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2014-07

文月雑記2014 - 2014.07.31 Thu

とうとう7月、祗園祭月も終わっちゃいました。ちょろっとこぼれた文月の雑記を。


<その1> メジロの営巣


2年前、初孫が生まれる前に家の茶庭の楓にメジロが巣をかけた。外敵に見つけられにくく、雨もしのげる絶妙のロケーションで。雛が巣立つまで、こちらもそのあたりの雑草取りを控えたり、親鳥が神経質にならないように遠くからそっと見たり、かなり気を使ったのだ。おかげで無事巣立ちした。

楓の木がいたむかもしれないので、その巣は丁寧にとりはずして保存しておいた。なんだか吉兆のような気がして、おかげで初孫は元気に生まれ育っている。
昨年はどうかな〜と思っていたけれど営巣しなかった。

そして今年、また二番目の孫が生まれる年に、気づかないうちに雛までふ化していた。そう、前回とまったく同じ場所に!同じつがいなのか、あのとき巣立った雛たちなのか。これまた吉兆のような気がするのは迷信深すぎだろうか。

今回も無事巣立ったあと、巣をとりはずした。


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枯れ草からビニールのきれっぱし、苔(家の苔をついばんどったのはおまえらか〜〜)など、見事な造型。


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この楓の葉っぱがワンポイント、、、なんちゃって、なんともキュート!


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ちなみに2年前のと比べると、今回は緑っぽいなあ。(苔が〜〜)



<その2> 祗園のにいさん茶会


夜の祗園は昼間とはがらりと雰囲気がかわる。ちょっといりくんだ場所にある祗園楽園小路の中庭には火の見櫓があって、その下で毎月にいさん茶会がおこなわれる。


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なにがにいさんか?
亭主が兄さん(おぢさんという説もある)なのと、毎月23(にいさん)日に茶席が突如出現するから。昼過ぎから夜も更けるまで、ちょっと一服、初心者歓迎の茶席なのだ。おぢさん、、もとい、にいさんにちょっとご縁があったので、この日は南観音山のあばれ観音を見に行く前、夜も更けてよってみた。


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しかも待庵(二畳)も今日庵(一畳台目)もびっくりの超小間。おぢさんにいさんはランニングだし、釜は落書きだらけの薬缶だし。でもつこてるお道具はびっくりよ(◎-◎;)ようこんなん見ず知らずの人にもださはるな〜、、、これぞほんまに「藁屋に名馬をつなぎたるがよし」の境地やなあ。
しかも全く偶然に御連客の3名様が面識のある方ばかりでびっくり。よびよせるんかな。おかげで楽しい一席、おいしい一服、感謝でございます。



<その3> 下鴨神社みたらし祭


これはもうね、毎年の定番行事だからぬかすわけにはいかないのよ。


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土用のあっつい時につめたい御手洗のわき水に足をつけるので、涼がとれるし、穢れをはらえる気がする。早朝からお参りできるけれど、(早起き苦手だし)私は夜の雰囲気が好きで。


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この夜はめずらしく少し冷えるくらいの涼しさ。これはひや〜〜っとするのは覚悟せねばなるまい。



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ところが意外と水が冷たくない。例年よりも冷たくない、、、そうか!井戸水が夏は冷たく冬は暖かく感じるのと同じなのだな。わき水だし水温はほぼ一定なのだ。


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などど、小学生の理科の復習をしつつろうそくに火をもらう。


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夜10時まででかなり遅がけだったので、これでも人出は少ない方。


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ろうそくを献灯して無病息災を祈る。今年もこの暑さにまけずにすごせますように。


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御神水もいただいたし、これだけあちこちお参りしていれば、どこかで効くだろう。だれかがおっしゃってましたが、京都はこれだけたくさんの神社、仏閣、祭礼があるので、京都の人はみんな御利益で無病で長生きするはずとちゃうか〜と。どうなんでしょ、ほんとのところ(^_^;



<その4> 弥次喜多の宇治氷


四条河原町を少し下がって東にはいったところにある甘味処弥次喜多さん。


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かき氷がすごい、と聞いていたのだが、なにがどうすごいのかフィールドワークにでかける。


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メニュー、、、す、、すごいかき氷のヴァリエーション!

妥当なところでミルク宇治金時をたのむ。(ちなみにミルクは練乳がけ、クリームはアイスクリーム付き)



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見た目なにやら緑が濃いなあと思って口にすると、、、、

こ、、、これは濃茶だ!しかもどろっどろの濃厚濃茶!かろうじてお茶の味がするような一般的な宇治金とはものが違いますわ。おかげで完食したあと、空きっ腹に濃茶を飲んだ時みたいに胸悪〜、、までの(^_^;)濃茶でございました。そして、なにが「すごい」か了解いたしました。



<その5> 祗園祭もこれにておしまい〜疫神社夏越祓



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炎天下、夏空を背にすっくと立つ八坂さんの碑。


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一月にわたりおこなわれた祗園祭も本日でおわりです。


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最後の行事が境内にある末社、疫神社での夏越の祓。夏越祓は6月30日におこなわれるのが現在では一般的だけれど、旧暦でいうと今なので、本来祗園祭の終わりとともに夏越の祓はすべきなのですね。



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神事は午前中に終わってしまっているので、仕事帰りに行ったときには茅の輪だけが残されてました。せっかくだからくぐる。「粗民将来之子孫也」。だから疫病は退散してね。



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そばの石垣にくくりつけられた茅をとって、自分で輪にして厄除けのお守りにするのだが、当然こちらもなくなっている。輪に出来るようなのがないかとさがしたが、残念ながら見つからない。でも、ま、いっか。今年も祗園祭にどっぷりつかった一月だった。


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そうこうするうちに神社の方が茅輪を撤収にこられた。あぶなかった〜。
ほんに暑い中、一月ご苦労様でした。また来年!














漆作家をたずねて - 2014.07.29 Tue

先日は近代美術館にて京都和菓子の会、そのタイトルも「漆へのオマージュ」さらに、美術館の「うるしの近代」展をみて、改めて漆器工芸へのわが「愛」を確認いたした時も時、かねてよりお願いしていた洛中在住の若手漆作家岩渕祐二さんの工房訪問が実現しました。


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お茶の心得も造詣も深い岩渕さんはまず、われわれを和菓子「水牡丹」と手づから塗られた菓子皿、お薄でお迎えくださいました。やはりのぞむらくは日ごろ茶道具を手に取り扱っておられる方に漆の茶道具は作ってほしいものですから、うれしかったです。

岩渕さんのご師匠は塗師・表派の作家さんで、私所持しています、彼の蒔絵平棗。おなじテーマの棗を展示会で2つ並べてみて、こちらがいい!と気に入ったものでしたので、そのお弟子さんとなるときっと感性が合うにちがいない。このご師匠は塗も蒔絵も全部自分でされる方なので岩渕さんももちろん。

まずは完成作品や、漆の下塗りまでのもの、木地だけのものなどいろいろ見せていただく。木地は木地師にお願いするわけですが、その際実にこまかい設計図といおうか、指示をだされるそうです。注文があれば変形水指の蓋だろうが、アヴァンギャルドな薄器だろうが、なんでも作れるというわけですね((・∀・)☆ニヤリ)

しかし、彼の真骨頂は真塗り棗にあるのかもしれません。真塗りの中棗、、、なんてお稽古の時にさんざん使っているし、よほどの茶人所持の来歴のあるものでなければ茶会などでもあまりに地味すぎて使われることもない。けれどさらに茶の道を深めるとまた真塗り棗に回帰するという話もききます。(私はそこまで全然いってない)真塗りは職人の技の善し悪しが明らかにでるといいますし。

ぱっと見に「棗」としてしか認識していなかった棗、底の湾曲の角度、本体に対しての比率、蓋の盛り上がりの角度、高さ直径の比率など、ちょっとしたことで実は全然印象がかわることを教えていただき目からウロコでした。その木地の段階からのこだわりにはすごいものがあり、薄器拝見の時あだやおろそかにちゃっちゃと見てはイケナイ、、との思いを深くしました。自分自身でそういう注文をつけるほど、目が肥えていないので、お願いするときはお任せするしかないのですが。

木地の蓋を日に透かして見るとむこうが透けて見えるくらい薄い。木地師の職人技もまたすごい。
そうしてできあがった木地も下塗りの段階で思うとおりにできあがらず、破棄してしまうものも多いとか。もったいないけれど、そこは作品を世に出す作家となればのこだわりですね。

中次なんかは開化堂の茶筒みたいに蓋をのせるとす〜っと閉まるまでに数秒かかる密閉度の高さ。これにおどろいていると、茶器としてはそれではだめだと。茶席で亭主が茶をいれて蓋をしめるときに時間がかかりすぎては点前の流れをとめてしまう、とおっしゃる。さすが、やはりご自分でお茶をされている方ゆえのお言葉、なるほどな〜。(って、あんた何年お茶やってんねん、と自分にツッコミをいれておく)


蒔絵もこういうイメージで、とか具体的にこの柄で、とか注文もうけてくださる。いくつかの特注品をみせてもらうが、輪郭のにじんだような蒔絵の三光棗(蓋に日光、月光、蓋裏に星光)がとてもすてきでした(*≧∀≦*)☆
数寄者ご特注の風炉板など、風炉板でこんなにあそべるのか!とびっくりするような作品も。
さらにお椀の欠けから割れた陶器の繕いまでなんでもこなしてくださるそうです。ご一緒していただいた茶友さんは茶道具の繕いや、一閑張の盆の繕いをお頼みされた。

昨年は、私も行った根津美術館の井戸茶碗展も行かれたそうで、造型に対しては漆器に限らず陶芸に対しても熱心にお勉強されているご様子。ご友人の陶芸家さんのお茶碗なども見せていただき、これはこうだ、とかああだとか、茶碗談義にも花が咲く。楽しい。

さらに二階の工房も拝見。われわれのために念のため、2日間漆の作業はされていないとのこと。かたじけない。(昨年は金繕いを自分で敢行して、みごとかぶれてえらいことになった私です)工房も狭いながらすごくきれいに整頓されていてびっくり。実は父がしろうとながら漆塗をやっていて(お買い上げくださる奇特な人もおられるんだとか)、元応接間がいまでは漆工房になってしまって母の怒りをかっているのですが、どこになにがあるのかわからない混沌状態で、そのイメージでいたら、さすがプロは全くちがいます。

漆を固める室(漆は湿気でかたまるんですよ)も拝見。たくさんの制作中の作品がつまっていました。漆塗には布着せ、下塗り、中塗り、研ぎなどほんとうにたくさんの工程があって、固めるのにも時間がかかるので同時並行で少しずつずらしながら作品をつくることができるのですね。一閑張ももちろんおできになるので、オーダーのヴァリエーションはさまざま。

というわけで、中次薄器、オーダーいたしました。え〜、、、まだまだ真塗り棗まで回帰していないので自分がもっているイメージの蒔絵もお願い。
中次の場合、蓋は実はすこしふくらませないとへこんで見えることや、胴も微妙なふくらみをもたせないとすぼんで見えることなど初めてしりました。でもあとは岩渕さんの感性を信じておまかせです。木地からの作成なので、完成は約1年後、その時期にちょうど使える薄器なのでいずれご披露いたします。楽しみ〜!!

