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2016-08

天平たなばた祭り2016 - 2016.08.30 Tue


      天海丹  雲之波立  月船  星之林丹  榜隠所見  
    
                 (柿本人麻呂)



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この歌をテーマに今年も奈良平城京跡にて天平たなばた祭り

おとなもこどももサンダル履きで気軽にいけるイベントながら、けっこう耽美な万葉の世界にひたれる。



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ぼんやり光る天平七夕行列がもう出発している。

冒頭の人麻呂の歌は私も大好きで、自作の茶杓に「月の船」とこの歌からの銘をとっているのだ。


   あめのうみに くものなみたち つきのふね ほしのはやしに ごきかくるみゆ


あまりに壮大な宇宙観満載の歌ではないか。



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船の形のフロートに乗るのは織女。


かつて平城京では七夕の頃(旧暦では今年8月9日だった)盛んに七夕祭りというのをしたそうで、それになぞらえたイベント。



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天平時代の装束に身を包んだ男女がゆっくりと踊りながら歩く様は当時もかくやと。



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日もだんだん暮れてきた。

ただこの体にまとうイルミネーションはちょっと夜の工事現場保安員を思い出させて、もうちょっと再考の余地はあるかも(^_^;



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天平時代の髪型はとても興味がある。絵だけ見るとどう結ったのかわからないのも。「日出づる処の天子」に憧れて、いちど角髪(みずら)に挑戦してみたが長さがたりないのと、どうやって髪をとめるのかわからず撤退。




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大極殿跡は広い。なにせ敷地の真ん中を線路(近鉄)がはしって踏切があるくらいだから。

かなたから見ると不思議な行列。



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さらに日はおちて、、、



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というまに行列は太極殿前へ。



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大極殿前広場のさらに前には子どもたちが紙袋に描いたキッズアートバッグ展。




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提灯のようでもあり、灯籠のようでもあり、この雰囲気によく似合う。




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大極殿前広場にて息をのむ。





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この広さは京都にはまねはできまい。



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あの広大な奈良公園一帯を燈火が埋め尽くすなら燈火祭〜春日大社万燈会に数年前にいったが、あれが素晴らしかったので、今日きたようなもの。




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まさに天之海、星之林。




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この日は風が涼しく心地良い宵であった。

燈火を眺めながら万葉の時代に思いをはせるのもまた楽し。



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燈火の前にたたずむ人々。

思いはそれぞれか。



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先ほどの七夕行列の人たちも大極殿の前で勢揃い。




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乞巧奠の飾りを模した物。
乞巧奠は奈良時代に宮中ですでにおこなわれていたんだそう。


会場では奈良のしろうとアーティストたちのダンスがあったり、ウォータープロジェクションマッピングで阿倍仲麻呂の生涯をやってたり、七夕の牽牛織女伝説をやっていたり、おとなも子供も楽しんでいる。

しつこいようだが、とにかく広いので、たくさんの人が押しかけているにも関わらず人口密度が低く、ほんまにゆったり見られるのだ。場所移動にかなり歩かないといけないけれどね。



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一画では夜店もでていてフード系かき氷系、どこも繁昌してはる。



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こんな方も(^_^;

フラッシュたけなかったので暗いけれど、このシルエットだけでわかりますよね。



最後に太極殿手前、第一次朝堂院あとのはらっぱにインスタされた四神ミラーボールアートがなかなかすてきだったのでご紹介。

ちなみに平城京は最初につくられた四神相応の都だった(たぶん、、、、)。



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東の青龍。

珠をとりかこむ龍の姿。時々キラッと光るのがまた美しい。



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南の朱雀。


これはフェニックスだね。




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西の白虎。

虎の毛並みを連想。



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北の玄武。

玄武は一見亀っぽいので、六角形のイメージの正20面体。なるほど、イメージでてる。




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最後に中央に坐す四神の長、黄龍。




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まさしく珠をにぎりこみ、首をあげる黄龍や。




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龍の髭。

目にはミラーが仕込まれていて外のあかりがちらちら移って畏怖さえ感じさせる。

どちらのアーティストさんが作られたのか知らないが、どれもすばらしかったわ。



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3日間だけ平常旧跡に現れる幻みたいな世界、堪能して太極殿をあとにする。





三条白川沿い〜和久傳・丹tan - 2016.08.28 Sun

徒歩圏内のご近所に和久傳さんの新しいお店ができました。


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柳の葉が水面をなでるくらいにたれ下がった景色が涼しげな白川沿い、三条南です。

丹 tan

は、和久傳発祥の地である丹後、それから丹後直産野菜の意味もこめられているのでしょうか。お野菜をがっつり食する店みたいです。



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なんと入り口に扉がないのにはびっくり。
半オープンエアーな作りでテーブルからこの白川の清々しい眺めが楽しめるのです。


ずっとずっと以前、和久傳がまだ丹後・峰山の料理旅館だった頃2〜3回行ったことがあるのです。高いところにある風呂場に続く長い長い階段がとても良い雰囲気で、登り切るまでさんざん途中休憩して風情を楽しみました。

だから京都に和久傳ができたとき、え?と思ったのです。今ではすっかり和久傳はずっと昔から京都にあるような印象になりました。



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ランチのコースをいただきます。
ここは朝8時から朝食コースもあるとのこと、早起きできた休みの日に試してみたい。

最初に鰹出汁+小梅。

この三島みたいな猪口、どこかでみたことあるんだけれどな、思い出せない。とてもすてき。



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お料理はテーブルの上にドンと並べてあるので、好き好きで取っていただく。
これは生野菜の盛り合わせ。
もろみとか塩とかお好みで味付けて。新鮮だと茄子も生で食べられるんですね。びっくり。


むこうに見えるのがキッチン。なんと食事のテーブルとの境目なしが斬新。



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あと数品、鉢にもった野菜料理を好きなだけとっていただく。
茄子の揚げ煮、蓮根と緑の野菜(おくらだったかな〜???)の白味噌ごまあえ、どれも素敵な焼物の鉢にはいっているので、懐石の強肴の器として参考になりそう。

お隣さん(知らない人)と鉢を手渡しでまわしあいっこするのが懐石みたいで楽しい。
向こうはあぶった鱧。



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ご飯になにか(^_^;葉っぱのはいった赤出汁。

そしてこれがとってもとってもおいしかった岩牡蠣のフライ。

基本牡蠣はきらいなんです。でも、最初何か知らずに口に入れた時、なんだろこれ、生麩みたいなふわふわの食感、生臭さは全然なく、おいし〜♪と思ったのです。あとで牡蠣と聞いてええええ〜〜っ?!

山椒醤油のタレも最高。タレはうちで作れそう。


きゅうりの朝漬けがまたおいしくて、ご飯をこそっとおかわり。あとおじゃこもありましたね。



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食後のカフェタイムは二階で。

また、この白川に面するカウンター席の眺めが抜群で!



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白川の柳はほんと美しい。
決して気軽にはいれるお値段ではないけれど、この景色も込みの料金と思えば納得。もちろん新鮮なお野菜がこれでもか!と食べられるのはうれしい。




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うちの裏庭で隣から侵入して困っているヨウシュヤマゴボウさえ、こんなふうに渋い花入れにいれると景色になります。

次回は朝食か、がっつり和久傳オリジナルの日本酒もいただきながら夕食か?楽しみです(^◇^)




西陣・藤田家住宅 - 2016.08.26 Fri

西陣は、応仁の乱西軍・山名宗全が陣をかまえたところから西陣とよばれるようになったのは周知のことと思います。



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今出川堀川の少し北、山名宗全邸宅跡の碑がたってます。町名も山名町。



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この碑のところから数歩西へ、国の登録有形文化財・藤田家住宅があります。文化財登録をうけると年に何回かは一般公開の義務が生じるのですが、今回「京の夏の旅」の一環として公開、行ってまいりました。
虫籠窓が重厚でいい感じ。

ちなみにここのほぼすぐ隣にかつて干菓子のUCHUさんがあったのよ。(現在は御所東)いまでもあります(^_^;




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もとは帯製造の機(はた)業を代々いとなんでこられたお家だそうですが、現在機業はもうされていないそうです。より歴史のある東棟に現在もお住まいです。今回の公開は新しい(昭和10年)西棟のみの公開です。



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おお〜!見事な夏座敷!

