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2014-04

第1回京都ふるどうぐ市〜元・立誠小学校 - 2014.04.30 Wed

先週第1回京都ふるどうぐ市が開かれたのでちょっとのぞいてみました。


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場所は高瀬川沿いの木屋町にある、元・立誠小学校。下京第6番組小学校として創立は明治2年。現在の建物は昭和2年のものだそうです。


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木屋町という夜は飲み屋街になる町のど真ん中にあった小学校で、環境としてはどうなの?と昔思っていたけれど、残念ながら平成4年に廃校になってしまいました。
でありながら、今でも学区の人たちの誇りであり、地域コミュニティーの中心としての役割を果たしている校舎です。

さて、ふるどうぐ市、コンセプトは「古道具店が選ぶ古道具店」、、、だそうです。古道具屋・骨董店40店舗と古書店10店舗ほどが参加されていますが、わたされたパンフをみると京都だけでなく、大阪・奈良は当然、東京、新潟からのお店なんてのもあります。


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校舎の中では、元教室や図書館、講堂、教員室などが会場になっています。品物はアンティークというよりはブロカント、ちょっと古い日常生活用品が主。私にはなつかしい=昔リアルタイムで使っていた、お品が多い。でも今の若い人には目新しく珍しいもの、としてうつっているんでしょうね。



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う〜ん、懐かしい昔の小学校だ!私も低学年の時だけぎりぎり木造校舎で学んだ世代なので。


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こちらは元・講堂。たくさんの人でにぎわっています。開場直後は入場制限もかかるくらいだったそうですよ。


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これも懐かしい、外から校舎に入るとき手洗いしたりうがいをしたりした水道だろうなあ。小学生仕様で高さが低く作られています。


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2F。このあたりは教員室とか、図書室だったもよう。元図書室にはまだいくぶん本棚がのこされていて、児童書がつめこまれていました。

それにしてもブロカントはへたするとガラクタ、ゴミにもみられるモノ達。選ぶ方の美的センス、生かし方が問われます。一昔前に鵞鳥ペンで書かれたとおぼしき手書きの手紙まで売られていた。フランス語だかなんだかで全然読めなかったが、昔の人の消息(手紙)が茶の湯掛けになるくらいだから、これも表装したらおもしろいかも〜、、、とあれこれ使い方を妄想するのも楽しいわね。


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おや!
李朝モノも多いお気に入りの奈良の中上さん(オーナーがイケメン(^艸^) )も出店してはるわ。


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中庭では珈琲や東京の山フーズさんのきらきら宝石みたいにきれいなジュースやクッキー、パンなどが販売され、みなさん思い思いに休憩しておられる。



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これは給食前には手を洗いましょう、、、、の手洗い場だな♪


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子どもたちの声が残響として聞こえるような風景。


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さて、私も中庭で休憩しよう。
選んだのは、ここはやはり煎茶でしょう。奈良・月ヶ瀬の巽茶園さんのブースで。きっちり湯を冷ましていれてくれた煎茶。


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ほんとうは熱いままいただきたかったけれど、アイスもおいしい。これぞ茶の味!(味は抹茶より煎茶の方が上、と私は思う。個人差はあると思うけど)

で、収穫は、、、、お値段も安かったのでこんなものを。


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20世紀前半のアメリカ製。炭鉱夫たちがこれにコーヒーをいれて仕事場にもっていったほうろうのポット。蓋がきっちりしまるのでこぼれないし、そのまま蓋をひっくり返せばカップにもなるという。年代を経たほうろうは良い味をだしている。花入として。

第1回と銘打っているし、結構人気があってにぎわったようなので、来年2回目もあるんでしょうね。楽しみ♪





野村美術館講座〜「茶の湯の現代」 武者小路千家次期家元・千宗屋 - 2014.04.29 Tue

武者小路千家の若宗匠、千宗屋さんはメディアでもよくとりあげられているし、御著書の「茶〜利休と今をつなぐ」や「もしも利休があなたを招いたら」は我が家の本棚にもあるくらいの茶の湯界では有名なお方です。インテリだしね。

近いところでは映画「利休にたずねよ」で、海老蔵に茶道指南をされたそうだし、その縁で映画にもちょい役で出演されてました。


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今回の野村美術館講座の講師はこの千宗屋さん、タイトルは「茶の湯の現代」です。
十徳姿でおいでになったので、宗匠らしくみえますが、気さくなお人柄ゆえ、もしカジュアルな格好で町をあるいておられたらきっと全然わからないだろうな。
「利休にたずねよ」でも、どこにでているのか全然わからなかったけれど、スチール写真をみせてもらって、ああ!ここか〜!と、、、(DVDで目を皿のようにしてさがしてね)


京都の武者小路千家の生まれながら、大学が慶応だったせいか東京ですごされることが多いようで、数年前には文化庁の事業でNYに1年住んでお茶の文化を世界にひろめる活動をされたりしていたので、物の見方もすごく俯瞰的だな、という印象をうけました。


時々「武者小路千家って表(千家)ですか?裏(千家)ですか?」などという質問を受けることもあるそうで(三千家=表千家、裏千家、武者小路千家)その時は「私は裏も表もありません。」と答える、という話で笑わせて下さる。


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さて、テーマの茶の湯の現代、あるいは現代の茶の湯。
今という時代は価値観が非常に多様化していて、茶道人口は減りつつあるものの、より深く茶の湯を楽しんでいる時代だと。
ただ生活様式が西洋化してしまったため(畳の部屋がないお家が増えてる!襖・障子のたてかたも当然知らないわなあ、、、)、お茶のお稽古はしていても、日常生活との接点がなく、生活との距離感がある。昔なら炭で火を熾してお湯をわかす、、、なんてのはごく普通の日常のことだったのに、今では炭で火を熾したことさえない人も多い。

逆にいうとそういう非日常への憧れが現代人にはあって、たとえばいわゆる「和」ブーム(和カフェや町家宿泊や手ぬぐいが売れるとか、、、、)とはそういうものではないだろうか。若い人たちにとっては外国文化とおなじくらいstrangeなものになっているもよう。宗屋さんは東京で過ごすことが多いので、より強くそう感じるのだそうだ。
そういえば、京都は昔の生活文化・習慣(座敷に花をいけるとか、節句のお祝いをちゃんとするとか、打ち水をするとか、今でも現役の井戸のあるお家があるとか)が比較的よく残っているからなあ。


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久松真一先生曰く、
 「茶道とは人間生活全体と密接にむすびついた生活様式そのもの、なのです。”狭隘なるささやかな住居の中で、宗教的にも、道徳的にも、礼儀作法的にも、芸術的にも、食事から掃除に至るまでも、良く洗練された文化的生活”なのです。」


残念ながら現代では、それらは茶の世界にのみ残っている日本古来の生活文化、生活習慣様式となってしまった。
その点で茶の湯はさながら「日本文化のタイムカプセル」のようだ、と宗屋さんはおっしゃる。


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現代の茶の湯はこうした非日常になった生活文化を生きた文化として楽しむものである。茶の湯にたずさわる者としてはそれを広める努力をしなくてはならない。その提案として、マンションの中で西洋化した部屋に違和感なく溶け込む茶室や、NYのギャラリーで披露された茶机(ちゃき:宗屋さん命名、立礼卓とは根本的にちょっと違う)などの実例を見せて下さった。

