰆でしたっけ?(^◇^;) おいしくいただいたのは確かです。


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フグの唐揚げ!
骨についたとこをこそげて食べるのがおいしかった!


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それぞれお一人様用の釜で炊いてくれる釜飯は種類が選べて、他の方は蛸飯、私はきのこご飯。アサリのお出しつき。茶漬けにするもよし、藻塩でいただくもよし、余ればおにぎりにしていただける。あ、でも私は完食したからおにぎりはナシ、、、ね。


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も〜満腹です。これで5500円のコースはCPめちゃ高いですね。この宵もまた、食べてしゃべって(主に茶のこと)よき宵でありました。(体重計にのるのだけがコワイ)



☆ちなみにこちらのお店は町家ショップらりぃ参加店でもありますのでスタンプゲットしました。またこの話題は後日!






月見の宴ミニ茶事 - 2013.10.23 Wed

かくして蹲居の水門のごろた石も清め、庭の掃除も完璧(、、、とは言わないが)、お客さまを迎えるべし。


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ところが、、、朝から雨どした〜(´;ω;`)
露地下駄も露地笠もないので、露地も蹲居も使っていただけません。いえいえ、たとえお客さまの目に入らずとも、作務は修行、それにお客さまは水面下の仕事をわかって下さる方ばかりなので。


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玄関には最近骨董屋さんでゲットした背負子に、庭に大繁殖して若干困っているホトトギスをどっさり入れてみました。


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今年最後の灰型は向山。(拡大して見ないよ〜に!)藁灰なんかできたら最高だけれど、、、まだ作る技術を持ちませんのでデキマセン。


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炭手前はしないので、先に炭をいれておく。うちの土風炉は小ぶりなので、山の勾配を考えないと炭が入らない。なんとか詰めてついでみました。(濃茶に熱いお湯が欲しいので、少し多目に変則でついでおります)


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今回、濃茶、薄茶を喫していただいたあとに座敷で後段、というか点心をいただいて、思いっきり茶道談義+αのおしゃべりを楽しもう、という趣向で。

待合で主菓子を食べていただき室内ルートで席入りしていただきました。交趾の食籠にて、菓子は北白川・山もとさんの練り切り「薄もみじ」。


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この日は満月(豆名月の十三夜の2日あと)だったので、月見の宴の趣向でしたが、この雨じゃ夜もお月様はおがめそうもありません。それでも心にそれぞれの月を思い描いてくださればさいわい。


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掛物は「明歴々露堂々」。もちろん禅語なので深い意味があるのですが、一点の曇りもない明々とした満月のイメージで。香合は表千家惺斎好みの「歌書香合」。笙や篠笛、鼓の蒔絵で月を愛でつつ管絃楽をもよおす殿上人になったつもりで(^_^;


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床柱に満月、、、、ならぬ環状の花入。花は白藤袴、ニシキギ、我が家の(斑のはいらない、、、元)矢筈ススキ。


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茶入は多分お稽古用のものだったと思われる瀬戸の肩衝。ただし母方の親戚のおばさんから母へ、そして私へ渡ってきた物なのでそれなりにfamily historyがあって愛着のあるもの。


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薄茶のお菓子は亀屋良永(御池煎餅のとこね)の「山づと」。これを入れる菓子器に箕(み)を探したのですが思うような物に巡り会えず菊割盆になってしまった。
薄茶の茶碗は、名残の季節だっ!とばかりに自分で(超へたくそに)金繕いした茶碗を(^_^;)

お茶をたっぷり召し上がっていただいた後は待合の座敷にもどって三友居さんの竹籠弁当をそろっていただく。


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汁だけは作ってみました。中味はモチロン満月にみたてたサツマイモですの〜。

ここからが今回のミニ茶事の真骨頂、みなさん茶の道にそれぞれ一家言をお持ちの方ばかりですので、時を忘れて茶道談義。時々横道にそれつつもおおいに盛り上がったのでありました。あ〜、ようしゃべった。楽しかった。すっきりした。前段の軽い緊張、後段の楽しさ、こういう茶事もいいなと思いました。





蹲居の水門の石を洗ふ - 2013.10.21 Mon

先日「茶道の哲学」は掃除にあり!と再び思い出させてくれた貴重な体験、出会いがありまして、ついつい私も燃えてしまいました。

露地の落ち葉拾いや雑草抜きなどはひごろこまめに、を心がけているのですが、この家に住み始めて3年、いまだ蹲居の水門(海)の石洗いをしたことがない。

茶事・茶会の前の露地掃除はテキスト的には水門の石まで磨け、と書いてあるのですが、これはおいそれとは手をつけられない。大学の心茶会時代にも、茶会の前にこの石を洗っている先輩方を「よ〜やるわ、、、」と横目で見つつ、自分の手をよごしたことはなかったのです。

ミニ茶事にむけて、ここはひとつ水門の石洗いをがんばってみよ〜!と、思ったのはすでに夕刻でした。


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なので、薄暗くぶれぶれ写真でスミマセン。

で、石を洗いながらほじくり返し始めたのですが、、、、

いったい何個の石がつまってるの〜〜〜!!!

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と、さけびたくなるほど、あの狭い水門に石が入っていたのですね〜。庭師さん、上手にいれてはるわ。なので、このように出せども出せども、底は見えず、石を置く場所にも困る始末。おまけにもう薄明のころになってしまい、もう手探り状態の作業。(みなさま、水門の掃除は明るいうちにはじめませうね)


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ついにカメラもフラッシュが必要になってきました。やっと見えた底です。ふ〜、、、
落ち葉とかは表面だけで、意外と中まで入っていないのは石の詰め方がうまいからでしょうね。


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水をかきだして、、、ふ〜ん、こんな風になってるのね。ところで排水溝ってどこにあるんでしょ?


