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2015-01

細見美術館「めでたし愛でたし 麗しき日本の美」 - 2015.01.30 Fri

今年は琳派400年のイベントが目白押し、なかでも京都唯一の琳派系美術館の細見美術館ではコレクションの貸し出しにさぞやお忙しいことでしょう。


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しかし400年、400年というけれどどこから400年なのか?

答は本阿弥光悦が鷹ヶ峰に土地を拝領した年から400年だったのですねえ。しらんかった。琳派の祖を俵屋宗達とするからなんだそうで。周知のことながら、宗達と光悦は同じ時代を生きて共同制作もした天才同士なのだ。(宗達下絵に光悦書という重文クラスが有名。光悦会にでてたの見たわ)

今回の展示は琳派フルメンバーという豪華な掛け物がメイン。酒井抱一、鈴木其一、中村芳中、新しいところで神坂雪佳などなど。

私の中では琳派=着物や器物の紋様デザインという解釈。だから目を楽しませて気楽にするっと見る。

其一の亀の背中に蓬萊山を乗せてる絵は亀が真正面を向いており、ぷっと吹きそうなくらいユーモラス。あ、これを使ったな、神坂雪佳、あの有名な金魚玉図で(^_^)b(金魚が真正面向いてる。笑える)

あと琳派ではないけれど若冲の墨絵なども。彼の「鼠婚礼図」がユーモラスでめちゃめちゃかわいい!こんなさらっとした絵も描いていたのね。杯をかかえた酔っ払い鼠のしっぽをもう1匹がひっぱって宴席につれていこうとしているところなんかso cute!

最後のコーナーに茶道具がさりげなく展示されていたけれど、よく見ると庸軒の竹花入とかのんこうの黒楽とか!!(◎-◎;) やはりどうしてもこのコーナーにひきよせられる。

玄々斎の茶杓、白竹で「千年丹頂鶴」、煤竹で「萬歳緑毛亀」のペア。ほんまに櫂先が閻魔さんの帽子みたいにぶわっとひろがって迫力ある。

亀甲紋の古芦屋釜は昨年の美術館茶事で実際に湯をわかしていた釜ではないか!
桃山時代の志野の宝珠香合も展示されていたけれど、それもその時さわらしてもらったよね、たしか( ̄∇ ̄;)

さて、最後にミュージアムショップへ。ここは京都のミュージアムショップのなかではピカイチの品揃え、美術館へ入館しなくても散歩がてら入れるのでご愛用。


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おお!ずっと欠品だった亀屋伊織の附子(ぶす:水飴)が入荷しているではないか!このさい少々のお値段は目をつぶって購入。


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金沢の有名なじろ飴と風味は同じだが、どことなく京風?(^_^;


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封印のいろいろな字体の「亀」がおしゃれね。


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かえり道の疏水べりで見つけた椿は、、、、あ!日光椿(じっこうつばき)だ!中のしべが唐子になってる椿で、しべが白いものが月光椿または卜半。普通茶席では開いた椿は使わないけれど、このふたつは開いたのをいれる。こんな身近に咲いていたとはね。(あ、枝折ったりしてませんよ〜)




節分前の夜咄 - 2015.01.28 Wed

昨年末に続いて夜咄第二弾。


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玄関はちょっとばかり節分の雰囲気をだそうと、朝疏水べりでひろった桜の枝に懸想文を。

(懸想文は昔、貴族が内職としてしていた代筆恋文。貴族であることがばれないように水干姿で顔を隠した姿で、今はご近所の須賀神社に節分の日だけ、現れます。節分の風物詩とでも思って下さい。それに懸想文を結ぶのはほんとうは梅の枝です。)


(参考)昨年の節分の写真(須賀神社)


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玄関は福は内のお福さん。(くらた・たまえさん作)
待合には大津絵の鬼、煙草盆はちょっとありふれてるけど、もと氏子だったところの吉田神社の福枡を。


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夜咄グッズもそろってきた。そろったからまたやりたくなるのよね。



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露地行灯セット完了。今回水屋をお手伝いいただいた方は年下だけれどお茶では先輩格の経験豊富な方。燈火係は言うに及ばず、懐石から何からほんまにスムーズで助かった。(自分も水屋としてかくありたし)



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前回火が上手く熾らずに失敗した腰掛け待合いの火鉢も今回は炭をたっぷり早くから入れていたので、茶事が終わるまでしっかりもった。

しかし、この火鉢、もったいないから座敷におくべき、とのご意見が多くて、、、(^_^; 次回座敷バージョンにしてみよう。(一酸化炭素中毒はこわいが)



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だんだん陽がおちてくると炭火はとても美しくなる。前回の夜咄はとても寒かったのに、うまく熾ったこの日はあまり寒くなかったというのも、ご愛敬で、、、


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良い感じに暮れてきた。いよいよ席入り。

今回はお若い方ばかりおよびしたので、座が華やぐ。



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自作の灯籠障子は今回も活躍。手作りするのは不器用ながら楽しいね。

枝折戸のところで手燭の交換。このシーン、ずっと憧れてきて、大好き。


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正客は手燭をもって連客は遅れないように雁行する。この時手燭を膝くらいまでの高さに下げると飛び石が見えやすく歩きやすいのだそうだ。高い位置にもっていくと手燭に目がくらんであしもとがおぼつかない、のは自分で湯桶を出しに行ったとき、実感した。



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雁行する先に、客のがめざすのは茶室の下地窓、すこし手がかりだけあけた躙り口からもれくる灯り。

前茶。
まずはかけつけ一杯の薄茶をおもあいで。この作法、どこまで普通の点前を省略するか亭主の裁量なんだそう。いつもと違うと薄茶点前もなんだかおかしな具合になってしまった。

炭手前は正月に作った自作の羽根を使ってみた。まっすぐ水平になってくれないところが問題。でも暗いからアラは見えにくい。(それがねらい)



