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2014-06

紫野で夜の茶会+Bar付きよ(^-^) - 2014.06.29 Sun

暮れにくい夏至の候でもさすがに8時をすぎると暗いね。
さてさて、かねてから参席したかった月釜デビュー、いきなり夜会。


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ここは紫野。
大徳寺も西の果て、孤篷庵近く。ちょっと異次元空間へもってかれそうな暗さ。こんなところに茶席があるのだろうか???


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おお〜っ!
突如目の前に、なんだなんだ?!すごく灯りのすてきな日本家屋が!
ここがめざす茶ノ館でありました。

茶を世に広めんとする野望をもつ(^_^;)茶を愛する若者3人がシェアするおうちであります。

この日の夜会のお客さんは5名。顔をあわすと、こちらのお菓子をいつも作って下さっている西陣・愛信堂さんのご主人以外は、、、、な〜んだ!偶然にもほとんど顔見知りではないか!いや、やはり茶をキーワードに集まる連中は、たむろする場所もほぼ同じ、、、という例の法則でf(^ー^;
なのでよけいになごんで楽しかったな。

茶室はろうそくの燈下、夜咄の雰囲気で。広い盤になげいれられた紫陽花の葉がみずみずしい。それにしてもよくこんなすてきな場所に出会われたなあ。障子紙のかわりにガラスを張った建具がことさらすばらしい。

お菓子はワイングラスに錦玉をひとつ、四葩の摺り琥珀ひとつのおしゃれさ。燈火でくらくて色がよく見えなかったのが残念だけれど、あとでFBの写真を確認すると、まあ、美しい、宝石のような錦玉だったのね。
これを創作された愛信堂さんのお話しを聞くのもまた楽しく、なるほど、ご亭主が惚れ込まれるのもわかるような。
こちらでは利休さんの命日の28日周辺の2日間だけ、予約で利休時代の麩の焼きを購入できるのだそうな。これはいちど試してみねばなるまい。

心地良い夜風のふきわたる座敷で、風鈴の音を聞きながら(これぞ正しい日本の家!)お茶を点てていただく。う〜む、このお茶碗は先だってご亭主がうちにおいていった(^_^;お茶碗と双子みたいだぞ、と思っていたら、こちらが本歌で、これを手本に全日根さんが作ったのが我が家の茶碗なんだそうな。ここで本歌に相まみえるとは!

さて、茶席の後は、、、、実はここからが本番だったりする。

二階のBarPurple 開店で〜す。(場所が紫野、、、だけにパープルって、、、^_^;)
こちらも蝋燭の灯りのしつらえ、薄藍色の空のむこうに比叡山の稜線がくっきりみえる、というすばらしい眺め。BGMはボサノバかな。ワインからはじまって、チリの蒸留酒ピスコ(アルコール42%!)サワー、日本酒2種、タパスみたいなおつまみ。

なによりここに集った方々とのお話がとても興味深い。いろんなバックグランドがあって、茶とのかかわりも様々。ここが茶ノ館になるまでのエピソードなど。途中お隣さんの乱入もあって、この方は祗園で月に一回おもしろいだれでもウェルカムな茶会をされている怪人なのだが、そのお話しがまたおもしろいこと。京都人社会の裏のつながりまで聞いてこわ〜と思ったり。とにかく楽しいお酒だった。

茶への思いをベースに、人への信頼、つながりを大切にした結晶がこの場所なのだな、と思った。まだ1周年だそうだが、これはもっともっとすごい茶の発信基地になりそうだ。

ここを基地にして茶をもって世を饒益(にょうやく)せんとする(久松先生、茶道箴から言葉おかりしました〜)若者達に、茶を愛するがゆえにこれからもここへ吸い寄せられてくる多くの人たちに、乾杯!


私も、、、また来るわよ!( ̄^ ̄)ゞ


楽しさに時を忘れ、画像もあんまりないので最後にサービスショット(え、お目汚し?、、、(>_<)ゞ)


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奥州小紋に藍の半幅帯、変わり結び(椅子にすわって楽にもたれられる)。

みなづきの京の和菓子 - 2014.06.28 Sat

みなづきの京の和菓子シリーズです。

まずは太極殿栖園さん。


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梅雨があければこの暖簾は大輪の朝顔のものに変えられるはず。


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堂々たる表屋造りの町家にかかる暖簾を裏からみたところ。なにせ人気なので席に着くまで20分ほど待ちました。いつも待つのがいやで行列が出来ているときは並ばないのだけれど、そう言っていると今月の琥珀流しの蜜がいただけない。なので思い切って並びました。


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ようやく順番がきて着席。こんな風情のある坪庭に面した席ならラッキーよ。


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きたきた!
琥珀流し。ゆるめの寒天に毎月、月替わりの蜜がかかるの。6月は梅酒。これがいただきたくてね。一番好きかも。来月はペパーミントらしい。


お次は洛北・紫野泉堂町の青洋さん。

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老松さんで修行をした和菓子職人、青山洋子さんがおひとりで切り盛りしている和菓子店。


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お店は洋菓子店みたいなかわいいイメージ。オーダー和菓子がメインなので、店頭で販売されるのは月に2〜3日だけなので、HPをチェックしてからおでかけください。

さて、この日私がゲットしたお菓子をご紹介。


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銘が「青衣」
よ〜く見るとなにやら日の丸が、、、おお!これはサムライジャパンのユニフォーム!(残念ながら1勝もできませんでしたが、、、)中の餡が黒糖餡でおいしい〜♪


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こちらは「螢」

他にもブライダルベールをテーマにしたJune Brideという和菓子もかわいかった。


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お干菓子もあります。雲平の「雨上がり」。背景の微妙なグラデーションがきれい。これはたくさん買ってお茶のお稽古に持参。好評だったのはいうまでもありません。


お次は洛中、四条新京極近くの花遊小路。おむかいに移転して広くなったsousou在釜


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このあたりはすっかりsousou村(^_^;になってます。ちょっと入りやすくなったな。以前のところは席も少なかったので入れないことが多かったし。


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ちゃんとお釜もかかってます。こちらで和菓子抹茶セットをたのむと、月替わりのsousouテキスタイルにマッチした創作和菓子がいただけます。亀屋良長さんとのコラボ。(ちなみに御池煎餅は亀屋良永さんのほう)


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今月のテキスタイルは「夏至」。お菓子は雨雲で上半分は漉し餡、下半分は梅酒餡。ここのコラボ和菓子は味も斬新なの。下のテキスタイルハガキはお持ち帰り可。


さて、30日は夏越の祓。水無月を食べなくちゃ。

大学で京都にでてくるまで、実は水無月というお菓子は見たことがなかった。なぜか6月頃店頭にならぶじみ〜なお菓子だと思ってた。味だって素朴だし。
でも6月、京都では「あ、どこそこの水無月や。買って帰ろ。」という会話があちこちで。


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半年の厄を祓うため宮中では氷室の氷を召し上がったとか。庶民は夏場に氷なんていただけないので氷に似せた水無月を食べた、、、という説も。いずれにせよ、厄払い厄払い。私も今ではすっかり6月に水無月たべないとあかんような気になってる(^◇^;)

これは桂の中村軒さんの水無月。手前が普通の、向こうが黒糖。


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ついでに氏子であるところの岡崎神社で茅輪潜りもしてきました〜!