建具も長押の上の障子まですべて葦戸で、年代を経て飴色になった網代。

大きな町屋へ行くといつも思うのですが、年二回の建具の入れ替え、、いろんなサイズ、いろんな意匠の建具がこんなにたくさんあるとたいへんだろうなあ、、と。
これくらいの大店になると男衆、女衆と、使用人はたくさんかかえたはったと思われるので人海戦術でいけたのでしょうけど。それにしても季節外れの建具を収納する場所も潤沢にある、というのはさすが西陣、と思わせるのでありました。



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庭の正面に見えるのは茶室・養心亭。四畳半+水屋で又隠に似ているとか。命名は表千家の堀内宗完だそうです。中が拝見できないのがとても残念。
西陣の旦那衆にとってお茶も嗜みのひとつだったのだなあ。よい時代だったと推察いたします。




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茶室にならんでりっぱな蔵もありました。



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蹲居になりそうな庭の石に丸太の縁側。



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手前の六畳は網代は敷いていなかったので、飴色の畳を見ることができるのですが、これがまた上等な「中継ぎ畳」。

写真が暗くてわかりにくくてスミマセン。でもなんとなく畳の真ん中に色が違う筋のようなものが見えませんか?より繊細で細い若いイグサを使う為、長さが足りない分、一幅分を二本のイグサで編んであるのだそうです。その交差する部分が色が違うわけです。

手間のかかる畳で現在では廃れてしまっているのですが、京都迎賓館に新しく作られた中継ぎ畳があるそうですよ。



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六畳のさらに手前にはこんな三階までの吹き抜け空間が!
しかもここの窓にもしっかり葦戸がはまってる!

横にわたした板は流木だそうで、当時のご当主のこだわりがすごい、というかかなりの数寄人だったんですね。
西陣の町家は、織目がよくみえるようにと織屋建てという天井が高く採光がよい家が多いのですが、ここも仕事をする部屋ではないにもかかわらず、その意匠をとりいれている感じです。

この吹き抜けがあるだけで真ん中の六畳が明るいし。




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吹き抜けの下には水屋設備があって、六畳を茶室として使うときの水屋になったとか。よほどお茶好きだったんですねえ。糸偏産業盛んなりし頃の旦那衆の教養嗜みってすごいものがあったと思います。現在の社長さん方は、、???(´・_・`)

接近してみることはできませんでしたが、流しの前のタイルもいい感じでした。



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吹き抜けのさらに手前には洋室。
昭和初期の町家建築にたいがいありますね。この部屋の向こうが表通りになります。



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急な階段を上って、、、



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二階には広い座敷が南北にあり、一階にくらべて開放的で明るい部屋です。
こちらには当時使われていた道具などをディスプレーしてます。
古い扇風機やミシンなど。扇風機は思わず懐かし〜と言いそうになりましたが、歳がばれそうなので言いませんでした。(。-_-。)



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こちらの座敷は珍しい板壁。
これも当時のご当主の趣味だったとか。ちょっと落ち着かない感じだけれど。



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かつては西陣の甍の波が続いたであろう景色も、時代です。マンションやビルが目立ちます。景観条例も残念なことになってますね。



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二階から先ほどの吹き抜けを見下ろしたところ。この景色を毎日見ながら暮らすのもいいですね。



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もう一つの座敷は書斎みたいになっていて本の全集ものがぎっしり。



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「山名町藤田機業店」

かつて商品などをいれたであろう箱。
そういえば、あちこちに飾られている掛け軸や屏風に名物裂や帯地などを使っておられました。そのころの名残でしょう。




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私が学生だったころまでは、西陣ではあちこちで織機の音がガシャンガシャン聞こえていたと思うのですが、今はもうめったに機会がなくなりました。着物離れとか、糸偏業界いろいろたいへんな昨今ですが縮小してもせめてとだえることがないように祈るばかりです。着物文化も同じく。



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帰りに藤田家ご近所、いつも茶事のお菓子でお世話になっているところの愛信堂さんで黒蜜ミルクのかき氷を(o‘∀‘o)*:◦♪

やっぱり和菓子屋さんのかき氷は一味違う。和三盆の黒蜜!!汗がすっかり引きました。




処暑の朝茶事 - 2016.08.24 Wed

処暑〜暑さおさまるころ、、、

、、、なあんてことは全然ないきびしい暑さが続く京都であるが、まだ朝のしのぎやすい時間の朝茶事にお招きいただいた。



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5時起き、7時席入り。さすがに9月が近いと日の出が少し遅くなった実感。このあたりは中央卸売市場近くなので、市場でのりまわす動力付きの台車がたくさん、公道をどうどうと走っている姿に目が覚める。
こういう景色が見られるのもこの時間帯だからだな。

朝にしか見られない風景、光、影の長さ、その移ろい、それが朝茶の醍醐味だろうか。

茶事の進行はこれも流儀によりかなりちがう。裏千家では正午や朝茶事は初座は掛け物、後座で花になるが、こちらの流儀では朝茶事の初座が花になる。流儀それぞれ理屈はどれも納得なのだが、どうしてこんなに表現系形が違うのかしら。

魚籠にいれられた花は薄紫の底紅ムクゲ。時間の経過とともにしぼんでいく朝の花なので、朝の早いうちに、ということか。

灰型も、こちらの流儀ではすべて白い藤灰。一見豆腐にみえてしかたない直方体の藤灰を固めたようなのを前方すみに置く(奥の方にも豆腐はあるらしい。)。
ちなみに裏千家では普通の乾いた灰を灰匙で型作り、初炭で月形を切り(この灰型はこの一会の為だけのものという意味らしい)後炭で月形を藤灰で埋める。遠州流では湿し灰を使う、、、ほんまに多様で他流の炭出前を拝見するのはとても興味深く、貴重な体験だ。


炭の後は手作り懐石。
ご亭主は若い男子なのだが、これだけできたらもうなんでもできるよね、のおいしい懐石を作らはる。アボカドの実入り赤出汁はとってもおいしかった。裏千家の小吸物はほとんど白湯にちかいのだが、こちらではしっかり出汁と塩味がついて、さすが武家流という感じ。実のトマトが意外性あってよかったわ。

朝っぱらながら、おささもいただいて良い気分♪

主菓子は、カットグラス金縁の蓋物にはいった黒蜜かけトコロテン。涼しげ。
うちの実家あたりではトコロテンといえば二杯酢だったので、最初関西で甘いトコロテンを口にしたときには衝撃だった。今はもうすっかしなじんだけれどね。



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後座。

軸は「壺中日月長」。

高麗井戸脇で濃茶をいただく。たっぷりとよき練り具合で美味しく頂戴した。
この飲み方にも流儀があって、こちらではそれぞれ茶碗の違う場所から飲まれるとか。ちなみに裏千家では茶碗の同じ所から飲み回すのだが、小茶巾という流儀独特の秘密兵器(?)があって、これで自分の飲み口を清めるのだ。(茶碗をいためず、ある意味衛生的)

茶碗はつくろいがたくさんあって、その銘も「瀧川」。(瀬を早み、、、)割れてもすゑに、、、なのね(百人一首・崇徳院)。


続き薄も流儀があるようだが、ここではご亭主がたくさんのよい茶碗をご披露かたがた使ってくださって、いろいろ目の保養ができた。出てきたときから、あ、あれいいな、と思う妙全さんの茶碗もあって、これでいただいたのだが、すでに嫁入り先が決まった茶碗であったのが残念。堅手のも渋渋でよかったなあ。

最後に香合の箱をみせていただく。これが本桑の木地で今時の女桑と違って手に重い。金漆の文字も重厚感あって、香合そのものは塗の漆が特殊、かつ江戸初期のさる有名茶人の花押つきであった!