ちなみに彼は1年前、雑誌「淡交」でもとりあげられた新進気鋭なので、将来お忙しくなることと思います。お願いするなら今ですぜ。(^_^)b 私としてはいい漆職人を手に入れました。うしししし、、、、(^艸^)








鹿ヶ谷 住蓮山安楽寺カボチャ供養 - 2014.07.27 Sun

酷暑の中、ついご近所だと思ってうっかり自転車で鹿ヶ谷の安楽寺までいったら、熱中症で死にそうになった。だって上り坂なんだ。


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7月25日、年に一度のカボチャ供養、門前はすでににぎわっている。京都JAの新鮮な野菜も売ってはるし。


かぼちゃ


中でも目玉はこれ、鹿ヶ谷カボチャ。京ブランド野菜どす。かつてこの鹿ヶ谷あたりで栽培されていたらしいけれど現在の主な産地は綾部とか。(洛北あたりも一部)
この腰のくびれた形がなんともユニークよね。



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安楽寺といえば、まず秋の紅葉の時期が一番有名。この参道両脇が真っ赤にそまる秋は確かにすばらしい。しかし、今は夏、、、、あ、、あづい、、


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500円拝観料をお払いしますと、中風封じの護符とカボチャ券がいただけます。(〜15時まで)若い方のために説明しますと中風というのは脳卒中・脳出血の後遺症の状態ですよ。昔は癌よりも卒中でなくなる人の方が多かったからね。かつては中風封じというのはありがたい護符だったのだと思う。


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本堂に座って瀧のように流れる汗に若干意識朦朧としながら、ご住職のお話を聞く。これは紅葉の季節になんども聞いているのだけれど。

後鳥羽上皇ご寵愛の松虫・鈴虫といううら若い乙女が、鹿ヶ谷草庵にて法然上人の説法を聴き、心の平安を求めてきらびやかな虚飾の生活をなげうち、こっそり御所をぬけだしいきなり出家したわけ。
その時に落飾剃髪したのが住蓮房と安楽房。



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当然後鳥羽上皇は怒るわな。でもそれだけではなくて、それを口実にして、当時勢いをましていた専修念仏教団の弾圧を企てた。法然も、親鸞も遠方に流刑されるわ、住蓮房と安楽房は斬首されるわ、もう〜、、、

のちに帰洛した法然上人によって二人の供養のため復興されたのがこの住蓮山安楽寺。おふたりの追善だから、安楽寺だけでなく、住蓮山もつけないとほんとうはおさまりがわるい。

最近最終回をむかえた京都新聞の連載小説、五木寛之さんの「親鸞・完結編」。挿絵の山口画伯(晃さん)の絵が毎朝楽しみで読んでいたんだが、これに竜夫人(りゅうぶにん)という宋から来た謎の女性がでてくる。

(以下ネタバレ)実は親鸞の義妹であり、安楽房を慕っていた鹿野。宋に渡り大金持ちになったあげく、住蓮房と安楽房の恨みをはらすように大きな新しい念仏寺を建てようと画策する、というストーリーだったが、その小説をつい思い出しちゃった。どうも両お坊様、若くて男前だったらしい。

期間公開中の寺宝、松虫・鈴虫剃髪図にえがかれた住蓮房さん、安楽房さんは、、、ふつうにおじさんだが(^0^;)



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さて、お堂でお話しを聞いた後は奥の座敷でかぼちゃをいただく。もちろん鹿ヶ谷かぼちゃ。


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デカイ、、、でかすぎるこのカボチャ。完食後は昼飯ぬき、と決めた。しかし、ぼこぼこの皮の部分が意外にもっちりでいけますわ。




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寺伝によると、江戸も中期、粟田に住んでいたなにがしが、津軽に旅行した際にカボチャの種をお土産に持ち帰り、鹿ヶ谷の農民に与え、栽培したところ、突然変異してこんな形になったとか。

この頃、当寺の住職が修行中にご本尊阿弥陀如来から「夏の土用の頃に、当地の鹿ヶ谷カボチャを振る舞えば中風にならない」という霊告を受けられたとか。で、以後、7月25日にカボチャ供養がおこなわれているそうだ。



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(この花器、茶室にはむつかしいが、ええわ〜)


しかし、この暑い中、参堂して熱中症で脱水し、血液が濃縮して卒中をひきおこしたとしたら、ちょっとマズイよね。(^_^;


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などと考えつつ、水分補給しつつお寺をあとにすれば涼しげな緑陰の哲学の道疏水。視覚は涼しげだが、実際はとても暑い、、のだが。


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で、山門のJA京都さんから白茄子買った。浅漬けにして塩分も補給。熱中症対策、これでバッチリ!




還幸祭〜御霊うつし2014 - 2014.07.25 Fri

仕事帰り、電車をおりて河原町四条の高○屋の前に立てば、、、



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おお!
もう三若さんたちが続々集結中。

1週間を寺町四条の御旅所でおすごしになった八坂の神さんが、とうとうお帰りになる。後祭の10基の山鉾によって露払いされた道を通って。(16時半ごろから順次)


中御座出発から東御座、西御座、それぞれ違うルートをたどり「おかえり」。神幸祭の時よりも長い長い道のりになる。


私はここでひとまず帰宅し、英気を養い、さらに後刻追いかけ開始とする。


    <Break>


さて、19時半ころ、家をでて三条河原町へ。ここから三条通をずっと西進することにする。なぜなら、三条通からは三基の神輿は同じ道をとおって八坂神社へいたるので、ここで張っていれば三基全部を見ることができるのだ。


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三条のイノダコーヒのあたりでまず先導の清々講社、八坂神社関係の方々の行列に早速いきあたる。


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この三条通に住まいする人たちが夕涼みがてら、浴衣を着て軒先に椅子を出して神輿を待っている姿が本来の祭の姿やなあ、、と思う。



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今年も還幸祭の神輿を先導する久世の駒形稚児さんのお姿も拝見できた。おふたりいてはるので、神幸祭、還幸祭で分担される。


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胸に木彫りの馬頭のご神体を懸けてしっかり前を見つめて。いつもりりしいなあ。


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御神燈のともる三条通はええかんじや。
そういえば新町の大西清右衛門さんとこでは清右衛門さんご夫妻が浴衣で床机にすわって御神輿まってはったな。


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お〜、三若さんの中御座が来はった。


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ほいとほいと、ほいとほいと ♪

のんびり歩いているように見えるがかなりのスピードで八坂神社の方へ飛び去っていった。


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路地では花火に興じる子どもたちもいてる。


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堀川通りを渡る前、三条会商店街の入り口あたりでこんどは四若さん、東御座にあたる。ここは子供神輿もついてくる。



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 よ〜さ〜、よ〜さ〜、、、♪

堀川をわたる東御座神輿。


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長い道のりで若干お疲れの皆さん、あと少し(でもないか、、)どっせ。


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さて、三条会をさらに西に行くと八坂神社の末社、御供社がある。ここはいつもし〜んとしているのだが、還幸祭の日だけスポットライトを浴びる。例年はここまでたどりつけなかったのだが、今年初めてオハケを見た!



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神社の鳥居の横に斎竹をたて、池の水辺を表す芝生を敷き、三本の御幣をたてる。これがオハケ。還幸祭の日のみあらわれて、神輿が三基とも立ち寄る場所。


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ここで錦の西御座を待っていると、、、きたっ!
しんがりの神輿。


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まわりでは三条会商店街の方々の祗園太鼓が鳴り響いて、まあにぎやかなこと。神さんは賑やかなの好きだと思う。きっと。


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オハケの前で鳴り鐶ならしながらもんだあと、輿丁さんたちは少し休憩。



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最重量級、豪華西御座神輿。


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さあ、八坂神社へまっしぐら。
商店街やご近所の人たちに「また来年!」の声がかかる。
そうか、もう来年まで見られないんだな。祇園祭もいよいよフィナーレへ。



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この商店街をもう少し西へ行くと(ぽんさんとこのほん近く〜)三条台若中会所がある。祗園祭神輿に歴史的に関わってきた組織で現在は三若神輿会の詰め所とでもいおうか。なんと、今でもこのお役目、数家の世襲というからさすが京都や!


さて、ここまで神輿を見送ってバスでまた祗園まで帰る。三基そろっておかえりになったところで、神輿の神様の御霊を八坂神社本殿へおかえしする御霊遷し(23時半〜24時)にそなえ、ふたたび

  <Break>

この間祗園某所でマッサージ受けてた(^◇^;)
その間も暑い中、がんばっている輿丁さんに申し訳ないとは思いつつ。



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ふたたび八坂神社境内に戻ると、すでに中御座、東御座はおかえり、最後の西御座がゆっくりと本殿前に据えられるところだった。

しかも、このあたりの刻限になると人の数は例年まばらになるのに、今年はビックリするほどの大勢の人が残っている!これもひとえに後祭効果だと思う。


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しばらくして、御霊うつしに際してカメラ、フラッシュ、携帯などの光る機器は一切禁止、のお触れが。

これがね、ほんとにみんな言いつけを守るの。言葉がわからない外国人でさえも。

境内の灯りが全部消されても、この日は分厚い雲のせいで町の灯りを反射するため、手相までみえるくらいのほの暗さ。


そして神様を迎える「お〜〜お〜〜」という警蹕(けいひつ)の声が響くと、あれだけのたくさんの人が一言も発さず静かだったのには感動した。

ほの暗さの前で白い布でかくされた神様は本殿お社にお帰りになりました。

不信心者でも思わず手を合わせ頭をさげたくなるような、何かがある。う〜ん、これは毎年やみつきになりそうだ。



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(我が家の祇園守)

これで祗園祭のおもだった行事はほぼ終了。今年も私の祗園祭はおわったなあ。50年ぶりの後祭復活や、露店のない宵山、みられなかった山鉾巡行、猛暑、、、、今年はほどほどにと思いつつ、蓋をあけてみれば体力の限り楽しませていただいた。

今年の都に、いや世の中全部に疫病の蔓延のなからんことを。











後祭宵山〜あばれ観音 - 2014.07.24 Thu

仕事を終えて宵山の町へたどり着いたときは、もうお帰りの人の方が多く、そぞろ歩くのにちょうどよいくらいになっていた。


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翌宵に八坂神社へお帰りになる御旅所の三基の神輿の神さんを拝んで、ひたすら西へ。



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やってきたのは新町通り、南観音山。

昨年はへたれて行けなかったあばれ観音(23:00〜)を見ようとやって参りました。


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このあたりは同じもくろみの人が多いらしく、まだまだ賑わっています。くろちくなどのお店も開いているので時間つぶしにはこまりません。

それにしてもTwitterのフォロー中の人たちがみんなここに集結しているようでおもしろい。もちろんすれちがってもわからないけどね(^_^;)


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お、蛸薬師のほうからお囃子が聞こえてきた!


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南観音山の日和神楽のお帰り〜。(22:30〜くらい)

ピ、ピ、ピ〜ヒャラリ ♪ という独特のメロディー。



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新町通りを北上して帰ってきたのはお隣の北観音山の日和神楽。
う〜む、メロディーは同じだと思うが。(なにせ音痴なもので)


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ますます人が増えてきた。こんな夜中によう集まるわと感心する。(自分のことはもちろん棚上げ)

宵山ではあちこちで芸妓さん舞妓ちゃんをみかけるが、ここにもいてはる。


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おお〜!!
きたっ!!


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「わっしょい!わっしょい!」のかけ声も勇ましく、すごいスピード!この疾走感、わかります?
観音様の前をやはり布をかけられて走るのは善財童子。

華厳経にいわく、楊柳観音は善財くんが求法の旅にでて、であった53人の善知識の一人なのだが、なぜかよく絵画の画題になるらしいペア。


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北観音との境でさしあげゆさぶり、さらに暴れる。
また帰ってきた〜!


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いつみてもぐるぐる巻き!布をまいていない姿を拝んだことがないよね。


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しかしなんで宵山にあばれるのかよくわからないそうだ。一説に曰く、翌日の巡行でじっとしていていただくために、前日にフラストレーションを発散させるとかしないとか。
おとなりの北観音はおとなしい?のにね。


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また来た〜!
今度は善財童子は町の役員さんが持ってはる!


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こうして3回町内を暴れ回って観音様もさぞや気がすんだことでしょう。


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締めの手拍子、拍手が終わった後にみると北隣の北観音山はもう灯りがおちていた。翌日の巡行にそなえて。


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よき巡行の日を!
(またまたしつこいが、私は見に行けない!!)