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一番苦手な懐石。前日までに下ごしらえはしていたのでまあまあ、スムーズに出せたと思う。今回もバタバタして撮れた写真はこれだけ(酢の物)
最初の一文字ご飯(炊きたての水分の多いご飯がたっとばれる)は、今回圧力鍋10分+蒸らしでわりと良い感じに仕上がった。

若い方はたくさん召し上がってくれるので作りがいがあるというもの。もっとメニューのレパートリーをふやさねばなるまい。(何年主婦やってんねん、、、)



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主菓子は西陣・愛信堂さんの「ハスカップきんとん」。ハスカップの酸味がさわやかで、口に入れた時予想した味を軽く裏切ってくれるのがミソ。愛信堂さん定番のお菓子なのでお店でも買えるし、私、これ好き。


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中立の後、後入りの喚鐘はまだ持っていないので、某金属製品を使用。ゲットしないといけないな、喚鐘も。この前先生のところで喚鐘を叩かしてもらったが、大小中中大の音の大きさが、銅鑼より調整しにくいと思った。要訓練。

今回も竹檠は使わず、李朝の燈火器を。


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夜咄は原則続き薄、お干菓子は金平糖と、打ち物のお福さんでしめた。

燈火の小間はやはり最高だな、雰囲気。自画自賛だが。主客、客同士の心理的距離が近い。自分の娘くらいの人たちとのおしゃべりは自分も若返ったような楽しさがある。これもお茶という共通の話題があればこそ。茶の功徳、ありがたいことだなあ。



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石菖は使わず、白い花、ということで庭の水仙を。

お見送りしてしめて4時間。前回より慣れたのと、水屋がスムーズだったので少し短縮したもののすっかり夜も更けてしまった。ゆっくり燈火をかこんで夜咄、語らうのが醍醐味なのだが、それぞれ明日がある現代人の身、留め炭もそこそこになってしまってスミマセン。


片付けはまた後日、、、ってことで足腰にきた私は楽しい想い出とある種の達成感を胸にいだきつつ早めに就寝しました。夢も見ずに爆睡!






洛中西の方南の方散歩 - 2015.01.25 Sun

洛中西の方とは、あくまで個人的感覚で烏丸通りより西。南の方とは四条通りより南。ふだんあまり行く機会がなくてなじみのないエリアなのですが、先日用事があって岡崎村(りっぱな洛外)からのこのこでかけました。

用事終わってまずはランチ。


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さきごろ一乗寺村(左京区^_^;)から移転されたAWOMBへ行ってみよう。当時もかわいいお寿司が評判だったが、なかなか行きづらい場所ゆえ行けないまま。こんどの場所は洛中(新町蛸薬師)なので行きやすい。おお、りっぱな町家だ。



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あり?
手織寿司、、、、すでに売り切れ!そりゃ便利の良い場所なら競争率も高いわなあ。


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そのまま帰るのも残念なので、白味噌プリンなるものをいただく。京都人の「白味噌愛」がつまっているようなおいしさ。柏餅も味噌餡があれば、花びら餅も味噌餡だものね。



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でも、あまりにくやしいので最後の一皿とおぼしき手織寿司(手巻き寿司だけれどここでは手織りの言葉がぴったりの繊細さ)注文された方にお願いして撮らしていただいた。まあ!なんて(新旧あれども)女子好みな!ひそかに再来を誓う。


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ここまで西に来たから今度は南の方にも行って、前から行きたかった場所にも行ってみよう。場所の名前は鍛冶屋町。

洛中は町名でいわれても京都人でさえようわからんところがあるらしい。通りでいうと、ああ、あそこ、と合点しはる。


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で、堺町通り松原下るあたりの町家がまだ残る何気ない通りにこんな入り口。普段はこの戸も閉まっているので行くつもりでいかないと必ず素通りしてしまうと思うよ。このろうじは左手にはちゃんと普通の民家が並んでる。どんつきの右手にあるのが、、、


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「鐵輪跡」

謡曲で有名な「鉄輪(かなわ)」の女性が住んでいたとことか。

男に捨てられたことを恨みに思い、頭に五徳(鉄輪)をかぶり、その足にろうそくを立て、遙か貴船へ丑の刻参り、相手を呪い殺そうとしたが、安倍晴明に調伏されここまでもどって絶命したという伝説の地。(それにしてもここから貴船まで日帰りできる距離なんかなあ???)



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鉄輪の井。ここに身を投げたともいわれるが、もう水はかれています。なんでも縁切りの御利益があるらしい。


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これは同じ敷地内に祀られたお稲荷さん。

なんとなくおどろおどろしい雰囲気がないでもない。

以前弘道館でろうそくの灯りのもとで見た仕舞、燈火の鉄輪を思い出す。嫉妬に狂い半分鬼になりかけた生成(なまなり)の女のすざまじい姿、あさましさ、そしてあわれさ。ぞくぞくしました。

悲しいひとだったんだ。



    恨めしやおん身と契りしその時は、、、変はらじとこそ思ひしに

                 などしも捨ては果て給ふらん あら恨めしや



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このあたりよほど生霊となじみがいいのか(^_^;少し北に行くと町名が「夕顔町」になる。源氏物語の夕顔の君が生霊にとりころされたのがこのあたり(もちろんフィクション)だそうで。南の方に行くと本塩竈町、生霊となり夕顔をとりころしたとされる六条御息所邸があった場所となる。くわばらくわばら。哀れな女心とはいっても嫉妬って現代でもこわい。



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さらに北に行くと通りの名前にもなっている仏光寺が見えてきた。


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そうだ、ここには最近京都造形芸術大学とコラボしたD&DEPARTMENTができたんだ。寄ってみよう。



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洛中には時々町中にこんな大きな堂宇が?!とおどろくようなお寺さんがたくさんあるが、ここもなかなか広い境内。


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ちなみにD&DEPARTMENTは「ロングライフデザイン」をテーマに、物販・飲食・観光を通して地域の「らしさ」を見直す活動を行うプロジェクト店舗、、、だそうで(くわしくはHP見てね)京都のここは10 店舗目。上記大学の教授、学生もかかわっているんだそうです。


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ロングライフデザイン、、つまり昔っからかわらずに時代の陶太をうけずに続いてきたデザインこそほんものである。、、、ということかな。
各地の小さいながらいいものを作っている工場、店の製品がこまこまと展示され、見て歩くだけでも楽しい。なぜか病院の薬品入れみたいな(金属の蓋のついたガラス瓶)瓶もあったり、昔懐かし箒もあったり、赤い消化バケツ、花札なんかもある。現代の店では裏具さんのステーショナリーなどもここで買えるのね。

一番欲しかったのは抹茶茶碗をいれる桐箱!ただし商品は桐箱各種で、茶碗入れる真田紐のかかったのはデモ商品。でも、ちゃんとそのお店の情報仕入れてきましたぜ、山科の森木箱店。オーダーもできるけれど普通サイズの茶碗なら既製品3000円!安いわ、これ!