茶事が果てても時間はまだ朝の10時台、まだまだ一日は長い。早起きは三文の得というけれど、一日時間を得した気もするが若干眠いのがなあ、、、、(^◇^;)

それにしてもこうしていろんな茶事にお招きいただけるとは、なんと幸せなことであろう。お茶をやっていてほんとうによかった、としみじみ思ったのである(^-^)





真夏の大原〜グランピエ夏祭り〜リバーサイドカフェ来麟 - 2016.08.22 Mon

お盆過ぎたとは思えない暑さが続いている。うちらの近所はあちこちで地蔵盆(うちの町内は子供がいないのでお経をあげてもらっただけ。)だし、もう夏も終わりのはずなんだけれどなあ。



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ご愛用の寺町グランピエさんの、大原倉庫の夏祭り。

三千院あたりをさらに北、途中峠手前のところにあるのよ。



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ふだんは閉まっている古民家を改造した倉庫。



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大型家具やら雑貨やらぎっしりつまった宝箱をまえに、まずは腹ごしらえだ。

河原町三条のとこのスペインバルsesamoさんの出張屋台。



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パエージャやら炭火焼きのイベリコ豚やら、食欲をそそってやまない匂いが!

隣ではコモエスタヌキさんというギタリストがスペイン語の歌を投げ銭で歌ってはって、気分はもうスペインのバルだ。歌詞のスペイン語がところどころわかるのがうれしい。



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倉庫前の屋外テントは暑かったけれど、ここでパエージャとトルティーじゃをいただく。車でなければここでビール!といいたいところだが、、、



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古民家は二階まであって、どちらかというとメイドインインディアのものがほとんどだったな。寺町店には二階に李朝雑貨屋家具があるのだが、ここにはないようだ。ちょっぴり残念。



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ブリキ系の日用雑貨の山の中から、掘り出すといろいろ楽しいものがありそう。



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チープなガラスコップもなぜか昭和の匂いがしてなんだかおしゃれだ。しかもめちゃくちゃ安い!



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二階の屋根裏にもガラス系やインド更紗のファブリック系などぎっちり。




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まわりはこんな大原の山の中。



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こんなお客さんもきていた。



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買い付けに行って送ったコンテナごと放りだしている、、って感じがまたいいね。古民家の向かいの文字通り倉庫では買い付けたむこうの家具をきれいにしたり修理したりしてはった。



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この古民家も良い感じだなあ。住むにはちょっとまわりが山の中過ぎるけど。



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大物家具や建具はインド製なのでちょっとテイストがあわず。結局手に入れた物はこれ。

インド綿をざっくり手織りしたストールと、多分もとは電灯の一部であったと思われるガラスドーム。これは下の部分で、本来ひっくりかえして上から電灯をいれて吊す物。好日居さんでミニケーキのカバーにしているのをみたことがあるので、真似してみようと、、(^_^;



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せっかく大原に来たので、前から行ってみたいと思っていた野菜ソムリエさんのカフェへ。



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寂光院へ行く道の手前にあるリバーサイドカフェ来麟
もとはお土産物屋さんであった建物と見た。



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木屋町の野菜ソムリエがいる居酒屋・来恩(ライオン)の二号店?しかしライオンとか来麟(キリン)とかって、、、(^_^;

大原は野菜農家の本拠地だから、ここで現地の野菜を使っての料理はさぞや新鮮でおいしいのだろう。



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何種類から選べるおにぎりに野菜料理バイキング、どれも見た目も美しくおいしそうであったのだが、、、さっきsesamoさんのスペイン料理をたらふく食べた後、味見はまた後日。

というわけで、野菜ソムリエの店でケーキを食べるというへんな客になってしまった。



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しかし、大原といえど、あっついなあ、、、、



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かえり道はかならず寄る大原里の駅、旬菜市場へ。




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大原アグリビジネスの旗艦ショップ。とれたてのお野菜、新鮮でおいしいのよ〜。晩飯のネタを買って帰ったのでありました。



ノルウェー紀行2016〜その4・ガイランゲル〜オーレスン - 2016.08.19 Fri

フロムからさらに北のガイランゲルまでは約270km、この道がかなりフィヨルド地方を満喫できる。



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山脈をつらぬくため、トンネルが、、しかもメチャクチャ長いトンネルが多い。そうでなくても左ハンドル、トンネル内は運転コワイのに、全長25km!!なんてトンネルがざらにあるんだよ〜。゚(゚´Д`゚)゚。

あまり長いトンネルにはドライバーの眠気さましの為に、こんな風に急に青いライトになったりする。たしかに、はっとするわ。



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国道がとちゅうでいきなりフェリーになったりするのもさすがフィヨルド地方ならでは。




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あいにくの大雨でもややら、霧やら。天空をドライブする気分か。



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それでも景色がとてもきれいなので、あちこち停めながら、雨に濡れながら写真を撮るブロガー魂!(^_^;)



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トンネルに不具合があって30分待たされた場所では羊にけげんな顔をされつつ。




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車が山間部に入ると、、、、

おお!!!
これは氷河ではないか!!




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そびえる岩が切り立ち、石がごろごろ、寒さで植生のない場所も。この荒涼感がいい。



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家のすぐ近くまでに万年雪が。




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白い筋のような物はすべて水の流れ。




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車さえ停められれば手を触れることができる万年雪もあるよ。(みんなびゅんびゅん飛ばすので恐くて停められん、、、)




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道がやや下り坂になり、ようやくガイランゲルのホテルに到着したのは6〜7時間後であった。しんどかったが(運転する相方が、、、)フィヨルドクルーズよりはるかに景観が印象的であった!

薄明かりでもすでに21時ごろだったので、ホテルの窓からは霧しか見えなかったが、翌朝起きてみると、、、




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わお〜!

フィヨルドの湾の絶景かな!



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早朝だが、大きな客船も入ってきた。



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しかし見晴らしはそう長くは続かず、また雨。雨の中をガイランゲルの町までおりてみる。なんとここは人口200人の村なんだそうな。そのうち半分以上が観光業にたずさわっているのだろうな。



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観光地らしく、おしゃれなカフェやレストランなども。



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集合した郵便物入れ。かわいい。




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こちらはカフェ併設のパン屋さん。



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ここでコーヒーブレイク。

ノルウェー、というか北欧ではシナモンロールがおやつの定番なんだそうで、あちこちで見かけた。(なんでも日本では「かもめ食堂」で有名になったらしいが。あれはフィンランドだけれどね)

ノルウェー語ではカネルボッレ。後日空港でシナモンロール!!と叫んだがなかなか通じなかった、、、、(´・_・`)どうりで。




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ハンドメイドのチョコレート工房は併設のカフェもカントリーな感じで居心地がよさそう。あま〜いチョコの香りについつい大きなの、買ってしまった。これ日本に持って帰ったら溶けるよね、きっと。




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見所をまわる、という二階建てのパノラマバスに乗ってみるが、われわれを含めお客さんは10人以下。貸し切り状態で楽しめたわ。

いままでもあちこちで見かけた山から吹き出す水。
下水溝もなく、ただ地面に流れ落ちているだけなのだが、いったいこの水はどうなってどこへ行くのか???




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いまだにこれがずっと謎で、舗装道路の下がゴロタ石になっていてそこを濾過されてフィヨルドにそそぐのか?と推測してみたのだが、答はわからない。日本なら道路にこんなに水が噴き出していたらすぐ道冠水、もしくは山なだれ頻発だよ。



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もう少し晴天の日があったらなあ〜〜、、、




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ふたたびホテルの窓辺で。お茶を点てるが湾はもやで覆われて見えなくなった。




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たま〜にもやが晴れるとよい眺めなんだが。


次の朝、ふたたび車で海沿いの町、オーレスンへ。




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久々に町中へ帰ってきた〜。

それにしてもどこを取っても絵になる市街地。きけば1904年の大火で大きな被害をうけたあと、当時の建築家が流行のアールヌーボー様式の建物を次々と建て、現在のこの町並みに生まれ変わったのだそうだ。



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ほんとうはもっと町歩きをしたかったのだが、鬼の霍乱、1年のうちお腹が痛くなるなんて1回あるかないかの私が急性胃腸炎症状で倒れてまして、、、ホテル周辺しかあるけなかったのだ。


フィヨルドに真珠繋ぎのようにつらなる島ぎりぎりに立ち並ぶアールヌーボーの家家を俯瞰できるアクスラ山展望台にも行けず、、、、(;д;)