  「水無月のなごしの祓する人はちとせの命のぶというふなり」


あちこちの神社でおこなわれる30日の祓では、こんな歌を唱えながらぞろぞろ茅輪を巡る行列がみられるかも。(一見不気味な呪文をとなえる黒魔術かなんかの集団にみえなくもない。)仕事でいけそうもないので、早めにぐるぐるまわっておいた。(左、右、左まわりなんだよね!)今年も半分、無事過ぎたことに感謝。



ともしび茶会〜下鴨 - 2014.06.26 Thu

夏至の夜、下鴨のK美術さんのともしび茶会にお招きいただいた。


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日没までが長い夏至、まだ明るいうちにおじゃますればもう表のウインドウに燈火がはいっている。ここは私の大好きな李朝の家具や焼物、民具をあつかっておられるすてきな場所なのだ。


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会場である鴨川沿いのお庭には、こんな櫓がたっている。(あ、これは葵祭のときに登場した「特別観覧席」だ!)ここは抹茶席になるらしい。もう少し暮れてくるのを待とう。


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ともしび茶会は電灯を使わず、李朝の燈火器と、スローシティー運動加盟都市・韓国青松郡の古白磁の燈火皿を使った灯りで茶会のひとときを楽しみ、スローライフを考えるきっかけにしよう、という、あるじ・Kさんの思いがこもったもの。
(スローシティー運動→


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このお庭に抹茶席、煎茶席、珈琲席がしつらえられて、客は暮れていく宵の空気を楽しみながらそぞろ歩き、それぞれの席をまわる。だいぶん日も落ちてきた。まずは櫓の抹茶席に行こう。


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逆勝手のお点前をすらすらこなしているのはK会のF君ではないか。いつも背筋がぴっとのびてかっこいいなあ。風炉と水指は、、、あ、葵祭茶席で使わせてもらったもの(全日根さん遺作)だ〜。あの風炉ねらってる。F君もねらってるらしい。きゃ〜(^◇^;)


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お菓子は亭主おこころ入れの西陣・愛信堂さんの特注「葛ひさご」。菓子器も全さんのもの。

燈火のもと、会話もはずむ。鴨川からときおりふいてくる川風がここちよい。


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お次は母屋の入り口にしつらえられた珈琲席。プロではありませんが、コーヒーについて造詣の深い席主が丁寧に丁寧にいれてくださる。


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それにしてもこの燈火はとてもやさしくて、ふんわり。先日の燈火の能の時は妖しく恐かった暗がりが、ここではやすらぎの暗さ、とでもいおうか。


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通路にはともしびの小径が。


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これ、よくみるとジャムの空き瓶!しかも雨天にそなえてアルミの屋根付き。芸が細かい。お店のスタッフのFさんの手作り。実はさっきの櫓も彼の力作。これこそスローライフ!


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最後は腰掛け待合いのところにしつらえられた煎茶席。
あ、これ、夜咄の雰囲気だ。


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かつて3ヶ月だけかじったことのある某流派のお点前で煎茶をいただく。茶葉のエッセンスがぎゅっとつまった甘露。いつも思うけれどお茶の味としては抹茶より煎茶の方が絶対おいしい!(抹茶派の方ごめんなさ〜い)
お菓子は亀屋伊織さんの薄焼き「螢」。お尻のところにちょこっと金箔が光っているのよ。


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ともしび茶会、偶然にもお茶を通じてしりあった方々何人かと出会う。やはり惹かれるものの系統が同じだと、同じ場所にたむろっちゃうのね。市内の行く場所がだいたい同じ、、、、という(^_^;
同好の士と意気投合する楽しさ。


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それにしてもこの木製の李朝時代の燈火器のすてきなこと!

そう遠くないうちに夜咄の茶事をやりたいと思っている。そのためにまずそろえなければならないのが灯りの道具なので、竹檠(小間なので短檠ではなく)や手燭、露地行灯などが必要。でもありきたりの道具ではおもしろくないな、と思っていた。


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ならば竹檠のかわりにこれだ!答えはここにあった!
いや〜ん、これもう最高。どうして欲しい物がここにはいくつもあるんだ!


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これは提灯なのだが、露地行灯にぴったりではないか。

ああ、どうしよう。スローライフのはずが、物欲ライフになってしまった!(>_<)ゞ


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お心づくしのともしび茶会、とてもすてきな会だったな。京都ライフはとてもすてきだ!ご縁をくださった方々に感謝している。

辞しては下鴨神社に足をのばす。夜の神社はちょっとこわいが、同じことを考えている人は何人かおられて心強い。
そう、先日蛍火の茶会で放した螢火をもとめて瀬見の小川へ。

残念ながら約1匹しかみつけられなかったけれど。



宗一郎能遊び〜燈火の「鉄輪」 - 2014.06.24 Tue

恒例の弘道館講座シリーズ「宗一郎能遊び」。観世流シテ方林宗一郎さんをお招きしての能遊び。夜の講座です。


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夜ゆえに、今回の会は電灯のあかりを消して、蝋燭の火のあかりのみで鑑賞するというとても贅沢なもの。テーマは「女といふもの」。


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広間の座敷が時がたつにつれどんどん暗くなって、たよりない蝋燭の灯りはゆらゆらと怪しげな影を作る。かつて能がよく演じられた時代はかくもこそあれ。


ご講義いただいたのは「井筒」「道成寺」「鉄輪」「松風」、、、、いずれもむくわれぬ恋、思いをいだく女が主人公。
なかでも「道成寺」は一番激しい。「安珍清姫」に題材をとった話で、報われぬことを恨みに恨みぬいて鬼となり、相手を焼き殺してしまう激しさだが、もっとこわいのが「鉄輪」。


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これはまだ生身の女の体を持ちながら、嫉妬の恨みで鬼になりかけている姿、というおぞましさ。鬼になりきってしまえばもうエイリアンみたいなもので、鬼=般若の面はあっけらかんと鬼だけれど、鉄輪では橋姫、もしくは生成(なまなり)という面をつける。

これがまたこわいんだ。
(参考:橋姫・面生成・面。ちなみに生成は鬼化が一歩すすんで角がうっすらはえてきている。こわ〜〜!)


