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2014-09

好日居・茶ノ教室夜会〜仲秋2014 - 2014.09.14 Sun

仲秋=9月(ほんとは旧暦のね)の好日居の茶ノ教室、夜会です。


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日が暮れるのも早くなってきた。好日居は黄昏以降のたたずまいがとても好き。


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本日のテーマは、仲秋の暦にちなんで。

一日は二百十日 八日は中秋の名月 九日は重陽の節句・菊の節句 二十三日は秋分節


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まずはグラスで「かぐや姫」の竹筒にいれた冷水をいただく。青竹に水をいれておくと、竹のエキスや香りが水に移ってほんのりした味がする。(ほんとは中味はお酒のほうがいいけど、、、なんてことは言いませんよ^_^;)

かぐや姫が天に帰ったのは中秋の名月の日。まさしくかぐや姫さんが生まれた後の青竹?と思えるような大きな竹筒でしたね。


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お茶の一つ目は福建省の岩茶・黄金桂。古代中国の伝説では、、月には大きな桂の木がはえていた、、、まさしく中秋節周辺にいただくのがぴったりのお茶。


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好日居さんに一煎目はいれていただく。どっしりボディの香り高いお茶。飲んだ後の茶杯の香りを聞くのもお忘れなく。これがむしろお茶を飲むより好きかも知れない。うっとり幸せな気分になる。

目を閉じて香りを聞くと嗅覚は少し研ぎ澄まされるのでいいですよ、というアドバイス。でもこの時は自然と目を閉じてるなあ。本能的にそのほうがいいとわかっているのかも。


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二煎目三煎目は私たちが交代でいれる。お湯を勢いよく入れると強い味に、やさしくいれるとまろやかな味になるという。発酵をさせている中国茶は微発酵でも力強く、四煎目以降でも味と香りが失われない。同じDNAを持つはずの茶葉なのに(日本のお茶の木は中国から来た)発酵・未発酵の差こそあれ、栽培された土壌、気候でこれほど違う物になるとは。


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二番目のお茶は菊花湯。
無農薬で育てられた小さな菊の花をそのまま乾燥させたもの。そのままでもカモミールのような芳香がする。10数粒グラスに入れてお湯を注ぐ。


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じわ〜っとじわ〜っと花が開いてきて、香りも開いてきた。重陽の節句は菊の節句でもある。

中国の薬学書「神農」には、菊花茶を長く愛用すれば、老化を遅らせ、寿命を伸ばす・・と書かれてるそうだ。漢方薬の原料にもなっているので着せ綿や菊慈童の伝説はあながち根拠がないわけでもないらしい。
とりわけ眼精疲労に効くらしいよ。


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本日の点心は、、、これなんのお粥でしょ???
ほんの〜り甘くてちょっと干し芋みたいな風味があって、、、、だれもあてられません。

これはなんと梨粥!中国では病気の時にこれを食すらしい。

梨をゆっくりコトコト煮て甘みを引き出した汁でたいたお粥、たしかに体によさそう。中には白キクラゲもはいっている。これに氷砂糖を入れてまぜまぜして食べるのもまた乙なんだが、お粥に氷砂糖なんて日本人の発想ではないよね、たしかに。


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最後のお茶は台湾の文山包種2012冬摘み。

包種茶は烏龍茶の中でも最も発酵度が低く、日本の緑茶に近い烏龍茶(でも緑茶とは全然別物)。なかでも文山包種は最高級品とか。


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専門家が「乳香」というミルクの香りが特徴、、、なんだそうだが、ミルクかどうかはわからないけれど爽やかな中にもちょっと華がある香り。


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体の疲れも心の疲れもしばし和らぐ穏やかな宵、おやつの月餅(中国文化圏ではこれを中秋節に食べる習慣が)をいただきながら、煎数を重ねる。

ちなみにこの月餅、東京のZUCO明日のおやつさんのもの。月餅といえば買ってまで食べようとは思わなかったのに、ここのはほんとにおいしかった!月餅に対する認識がかわった。


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楽しく穏やかな夜会なれど、果てしなく続けるわけにもいかず散会の時間。外に出てみると、、、


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好日居からよく見える東山の上にいましも立待月が大きく上ろうとしていた!これこそ今夜の茶会の締めのご馳走。


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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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