マンションのベランダにおかれた蹲居につくばうと、目の高さにみえるのが東京タワーで、これを借景の灯篭とする、、、っていうのはいいよねえ。

京都の茶家の御曹司ながら、伝統にあぐらをかかず新しい試み、広める努力をされているのはすばらしい。ただ他の伝統芸能の世界でも同じ現象がみられるのは、それにたずさわる人の絶滅危惧種的芸能へ対する危機感のなせるわざか。能楽でも若手が裾野をひろげようといろいろ努力をされてる。
明治維新後の茶の湯の危機的状況にも、圓能斎がお茶を女子にも広げたり、淡々斎・鵬雲斎はアメリカに渡って世界に広げようと行脚して発展させてきた。たどれば利休がやった革新的なこともその源泉にあるのかもしれない。

私は茶家のものでもなんでもないけれど、茶の湯の世界のはしっこにいる者として、せめて周りの人たちの茶の湯化計画・お茶って楽しいのよ計画に邁進せねばなるまい、、、、と思ったのでした。




木綿の着物まわり - 2014.04.27 Sun

着物まわりで役に立つ物を誂えたので、ちょっとご紹介。


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お願いしたのは高松のkimono gallery 晏さん。(馬場呉服店)
なにゆえ高松?と思われるでしょうが、以前から京都で年に1〜2回、展示会をされているんです。紅型に強いので、京都に住む前から紅型帯を誂えてもらったりしていました。
春先に祗園のギャラリーで展示会されていたので、かねてから作りたいと思っていた木綿の塵よけをお願いしようと思いでかけました。
こちらのお店は木綿物に強いのです。讃岐特産の保多織りの反物なども手がけておられます。


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塵よけとして、今までは雨ゴート用のポリのものを愛用していました。特に冬などは防寒着にもなりよごれもつきにくく重宝していたのですが、いかんせん、着心地はあまり良いとはいえず、、、。それに暖かくなると暑い。で、春・秋にはおれる、着心地の良い、それに耐久性があり、洗濯も簡単なのでがしがし着れるもの、、、というので木綿に行き着きました。

展示ではたくさんの種類の木綿の反物がありましたので、いろいろ迷ったあげく、まあ飽きのこない物が良かろう、とこれに決め、本日やっと仕立て上がりが届きました。


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洋服の上に羽織っているのでちょっと変ですが。これは紐を身八ツ口から通して、一本だけで結ぶデザイン。あちこちたくさんの紐を結ぶ手間がはぶけます。


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こんなストライプです。着物としてもよさげですし、特に着物で家事をされる方には良いわね。ただ私の年齢では、木綿の着物はちょっと貧相に見えるかもしれない、、、。若い人がポップに木綿の着物を着こなしているのはかわいいですけどね。



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展示会の時目について、あ、これ水屋着としていいかも!と思っていっしょに買った木綿の対丈の上っ張り。
普通の割烹着は丈が短く膝が汚れるし、今愛用している二部式雨ゴートの下と上っ張りだと着脱に手間がかかる。そんなこんなを一挙に解決してくれそうな逸品、見つけました!



長岡天神のキリシマツツジ〜松尾大社の山吹 - 2014.04.25 Fri

京都市の西に隣接する長岡京市、阪急長岡京駅で下車(運転免許更新の時しか下車したことない!→京都の運転免許試験場がある)。この地はかつて菅原道真の所領であり、在原業平と詩歌管弦遊びをした場所らしい。その道真が愛した場所に彼をまつる長岡天満宮があります。


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神社の手前にある池は八条池、かの桂離宮を建てた八条宮智仁親王の造築。この季節は大勢の方でにぎわう。
なぜなら、、、、、


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見よ!
なんじゃこりゃ〜!!の赤い壁。


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この季節に満開になるキリシマツツジの参道です。なんと樹齢100年以上もある古木なのだそうですよ。


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日がよく当たる北側(南面する方)はほぼ満開。


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日陰の南側はまだつぼみもありますね。


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あまりの真紅ぶりに目がクラクラする、、、、

「我が魂長くこの地にとどまるべし」、、太宰府へ流される途上、長岡の地でそう言った菅公の怨念のような、、、と思うにはあまりに明るい楽しげな「赤」ですよね。



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この天満宮を作り菅公の御霊を祀ったのは菅原氏の一族とされる中小路宗則。宗則は道真に同道し、帰り際道真自作の木像と念持仏を持ち帰り、道真死後に、それを祀ったのが縁起とか。
現在でもここの宮司さんの名字は中小路なので御子孫なのでしょう。1000年以上も続く家系!おそるべし、京都!


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北野天満宮にもたくさんおいでになる天神さんのお使いの牛さん。


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これが脇にある宮司さんのお宅だそうな。たしかに中小路の表札があるし、建物も、、、う〜ん、なんだか1000年以上、、というのも納得できるような。


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キリシマツツジの赤とのコントラストが目に優しい楓の新緑も美しい。


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八条池に面した場所に、ちょっと船遊び気分でお食事ができる施設もあるんですね。


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帰る道にはこんなお店も。西山、、、といったらやっぱりこの季節タケノコでしょう。泥のついた堀りたてタケノコ、次に行く場所がなければ買っていたものを、、、、(T.T)


さて、同じ阪急電車で嵐山方面へ行く。松尾駅にて下車。


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目の前には松尾大社の大鳥居。ここは御神酒の神様なんですよ〜。(といってもお酒はでません)しかも京都最古の神社で、古事記の時代にすでにあったといわれています。


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渡来人・秦氏がこの地に住み、松尾の神を氏神にしたそうで、秦氏は造酒技術にもすぐれていたので、お酒の神様になったらしい。

さて、この神社もこの季節はことのほか賑わいます。


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境内にある山吹苑が満開の時期をむかえるから。


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その山吹なんと3000株、黄金色の景色です。


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キリシマツツジとちがって、緑の分量が多い分、いくらか目に優しい。


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山吹のつくる影にひっそりと咲くシャガもまた美しい。


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境内を流れる一ノ井川にかかる山吹。

   山吹の立ちよそひたる山清水
            汲みに行かめど道の知らなく 
 (高市皇子)


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この松尾大社、なんと御紋がフタバアオイ!いままで気づかんかった。賀茂の社(上賀茂、下鴨神社)と同じとは。なんで同じなの?来歴もご祭神も違うのに、不思議。


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御神酒の神様らしく、たくさんの銘柄のお酒の奉納が。ゴクリ、、、(^◇^;)


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霊泉・亀の井。
酒造家はこの水を酒造りの水にまぜるのだそうだ。しかし、、この亀さん、すごく愛嬌のある顔してる。


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ここには重森三玲の最晩年の庭園もあります。これはそのうちの一つ、「曲水の庭」。枯山水のようでもあり、モダンでもあり、まさに三玲といった感じ。


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庭園の奥、磐座(神が降臨した依り代)のある山の麓には白山吹も盛りをむかえていました。八重の黄山吹に比べると、楚々とした風情。


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フタリシズカもひっそりと。


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この麗しい季節の(と言い切るにはあまりに暑い!京都だったが)花の寺社めぐり、なんと楽しいのでしょう。リタイアしたら毎日こんな楽しみが待っているのかな。(多分忙しい合間にスキをぬって行く方が心に残るような気もスルナ)