ところは山深い貴船神社(いまでこそ縁結びの神社だけれど(^_^;)丑の刻詣での女あり。自分を捨てて後妻を娶った夫に、報いを受けさせるため夜な夜な貴船までかよってくる。
夢告げを聞いた社人が女に「鬼になりたいとの願うなら、赤い衣を着、顔には赤い塗料を塗り、頭には鉄輪(五徳)をのせてその三本足に火を灯し、怒りの心をもつならば、忽ち鬼となれましょう。」


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(いらんこと言いの社人のせいで)女は半ば鬼となった姿で元夫のところへ現れる。

今宵は橋姫の面をつけて若手能楽師・河村浩太郎さんが最後の部分を妖しい蝋燭の灯のもと舞われる。薄暗くてはっきりと見えない面はよりおどろおどろしく、白目の部分の金泥のみ、にぶく光るさま、こちらを見据えているようにも見え、鳥肌がたった。凄さと怖さで。

面をつけているがゆえにくぐもった声のうらみつらみは地獄の一歩手前から聞こえてくるようにも聞こえ、こええのなんのって。

  恨めしやおん身と契りしその時は、、、変はらじとこそ思ひしに

         などしも捨ては果て給ふらん あら恨めしや



嫉妬に身を焦がすとき、おのが姿を鏡で見て、その中に鬼の姿をみればまだひきかえせる。こわいのは怒り・ねたみ・恨みで目が曇り、それを鬼と認識できないこと。こわいながらも哀れ。
怖さの行き着く果てにある、哀れさをみることができれば観能者としては上等至極。

鉄輪の女は安倍晴明に調伏されて消えていくが「I'll be back.」的な消え方に、怖さが後を引く。


これを電灯の下、あるいは広い設備の整った能楽堂で見たら、これほど恐くはないと思う。衣裳の金糸は明るい光の下で見るときんきら派手だが、蝋燭の灯りのもとでみるとなんと美しく妖しくなまめかしいことか。

秀吉の黄金の茶室が燈火に見るとびっくりするほど渋くて艶っぽくみえるのと同じ効果であろう。いや、効果というより、昔はそうだったんだから。昔の環境設定でこれらの物は美しく見えるように計算されているのだから。舞妓さんの白塗りを白昼見るとびっくりするが、お座敷の蝋燭の灯りの下で美しく映えるのもまた同じ。

美しさを堪能するという意味では、影のない現代の夜が失った物は大きい。


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最後の「松風」(熊野〈ゆや〉松風米の飯、、、というくらい人気の演目)は燈下で宗一郎さんの素謡い。「松風」は以前の講座でも聴いて、平安神宮の薪能でも見て、もう私もすっかりお馴染みの演目になったなあ。(圓能斎好みの松風棗まで買っちゃったし)

謡い終わった宗一郎さんが、扇で室内の蝋燭をすべて消すと一瞬の闇。


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毎回テーマに沿って出される老松さんのお菓子はこれ。黒糖色の葛に包まれた餡が紅色。
これはなんだろう。
私には中の餡が漆黒の闇をゆく鉄輪の火とも見えるのだが。




祗園〜両足院・半夏生〜宮川町 - 2014.06.22 Sun

毎年この季節のご馳走、建仁寺・両足院の半夏生の群生を見に。
でもその前に、、、、


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かき氷ハンター(自称)としては一度は食したいかき氷が祗園に。
祗園花見小路の祗園楽々。2Fが甘味処なのよ。


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これがこちらの名物(?)「あめちゃんみたいなかき氷」。
きらきらキャンディーカラーの寒天が乙女♪ 氷の中にはフルーツがごろごろ。蜜は選べるので私はピーチをチョイス。白玉も乙女ですっかり元・乙女も現役乙女のここちがいたしましたわ。f(^ー^;


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お店から花見小路の石畳を見る。このあたり芸舞妓さんの置屋やお茶屋も多く、国内外の観光客に超人気のエリア。臨済禅の本山・建仁寺さんも創建当時はこんなことになるとは思わんかったやろね。


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花見小路の方から入るとまず左手に西来院。紅葉で有名な塔頭らしい。門前には盛りをややすぎたアヤメ。


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建仁寺の生垣はお茶の木。なんたって「喫茶養生記」の栄西禅師のお寺ですからね。5月には禅僧たちの茶摘み風景が、秋には生垣に椿に似た茶の花、その後にはお茶の実をみることができる。


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さて普段は非公開の両足院。昨年までは正門から入れたが、今年から出入りの混雑を避けるため、実験的に入り口を北隣の毘沙門天堂に移動しはった。(ちなみに毘沙門天堂はなにやら黒田勘兵衛の息子・長政にゆかりのあるご本尊らしいですよ)


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昨年は早すぎてまだあまり白くなっていなかった半夏生、今年は見事!例年より少し早い見頃です。


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本堂から。緑と白の対比が美しい。


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庭に出て築山から本堂を。


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築山から池に面する茶室に向かう途中にはクチナシが満開で、あたりは芳香に満ちて心地良い。


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半夏生の時期には六畳の臨池亭で呈茶があり、一服いただく。おとなりは如庵写しの水月亭。


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あけはなった茶室からは池を取り囲む半夏生が楽しめる。お菓子は両足院の印「星月紋」の薯蕷。


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半夏生の白は斑の入った葉で、片側だけ白くなることから片白草とも。花は穂みたいに見える部分。


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しかしここのは見事に白くなるけれど、自宅で植えている人の話を聞くとなかなか白くならないのだそう。土壌がむつかしいのかな。


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お茶室では、やはり毎年これを見に来ている、という方とお話しをした。日本は、、、特に京都はどの季節にも必ず行きたい花の名所があちこちにあって、ほんとうに忙しい。


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この塔頭は等伯の襖絵なども所持されているらしいが、奥の部屋では絵師の方が新しい襖絵を制作されているようだ。(参考→京都新聞の記事


半夏生を堪能し、そのまま南門を出て西へ行くと花街のひとつ、宮川町へでる。ここは祗園に比べると観光客もぐっと少なく、しかも普段の着物姿の芸舞妓さんに会える率も高い。本来の花街の雰囲気を堪能するならやはりここでしょう。(あくまで自説)


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宮川町のろうじをちょっと入ったところ。正面は京都ゑびす神社。


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ここまできたらろじうさぎさんでランチだ〜。卯年のおねえさんが一人できりもりしてはる町家カフェ。出来たばかりの時から来ているの。京都本がたくさんあって、ブックカフェでもあります。京都検定の問題集をぱらぱら見。1級はさっぱりワカラン問題ばかりだな。


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宮川筋にこんな看板出てます。お見逃しなく。




古き良きモノ・梅雨の茶事〜Green - 2014.06.20 Fri

なぜタイトルに「Green」がつくか。

あの茶事を思い出すとどうしても目に浮かぶ光景があって。


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ご亭主は青楓の紋様のアンティークのお召し物、腰につけた帛紗の深緑がこれしかない、と思うほどまことによくマッチしている。茶入の仕覆を手に持って水屋へ帰られるとき、そのご自身で縫われた堺更紗の仕覆の色がペールグリーンであることに気づいた。仕覆の紐は当然深い緑。お召し物・帛紗と絶妙のカラーコーディネート、ここまですべて計算されたのだろうか。
とても美しい光景だと思った。