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隣の建物はもとお茶所(参拝客にお茶をふるまうところ)らしいが、なんとD&Dレストランに。ここではランチもいただけるようです。



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建物がお寺さんのものだけに良い雰囲気ですね〜。ここもまたこなくては。


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西の方南の方じゃないテリトリーに戻る前に、通りかかったたまにランチしてるcafe marbleさんも、そういえば仏光寺通りだった!

あなどれん、仏光寺通り!



岡崎/イタリアン〜Cenci - 2015.01.23 Fri

ご近所にできたばかりのイタリアンのお店cenci(チェンチ)、早くも予約がとれないお店になっているようです。


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有名な(でも行ったことまだないの、、、)祗園のイタリアン、「イル・ギオットーネ」のシェフだった方が独立して先月オープンされたばかり。

ちなみにcenciとはフィレンツェ訛りで「雑巾」なんだそうですが、そういう名前のお菓子もあるそうです。


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中に入るには地下への階段を下りて、中に入ると、、、おお!ここはネジリマンポ(南禅寺近く、インクラインの下の隧道がこんな感じ。明治時代のもの)ではないか!

ここの場所は以前おうどん屋さんだったようで、前を何回も通っているはずですが改修中に気づかなかったなあ。


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全体に煉瓦を多用した壁。


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なんと、この煉瓦、ここの地下を掘った時に出た土と信楽の土をまぜて、ご自分たちで信楽で焼いた煉瓦なのですって。しかも自分たちで積み上げられたとか。(その過程は上記リンクのFBに詳しい)


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個室にとおしてもらいましたが、ここもワインカーヴって感じでいいですね。左手のアルコーヴにグラスやカトラリーまでおさめられていて、機能的にできてます。


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夜は1万円のコースのみで使いやすいお値段。(あの内容でこのお値段だったら、そりゃ予約もとれないですよ)


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プロシュート(生ハム)自家製のマスカルポーネチーズのソースがまったりでおいしい。


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新蕎麦を揚げたものにマグロ、からすみ。真ん中のたまりにソース(何のソースだったか忘れました^_^;)盛りつけもおしゃれ。


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伝助穴子。300g以上の大穴子を伝助(デンスケ)とよぶのだそう。たしかにデカイ。鱧のように骨きりしてから食すのね。


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蟹、卵、雑穀に上にのっているのはあのトリュフではありませんか。まあ、日本人の味覚嗅覚の私はこのトリュフの香りや味のよさがいまいちわからないのではありますが。それから卵はただの卵ではなく土佐ジローという放し飼いで草を食べて育った鶏の卵だそうです。


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一見パスタに見えるのは若い白アスパラ。それにマナガツオ。

お魚系のお皿が続きますが、仕入れた食材によってはお肉ばかりになることもあるそうで。


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と、肉料理の前にだされたナイフがこれ!

スタッフのお姉さんがしきりに繰り返して「よ〜く切れますからお気をつけて!」と注意。その注意もなるほどな、とおもう切れ味のこのナイフはRYUSEN HAMONO(龍泉刃物)製。福井県越前市の会社で注文が殺到してすぐには手に入らないくらいの人気なんだそう。

よ〜くみると刃物の表面に龍の鱗のような紋がみえます。なんでもフランスの有名シェフの注文もあったとか。



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お肉は鹿肉でした!固いかなと思ったのですが、全然余裕です。


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パスタは3種類からチョイスできます。これは雲丹・海苔・山葵の和風パスタ。


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もう一種みんなでシェアしたのが白トリュフと百合根のパスタ。写真は上から白トリュフをスライスしてもらっているところ。


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ここからはドルチェ。
手でつまめるこれはカンノーリというイタリアの菓子。中味は(不正確ながら)クリーム、チョコ、ナッツ、、、といった感じ。


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蜜柑とオレンジをかけあわせた紅まどんなという柑橘のソルベ。

ぜんたい食材が産地、栽培法などにこっています。


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マスカルポーネチーズソースでいただくイチゴはおいしゅうございました。

ワインもいただき話がはずんだのはいうまでもございません。

とくに女子には、ちまちまとたくさんのお皿が出てくるのはとてもうれしいものです。やはりこの値段で、と思うと徒歩圏内のこともあり、また行きたい気持ち満満なのですが、ちょっとしばらくは予約が、、、、(^_^;




お見送りの茶会 - 2015.01.21 Wed

11月に記事しました。3年弱の京都住まいを終えられて、とうとうA様が関東へお帰りになります。近しい茶友をよんでお見送りの釜を懸けました。


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なにか想い出に残ることはできることはないかなあ、、と思いながらお正月の結び柳を削って黒文字代わりにしてみたり。

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先の記事にも書きましたが、たくさんたくさん楽しくお勉強をさせていただきました。人とのご縁も繫げていただきました。ここに来てほんとうに帰られるのだな、とじわじわ実感がわいて少しさびしいです。



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茶会の準備で露地掃除をすればもう梅のつぼみもふくらんでいるのに気づきました。大寒の候のさなかでも春の準備は進んでいるのですね。