周利槃特に憧れて〜正午の茶事  - 2014.04.23 Wed

お釈迦様の弟子の中で一番愚かで頭が悪い弟子がおりました。名前を周利槃特(しゅりはんどく)と申します。どれほどアホウだったかというと、自分の名前が書けない、名前をよばれても自分とわからないというくらいのアホウだったそうです。


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それを悲しんでお釈迦様のもとを去ろうとしたとき、お釈迦様がとめておっしゃるには「 自らの愚を知る者は真の知恵者である。」そして一番好きなことはなにかとお尋ねになると、周利槃特は「掃除」とこたえたため、一本の箒をお与えになった。

周利槃特は毎日毎日何年も何十年も「塵を払い、垢を除かん」と唱えながらただひたすら掃除を続けついに悟りをひらいたのだそうな。


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(茶事のためにお掃除ちうの茶室)

この逸話をおしえてくれた方をお正客に招いた茶事を我が家でひらきました。この方はその周利槃特の教えをまさに実践されている方で、以前お宅にお招きにあずかったとき、あまりに見事に掃除されている広い庭にほんとうに感激いたしました。なにせピンセットで雑草取りまでされたそうですから。


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そういえば大学時代在籍した心茶会はお茶の会というより、坐禅とお掃除倶楽部(私が秘かに命名)というか、そのマニアックな掃除ぶりには、そこまでやるか〜!?、、、と最初啞然としたものです。
なにやら相通ずるものが。

以来少々めんどくさいしんどい掃除も「修行、修行、、、」と唱えながらすれば、なんとなく心まで洗われるような気がいたします。(まあ、気がするだけ、、、ですが^_^; )


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なので、今回たいしたおもてなしはできませんが、掃除だけはしっかりガンバロウ!と毎朝出勤前に、どさどさおちる常緑樹の落ち葉と戦い、雑草と戦い、茶室を浄め、、。苔の一念、周利槃特の一念、悟りはまだまだひらけそうもありませんが、なんとかカッコウをつけて茶事に臨みました。




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(玄関)


この流れで、心茶会の遠い後輩(在籍期間は全く重なりませんが、同じ線上の話ができるってなんてうれしいことなんでしょ)さんと、先日、白川で革新的な野点・茶席を開催されたK会の首魁(?)若き茶道男子をお招きすることができました。なにかセンスが相通じるものがあり、みなさまをお引き合わせできたのもうれしいことでした。


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雨が降ると露地草履も雨傘もないので、蹲居も使ってもらえないし天気を気にしいしいでしたが、日ごろの行いもよく(?)なんとか最後の方までもってくれました。だって一番のご馳走はこの露地ですから。

これは露地の踏み石。寒い時期から欠かさず庭の水まきをやった成果で苔と羊歯が自然にはえてきた!これはもうけもの。


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もひとつ、塵穴から勝手に生えてきた羊歯。これは青葉を切っていけなくてもよいので、塵箸のみ添える。らっき〜。



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かくなる上は本席の軸は当然心茶会創始者・久松真一(抱石)先生の「随所作主」。座右の銘でもあり、一生到達できぬ目標でもあり、一生ほんとうに理解はできない言葉です。
(随所に主となれば 立つところ皆真なり:臨済録)

(ちなみに待合にはさるお方から拝領した澤庵さんの短冊をかけさせていただきました。お正客が沢庵さんと同じ兵庫県の方ですし。)


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腰掛け待合いの煙草盆。これの火をもたすのにいろいろ試行錯誤して、火入れ炭をがんがんに灰になるんじゃないかと思うまでに熾してからいれるのがよいかな、と思います。(勝率まだ5割)


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しかも茶友に紹介してもらったこんな秘密兵器もあります。火入れ炭をこの筒の中に入れて火をおこせば早く上の方まで熾るスグレモノ。


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しょっぱなから炭手前の紙釜敷をフトコロにいれるのを忘れるという失敗を披露しながらも、お客さまの言葉にすくわれなんとか。懐石オール手作りは、、、さすがにまだ無謀なので、松花堂弁当をとりましたが、筍しんじょうと八寸だけはなんとか自分でこさえました。
やはり小間は三人くらいでやるのがいいなあ。自分のキャパもありますが、話題が一つにまとまりやすいし、千鳥の盃で、ちょうどよい量のお酒がのめますし。


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主菓子は毎度お世話になっている北白川山もとさんのきんとん、「山つつじ」。


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中立の間にすだれも自分で巻き上げます(半東さんがいないので)。後入りを告げる銅鑼は川口美術で手に入れた古い韓国の農楽用の銅鑼。すごい割れ鐘みたいな音がでますが、叩く場所によって意外と澄んだ音がでることに気づく。これは次回への課題。


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軸を片付け、後座の花はハナショウブにて。

ここからは怒濤の李朝趣味にて、茶碗も水指も高麗、炭斗も花台も李朝だ〜。仕入れ先は主に下鴨・川口美術(お客さまの茶道男子が出入りしている^_^; )、奈良の中上美術、グランピエ丁子屋、弘法市、大アンティーク市、、などなど。



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うふ
この柄杓の合がはいるかどうかぎりぎりのラインの水指がいいでしょ?(自画自賛)濃茶もわれながらなかなかうまく練れたとおもうのだけれど。(これも自画自賛)

後炭では、今季最後の炉の炭を楽しみました。さすがにもう炉に近寄ると暑く感じますね。来月はもう初風炉です。



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さて、用意した干菓子は如心納豆(千歳屋)とUCHUのフルーツ和三盆。菓子器は箕と、、、、周利槃特のシンボル、箒添え〜!(*≧ω≦)♪

薄茶はなごやかに、いろいろあれこれ、ほんとうに話は尽きませんでしたが、そろそろお客さまのおみ足のほうも限界かと思われ、これにてお開きです。

お客さまのお人柄に助けられ、楽しいうれしい茶事になりました。深謝です。


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お客さまが帰られた後の席中の煙草盆の炭、ほろりとくずれ、しっかり最後まで全部灰になっていました。今回は大成功\(^O^)/


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これから片付けに入るまでの貴重なひととき、独座観念です。実はこの時間が好きで茶事をやるのかもしれませんね。





西陣界隈〜里桜のころ - 2014.04.21 Mon

北野天満宮では毎月1日と15日に月釜が懸けられます。月釜会員券を買わされたので今年うちの社中がここで釜をかけるので、ちょいと下見に行ってきました。


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会員券があってもなかなか行く機会もなく、私ははじめての明月舎。

この日は速水流、速水滌源居(速水流の家元)でお稽古をされている方々がご担当。一昨年、滌源居をおとずれる機会を得まして、若宗匠のお点前も拝見できたので、なんとなく親近感がわく流派です。それに速水宗達は裏千家の一燈の弟子であったので、裏千家のお点前にも近いしね。郷里の岡山藩池田家に茶道指南にも宗達は派遣されていたので、身近な感じです。

あら、おきゃくさん呼び込みは家元で、裏方に若宗匠がおられたわ。


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(明月舎の庭の井戸)

特徴は十二単の襲の色目の帛紗を使うこと。たとえば橘襲なら山吹色と深緑が斜めに染め分けられている。みなさん、それぞれお気に入りの襲帛紗を腰につけられている。いとみやび。
ふだん月釜では大広間をつかってたくさん入席されるのだが、速水さんでは六畳の間を使ってお客さんの数も減らして、声が聞こえるように、という距離でお点前をされるんだそうな。