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ここは古い街並みが残り、祭の山車をいれる蔵があるような地方都市。ご亭主はなんと茶事を100回以上されておられる方。お仕事も、家族のこともされながら、どうしてそんなことができるのかと驚きを通りこしてひたすら尊敬申し上げる。


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寄付には、古い時代の箪笥や建具をすてきに配置されている。すぐに目をひいたのが李朝の小盤(ソバン)とその上にのっている小さな白磁の壺。うわ〜、これツボ(^_^;)にはまってしまうんですけど!
李朝好きの私のためにしつらえてくださったようです。はい、ここからもうご亭主の術中にはめられっぱなしです。


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待合には籐筵が座敷一杯に敷かれ、建具も葦戸、竹戸ともうすっかり涼しげな夏家のこしらえ。(うちはまだ〜(>_<) )これらすべて古き良きモノはひとつひとつご亭主が集められたコレクション。
ご亭主は古伊万里がお好きなのかな、汲み出しはかわいらしい古伊万里の染付。掛け物は梅雨の晴れ間の田植えを歌った画賛。

蹲居はよく見るとステンレスのシンクをすごく上手に苔や小石などでアレンジしてある。とてもステンレスが隠れているとは思えない、、のも見所であった。

三畳の小間に席入り。
大亀和尚の勢いのある字はいいな。「一期一会」。

懐石は雨の季節にふさわしく「伏傘」で。


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この画像はせんだって万惣さんの懐石秘密箱で教えていただいた伏傘の膳。
ご飯を盛った椀に汁椀で蓋をして、汁は「かないろ」という片口の鍋で自分でよそう。ご飯の替えと汁替えがないぶん亭主も楽だし、客も楽だ。雨の季節の傘、という語感もとてもいい。一度やってみたいな、と思っていたのでここで初体験出来てとてもうれしい。



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向付がこれまたヨーロッパのアンティークグラスで、野菜や魚介のジュレかけがまた映えること。杯台や強肴の器も古き良きモノのコレクションの一部。ああ、こんなの見ると懐石道具もまた新しくほしくなってしまうではないか。ご近所の農家で捨ててしまうような小さな小さなジャガイモをふんだんに使った手料理は、とてもおいしゅうございました。
八寸の鮎の一夜干しも野良猫と戦いながら(^_^;お手製されたもの。もう一種の山の物がグリーンのアイスプラント。葉の表面が凍ったように見えるこの野菜はデパ地下などでよく見るものの、食べたことが実はなかった。生のまま食してほのかな塩味と酸味がとてもさわやか。目にも口に驚きの八寸。

それから香物がなんと金繕いした三島の鉢ででてきた!そうきたか!


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まだあるよ。
主菓子がこれもお手製のペースト状そら豆の淡いグリーンの茶巾絞り。そら豆って食べ出すととまらないのに、こんなお菓子にされるともうシアワセで、、、
干菓子の葉っぱの上にちょこんと乗った州浜のカタツムリもお手製。

後座の花は鮎籠にいれられたツユクサ、シモツケ、キンシバイ、ホタルブクロ、全体を締める縞葦。これもすべて庭で育てられているものを摘まれて。


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私の大好きな李朝の古いお茶碗を初め、お好きだという古い紫陽花の絵付けのお茶碗などお茶道具もまた古き良きモノ。薄器が遠目には無地の真塗棗に見えたのが、手元で見ると黒漆でみごとな露芝紋様が描かれていた。あれはすてきな棗だったな。


手づから料理し、育てた花を摘んでいけ、室礼も作り上げ、ご自分の目に叶った古き良きモノをつかってお茶事をする。本当の茶人の具体的な姿を見たような気がする。すごいです。単に100回以上茶事をした、というだけでなく、茶に関わる強い意志、数寄という心、そしてセンスが物をいう。完全に脱帽、もうひれ伏します。
(とてもめざそうなんて思いませんから。無理だから^_^;)



下鴨神社〜蛍火の茶会ならぬ納涼市 - 2014.06.18 Wed

京都新聞で上賀茂神社のホタルの群舞が、、、という記事があった。そうか、今年は上賀茂だったか〜。

と思いつつ、ホタルをもとめて行ったのは上賀茂ならぬ下鴨神社。近所のホタル観察地点、岡崎の白川が今年ホタルやや不作だったので。


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入梅の前後のこの季節、下鴨神社では蛍火の茶会がおこなわれる。茶会の券はゲットできなかったけれど、とにかくホタルが見られればいいのよ。


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併設されている糺の森納涼市ではみたらし団子をはじめ和菓子や漬け物、お茶、などの名店のテント店がたつ。植木まで売られている。


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この市をひやかして歩くのもいいわねえ。


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こちらは舞殿でおこなわれている「蛍火の茶会」。指をくわえて見てるだけ〜。


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チラ見した立礼の室礼はこんな感じだった。


以前は20時に御手洗川にホタルをいっせいに放ったらしいが、おしあいへしあいで危険なので、糺の森に放ったホタルを行列にならんで歩いて鑑賞する、、、という方式にかわったらしい。

運悪く、森の入り口で大粒の雨が!!
傘ないし!(-_-#)
びしょ濡れになりながらぞろぞろ行列にしたがって歩く。
ホタルも雨のせいか群舞、、、なんてほど遠く上の方にちら〜ほら〜とふらふら飛んでいるだけであった。


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なんで真っ黒な画像かって?
ちがう〜!よ〜く見たら蛍火が二ヶ所、、、、、ってやっぱり見えないか(^_^;


大勢がぞろぞろゾロゾロ森の中を際限なく行列するのでは、ホタルもやりにくいだろうと思う。この方式はどうもな〜と思うけれど、ホタルが群舞するという上賀茂の方も大勢の人でざわついて、フラッシュたいたりする人もいて、静かに楽しむ、、という感じではなかったらしい。


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かといってこんなイベントのないときに夜あの森に入るのもちょっとこわいし。ホタルをみるのは苦労するわ。


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加茂みたらし茶屋のみたらし団子でも食べよっと。


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かえり道、糺の森を流れる瀬見の小川沿いにあるいていると、ところどころにホタルが光っている。ここを歩く人はあまりいないのでかえってこちらで見る方がきれいだった。(ここの方がオススメよ)


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雨で葉っぱが光ってわかりにくいけれど、中央ちょっと右寄りに蛍火がうつってます。(これが限界)


後日我が家の玄関先でなんと!瀕死のホタルを発見!