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あった!手前のすみっこに排水溝発見!3年過ぎて初めて目にするわ。はじめまして。(^_^;

さて、底も洗って今度は石を戻すのがまた一苦労。蹲居のかげとか、きっちり詰めてあったので石の形を手探りで見ながら再充填していったのですが、、、、


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なんだか、洗う前に比べると浅くなったような、、、詰め方が下手だったのね。σ(^◇^;) あらら、、、






千年響流〜大原魚山勝林院一千年紀 - 2013.10.20 Sun

(本日終わってしまいましたが^_^;)大原の勝林院で開創一千年紀慶讃法要が5日〜20日までこなわれました。


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11世紀初頭平安時代に寂源上人が、ここ大原の地に声明の道場として勝林院を建立して1000年、その慶讃法要として、天台宗や真言宗、浄土宗など13宗派が参加し、それぞれに伝わる声明を日替わりで1日2回、2週間余にわたって披露するというもの。


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三千院を通り過ぎ、実光院の前あたりで法要に向かう行列に追いつきました。おっ!散華!


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3枚ゲット!、、、なんて言っている場合じゃなくて、ご一行を追いかける。


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勝林院へ。ここは声明道場の寺として有名ですよね。

インド〜中国仏教では声明は五つの学問分野(五明)の一つで、修行僧がまなぶべき学問だったとか。(五明:声明・工巧明・医方明・因明・内明)中国仏教で声明聖地を魚山というので、この寺も魚山大原寺勝林院とかや。
そういえば天台声明はキリスト教の賛美歌に似ていると思うの。(先日聞いた唐音の黄檗声明はもっと西洋的で賛美歌に似てた。)


この法要にご参加の方々は、各・声明愛好会、声明研究会、浄土宗有志ほか三井寺や芝の増上寺なども。あ、淡路島からも真言宗有志の方々が。

声明を聞かせていただくだけでなく、日替わりで白拍子の舞いあり、狂言あり、日舞や琴演奏、朗読などもある模様。


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この日のご担当は融通念仏宗、日中勤行式(一日3回ある勤行の二つ目)。

融通念仏宗は天台声明業中興の祖といわれる良忍上人が12世紀初頭に創った宗派。総本山大念仏寺は大阪平野にあります。上人は諸流派に別れて伝承されていた声明を整理統合して天台声明を確立した方なんだそうです。勝林院と声明道場の双璧をなす来迎院を建立された方でもあります。


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ん?

このバックに後光を背負った人たちって??

(撮影不可なので画像なしが残念ですが)実はこれは菩薩さんのお練りなんです。頭からすっぽり菩薩の面をかぶり、長い髪を足元までたらして後光をしょって合掌しつつ入堂されます。(少なくとも6人)


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平野の大念仏寺では毎年五月に万部おねり、正式には二十五菩薩聚来迎会というのがあって、菩薩に扮した人がおねりを披露する儀式があり、それを再現してみせてくれるもの。有名なところで當麻寺の練供養のイメージ。
(万部おねりの画像→


この菩薩様たちがバケツリレー方式でご本尊の阿弥陀様に三宝にのせた造花5種(菊・百合・竜胆・牡丹・蓮)を次々と献げるパフォーマンスについつい目を奪われてしまった!

あ、もちろん声明もしかと聞かせていただきましたよ。出遅れて券は手に入りませんでしたが、お堂の中で聞くこともできます。ちなみに私は外陣で拝聴。外人さんも静かに目を閉じてききほれてはりました。(眠ってたんじゃないよね??)

グレゴリオ聖歌などの西洋のいわゆる声明は美しいとおもうけれど、身のうちにすっとはいってこない。逆に天台声明ってはるか昔のDNAの記憶に刻まれているのか、はたまた幼少のみぎりに聞いていたのか、どこか懐かしい感じがするの。まあ、実家も天台宗だったしね。

ああ、それにしてもご本尊の金色の阿弥陀如来さん、男前どすな〜。


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法要の後は和泉流能楽師狂言方・小笠原 匡さんとその小学生のご子息による狂言「呼声」で笑わせていただきました。小学生にしてこの演技、末恐ろしや。伝統芸能を生まれたときから刷り込まれるってすごいことなのね。うちらの豚児とはわけがちがうわ(@_@;)



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帰り際にもらった散華計5枚。
で、よろこんでいたら実は10種あったらしい。う〜む、、、4種しかない、、、
(十種供養散華 by 法華経:華・香・瓔珞・抹香・塗香・焼香・繪蓋幢幡・衣服・伎楽・合掌)
残念。

いや、ま、全部集めたからって別に景品でないんだけどね(^◇^;)