でも、ヨーロッパ一人旅中のFB友さんが、ご自分の写真を送ってくれたのがうれしかった、、、と同時に悔しかった〜(*´~`*)

(参考画像はコチラ




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それでも美しい町歩きは楽しい。
ここも人口4万人の町なので人口密度きわめて低い。だから普通の道路の信号が、、、、あるにはあるが消灯してたのよ。びっくり。




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これね、アールヌーボー様式の家家。



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王冠をいただく海洋国家の紋章。




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港にはヨットもたくさん停泊中だが、タラの漁獲量では世界有数の港なのだそうだ。




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モーターボートも市民の足なのかしらね。



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カヌーを楽しむ地元の人もいる。




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あ、こんなところにもトロールがたたずむ。




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その後、胃腸炎はかなり改善した。

翌早朝、オーレスンを発つ。
雨に濡れた石畳がきれいだ。




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明けやらぬ夜の町もまた美しい。



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空港に到着。
約500kmを踏破したレンタカーにここでお別れ。ご苦労様、ありがとう。




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1時間弱でオスロ空港に到着。空港の待ち時間に最後のシナモンロール、、いや、カネルボッレを食す。甘〜!みんな同じ事を考えるのか、ロビー中にシナモンの香りがただよっていた。




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空港は人口が少ないせいか機械化がすごく進んでて、チェックインも機械ならスーツケースにシール貼ってバゲッジドロップに送り出すのもセルフなんよ。ちなみにこれはそのシールを発行するもの。



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飛行機から見下ろしたフィヨルド。



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自分へのお土産は、ろうそくに火をつけると空気対流でくるくる回るシルバーのオーナメント。



それにしても、ノルウェー、北欧に対してあまり知識のないまま行ってしまった旅だった。いままで北欧はあまり興味がなかったのも事実。歴史や、文化、美術品など、どうしても中央〜南ヨーロッパに負けるから。
もし再びおとずれる機会があったなら、もう少し勉強してから行かねばならぬ、、、とこっそり反省するのであった。




ノルウェー紀行2016〜その3・フロム〜スターヴ教会 - 2016.08.18 Thu

レンタカーを借りて、ベルゲンを夕方(といっても全然明るい)発ち、内陸部に深く入り込むフィヨルドの奥深くの町、フロムをめざす。



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ノルウェーは自動車は右側通行、だから車は左ハンドル。運転するのは相方で私は(性能の良くない)ナビに徹するが、やはり慣れないとこわいもんだね。がんばれ!




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万年雪の残る景色。

距離にして160kmくらいだったが、フィヨルド沿いのくねくねした道は景色がすばらしかった。(ドライバーは全く見る余裕がなかったらしい(^0^;))



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あちこちに車を停めながらドライブ。



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フィヨルドの近くには雪解け水なのか雨水なのか、いたるところに滝が大量の水を吐き出している。




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けっこう水は冷たいのだが、こちらの子たちは平気みたいで、下流の方で水遊びをしていた。ブルブル、、、



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道は信号もなく(交差点は信号のない roundabout、これは昨年の英国で慣れていた)渋滞もなく、でもときどき一方通行ちがうん?というような細い道もありつつ、無事山間部のフロムに到着。

フロムのホテルロビーの夕刻。気温は一段と低くなった。




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やはり乾燥冷涼を愛するバラが美しく、とくにこのバラは香りがうっとりするくらいよかった。(バラもさんざん失敗したな〜、、、私)




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フィヨルドの絶景を見ながら山岳部を走る観光客に人気のフロム鉄道。日本で予約はしていたのだが、今回ドライブで陸の景色は堪能できたので、キャンセルして、明日はフェリーにのることにした。



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フェリー発着所にはなんと、こんな大型客船まで停泊している。よほど水深があるんだな。(フィヨルドの最深は1000mもあるらしい)



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今回は雨の日がほとんどだったため、野点ができなかったのが残念。
次の日の早朝、ホテルのテラスで明けゆくフィヨルドを眺めながら一服。まあ、これくらいしかできなくて。



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フィヨルドクルーズのフェリー。中国の団体さんがいっぱいでびっくり!京都だけじゃないんだ(◎-◎;)



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ここからしばらくフィヨルドの写真が続く。

、、、、、正直、ちょっと途中で飽きました(^_^;

適当にスルーしながらみてくださいませ。



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まあ、こんな景色が延々続く、、、



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あちこちに残る万年雪。



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そびえ立つ山の下のほんの少しの平野部にしがみつくように建つ家々は美しい。



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海の浸食作用を目で見ることができる絶景。



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けっこう本降りの雨でデッキは寒く、しばし船室で暖をとる。



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茶碗もフィヨルドをわたった。(^o^)b



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フィヨルドも雨でけむる。



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で、やはりあちこちから滝のような水が、かなりの高度の山のてっぺんからふきだしている。あの下で滝にうたれたら首の骨確実に折れると思うよ。



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この陰鬱なフィヨルドが北欧のイメージだった。



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グドヴァンゲンの発着所が近づくとカモメたちがフェリーに集まってきた。



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エサを催促しているのかな。残念ながら食べる物もってないのよ。



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グドヴァンゲンも人口少なそうな(500人もいる?)町だけれど、発着所は観光施設が充実。
お土産物屋では、、、ヴァイキングの帽子は定番ですね(^_^;

ここから出発点のフロムまで、帰りはバスでなんと20分!行きは1〜2時間かかったのに(◎-◎;)


さて、フロムから次の宿泊地、ガイランゲルまで270km、5時間くらいはかかると思われるので昼過ぎに出立。

その前にフロムの近くにあるボルグン・スターヴ教会にたちよる。



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スターヴ教会とは北欧独特の木造形式の教会で11〜12世紀に盛んに建てられたそうだ。最盛期には1000棟以上あったらしいが、現在は28軒を残すのみなのだそうだ。



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ここ、ボルグンのスターヴ教会(一番右の建物)は1180年の創建。修復はかなりはいっているとは思うが、それでも当時の雰囲気はしっかり残っている。



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これは教会?とおもうほど怪しげなフォルム。異教徒の祭壇のようにもみえる。




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突き出した竜頭がなんとなくヴァイキング船を連想させる。



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木材が黒いのはタールがにじみ出してきたからだ、とパンフに書いてあった。そして荒っぽいこけら屋根。




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内陣への入り口の紋様はケルト紋様にも似てる。まあ近いので文化的交流はあったはずだ。



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祭壇の上部。
中はかなり薄暗い。一応キリスト像の絵が置いてあったが、それよりも黒魔術の方が似合いそうな雰囲気だわ(^_^;)



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中世後期には石造りの教会に取って代わられるのだが、いくら木材が豊富とは言え、ヨーロッパにこんな古い木造建築があったとはしらなかった。(でも、法隆寺の方がすごい!とナショナリズム発揮)



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どことなく海洋をめざすバイキングの船首をイメージさせる。



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ネットであっというまに世界とつながる時代においてもなお、知らないことは世界中にまだまだたくさんあるものだなあ。



ノルウェー紀行2016〜その2・ベルゲン - 2016.08.18 Thu

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約7時間の寝台車の旅。ちなみにコンパートメントはこんな感じ。



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早朝6:51にスカンジナビア半島西側のベルゲン到着。



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鉄道ベルゲン駅。早朝の景色は美しく絵になる。



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駅の構内。ヨーロッパの鉄道駅はどこも美しい。



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再び駅の表から。
大きなアーチ型のガラス窓はヨーロッパのクラシックな駅のシンボルだね。



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ちなみにこの朝の気温は確実に10℃以下。(計れてないが)わたしの装備はすでにキルティングモードですのよ。
さっぶ〜〜〜!