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疏水や白川が近いので、そこから来たのだろうか。ホタルは成虫でいられる時間は1〜2週間という。この子はもうその時を使い果たしたようにみえる。水に近いところ、と思い蹲居の陰にうつしてやったが、数時間後にいってみると姿はなかった。まだ飛ぶ力が残っていたのならいいがなあ。(こんな至近距離でホタル見たの久しぶり。子供の時以来か)


かつてどこの川にもいたホタル。子供の頃は夜店ではホタルを売っていたし、買って帰った夜には蚊帳の中にはなしたり、独特の草のような匂いをかいだりしたものだ。一時ほとんど姿を見ないようになったが、河川をきれいにする努力が実ってまた帰ってきたという。ほんとうはこんなイベントではなく、そっと静かに、はなれて見て楽しむものなのだろう。




怒濤の?連続水無月の茶事 - 2014.06.15 Sun

1週間に2回も茶事をした。どちらも懐石手作りした。怒濤であった。さすがにこの歳ではいささかこたえた。(主に足腰^_^;)


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でも終わってみると、プチ達成感。「懐石、おいしかったよ。」というお客様の言葉を思い出し、おもわずにんまりしてしまう。茶事をなんなくこなされているお茶人さんにとっては、それほどむつかしいことではないのかもしれないけれど、今の私のキャパでは最大限の仕事であったなあ。


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一番目の茶事は社中の先生ご夫婦をはじめておよびした。先生だから間違えても、教え甲斐のある弟子だと思って下さると思うので^_^;安心だ。


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待合には雷様が太鼓をおとしている場面を描いた古い大津絵をかけた。節分の頃、雷様=鬼で古美術店にでていたものだが、梅雨の季節にも使えるのだ。そして、その絵の下にその落とした太鼓(の香合)を飾ってみた(^_^)b (ちょいウケ)


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李朝の樋(シャトル)を煙草盆に見立てたが、なかにおさまる火入れに苦労した。だって直径5.5mmの器なんて、、、、で、300円のお猪口を見立てで。これ炭を入れるともてないくらい熱くなる(>_<)

1週間に2回、数日しかインターバルがなかったので、道具組や趣向はおおむね同じにしたし、懐石の献立も同じ、懐石道具も出したりしまったりを1回はぶけるので、ある意味楽だった。(体力の回復にはちょっと足りなかったが)


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2回目は席入りの挨拶に出る前に火に掛けたご飯が炊けすぎて、最初の一文字飯がかぴかぴに硬くなって大失敗。こればかりは一人でやると火をつけるタイミングがむつかしい。おわび、、というわけではないが、先日完成した我が家の梅でつくった梅ジュースソーダ割りをおつけした。
(飯碗と汁椀が逆というご指摘あり。あちゃ〜(◎-◎;)、、、華麗にスルーしてね(^0^;) )


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煮物椀はハモの葛たたき。骨きりの襞ひとつひとつに葛をすり込む前日の作業がけっこう時間かかった。でも、なかなか上出来だ(自画自賛)。


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焼物は鮎の開きを。家の裏にいつの間にか自生した薮茗荷の葉っぱがお役立ち。お皿はあ花音さんで買った藤平寧さんの薄くて軽いもの。


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1回目のお客さまの先生ご夫婦はけっこうお強いので、八寸で千鳥を。
2回目のお客さまはあまり飲まれないので銘々皿で酒肴をお出しし、千鳥は省略。あ、でもお正客さんのお気遣いで席中で一献いただけた。(って水屋でさんざん飲んでたりして、、、、^_^;)


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先生には初炭所望を。数年前、茶友がやはり先生をお招きしたときに初炭所望をして大変喜ばれた、という話をきいていたので、自分の時もそうしよう、と決めていた。数年来の目標ついに達成。炉中拝見、つたない灰型なれど、先生のお炭はさすがに美しかった。


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主菓子その1・「水ぼたん」。
五節句の蒔絵の重箱のうちの1つ、「七夕」に入れて。ちと早いが。蓋が薬玉の蒔絵。薬玉は端午の節句につくられるもので、邪気を払い長寿を願う物、先生の長寿を祈願して。


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主菓子その2・「青梅」。鳥と草花シリーズの銘々皿で。お正客には季節にあったものなので、やっぱり翡翠と芦かな。次客さま、三客さまには秋海棠やら瓢やら。

いずれの菓子も北白川・山もとさん製。


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中立の後、後座で点前座の前のすだれを巻き上げると、亭主の座がとても気持ちよい眺めであることに気づいた。いままでここには障子をたててたから気づかなかった。暑い日なのでとっぱらったのだ。うん、これは気持ちよく点前できそう。濃茶の練り加減もまあうまくいったのではないかと思う。大樋の黒楽は先生がお世話してくださって入手した物なので、ここで使わなければね。


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吹きガラスの花入「ヒラメ」に、チンシバイ、ホタルブクロ、我が家の庭で育てたシマ芦。ヒラメは水を連想させるので気に入っている。


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風炉の後炭はあまりする機会がないので、1回目の時は前日に先生におさらいしてもらった。(なんという泥縄、、、)2回目はおかげさまでまあ、すんなりできた。水次は先日弘法さんで値切って購入した古い銅製の薬缶が活躍。これなかなか気に入っている。


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干菓子は富山の五郎丸さんの薄氷・螢バージョンに亀廣保さんの芦。


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見よ!この細工の細かさ!ここのお菓子の仕事にはいつも感動させられる。2回目の席ではお正客さんに一服点てていただく。感謝。いずれもお茶を愛してやまない方々、お招きできたご縁にもまた感謝。


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今回は水・雨をゆるいテーマにしてみたが、うまく表現できただろうか。

で、まだ片付けは完璧にはおわっていない。片付けは茶事を思い出しながら楽しんでできるので、きらいではない。しいていえばちょっと疲れは残っているかな。

真夏はクーラーのない我が茶室での茶事は客にとっては拷問なのでしない。秋には大きなFamily eventがあってしばらくお茶事はできない。なので次のお茶事は半年先かな〜。ちょっとさびしいが。


「固める」〜人はなぜお茶を固めるのか?〜好日居ノ茶教室 - 2014.06.13 Fri

岡崎好日居


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毎月2日間だけの茶ノ教室、夜の部へ。(ここは夜会がとてもすてきなのだ)

今回のテーマは「固める」。


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われわれが普段愛飲してるのは散茶、煎茶に代表されるぱらぱらとした茶葉なのだが、いにしえの中国では、茶葉の産地である高地から消費地まで輸送の手段として考えられたのが固めた茶葉=団茶(もしくは緊圧茶、固形茶など)であった。

この団茶が人力、もしくは牛や馬によって輸送された道を茶馬古道(茶の産地四川省からチベット・ラサをむすぶ2250kmの道)とよぶ。このルートをめぐる話は野村美術館講座でも拝聴した。

写真の左はしのお餅みたいな餅茶を何十枚もかさねて、動物が通れないような細い道では人が運んだそうで、高低差を考えると命がけ、過酷な道であったと思う。茶というのはそれでも手に入れたい、とてもとても貴重なものだったのだな。
この餅茶は一枚375gと意外と重く、しかもカチンコチンに固いのでこれで頭をたたいたら頭の方が割れるかも。


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さまざまな形・種類の団茶をみせていただいた。丸いお椀型のは沱茶(トウチャ)、煉瓦型のはそのものずばりBrick tea。現代では輸送は楽になっているけれど、中国では伝統的にこういう団茶もパッケージをおしゃれにしたりして愛飲されている。


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団茶は主に発酵したプーアル茶が主なのだが、今回はめずらしい烏龍茶の固形茶をまず一番目に喫する。

うーん、今までプーアールの団茶(真っ黒に近い茶)しか目にしたことがなかったので、緑茶系の烏龍茶の固形茶はグラデーションがとてもきれいだ。漳平(福建省の地名)水仙茶という世界で唯一の固形烏龍茶なのだそう。

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洗茶したあと茶葉を蓋椀でむらすとあら不思議、あんなちいさなキューブがわんさかの茶葉に!しかもあのすっきり心地良い香りはたしかに烏龍茶のもの。


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烏龍茶の高級品はかなりお高い。それはそれは高貴な香りがする。(サン○リーのウーロン茶とは全くの別物よ!)この固形茶は日常楽しむための普段用の烏龍茶らしいのだが、それでもこのハイレベルさ!