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最初にA様の京都の居、灑雪庵にお招きいただいたのは3年前の6月でした。まだ自分の茶事をどうこなしてよいのか右往左往していた時期に、正式の茶室がなくてもこんなにすてきな茶事ができるのか、とまだ教科書から手を離せないでいた私は目から大鱗がぽろぽろ落ちました。



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それがご縁で毎月1回、奥伝の自主稽古をこれまでずっと続けさせていただいたことは私にとって、大きな財産となりました。それぞれ社中も違うので迷ったときに正解がでるとはかぎりませんが、そういう解釈もできる、そこは働きでこうしてよいと思う、というA様の深い経験に裏打ちされた強いお言葉になんども励まされましたね。その稽古場もなくなると思うと、頼りなくさびしくてしかたありません。



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(主菓子:亀屋良永「蕪」)


それからたくさん茶事をされたA様、時にはお招きにあずかりクリスマス茶事などはワインもいただきながらとても楽しい茶事を経験させていただきました。



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それでも過去ばかり振り返るわけにはいきません。A様も関東へ帰られて、いろいろ新たな試みにチャレンジされるようですから私たちもがんばらねば。

軸は「(たぶん、、)心与(と)梅花一様清」。梅は別名清友と申しますので、これからも良き茶友でお互いにあり続けたいとの思いをこめて。


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私も心をこめて濃茶をねりねり。若干お湯の煮えが足りなかったのが悔しい。(釜をHIヒーターにのせるという荒技!!を使えばヨカッタ)

「ずいぶんゆっくりできるようになりましたね。」のお言葉。かつては(今もまあ、、)とにかくイラチの人でちゃっちゃとやるハイスピード点前に客を啞然とさせた私です(^_^; これも自主稽古でさんざんアドバイスされたおかげです。


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薄茶は座敷を変えて茶箱ならぬ自己流茶籠にて。お話しをゆっくり楽しみたかったので。干菓子は亀屋良永・Satomi Fujitaブランドの和三盆焼メレンゲ(バカウマ)と俵屋吉富の干琥珀梅。


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さて、私もまた次のステップへとすすまないといけません。いろいろ考え中。考え中、、、考え中、、、(このあたりに迷いがありますね〜)


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とうとう茶会は果てましたが、そのあとみなさんでご近所にできたばかりの(予約のとりにくい)イタリアンに場を移し、そこでもおおいに語り合いました。(レストランの話はまた別の日に)楽しい思い出話、これからのこと、あれやこれや。それもとうとう果てるとお別れです。


とにもかくにも、A様、どうかお元気で。ますます茶の道にご精進されることを西の方よりお祈りいたします。また関東にもお呼び下さいね。3年間ありがとうございました。


お別れにいただいた茶杓の銘が「庵の友」だなんて、、、、あまりにじわっときてしまうではありませんか。





好日居・茶ノ教室夜会〜寒九ノ水2015 - 2015.01.19 Mon

今年初の好日居茶ノ教室・夜会は寒の入り。小寒・大寒、冬最後の節季に静かなお茶を飲む。


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まだお正月の飾りの残る好日居。

寒の入り(小寒の始め)は今年は1月6日。冬至から数えて15日目、冬至と大寒の中間のころ。その名のとおり、今年はほんまに寒い。

そして「寒九の水」といって、寒の入りから9日目の水が一年で一番やわらかくおいしく、中国では古くから薬にもたとえられるのだそう。(だから今年は1月16日)


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おや、今宵はなんだか暖簾みたいに長い巻紙が、、、??


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茶教室参加者がひとりひとり今年一番大切だと思うことをしるす紙でした。
思い思いにしたためます。



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さて、その寒九の水(実は1日早かったんですが)をまずいただく。

茶碗はチェコの片田舎に住む陶芸家マルティン・ハヌシュさんが個展をしたあとの置き土産。チェコには日本茶を嗜むお茶好きがいて、日本茶カフェ(チャイオブナ)まであるのだそうです。


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そしてお茶の木にも一杯献じる。

この壺、須恵器かしら、、、と思っていたらこれもマルティンさんのものだった!!
多くのファンを獲得して今は帰国されたマルティンさん。個展の作品は全部自分で背負って日本にやってきたそうですよ。


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静黙なお茶その1は雲南革登単樹秋天散茶。(←読めません、、、)。雲南省で78歳のおじいさんが一人で製茶しているというプーアール系のお茶。

プーアールとは思えないくらい上品で淡い香りのお茶。これにあわせるのは黒豆。


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点心は白味噌雑煮。好日居さんお手製、白味噌は山利ですよ。(私も年末買って、冷凍してある)ここでもまた雑煮はお澄まし派か白味噌派かひとしきり話題となった。



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お茶その2は福建省、白茶(微発酵)の牡丹王。これは注ぐのに蓋碗(茶碗蒸しの器みたいなの)を使います。これけっこうテクニックいります。へたすると手がつります、、、、。

白茶は製茶工程がシンプルなので茶葉の表面の白い産毛がのこっていることが多く、お茶を煎れると水の表面に微細な毛が浮いてみえる。(煎茶でも上等のはそうよね)だから白亳銀針なんて名前の白茶もあるのです。

香りは柔らかめで淡い上品な味。


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あわせるお菓子は(わたくし持参の)薄氷・羊バージョン(五郎丸屋)と、上賀茂・霜月の干琥珀お正月バージョン。



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名前を「福来心(ふくごころ)琥珀」。なんと甘酒を練り込んでいる琥珀でとてもおいしい!1月中だけの販売だそうだから、これは早く買いにいかなくては。


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最後のお茶は福建省安渓鉄観音。青茶です。私はこの青茶系が一番好き。なんといっても香りが最高。聞香杯などで器に残った香りも楽しめる、まさに香りの華開くお茶。


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どうみてもこの渋いチャフー、西洋人が作ったようには見えない。そう、これもマルティンさん作、好日居什器。


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夜会終了後、外に出ればみぞれまじりの夜。1月20日から大寒となるのもうべなるかな。
でも節季としては大寒は1年の最後、次はいよいよ立春、旧暦の新年、まもなくです。