八瀬童子の里〜赦免地踊 - 2013.10.15 Tue

、、、「いちどリサーチにいってみなければ。」、、、、

と、いう今年1月に立てたプランを遂行してまいりました。

なにかというと、今年1月文博でやっていた八瀬童子〜天皇と里人をみて、このミステリアスな集落にいたく心惹かれたからであります。


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夜も更けた八瀬の里。

さて、「八瀬童子」とは、以前記事にかいたのをそのまま転用すると、、、


平安時代のころは比叡山延暦寺の雑役や駕輿丁(輿を担ぐ役)を務めていたらしく、伝説では伝教大師が使役していた鬼も子孫とも。寺役に従事する者は結髪せず、長い髪を垂らした「大童(おおわらわ)」の姿だったので童子と呼ばれたそうです。
はっきりその存在がわかってくるのは後醍醐天皇のころ以降。
1336年(南北朝のはじまり)京を脱出した後醍醐天皇が比叡山に逃れる際、八瀬郷13戸の戸主が輿を担ぎ、弓矢を取って奉護し、この功績により地租課役の永代免除の綸旨を受けたそうです。
それ以降、特に選ばれた者が輿丁として朝廷に出仕し天皇や上皇の行幸、葬送の際に輿を担ぐことが主な仕事となったとか。


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そして秋におこなわれる八瀬天満宮の秋元社の赦免地踊。

これも以前の記事をコピーすると、、、


政治力のあった天台座主が幕府に八瀬郷の入会権の廃止を認めさせたのです。
これは八瀬郷の人たちの生活基盤を根本的におびやかすものでした。
これに対し八瀬郷は再三にわたり幕府に復活を願い出るが認められず、宝永4年(1707年)になってようやく老中秋元喬知の裁定で八瀬郷の入会権は回復されたとか。
八瀬郷はこの恩に報いるため秋元を祭神とする秋元神社を建立し徳をたたえる祭礼、すなわち「赦免地踊」と呼ばれる踊りの奉納をしているそうです。(毎年10月の第2月曜日の前日にあたる日曜日)。




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天満宮を通り過ぎてしばらく行くと八瀬小学校があり、むかいにある門口、そのあたりで待機。
19:00 十人頭(当年30歳の集落男子がつとめ、祭の指導者、監督者となる)の祭の開始を告げる声。


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暗い集落の中で唯一明るいのがこの案内所にもなっているテント。これだけです。ここで花宿(灯籠が座敷に飾ってある旧家。たずねればお酒のふるまいなどもあるらしい)の地図をもらうも、ちょっと遅すぎて行けず。今度行くときはもっと早めだな。


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門口に十人頭10人が手に竹の棒をもって集合。


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そうこうするうちに音頭取り(道歌という道中歌を歌う)と太鼓打ちが門口に集まって、その年覚えた道歌の検分。さわりを歌って「よ〜し、よかろう!」と許しが出る。


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20:00前、きれいな花笠をつけた女子たち10人が集合。小学校4,5年生だそう。


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整列して祭の花形、灯籠着(とろぎ)を待ちます。フラッシュたいてこれなんで、ほんとうはもっと暗い中、赤い提灯だけが並んでいるように見える。


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あ、灯籠着がやってきました。さきほどの花宿にかざってあった灯籠を頭にのせてゆっくりゆっくり歩いてくる。
灯籠着は13〜14歳の中学生の男の子8人。昔女官から下賜されたという御所染めの着物を着て女装、化粧もしている。なんだか妖しい腐女子?好みの設定(^_^;


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灯籠は5kgもあるそうで、これをかぶって歩くのは少年にはかなりつらそう。灯籠着ひとりには警護(けご)という20歳の男子が支え役について、さらにもうひとり裏方さんが付く模様。


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20:00過ぎ、行列がいよいよ出発。八瀬天満宮をめざします。


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集落を通ってゆらゆらと頭の灯籠がゆれる。その後をみんなが追いかける。併歩するもよし、先回りするもよし。


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天満宮の階段を上る。これが一番大変そう。


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鳥居から神社まで、田んぼの中の参道をゆらゆら道歌にあわせて灯籠行列が進む。実はこれこそが祭の真髄でありハイライト。
置灯籠があるとはいえ暗いので、カメラに夢中になっていると田んぼに落下する危険性あり。(^_^;)b


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先を行く赤い提灯は花笠少女たちの持つもの。そのあとを追いかけるように灯籠着がゆく。

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いよいよ神社の真下の階段まで到着。太鼓を打ち、音頭取りが道歌を歌いながら一段一段上っていく。


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そのあとを少女達がいく。


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灯籠着達も胸突き八丁の階段を上る。ゆらゆら、ゆらゆら、、、まことに幻想的。


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境内到着すると灯籠は頭からはずされて一列にならんで置かれる。


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この美しく切り絵と色とりどりの紙で飾られた灯籠はかつては毎年新調されたそうな。現在では1年に2基がせいいっぱいらしい。それにしてもこの精巧な透かし彫りは見事!というほかない。1年かけて集落のひとたちが一枚一枚彫りあげたものなのだ。


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ここから22:00ごろまで、神社境内の舞台でかわいらしい少女達の潮汲み踊りや、琴三味線、日本舞踊などがくりひろげられるが、これは地域の人たちの芸能発表会、、と言った感じか。

夜もふけてくると山の冷気が肌寒い。かつて八瀬集落は流入も流出もみとめない閉じた隠里であったが、現代ではもうそんなことはないだろうが、それでも代々ここに住まう八瀬の里人もおられるにちがいない。


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22:00前、芸能もおわり最後に灯籠着が歌にあわせて境内を3周する灯籠回し。


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くるくる、ゆらゆら

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音頭取りはたくさんの歌を口伝でおぼえるそうで、なかなかたいへん。素朴で少し哀愁を帯びた曲調。


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灯籠回しのあとは狩場踊り。灯籠着の少年達を補佐していた警護がかわって灯籠をかぶり灯籠回しをします。灯籠着の少年たちは解放されてほっとした表情。