おかげで後見のかたのお話しがよく聞き取れて、おはなしも面白くて、楽しい席でありました。釣り釜を釣っているのが鎖ではなくて、鉄棒の自在(時代)だったのがいたく気に入りました。こんなのなかなかお目にかかれない。


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明月舎を辞して、そのまま東門から五辻通りを東へ行けば、千本釈迦堂・大報恩寺があります。今年はおかめ桜、みにいけなかったな。もうすっかり葉桜になってしまっています。


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ここは年末の大根炊きにもきたし、本堂そっちのけで桜だ、大根だといってるけれど、実はこの本堂なんと国宝!!だったんですねえ。洛中で一番古い建築物(1227年上棟)なんだそうです。おみそれしました。


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千本通りを渡り、五辻通りの一本北、上立売通りを東へ。右手に看板のあるキッチンパパはお米屋さんの奥でやっている洋食屋さん。いつかここのハンバーグ食べてみたいけれど、この日はお腹はよかったもので。



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こちら気づかないと通り過ぎるところにある、のばら珈琲。あら〜、残念ながらお休み〜。


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このろうじに入っていく感じが火裏蓮華さん(御池柳馬場)に似てるな。なんだかとてもそそられる景色じゃありませんか。


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お店はこんな外観。ここは是非一度来てみないとね。天神さんはわりとよく行く機会があるので(天神市とか)帰りに寄るお店がまたふえそうな予感。


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そのまま東へ歩くと西陣聖天こと、雨宝院。あ、御衣黄(ぎょいこう)が咲いてます、咲いてます。薄緑の不思議な色の花をさかせる里桜です。今年はもう来られないかな、、と思っていましたが、なんとか間に合いました。


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いつもは静かで人気のない境内ですが、この季節だけは遅咲きの桜を見にたくさんの人が訪れます。


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歓喜桜、観音桜、紅しだれ、、、


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花吹雪です。それも雨のように降り注ぐので、雨宝院の「雨」とは花びらのことかと思ってしまう。


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何年か前、まだ京都に住む前にここに来たときにはほんとうの雨の雨宝院だったなあと懐かしく思い出す。雨の桜もまたよいのよ。


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西陣の真ん中で(今度こそ)最後の今年の桜を満喫いたしました。


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そうそう、シャクナゲもきれいでしたよ。


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桜が終わったかと思えば、次々と春の花が咲くうるわしい季節です。街角でもう藤の花が咲いているのを見ました。よくみるとこれ、鉢植えなんですね〜。びっくり!


颯颯の茶事 - 2014.04.18 Fri

そのご亭主のお人柄をあらわすのに、口をついて出てきた言葉は「颯颯(さつさつ)」。風の吹く様でもあり、またさわやかで清々しい人のたたずまいをも表す。


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こちらの茶事にお招きいただくのは2回目、お茶だけのために考えられ改修されたお家にて。ご亭主は、準備も懐石もおひとりでされます。そのきびきびとした無駄のない動きは見ていても小気味よく、さわやかです。、、、う〜ん、これはそうだ!あれだ!ファンだとおっしゃる宝塚の男役だ〜(^-^)b


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露地も狭いスペースを上手に工夫され、苔などもご自分で張ったりしておられます。感激したのはこのギンゴケ!あの道端のアスファルトのはしによく生えているやつですよ。あれ、移植できないかと私もいちど剥がして自分とこの露地に貼ってみたのですが、すぐだめになりました。
このこんもりしたギンゴケも道から採取して貼ったものなのですって。おお!なんとしっかり定着しているではないか!これに勇気をもらって、もういちど私もトライしてみよう。
それにしても、道端で苔をせっせとはがしてビニール袋に集めておられる姿は他人さまからは少々怪しく、想像してついクスリ♪(^艸^)☆


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本席は名残の釣り釜。ゆらゆらして名残の春を惜しむがごとく。

軸の言葉は「風は南岸の柳に吹く」。
頭の中でさきほど見てきた鴨川の岸の青柳が浮かんできました。もっともこの句の岸は長江(揚子江)の岸なんですけれどね。出典は宋代の詩で、対句が「雨は北地の蓮を打つ」。これもまた水墨画のような雨に煙る蓮の景色が浮かんでくるようです。


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お手製の懐石はどれもおいしく、見た目も美しい。汁の実が道明寺麩という道明寺がはいった変わった食感で、これもまた家で使ってみよう。しんじょうは筍、まさに旬。八寸のさよりの一塩がとてもおいしくて、またまたお酒が、、、(いつもこれだ!)
主菓子もお手製の片身替わりのきんとんでしたのよ。
お掃除も、お料理も、お点前も、、、すべてが颯颯。するするされているように見えますが、実際自分でやってみるといかに大変なことかはようわかっています。

そうこうするうちに釜の煮えも良い感じになってきました。


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後座の花もお庭で育てられたもの。茶人はやはりそうでなくちゃ、、と我が身をふりかえる。あ〜あ。
鯛釣り草がこんなに沢山の花をつけるのは、個人の家ではなかなかむつかしいと思うのに。でもかわいいな、この花。
宝塚在住時代、なんちゃってイングリッシュガーデンに手を焼いてきたので、もう園芸はしない!と心に誓ったのに、最近茶友さんの影響で、ちょっと腰を据えて茶花を育て(主に虫と病気との戦い)ようかと思っています。まずは椿かなあ。


濃茶もおいしく練っていただく。後炭もきちんと。
そしてお薄ででた干菓子もなんとお手製、野菜の蜜煮に和三盆をまぶしたもの。これがまたおいしくてついついたくさんいただいてしまった。
薄茶のお茶碗もご亭主の渋好みにて。こういうラインナップは私も好きです。たしかに華やかさはありません。なのに最後に茶杓の銘が「花衣」で、これひとつでぱ〜っといきなり華やかなイメージが花開く。取り合わせの妙とはこういうことか。茶杓の景色も十二単に裳をまとったようなイメージでまさに「花衣」でした。


松風颯颯聲、、、、時を忘れて、清々しく穏やかな境地にて茶を喫する一座でありました。尊敬できる茶友をたくさん得たことが今のわたしのしあわせです。






「わかりやすい高麗茶碗のはなし」〜谷 晃・著 - 2014.04.16 Wed

高麗茶碗表紙


高麗茶碗といえば利休のころより茶人ならだれでも憧憬の念を持っていることと思うが、その分類ときたらあいまいにしかわからない。

さすがに井戸や三島くらいならなんとかわかるにしても、斗々屋と思えば蕎麦だったりするし、金海には猫掻きがあるんだと思っていたけれど、どうやらちがうみたいだし、、、御本となった日にはもうお手上げ〜。
学術的な書物はむつかしすぎてますます混乱するし、(読み切れないし)。従来窯やら倭館窯とかなんとか〜(>_<)、、、ここらへん茶道検定にも出てたけど明確にはわかってないし、、、

なので最近淡交社からでた野村美術館の谷先生の「高麗茶碗のはなし」は素人向けにとてもありがたい本でした。雑誌「淡交」に連載中から、これはわかりやすい、本になったらすぐ買おう、と思っていたしね。

語り口がソフトなのでずんずんひきこまれて読めるし、カラー写真もふんだんに掲載されている。昔の茶会記にどのように使われていたかというお話しもそれぞれについていて、ちょっと学術的な領域までの橋渡しの部分もある。