二題〜えき美と亀屋良長 - 2015.01.12 Mon

パソコンを買い換えたら、やはりネットでよくみるように、ソフトが使えない、データが行方不明、、、などなどのトラブル発生。処理に疲れておりますので、今回は軽めの更新でご勘弁。


<その1・美術館「えき」・日本の色、四季の彩 染色家 吉岡幸雄展>


川瀬美香監督の吉岡さんのドキュメンタリー映画「」を見たのは一昨年になる。これはすごい映画だった。できればリンクの方を是非ごらんください。
(ちなみに吉岡さんは染司よしおか五代目で化学染料を一切放棄し、すべて草木染めで神社仏閣の荘厳用料紙や衣裳など担当されています)


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あれが染色家・吉岡さんのスピリッツだとすると今回の展示はその現物を拝見できる。なんと言っても(私が毎年行っている所の東大寺修二会・十一面観音荘厳の)糊こぼし(椿の造花)の赤、黄、白の料紙をおさめてはるのが思い浮かぶ。今回、その椿と、椿にする前の元の紙を拝見できた。

赤は山形の紅花、黄はクチナシからもらった色。紅花必要量60kg。残念ながら日本国内で調達できるのはその3分の1なんだそうだ。ビデオ上映でこの紅の色を刷毛で紙にのせている映像があった。ほんとうにすごく赤く、すぐ紙にしみこみあの深みのある赤になる。

一番スペースをとっていたのが薬師寺伎楽装束。伎楽だから奈良時代の装束、そのころの色彩を再現。ほんとにけばけばしくなくおちついた深みのある色ばかり。(伎楽装束を最初に草木染めで再現したのはお父上だとか)

それから石清水八幡宮花神饌十二ヶ月(9月の石清水祭に奉納される)。月ごとのイメージの造花+小動物の荘厳。たとえば桜に蝶々、カキツバタに鴫、紅葉に鹿、、、といったような。とてもきれいでかわいい。
薬師寺の花会式(3月末)もたくさんの造花で荘厳されるが、あれも吉岡さんとこで作ってはるんや。


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それから襲の色。これは紙で襲を再現されていたのだが、よく古語辞典の付録についている襲の色しか知らなかったのだが、同じ名前の襲にこんなにたくさん種類があるとはしらなかった。例えば桜の襲は、白桜の襲、樺桜の襲、萌黄桜の襲、、、というふうに。ほんとうに日本人の色彩感覚は昔から(昔の方が)四季と連動してすごく細やかで繊細なんだ、と再認識した。

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(フライヤーより)


現物では源氏物語から光源氏の桜直衣、女三の宮の桜の細長(若い女性が着るカジュアルな装束)がでてた。下に着る衣が紅色、上に白の紗か、羅のような薄物をかさね、表から見ると桜色に見えるという、、、、まあなんとみやびなみやびな。


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えき美、良い展示してます。
ちなみにこれは次期展示。萌え〜。



<その2・亀屋良長>

四条堀川の和菓子司・亀屋良長さん。(ちなみに寺町御池の御池煎餅は亀屋良さん)創業200年以上の老舗です。


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sousou在釜さんなどでSOUSOUコラボ和菓子を作ったり、Satomi Fujitaのブランドで洋菓子パティシエのブランドを作ったり、がんばってはります。

住所が醒ヶ井通り、そうここには醒ヶ井の井戸があってお水をいただけるんです。


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もともと醒ヶ井の井戸は六条堀川にあって、村田珠光や織田有楽ゆかりの井戸だったそうですが戦時疎開できえてしまったのだとか。良長さんでは井戸を掘ってわき出す名水でお菓子を作ってはって、それを地名にあやかって醒ヶ井とされたとか。一口いただきましたよ。



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お使い物のお菓子を買ったら、包装を待っている間、こんな茶菓子がでました。今年の干支、羊を正面からみたところ。角は胡桃なんです。かわいいですね。


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自分用に購入した和三盆焼メレンゲ。ご近所の二条通りにできたSatomi Fujitaさんの町家のお店、kashiyaでいただいておいしかったので。うふふ、、もちろん、おいしかったですよ。




京都国際マンガミュージアム〜おいでの節は〜町家ふれんちかふぇ・たま妓+茶房翠泉 - 2015.01.10 Sat

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ここは元龍池小学校、現在は京都国際マンガミュージアムとなって、世界中のマンガオタク愛好家の聖地となっています。(実際外国人率高いし、外国語植字のマンガもおいてある)


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なにしろウン十年前、私が幼少のみぎり近所の貸本屋で読みあさったくらいの時代のマンガから最新のマンガまで、どこにこしかけても寝転んでもOKの読み放題。将来完璧リタイヤしたら入り浸るかも。


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今回は中庭でくりひろげられるコスプレウォッチング、、、じゃなくて(この日はやってなかった)これがお目当て!

我が30代のころからの超・愛読書、ヨーロッパの事情はこれで勉強した、、、というくらいの青池保子さんの「エロイカより愛をこめて」他、デビュー作にいたるまでの原画展。

どれくらい好きかというと、、、


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はい、全巻そろってます。うちの本棚。\(^O^)/

最初の頃の巻と比べて、鉄のクラウスことエーベルバッハ少佐もきらきら金髪巻き毛のドリアン・レッド・グローリア伯爵もずいぶん顔も体型も変わってきた。当時の時事問題も織り込んでのスパイ戦にゲイの伯爵がからむのだけれど、おそらく男性が読んでも面白いんじゃないかと思う。ヨーロッパ中の都市が舞台になっているので、ヨーロッパ旅行の時は、「エロ愛」巡礼なることもしてみたりして(^_^;

中断をはさんでまだまだ連載中、青池先生にはますますがんばってほしい。

さて、このミュージアム近辺でご飯食べられるところはないかとさがして、こんなん見つけました。私としては町家ウォッチングも兼ねられたので多いに満足。


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かつて大きな呉服屋さんだったらしい築100年の町家、和ふれんち・かふぇ たま妓(たまき)さん。以前からあるけれど、なかなか入りづらかったのよね。最近、表を桃カフェとして入りやすくリニューアルされたようで、コースじゃなくてもランチ程度の軽食が気軽にとれそう。