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早朝のベルゲンの町を港の方に向かってあるく。ここも美しい石畳の町の景色。



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ああ、海が見えてきた。




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有名な魚市場はまだ早すぎてほとんど開店前。



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まずは早朝の、ハンザ同盟遺構ブリッゲン遠景を眺める。

ちなみにノルウェー語は単語などがどこかドイツ語に似ていると思うが(ブリッケンもドイツ語のブリュッケ=橋にちなむ)ハンザ商人が北ドイツ人だったことを思うと当然と言えば当然なのだな。



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ハンザ同盟、、、ハンザ同盟、、、、

むか〜し、世界史で習った懐かしい名前なんだけど、、、(^_^;
なんだったか思い出せないというあなたに(私も含め)復習すると、、、

「中世後期に北ドイツを中心にバルト海沿岸地域の貿易を独占し、ヨーロッパ北部の経済圏を支配した都市同盟である。」(by ウィキペディア)




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ハンザ時代に200以上あった同盟都市、なかでも常駐の重要貿易事務所があったのは4ヶ所。ベルゲンはそのひとつでありかつ唯一の当時の面影をのこす町なのだ。

しかし建物自体は18世紀の大火で焼失、その後当時の建築技術で再建されたもの。現在ではショップやカフェがはいっているが、改修も当時の技法で豊富な木材を使っておこなわれているので、ハンザ都市時代ほぼそのままの形を保っているといわれている。



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港に面する場所にあるこの木造の建物は(20世紀の再建だが)当時の埠頭小屋(積み荷を一時的に置く場所かつ、価格交渉が行われた場所)である。



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なかにはまだ改修半ばで、このような書き割りをはりつけたところもある(^◇^;)



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建物はどれもかすかにかしいで、お隣との間にへんなスキマができているあたりも当時っぽくて良い感じ。




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建物と建物の間に細い通路があちこちに走っており、、、




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当時の面影そのままらしい。



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現在は観光のスポットとなっていて、奥の方の小屋にもいろんな店がはいっていておもしろい。



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奥の広場ではノルウェー名物干し鱈のオブジェが。
ハンザ商人がベルゲンで扱っていたのが主に干し鱈だったから。



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このオブジェのそばにある井戸には観光客がコインを投げいれていく。



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これがここを保存維持するための資金になるそうだから私も投入しておく。




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このすてきな建物は1666年に建てられたままでブリッケン最古の建築物だとか。



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現在ではアートギャラリー、スクールになっているらしい。




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どこのお店もおしゃれで、建物の雰囲気を損ねていない。この中のノルウェー刺繍(ハーダンガー刺繍)のお店で刺繍キットを買った。自分で作るつもりだが、一体いつできるのか???これ織糸を抜いたりややこしいのよ。




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その合間を縦横に走るすきまの通り道。建物の絡み合いが非常に複雑になっていて、建築学的にどうなんだろ、これ。



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改修中の家があったが、こんな風に昔ながらの丸太を使うのね。北欧と言えば木材資源は豊富だろうし。




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このブリッゲンの並びにあるハンザ博物館へ。

実は予想以上によかったのだ、ここ。ハンザ時代の事務局を再現している建物なのだ。1872年、商人オルセンの1700年〜1800年代のインテリアコレクションをベースに設立され、北ドイツ人が中心だったハンザ時代からノルウェー人が引き継いだ時代の折衷様式のインテリアになっている。




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ここは事務局時代の執務室を再現した物。

あ、、、これは、、、




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(あれはオランダだけれど)フェルメールの世界だ。(100年ほどずれるけど、、、)



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主要取引商品であった干し鱈(京都も棒鱈が有名だが、にたようなもんか?)も干してある。



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これは使用人のベッド。
こんな丈の短いベッドであの大きい北欧人が足を伸ばしてねむれたのかな。まあ、使っていたのは主にドイツ商人だというが。



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先ほどの執務室を外から見たところ。



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博物館の横にはこんなクラシックな建物があったが、中はスタバ!



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クラシックな町並みを歩いて、ハンザ博物館別館の集会場へ。



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ハンザ時代の共有集会所で、表の店は火気厳禁であったが、ここには冬は暖房が入れられたので、冬期みんなが集まる場所になっていたらしい。宴会やら会議やら食事やらときには法廷にもなったそうだ。




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わ!ここにもフェルメールワールド!(勝手に命名)



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共同炊事場。どんな料理をしていたのかなあ。



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広い部屋がここにはいくつもあり、こんなふうに暖房がいれてあったのだ。
ちょうど私も寒かったので、実際にほんのり暖かいこの蓄熱式暖房にたすけられた。



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ふたたび港に出ると虹がかかっていた。




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さて、そろそろ魚市場もあいたころかな。




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そうそう、ノルウェーも捕鯨国なんだ。だから鯨肉も売ってる。



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ハンザ時代と同じ干し鱈も。



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さて簡易テントではランチの人だかりの真っ最中!



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売っている魚介類を選んで目の前で調理するスタイルが多い。




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フィッシュ&チップスと魚介のグリルいただきました。またボリュームあるんだわ、これ。でもイカリング、おいしかった!



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蟹〜〜!!(食べられなかったけれど)
なにしろノルウェーは物価が高いのだよ。しかもこの観光地でさすがにそれだけはランチのためには払えんわな〜、、、というお値段で。



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魚市場のはしではフルーツの出店があったので、ここでベリー類を一カップ買って、、、



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ブリッゲンを対岸に眺めながらベンチで食べる。カモメやら鳩やらがよってくる。



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この眺め最高。



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パンくずをやったら独り占めしてたべちゃった雀。やはり日本の雀より一回り大きかった。




ノルウェー紀行2016〜その1・オスロ - 2016.08.17 Wed

村上春樹のファンでもないのになぜ今年はノルウェーか?

ただ、、、、暑いから、、、、寒いとこへ行きたかった、、、、(というか、諸般の事情でドタキャン可能な飛行機がこの路線しかなかったというべきか)


まあ、とりあえず希望は達成できましてよ。37℃越えの京都をあとにしてたどりついたのは15℃前後の涼しさ、山間部では5℃下回る涼しさ、いえ寒さを体感してきましたので。




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オスロの町はコンパクトで徒歩圏内にみどころが集約している。まずは起点となるオスロ中央駅。昨年駅舎リニューアルでレストランやカフェ、お店がたくさんはいって地下鉄との連絡も便利になったらしい建物。

でも一国の首都なのに全然人少ないではないか。

と、思ったらノルウェー一国の人口って500万ちょっとなんだ(@_@;)!どおりでどこもスカスカしてるわけだわ。(観光地以外)
ちなみに大阪府だけで800万なんだから、そんな人口で国を維持していけるのが不思議でしょうがない。



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まずは駅発の地下鉄でムンク美術館へ。
ここは美術館の最寄り駅トイエン。 やっぱり「叫び」がフューチャーされてますね。

(ノルウェー語はなじみが少ないので、どうしても地名がおぼえきれんかったり、変体アルファベットがはいって読めんかったりするんだわ。)




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少し郊外にあるムンク美術館。

1963年にムンク生誕100周年を記念してオープンしたが、3年前にリニューアルされたらしい。こぢんまりとした美術館。



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ヨーロッパの美術館はフラッシュ無しなら写真取り放題というところが多くてうれしい。



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「叫び」のリトグラフ。見慣れた油彩は国立美術館の方なのであとで行くことにする。

ちなみに叫びはこの人物画叫んでいるのではなく、道を歩いていたら急に叫びが聞こえてたちどまった、耳をふさいだ、という場面。



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この絵が油彩の「叫び」と同じ場面。



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これも有名な「マドンナ」のリトグラフだが、油彩にない左下の胎児みたいのがコワイ。(マドンナの胎児=キリストだよね??)



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ふたたび地下鉄で中心部へ戻る。駅がおしゃれだ。オレンジ色のパネルにはめこまれた三日月型は飛び出していて、表と裏と色が違う。北欧デザイン面目躍如ってとこか。(マリメッコはフィンランドだっけ?)