コラムでは高麗茶碗の調査研究をする発端となった先生ご自身のお話や、高麗茶碗の水漏れと戦ったお話しなどの楽しく読めるコーナーもありますよ。

その中でも一番おもしろかったのが、高麗茶碗の出身地である韓国と日本の古来からの美的センスの違いについて。

昔も現代も韓国人は青磁に一番誇りを持っていて、白磁(井戸もそのひとつらしい)や高麗茶碗(粉青沙器が主)がなぜ日本で珍重されるのか理解できないところがあるらしい。それは浅川兄弟の足跡をたどっていたときもそう思った。

かつて野村美術館で、現代の陶芸家、日本から韓国からそれぞれ10人に高麗茶碗を再現して作ってもらって展示したことがあったそうだ。するとどちらが良い、悪いではなく、歴然としたセンスの隔たりがあったそうだ。なんとなくわからないでもないが、それは一度展示を見てみたかったなあ。

嗜好の国民性の差はあるとして、なぜ日本人はかくも高麗茶碗にあこがれ、その生みの親の国・韓国ではそれほど珍重されなかったのだろう。

韓国では技術的に高度なテクニックを駆使してつくられた器=良い器なのに対して、そういう作為のある器、それだけで美術品として完成してしまう器は、足らざるをよしとするわび茶にはあわなかった、ということに納得。だから茶の湯をしっている、しっていない、のセンスの差は大きくでるのだという。

そういえば浅川兄弟(兄の浅川伯教は、高麗茶碗の中で倭館で作られた物があると最初に指摘したひと)のエピソードに、朝鮮(戦前)の骨董屋をまわって白磁のコレクションをしていたときに、「どうしてそんなガラクタばかり集めるのか?もっとよい青磁があるのに。」といわれた話があった。この本でも、韓国の骨董屋で古い碗をみていると「目の穢れになるからやめなさい。」といわれたという話も披露されている。
日韓における過去の歴史の因縁や、現在の悪化した日韓関係も、もしかしたら高麗茶碗をガラクタと否定するのに関係しているかも、、、というのはソフトに、デリケートに書かれているが(^_^; (ご苦労がしのばれる)


さて、今後高麗茶碗を目にしたら、あとでこの本で確認だ!、、、というわけで茶の湯をこころざす人には事典代わりにそばにおいて決して損はしませんよ。高麗茶碗をもてるかどうかは別として、、、、(^◇^;)




桜2014〜グランドフィナーレ - 2014.04.14 Mon

京洛は遅咲きの紅枝垂れ、里桜もそろそろピークを過ぎようとしています。近衛邸の糸桜から始まってあっというまに都を席捲し、そして去っていく桜のウエーブ、本日が今年の桜のフィナーレでございます。


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野村碧雲荘お向かい、南禅寺畔・清流亭の枝垂れ桜。


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青空に華やかな裳裾ひろげて。


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青空になんと似つかわしい薄紅の、、、


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乙女たちですねえ。


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岡崎の疏水べりの桜も散り果てそうです。


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この疏水にうかぶ花筏を橋の上からながめるのが好きです。それにしてもどこへ行くのだろう、、、、
疏水に沿って追いかけて行けば、、、、、、


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え?え?(◎-◎;)
あの薄紅のかたまりは???


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花筏、、、、なんていうものじゃなく、花びらでできた大陸とでもいいましょうか。疏水が鴨川に注ぎ込む少し手前の夷川ダムにて。


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水鳥も波だけでなく花びらもかき分けて泳ぐ様。水の澪ならぬ花びらの澪を残して。


そして最後にひかえし桜の女王。
今年の桜のグランドフィナーレです。


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平安神宮神苑・紅しだれ、ライトアップでございます。


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その圧倒的美しさ、そのボリューム、、、御前にただひれ伏すしかありません。


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日暮れ時から、次第におりてくる夜のとばりを背景に、、、


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やさしい薄紅の指先


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池の鏡にその化粧(けわい)を映す。


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夜空から落ちきたる花の雨、花の瀑布、美の洪水におぼれてしまおう。


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花の冠、花の裳裾を身にまとい、威厳を持ってすっくと立つその姿は女王以外のなにものでもない。よろこんでその前に身を投げ出そう。女王さまの御心のままに。


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美しく、そして妖しい、夜の紅しだれ。


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(紅しだれコンサート)


水にうつるのは異世界の女王様の宮殿。すいこまれないように。もう戻ってはこられませんよ。


他にもたくさんの桜が京洛にはありますが、私の今年の桜はこれでおしまい。来年も、、あと何回桜を見られるのかわかりませんが、、、、きっとまた美しい桜たちにどうか会えますように。









春草の懐石茶事〜鳰の湖畔にて - 2014.04.11 Fri

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正面の山は三上山、またの名を近江富士と申します。学生時代はこちら方面に来ることも多く、なつかしい景色です。手前に広がるのは鳰(にお)の湖、そう、琵琶湖ですよ。


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この湖の畔にて、正午の茶事にお招きいただきました。
まずは前栽に咲きほこる春の花に圧倒されます。ご亭主の丹精のたまもの、今まさに「春は盛り」を実感。暑くもなく寒くもなく、良いお日和でございました。


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こちらのお宅は、邸内にも庭にもセンスの良い古いもの、古い道具が今にいかされてちりばめられているので、それもご馳走の一つでした。となれば当然お道具もどこかなつかしい時代のものがたくさんでてきて、目をたのしませてくれました。


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(ふつうバイモって小さいのしか見たことないので、こんなに大きく育ったバイモにびっくり!緑の指をお持ちなんですね)


腰掛け待合いでは、先ほどの前栽の花や花木を眺めつつ待つ。一面の花に囲まれてこれまた心地良い一時。桜ににたジューンベリーの木は花盛り。


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利休梅も清楚な白い花をたわわにつけています。他にチューリップ、ハナナ、ムスカリ、アリュッサム、アジュガ、、、そうそう、生垣がいろんな種類の椿で、こちらも今まさに盛り。春の奢りにむせかえりそうになります。あ、、蝶々も、、、

懐石はすべてご亭主おひとりの手作りです。
しかも山にはいって手づから摘まれたり、ご自分のこの庭の露地物であったり、の春草の食材を使っておられて、これがとてもうれしかったのです。

煮物椀に添えられたコゴミやワラビ(私はこういうのお店でしか買ったことがない!)、甘草(漢方の原料でもある)の酢味噌和えなんて初めていただく。とどめは最後の飯器にでてきた何かの芽のまざったご飯!
「何か当てて下さい。」とおっしゃるが皆目見当もつきません。

答えは、、、、リョウブの芽。名前こそ聞いたことはあれどんな木なのかさえ知りません。
昔は飢饉のときの非常食料として利用されたということです。ようするにご飯に混ぜて飯のかさをあげたりするのに使われたようですね。
リョウブ=令法という名は、救荒植物として育て蓄えることを法で決められたからという説も。
こういう話を聞きながらいただくほろ苦い春の摘草・芽はまた格別です。

他にも向付に氷魚(鮎の稚魚)、煮物椀に鯉の薄い切り身を油で揚げた物(これが全然なまぐさくなくておいしい)など、琵琶湖の恵みもたっぷりいただく。
小吸物には梅の天神さん(仁とよばれる種の中にある部分)。噛むと鮮烈な梅干しの味が。