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二つ目のお茶はこれもめずらしいプーアール茶膏。(銀紙入りの)まだあまり市販されていない新製品らしいが煮出したプーアール茶を逆に煮詰めて固めたもの。


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お湯に溶かしていただく。プーアル茶といえば独特のカビ臭があって苦手な人もいるとおもうけれど、これは全然そのカビ臭がない!印象的にはこがしのような、きび茶のような、京番茶のような、、、印象。好きかも、これ。


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ここで本日のテーマ「固める」にちなんでご飯を「固めた」箱寿司をいただく。


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お菓子も玄米を「固めた」亀末廣の「一休寺」。真ん中に入っているのが大徳寺納豆によくにた一休寺納豆。

夏至に近いこのころながら、これをいただく頃にはすっかり周りは夜になって好日居の部屋はいい感じに薄暗く沈んでいく。この雰囲気がまた最高のご馳走。ぼ〜っとしながらお茶を喫するこの時間がまた貴重。


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三つ目のお茶はこれもめずらしい高知の碁石茶。茶葉を乳酸菌発酵させたいわゆる飲む漬け物なんだそうだ。梅干しをいれていただくと、これがまた妙にあう。まさにすっぱい漬け物の汁、といった感じ。
先日の野村美術館講座でミャンマーの食べるお茶の話を拝聴したが、あれも茶葉を乳酸菌発酵させたものだったな。どこかで茶文化はつながっている。


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最後にエクストラとして正体不明ながら中国の「Gun-powder(火薬)」とよばれるお茶に似たお茶を。(見た目ウサギのフンみたいな、、、、^_^;)

何度も洗茶するとこれがまたむくむくの茶葉にもどる。甘草かなにかまぶしてあるのか仄かに甘い味がする。欧州ではこれにミルク砂糖をいれて喫するときく。しいていえば紅茶に近いかな。


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縁あってこの日つどった方々と、お茶を飲みながら語らいながら静かに好日居はふけていく。


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お茶の勉強もさることながら、ほんとにここは夜がにあうなあ。もちろんお昼の茶ノ教室もあるし、めずらしいお茶もいただけるので、いかがですか?


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この日のかえり道は満月に1日早い月が美しかった。








平安神宮+ちらっと碧雲荘のハナショウブ - 2014.06.10 Tue

春は紅しだれコンサート、入梅の頃は薪能、秋は煎茶祭と、季節折々にいろんな行事が楽しめるご近所パラダイス(?)平安神宮。


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6月6日は1日だけ、神苑が無料公開されます。時はハナショウブの花盛り、ようさんの人がおいででした。


Pべにしだれ


西神苑に入ると、春にこわいくらいに圧倒的な美しさをみせつけてくれた紅しだれの大木はもうすっかり緑も濃く。

神苑のなか1


おお〜!
ハナショウブ、見頃です。


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繊細な紫のグラデーション。


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にわかカメラマンもようさんいてはる。


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アヤメ(陸生)とハナショウブ(水生)は生えている場所で区別がつくし、アヤメは花の根元に網目模様があってハナショウブはこんなふうに目みたいな黄色が入る。


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でもカキツバタとの区別になると、咲く季節でしか区別つかないかも。イチハツになるともうお手上げ。


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そうそう、ここはコウホネも有名なんです。まだちょっとしか咲いていないけれど。


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中苑にいくとこちらがもう咲き終えたカキツバタの群れ。


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睡蓮は午後になると花を閉じるので、私がでかけたときはもう午睡にはいっていました。咲いていたらモネの絵の景色の住人になれたのにね。


鯉の口



池にはこんな住人もいてはりました(口でかすぎ^_^;)


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東神苑の泰平閣。


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こちらの池にはこういう住人が。


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さあ、飛ぶぞ!飛ぶぞ!とカメラをかまえていたけれど、あちらさんの方が早くて、こんな写真しか撮れませんでした。屋根から落っこちているんではありません。屋根にとまろうとしているところ。

東苑まできたらもう出口はすぐそこ。
ではその足でいけるスイーツのお店をご紹介。ひとつは(学生の頃からある)カフェ、ラヴァチュールのタルトタタンですが、この日行ったのは、、、、


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京料理の六盛さんがだしているスフレのお店、茶庭(さてい)。昔はなかった比較的新しいお店です。
列が出来ていて、ほとんど中国人とおぼしき観光客ばかり(◎-◎;)、、、中国の京都ガイドブックにのっているのかな。


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普段でもスフレは焼きたてを供してくれるので約20分待ちだそうですが、この日は40分もかかった!まあ、シフォンケーキのメレンゲ多いバージョンといったところかな。

さて、ハナショウブと言えばももう一つのご近所名所。野村碧雲荘の門の前がまた見事なの。

、、、、あ、あ、あ〜、、、なのに、なのに、今年は柵内にいれてくれない!(昨年まではこの季節だけ柵内にいれてくれた)けち〜!!!(>_<)##


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しかたがない、一番近くに見られるところで撮影。ああ、琳派の世界、、、、近くでみたかったなあ。


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まあ、ちかくの細川邸の野村紅葉と、、、


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白河院のクチナシ(芳香もすてき!)でも見て帰りましょう。


水無月のおうち仕事など - 2014.06.07 Sat

仕事も含めて在宅時間が妙に短い生活ですが、たまにはおうちでおうち仕事をこなしております。

例えば、、、


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我が家の梅の木、20数年前、岡山から宝塚に嫁いで18年ばかり、地道に太くなって、さらに京都の植木屋さんに仮住まいを1年弱して、やっと今の我が家に根をおろしてはや3年半。
よほど土が合ったのか、日当たりのせいかいままでちょぼちょぼしか実がならなかったのに、昨年は200個をこえる大収穫でありました。


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今年はさすがにそこまではいかないだろうと思っていましたが、それでも168個!