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国立劇場周辺。このあたり、王宮、市庁舎、国立美術館、オスロ大学などがたちならぶ。



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オスロ大学の裏庭。静かなキャンパスらしい風情。今は夏休みなので学生の姿はあまり見ない。



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大学の裏手にある国立美術館。



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おお!マドンナ!(油彩)

こちらにはあの胎児は描かれていない。



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「叫び」(油彩)
とりあえずのノルウェー土産にはかならずモチーフとして使われているわね(叫びケーキもあった、、、エグイ)。


”私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた。”

(ムンクの日記から)

ちょっと心療内科の患者さんっぽい印象もあるが。
自然を貫く果てしない叫び、、、ってなにか意味があるのだろうが。




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お兄さんが見入っている絵も有名な「思春期」。
私は以前から、叫びよりむしろこっちの絵の方がムンクの絵らしい気がしていた。



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さすがに国立美術館、教科書に載るほど有名というわけではないが、ベラスケス、ルーベンス、ドラクロワ、ルノワール、ピカソetc 有名どころの絵画もたくさん所持している。



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ギャラリーカフェ、デン・フランスカ・サル、雰囲気がよいのでねらっていたが、ちょうどお昼と晩餐の間の中途半端な時間ではいれなかったのが残念。



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この時気温13〜15℃。
日本で言えば10月くらいの爽やかな気候だ。実は旅後半はほとんど雨でひたすら寒く、(ノルウェーは1年のうち300日が雨、といわれる)気持ちよい天気だったのはこの時だけだった。



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海に面した場所に立つ市庁舎。
オスロ創立900年を記念し1950年創建だから戦後の建物。だからなんとなくいわゆる「モダン」な感じ。



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デザインもなんとなく「モダン」。(日本で言えば「昭和」な感じか)



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見所は一般に公開しているセントラルホール。
フィレンツェ・ヴェッキオ宮殿の500人広間のむこうをはった感じ。



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市庁舎前の噴水も白鳥のモチーフだったが、そういえばノルウェーの作曲家グリークにも「白鳥」という曲があったと思う。トゥオネラの白鳥はフィンランディア(シベリウス)だが、とにかく白鳥は北欧のイメージだ。



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二階から見下ろすとなお、その広さがわかる。まわりを囲むのは地元アーティスト300余人による作品なのだそうだ。



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ここが市議会室。

オスロの人口65万(京都市の半分以下)だというから、市議会もたぶんこぢんまり、いやミニマイズされているんだろうな。



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広場の向こうには北海が見える。さらにそのむこうにデンマークが、、、見えるかな???




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海べりに出て湾沿いに歩くとトラム線ぞいにアーケル・ブリッゲという港の倉庫街を再開発したショッピングゾーンが。



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このときも驟雨に襲われ雨宿りがてら入ってみた。



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おされな店が多かったが、シニア層は対象としてないみたいで(^_^;)



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やっと雨もあがったようだ。



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町の目抜き通り(中央駅から王宮までまっすぐ)カールヨハンス通りを歩いて見よう。



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駅を背にして正面は王宮。

通りの名前はこの王宮を創設し、スウェーデン国王も兼ねたカール・ヨハンス14世(18〜19世紀)にちなむもの。




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おしゃれな建物がならぶ。



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カフェテリアがずらっとならび、ここはパリの一画?といわれても疑問を感じない。



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公園では親子がシャボン玉遊び。
なんだか町中もせかせかせずゆったりしている。ただし、ここら辺を歩いているのはほとんど観光客だろうが。



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町中はとにかくどこも花と植木が見事に世話されていて感心した。乾燥冷涼(日本と反対)がなにより花を育てるのにはいいのだ。(だから日本では失敗するのだ。←ガーデナー失敗経験あり)




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王宮の庭園は公開されている。
ノルウェーってたしかに王国だけれど、イメージがわかない。北欧の王室はあまり歴史の表舞台に華やかに立ったことは少ないだろうから。



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イケメンばかりそろえた、といううわさの衛兵。
バッキンガム宮殿の衛兵と違ってキョロキョロよそ見もするし、観光客と話しもするみたいよ。



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海が近いから王宮の庭園にはカモメもやってくる。



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小さな池があり、この時間はもう19時をまわっていただろうか、さすがに白夜の国、影が長い長い。



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衛兵の交代か。
これがある時、国王は宮殿におられるとか。現国王はハーラル5世。オリンピックにヨット競技で3度も出場したと言うからすごい。



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しばし長い昼を楽しむ。
緑がやはり美しい。


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この調子で22時まで外が薄明るいのはさすが北欧。



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この日の夕食はカールヨハンス通りのパブでパブ飯を。



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パブ飯は日本人にはけっこうボリュームあるんだわ。
そういえば北欧人って私の二倍くらい(イメージ)あるよね、身長も体重も。ほんでもって、若い女の子は天然のプラチナブロンドが多くて、これを結い上げるとまたかわいいんだ〜(^。^)b。




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街角にはあちこちトロールの人形が。

「アナと雪の女王」にもでてきたけれど、北欧各地につたわる伝説の妖精。一般的に醜い外見で善者とも悪者とも。おみやげのモチーフとしてはキモカワ、、、くらいか。



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一説にはいわゆる山の民。一般人に交わらずいろいろな生活の知恵や技術を身につけていた集団をまとめてトロールとよんだのかも。

そういえばフィンランドのムーミンもほんとうは「ムーミン・トロール」なんだよね。




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オスロは一日でざっとまわれる町なので、ここにはとまらずふたたび中央駅。



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23:25発ベルゲンへ向かう寝台車で車中泊。



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昨年イギリスで寝台車の旅をしてからすっかり寝台車づいているのであります。空港へ行く時間を気にしなくていいのが利点。狭いのは難点だが私よりもっと体の大きいノルウェー人が使ってるわけだから大丈夫。

夜行列車は一路ノルウェー最大の港湾都市ベルゲンへ。



お盆の頃つれづれ - 2016.08.10 Wed

日中の気温37〜38°、でも体感温度は40°越え、陽射しがちりちりと刺すような、お盆の頃の京都。



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早朝から弘道館の暁天茶会へ行く。




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この日のテーマは京都の中の出雲。

賀茂川にかかる出雲路橋、あの周辺に出雲族の集落があったとか。出雲の阿国は島根県の出雲ではなく、京都の出雲族の出身ではないか、などの歴史の教科書には絶対書いてないような話がおもしろすぎ。興味は尽きない。京都は歴史が今につながっている町でもある。


太田先生がわざわざ出雲まで買い出しにいかれたという十六島のりの朝粥。海苔の香りがこうばしくてとてもおいしい。

十六島=うっぷるい。最初聞いたときは北海道?と思っちゃったわ。そこでまたアイヌ文化と出雲文化のかかわりについての蘊蓄を。

付け合わせの浅漬けの中にホンダワラを使ったスタッフ手作りのエゴノリが。これは、九州ではおきゅうとというやつやね。

出雲にいったのは幼少のみぎりでほとんど記憶にない。近いうちにまた行ってみたいと思うことしきり、の勉強をした茶会がおわってもまだ10時まえであった。




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なのでその足で六道参りへ。



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主な目的は西福寺(幽霊の子育て飴の向かい)に祈願銭を交換しに。
財布にいれておけば願いが叶うという祈願銭は紙に包まれた5円玉。日付をみたらもう3年もご無沙汰してたんや。子育て地蔵があるので、孫が生まれる前に行ったけれどあれはお盆じゃなかったからなあ。



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ふるい5円玉を返して、新しいのをいただく。

3年ぶりにこの数日だけ公開される壇林皇后九相図()を拝見。(ちょっとえぐいよ)
まあこの時期だからの物だが、おそろしゅうてやがて悲しき、、、感じかな。諸行無常。

ここはこの時期地獄絵の絵解きもあったのだが、今年もあるのだろうか。



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人がいっぱいの六道珍皇寺では高野槙や蓮の花が売られ、迎え鐘を撞くためにこの炎天下、長時間並ぶ人の姿も。




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お盆の間だけ公開される熊野観心十界図、閻魔様や小野篁像を拝見して、お線香を手向ける。うちの新仏は猫のプリさんだが。




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六道参りの松原通り、お昼ごはんはここがおすすめ。




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通り庭のある台所、昔ながらの町家で家族総出でお商売してはる。一個100円のおいなりさんがおいしい。



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下鴨の川口美術で気になっていた「韓国古陶磁探求陶人展」にも行く。愛する李朝陶磁へのオマージュ。たくさんの作家さんが参加。お馴染みの方のも初めての方のも。
象嵌のある李朝青磁を侘び的、あるいは民藝的に解釈した器がおもしろい。

飯碗とか、栄螺の形のぐい飲みとか、白磁の小さめ水盤?平鉢?を連れて帰る。




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出町はここからすぐ近く、良い時間帯だったので、なかなか食べられない(1日20食限定)出町ろろろさんの「ろろろ弁当」を。




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大原の無農薬野菜をふんだんに使ったというお弁当一の段。旬の野菜をそれぞれの調理法で、ちまちまとたくさんでてくるのがうれしい。これに二の段・ごはん、ミニ天ぷら、出汁巻き、味噌汁ついて1080円!