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呉服屋時代にはミセの間だった格子戸の内側、ここが桃カフェ。左手の奥にず〜っとウナギの寝床の座敷が続いていて、フレンチはそちらで椅子スタイルでいただけるもよう。(椅子の脚はちゃんと布でくるんでありました)


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内玄関。昔の大きな町家ではこうした露天の玄関庭があったのよね。いいな。


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少しわかりにくいけれど、廊下から走り庭をみたところ。むかしのだいどこですね。火袋フェチとしては天井もみたかったのだけれど、さすがに無理だったわ。正面のいい時代色がついた舞良戸は走り庭に欠かせぬ大きな水屋。ちゃんと残してはるんやな〜。


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これは玄関庭から表玄関の方向を見たところ。この右手の階段がどこに続いているのかとてもそそられる。


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きっと奥の方には茶室もあるんでしょうねえ。



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ランチはオムライスにしました。サラダもついてちょっと薄味京風の味。


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糸屋格子。
真ん中の短いところが、織屋4本、糸・紐屋3本、呉服屋2本というように、商売に応じて採光率の調整もされていたらしい。ここのは2本だからやはり呉服屋ね。左下の釜がちょっと気になる。


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表玄関から玄関庭を。左手の壁の所には秦家なんかでは黒光りする舞良戸が入っているけれど、ここではディスプレー棚になっている。でも正面に暖簾がみえるところは同じ作りだわ。

ご飯食べたらデザート、デザート。(だから痩せない)


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少し南に下がったところ、こんな茶寮あったっけ?と思ったら1年半くらいまでに出来たばかりのお店でした。抹茶に特化した和スイーツの茶寮翠泉さん。東洞院高辻にあるお店の2号店らしい。


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抹茶ベースのカフェというとたいていお茶屋さんプロデュースのところが多いけれど、ここはお茶屋さんとは関係ないのかな?調べたけれどよくわからない。


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できたて抹茶わらび餅というのを食す。左のでろ〜んとした緑の塊がそれ。う〜ん、できたてとあってほんのりあたたかく、とろっとろ。とても切りにくいのでスプーンと箸で絡め取りながらいただく。これ、テクニックいるよ。

リッツカールトン京都・潜入 - 2015.01.08 Thu

かつて川端二条にあったホテルフジタは、その近くに友人の家があったので学生時代にはよく利用した懐かしいホテルだった。おしまれつつ閉館したその跡地にリッツカールトン京都がオープンしたのは約1年前。

以来前はよく通りすぎるもののなかなか入る機会がなかったが、正月休みにやっと夕食をいただくチャンスが。


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こちらはエントランス。夜なのであまり見えないですね(汗)

外国人観光客の富裕層ねらいとあって、なかなかラグジュアリーな作りぢゃないの。(レストランのお値段もなかなかラグジュアリー^_^;)


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贅沢な空間の取り方。めざすレストランは地階のようです。


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和食の「水暉」さんへ。


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こちらのインテリアは組子細工(細い木を組み合わせて模様を作る。書院障子などによくみられる)が基調なので、ありとあらゆるところにそれが見られます。これは天井照明。なんとまあ、,,手がこんでいること。さすが富裕層対象。(そうでないのもいます。スミマセン)そのせいかまわりでは中国語が飛び交っていたような、、、


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広いフロアは会席、天ぷら、寿司、鉄板焼きと4コーナーに分かれている模様。外の景色が石垣で、これはホテルフジタの時のままかな?


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会席をいただいたが、お造りがこんな氷の器にのってでてきたのはビックリした。それぞれ違う形の氷なのだが、一体どうやってつくったのだろう??


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いきなりデザートにとぶけれど、やはりこのホテルにはいっているパリのパティシエ、ピエール・エルメのもの。洋菓子については詳しくないのでよくしらないけれど、パティシエ界のピカソとよばれる人らしい。
このデザート名前が「Pom,pomme,pommes」(りんご、りんご、りんご)。トップはリンゴチップス、真ん中がリンゴシャーベット、下がリンゴの甘煮など。見かけがごてごてせずシンプルなところが気に入った。


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こちらは化粧室。ここにも組子細工がふんだんに。


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さて、食事はすんだが、そうめったに来ることもないと思われるのでせっかくだからちょっと探検。


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こちらは地下からの吹き抜け部分。天井を高く感じていいね。


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ロビーのラウンジがまるで西洋のお屋敷のリビングみたい。図書室のように手にとって読めるアート系の本がおいてあるのもリビング感増幅。


それから厚かましいがせっかくだから(このいいわけばかりだな)移築された夷川邸も見ておこう。


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夷川邸はあの藤田美術館の藤田傳三郎男爵の京都別邸だった建物(明治41年)。ホテルフジタ時代は結婚式場やレストランとして使われていたそうだが、リッツカールトンになるにあたって壊すのかどうするのか一時話題になった。

結局重要な一部分のみ移築され、イタリアレストラン「ラ・ロカンダ」の中に見ることができる。建物の中に無理に押し込めた感じでちょっと雰囲気がいまいち。まあ、こわされるよりいいけれど。


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座敷だったとおぼしき部屋はレストランの個室として利用できるようだが、テーブルチャージがどれくらいになるのかちょっとおとろしい。


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坪庭にある灯籠も夷川邸のもの。
よく考えたら、ホテルフジタのフジタって藤田財閥が母体だったからなんだ。今ごろ気づいた。大阪の傳三郎の本宅は太閤園になってしまったし、夷川邸はホテルか。それでも残っているからまだいいよね。それにコレクションは藤田美術館に残っているし、よく利用してます。

藤田男爵は萩の奇兵隊出身だから、今年の大河「花燃ゆ」にもちらっとでるかもよ(^_^)b


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この右手はすぐ鴨川。ロケーションも抜群ですな〜。残念ながら、しょっちゅう利用するほどフトコロが暖かくないけど。