主菓子もお手製の椿餅。椿のきれいな葉っぱはこちらのお宅にはたくさんありますものね。


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障子のとっぱらわれた「陽」の後座では、見えなかった窓の外のムシカリが紫陽花に似た花をさかせているのがぱっと目に入り、印象的。ちなみにムシカリの名前は虫が好んで食べるので虫喰われがなまったものとか。


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後座の花が先ほど食したリョウブの枝に、めずらしい延齢草。これもお庭から切ってこられたもの。
濃茶、続き薄と楽しくはずんだ会話を楽しむことができました。
御連客のお一人が言われた、「今まで全く違う人生を歩んできた者同士が、お茶というただ一つの縁にひかれて一座に同席できるのは、ほんとうにありがたく奇跡的なことですね。」という言葉に一堂深くうなづくのでした。


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お干菓子もお手製。なんとスミレの花の砂糖漬けも。


谷で水をくんで湯を沸かし茶を点て、裏の山や畑でその日とれたものを膳にのせる、、、、これってそういう佗茶人の極意を地でいっているのではないかしら。(私は懐石手作りは、、、、、(>_<)ゞトホホ)


そんなことを思った一座でありました。
ご亭主様へ、、、本当にありがとうございました。


桜2014・補遺〜黑谷さんから真如堂あたり - 2014.04.11 Fri

今年はやや長持ちしたとはいえ、とうとうソメイヨシノ系の桜は見頃を過ぎてしまいました。つい1週間前はこんなだったのに、、、、とアップが間に合わなかった写真を、来年の参考までにと載せておきます。
え?桜の画像はもうあちこちでゲップがでるくらい見たって?、、、(^_^; 、、、、まあ、そう言わんと。


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金戒光明寺、通称黑谷さん。一番ご近所の大きなお寺です。この階段の前でNHK大河の「新撰組!」はロケしたんですよ。なにせここは京都守護職会津藩の本陣でしたから。この階段の上に枝をさしかける大きな桜も毎年見ることにしています。


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昨年は改修中で大きなカバーがかかっていた山門も今年は完成していました。朝比較的早く行ったので他に人はどなたもおられませんが、おそらく観光客はあまりおいででない穴場でもあります。


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これは八重系の桜でソメイヨシノに先立ちさかんに花吹雪をまきちらしていて綺麗でした。


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お寺のストイックな土壁に妖艶な桜のとりあわせはなかなか。


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藤村庸軒ゆかりの淀看席のある塔頭・西翁院。ここの枝垂れも毎年見事。中にははいれませんが。


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その枝垂れに向かい合うようにお寺の外に立っているソメイヨシノの大木。枝垂れとの対比がおもしろい景色です。手前はもう緑の草がむせかえるようにびっしりと。


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その草むらの中にはめずらしいシロバナタンポポなんかも咲いていました。


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黑谷さんの墓地へ通じる道の途中にある睡蓮池。睡蓮の代わりに花筏。


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墓地の中をつっきって多宝塔へ向かう道のなかば、左へおれて、、、、


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ずんずん墓石のあいだを歩けば、、、、



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幕末の動乱の中、命を落とした会津藩士の墓地があります。この会津藩の思いとうらはらにおいつめられていく悲劇は昨年の「八重の桜」でよく勉強させていただきました。そっと手をあわせる。慰霊にも桜は似つかわしい花なんだなあと認識。


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さらに先へすすむと真如堂。紅葉のころは大勢の方がおいでになりますが、それ以外の季節はほとんど無人にちかいです。ここの桜もきれいなのにね。だから穴場。


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その紅葉も新緑の季節を迎えようとしています。


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かすかに散る花びらがみえるでしょうか?え?ゴミじゃありませんよ。


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花の王冠を戴いたごとき石灯籠。
花吹雪の下に身をおくのはこの上ない幸福感をもたらしてくれますよね。



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真如堂の裏からはいって表門へ逆にぬけると入り口に塔頭・法伝寺の咤枳尼天(だきにてん)のお社が。(ここのところ神仏習合)


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ここの枝垂れも妖艶ですよ。まさに咤枳尼天のごとく。(咤枳尼は弁財天に似た女神さまなんで)


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真如堂の表門を出てまっすぐ正面にみえるのが宗忠神社。こちらの桜のアーチも見事。もちろん超・穴場。


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神社とはいうものの、こちらは黒住教の神社。場所的には吉田神社の境内の一部になりますが。

さて階段を登って振り返ると、、、、



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桜に彩られた東山はことのほか美しゅうございますね。




高瀬川一之舟入 茶の集い - 2014.04.08 Tue

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高瀬川は木屋町に沿って流れています。木屋町は飲み屋さんが多くて、学生時代には夜な夜なお世話になったんですけど、昼間はそんな喧噪が想像できないくらい、みやびな雰囲気が漂う桜の季節です。


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江戸時代、伏見までの運河として掘削された高瀬川、その起点となる一之舟入。当時の高瀬舟を復刻した舟が繋留されています。この舟入のあたり、前はなんども通っているのにその存在に全然気づかなかった非公開寺院があります。(作ったのは南禅寺畔・對流山荘もつくった方よ)


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建造物は京都市の有形文化財、庭園も市指定名勝という院でひらかれる茶事に、はからずもお招きいただき、あまりに光栄で感涙にむせぶ、、、というのはちと大げさかも知れませんが、そのくらい得難い経験でありました。


ご亭主は、以前ご自宅のお茶事にお招き下さったまだお若いS庵様。その力量はよく分かっていたつもりでしたが、今回この寺院の各座敷を縦横無尽に使ってのおもてなしに、またまたこっそり舌をまきました。


庭園は高瀬川沿いで川を隔てればすぐ木屋町、垣根一つで外界とは別天地。おまけに庭には一本も桜がないにもかかわらず外の桜並木からはらはらと花吹雪がふきこんで、一瞬の浄土であります。

三畳中板の小間茶室を待合に。この茶室は高瀬川の水を引き込んだ流れの上にたっているので、ちょうど舟のうえから景色を眺めているような感じが楽しめます。この意匠は北村美術館・四君子苑の茶室・珍散蓮や並河靖之記念館の座敷を思い出させます。
釘箱棚が印象的。

お道具はね、釜が与次郎で、今はもうとれない朱鷺の羽根とか、宗旦と交流のあった大徳寺天室和尚の軸とかね、そういうレベルなの。もーーー.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。ウキャー
主にお祖母様、お母上から伝わってこられたお道具だそうですが、どう計算しても新しくて100年はたったものばかりですよね。めずらしい本桑の及台子などは初めて目にいたしました。

与次郎の釜はもうかれこれ500年ちかくたっているので、かすかに水漏れがあるとのこと。それにも関わらずお使い下さった。そしてその釜から点てられたお茶はほんとうにおいしかった!与次郎の味がする〜とみんなで盛り上がってしまいました。

懐石は富山の万惣さん。ご自分で摘まれたという山草なども食材として、見た目も、お味も上品で口福でございました。ワサビの花びらというのをこれまた初めていただく。なんというか鮮烈な印象の味と香り。

主菓子は利休の頃の麩の焼き。普通麩の焼きといえば御池煎餅みたいなものを思い浮かべますが、当時の麩の焼きはクレープみたいな生地をくるくる巻いて巻物状にしたものだったそうです。初めての食感で、洋菓子?とおもえるほど。いや、これおいしかった!