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そして灼熱の五条通りへ出て、陶器市をふらふらめぐる。




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あ〜〜くらくらする暑さ。゚(゚´Д`゚)゚。

めまいしそう。でもゲットするものはゲットして、、、、


夜、避暑に旅立つのだ。わははは、、、、(暑さでちょっとおかしくなってきた)

というわけで旅行中、しばらくブログ更新はお休みします。

皆様もどうぞよい夏をおすごしください。




オリヒメヲイツキマツル〜今宮神社・七夕祭 - 2016.08.09 Tue

紫野・今宮神社内の摂社・織姫社は西陣の織物業界の信仰も篤い神社であるが、着物業界の衰退とともに失われたこの社のお祭りがある。七夕は織女、つまり織物に関係があるので旧暦7月7日におこなわれていた七夕祭りだ。



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この七夕祭が昨年、西陣の織物関係者、同志社大の学生有志や地域の人たちの手によって再興された。




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これに賛同したアーティストたちが祭をもりあげるらしい。
京都の糸偏産業関連なので、綾傘鉾のご縁をもってご招待いただいた。




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受付でこんな団扇をいただく。

一和のあぶり餅と赤飯引換券付き。(かざりやさんのもあったよ)




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夕刻の神事を待つ間、ここであぶり餅をいただく。



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織姫社の御祭神は栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)。

「神名の「栲」は「たへ」と同じく、梶の木の皮の繊維で織った白色の布を指し、古の布の総称としても用いられる」と書かれており、そうか、七夕に梶の葉を飾るのはこっからきているのか!!

、、、と学習。なんでも勉強になるなあ。


ちなみに社の前の両脇にたっているのは織物と切っても切れない杼(シャトル)ですよ。



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やはり来られていた方々は呉服業界の方が多く、祗園祭の時にお見かけした顔もチラホラ。みなさん、暑い中夏着物や浴衣をしゅっと涼しげに着こなしておられる。さすが!



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この式典のBGM出盛り上げるのは打楽器奏者、芸術監督として名高いツトム・ヤマシタさん。

サヌカイトという鉱物を打楽器のように使いシンセも使って、妖しくも美しい場をつくっておられる。



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神主さんが御幣をもって場の四方を浄めるのだが、このBGMにのってされると、暮れゆく黄昏時の妖しさとあいまって、まことに不思議フシギな空間になるのに驚く。これはすごい、、、

ちなみに御幣には梶の葉と五色の布付き。



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えらくべっぴんさんで姉妹?に見えるくらいよく似た七夕のうるわしの舞姫。
織姫様の使者という役どころか。




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ここのBGMもあの不思議なやつ。シビレル。




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織姫に五色の布、布帛奉り、、、

なんと大徳寺僧堂からもご参列。この神仏習合振りが日本人の真骨頂。



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警蹕の声と供に神主さんが社の戸を開け、織姫様を喜ばせる舞姫の舞。あたりはもう暗くなってきた。



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日もとっぷり暮れ、境内にあの懐かしい(!)綾傘鉾のお囃子が流れる。

う〜ん、この幡とあの囃子を聞くと祗園祭を思い出し、胸がじ〜んとなる。




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この7月、何回も見聞きした棒振り踊りの奉納。あの超高速棒振りを8月になってまた拝見できるとは!

綾傘は錦の傘なので糸偏業界との関係が深く、また4月に今宮神社でおこなわれるやすらい祭には疫を鎮めるために綾傘風流がでるから、そういうご縁なんだ。




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舞殿では神官・僧侶いっしょに和歌を古式にのっとり朗詠する。

平安中期の歌人・藤原長能が今宮社の創建(1001年)に際して詠める。


   白妙のとよみてぐらをとりもちて いはひぞ初る紫の野に
                      
 
   今よりはあらぶる心ましますな 花の都にやしろさだめつ



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あ、この歌ね。

中の句の変体仮名が全然読めなくて、、、(^_^;



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見守る舞姫。

きれいやなあ。




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一通りの奉納が終わると境内は直会の時間になる。

なんと!境内中が立食パーティーの様相を呈するのには驚いた。



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いかにも手作り、でもとってもおいしい料理がくりだされ、赤飯、ビール、お酒もあるよ。



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地域の人たち、糸偏業界の人たち、あちらでもこちらでも会話が弾む。こんな地域に根ざした祭もあるんだ。これぞ京都に住む醍醐味ではなかろうか。



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境内の一画では大徳寺のお坊さんが茶席をもうけてはった。(暗くてワカラン写真よね、でもちゃんと風炉釜据えてるの)


昔から神社仏閣はこうして地域のつながりの核となってきた。それが失われた今、再建しようという試みは貴重だと思った。
なにより、今日はこんな美しい宵をすごさせてもらってとてもうれしい。







初・朝茶事をやった! - 2016.08.07 Sun

エアコンのない茶室→真夏の昼間は36°C越える。

朝起き苦手な低血圧→朝茶事は無理。



、、、、、とあれこれ理由をつけていたが、やはり夏にも茶事をしたい。この季節しかだせない道具もある(←一番の大きな理由)。

そこで「暑さ我慢できそうな人」という条件でお客さまをお願いし、ついに人生初の朝茶事亭主を決意した。



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朝4時半起床。

さすがにまだ暗い。こんな時間に起きたのは久しぶりだ。(若い頃は夜中の仕事もできたけどなあ。もうアカン)



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点心の準備や庭の水打ち、着物着替えなど準備をするうちに次第に明けていく朝。
光の移ろいを楽しみながら準備、、、、といえればかっこいいけど、低血圧なもんで早朝は全然頭がぼ〜っとして働かん。



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6時半の席入りを待つ頃にはもうすっかり朝になった。



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腰掛け待合いには煙草盆のかわりに(火をみるのもいやなくらい暑い、、、)自宅でペットボトルをそのまま凍らせた氷柱を。

写真では外に出したばっかりなので白っぽいけれど、とけてくるとペットボトルの氷は比較的透明なんよ。



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待合、準備完了。



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旧暦の七夕の趣向で。



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席入りを待つ茶室。

水屋のエアコンをフル稼働させてサーキュレーター投入、さらに屏風をスキマのある風を通すタイプに変えた。
特に初座は意外と涼しかった。ふむふむ。いけそうやな。



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点心をお出しするのは初めて。フル懐石より気軽でよいし、時間もかからない。朝茶はやはりこれやな。

先日YDSでゲットしたグラスを早速酒杯にした。

これに本来大きな梶の葉を添えるつもりだったが、先日植木屋さんにはいってもらったら、、、、梶の木が丸坊主になっていた(◎-◎;)!!、、ためやっとはえてきた小さい葉っぱで我慢。




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主菓子。
錦玉の棹物を。早朝からお菓子屋さんを働かせるわけにはいかないし、自分で手作りもできないし、そういうとき錦玉は日持ちするので便利。



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後座。

お稽古でなく、初めて茶事で茶筅飾りをした。だって水指ありきの茶事だから。
お願いして完成まで5〜6年まったのだ。七夕仕様。これがなければこの時期朝茶をしようなんて思わなかっただろう。だから今日の主人公。



ところで、あれ?なんか釜のサイズが変??と、思われた方、正解。



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ちなみに右が普通サイズの風炉。

これはミニサイズの切掛風炉釜なのだ。釜はミニだけれどしっかり万代屋。

酷暑の時期には火はなるたけみせないように切掛を使うことも多く、さらに風炉釜自体が小さいことで暑さを少しでも軽減しようと。確かに点前座もそれほど暑くなく見た目も暑苦しくなかった。