紫野で井戸茶碗+他流派研究会(???) - 2015.01.06 Tue

正月休みもあと1日、、、とブルーになっていたところへ招集?がかかりまして、迷うことなく応招いたしました。


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何しろ東西の大通りを越えるたびに気温が一度違うと言われる京都ですから、洛中の雪は大方消えても、北大路あたりはまだ雪が残っています。今宮神社に遠くから手を合わせてさらに西の方へ。


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孤篷庵へ行く道の残り雪は風情がありますね。


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ほ〜、住人が藁から手作りしたという注連縄はこれか。なんともアヴァンギャルド。こちらはThe share house of Teaこと陶々舎。いろいろな方とお茶のご縁つながりで、たまにこちらにもよせてもらっている。

この日はサラリーマン陶芸家(サラリーマンが陶芸やっているというより、サラリーマンもたまたまやっている陶芸家?各地で個展も開かれています)こと平金昌人さんの新作井戸茶碗で濃茶を練ってゆるゆる過ごそうの会?、、、、だったはずが、、、実におもしろい楽しい会になった!!

井戸茶碗に魅せられ、井戸茶碗をつくることに長年情熱を傾けてきた彼が、満を持して年末に信楽で土地を開墾することから始めて自力で穴窯をつくらはった。早速焚き初め、なんでも窯焚きしているうちに年をまたいでしまったとか。


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薪で焼いた新作井戸茶碗、お披露目です。

最初平金さんもそれほど人が集まるとは思っておられなかったようで、客二名でゆるゆる濃茶を練っていただきながら茶碗談義、窯談義をしていたのが、あっというまにお人が増えて10人前後(そのうち約半分がすでに知り合いだった、,,世の中狭い、、、)。流派もまちまち、それじゃあ他流派のお点前を見せてもらおうという話になってから、まるでお点前研究会の様相を呈して盛り上がってきた盛り上がってきた!


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さる研究者の研究では、各流派の点前所作の違いは25%ほどだということで、確かに全体の流れはあまりかわらない。それでも帛紗さばきや柄杓の構え方、茶器の清め方が流派によってあまりに違うので、ついつい全然違うお点前をみているような気がする。裏千家の台子点前(一番源流に近いかも)の所作に似た所作も諸処にみうけられ、裏千家の「草」のお点前がいかにシンプルにできているかよくわかる。

しかし、武家点前はやはりかっこいいな〜(≧∇≦)


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とりわけ某Y流のめったにみられない濃茶点前、しかも棗を茶入にしたバージョンという、該当流派でもめったに見ることができない!という点前を披露してくれたM君。棗から濃茶を茶碗にいれる所作がアクロバティックで思わず「おお〜っ!!」と一堂どよめく。

その茶器を拝見に出すときの清めかたにも「ええ〜っ?!」とか「きゃ〜!(悲鳴)」とか(^_^;
どんなんか、この使用後の帛紗をみて想像してみてね(^_^)b


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(陶々舎を辞したとき、比叡山の向こうにシャボン玉のような月)


本来の目的とはいささかはずれてしまったが、その楽しい会話の中心にやはり平金さんの井戸茶碗がある。濃茶が練られ、人から人に渡される。手取りをお茶がはいった状態で感じ、口につけてその感触を確かめる。展示された物をそのままみたのではわからないモノがそこにある。お茶碗ってやはり使われてこその道具だな、と実感した。



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以前拝見した茶碗は端整な印象があったのだが、今回穴窯・薪で焼いた茶碗は焼成条件が一定しないことでその端整さをうちやぶっているような気がする。かえってそちらのほうが本来の井戸に近いのだろう。良い感じだ。これから彼がどう穴窯を制御し、どんなふうにご自分の井戸茶碗を発展させていかれるのかとても楽しみ。


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ちょいと顔を出して失礼するつもりがとうとう最後まで居てしまったわ。よき正月休み最終日となった。


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めったに見られない夕刻、雪の大徳寺、こちらは高桐院。こんな景色も楽しみながら興奮した頭をクールダウンさせつつ家路につけば、、、


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先ほどのシャボン玉のような登りかけの月がはや中天間近に。


手作り二題〜「不器用ですから、、、」 - 2015.01.04 Sun

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元旦からの大雪はいまだに屋根に道のかたすみに残ってますが、薄化粧の東山、これええ風景でしょ?

お正月休みにちょいと時間が出来たので手作りものを二題。いいわけは「不器用ですから、、、」(^_^;(高倉健さん、スミマセン。ご冥福をお祈りします)


<その1・注連縄>


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年末にご自分で黒米を育ててはる方から、その稲穂をいただいた。なんとご親切に水引まで。(ちなみに黒米はご飯を炊くとき少しいれるときれいな赤いご飯になる)


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茎を霧吹きでしめらせて叩いて柔らかく扱いやすくする。ほんまは木槌かなにかがいいのだけれど、ここは手頃な花瓶で。(^◇^;) (花瓶さん、ゴメンナサイ)


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ここからはいろんな方法があると思うけれど、初心者向きに三つ編み♪


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くるっとまるめて水引でしばって完成〜!あら、簡単すぎ!