後祭〜宵々々山逍遙2014 - 2014.07.22 Tue

似たような画像たくさんあるし、もうアップせんでもいいかな〜と思ったけれど、やっぱり後祭は後祭で残しておきたい。ので、あと少しおつきあいヨロシク。(7月で終わります。このアップフィーバー)


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まずは大舩鉾からスタート。
予想通りすごい人なので、新町の四条より南は南進のみの一方通行。登上券を買ったけれど順番待ちが長すぎて断念した、という人もあり。ま、しょうがないよね。


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それでも大舩鉾以外の鉾町は、わりと気持ちよくそぞろ歩きができるくらいの人出。露店は原則ナシ、だが町内にお店をかまえる飲食店はじぶんとこの店先でお商売してはる。



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南観音山ではお囃子がはじまった。


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そのお囃子に負けじ!と声をはりあげる ♪ ろうそく一本献じられましょう〜 の子どもたちの声。


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新町通りを北にむかうと北観音山の駒形提灯。他のうるさい露店の灯りがないので、ええ感じや。


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駒形提灯に家の角の祭礼燈。


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北観音山前の吉田家、屏風祭。一段上の風格。
粽を積み上げてあるのは訪れるお客さんへお配りする物かな。


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北観音もお囃子がはじまった。7月はじめ、二階囃子でじっくり聞かせてもらったお囃子で、ちょっと特徴があって、ここのだけはなんとなくわかる。この日もお向かいの病院の石フェンスに腰掛けて、しばし楽しむ。


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北観音の北にある八幡山。八幡さんは理由不明ながら鳩がお使いということになっているらしい。そういえば上高野の三宅八幡には鳩餅なんて名物もあるなあ。

左が伝・甚五郎作の神鳩。右が新しく誂えたもの。ここにはかわいい大小いろんなサイズの鳩笛も売られているんだよ。


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ろうそくの燃えかすをお掃除する町内のかわいい女の子。


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ここのお町内は江戸初期の画家、海北友雪の「祗園祭礼図屏風」(これはレプリカ)をお持ち。その大舩鉾の図。
この絵では船首は大金弊でも竜頭でもないようだ。竜頭になるのは江戸中後期かららしい。


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あちこちに屏風祭。ほんまに露店がないとええわ。人出もこのあたりは少なくて、そぞろ歩きにはもってこい。


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ええなあ、この赤穂緞通、、、、って去年も言ってなかったか?(^_^;


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役行者山で人気者?は会所の奥にある腰掛け石。
肩こり解消の御利益があるとなっては、すりすりしておかねば。


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ここでも子どもたちの お守りどうですか〜?てぬぐいどうですか〜?
遅くまでよくがんばっているので、ダンナが手ぬぐいをお買い上げ。


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ここの見送りの龍の顔がユーモラスというか、カワイイ♪



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こんな資料まで展示。「祇園会山鉾分布図〜応仁前から現在まで」
、、って応仁の乱前後がでるあたりさすが京都や〜〜〜!この資料自体昭和55年だから30年以上も前のものなんだが。

昔はこんな名前の山や鉾があったのか、どれだけたくさんの山鉾が失われてきたのか、、、。でも復活する鉾もあるしね。今は人気の蟷螂山も私が学生の時の復活だったし。


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最北、烏丸通りに面する鈴鹿山のご神体は瀬織津姫。山鉾一の美女とか。
瀬織津姫は記紀には登場しない女神で、水に関係したところに祀られると聞く。そういえば宇治の橋姫も瀬織津姫と同一視されてるし。まあ、謎の美女ということにしておこう。


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黒主山の粽は桜つき。
桜の木を見上げる大伴黒主がご神体なので。

  道のべの たよりの桜おりそへて 薪や重き 春の山人  (謡曲「志賀」)


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浄妙山周辺はまだ大きな表屋造りの町家が残っていて風情がある。でもけっこうまわりにマンションが増えてきた感はいなめない。残念だが。


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最後に山で一番好きな鯉山!の鯉をおがんで帰る。
伝・左甚五郎作。










後祭〜大舩鉾・南観音山・北観音山 三連ちゃんの曳き初め - 2014.07.21 Mon

なにせ150年ぶりの復活だから、曳き初めはさぞや多くの人や報道陣で賑わっているだろうから遠慮しとこ、、、と思っていたのだが、、、


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それでも一目復活した完成の姿をみようと、激しい夕立にもあいながら、新町綾小路にきてみたら、、、、なんと開始が遅れたようでまさに曳き初めの真っ最中だった!


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 ♪ よ〜い、よ〜い、エンヤラヤ〜〜!!

弾みをつけて前のめりになって先導するのは、鉾建ての時、主に縄がらみを担当する手伝方(てったいかた:作事方の1つ)さん。


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復活船鉾のお囃子も曳き手をもり立てる。

予定では四条通りを越え錦まで行く予定だったそうだが、あまりの人での多さのせいかどうかわからんが、四条越えができなかったみたい。

この鉾は先頭は北をむいているので、これはお尻の方になる。そのまま船鉾町を越え、岩戸山町を越え、仏光寺まで南進。


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鉾の向きを調整する車方の技。
なにせ新調だから慎重に(しゃれではありません(^◇^;) )

会所に戻る北進の時、ひょっとしたら綱引けるかも〜と、ついていく。


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やっぱり前に進むこの大金幣を拝まなくては。凱旋の船だけになにやらりりしい。


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仏光寺から折り返し、引き綱が反対方向にひっぱりだされて、、、

やた!!ヾ(*≧∀≦*)ノ
綱の位置を確保!


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 ♪ よ〜い、よ〜い、エンヤラヤ〜〜!!

のかけ声とともに曳きました!けっこう重いけどがんばって曳く!老いも若きも男さんも女さんも、躓きながら足を踏んだり踏まれたりしながら。一種の連帯感を感じつつ。だって150年ぶりだもの、大舩鉾。


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屋根方(鉾立では大工方)がT字型の棒をくりだして屋根や電線にあたらないよう調整する。これも職人技。



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会所が見えてきた。
最初の周航を終え、港に船がつく。


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到着!
いっせいに拍手があちらからもこちらからも。なにをした、というわけでもないのになんだかうれしいね。


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「ありがとうございました。ありがとうございました。24日の巡行よろしくお願いします。」

と、あいさつされる鉾町の役員さん。それこそ観無量であろうとご想像申し上げる。

巡行で無事に晴れ姿をご披露されますように。私は見に行けませんが、ここで拝ませてもらって文字通り曳き初め参加させていただいて、それで十分。


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さて四条通りを越えて新町通りを北上すれば、南観音山、北観音山が。


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本来こちらの曳き初めが目的だったんだ(^_^;
南観音山、すでに曳き初めはじまっている。ちょっとだけ手をのばせて曳かせてもらった。


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真松。
今年の松選びは北観音が先に選んだらしい。どちらにあたっても立派な松であることには変わりはないんだが。



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南観音山の音頭取りは一人だね。


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一番水引(幕のような部分)は楽を奏でる飛天。
巡行の時には後に柳の大枝を垂らすんだ。(くどいようだが、見られないけど、、(T_T)(T_T))



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その北に北観音山。


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あ、北観音山前の吉田家(屏風祭がすごい)当主にして、山鉾連合会会長、そして後祭をご存じの世代でその復活を強く押し進められた吉田孝次郎さんだ!(着流しの方ね)1年を祇園祭のためだけに献げておられるような方です。


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さあ、北観音、もどりの曳き初め、参戦じゃ〜〜!!


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六角形はこの鉾町が六角町だから。洛中は通りの名前でしか住所をいわないから、いざ町名いわれるとどこなのか京都の人も全然わからんらしい。(ちなみに大舩鉾は四条町なので法被に「四」と書いてあるのも)


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水引は雨よけのビニールがかかってよく見えないのが残念。


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さあ!曳くぞ〜!!

えっちらおっちら、北向きは微妙な坂で曳く手にも力がいる。ここのお囃子は二階囃子で七月初めにきかせてもらったなあ、と思いつつがんばる。


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がんばったあとにはこんなモノいただいた!


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町内婦人会の方々がひきかえにくばってくださるアイスモナカ。ありがたく頂戴いたしました!


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お囃子方の方々もご苦労様。




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本番の巡行は是非がんばってください。


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曳き綱はこんなふうにしてかたづけるのね。


この日は後祭の10基のうち9基までが建つので、周辺も散歩。


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八幡山は町内に八幡様のお使いの鳩の幔幕。


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一番北にあたる役行者山。まだまだ組み立て中。


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鉾に比べるとシンプルな縄がらみ。
宵山の昼にはほんものの山伏さんがやってきて、護摩供養、山伏問答がおこなわれる。(二年前行って熱中症で死にそうになった、、、)


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淨明山はもう完成している。ここには一番アクロバティックな人形二体のご神体がのるはず。


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鯉山。
ここのご神体のでっかい鯉、好きなんだ。まだみられないけど。


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後祭の宵山には露店はでないというし、ゆっくり宵の風情を楽しめるだろうか。楽しみだ。
せっかくなので、鯉山の手ぬぐい購入す。







京都和菓子の会〜うるしへのオマージュ・国立近代美術館 - 2014.07.20 Sun

「京都のよき和菓子をよき室礼で」

、、、をコンセプトに、本業は日本で数少ない銘木師(千本銘木)にして、龍馬の投宿した酢屋のお嬢さん、ライフワークは京都の和菓子、という中川典子さん主幹の京都和菓子の会、今回の会場はなんと京都国立近代美術館。


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おほほ、、チャリで5分もかからないご近所さん。そして今回の展示はなんと大好きな漆・蒔絵ではありませんか!


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今回の和菓子の会のテーマは「うるしへのオマージュ」。


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この美術館はエントランスから、つらなる心地の良いホールまで、普段から無料ではいってくつろげるのよ。


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このホールの一角に、、、床の間が出現!

「圓窓床」。

銘木師の本領発揮の力作です。両端の柱は北山杉の磨き丸太、それに杉、欅、桂など漆塗りの下地に使われる木材を使用。



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中央の漆下地で作った丸い盤には「漆」の文字。床の間の軸の見立てで。

そして京都で活躍する若手漆器工芸家7名の作品を棚に飾る。(三木啓楽・太田 勲・加藤友理・岡田嘉夫・水内倫子・新木郁雄・番浦 肇  敬称略)
盆あり、食籠あり、香合あり、どれもこれはこういう感じで茶会・茶事に使いたい、、、と妄想をかきたてるような作品ばかりで。

ここで初めて真塗と呂色の違いを知った!(呂色は炭などをつかって、真塗りの表面を鏡のようにぴかぴかに磨いた物)真塗と呂色のコンビネーションの作品、よかったな。


さて、今回の和菓子の担当は、おいしさと美しさで定評のある西陣の千本玉寿軒さん。漆の器に盛ると映える菓子、をテーマに創作してくれたもの。(当会のみの菓子なので店頭にはありませんのよ〜。)

ではしばし、美しい和菓子と漆の器のコラボをお楽しみください。


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朝顔の盆と「清流(でしたっけ?)」(呂色仕上げなので反射して盆がきれいにミエマセン…>_<…)
まさに苔むした崖を落ちる清流、瀧。



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マットな漆、蒔絵の皿に「うるしへのオマージュ」
うわ〜〜〜、このブルー最高!まるで銀河のようではありませんか!


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蒔絵の平盆に2種のせ


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ブルーのアップ。
中の餡はこし餡ですが、そのうえにブルーの葛をのせ、透明な葛でくるむ、、という技術的にもたいへんむつかしい手の込んだお菓子です。


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瀧の断面。
三重に葛を重ねているわけだ。


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お菓子は日本茶インストラクター松石さんがご用意下さったおいしい冷茶とともに。

和束の最高級玉露「鳳春」を水出しして煎茶仕立てでいれたもの。ちなみに鳳春は宇治の茶業研修所が栽培に成功した京都ブランドの玉露用茶樹の名です。(碾茶用のものは「展茗」)

なんというか、お茶の葉は確かに植物なのだ、と思い出させてくれるような、そして後口さわやかなお茶。玉露用を煎茶としていただくのだから、贅沢この上ない。


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これは二煎目。また別物の味、香りです。これはごくごくいける。(ちなみにポットは水出し用フィルターボトルでハリオ製。こんなのあるんだ)


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お菓子と、漆器と、お茶を楽しんだあとは、美術館の展示へいそいそ。
だって漆芸、蒔絵、大好きなんだもの。ほんとにため息のでる漆器の数々、もちろん茶道具もたくさん。
これらを使ったり、取り囲まれたりしている妄想に、、、、またひたってしまった。


*)明日、21日もありますよ〜。予約無しでもたぶんいけると思う。

前祭から後祭へ〜大舩鉾山建て - 2014.07.18 Fri

巡行もあけた今日、朝まだ建っていた鉾も昼過ぎにはすっかり片付けられ、本体のみをのこす鉾がちらほら。


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岩戸山は解体を終えて、収納にはいっているようだ。


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鉾は巡行で神輿の先触れ、露払い、つまり悪い物を祓って自分に吸着(?)しているので、役目を終えればすみやかに片付けるのがお約束。


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船鉾は解体収納を終えて、すでに会所の後片付けにはいっている。すばやい。

いままでなら、ここで祭はほとんど終わり、、、って感じになるのだが、今年は半世紀ぶりに後祭が控えているので、まだまだお祭り気分が漂う。


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そして、あれ!
後祭の山建ての先陣をきるのが話題の大舩鉾。


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実に150年ぶりの巡行復帰の大舩鉾は後祭のオオトリを飾る。神功皇后出征の船鉾に対して、凱旋の船。


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真新しい木の香りがする。
この鉾町の人でさえ、まさか巡行復帰する日がこようとは、夢にも思わなかったという。

どれだけ多くの人の協力や苦労、努力があって実った夢なのだろう。
昨年は駅前のヨドバシカメラの一画で徐々に組み上がっていく大舩鉾の新しいボディーを見ていたが、ついに新町通りにその姿をあらわしたか!