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「音頭取り、狩場踊りを歌ってた〜し〜(給え)」

歌は最後の方で、テンポが急に速くなって、「いざや帰らん 我が宿へ帰らん 狩場踊 これまでよ」。警護たちはすばやく階段を駆け下りて集落に戻っていく。その速さときたら!さすがに20代の若者は中学生とちがって力があるんだな。


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灯籠を見送って、帰路についたのが22:00過ぎ。


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八瀬の山の端に上弦の月。


<情報>

神社へ通じる道の国道の向かいに、かなり広い臨時駐車場ができますので車でもOK。京都バスは「ふるさと駅」発最終が22:50ころ(確認してね)

夜はかなり冷えます。防寒対策を。

早めに行って花宿(4軒)めぐりもできたらいいですね。



素晴らしき哉、それぞれの茶の道 - 2013.10.13 Sun

よきご縁に恵まれ、今回西の方へでかけ洗練された美意識をもって、独自の茶の世界観を展開しておられる茶人の御先達にお目にかかる事ができました。

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揖保川焼を焼いておられる揖保川窯の陶芸家、池川翠さん。ギャラリーは古民家を茶の家として再生させた建物。
ちなみに左側の表札の名前は、、、、御出入の野良猫様(^_^; 


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この美しい緑の絨毯に圧倒されます。この広いお庭、体調を崩されるまでは「一にも掃除、二にも掃除、三四がなくて五に掃除」というポリシーのもときれいに掃除手入れされておられたそうです。


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池川「家元」のもとに集い今回池川さんをご紹介下さったK様も、御薫陶のよろしきを得て、茶の湯のもてなしはまずはとにかく掃除!というほどお掃除に精進しておられます。


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ああ、これは「(マニアック)お掃除と坐禅倶楽部」とかげでこっそり呼んでいた、私の茶道原点・心茶会の精神そのもの、、、というか、掃除こそ禅宗でいう重要な作務、の精神ではありませんか。さらにハイレベルなところで実践されている方がおられるとは!


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あんなに華奢な体で、よくこんな!と思うような大作を作られる池川さん、正面の火鉢も彼女の作品です。離れの藁葺き家にはいくつかの小間の茶室(それも伝統的な数寄屋から守破離の離まで行っているような様式)、母屋にはご自分で設計された立礼の棚。どの部屋にもご自分で作られた花器にご自分で採ってこられた野の花が、とてもセンス良くいれられていました。


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この水指も御自作。お茶碗も花器も、それはご自分でお好きなように作ることができるのはなんといっても強みです。建物も、庭もすべてご自身で計画を立てられ、ご自身の美意識に叶うようつくられた居心地の良い空間。こちらで茶会や茶事をなんどもされたそうですが、どんな美の世界が繰り広げられるのでしょうか。是非一度拝見できればなあ、、と思いました。


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母屋の二階はギャラリー+カフェになっているのですが、どうです?お菓子の盛り方からしてこのセンス!こちらで彼女を家元とあがめる(?!)K様はじめお弟子さん、同行いただいた茶友としばしの茶事・茶会・茶道談義、ほんとうに楽しかった!
初めてお目にかかる方ばかりなのに、すぐにうちとけて話ができるのは、これもいつも言っていますが茶道という共通言語の功徳に他なりません。


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茶のことになると、話はほんとうに尽きませんが、K様がご計画くださった「月見JAZZ茶会」は月の出の頃合いを測ってしてくださるもの。ここらでおいとまを。

実はこのおしゃべり中にゲリラ豪雨のような驟雨がありましたの。これはもう月見は無理だな、、、と皆が思いましたが、、、なんと心がけの良い私たち(^_^;)、おいとまするころには空はすきっと晴れました!
(ちなみにK様は晴れ・曇り・雨と全天候型プランをたててくださっていたとか。さすが〜!)



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席入りすると、そこにはもう燭台のやわらかな灯がゆれる別天地。
手作りの、それも作り方を習いにいってまで作ったという玄人はだしのだし巻き!メインディッシュに十分なれるきんぴら牛蒡、アツアツの揚げ出し豆腐の向付、、などの懐石をいただいて中立のころには見事な上弦の月がさやかに中天高く。

庭にしつらえた石のテーブルの上には蝋燭がともってゆらゆらとした火影。虫の音を聞き静かに後入りを待つひとときも貴重な時間。


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後座にはK様が愛するJAZZのBGMが流れ、これを聞きながらいただくお茶も又格別。薄茶の流し点てをさらりとされますが、真まで極めた人がする草のお点前、ここまでの境地にはまだまだ私は到りません。


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茶室で一服いただいた後は、なんと先ほどのお庭の石のテーブルで、月を愛でながら燈火のもと、野点を。平安貴族しかしたことがないようなみやびで幻想的なひととき。

こんな印象深い茶会は初めてです。薄茶だけなのに、こんなにも電車の時間がうらめしく、この時が少しでも長く続けば、、と切望したことはありません。


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(お手製のウサギの雲平)


私は茶事を初めてようやく2年というところ、まだひよっこどころかおしりに卵の殻をつけているような者です。まだ教科書どおりの茶事しかできません。(しかも懐石手作りようせんし、、、)茶の道の御先達の茶事・茶会をみせてもらっていると、なんと奥が深い世界だ、と思います。

