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2017-02

聖護院門跡〜本山修験宗総本山 - 2017.02.24 Fri

今年の京の冬の旅特別公開で、一番うちから近いのが聖護院である。
近すぎていままで中にはいったことがない。




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聖護院、聖護院といって地名だし、聖護院大根も連想するけれど、「聖体護持(天皇をお守りする)」から来たのね。しらなかった。そもそも白川上皇の熊野詣での先達を務めた、三井寺の増誉大僧正が賜った名前だそうだ。さらにその後修験者を統括することになり、全国に2万の末寺をかかえる修験道総本山になった。



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あら〜!
境内の白砂がこんなにきれいになってる!

ついこの前、節分の時はこんなだったのに、、、




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しかし、その修験道も明治になって廃止例がだされ、廃仏毀釈の嵐も吹き荒れたため、多くの山伏が還俗し末寺はなくなった。

還俗した山伏や廃寺がほそぼそと持っていたご本尊や仏像の数々、海外に流出や破棄を免れたものが,聖護院に寄せられた。これらを「客仏」というらしいが、今回それらの展示も同時にみることができる。



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客仏の多くは不動明王だったり、修験道の祖・役行者だったり、修験道の本尊・蔵王権現だったりするのだが、今回の目玉はなんといっても美しい弁財天尊立像(旧才智院本尊)だろう。

お厨子の中、とぐろをまく黄金の龍のうえにすっくと小袿をまとい立つ姿は神々しくも美しい。まるで立雛をみるようだ。高さは1mくらいだろうか。(画像はこちらでも見られます)

女雛がかぶる瓔珞きらきらの冠みたいなものをいただき、夏と冬で袿を変えたそうだ。ところが近年になって、袿の下の小袖・袴を外してみると、陽に当たらなかったため当時のままの鮮やかな極彩色が施された木彫がでてきたらしい。その写真が展示されていたが、これまた美しいこと!よく残ってたなあ。

この像は平成の世まで末寺であった定泉寺の末裔が保管しておられたそうだが、高齢のため聖護院に預けられたもの、常は塔頭の積善院に安置されているそうだ。よく大事にしてこられたものだと思う。同時にこうして消えていく歴史あるお寺の運命を哀しく思う。




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後白河法皇の皇子が入寺されたことから始まり、明治まで37代のうち25代が皇室から入られたというすこぶる付きの門跡寺院。さらに天明の大火で御所が焼け、明治天皇のひいじいちゃん、お父さんになる光格天皇、孝明天皇が聖護院に避難されたことから仮の御所にもなったという格式の高さ。




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本堂には役行者のご本尊、これには前鬼・後鬼という式神がつきそうのが普通らしい。
ご本尊の他にもそれぞれの時代の不動明王、蔵王権現など、修験道に関係する客仏の数々。修験道廃止例以降、天台宗の寺院となっていたが、戦後独立して修験宗を立ち上げたので、仏壇のイメージが一般的な寺院とはかなり雰囲気が違う。

荘厳の金襴の紋が菊の御紋の上に法螺貝という山伏の寺らしい意匠ですてきだったわ。



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もう一つの見所は重要文化財の書院。御所より移築した建物で後水尾天皇デザインの建物。

上座と下座があるが、そのへだてなく多くを聞いて楽しむ、という意味の「多聞室」という後水尾天皇御宸翰の扁額がかかる。

意匠がまた凝っていて、襖は当時の一流の三人の絵師によるもの、棚の持ち送りの透かし彫りやら、ダイヤモンド型がならぶのモダンな欄間や、天皇が愛した笹竜胆の七宝の釘隠や結び文の釘隠、火灯窓のガラス、女性たちがおしゃべりを楽しめるようにと広めに幅をとった下座の床の間など、さすが〜!というほどすばらしい。やはりただものでない、ごみのおさん。




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最後に、聖護院はかつて現在の京大病院あたりまでひろがる広大な森を有し、この森の紅葉が錦の織物のように美しかったことから錦の林=錦林とよばれたそうだ。

うちの娘も数年通った錦林小学校、錦林車庫、ずっと「錦林(きんりん)ってなんの意味やろなあ???」と思ってきたけれど、そういうことだったのか!!
そんな歴史を地名に残す京都って、やっぱりええなあ。




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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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