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「京都青年会議所創立六十周年、、、」

資金的援助を最初に申し出た青少年会議所は、京都の若手経済人の集まり。



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その後祇園祭を愛する全国からの寄付による経済的援助、他の鉾からの現物寄贈、お囃子を復活させた他の町からの有志、、、まあ、気が遠くなるような道のりだったのだろうなあ。



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新たに舟形の鉾を設計するにあたり、船鉾はその構造測量を許可したとか。


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この復活は大舩鉾の町内の人たちだけではなしえなかった事業だったのだなあ。


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大舩鉾が焼失したのは幕末禁門の変の大火災、さいわいご神面、懸装品のみ焼失を免れたという。それがなければこの日はなかっただろうと思うと身重の神功皇后の神面もしみじみ感慨深く拝見せねば。


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菊水鉾寄贈の車輪。今年初めて都大路をいく。

くやしいが、その晴れ姿をライブで見るのはできないので、後刻録画でしかと拝見しよう。楽しみだ。(ライブには負けるけど、、、、(T_T) )



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さて、新町をそのまま上がると、放下鉾は本体の解体作業まっただなか。芸術的な縄がらみを一気にはずしていく。また来年まで。


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室町では菊水鉾の会所のお片付け。


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おお!これは鉾についていた赤熊(しゃぐま)の部分だな。


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鉾建てに4時間つきあったところの鶏鉾もすっかり解体終了。


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こんなところに収納場所があったとは!(鉾のすぐ横のビルの1F)


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綾傘鉾の会所、大原神社の扉も閉まり、、、


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月鉾も解体が進む。


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バスから見た四条御旅所に鎮座まします三基の神輿。後祭の鉾が先触れとなる還幸祭までここにおわします八坂の神様に手を合わせておいた。








神幸祭2014 - 2014.07.17 Thu

山鉾巡行は〜、、、、、仕事で見られませんでした(>_<)ゞ

でも!

お祭り本番はこれからじゃあ〜〜〜〜!!


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午前中の山鉾巡行の熱のさめやらぬ都大路。夕刻になると、、、さあ、そろそろ法被をまとったあつくるしい熱いおぢさんたちが八坂神社石段下に集まってきた。

昨年、一昨年は石段下にかぶりつきで約1200人の輿丁さんが集うさまを見たが、今年は神社の境内に入ってみよう。


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5時過ぎ、すでに三若さんの中御座は神社を出発したあとで、ちょうど四若さんの東御座をおろしている最中だ。

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重量級の神輿なのでおろすのも慎重に慎重に。


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おろした後ははずしておいた擬宝珠をとりつけ。さらに丹波下山の八坂神社分社の神田より取れる稲をくくりつけ。これはお練りがすんだあとに輿丁や参拝客にくばってもらえる。


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つぎに担ぎ棒をとりつけ。
お!締め込みのにいさんがいる。輿丁さんの下半身は短パンか長パンが多く、少数派。でもかっこいいね。


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ここでも鉾建てみたいな縄がらみのテクニックが必要なのね。


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さあ、これから長い道のりやで〜。


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まずは本殿前で差し上げをして、、、


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南楼門から東御座さん出発!
♪ ほいっとほいっとほいっと


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今度は錦の西御座さんおでまし。


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錦はその名の通り錦市場が主な輿丁さんの母体になっている。


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西御座も境内をぐるっと一周。


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♪ ほいっとほいっと  よ〜さ〜よ〜さ〜

将来の錦の兄ちゃん?も煽り立てる。


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こちらの八角形の神輿の上には鳳凰、そしてまた稲束。


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しんがりの西御座が南楼門をでていくのにしばしついていこう。


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中村楼の前でしばし休憩。鉢巻きには榊の枝をさして。


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いよいよ東大路へはいり石段下をめざす。


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石段下では先頭の中御座さんがすでに待機。


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全景を写すことはできなかったが、石段下総勢1200余名の輿丁さんが埋め尽くす様は壮観だ。市長やら、知事やらのご挨拶。

花見小路の方へ行こうとして、ふとみると強力さんにかつがれたお稚児さんがふっと花見小路から現れ、馬にのらはった!


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神輿を先導する神の依り代である、久世の綾戸国中(あやとくなか)神社の駒形稚児さん。
八坂神社境内内へ馬で乗り入れゆるされる唯一の存在で、胸に木彫りの馬の首(駒形)を懸けている。なんだか神々しい。


さて、どの神輿をおいかけようかと思ったが、今年は花見小路にしよう。


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お、来た来た!


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一力の前で差し上げ。
さすが場所が場所だけに素人はんとちがう艶っぽい姐さんたちがご挨拶にきてはる。


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ここはポ○リスエットのさしいれ補給場所みたいで、しばしみなさん休憩。


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さあ!また出発!


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おおお〜〜〜!!
鳴り鐶の音もいいねえ!がんばれ〜!

このあと西御座は市役所〜二条通りまでいって、最後に四条河原町の御旅所(いつもはお土産物センター)へ他の二基とともに御鎮座される予定。だが、私はここでお別れしよう。


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うふふ、、やっぱり場所が場所だけにこんな眼福も。


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いただきました!
(祇園祭期間限定という、勝山髷とちゃうなあ)


宵々山点描2014〜宵編 - 2014.07.16 Wed

一時帰宅してクールダウン後、宵にまたでかける。陽はくれてきたとはいえ、湿度と暑さは少しもやわらがない。けれど人波はどんどん増えていく。


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宵の口にまずでかけたのは綾小路室町の綾傘鉾。


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粽作りのお手伝いのご縁をいただいて、宵々山におよばれ。(というかおしかけ?)



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今年はおなじみのお茶友さんだけでなく、ご遠方からのお茶友さんもおさそいして盛り上がる。
鉾町の会所ではこうして毎年、ご近所からも遠方からもゆかりの人たちが祭に訪ねてくるのをもてなしてくださる。京都に限らず昔から祭の客をもてなすのは(失われかけているが)日本の正しい祭のありかただと思う。


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内側からの祇園祭をほんの少し垣間見られたご縁に感謝せずにはおれない。


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食事が終わって外に出るともう駒形提灯がくっきりと見える美しい宵だ。


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近くのマンションのスペース(いつもは駐車場。その看板もこの日はとっぱらわれる!)で綾傘鉾の棒振り囃子も後援会特等席で拝見させていただき嬉しいことこの上ない。


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この棒振りは江戸時代の洛中洛外図の綾傘鉾にも描かれているという歴史の古い物。綾傘鉾の鉾町は町名を善長寺町、そのまま西へまっすぐ行けば壬生。なので昔から壬生とは深い関わりがあったらしい。今もこの棒振り囃子担当が壬生六斎念仏保存会、というのもうなづける。


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ここで皆様とお別れして西へ。昼間前だけ通った伯牙山の会所、杉本家の一般公開へ。ここは何回もきているけれど、夜訪れたことがないのでこれを機会に。
やはり夜の町家の風情は格別。広い日本家屋は影や闇のできかたが絶妙。梶の葉をはりつけた氷柱をあちこちに配してあるのも、クーラーのなかった時代からの生活の知恵ですね。


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さらに西へいくすがら、普通のおうちの屏風祭も楽しむ。ここは昨年もお邪魔したな。


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綾小路通りも西洞院を越えると芦刈山。昼間聞いた(ご神体に関して)「恐い顔したじいさんがネギもっとる」というセリフを思い出して苦笑い。(ほんとは刈った芦をもっているのよ)


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ふ〜む。芦刈山にも荷茶屋があったんだ。


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鉾町ではマンションの入り口にも祭の幔幕が。

そういえば木賊山の会所は内科医院の待合〜診察室で、はいると、いわゆる病院の匂い、がしたのがおもしろかったな。会所飾りのむこうに「レントゲン室」と書いた扉があったり(^_^;


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こちらも昼間来た西の果て、油天神山の会所。


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ここの駒形提灯はちょっと色がちがう。黄色っぽい。今年はじめてフリッカー機能のあるLEDに変えたんだそうな。たしかに蝋燭っぽい。昔はこんな感じだったのだろう。


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そのLED提灯のむこうに最南端、太子山の提灯がみえる。


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太子山会所、夜の秦家。こちら蝋燭のあかりだけの夜のイベントにお邪魔したことがあり、夜の雰囲気を堪能したっけ。できたら宵山の夜の秦家もみてみたいなあ。


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太子山は毎年宵々山、宵山、子供たちの ♪ ろうそく一燈献じられましょう がライブで聞くことができる。いいねえ、鉾町のお子たちは。うらやましいよ。


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四条通りにもどるとすごい人。でも遠近にならぶ駒形提灯は美しい。


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こちらも毎年見ている四条傘鉾の棒振り囃子。こちらは子供たちがおどります。ここのお囃子方に知人発見!


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こちら昨年はトラブルで閉鎖されていた放下鉾の会所。町家の二階でとても風情がよいので大好き。今年はあがれてよかったな。奥には鉾を納める蔵もひっそりたたずんでいるのが見える。昔はここから辺り一面の瓦屋根がつらなっていたのだろうと想像する。(今はビルばかりだけれど)それはそれはきれいな景色だっただろうな。もうとりもどせないけど。


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お久しぶり、、、の三光丸君。放下鉾のお稚児さんです。巡行の時は豪華な鳳凰の羽根の帽子をかぶるのよ。


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残念ながら鉾には男性しかあがれないけどね。


これを最後に鉾町をあとにしたけれど、あの人混みの中で数人の知人にばったり!というのも京都だなあ、、、と思う。(物理的にも心理的にも狭いのよ、世間が)


さて、明日の山鉾巡行、無事おわりますように。残念ながらいけないけれど。
今ごろ巡行の日和を祈る日和神楽もでていることだろう。これも今年はパス。かわりに昨年の写真をおいておく。それで晴れを願おう。ただし熱中症には気をつけてね。



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宵々山点描2014〜白昼編 - 2014.07.16 Wed

あづい、、、、ほんまにあづい、、、だから祇園祭だ、、、、

白昼の鉾町も歩くんだ。宵山はいかれへんから今日のうちに全部まわるんだ、、、という執念につきうごかされて熱中症と日焼けとたたかいながら、また行く。


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まずは3日間だけ公開される長江家住宅。船鉾の真ん前です。幕末から明治にかけて建てられた大型町家。


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早いものでもう5年も前になるのかな、こちら奥座敷で京都和菓子の会があったのは。(

今も現役で白生地卸しの大店(屋号大阪屋)というところがすごい。TVドラマの京都もの、とくに呉服商がかかわっているときのロケにも使われているのよ。ほんまの大店の町家がどんなものか堪能できます。
火袋フェチも十分満足できます(^_^)b


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こちらも有名な最大級の町家、杉本家。屏風祭してはります。夜にまた来よう。祭礼幕の琴柱はその会所でもある伯牙山の由来から。(琴の名手、周の伯牙の「知音」の故事)


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このあたりはどこの辻をまがっても駒形提灯が見える。



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迫力のある芦刈山の前懸の獅子の絵。原画は山口華揚、タイトルは「凝視」。

芦刈山は難波の浦でさびしく芦を刈る翁がご神体なのだが、「恐い顔しとるじいさんがネギもっとる。」とのたまわった輩がおったわ(-_-#)


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西のはしっこ、油天神山とその南に太子山。
ここまでくると白昼とは言え人は少なくてのんびりした雰囲気があります。


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太子山の会所になっているこれもまた有名な大きな町家である秦家。ここも何回もおじゃましている。


