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2016-05

山荘流茶事〜近代数寄者・高谷宗範をしのんで - 2016.05.03 Tue

大正から昭和にかけて活躍した近代数寄者のなかで高谷宗範はちょっと特異な存在だったような印象がある。

以前宗範がつくりあげた木幡の広大な松殿山荘(しょうでんさんそう)を訪れたことがある。もともと山荘があった土地は源平合戦の時代の貴族、藤原基房の松殿とよばれた別業があった土地だそうだ。

百畳敷きか?!と思うような広い大書院のみの訪問であったが、ここには茶室も大小様々あるのだそうだ。(見たかったな)そのどれも懲りに凝ったつくりだという。




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宗範はもともと検事・弁護士であった。茶道は主に遠州流(遠州流もたくさんの派があるらしい)を学んだそうだが、後に自分の流派・山荘流を設立した。
儒教的礼儀・道徳としての茶道振興を求め国を発展させる、という「茶道経国」をとなえた。そのために「広間書院の台子茶」を復活、厳格きわまりない茶道をめざしたところから、当時の鈍翁や箒庵などの茶道を趣味・教養ととらえ草庵の佗茶を好む近代数寄者とはソリがあわなかったらしい。
特に高橋箒庵(「大正名器鑑」書いた人)とは「高谷宗範高橋箒庵両先生茶道論戦公開状」に残されているような大げんか(?)をしたようだ(^◇^;)




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著作「お点前の研究」で44流派を比較検討された廣田さんにおさそいいただき、その山荘流を継承されている宗範のお若い曾孫さんの邸宅でおこなわれた茶会に参席させていただいた。

他流派のお点前を拝見するのは、いつもとても興味深くて楽しいので、めったに見る機会のないこのおさそい、ありがたい。
しかも茶道流派の研究で豊富な知識をお持ちの廣田さん(石州流鎮信派)のコメント付き!という贅沢さ。
あと遠州流のお若い男性もご一緒に。




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(干菓子・松殿山荘の紋)



宗範の軸がかかる待合から、三畳向切+変則的な向板?の小間へ。しかも釣り釜。

まずはお炭を。他流試合(?)で炭手前を拝見する機会はめったにないので、これも貴重な機会。丸ぎっちょを千家系では縦におくところを胴炭みたいに寝かせて置くのははじめて見た。枝炭が黒いまま、これは遠州流もそうだったな。遠州流を学ぶ連客さんによれば、かなり遠州流のお点前に近いのだそうだ。そういえば遠州さんのお点前はみているようであまり知らないな。

羽根の使い方もかなり違うし、練香は大きいかたまりを作って、それをちぎって二箇所におく、という斬新な!(裏千家のものとして)初炭ながら流れた炭をなおして、という後炭に近い感覚。廣田さんによると、濡れ釜を掛けるのは千家系で、石州や遠州でははじめから湯をつねに沸かしておくという設定なので、濡れ釜も(いわゆる)初炭もないのだそうだ。


亀末廣さんのこなし「つつじ」(ちらされた胡麻がつつじのおしべみたいでかわいらしいお菓子だった)をいただいて中立ち。

後入りの合図に銅鑼を使うのはおなじだ。
後座の花入が竹の一重切り、渋くてかなり古い物かな、と思ったらお正月に作られた竹の花入れから油ぬきした新しいものだった。そうは見えない。コデマリの花がいい風情。

お点前では裏千家と違うところをあれこれチェック。(これが楽しい)
建水を右手でもつところ、帛紗は武家手前なので当然右腰につける、捌き方がしごくようにして細かくたたむ、茶巾がなんと千鳥!(これたたむのいつも苦労する)茶をいれてさばいたあと、茶杓でいきおいよく茶碗のふちをたたかずに、小指で持って薬指のスナップのみで軽くふちにあてる、茶碗に仕込むとき、茶筅は上向き(茶杓は下向きでおなじ)、、、その他いろいろ。

なかでも一番ビックリしたのが、濃茶をのんだあとの茶碗を指をつっこんで指で洗うところ(◎-◎;)!!
(石州でも指使うらしいが)その指は、その指はどこでふくの〜〜??(ちゃんと着物をよごさないコツがあるそうです)



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ほんまに、自流派を中心にして他流派をみるとあまりの違いにびっくりするが、それぞれ違う理屈があるようで、何が本当なのかは不明、、、ということはわかった(^_^; 
同じ流派でも時代によって変化しているので、いよいよどれが正しい、ということはないのだろう。
全体として、お茶を点てる流れはどこも皆同じで、おいしく茶を喫することが肝要、ディテールにあまりこだわる必要はないと思う。でも他流派のお点前って新鮮。翻って自分の流派を外から見直す機会でもある。


うれしかったのが濃茶茶碗、斗々屋の写しを作ったのが、先日伊賀・丸柱の窯元を訪ねたとき、数ある作家さんのたくさんの茶碗の中から選んだ井戸写しの作者さんだったこと(窯炊きを手伝うほどお親しいらしい)。ここでまた再会できるとは!


茶会終了後、宗範の写真記録でもある松殿山荘の茶会記念の写真集を拝見させていただく。山荘開きのときはかの野村得庵も席をもっていたんだね。「あさがきた」で有名になった天王寺屋五兵衛(ドラマでは山王寺屋)の座敷(宗範が買い取った)の写真もあった。
大正15年、スウェーデンの皇太子妃を一族上げて山荘で茶の湯接待をした写真記録もあった。外務省などのバックアップもあったにせよ、一族だけで賓客もてなしできたとはやはりたいしたものだ、と感心する。

またいずれ機会があれば松殿山荘にももう一度いってみたいな。今度は茶室も拝見したいもの。


このたびは貴重な機会をくださった廣田さん、山荘流のYさん、ありがとうございました。





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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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