銀月サロン・しだれ桜の茶会〜銀月アパートメント - 2017.04.18 Tue

前の記事の駒井家住宅のすぐそば。
北白川疏水分線のほとりにたつ銀月アパートメントは築何年か不明の木造のアパート。ああ、見えてきた,しだれ桜咲いてる咲いてる。

映画のロケにもよく使われるこの建物は、アート関係の若者が多く住んでいて、不便にもかかわらず人気なのもわかるような雰囲気。
昨年からここの一室の中国茶銀月サロンに通い出したのは、この季節のこの桜を室内から眺めたい、というのが大きな理由かも知れない。

おお!やった!
すばらしい。ちょうど見頃であった。
ここでの前回の新年茶会のときに予約をすでにいれておいたのだが、都合がつかず10日過ぎてからの再度申し込み、もう遅いかな、とあきらめていたのだが、今年の桜はゆっくりゆっくりで、ラッキーであった。

ここの室礼もいつも美しい。
なにか参考になるものは盗んでいこう、という下心。

漆器のように見えるスガハラガラス(Sghr)の茶杯に、サロン主お手製のミルフィオーリガラスの桜の皿。お菓子は八重桜と山桜の二種類ある葛のお菓子+ペパーミントせんべい。
お菓子もここでいろいろおしえてもらっている。

窓と反対側の壁には午前中のこの時間だけできる桜の影がゆれる。
影もうっすら薄桜色。

ウエルカムティーはジャスミンスパークリング。
水出ししたジャスミンティーに炭酸水を。

しゅわしゅわキラキラ、ほとんどシャンパンだね。
味はしっかりジャスミンティー。

続いて香りも味もすばらしいとしか言いようのない鳳凰単叢・蜜桃香をいれていただく。
枝垂れ桜をバックになんて絵になるんだ。

このお茶は乾燥状態でも蓮華の花のような蜜の香り、まさにその名に負う。
一煎目は華やかな花の香りがひろがり、二煎目はどっしりとした実力派のお茶の味、不思議なことに三煎目でふたたび香りが蘇り、味はまろやかになっている。
まるで女性の人生みたいだと思う。
だから今自分がいるところである最後の三煎目が一番美味しいと思った。

次に安渓鉄観音の一番中国茶らしいお茶をお客さま同士で煎れあう。
5人で煎れても五煎目までしっかりしたお茶になるのは発酵茶ならでは。
そしてお楽しみの点心。
わあ、これはすてきな入れ物だ。

ワカメと蛤のお椀。
新ワカメだけでこんな出汁がでるとは知らなかった。

さきほどの簀巻きを開くと!
中華風ばら寿司!
上にのっている新牛蒡のいためたのや、ナンプラーと砂糖レモンで味付けした水菜、ほんまに美味しい。
銀月サロンは実は点心も楽しみ。いつも珍しいものが出て、作り方を聞いてちょっとだけまねしているのだ。

この日はお花見気分で濁り酒も少々でた。
最後にいただいたのは白茶に薔薇茶(薔薇のつぼみを乾燥させたもの)をうかべて。
白茶は香りはうるさくなく、やさしい味わいなので、うかべた薔薇の香りがひきたつ。

お菓子はこれもサロン主手作りのかのこ桜羊羹。

ばたばた走り回る日常をしばし脇に置いておいて、このひとときだけは桜を愛でながらゆっくりと美しい時間を味わったのであった。