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みかけない太子山の荷(にない)茶屋だな〜と思ったら昨年江戸時代のものを復元新調したそうだ。山鉾巡行で、かつては参加者をお茶でもてなすための茶道具を入れて運んだもの。


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他の山は真松をたてるが、太子山だけは杉をたてるのよね。聖徳太子が四天王寺を建てるときに自ら山へはいって杉の木を切ったという故事によるもの。


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ろうじにはこんなものも見られるので、お見逃しなきよう。


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今年山1番を引き当てた占出山にもいっておかねば。


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なにせここは安産の神様だから。身ごもりながら出征して凱旋し、無事皇子を出産したという神功皇后にあやかって、ということで。
それにしても船鉾は神功皇后の出征船、大船鉾は凱旋の船というから祇園祭では神功皇后、人気者です。


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我が家にはまもなく身重の娘が帰ってくるので、安産のお守り代わりに占出山の手ぬぐいをいただいた。


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で、毎年行っちゃう菊水鉾の茶席。今年もまた一服いただく。


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お菓子は亀廣永さんの「したたり」。お皿の色が今年は錆朱だ。したたりは年中手に入れることが出来るようになったとはいえ、やはり食べたいな、と思うのは7月だけだな。


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最後に鉾建て4時間(勝手に)つきあった思い入れで鶏鉾に上がる。ここは会所がビルの中なのがちょっと残念だが。


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これがあの時の真木か〜と今年は特に思い入れ深く拝見した。





コンチキチンを聞きながら夕食、、、のはずが(^_^; 〜京料理・伊勢長 - 2014.07.14 Mon

鉾立が終わって日曜日は一気に各鉾町の山建て。


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駒形提灯の取り付けを横目で見ながら、南観音山の鉾町をめざす。


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かねてより、コンチキチンの祗園囃子を聞きながら食事がしたいとおっしゃる遠方の友人のご指名で、伊勢長さんへおつきあい。


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だがしかし!

本来ならばこの真ん前に南観音山がたっているはずなのに、(あばれ観音のときもこの前で出待ち?するのに)ああ、南観音は後祭やった!店の前はし〜んとしていて、一番もよりの放下鉾のお囃子がかすかに聞こえる程度。

これがほんまのあとのまつり、、、(^0^;)



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とはいえ、重厚な数寄屋造りの料亭、ちょっと早めの屏風祭をさせていただいた。江戸時代の洛中洛外図屏風。すごく立派!絵の長刀鉾と菊水鉾の位置でああ、四条通り、室町通り、、、とわかる。


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昔四条通りが狭かった頃、離合できなかったため、とにかく一番東にある長刀鉾がでないことには後の鉾が出られなかったため、くじ取らずになったそうね。


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ほぼ300年前の創業という伊勢長さん。お部屋の雰囲気抜群でした。この広い座敷を二人占め!


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この屋敷はもと田中源太郎翁(旧山陰線の産みの親)の豪邸だったそうな。


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ちょっと待てよ、田中源太郎といえば、せんだって茶事にいった亀岡の楽々荘が確か彼の生家だった!なんだかご縁があるような。


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どうでもいいけど、この日は夏着物。友人もきっと着物でおいでだろうと思い、クソ暑いのを我慢して合わせたのに、彼女は涼しそうなカジュアル姿で、あちゃ〜!



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ウェルカムスイーツの四葩のお菓子。


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さて、例によってしゃべるのと食べるのに忙しく、食材はうろ覚えどす。
でもテーマはやはり鱧づくし。祇園祭は鱧祭ともいわれますから。(でも個人的には秋の鱧の方が好き)


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めちゃピンぼけ。蛸とウニ。こういうクラシックなグラスを向付に使うのが心の中でマイブーム。ふむふむ、参考になる。(まだそろえていませんが)


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きた〜!鱧しんじょう。
しんじょうと言ってもすり身の割合がとてもすくなくて、鱧だけでかためたのかな、と思うくらいにほろほろ。煮物椀は時として、「絶対塩入れるの忘れとる!」と思うくらい薄いことがあるが、ここのはきっちり味が付いておいしかった。(京都人の舌には濃すぎか?)


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鱧の湯引き、さっと炙ったの、イカ。つけるお醤油がおいしくて、きっとなにか一手間かけているにちがいない。


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炊き合わせ。


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湯引き鱧と照り焼き鱧の寿司。これもおいしかったん。器もまたええな〜これ。



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鱧やお野菜の焙烙焼。焙烙焼からつい壬生狂言、新撰組、、と話題がとぶ私たち。


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そろそろお腹がよくなってくるころ、冬瓜のたきあわせは口中さっぱり。お出汁のジュレがまたおいしかった。


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このあとご飯、香物、デザートがなんとマンゴープリン!
なんやさっきお腹いっぱいゆうてたんちがうの?(^◇^;)いえいえ、これが別腹でございます。


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いっぱいしゃべって、食べて満足して外に出れば、、、、ああ、外ならなんとか聞こえるコンチキチン。放下鉾やな。


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この日はまだ露店もでず、観光客はほとんどいなくて、地元のひとがほとんど。鉾をみあげつつゆっくり歩いてお囃子を楽しめた。これが昔の宵山の風景だったんだろうなあ。鉾建て山建てが終わったばかりのこのころが、一番風情があって狙い目だと思うのだが。


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とにもかくにも祇園祭、無事お開きになりますように。できたら良い天気でありますように。







鉾建ての鉾町を歩く2014〜菊水鉾曳き初め - 2014.07.13 Sun

その鶏鉾の鉾立におつきあいの間、ちょこちょこぬけだしてほかの鉾町にも足をのばす。


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四条通りで月鉾の法被をきたおぢさんを見たので、どこまで建ったのか見に行ったら、、、


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すでに鉾建て完成して、ご祝儀の振る舞い酒を配ってはった。お!のこり4個か!


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というのですかさず「ちょ〜だいっ!」と手を出す。てったい(手伝い)もしてないし声援も送ってないのに厚かましい、、、けど、、、、ゲット!月鉾の焼き印入りの枡は杉のすてきに佳い香りがして、甘露でありました。


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室町通りを上がると、菊水鉾の鉾建て中。ここは四条の下より道幅が狭いので、人でぎゅうぎゅうになるも間近で作業見学を楽しめる。


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町内に古くからあった井戸、菊水井にちなんだ鉾。武野紹鷗がこの井戸を愛用してこの地に大黒菴を建てた碑だけが残る。


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菊の鉾ヘッド。(鉾頭)意外と繊細な作り。
この鉾のご神体は中国の超ご長寿の仙人・彭祖。実は菊慈童の後の名前とか。


さて、次の日、この菊水鉾の曳き初めにいきあたって(ちょこっと)参加してきた。


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たどり着いたときはすでに室町通りから四条通りに出てきたとこだった。狭い通りからでてくる様はまことにかっこよい。


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四条通りの真ん中で反対方向に向きをかえて後ずさる。


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お囃子の音が祭気分をもりたて、綱を曳く手を煽り立てる。


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屋根方をつとめるは作事方のうち、大工方。祭の華やねえ。


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さあ、室町を逆に上がる方向で曳き綱の場所を確保したぞ。


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♪ エンヤラヤ〜


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音頭取りは作事方のうち手伝い(てったい)方。


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このたくさんの紙弊。実は鶏鉾だけでなく、ここの紙弊付けもやったんだ、私(^_^;

菊水鉾はこのあと会所の階段に横付け、宵山をまつ準備。ここでは菊水井にちなむだけあって、毎年お茶席があります。銘菓「したたり」がでますよ。巡行には荷茶屋(にないちゃや)も付いてくるし。


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前日鉾立をみた、鶏鉾も完成の姿をしっかり拝見して新町通りへ。


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途中綾小路で綾傘鉾の会所ものぞく。先日まで舞良戸がたっていたところがすっかり会所のしつらえに。


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船鉾町。


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他の山とはちがう船鉾独特の舩のかたちが見えてきて、わくわくする。今年は大船鉾も巡行するしな〜。(見られへんけど、、、(T_T) )


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船鉾の南、岩戸山も完成まぢか。


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これは鉾の手すりかな?


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そうそう、この前気になりつつスルーしたお向かいの町家へ入って見よう。ここは今年から岩戸山の二階囃子の会所を無償で提供してくれるようになったんだ。


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なんとまあ、立派なお屋敷だったんだ。 昭和初期に建てられた元呉服商のお屋敷だったらしい。100坪以上は確実にある。


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それを改修してギャラリーや集会所、カフェとして再生させた模様。
THE TERMINAL KYOTO。台所の火袋が閉ざされているのが火袋フェチとしては残念だが、一見の価値のある町家です。(ただし飲み物は多少お高め^_^; )







蓮酒いただきました!〜三室戸寺 - 2014.07.12 Sat

宇治の三室戸寺。


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私がまわったことのある、京都の紫陽花の名所としてはピカイチだと思っている。でも今年の紫陽花見は南山城の岩船寺の方にいったのでこちらには来られなかった。


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まだ紫陽花は咲き残っているけれど、ピークは過ぎてしまったな。


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さて、三室戸寺でもひとつ有名な花は蓮。


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1年に1日だけ、こちらで蓮酒を楽しむ会が開かれる。今年はうまいこと休みの日にあたったのでやってきた。


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なにせ先着300名なので午前中早くにでかけたつもりが、準備した蓮の葉がもうなくなって、急遽この蓮の園の葉を切って追加しているという。それも限界があり、なんとかすべりこみセーフ!


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蓮の葉をわたされ、こんなふうにブランデーグラスのように持つ、、、とお寺の方の飲み方指導を受ける。


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あらかじめ茎の元に穴が二つあけてある。ふふふ、、確かに象さんの鼻みたい。「象鼻杯」っていうものね、蓮酒は。


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お酒をついでもらったら一生懸命茎から吸い込む。


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こんな感じ。うぷぷぷ、、、、自分のことは棚に上げるが、なんだか滑稽な感じがしないでもない(^-^)


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一生懸命すっていると、プクプク小さな泡が浮かんでくる。ストローで吸うよりはるかに吸引力がいる。蓮の茎の分泌物とお酒が混じって極楽浄土の味になるとかならないとか。まあ、ほとんどお酒の味なんだな。


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しかし、半合くらいはあったのじゃなかろうか。朝も早ようから、こんなに良い気分に酔っ払っていいのだろうかしら(^_^;) うへへへ、、、


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葉の陰のつぼみ。


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すくっと伸び上がったつぼみ。合掌の形。


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華開き


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散華


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如雨露の口のような実が熟してゆき、(根はレンコンになり)


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そしてその実は蓮の実ご飯になりました。
いただきます!(^o^)






今年の鉾建ては鶏鉾におつきあい - 2014.07.11 Fri

祇園祭=べた〜っとむし〜っとあづい、、、暑いのだ。これがなくては祇園祭とはいえん、、、とかなんとか強がってみるが、へたすりゃ熱中症だよ、こりゃ。


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今年はじっくり室町四条下ルの鶏鉾の鉾建てに密着。あやうく暑さで気が遠くなりそうになりながら、ほぼ4時間おつきあいした。(自分でもよ〜やるわ、と思う。でもそういう体力があるうちにね)

お昼過ぎにいってみると本体はもう完成。


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本体にこの真木(しんぎ)を建てるのだ。ちなみに昨年見たのは北観音山の真松上げ。真松に比べると鉾のは重量がはるかに重いので、慎重で時間のかかる作業になる。


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宵山や巡行の時ははるかに高いところにあるのでよく見えない赤熊(しゃぐま)。ふ〜ん、こうなっているのか。


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ならぶとこんな感じ。どうして赤熊というのだろう?シャグマといえば維新の官軍のかぶり物思い出すんだけどな。


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中ほどには金鶏。
鶏鉾の由来は中国の「諫鼓(かんこ)」の史話より。唐の堯帝の時代は天下がよく治まっていたため,訴訟用の太鼓(諫鼓)も使われることがなくなり,苔が生え鶏が巣を作ったという故事に由来。これはその巣くった鶏か?


