弘道館月釜〜KyotoGraphie2015 - 2015.05.14 Thu

楽美術館の茶会の後は同じく御所西エリアの弘道館月釜へ。
この日が最終日だったKyotoGraphie(京都国際写真祭)とのコラボで。ここ、弘道館も会場の一つだったようです。

京都市内に15ヶ所ある展示会場で、ここはルーカス・フォーリアという方の写真展示会場でした。いつも茶席になる広間が待合になっていて、ここにたくさんの写真が。

”薪で暖をとり、農業を営んで食料を缶詰にし、また靴の購入から歯の治療まで、生活に必要なものは全て育てた農作物との物々交換でまかなって暮らしている”人々がテーマの写真。アーミッシュのようなイメージです。それにちなんで、いつもの床には自家製の生活用具などが飾られていました。

主菓子には双葉葵の焼印。
七畳の茶室が本席の濃茶席。掛け物はなんと楠木正成の児島高徳にあてた消息。鎌倉末期の書状だよ(◎-◎;)
「青葉茂れる桜井の、、、」で有名な楠公さんですので、青葉の時期にかけたとか。ちなみにこの歌は楠木正成とその息子楠木正行の桜井の別れを歌った歌で、昔小学校唱歌だったそうです。「みなさん、ご存じでしょう??」と太田先生はいわはるけれど、私は知識としてしってはいるものの、習った覚えはないぞ〜。(同年代だけど、、、)
児島高徳は「天勾践を空しうすること莫れ、時に范蠡の無きにしも非ず」と桜の木を削って後醍醐天皇を勇気づけたことで有名だが、これもたまたま彼が私の郷里・備前の人だったから知っているだけで、特に若い人はご存じないだろうなあ。

昨年の斎王代に太田先生のお嬢様がなられたこともあって、弘道館の庭で上賀茂神社、下鴨神社で拝領した双葉葵を育てておられたのに、つい最近だれかがごそっと盗んでいったそうな。心ないことをする人がいたもんです(-_-#)
さいわいにそれを知ったある方がこれを、と持ってきてくださったのがこの鉢植えの双葉葵なのだそうです。
お点前は風炉の台目逆勝手、お馴染みの茶室もいろんな使い方ができるんだな、と感心しました。
それにしても太田先生、月釜だけでなくいろんな茶会を催され、文化史・古典芸能などの講義もされ、今様の歌合わせもされ、、、おそろしいほどのお忙しさ、どうか無理してお体をこわされませんように。

本日のお楽しみの副席は、、、広間の裏の庭にて。母の日なので赤いカーネーションを蹲居のまわりに。写真では遠目で見にくいですが、スイカが庭のあちこちにおいてあります。

縁側にしつらえられた席にもスイカが、、、。本日の写真展の中の一枚、スイカ畑(アーミッシュ系の人たちが自給自足でうえたもの)のイメージだそうです。

おまけに菓子器もスイカ!(七宝製)他にも煙草盆のそばにクラシックな火縄銃。アーミッシュの生活に必要なウィンチェスター銃をかざりたかったらしいですが、銃刀法にひっかかる??(^_^;)ため断念されたとか。凝り性やなあ。

こちらが点前座(^◇^) 後に干してあるのが軸がわりのアーミッシュのクラシカルな下着(洗濯物を干しているイメージで)、お点前はチェコからおいでのクリスティーナさん(アーミッシュ風ファッション)、お茶はダージリンのファーストフラッシュ(一番摘み)、チェコのアンティークカップでいただきました。
楽しいわね、こんなお茶も。