池川さんもK様も、いろんなものを背負ってこられたそれぞれの人生のなかで形作られてきた茶の湯の世界をお持ちです。それは私が真似しようとしてできるものではなく、私には私の茶の道がまたあると思います。それを見つける道もまた茶の道、御先達にたくさんのことをインスパイアされ、また元気が出てきました。遅々たる歩みながら、無理はせずにね。



高台寺・北政所茶会 2013 - 2013.10.10 Thu

ねねさん、または高台院様こと秀吉の正室・北政所さんの命日は9月6日。その月命日の10月6日はねねさんをしのぶ北政所茶会が高台寺でひらかれます。


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いまだ袷の着物をきるのがはばかれるような、10月にしては記録的な暑さでしたが、みなさん、お着物でご参加。私はやっぱり単衣(^_^;

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この茶会には以前から行きたかったのですが、10月6日はたいがい平日ですものね。今年は運よく日曜にあたったので念願叶いました。


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最初に入りましたのは表千家・堀内宗匠の高台寺湖月庵席。高台寺は少し高台になりますのでこのように大雲院の祗園閣も望めます。


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待合から湖月庵に向かうところ。皆様のお着物や帯を拝見するのも楽しみ。月にウサギの帯とか、(太閤さんにちなんで)瓢箪の帯とか、いろいろ工夫されているのがいいですね。(着物ってコーディネートが物語性があって楽しいのよ)


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お菓子は栗のたっぷり入った光琳菊。
堀内家は江戸中期の堀内仙鶴を祖とする表千家の重鎮。先代の宗心宗匠は齢90を越えてますますお元気だそうです。待合には如心斎のころの堀内家三世代合作の画賛、本席は雀の絵に、はっきりした文言はわすれましたが親子の細やかな愛情をあらわした文字、で親子の愛情というのがテーマなのかな、と思いました。


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御献茶は本堂にて。高台寺は現在常住のご住職がいらっしゃいません。建仁寺さんが管理されているので、献茶には建仁寺の管長さん、執事長さんなどがおいでになります。だから臨済のお寺なのです。禅宗のお寺につきものの板木にはお約束の「生死事大 光陰可惜 無常迅速 時不待人」。


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献茶は堀内宗完宗匠(当代です。京大理学部卒です)そして高台寺ならではの献茶式に島原太夫さんが!禅宗のお寺に太夫さん?!と思うかもしれませんが、高台寺にはかの吉野太夫をしのぶ遺芳庵という茶席があるのです。そのゆかりなのでしょう。太夫席はあとでまた入るとしてとりあえず次の席へ。


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ねねの道を横切って、塔頭の春光院・陣中席へ。春光院は北政所が兄の木下家定の孫娘の菩提を弔うために建立された寺だそうです。

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太閤秀吉が陣中においても茶席をもうけていたことにちなみ、それを再現したかのような席です。千成瓢箪、陣旗、幔幕、華やかな鎧甲冑を身につけた太閤さんの絵の軸。辞世「浪花のことも夢の又夢」からとったのでしょうか、建仁寺管長さんの手になる「夢」の軸。


そして、、、みなさま、目の錯覚じゃありませんよ。


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でかいのです!茶碗が!


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そして茶杓も茶器も釜も水指も、でかいのです!茶筅はまるで泡立て器のようだし、茶杓は象の耳かき、、、陣中で沢山の兵に茶をふるまうにはこんな大きな道具でいっきに数人分点てる必要があったのかもしれませんね。

それにしても数茶碗まで次から次へとくりだされる大茶碗(一杯で5人分)、高台寺お庭焼(政所窯)だそうですがいったいいくつお持ちなんでしょうかね。(◎-◎;)


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お次は政所様が居住されたというお向かいの圓徳院の煎茶席へ。


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煎茶席はほんとうに自由にしつらいできるのでとても参考になるし、なにより見るのが楽しい。担当は売茶真流のお家元。


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なんと方丈に7〜8席もうけられていたのではないかしら。どの席も独自のしつらいで、これらを見て歩き。さて、どの席によばれるのかしら。


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陶淵明の「採菊東籬下 悠然見南山」席になりました。

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このような大きなお盆でお点前されました。抹茶の道具に比べるとおもちゃみたいなお道具がかわいいのです。お菓子は桐の焼き印の麩の焼きと瓢箪の打ち菓子。太閤さんの旗印と菊と桐でまさに政所茶会!

さていよいよ高台寺本堂付書院の太夫席へ。


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まあ、なんて艶やかきらびやか!


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お点前は島原の司太夫さん。その所作、手さばきは普通のお点前と少しちがって、より女性のたおやかさを強調した美しいお点前でした。半東は司太夫さんの娘さんで振袖太夫(太夫の見習い)。まあ、お美しいこと!

島原の太夫は吉原の花魁とよく混同されますが、花魁は遊女。太夫は正五位の位持ち、よって内裏に参内すらできるという最高位の格の高い芸妓さんなんです。

こちらでは天目台にのった天目茶碗でお茶をいただきました。


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最後の席は裏千家・金澤宗匠のお席、場所は、、、、ややっ!ここはいつも都路里のカフェでかき氷をいただいているところではないか!(実は圓徳院北書院)


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その奥にこんな開放的なすてきな書院と庭園があるなんてしりませんでしたわ。感激。


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お菓子は末富さんの練り切り。

この席には宗匠自らが正客にはいられた席でしたので、裏話もちらほら聞けておもしろかったです。横浜からこられた席主さんがまた、良い味をだしていました。なごやかで笑い声の絶えない席をしきるのは相当の力量とお見受けしました。


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最後に点心席。高台寺にある羽柴さんという湯葉料理のお店調整。左手の湯葉餡かけの下にご飯が隠れていてけっこうがっつり、おいしかったです。

これだけの茶席と料理だと、チケットは普通は数万円するんですけれどね、たったの11000円!高台寺さん、太っ腹!