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昨年つけた梅酒もまだまだたくさん残っているし、どうしたものか。結局ゼリーにしてみたら好評ですぐにはけた梅ジュースにすることに。また今年も保存瓶買いに行くはめになったなあ。


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どうだ!
瓶3本もいったよ〜。このあと日に日に水があがってきて、瓶は2本にまとめました。


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ほら、数日でこんなにできたわ。赤い色はリンゴ酢のかわりに紅芋酢を使ったから。ロゼの色がきれいでしょ?(←実は怪我の功名。紅芋酢しか手元になかった^_^; )


また別の日は久しぶりにミシンを引っ張り出して、、、


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1mでできる子供服を。(2歳児用)


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子供服は小さいし、夏物は簡単なので半日で完成!遠方の孫に送ってやると「すごく気に入っていつも着ようとする。」って。\(^O^)/(ま、多少は外交辞令もはいっていると思うけど)
原価1500円。ほめられるとまた作っちゃうぞ。


それからそれから庭仕事の日も。


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まあ、主に苔の水やりと盛んに落葉する常緑樹との戦い。


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苔はうまくついてくれると美しいけれど、これがまたなかなか気むずかしく居着いてくれない。最近それでも地苔がじわじわ生えてきてくれている。


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これがまたスナゴケだったりイワヒバだったり思いもかけない種類のものが。時にはゼニーさん(ゼニゴケ)みたいに招かざるやつもはえるけど。(ゼニーさんは見つけ次第もっぱらアイストングでむしってる)


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(ユキノシタの花)

宝塚時代、(ナンチャッテ)イングリッシュガーデンにトライして、雑草と病気、害虫との戦いに大敗し、京都ではもうなるたけ手をかけなくていい庭を、と庭師さんに注文した。確かに広さから言ってもかなり楽にはなったのだけれど、手を抜きまくっていたら、茶事の前の掃除が大変だったり、葉っぱが虫にやられてボロボロになったり、スギゴケははげはげになるし、、、、。


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だから今年から、庭仕事も腰をすえてやることにした。極力控えていた花や木の苗も(裏庭で)育ててみようと思う。手始めに、先月葵祭呈茶で活躍したフタバアオイを地植えにしてみた。(vivasan 様からいただいた大株も株分けしました〜)


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縁あって頂戴し、淡路島からきた先代萩と白雪芥子も、なんとか定住してくれそうだ。


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というわけで、ウィークエンドガーデナーというか、モーニングガーデナー(出勤前に庭の世話)復活!それでも緑はいいなあ。ほっとする。


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息抜きはこの白川の夜、、、、、


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はい!見えましたか〜?(^◇^;)(^◇^;)
よ〜く見てね!1匹だけホタルが!今年もホタルでました。


平安神宮薪能 2014 - 2014.06.04 Wed

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今年も平安神宮の薪能、行こう。


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スタッフをされている方から聞いた必需品持って。まずはスカーフ。開演はまだぎらぎらの西日に照らされるので頭にかぶって日焼け防止用。(日傘はNG)さらに陽が落ちてくると例年寒いくらいになるので防寒用としても。双眼鏡。いつもぎりぎりにいくと後の方にしか席がない。それから座布団になるもの。後の方の席はパイプ椅子ではなく、背もたれのないベンチになるので、長丁場ではお尻がいたくなる。


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すでにチケットのもぎりの係りからからして、能楽の偉い先生方がならんでいるのでびっくりする。狂言方の茂山宗彦さん、逸平さんがパンフ売りもしてたりする。
この日は最高気温36度をマークした猛暑日ながら、いままで経験した中で最高の入りではなかろうか。これだけ能楽ファンがいるとは、あなどれんわい。(まあ私を含むナンチャッテ系のファンも多いと思うが)


最初の演目は観世流「髙砂」。

これが演じられている間は、日よけスカーフのありがたさをかみしめるぎらぎらの西日直撃。

かの有名な「髙砂や この浦舟に帆をあげて 、、、月もろともに出で潮の 波の淡路の島影や はや住吉につきにけり」の待謡の部分だけ、ききとれた。後半のシテ=住吉明神を演じるのは味方兄弟の弟のほう、團さん。(お兄ちゃんの玄さんは地謡)男性的な神の舞はかっこいいです。


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髙砂終了後、火入式。神官がつけた火を松明に燃え移らせる。


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薪に火がついていよいよそれらしくなってくる。
まだ数回ながら観世会館などの能楽堂に通っていると、舞台や音響はやはり能楽堂で見る方が格段に良い、と思える。が、なんといっても薪能のよさはこの雰囲気にあるというのは万人の一致するところ。

火入後にはあのぎらぎら西日も建物の陰に入り、昼とも夜ともつかぬあわいの時刻。この空の変化も薪能のご馳走だと思う。

この黄昏どきの演目は観世流「松風」。

先日弘道館の「宗一郎能遊び」でもテーマになっていた演目なので、実際に舞台で拝見できるとはうれしい。


 月は一つ影は二つ 満つ汐の 夜の車(潮汲み車)に月をのせて 憂しとも思わぬ汐路かなや


おそわった謡の一節もききとれたので、これもうれしい。(ちなみに宗一郎さんは地謡ででてはった。)

ただし、、、、まあ、ときどき意識がふっと遠のくことも〜(^0^;)(^0^;)(^0^;)


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西の方に三日月もみえるころには、そろそろ寒くなってきた。ここでもスカーフのありがたさをかみしめる。

狂言は茂山一門による「千切木」。
これも大勢の登場人物がでてくる狂言。といっても春先に見た「唐相撲」(40人くらいの登場人物!)ほどではないので、もうびっくりしないわ。


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すっかり陽も暮れて、最後の演目はポスターにもなった「石橋(しゃっきょう)」。
これは後半のハイライトの部分を見せる「半能」のかたち。

文殊菩薩の住む清涼山に、文殊浄土に到る橋が千尋の谷の上にかかるが、とても人間ではわたれそうもない。日本から来た寂昭法師の眼前で、文殊菩薩の乗り物であるところの獅子、赤白二体があらわれ、橋の上を縦横無尽に戯れ舞う。

舞台装置が能にしてはめずらしく派手な紅白の牡丹の花。
親獅子(白)が我が子(赤獅子)を千尋の谷に落とすケレン味のある場面もあって(でんぐり返りがあるのよ)これは動的で勇壮で、素人にもたっぷり楽しめた。橋の上で赤白の獅子が見得を切るところは歌舞伎みたいでかっこよい。


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終演は9時頃。お見送りには普段着姿の能楽師さんたちがあちこちにいて、これをみるのもひとつのたのしみ。あ、茂山あきらさん発見(最近レオナルド藤田ばりのおかっぱ頭にしてはる)、などとささやきあいながら。

帰って今年のパンフをみていると、能楽の権威、東大の松岡心平教授の前書きが。う〜ん、この道で生きることになるとは当時はおもいもせんかったなあ、しんぺいちゃん。、、、、って、彼は幼稚園から中学までの同級生だったの(^_^;





スペイン料理祭〜新風館 - 2014.06.02 Mon

食を通して「文化の発信」というコンセプトで京都のあちこちでイベントをたちあげている「京都まるごとマルシェ」主催の「スペイン料理祭」、新風館で2日間おこなわれました。


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スペイン語を第3外国語として文化歴史も含めて勉強している者(あくまで趣味だけど)としては、いかずばなるまい(?)。


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新風館のひろい中庭にはたくさんのテントがたって、ようさんの人で賑わっております。ここはかつて京都中央電話局だった建物で、京都市登録有形文化財なんですよ〜。


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にぎやかだな、と思ったらステージではフラメンコショーも。

事前予約でドリンク6杯を1800円で飲めるチケットをゲットするも、(予約無しだと3600円)全然予約を確かめられることもなくもらえたが、いいのかそれで?