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真松を建てるため、まずは本体をひっぱって90°傾ける。


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支点になる重要な部分はこんな感じ。この縄の巻き方に秘訣があるのね。


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回転終了。


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この穴が真木を差し込む場所。


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そうこうしているうちに鉾の先端に鉾頭が飾られる。


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紅白の布が若干色あせとるが、、、(^_^; この丸いのが諫鼓を表すのかな。


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針金で真木にとりつけられていた榊の連結部を縄できれいに巻いて固定していく。


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天王台にましますは、鶏鉾の場合住吉明神なのだそうだ。今は布で隠されているけれど、ちらっとみえたところでは翁の姿だったな。(謡曲「髙砂」の前シテは翁、後シテは住吉明神だし)



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それにしても七つ道具を腰に巻きつけた作事方はとてもカッコイイ。一年で一番カッコええ時とちゃうか。


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真木の上には鉾を建てる綱を通す滑車がとりつけられる。これもしっかりとりつけなければ危険。


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いまから真木を本体に差し込む。


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作事方全員で真木をかつぐ。重そうだ。


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さすがうまいこと一発で入りました!


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さて、お次はお楽しみの?紙幣付け!


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榊に付けていくのだが、ものすごくたくさん付けるので、(その方が巡行の時かっこいいよね)


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道行く人も見物人もみんなお手伝い。わたしも10枚くらいつけたかなあ。


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鉾の進行方向になる部分にたくさん付けてくれ、というアドバイスもあり。なるほど〜。ずいぶんたくさん付いたな〜。


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一方本体の方では四本柱ももう取り付けられ、縄でしっかりと固定されている。


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四本柱の根本になる部分。あの溝はこれをはめるためだったのか。いつも華麗な完成形しか見ていないので、こういうスケルトンの構造はとてもおもしろい。


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上から下へ、木槌で締めながら真木に縄を巻きつける作業。これがかなり時間がかかっていた。縄がねじれないようにくるくる、餅つきのような共同作業で巻いていくのは、見た目よりはるかにむつかしい作業と思われる。



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一方鉾の前方では鉾建て用の綱を準備。しっかり結ばないといけないと同時に用が終わった後、するりとほどける必要もあるわけだから、これも特殊な結び方なのだろう。


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先ほどの滑車に綱をつけて、



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巻き上げる反対側の綱を本体にしっかり結びつける。

さあ、いよいよ鉾が立ち上がる瞬間だ!


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ゆっくり、ゆっくり、上がって行く。


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ぎしっ、ぎしっと音を立ててもし綱がほどけて倒れでもしたら、、、と思うと恐いほどだ。



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でも作事方は自信があるのだろう、涼しい顔で巻き上げていく。あと、少し。


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ついに建った瞬間まわりから、拍手!
ふー、、、さすがに重量級の鉾は迫力あったわ。


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一息つくまもなく、今度は車輪をとりつける石持をセッティング。


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これも息の合った共同作業で全部人力なのだ。


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ちなみに作業が一歩早く進んでいた函谷鉾では石持を本体に結びつける芸術的な縄結びをやっていた。


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途中にわか雨に降られながらの長時間の作業、まだこの車軸付けなどの仕事も残っているしほんとうにお疲れ様なのだが、私の方がもっとお疲れ様になったので(^◇^;)このあたりでお別れすることにする。

1年に1回、自信と技術と誇りをもって作業する作事方のみなみなさま、ほんまにご苦労様です。そしてとてもかっこよかったです。


神輿洗いの夜、、、、が終わったあとで(^_^; - 2014.07.11 Fri

今年はほんっと、曜日めぐりが悪くて。

10日20時から神輿洗いの神事と中御座神輿をかつぐ暑苦しい輿丁さん達の♪ほいと〜ほいと〜、、が聞きたかったのだが、、、


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神輿洗いの行われた四条大橋からはもう斎竹さえ撤去された後だった、、、(T_T)
あと阪急電車の駅で四若さんの法被をきたおぢさんたちをみただけ。

まあ、しかたない、せめて神輿を拝みに八坂神社まで行こう。


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仲源寺(目やみ地蔵尊)を通り過ぎて、、、(ここは神輿洗いの「御神用水」を汲み上げるのに先立つ神事がおこなわれるお寺なのだ。)


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雨でしっとりぬれた花見小路の石畳を横目で見つつ、、、(♪やさしい雨の 祇園町〜  byかぐや姫 古っ!)


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八坂神社ではもう三基の神輿が勢揃い。


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神輿洗いは中御座の神輿だけが出るので、かつぎやすいように荘厳類を全部とりはらってあったのを、復旧作業中。神幸祭、還幸祭では中御座は三若の輿丁さんがかつぐのだが、神輿洗いだけはなぜか四若さんがかつぐ。これもまだなぜなのか、謎のまま。


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中御座は真ん中で六角形、向かって右は四角の東御座とそのミニチュア(子供がかつぐ)、左が最重量級の西御座、八角形。


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清々講社(祇園祭をささえる募金団体のようなもの)の方々かな。おそくまでご苦労様です。無事神輿洗い神事がおわってほっとされているようだ。神輿に一礼して帰っていかれた。



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飾りをつけるのも決まりがあるようで。


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ぐるぐる紐で縛っているところなどは、山鉾の組み立て作業ににている。


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そうこうするうちに飾り付け終了。
静かにならんだ三基の神輿は晴れの日を待ちます。17日神幸祭、24日還幸祭。この還幸祭に先立つ露払いの山鉾巡行、今年後祭として復活しました!


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まずは17日の神幸祭、この石段下にあつくるしいいなせな輿丁さんがぞくぞく集結する姿が楽しみでならない。



七夕に茶会と夕ざり茶事と - 2014.07.10 Thu

七夕の一日前の日曜日、とてもすてきな茶会と茶事を連チャンで。


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祇園祭ただ中の鉾町にある京都芸術センター(旧明倫小といったほうが通りがいい)にて某お社中のお茶会へおじゃま。


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ここは小学校の建物をそのまま使っているので1Fの待合も元教室です。で、なぜか待合まっくら、、、
黒板にはプロジェクターが渦巻く銀河の映像を流し、「銀河鉄道の夜」の一節や、星をうたった和歌なども投影。ああ、今夜は七夕祭りね。短冊ももらって願い事を書く。何年ぶりや〜。

机の上の糸巻きをランプにしてあるのも手作りなのね。
汲み出しならぬサイダーに、社中のみんながこれも手作りしたという夜空色の干琥珀(これつくるのめちゃむつかしいのよ!)にめずらしい葛のラムネをいただいていよいよ席入り。


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席入りは小学校の階段を登って。階段を銀河にみたてて、これから銀河のただ中、天上の世界にいざなってくれるようです。

明倫茶会も毎月おこなわれる茶室が3Fにあって、こちらの入り口の笹の葉にさきほどの短冊をむすびつける。七夕らしく五色の糸ならぬ七色の糸も飾られ、煙草盆にみたてたガラスの盒子(?)にはナゼかセブンスターが1パック。セブンスター、Seven Star、、、、あ、そうか、星か!\(^O^)/

花はガラス玉にもみえるきらきらした吸水性樹脂(生け花によくつかわれる)をいれたたくさんのシャーレに浮かせて。銀河に咲く花のようにもみえる。


もう次から次から、たくさんのきいろな底をもったりんどうの花のコップが、わくように、雨のように、眼の前を通り、三角標の列は、けむるように燃えるように、いよいよ光って立ったのです。 「銀河鉄道の夜」



香合がガラスの鳥でなかにリンゴのインセンス。


「何だか苹果(りんご)の匂がする。僕いま苹果のこと考えたためだろうか。」カムパネルラが不思議そうにあたりを見まわしました。「ほんとうに苹果の匂だよ。それから野茨の匂もする。」ジョバンニもそこらを見ましたが、、、   「銀河鉄道の夜」


小学校時代から大の愛読書だった「銀河鉄道の夜」、もうずいぶんと長いこと手にしていない。久々によんでみようかなあ。

それぞれが持ち寄ったお茶碗には星にまつわるものがちりばめられて、水指の蓋が星座表(これも手作り!)という素敵さ!お菓子は老松さんの葛餅で、まるで宇宙から地球をみたような水色の餡がとてもきれい。一席が終わった後、蓋をあけたままの水指を拝見すると、、、あら〜!中に梶の葉が!おもわずにっこりしてしまう。

センスの良い手作り感がいっぱいで、どれも若い社中の方々がワイワイがやがや楽しみながら作られたのだろうな。亭主の楽しみ感がたくさん伝わって、こちらもとても楽しい気持ちにさせてもらえた。感謝です〜!


その足で次なる夕ざり茶事へむかうころには、ぽつぽつとあいにくの雨。七夕(の1日前)というのに。


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ここは富田林のじない町(寺内町)。
16世紀に興正寺を核として形成された自治都市が、今も江戸時代の街並みをそのまま残す町で、大好きな場所。ここへくるのもはや4回目になる。たどりついたときはけっこうな降り。


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来るたびに町家を生かしたカフェやレストラン、雑貨店などが増えていて、人の誘致にはよいのだけれど雰囲気を壊さないでほしいな、という思いも。


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それは数年前ここに居をかまえて、お茶を通じて町の活性化にも取り組んでいる峯風庵さんの思いでもある。建物の改修や店の内容について町独自の規制はあるのかと聞くと、ないのだそうだ。ただ町を維持しつつ活性化しようとがんばっているおもだった町の人たちとガイドライン作りははじめているそう。どうか京都の某三年坂みたいに、ならんように、もうければええというような東京資本に浸食されへんように、祈る。

あ、ちなみにこの玄関の釣りシノブはじない町全体にこれを吊るそう!という運動を峯風庵さんが提唱して根回しして実現したものらしい。もう、すっかりここの町の人になられたなあ、と感慨深い。


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(じない町の味醂蔵だった建物を利用したカフェの一画)


で、夕ざりの茶事はこちらでは2回目。夜咄の茶事の準備(の準備)をちゃくちゃくと(?)すすめる私は燈火器の扱いなどをここで勉強させていただこうと。

夕ざりは初座が陽で後座が隠になるので、最初は花が飾られている。席入りの時はまだ明るいが、時間の移ろいとともに夏至をすぎた長い日も暮れてゆき、後座が始まる頃には燈火が美しい暗さになる。この宵の風情こそが「侘び」なのかも。露地は使えないが、雨の夕ざりはことさら風情がある。


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懐石はすべて手作り、しかもどうしてこんなに手が込んだ物を!とびっくりするような献立。たとえば煮物椀にはわらび餅で海老や枝豆をくるんだものとか。材料は前日までに大阪の黒門市場でご用意くださった。毎回くるたびに目からウロコの違うメニューで、とてもまねできない。(峯風庵さんの懐石教室に一度いったんだけど、私は役立たずどした〜^_^;)

主菓子も手作りでこれも手が込んでるの。水色と白の二色の餡と小豆一粒を葛の薄板で巻いてある「夏ころも」。


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中立のあと、後座の席入り、茶室はもう暗く、短檠と床においた手燭の灯のみ。まわりが暗いと人は自然と火のそばによってくる。お互いの心理的距離感も縮まる。

続き薄では、その縮まった距離のおかげで初対面の方とも話がはずんでとても楽しかった。峯風庵さんのじない町Loveもしっかりうけとめたし、この町の良い形での活性化に彼女は欠くべからざる人材になると思う。ただ、「お茶」というとどうしても敷居が高いと思う人が多くて、なかなか峯風庵へはいってきてくれないのが悩みとか。普通の暮らしの中の一風景として、お茶をなじませる努力はいろんな方がされているが、これもまだまだむつかしいテーマのようだ。私は身近のダンナひとり調伏させられないでいるが、めざすは孫娘(まだ2才)や!手ぐすね引いてもちっと大きくなるのを待っている。



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茶事の後、雨の中駅までの夜道を行く。


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この雰囲気にいやされて雨の中も苦ではない。この町がこの雰囲気のまま次の時代まで生き残りますように。


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最後に持ち帰った干菓子をご披露。四天王寺・河藤さんのもの。茶事ではお盆の上に金魚と渦巻と、、、なんと手作りのポイ(夜店で金魚すくうあれ)まで添えられていたのでアリマシタ!



京都甘いもん〜夏至のころシリーズ - 2014.07.09 Wed

時間をみつけてはちょこちょこ甘いもんいただいている。ちょっと画像が溜まってきたので一気に放出!