しかも最後のお楽しみが。


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太夫席のお点前をおえられて退出される太夫さんの道中、はじまりはじまり!


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柝の音で清められた道を禿に先導され、まずは振袖太夫さん。(見習い太夫さんはまだ振袖をきていることからこうよばれる)おきれいですわ〜〜!


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お点前を終えられた司太夫さん。この髪型は地毛で結っているらしいです。すごいなあ。司太夫さんはもと祗園の舞妓さんだったそうですよ。芸妓にならずに島原太夫になって、絶滅危惧種的島原の花街文化を世間に広めようといろいろ活動されておられるそうです。



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良い気分で帰る道々、円山公園近くの西行庵をちらっと眺めて家路につきました。
この日もまた佳き日哉。




黄檗山萬福寺〜月見の煎茶会 - 2013.10.08 Tue

宇治の黄檗山萬福寺、言わずとしれた煎茶道の祖、売茶翁(高遊外)ゆかりのお寺であります。


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中国・明出身の僧隠元を開山に請じて建てられた禅宗寺院なので、建物や仏像の様式、儀式作法から精進料理に至るまで中国風。山門からして異国風なのが特徴的。


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どこか中国の寺院、といわれても納得しそうな雰囲気ですね。こちらに来るのは学生時代以来、ウン十年ぶり。(そういうとこばっかりだなあ、、、最近行っているの^_^; )


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今年は売茶翁没後250年とか。全日本煎茶道連盟の本部は萬福寺にあるのでこちらでは色々煎茶会がおこなわれているようです。

今宵は月見の煎茶会におじゃまします。
でも、、、あれ?この日は確かに曇りではあったけれど新月なので、どっちみちお月さんはみえないのでは???

かく疑問もかかえつつ、広い境内のあちらこちらにちらばった席の間を逍遙。全部で10流派10席。中には名前をはじめてお聞きする流派もありました。


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まずは天王殿回廊の雲井流のお席へ。


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お菓子は箕面のお菓子屋さん、高山堂の「柚果子」。ほんのり柚子の香りのお菓子。煎茶はたいがい一煎目と二煎目のあいだにお菓子をいただく流派が多いですが、中には二煎目のあとお白湯とともにいただくという流派もあります。



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ただいえるのは、少量の煎茶で生菓子一個はちょっとツライところがあるので、煎茶席にはペットボトルかマイボトル持参がおすすめ。


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野点のお席もあります。


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こちらでは夕刻6時からの献茶式にそなえて、流派は失念しましたが、若宗匠が宗匠にみまもられてリハーサル中。


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次は方円流のお席に。方円流の本部はうちの学区内にあるし、ちょっと知己もいてはるし。お点前は小川流に似ているかな。どちらも流祖が医師ということで共通しているからかしら。


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月見茶会なのでウサギの茶碗で。おいしゅうございます。


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この大きなお盆!涼炉までのっているんです。これ1枚あればどこででも茶席がひらけそうです。ほしいなあ、、、でも収納スペースないし(>_<)ゞ

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そろそろ夜のとばりがおりてきました。


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灯りが美しい刻限。


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よく見ると「煎茶道」の文字。さすが萬福寺。


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さきほどリハーサルをしていた献茶がはじまったようです。
本堂ではお坊さん達の読経の声が。これがまた音楽的ですごく美しい。聞き惚れてしまいました。

黄檗宗ではお経もすべて中国で行われていたものを忠実に継承しているため、唐音とよばれる中国語を基本とする読みをするそうです。だから違うのか。なんだかグレゴリオ聖歌のようにも聞こえました。

「梵唄(ぼんばい)」という歌のようなお経があるそうなので、これがそうなのかな、、、、と。


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献茶式のあと、さらに逍遙。こちらは本堂の中の席のようです。


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いろいろ悩んで最後の席は東仙流の席へ。


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境内の白砂に描かれた波紋は蓮池をイメージ。卓の飾りは蓮の実の枯れた物。茶碗は蓮の花・蓮の実の絵。お菓子は蓮根餅。


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点前席にも蓮の葉が飾られ、供されたお茶は山茶(山野に自生する茶の木からとれた茶葉)。すこし香ばしいようなお茶でした。

そして、二煎目がこれがまた感激!!


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蓮の花に煎茶を注いだお茶。(おそらく工芸茶)ほんのり花の香りがとてもすがすがしいお茶で、蓮づくし、まるで蓮(はちす)の上の極楽浄土に生まれ変わった心地でございました。おほほ、、、∈^0^∋



昼は大アンティークフェア、夜はSAKE BAR - 2013.10.06 Sun

年に3〜4回、パルスプラザでひらかれる京都大アンティークフェア、京都移住前から通っていましたが、ここのところとんとご無沙汰。なので久々の参戦。

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このように広うございますから、歩きやすい靴と荷物は少なめがおすすめ。


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初日とあってようさんの人がおいでですが、最近は中国、韓国の方が多いようです。特にあちこちで中国語がとびかってましたね。


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お店の扱う物はかなり多岐にわたっていて、ここにくることがなければ、これ、売れるの?と思うくらいコアな分野の商品もあるんです。まあ、私の場合、まず茶道具に目がいくんですが。