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お正月には座敷の中釘に飾りました。



<その2・炭手前の羽根>

お茶の炭手前では羽根を使う。いろんな種類の羽根があってピンキリ。流派によっても微妙に構造が違うらしい。古い羽根も残っているものはいまでは入手できない朱鷺の羽根とか貴重なものが多い。

で、今回はあくまでパイロットスタディ。なにしろ元結とか入手できない材料もあったので。


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羽根は以前から楽器屋(?!)で目をつけていたもの。1枚400円。オーボエなどの木管楽器の中の水滴をぬぐい取るスワブという羽根。


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ものは白鳥かアヒルかお店の人に聞いたが不明とのこと。うまいこと重なりそうなのを選んでみた。


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ホンモノはちゃんと木の柄にフォークみたいな羽根を刺す部分が付いていて、きれいに羽根をまとめられるみたいだが、そういう材料もないので今回は爪楊枝で長さを調節。アロンαで羽根の根本をくっつける。


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取っ手に巻く竹の皮はスーパーでも手に入るよ。


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ネットで色々検索してこういう形にカット。柄の部分に巻いて、端をねじりあげて元結いならぬたこ糸でしばる。皮が固くてなかなかねじりが上手いこといかない。


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、、、、「不器用ですから、、、、」 (^◇^;)  (ちなみに右はプロが作ったホンモノ)

しかし、羽根をまっすぐにする方法がようわからん。どうやってもななめになっちゃうのよ。


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ま、夜咄にでも使ってみよう。暗くてアラがめだたないだろうし。(・ω・`)ゞぽりぽり



甲午から乙未2015へ - 2015.01.02 Fri

この正月は娘一家が帰ってこない正月なので、少しゆっくり大晦日の1日をすごせた。


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まずは新京極の蛸薬師さんで、大晦日恒例の大根炊きをいただく。いつものおばちゃん、今年も元気そうではりきってはって、なにより。


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これがおいしいのよ。基本無料です。お志だけでOK。



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大根ハフハフいいながらほおばって、お茶もよばれて目の前の貼り紙に勇気づけられて(だいじょうぶ、だいじょうぶ、、、)不信心者でありながら、やはりありがたやありがたや。


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こんなにゆっくり出来る日もそうないので、ふだんは仕事帰りに急ぎ足で行く、ご愛用の祗園日吉堂さんでマッサージをいつもより長く受ける。あ〜生き返った。



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花見小路や宮川町の大晦日ってどうかな。めったに見られないので足を伸ばす。あ、ここは昨年最高点をさしあげた(?)亥の子餅をつくってはる鍵甚さんだ。(縄手通り)



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並びの畳屋さんはもう仕事納めしたらしく作業台には大きなお鏡がのっている。


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ここの通りのろうじの奥にひっそりとあるカフェオパールさんでちょっと休憩。


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昔、河原町三条にあったカフェだそうだ。(しらなかったけど)一昨年こちらに移転しされた。建物は築100年の町家。けっこう奥行き広い。


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スイーツ系も充実しているので、建仁寺界隈にいったときにはおすすめ。私はメープルバナナケーキをいただいた。


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その建仁寺さんでチャの木の生垣にチャの実をさがしたが、もうはじけた実の殻しか残っていなくて残念。ちょっと実生の茶ノ木を育ててみようかと思ったのだが。(←むつかしいらしい)



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ここから花見小路に出れば大晦日というのにたくさんの人。でもよく話し言葉を聞いてみるとほとんどが中国語や韓国語。租界か植民地かと思うくらい。


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花見小路を一本はいるとしっとりした風情のお茶屋さんなども見ることができる。ここもお正月の飾りはばっちり完了。



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なぜかお茶屋さん風の佐川急便まであるのよ。(@_@;)



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そのまま八坂神社まで。もう初詣の準備は万端というところ。


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白朮(おけら)参りの白朮火授与所。点火は19時。後にある護摩木をどんどん火にくべていくのだ。一昨年は白朮火もらってかえったけれど、竃はないし、それをどうせいと言うのか???と悩んだっけ。


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すでに屋台が並び始めた円山公園を通りぬけ、山門修復中の知恩院前をとおり、青蓮院の前を通っていったんお家にかえろう。


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そして23時、ご近所の黑谷さんこと金戒光明寺に除夜鐘を撞きにいこう。


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しんしん冷えてくる中、すでにたくさんの方が行列を。


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月も凍てつくような寒さの中、待つこと小一時間。


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待っている間に年は明けてしまった。(昨年もそうだったっけ^_^;)

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明けましておめでとう。新年の鐘を撞く。


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ここからは京都タワーも望めるのよ。


さて一夜あけて改めて初詣で。



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まずは氏子であるところの岡崎神社。


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御神酒をちょうだいして、


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お参り。ここは狛犬ならぬ狛兎が有名。氏子の町内別に名前を書いた札をおさめる。これぞ正しい日本のお正月。(?)


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そしてご近所の平安神宮にもお参り。ここの空が広いのが好き。


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お目当ては舞殿でおこなわれる新年恒例能楽奉納。これ、無料です。なかなか豪華な顔ぶれはすごい。

全部というわけにはいかないが、式三番は毎年欠かさず見ようと思っている。


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まずは千歳、翁の露払い。今年は茂山童司さん。あくまで若々しく。


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メインの翁。今年は金剛流宗家・金剛永謹さんが舞われた。能であって能でないといわれる翁は、能楽の中でとても特殊な舞なのだそうだ。


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 ♪ とうとうたらり たらりらちりやたらり たらりら
           たらりあがり ららりとう

   ♪ 所千代までおはしませ 我等も千穐さむらはう
            鶴と亀との齢にて  幸ひ心にまかせたり


呪術的で不思議で、ゆえになんだかすべてを言祝ぐめでたさを感じるなあ。



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〆は三番叟のうち今年は鈴之舞。茂山千三郎さん。
今年はあまりの寒さにいつもはふきっさらしの舞殿に戸をいれてくれたので、髙砂まで聞くことができた。


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外に出てみると、、、、えらいことになってる〜!!


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うわ〜、これもう吹雪やん!


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天気予報は大当たり。積もるかな、どうかな。


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やはり積もってきた。でもまだここまでは、今年の家の初釜は茶箱の雪点前にしよう、、、なんて余裕があったの。


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こんな露地の雪景色眺めながら茶室で鉄瓶に湯をわかし、


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茶箱の雪点前。茶箱は雪華紋様だしぴったり。

、、、、、っていきなりやったらすっかり茶箱点前忘れてるやん!!(>_<)ゞ修行が足りませぬ。


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お雑煮、おせちを夕食にいただいて(え?なにかへんなものが食卓にのってるって?,,おほほほ、、、)夜に玄関を開けたら、、、、


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うわ〜、、、、こんなになってました。


とにもかくにも、今年もよい年でありますように。

おめでとうございます!!





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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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