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ここんとこいただいた中で一番の衝撃(?!)食感はこれ。
二條若狭屋・寺町店の「そら豆かき氷」! 5月にはイチゴジュレたっぷりのイチゴかき氷に感激させてもらったが、これはまた別の意味でビックリ。

ソースはそら豆のずんだみたいなものだが、実になめらか。ただしペースト状なので氷との親和性があまりなく、口の中で溶けようかな〜どうしようかな〜と考えているような、、、、そんな不思議な食感。まあお試しアレ。季節のフルーツで次々とかき氷のイメージを刷新してくれるこのお店に注目!


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こちら自家製梅ジュースゼリー。ゆるめのゼリーで自家製(梅の実も自家製)梅ジュースをかためた。倉敷ガラスの小さいグラスにいれるときれい。ジュース作成に紅芋酢をつかったので、ほんのり紅色が我ながら上出来!


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千本玉寿軒さんの「氷室」。これは夏越の祓のころにいただいたもの。うっすら浮き出る△は切り出された氷室の氷の形。もちろんあの和菓子、水無月の原型やね。こういうぼんやりしたシンボルでイメージをひろげさせてくれるのは、京都の和菓子なればこそ、と思う。


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これは鶴屋さんだったかな?(不明)ずばり七夕のお菓子。葛でくるんだブルーの餡がとてもきれい。真ん中の白い筋は天の川。京都の上生はきれいなブルーはあまり使われず、どちらかというと少し緑がはいった青磁色が多く使われていたらしいが、最近はけっこうこういう色の和菓子もみるようになった。

奈良のお水取りの頃の生菓子、糊こぼしは椿の花弁に真っ赤な色を使うが、さすがに京都ではまだそんなビビッドな赤を和菓子にみたことがない。これも土地柄の違いが出ておもしろい。


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高倉通りの太極殿栖園さんの看板、琥珀流し。6月は梅酒でした。(7月はミントのはず)月替わりの蜜が人気の琥珀流しですが、私はこの梅が一番好き。(ただしこのシーズン、並ばないとなかなかいただけない)


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で、自家製で作っちゃいました、なんちゃって琥珀流し。これもゆるめの寒天を作って、例の自家製梅ジュースをかければ完成!、、、まあ、味も見た目も似ていなくもないかσ(^◇^;)


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最後に木屋町のソワレ。
ソワレ、築地、フランソア、、、といえば私たちより1〜2世代上の方々御用達の木屋町レトロ喫茶御三家。学生の頃は敷居が高くて入ったことがなかったの。(ソワレは昭和23年創業。言っとくけど、私ですらまだ生まれてなかったわよ!)


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これは2階。灯りがブルーなのはソワレがきっと夜会という意味だからね。それにここを愛用した画家東郷青児のイメージカラーだし。


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これこれ!
ソワレ名物、ゼリーポンチ!
サイダーのなかに浮かぶ七色のゼリー。え?暗くてわからんって?ご自分の目で確かめてきてね。そりゃ〜綺麗です。


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それぞれが宝石の色、これはサファイアかな?

と、きれいにまとめたところで(?)今夜はここまで。





東福寺〜梅雨の点描 - 2014.07.07 Mon

七夕は旧暦でやりたいけれど、せっかくだから梶の葉を。
我が家の梶の葉は今年はあまり分葉しないで丸い葉ばかりつける。これはまだ分葉してくれたほう。みんな願い事を短冊に書いたかな?


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さて、もしかしたらこれから先、一生いけないかもしれない場所がある。
ひとつ、秋の嵐山、ふたつ、秋の東福寺。

だって殺人的な混み具合と聞いているのでおそれをなしている。
でもこの季節ならOK! 人は少なくゆっくりまわれるので、久々に東福寺にでかけてみた。


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13世紀鎌倉時代開山の広大な寺院、東福寺。25もの塔頭があるひとつの町のような寺なので、民家との境界があいまい。普通のお家が続くな、と思っていたら急に寺内領域にはいっていたり、出入り口がいくつもあったり、、でそぞろ歩きにはかなり時間がかかる。

これはいくつもある寺への道のカシワバアジサイ。


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山門まえの池には仏の台(うてな)、蓮の花が見頃をむかえている。


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はちすの中には極楽浄土があるという。あ、ここは臨済のお寺なので極楽浄土とはいわないのかな(^_^;


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数年前、時間切れではいりそこねた本堂の方丈庭園、かの重森三玲の畢竟の力作を今日こそは。


南庭。水紋は梅雨の時期にふさわしいと思ったが、もともと八海、つまり海を表しているので水紋でなければならない。八海は中国の蓬萊神仙思想、さらにはインドの九山八海思想からきている仏の世界の小宇宙にある海のことだそう。
枯山水は見る方の心の持ちようで、ただの岩と砂にもみえるし、宇宙にも見える。う〜ん、私にはやっぱり海くらいには見えるが、宇宙には見えん。


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振り返れば、庫裡の大屋根の瓦のリズム感が美しい。


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ここからは三玲ワールド。きたきた、このアヴァンギャルドなサツキの刈り込み!西庭の井田市松。
遠目には切った羊羹にみえてしまう私は甘党です。(いえ、ほんとは両党遣いです)


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あまりにも有名な北庭の小市松!苔のもこっとした盛り上がりがかわいい。
しかし苔の管理はたいへんだろうな。

、、、と凡夫の私は庭を見て悟りを開くこともなく方丈をあとにする。


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そしてここが、秋には人の重量で橋が落ちやしないかとさえ思われる混雑ぶりの通天橋。
今はご覧の通り、橋を独り占め。


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だいたい紅葉が美しいところは青葉も美しいのだ。これを見ないなんてもったいない。(紅葉を見に行かないいいわけのようにも聞こえる(^_^;  )


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ここはもう京都市内とはとても思えない。(市内にはそういうところが実はたくさんあるが、、、、)
広大なたくさんの塔頭を持つ寺院は京都に数々あれど、ここほど山の気を感じさせてくれるところはないのではないだろうか。しっとりとした苔の匂い、山の匂いがここちよい。


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春から夏に紅葉するノムラモミジ。まあ、これでもながめて秋の紅葉気分を味わおうか。(負け惜しみくさい)

通天橋から開山堂へ。


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ここの参道の石がまた渋いグリーンがすばらしく美しい。岩石の分類にはあかるくないが、緑色岩とでもいうのだろうか。


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開山・聖一国師(円爾弁円)をまつる開山堂は美しい楼閣を持つ。禅宗の寺としては珍しいと思うが。ちなみに円爾さんは中国・宋より茶の種を故郷静岡に持ち帰った静岡茶の茶祖だそうだ。


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蒔絵のデザインにありそうな羊歯のリズミカルな群生。


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ここにも蓮。


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通天橋遠景は臥雲橋より。この橋は短いがとても風情がある小橋なのだ。(画像ないけど)


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臥雲橋をわたって、この季節いっておきたい塔頭が天得院。


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桔梗の名所。この時期は夜間ライトアップもある。(ただし夜は人通りの少ない境内を通って帰らないと行けないので、ちょっとこわいよ)
拝観者には毎年手作り感ただよう団扇もくれます。


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群生すると桔梗はさらに美しい。
英語でbaloon flowerはそのつぼみの形から。でも身も蓋もない西洋的ネーミングだなあ。万葉集では「アサガホ」、ゆめゆめ万葉集のアサガホをあの朝顔とお間違えなく。


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東福寺の駅前・鶴屋弦月さんの桔梗のねりきりをいただきつつ一服。

ちなみにここの住持であった清韓和尚が起草したのが例の「国家安康 君臣豊楽」。方広寺の鐘の銘文で家康にいちゃもんをつけられたアレ。よって天得院は家康によってとりこわされたのだそうだ。現在の建物は江戸中期に再興されたものとか。


おむかいの雪舟の庭で有名な芬陀院にも行ってみよう。

しかし、だれも出てこない。


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玄関のところに「不在の時は拝観料をここにいれてください。」の箱がある。なんとおおらかな、、、(◎-◎;)!


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雪舟作と伝わる庭に面したお堂には、、、、人っ子ひとりいないので、独り占め(^_^;
こういう静かなのもいいなあ。荒廃したこの庭を補修したのも重森三玲だったそうだ。ちなみに三玲さんは我が郷里岡山出身の人なの。吉田にある吉田神社社家を改修した旧・重森三玲邸も機会があればおすすめ。(要予約)


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茶関白といわれた一條恵観公(後水尾天皇の弟)が愛した四畳半茶室「図南亭」。焼失したのを昭和になって再建した茶室の円相の窓から雪舟の庭を見る。こういう開けた眺めの茶室もまたよいなあ。




二階囃子の夜・2014 - 2014.07.06 Sun

この時期、夜の四条室町に立つと、あちらからこちらから祇園祭のお囃子が聞こえてきて、幸せな気分にひたれる。山鉾立ての前まで、お囃子の練習が町家やビルの二階でくりひろげられる。なので二階囃子といわれる。


室町から少し西に行くと、四条通りに面した月鉾の会所がある。





お囃子は鉾によってそれぞれ違うので、地元で育った人には、あれはどこそこのお囃子や、とわかるそうだ。私にはなんとな〜く違うかもな、、、という程度の違いしかわからないが。

それに巡行に出かけるときと帰るときでは同じ鉾でも囃子のリズムが全く違うというし、それもまだようわからん。(まあ、その程度の祇園祭好きです^_^; )

本日は動画をたくさんアップしたので(どれも1分以下の短いものですが)聞き分けて下さいね。


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ちなみにここは月鉾のちかくのノスタルジック?ラーメン屋さん。祇園祭ウォッチの時には愛用してる。「昭和〜」な雰囲気を味わえるとこもポイント高い。


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室町を少し下がったところ、鶏鉾の会所はビルの上。町家の二階なんかが雰囲気はいいのだが、これもご時世ってやつ。


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ここは今はお休み時間かな。浴衣姿の小学生らしき子たちが談笑している。鉾町では4年生くらいからお囃子方にはいるそうな。そろいの浴衣は反物を6月中に配られて、お囃子のお稽古までに自宅で仕立てるらしいから、家族もたいへんそうだ。


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新町を高辻あたりまで下がると、ほぼ南の端の岩戸山の会所が。この山は昨年までガレージで練習していたそうだが、今年からギャラリーに改修された大きな町家の二階を無償で提供されることになったんだって。
先日ここの前を歩いていたら、ギャラリーへどうぞ、とお兄さんが声をかけてくれたところだ。残念ながらスルーしてしまったが、今度行ったときはギャラリーも見せてもらおう。






時々通りを通過する自動車の音がはいっていてゴメンね。


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この鉾町にはかの木乃婦さんがある。巡行の日の朝に大将もお見送りされていたのをお見かけしたことがある。


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新町通りを少し上がると舩鉾の会所。ここはほんまに古い町家の二階で、良い風情です。お向かいは指定文化財になっている長江家住宅だし、町の雰囲気もとてもいい。

ちょうどお囃子が始まるところが聴けた。はじまりのゆっくりした太鼓の音がとてもいい。





格子戸の前にうつる人影。こういう景色も好きだな。


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舩鉾をちょっと上がって綾小路を少し西に行くと、伯牙山の会所になる杉本家住宅。14日から屏風祭展として一般公開されるので、お時間のある方は是非。古きよき時代の(人であふれかえる前の)祇園祭の雰囲気を垣間見ることができると思う。


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新町通りを四条通りを渡って北に行く。放下鉾会所。ここは昨年内輪でトラブルがあって、会所が閉鎖されていて残念な思いをした。風情のある会所なのに。


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でも今年はトラブルも解決したらしく、ちゃんと二階囃子してはる。よかった。宵山で上がることのできる、会所、鉾なので、今年は2年ぶりに三光丸(放下鉾のご神体)君にも会えそうだ。うれしい。


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ここから北は後祭の山鉾エリアになる。下り観音こと南観音山は今日は二階囃子お休みみたい。


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そこを北に行くと、、、ここにはかつて伊勢丹松坂屋のすごく大きな立派な町家があった。そこが更地になったときには愕然としたものだ。今はホテルが建っている。せいいっぱい風景をこわさないような景観上の配慮が成されていると思うが、後のビルの部分がやっぱりねえ、、、、


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その北にある上り観音こと、後祭の先頭を行く北観音山。昨年も一昨年もこの山の松立てを見せてもらったが、今年はいけそうもない。ここの斜めお向かいには山鉾連合会会長であり、祇園祭を前祭・後祭の本来の姿に戻すのが悲願とおっしゃる吉田会長のお宅、吉田家住宅がある。






ここのお囃子はなんだか好きで、毎年長い時間聞かせてもらっている。お向かいの病院の低い塀柵が座るのに心地良くてね(^_^;


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いつまでも聞いていたいがそうもいかず、帰る道々、室町には鯉山の会所が。ここも宵山のとき良い風情が楽しめる場所だ。


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こうしてライブのコンチキチンを聞いているとどんどんお祭りアドレナリンがでてくるのを感じてしまって少々ヤバイ。今年も祇園祭の京都にいることができることに感謝。




粽作り〜鉾町を歩く - 2014.07.03 Thu

今年も祇園祭月、始まりました。でも準備はもっと前からすすめられているのね。


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6月末、粽作りのおしかけボランティアお手伝いに今年もいって参りました。祇園祭学講座の単位になっている実習の大学1回生にまじって(^_^;


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粽自体は完成品がおくられてきます。上賀茂の熊笹でつくった粽は、とても良い笹の匂いがします。この香りに包まれるだけでもしあわせ。なにやら御利益がありそうな。
最初の作業はこれに大原神社(綾傘鉾の会所)の御札のついた紙を巻いていくこと。



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巻いても巻いても、あとからあとからわいてくるような粽の山。綾傘鉾は今年3600個の粽を作る予定。(これが長刀鉾になると1万なんですと!)