お稽古用の道具を安く仕入れるにはいいですよ。ちょっと良い物になるとガラスケースにいれられて、結構なお値段。目利きじゃないと、ちょっとこういうところで大枚はたくのは勇気がいります。


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交渉次第で安い物でもけっこうまけてくれますが、そこはネイティブ関西人じゃない悲しさ。値切るのがへたなのよね〜、、、、


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茶道具をざっとスキミングしたあとは、なんじゃ、これ??というような物を見て歩き。これが楽しい。↑なんじゃ?これ?、、、買う人いるんだろうか。


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韓国の人が出してたお店に木俑(木の人形、かつて葬礼で棺に飾ったもの)発見!これ最近本国でも人気らしい。


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これも誰が買うん???


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なんだか古そうな、戦前の物っぽい仁丹みたいな丸薬。未開封。これ、、、口に入れる勇気のあるひと、いるかな?


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わあ〜!!猫のてんこ盛り!いや、十一面観音か?


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このごろは煎茶道具にもちょっと目がいってしまう。このハエたたきみたいなのは涼炉の火をおこす団扇みたいなもの。(多分)


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ここは毎回一番すてきなディスプレーをみせてくれる下鴨のMASAさんのお店。拝見するのが楽しみなのだが、今回もすてき!さりげなくいけられた秋の花にもセンスがあります。


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こちら岐阜の桐箱屋さん。特注オーダーも受けてくれるようですが、規定のものならすごくお安い。箱無し茶碗をいれるのに、これは覚えておくべきお店かも。(角長箱店)


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ちなみにここでは真田紐がすごくお買い得なの。紐が切れてしまった、あるいは紛失した道具箱にも使えるし、プレゼントのリボン代わりにもおしゃれ。


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こんな具合に。

まあそこそこの戦利品をゲットして帰宅。その後いろいろ野暮用をすませるために洛中をかけめぐり、しめくくりはこちらでお疲れさん!


さけばーpg


四条烏丸のCOCON烏丸1Fアトリウムで、伏見酒造組合主催SAKEZO’S BAR 1日から開催中です。(12月9日まで)


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伏見の17の蔵元のお酒がのめるんです。改まって飲むんじゃなくてちょいと一杯のスタンドあり、簡単な椅子席もあり、場所柄オフィス帰りの方達がふらっとよるのにちょうどいい感じ。女性のお一人様もけっこういらっしゃいます。


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今夜は利き酒セットを。
この日のラインナップは豊祝の吟醸、鶴正宗純米吟醸、富翁純米酒。やっぱり純米酒が一番好きだな。


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COCON烏丸にはたくさんのレストランがはいっているので、そこから調達するお酒のあても充実してます。私は一番人気の中華おつまみセット。(老香港酒家京都のもの)一気のみしたので、早くもほろ酔いになっていたところへこの日は蔵元デー、蔵元の方がサービスショットをまたもってきてくれたの。この日は神聖さん。ヤッタ!


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ここでこの日の打ち上げは軽く四杯で締めました。
良き一日哉。




京菓子と琳派〜弘道館 - 2013.10.04 Fri

上生菓子といえば茶席には欠かせぬもの。このお菓子につられて茶道を始めた、という人も多いはず。おいしさもさることながら和菓子の身上と言えばその意匠でしょう。

たしかに洋菓子のデザインも最近は美しいものが多いですが、季節感や物語性まで感じさせてくれるのは和菓子の方がはるかに上だと思うのです。


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その菓子の意匠に大きく影響を与えたのはやはり琳派。
6日までですが弘道館にて、「京菓子と琳派展」やってます。


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琳派と言えばまず着物の紋様を思い出しますね。日本デザインの粋中の粋、好きやわ〜。
主だった芸術家は尾形光琳、乾山、光悦、俵屋宗達、、、というところでしょうか。


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いつも月釜にお邪魔するときは沢山の人でざわついていますが、このイベント中、静かな座敷を独り占め。ほんとうに良いお座敷で、つくづくマンションにならなくてヨカッタ。


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このお屋敷をフルに使って展示されているのは有職菓子御調進所・老松さんの若い菓子職人さんの作品。いずれも琳派の作品にイマジネーションを得て作られた種々の和菓子の数々。

例えば、、、

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紅葉を楽しむウサギたち


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光琳の燕子花(カキツバタ)


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誰もが知っている同じく光琳の紅白梅図。錦玉にしずめられた紅梅、白梅、そして真ん中の観世水。


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こちらのコーナーは弘道館で開かれている和菓子講座の受講者の方の作品。


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この美しいコバルトブルー、いったいどうやって出しているの??引き込まれそうになります。

特に京都の和菓子は具象をきらい、抽象的にはんなりテーマや銘をほうふつとさせる表現を上等とするようです。茶杓の銘を聞いてイマジネーションがひろがるが如く、、、でしょうか。


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こちらはまだ和菓子作りを初めて2年目の若い女性職人さんの「蓮華」。
錦玉の中に咲くみごとなこなしの蓮華。こんなのがでてきたら、もったいなくて食べられませんね。
(ちなみにまだお店にだすものは作らせてもらえないそうです)


他にもすばらしい作品が多々ありますので、是非見においで下さい。(私は弘道館の回し者ではありませんが、、、(^_^;  )