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スペインのお酒といったらまずはヘレス(シェリー酒)でしょ!ということでいきなり京都インターナショナルシェリーウィーク主催のブースへ。シェリーのソムリエとも言えるベネンシアドールさんのかっこいいベネンシア(約90cmで弾力性をもった柄杓)さばきでついでもらってかけつけ一杯。(公式ベネンシアドールは日本に130名くらいしかいないとか)

これがきいた〜。すきっぱらに強いシェリーをのんだので、頭クラクラしてきた。ここは食べ物、食べ物、、、


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って、どれも品切れってどういうこと!?
おそがけの参戦だったせいか、食べ物系は売り切れ続出、みなさん、朝のうちにいってもりあがってたのね。


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あ、生ハムはまだいけそう。ハモンイベリコは人気で高価だけれど、私はセラーノの方があっさりしてて好きなんだ。


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ピスト・カステリャーノ(ラタトゥイユみたいなもの)と生ハムで、シードラ(リンゴ酒)を。これはアルコール4%なのでシェリーの酔いざまし。


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もひとつ豚バラ肉の煮込み。


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これはカバ(スパークリングワイン)で。

他にも食べなかったけれどおいしそうだった料理をいくつか。



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マッシュルームのアヒージョ(ニンニクいため)。これの専門店がマドリッドにあって、2回行ったことがある。簡単な料理なのにおいしいの。


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メヒージョ。ムール貝の煮込み。


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コチニージョ・アサード。子豚の丸焼き。うげっ!、、だけれどセゴビアの有名料理でこちらのお店も行ったことがある。


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パエージャは焼き上がりの時間が決まっているみたいで、パエージャパンはお休み中。しかしでかい!


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こちらはパエージャを作り始めたところ。魚介のパエージャ(パエージャマリスコ)みたいね。


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スペインはワインもおいしいので(私はあまりたしなみませんが、、、^_^;)いろいろな種類がおいて、あれこれ試飲も楽しい。ああ、もうヘベレケ。


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マジョルカタイルのワークショップなどもあって、これも見るだけだったけれど楽しかった。


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どこの国の料理も、京都は充実していると思うけれど、スペイン料理店も20以上もあるんだそうです。スパニッシュ好きにはうれしいですね〜。こうして協賛しているスペイン料理のお店の名前を見ると、、、えへへ、どこも行ったことがある店ばかりでした。f(^ー^;

またやってくれないかな、スペイン料理祭!







野村美術館講座〜「ミャンマーのお茶と暮らし」 - 2014.06.01 Sun

5月の野村美術館講座は「ミャンマーのお茶と暮らし」。副題に「食べるお茶、ラペソーをたずねて」とあるけれど、演者の中村羊一郎先生(静岡産業大学、民俗学)のミャンマーへの愛情が強くて、茶の話よりほとんどミャンマーという国の文化や歴史、風俗についてのお話しだったような(^_^;) 何十年にもわたって25回もミャンマーにフィールドワークに行っていたらね、そりゃミャンマーloveになりますよね。


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(碧雲荘前の枝垂桜が美しかった通りももう緑が濃いです)


ミャンマーといえば、私はせいぜい「ビルマの竪琴」とかアウンサンスーチー女史とかくらいしか知識がないので、先生のお話はとても新鮮で、また語り口が上手なのでついついおもしろくてひきこまれてしまった。お話しが終わる頃にはすっかりミャンマー通になったような気がして、いつか現地に行ってみたいとさえ、、、洗脳されてますな〜。

で、お茶の話(全体の2割くらいだったか?(^◇^;)  )。

テーマは私たちが日ごろ飲んでいる煎茶(蒸し茶製法が発明されたのは江戸時代)や抹茶とはちがう、昔から、、おそらく栄西が茶の実を持って帰ったのよりはるか昔から庶民が自家用に作っていた「番茶」について。


いまでは煎茶にすっかり駆逐された「番茶」の習慣は、寺院や宮廷に伝わった抹茶とはまた違う庶民の飲茶文化であり、「日常茶飯」といわれるくらい生活に密着していたものであること。そして中国南東部やインド東部、ミャンマー、タイ北部などのアジア地域と共通する文化であるということ。
中国雲南省が源とされる茶の栽培は、焼畑農業によって西へ東へ伝播していったのだから、その足跡は残っているわけだ。

ちなみにここでいう「番茶」とは、各地各様の製法で自家用に作られていたお茶の総称。製法は蒸さずに釜炒りだったり、天日干しだったりさまざま。四国や西日本で残る釜炒り茶の製法とミャンマーでの製法や道具までがとてもよく似ているのだそうだ。


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(野村碧雲荘のハナショウブはまだまだ。見頃は6月なかばか)


副題でもあるラペソーはいわば食茶。「茶経」の中では飲むお茶=茶にたいして、茗(ミャン)といわれるものらしい。茶葉を蒸して竹筒につめこみ、密封して土中に埋める。それによって乳酸菌発酵する。それをピーナツ、ニンニク、胡麻、生姜などとピーナツオイルであえて食すのだそうだ。う〜ん、、、どんな味なのか想像を絶するな。
しかもおもしろいことに、今でも四国では阿波番茶といって、ほとんど同じ製法の食茶習慣が残っているんだそうな。

4月に好日居主催の茶教室に参加した折、島根のぶくぶく茶や、沖縄のぼてぼて茶などの「振り茶(茶筅で泡立てるお茶)」を初めてためしてみたが、これも飲む茶と食事の中間のような喫茶文化なんですねえ。

抹茶による茶の湯も煎茶も洗練された飲茶文化ではあるけれど、大衆に浸透していった庶民のお茶文化も、こうしてみるとなかなか面白いものだなあと思いました。
昨今、急須でお茶をいれるということが日本人の生活の中から消えつつあるのは確か。でもペットボトルが大盛況というのも、長い目で見れば庶民の茶文化、、、ということになるのでしょうか?

家の坪庭にも一本小さいチャの木があるので、いちどこれで番茶を作ってみようかな〜。


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かえりには美術館でやっている「利休・剣中・織部の時代展」を拝見。なぜに剣中(藪内剣中)なのか?野村得庵さんは藪内流だったのだよ。
久しぶりに利休筆「妙」の掛け物、織部茶入「餓鬼腹」に再会できたし、講座についてる呈茶席では珠光青磁のお茶碗で一服いただけたし、柴田是真の鯉の滝のぼりの掛け物(一文字、風帯、中廻しまで絵!)も拝見できたし、充実した1日でアリマシタ。



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