濃茶の茶碗はすべて種類の違う高麗茶碗というのも見事。(多分ご亭主は絵付けの華やかな茶碗はお好きでないのね。私も〜。レベルは違うけれど)

印象的だったのは、茶をすくってふつう茶碗の縁で茶杓を打つところを、天目茶碗のように指で打っておられたので、これはいいものだな、と確信。ちょっと変わった景色のこの茶杓は織田有楽の次男、道八の作。これで私は「へうげもの」にでてきた婆娑羅の道八(織田頼長)の顔が思い浮かんできてしまった!(^_^;


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一番楽しかったのはほとんど初対面だった御連客の方々(有名茶の湯ブログのあの方とか、ツイ友のあの方とか、関東の偉い先生とか、、、)との茶味のある語らいでした。初座から始まって後座、薄茶になるころにはすっかり世代を超えてうちとけて、楽しく楽しくお話しできたので、このままずっとこの席にいたい、お開きになるのが残念!という気持ちでした。皆様、ほんとうにすてきな方たちばかりだったんですよ。こういうお茶の人脈というのはすばらしく、これもまたひとえにご亭主のご人徳あらばこそ、といえましょう。



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(二条大橋からの鴨川)


まさに一期一会の集まり、このような席にお招きいただいたご縁に深く深く感謝いたします。
それにしてもまだお若いS庵様、この先どんな大茶人になってゆかれるのか行く先おそろしいですわ楽しみですわ。


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これだけは写真におさめたい、と持ち帰った干菓子は日菓さん製。扇と桜。
これまた美しい記念写真となりました。



<追記>
おしまいにサプライズとして、「今様の会」の舞いを見せていただきました。(昨年松殿山荘でひらかれた歌合わせの会にでておられたメンバーさんたちでした)文化財の座敷で、障子を開け放ち、庭を背景に舞う水干姿の白拍子の姿は、人をして一気に平安の昔にワープさせてくれるものでしたよ。

八幡・背割堤の桜 - 2014.04.06 Sun

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これは昨年春、大山崎山荘の二階のテラスから見た八幡の背割り桜の眺望。(はるか遠景にみえている列の方)


遠景は美しいけれど、一度まぢかであの桜を見てみたいものだなあ。

、、、、というので今年はでかけましたよ、八幡まで〜\(^O^)/


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京阪八幡市駅を降りて、歩くこと約10分。見えてきた!
木津川にかかる橋の上は強風で、小雨まじり。時折陽がさして、桜の列も日の当たったところだけ明るい色をしているでしょ?


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ここは桂川、宇治川、木津川の三川が合流する一大スペクタクル地点。背割堤は大正時代に治水目的で木津川と宇治川の間に作られた堤なのです。


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おお〜!ほぼ満開だ〜!


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長さにして約1.4km、約250本の桜が植えられている。
実はこの堤、70年代までは松が植えられていたんですって。虫害のためソメイヨシノに植え替えられ現在のような名所になったというわけか。


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では桜のトンネルの中にはいっていきましょう。


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左手には今わたってきた木津川。


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右手には宇治川。そのさらに向こうには桂川がながれているはず。


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しかし圧倒的なボリュームだな。寒い1日ながらみなさん桜の下で宴会をされている。ふるえながら飲むビール、、、って(^_^;
これが散り始めたらどんな量の花吹雪になるのか想像しただけでわくわくする。(私は花吹雪の頃が一番好きなのだ)


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時に私も花より団子、、、、八幡名物「走井餅」を花の下でいただく。羽二重にくるまれた漉し餡が上品でおいしい。

走井餅って大津のお菓子かと思っていたけれど、、、、。調べてみたらもとは大津が本家。八幡は分家らしいが、明治年間に大津の(直系)本家は廃業してしまったそうだ。
餅は刀を模してあるそうで、平安時代の刀鍛冶・三條小鍛冶宗近が走井で名剣を鍛えたという故事にちなむものらしい。


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さて、せっかく八幡まで来たのだから、先日行った松花堂庭園の松花堂昭乗さんゆかりの男山石清水八幡宮にもよっていこう。八幡の駅からケーブルカーにのる。


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石清水八幡宮って山の中なんだなあ。


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本殿にお参り。
うんうん、この構図、写真で見たことがある〜(^◇^)


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昭乗さんのいた泉坊はどこらへんにあったのだろうか。明治初頭の廃仏毀釈ですっかり当時の面影はないのだろうなあ。


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八幡宮展望台からの背割り桜。
ちょうど大山崎山荘と反対の方向から眺めた構図になります。

桜一本一本はどことも同じくきれいだけれど、あのゆるやかにカーブを描いて同じ背丈で並ぶ並木にここの桜の価値があるので、、、

結論、、、、、やっぱり背割り桜は遠景の方がいいかも〜(^_^)b








夜桜〜ミニ茶会2席 - 2014.04.04 Fri

夜桜を愛でつついただくお茶。2席。


<第1席:蕎麦点心+中国茶 好日居>


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居心地のよい、岡崎好日居。夜会です。


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テーマは「白雲抱幽石」。寒山詩から。

東京は押上、自家石臼挽き蕎麦の長屋茶房・天真庵さんが御入洛。お茶や蕎麦は、どんな場所でも融通無碍にできるとのお心で。


まずは天真庵さんの蕎麦点心をいただく。

蕎麦豆腐はそば粉と葛、豆乳でかためた口の中でふわっととろけるはじめての食感。おろしたての山葵とともに。
嵯峨野森嘉さんのおとうふにつけるのは高知の海苔の佃煮。これもお醤油よりいけるかも。
おからのお稲荷さんも初体験。お揚げにしっかり味のついた関東風かな。


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(岡崎疏水の十石舟)


だんだんと暗くなる町家の景色のうつろいを楽しみながら、初めてお目にかかる御連客さんとも語らいがはずむ。
お酒もたくさんの種類をご用意されていたので、ついついするすると、、、、(^_^;


おまちかね、いよいよお蕎麦の登場。九割蕎麦らしい。天真庵さんがわざわざおもちくださった古伊万里の蕎麦猪口でいただけるとは、なんてうれしい。


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(正面は近代美術館)


蕎麦のつゆは関東はどちらかというとしょっからい。関西風はみりんがもっと利いて甘口だが。関東では蕎麦は酒のあて、というのも納得できるなあ。辛み大根おろしとおろしたて山葵でいただく。おいしいな〜。私はうどん派なんですが、この蕎麦はほんまおいしい。ついついお酒がするする、、、(以下同文)



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この席でバームクーヘンの差し入れのサプライズあり。お客のおひとり、奈良の菓子職人さんが手作りでていねいに時間をかけて焼いているバームクーヘンは大量生産品と別物でした。しっとり、もっちり、甘さも上品。専用のナイフで薄く生ハムを切るようにスライスして分けてくれたのにはビックリ。こういう切り方もあったのか、、、
リモージュのカップで特別に珈琲までいただけた。
(バームクーヘン→デルベア



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点心のあとは中国茶席。

桜守の佐野藤右衛門さんの桜の塩漬けの汲み出しをいただき、、、

好日居さんが東山に入ってゲットしてきた、、、という薪になりそうな虫食いの大きな木の枝の結界、白雲が抱く幽石、、のイメージの石を茶壺(チャフー)の台として。壁にかかる枝は山ツツジ。和蝋燭の灯りだけで(といっても意外と明るい)照らされた小さなテーブルをかこんで二種の中国茶をいただく。