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宵山で売るこの粽は鉾の保存維持にとって大事な収入源だし、買ってくれた人のお家を門前で1年間守らないといけないものなので、丁寧に、でもすばやく作業する。


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次の作業は粽のビニール袋詰め。空気をぬいてきっちり詰めないといけない。

大学生たちは県外からの子が多く、祇園祭も初参加の子が多い。男の子達は巡行にも参加する予定で、女の子達は宵山で粽売りのボランティアをするそうな。


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これが完成品。ビニール袋入りなので雨にも大丈夫。昔は裸でつっていたような記憶があるけど。この粽も鉾によっていろいろな意匠を工夫してあって、どれにしようかと迷うのよね。



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最後の作業は、宵山で買っていただいたときにいれる紙袋の紐通し。

この綾傘鉾には不思議なご縁があって、学生の時このほん近くの大きな商家の二階に友人が下宿していたの。いまでは、もうその大きな表家造りの町家はあとかたもなくなっているけれどね。
それから数年たって、もう結婚していたとき、友人の新婚さんの住むマンションがやはりこの近くで、宵山の夜におよばれしたっけ。昨年、またまた貴重なご縁があってこちらの粽作りに参加させてもらっている。大原神社の御利益は縁結びというから、これも御利益かも(^_^;)


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ふ〜、、、あれだけあった粽も紙袋も、人海戦術で昼前にはかたづいた!ご苦労様。


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会所となる大原神社。

洛中も人口が減ってきて、祭の担い手も減ってきて、今はこうした学生さんやよその地域からのボランティアが下支えをしている。外人さんもいるしね。もとは下京の土地っ子の祭礼だった祇園祭も、今はグローバルな祭になった、というかならざるをえなくなった、というところか。


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大原神社の中。宵山ではここにご神体の金鶏などが飾られるはず。

山鉾巡行の日、朝の会所前がとても風情があるとおもう。(今年はいけそうもないが)巡行だけを見るのではなくて、出発前の景色も行ける方は味わってね。


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早く作業が終わったので、近くの荒川益次郎商店へ半襟を見に。ついつい夏の半襟買ってしまった。



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新町通りを見ると、電柱にはすべて黄色いカバーがかけられ、すでに祇園祭仕様になっている。


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鉾がたくさん立つ(予定の)新町通りを歩く。

「クラブ岩戸」、、、??営業しているのか?そう、ここは岩戸山の鉾町。お隣にはりっぱな大きな町家があったけれど、入り口の構えだけ残して奥は駐車場になってしまったのだな(T_T)
新町通りでさえ町家は危機的状況にあるようだ。


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岩戸山の近くにある菅大臣神社。ここはよいお茶室があって月釜もあるのよ。実はここの石畳に牛の角がかくされている、と聞いてずっと気になっていた。前に来たときは全然気づかなかったし。そこで、石畳ばかり見ながら歩いてみると、、、、


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これかなぁ〜???
行かれる方、是非見つけてみてね。


今年の祇園祭は半世紀ぶりに後祭復活の記念すべき年だというのに、曜日めぐりが最悪で、巡行は前祭も後祭も見られそうもない(T.T) 他の行事ものきなみダメかも。

かわりといってはなんですが、昨年はくじ取り式まで見ることができたので、よろしければご参考までにのぞいてやってください。(祇園祭2013


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こちらはこの日衝動買いした朝顔の半襟。


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我が家の座敷も網代と葦戸に変え、夏座敷に。


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今年復活する大船鉾にちなんで、船鉾の軸も掛けた。
今年の祭がつつがなくお開きになりますように。私もきびしいスケジュールをぬって、がんばって楽しませていただこう。

南山城<後編>〜当尾石仏の里から浄瑠璃寺 - 2014.07.01 Tue

岩船寺を出て浄瑠璃寺までは約1.7km、下り坂なので当尾石仏群を訪ねながらゆっくり歩いても40分ほど。


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当尾の里は山の中なので、はるか下に市街地がのぞめる。
学生時代は踏破した(はず)のだが、残念ながら今回は時間があまりないので、一番近い「笑い仏」のところまで。


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こんな山の中、けっこう手強い。手すりは最近つけられたらしい。石仏めぐりは当尾の目玉なのでいくつかのグループとすれちがうも、ひとりではちょっとこわい薄暗さ。


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苔むした巨石。ひんやりと冷気もあって、山の匂いがする。

かつて寺院が散在した当尾は、そこへ行き交う人々のために多くの磨崖仏が造立されたという。信仰の里なのだな。


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通称「笑い仏」こと阿弥陀三尊磨崖仏に到着。かなりの巨石。刻銘から1299年、鎌倉時代のものと判明しているそうだ。仏様を刻んである面が手前にかしいでいるのは、見上げる人に正対するためにだろうが、それがかえって良い雰囲気になっている。


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中央に阿弥陀様、左右に観音様と勢至菩薩様。
どの角度からみても阿弥陀様がお笑いになっているようにみえるので、「笑い仏」といわれるようになったとか。たしかに、ね。

他にも「カラスの壺」とか「一鍬地蔵」とか、「籔の中三尊」、「首切り地蔵」、「あたご燈籠」とか、、、名前も魅力的な石仏がちらばっているので、リタイヤ後にまたゆっくり歩きたいもの。


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石仏の道にはこんな無人野菜スタンドがあちこちにある。学生時代には、たしかタケノコを買った記憶があるので、あれは5月のころだったのだな。タケノコの灰汁の抜き方を下宿のおばちゃんに教えてもらって炊いたっけ。今の旬はキュウリとジャガイモか。


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おお!ここにも例のポスターが。


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浄瑠璃寺の門前にはささやかなお土産物屋さんがあって、地場の野菜などを売っている。南山城はなにせ福寿園の工場があるくらいのお茶処なので自家製茶葉も当然ながらある。



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なぜか焼物のコーナーもあったりする。


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緑のトンネルの向こうに浄瑠璃寺が見えてきた。

ここは今では「木津川市加茂町」なんだが、かつては「相楽郡当尾村」であったよし。昔の名前の方が歴史を感じさせて美しいなあ。



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ここにはウン十年前の記憶がかすかにある。あの美しい吉祥天女様を一目みたいと思ってたどりついたのだった。残念ながら今回は非公開の時期なので、再会はかなわなかったが、、、(T_T)


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国宝・九体阿弥陀堂 平安時代。

観無量寿経にある九品往生の概念から九体の如来を祀る。天井板を張らず、垂木や梁裏をみせる建築法が素朴な感じがしていい。


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お堂の裏。ここにも紫陽花。


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猫もいるよ>^_^<


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池をはさんで阿弥陀堂に対面するのは、これも国宝・三重塔 平安時代。こちらは薬師如来(秘仏)を祀る。

薬師如来は東方浄瑠璃世界に住み、現世の苦悩を救い、西方浄土へ送り出す遣送仏。
対して阿弥陀如来は未来の西方極楽浄土の教主であり、そこへ迎え入れてくれる来迎仏。
池をはさんで此岸と彼岸が向き合う形式。


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浄瑠璃寺の名前はこの東方浄瑠璃世界からきたもの。
浄瑠璃とは清浄で透明な瑠璃(青金石=ラピスラズリ)というから、とても美しい名前だな。


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真ん中の池は補修工事中でちょっと景観をそこねているけれど、周りに咲く季節の花は美しい。


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此岸の三重塔の前から対岸の極楽浄土=阿弥陀堂を眺める。これからあそこへむかって、まだまだ悪戦苦闘しなければならないようだ。


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みだう(御堂)なる 九ぼん の ひざ に ひとつ づつ

       かき(柿) たてまつれ はは の みため に   (会津 八一)



南山城<前編>〜紫陽花の寺・岩船寺  - 2014.07.01 Tue

京都国立博物館でやっていた「南山城の古寺巡礼」(すでに終了)。


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南山城の古寺ってなんやろ、と思いつついってみた。
ああ、これは、大学時代好きでまわっていたほぼ奈良(でも京都府)の古寺群ではないか!なんだか懐かしいなあ。、、、というわけで、今年の紫陽花はそのうちの1つ、岩船寺に行ってみようと思い立つ。

車で走ること2時間弱(行きは高速使わなかったの)、えらい遠い。


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岩船寺。
ウン十年ぶり。(けれどさっぱり記憶にない、、、、)人はそれほど多くはないけれど、紫陽花の季節以外はもっと少ないにちがいない。このひなびた感じがええなあ。


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紫陽花と、緑に包まれた室町時代(1442年の刻銘あり)の三重塔。この額縁があってこそさらに美しい。(重文)


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開祖は行基と伝えられる。
一応京都府(木津川市加茂町)なんだけれど、もう数kmもいかないうちに奈良県庁にいたるような、「ほぼ奈良」のロケーション。時代的にも奈良南都仏教の影響が強い。



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ずっと奈良興福寺の末寺であったし、明治からやはり奈良の西大寺の末寺として現在にいたっている。


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このあたりは世俗化した奈良仏教を厭う僧侶が穏遁の地として草庵を結んだ場所なんだそうな。だから南都仏教の影響を受けつつも、どこか隠れ里のような感じがただようのかな。

 
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ここの紫陽花は野生っぽい咲き方がいい。向こうに見えているのは鐘楼の屋根。


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やがてその草庵群が寺院へと姿を変え、塔頭が並び「塔の尾根」ができ、いつしか「当尾(とうのお)の里」とよばれる仏の里になった、という。


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一盛りのご飯みたい(^-^)


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こんな子もいたよ。


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本堂のご本尊は10世紀の刻銘のある木造阿弥陀如来像(重文)。平安後期の普賢菩薩騎象像は、、、「ただいま国立美術館へ出張中。お帰りは7月1日」。そうそう、この普賢菩薩さまには博物館でお目にかかった。印象に残っている。


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紫陽花の小径をいく。


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葉陰にたたずむお地蔵さん。当尾にはたくさんの鎌倉時代からの野仏が道のあちこちにあって、学生時代、そこも踏破したはずなんだが、さっぱり記憶にない。


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カシワバアジサイ。

ここは祈りの場ではあるが、本堂の阿弥陀様より、この美しい花の景色にこそぬかづきたくなるのは、不遜なことであろうか。



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紫陽花の木陰にうずもれるような不動明王の石室(1312年の刻銘 重文)。奥には石に刻まれた不動さんが。重文だけれど、この廃屋みたいな景色に紫陽花がよく似合う。
紫陽花は一枝だけ、部屋にあると豪華な感じのする花なのに、こんな景色の中にあると群生していても自己主張しない控えめな花に見えるな。


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お寺の門前、近くの農家の方がやっておられる休憩所で紫陽花を見ながらお寿司をお昼にいただく。


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農家自家製の新茶もあった。昔はこうやってじぶんちの生垣の茶の木から摘んで、家で蒸して手もみして家で飲んでいたんだろうな。普段用のお茶、、、というか素朴な味がした。





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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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