ただし、胴炭がはいらないので炭点前はかなり変則。こんなちいさい風炉で、、、と思ったが、意外とよく湯が沸き、長いこと炭がもったのにはおどろいた。なかなかスグレモノであったわ。




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後座の花。

これも初めて自分ちの庭だけでまにあった。
秋海棠、ヤブミョウガ、水引草、矢筈ススキ。

あと白木槿をいれようとしたが、花器の口が小さく無理だった。



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釜が小さくてお湯の量が心配だったのと、待合の方が涼しいのと、、で薄茶は待合で御所籠にてさしあげる。

御所籠は茶箱点前のいちばんややこしいやつ。この日のために一生懸命練習した。だいたい頭に入ったが、多分来年にはきれいさっぱり忘れているだろう(´・_・`)




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ちなみにこれはお稽古中の写真。道具がちまちまやたら多いのが特徴。古帛紗を4枚使うので、色紙を散らしたよう、、、というので色紙点てとも。
この御所籠セット、中味を入れ替えたものもあるが10年ほど前に買った物。ようやくこの日、初めて日の目を見たわ。




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結論として

朝茶事ならエアコンなしでも(水屋にはあるが)それほど暑さが苦痛にならない。

早起きも気合いをいれれば(1日くらいなら)できる。

頭がぼ〜、、、は年がら年中似たような物なので、あきらめる。

以上、真夏でも茶事はできるのだ。


今回の実験におつきあいいただいたお客さまに感謝です(^-^)/




ガラスの世界〜YDSギャラリーにて - 2016.08.05 Fri

新町二条上ル・Shop & Gallery YDSさんで、ガラス作家・西山芳弘さんの展示会があるとのこと、とるもとりあえずGo!




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なぜなら、今年3月、ここのギャラリーでこっそりひらかれた御茶Bar(記事の終わりの方にちょこっと写真アップ)で、使われていたガラスのボトルやグラスやお皿、あまりにユニークで美しく、西山さんのお名前を頭にメモしていたからなのだ。

やはり夏のガラスは特別。懐石道具もガラス物を使いたい季節だし。




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おお!いきなり心わしづかみのガラスの蓋付き、、、なんというのだろう?食籠とでも、水指とでも?

中に水出し中国茶がはいっていて、これをふるまっていただく。しかもディスプレーのお菓子まで頂戴した。
つい水指に、、、と思ってしまうが、こういう使い方もできるのだ。もちろん中国茶でなく水出し煎茶もいいし、サングリアなんかもいいし、生花をぎっしりつめこむのもいいなあ。
いろいろアイデアが刺激される。




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これ、これ、このグラス!
御茶Barで使われていてこの不整角形、肉厚の底の重量感、色つきの液体を入れたときの輝きなど、いいなあ〜と思ったのだ。ちなみにお菓子のカヌレはこのあといただきましたよ。



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このグラスは中味がはいってないと、どこまでがガラスなのかわからないところに惹かれる。これもガラス部分が多くて重量感が良い感じ。

ウイスキーなんかがおいしく飲めそう。




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もちろん、グラス類だけでなく小鉢やお皿もある。お値段も作家物なのに手が届きやすい設定で、あれもこれもほしくなる。(収納キャパに問題があるのでなんでもつれてかえるわけにはいかないのだが)




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大きなガラスのプレート越しに見る世界。




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というので、あれこれ悩んだあげくお持ち帰りはこちらの3点。




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そしてこのガラスボトル。

銀のススキをいけてみた。








湿し灰作り2016 - 2016.08.03 Wed

今年も湿し灰作りのシーズンがやってきた。


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まずは炉の灰を洗うために水投入。

お茶をされない方の為に簡単に湿し灰を説明しておくと、炉の季節(11月〜4月)の炭手前で使う水分を含んだ灰で、これをまくことで水分蒸発→空気対流おこる→火がよく熾る、、、わけなのです。(流派による違いはあると思われる)



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その冬期のための湿し灰を作るには灰の水分がはやくとぶ土用のころがよい、といわれる。ちなみに昨年は時期を失してお盆過ぎに作ったところ、太陽の力強さが全然ちがって、なかなか乾かず、2〜3日に分けた作業になった。土用のころ、というのは根拠があるんだ。

なので今年は土用のカンカン照りの太陽の下で。


水投入後、まぜまぜしてしばらく放置すると沈殿するので上澄みや浮いたゴミを捨てること、私の場合3回。

作り方は諸家紛々で、これが正しい!というのは不明。みんなそれぞれ自分の経験則で自分の使用に耐える湿し灰をつくっているようで、初心者はちゃんとなんでもいいから成書をみてね。



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さて、湿し灰に欠かせぬのはこれ!
京番茶!

これを薬缶いっぱいにわかす。これで湿し灰にいい色がつく。何回もこれをくりかえすのがいい、という方も多いが、私は1回だけで十分派。



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京番茶投入!

口切り(11月頃)のころ夏に作った湿し灰も口切り、、というか初めて保存容器をあけると、この京番茶のかおりがするのだ。




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しばらくおいて、上澄みを捨て、茣蓙の上に灰を広げてある程度水分をとばす。



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乾かしすぎると白くなって湿し灰とはいえないし、足りないとべちょべちょで粘土みたいになってしまう。この作業にかかせないのが土用の太陽。やはり乾くのはやいわ。様子をみながらどこで切り上げるかみきわめ。



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ここだ!ってところで篩いにかける。




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でけた!まあまあのできかな。

使うときは直前もう一回篩った方がよいかも。

まだ暑い日は続くが、今から炉開きが待ち遠しい。




これにて無事お開き祗園祭2016〜疫神社夏越祭 - 2016.08.02 Tue

一月にわたり繰り広げられた祗園祭も31日をもって今年も無事おひらきとなりました。



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最後の行事は八坂神社境内内摂社・疫神社にて夏越祭。祗園祭関係者一同、一般参拝客、茅輪をくぐって無事終了を神様にご報告、感謝する神事です。

来年は曜日めぐりで来られそうもないので、今年はがんばって早めに到着しました。



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神事は朝10時から、、9時過ぎには席の準備をしてはりました。早くに行くと涼しい日影に並べるうえに、最後に拝領するチガヤがいいのを選べるのです。

それにしても今年の祗園祭はそんなに酷暑、、というほどではなく、宵には風もでてしのぎやすい年だったと思う。昨年のように雨にもたたられなかったしね。




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神官方々おいでになり神事の開始です。先ほどのテントの中には八坂神社氏子、清々講社、各山鉾町役員などの関係者の方々がぎっしりおすわりです。

神事自体は木陰にはばまれて見ることはできませんでしたが、祭が無事終わった事の報告と感謝の祝詞、、という感じでしょうか。



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まずは祝詞のBGMつきで関係者の方々、茅輪をくぐって御参拝。けっこうなご人数なので時間がかかります。吉田家のご当主のお顔もみえますね。今年もお元気でなにより。(全然知り合いでもないけど)




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11時前、ようやく一般参拝開始。




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茅輪くぐり!

普通夏越祓えは6月30日におこなわれますが、本来は旧暦の6月30日(今年は8月2日)にやるのですから、コチラの方が本来の時期。



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ちなみに疫神社の御祭神は蘇民将来です。
(有名なんで説明いらないと思いますが、蘇民将来と巨旦将来の話は日本古代の伝承によるもの。茅輪をつけていれば疫病から逃れられるという信仰もここから)

粽にも「蘇民将来之子孫也」の護符がついているのもたくさんありますね。




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茅輪くぐりをして、お参りして、そばにたくさん束ねてあるチガヤをぬきとります。



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数年前、遅めに来たときにはもうほとんど残っていなかった!!
今年は余裕で。




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二本いただきました。




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これをくるくる巻いて茅輪を作ります。

おうちでゆっくり作る派とその場でちゃっちゃと作る派ありますが、私はその場で。
なんで毎年きれいな円形にならんかな、、、、(´・_・`)




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祇園会の幡が立つのも今日限り、今年もよくおっかけましたねえ。また来年もおいかけられますように。




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おうちに帰って恒例の昨年との茅輪比べ。

今年は欲張って二本いただいたので、少し貫禄でました。この一年の厄除けよろしゅうに。



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