ここで天真庵さんがおもちくださった蓮月焼の急須登場!
蓮月さんによる釘彫りもあり、蓋が蓮の葉をかたどった、片手にすっぽりとおさまるくらいのもの。とても貴重なもので本来は美術館のガラスの向こうにあってもよいようなもの。
ちなみに天真庵ご当主は煎茶道の師範でもあられるので、なるほど。だいたい今回のご入洛も野村美術館の太田垣蓮月尼展にあわせてのことだったそうですしね。
これでお茶をいただけるとは、なんだか味までがちがってくるような。



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最後に好日居さんが、嵐山まで調達に行かれたという、これまた餡のはいっていない道明寺の餅だけを桜の葉でくるんだ、ちょっとめずらしい桜餅を(琴きき茶屋)。意外とおいしい。餡がないだけすっきりとして中国茶にはぴったりの桜餅だわ。
これにてお開き、夜桜を愛でながら幸せな気分でお家に帰る。(所要時間チャリで5分のシアワセ)



<第2席:夜桜ミニ茶会 細見美術館・古香庵>


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これも岡崎の細見美術館。美術館は何度も訪れていますが、ここの茶室、古香庵に入るのは実ははじめて。


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ここでは美術館蔵のすごいお道具を使う茶事もありますが、それとは別にスタッフがお道具をもちよって、お茶を知らない人にこそ、茶道のよさをわかってもらおう、というコンセプトではじめられたミニ茶会というものがあります。今回、テーマは「夜桜」ということで初参加。



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わ〜!桜の枝の結界に吉野棚。それに膳燭もともされてすてきな室礼だこと。
写真もどうぞ、ネットにアップもどうぞ、の太っ腹!


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軸は枝垂れ桜に篝火のずばり夜桜がテーマの日本画。お花がこれですよ。筍にこごみをいけたもの。こういうアイデアはいただきですね。


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まずはお茶の前のお楽しみ。


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これをつまみながらシャンペンもいただく。綺麗な桜色。

確かにお茶にふれる機会のなかった人や、外国の方も参加されていたけれど、最近ではいつのまにかお茶をやっている方の参加が増えているそう。わかる気がするが、お茶の間口をひろげるのはなかなかむつかしいのかな。



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炉縁や炉壇に桜の印香をちらしてあって、これもすてきなアイデア。炉の熱にほんのり香がただよってくるところもすてき。


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お菓子は松弥さんの「夜桜」。夜桜宴会にかかせない雪洞にひとひら桜のはなびら。
茶杓が桜の枝をスタッフさんが自ら削って作った物。お茶碗もいろんなのがでていたな。正客さんのは朝日焼。私は、小児科医でもある加藤静充先生作の井戸茶碗写しでいただいた。


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膳燭の芯を切る(炎の勢いが復活する)ところまで見せていただいて本格的。


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しかもお土産に駅美術館のチケットと季節ぴったりのファイルまでいただいて、これに美術館観覧券もついて3240円はお徳です。


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しかもこの美術館は掛け値なしに、外に出たら目の前がこの景色ですよ。今年もまた、岡崎疏水の夜桜は美しゅうございました。


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美術館のならびにある芝蘭会館跡地の枝垂れは、知る人ぞ知る銘木なんですが、昨年からライトアップをやめたのが残念。なのでこんな写真です。実物は、、、もののけにおそわれそうな錯覚におちいるくらいすざまじく美しいです。とくに夜は。




One 桜s' Day 2014 - 2014.04.02 Wed

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3月末、御所・近衛邸跡の糸桜から幕を開けた桜はあっというまに京洛を席捲。その早さはあわただしくてあわただしくてとてもついて行けそうもない。時間も限られていることだし、自分のなじみの桜だけ(プラス一ヶ所はいったことのない名所をいれたいが、、、)毎年めぐることに決めている。



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半日のお休みをすべて桜にささげる。
スタートは南禅寺御屋敷通り、野村碧雲荘おむかいの清流亭。紅しだれはいまだ開花せず、これは後日また行かねばなるまいな。


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碧雲荘の裏手の桜。東山の背景にすごく映える。


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ここで先日みつけられなかった土筆の団体さんを発見。そうか、桜と同じ頃でてくるのか。この前は早すぎたんだな。


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碧雲荘の裏手から南禅寺へ。ここへ愛車(チャリ)をとめて、、、


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南禅寺・金地院脇を突き抜け、、、


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蹴上のインクライン。見頃です。


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なぜかこのあたり中国語ばかりとびかっている、、、(^_^;
一つ一つの花はシンプルな桜だけれど、その良さはわかるのかなあ。


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インクラインの終着点の先は動物園。このちょい先から岡崎桜回廊・十石舟がでてますよ。


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こちらはその疏水べりの桜を裏からみたところ。市立美術館の南側。


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同じく。
裏から見てもきれいなのだ。


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近代美術館の裏。ほらほら、あれがうわさの?十石舟。夜遅くまででているので、ライトアップの頃が混まなくてオススメ。


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近代美術館内のcafe de 505。疏水の花見特等席です。いつも競争率高いのですがたまたま空いてた!らっき〜!


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ほんとうはこの席で好きな本でも読んでまったりゆっくり過ごしたいところだけれど、他の桜が待っているんで、、、


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このカフェの正面、白川沿いの小径。先日白川さらさら茶の湯めぐりのあったところですよ。


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いつも大好きな散歩道ながら、この季節はとりわけ。あと花吹雪のときもね、最高にきれいなの。


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疏水を少しはなれて平安神宮へ。
桜の季節はここの神苑内にある茶室・澄心亭で毎日輪番で釜が懸けられます。(1日〜15日)


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月釜もありますが、それを担当する澄心会はおそらく一番流派のヴァリエーションが多いと思う。だから他流を知るのがおもしろくて、ちょくちょくでかけます。


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お菓子ももちろん「桜」。ういろう製、鶴屋吉信さん。


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この日のご担当は江戸千家。基本的には表千家によく似ているが、表さんの手前もあまり詳しいわけではないので、、、(^_^;  お道具はすべて神社の什器だそうです。


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紅しだれはまだまだ。そういえば恒例の紅しだれコンサートも10日からだし。今年もまた行こうかな。


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そのころにはこの景色が夢のような景色に一変する。


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さて、その足でこんどは若王子、哲学の道へ。こちらの桜へも挨拶せねばなるまい。すっかりあたたかくなって(暑い、、、)哲学の道猫たちもしのぎやすそう。気持ちよさげに毛繕い。


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ここは桜の他にも、レンギョウ、ミツマタ、雪柳とかが美しい。ふだんこんなに人はいないのにね。この季節だけすごいことになっている。(自転車で進まれへん!)


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白川通りを西へわたると、ここも隠れ名所の錦林車庫裏白川沿い。


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ここは観光客ほぼゼロなので、静かにゆっくり楽しめますよ。ただしベンチなどはないのが残念。


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この日の〆は氏子であるところの岡崎神社。個人的に祈願もあってね。ここの紅しだれは早くも咲いていました。



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家の坪庭では、冬に鉢から地植えした(vivasan様から3年前にいただいた(*^_^*) )フタバアオイが葉を開き花をつけました。もう桜の次の若葉のシーズン秘かに進行中のようであります。


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