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若い職人さんの技量と琳派のデザインのすばらしさを堪能したら、やはり見るだけでなくて食べたくなりますよね。なので六畳の茶室で一服。老松さんの薯蕷の光琳菊をいただく。よくみれば、これもすごく完成された菊のデザインです。


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お薄一服、弘道館の主になったごとき幸せなひとときを頂戴いたし候。




膏薬図子で美食〜緒方 - 2013.10.03 Thu

四条通り、新町と西洞院のあいだに膏薬図子(こうやくのつし)とよばれるクランク状のほそい通りがあります。


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四条通りから南に図子をはいったところ。この道は10年くらい前はいたんだアスファルトの道だったそうですが、今ではしっとり情緒のある石畳。(残念なことに右手にはまもなくビジネスホテルが建っちゃうんです)


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この図子にも最近、いろんなお店がはいってきました。こちらは和装小物などをあつかっているお店。夜の景色がすてきです。ちなみに図子とは、袋小路の路地の突き当たりを貫通させ、通路として開放したもの。(袋小路は「ろうじ」)膏薬とは空也供養がなまったものとか。



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さて、この図子にある、かねてから行きたかった緒方さんへ。

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町家を改修したのは数寄屋建築で有名な中村外二工務店だとか。中はカウンター席のみで8席。もちろん満席でした。正面には異端の建築家といわれ書も沢山書いておられた白井晟一さんの「反骨」。

緒方さんはかつて室町和久傳の総料理長だった方で、10年前独立してここにお店を開店されました。少し前、婦人画報で緒方さんの季節の料理の連載があり、繊細ながら独創性のある料理写真に一度はいってみたいものだわ、と思っていた願いが叶いました。(←ミーハーです)


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まず一品目は煮物椀の上に萩の小枝をのせた冬瓜のお月様。上限の月っぽいがダンナのは満月だったわ。


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餅米のもちもちしたご飯にイクラをたっぷり。先付けとしては新鮮。菊割のお皿もすてきです。


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お造り。このサワラの分厚さをみてください!感動しました。あとはハモと五島列島のウニを醤油か隠岐の島の藻塩でいただく。このウニが全然臭みがなくて、甘くて\(^O^)/
ワサビの下の菊花絞りも下ごしらえに技があるのかな、おいしかった。


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もひとつ、感動モノの葡萄の天ぷら!(上にのっているのはハモの天ぷら)
葡萄も広島三次の黒い真珠という皮の黒い葡萄(ピオーネ系)で、一口かじるとあったかい果汁があふれてまさに妙なる味でしたの〜。


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お次は食べ歩き用のコロッケを思い出させる辛子蓮根の天ぷらを奉書で包んでいただく。揚げたてなのでほこほこ湯気がでる。


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口の中が熱くなったのを一気に冷やしてくれる鯛の洗い。料理の組み立てとしてうまく考えられています。上にたっぷり乗った大根と茗荷の千切りがうれしい。
お箸がまたいいでしょう?拭き漆の杉箸なんです。


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茄子と鰊の炊き合わせ。私、本来鰊なんかよう食べません。鰊蕎麦なんてもってのほか。なのにここで供されるとぺろっと行ってしまう。おいしいわ
この器もすてきだったの。古伊万里の染付かな。薄手で輪郭の輪花がちょっと不格好にデコボコしているのが時代を感じさせる。


緒方さんは出しゃばりもせず、かといって素っ気なさすぎもせず、うまいことお客さんと会話されている。距離の取り方を客側に苦労させない、というのは実はカウンター席では重要なことだと思うの。



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落ち鮎。たっぷりと子持ちです。頭からしっぽまで完食。卵のプチプチがたまらん。それに「山椒昆布をたいた後のにつめた醤油」みたいなタレがまたおいしい。ちなみに鮎を仕入れるときはオス、メスまとめて、でないと購入できないそうで、オスの方は若い料理人の練習台になるのだとか。


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きゃ〜!松茸!どうするの?それどうするの?

右の土釜でたいたご飯に目の前で混ぜ込んで、、、

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松茸ご飯!新鮮なもののスライスをじかに混ぜるから、その芳香がはんぱなくすばらしい。ああ、、、まったけだ、、、

ここで土釜でご飯をおいしく炊くコツなどを伝授いただく。1合なら20分くらいで炊けるらしい。


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これも古いものとおぼしきレンゲ。いいな、これ。これでいただいたのは、、、、


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これまた、コースの中で葡萄の天ぷらと最高峰を競う鯛の出汁スープのお茶漬け〜!ちょっとスパイスが効いて、お腹が一杯でなければおかわりしてましたね、きっと。


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デザートは胡桃餅。胡麻豆腐は葛でかためるけれど、この胡桃餅はオオバコで固めるらしい。オオバコ?と思って調べてみたらオオバコ科の植物に含まれるサイリウムという植物繊維らしい。
黒文字にちゃんと杉箸が添えられているところに茶味を感じました。

最後のお茶は、もうお腹いっぱいになったであろうことなので、少量の宇治玉露。お腹の負担にならずこれはありがたかった。ごちそうさま。

ありきたりの和食ではなく、独創的、ちょっと冒険していてそれが成功している、といった感じのお料理がすばらしかった。おいしかった、ほんま、満足∈^0^∋


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食後は膏薬図子をそのまま南へつっきって、京都最大級の町家の一つ、杉本家住宅の重厚なつくりをしばし楽しんで帰路につきました。


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お土産がまた泣かせる。食事をいただいたときに使ったのと同じ、拭き漆のお箸でした。




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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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