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2017-05

久松真一先生を偲ぶ〜飯後の茶事 - 2017.05.05 Fri

私の茶道の原点である心茶会は昭和16年、当時大学哲学科の教授であった久松真一先生によって創設された。
在学中はとにかく茶道ではなく坐禅とお掃除倶楽部と思って活動していた。けれど先生の茶の精神についてあまり深く考えることもなくすぎていって、卒業と同時にお茶のことはすっかり忘れていた。




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(今回名水をくませてもらった梨木神社・染の井)



40代、お茶を再開した時、お稽古をしていてなんか違う、なんかおかしい、、、と思うこと多々あり、久松先生の佗茶の精神、茶道の哲学について書かれた著書を初めて手にした。当時お掃除も坐禅もつらいなあ、いつお茶の稽古するんだろう?と疑問におもっていたことが次第にほどけていくような気がした。

しかし、、、、先生の本はむつかしい!難解である。何度も途中で挫折し、完全に理解とはほどとおい途上にいる。




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(あっというまに緑陰の露地)



読むときはなるほどと、理解できたような気がしていても、しばらくするとそれも忘れて、あれ?これは佗茶といえるのだろうか?茶道箴に曰わく「遊戯悦楽に流れ 好事驕奢に走り、、、」ではないのんか?
たまに立ち止まって考えないといけないと思いつつ、時に流され、、を繰り返して今日まできてしまった。




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生前の久松先生に隠居所の岐阜までお目にかかりに行った最後の世代の学生だったと思う。当時、先生の凄さはさっぱりわからなかったのだが、お目にかかれた、という感動だけはしっかり残っている。
その先生に直接学生時代薫陶をうけられ、学生たちのお世話をしてくださっているK先生、たまにお目にかかると久松先生の逸話がお聞きできるのがとても楽しみであって、それならばお茶事にお招きしてお話しをたっぷりお聞きしたいものだと思った。





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K先生のご希望で、久松先生をしのぶのにさらりと、とのことで飯後の茶事とした。

手元には近年せっせと集めたのと、学生時代にいただいてそのままになっていた色紙などを改めて軸装したものなど、けっこう久松先生の書があるのだ。

寄付には唯一読める「薫風自南来」

待合には全然読めなくて、SNSで読み方を尋ねてやっと読めたという、けれど難解な色紙。
これはK先生にお伺いしてやっとその意を半分くみとれた。
「一と多と 一体不二の念珠をば、、、」 一と多がなぜ一体不二なのか、それを説明するのにバラバラにした数珠を使われた、という。なので念珠なのか。

本席では「閑」の一文字を。




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炭手前で種火が熾きなかったというトラブルもありつつ、なんとかリカバリーして飯後独特の軽食をお出しする。




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飯後では向付+煮物椀+八寸ということが多いが、そこはきまりがないので臨機応変に。
(K様より拝領でここのところずっと使っている)曲げわっぱにちらし寿司+筍しんじょう。
八寸をお出しして千鳥をさらりと。




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お菓子は愛信堂さんの「玉ノ井」。
ちょっと先生を偲ぶには華やかすぎるような気もするが、これ、ほんまに手の掛かった雲錦のお菓子なのだ。
漠然と禅をテーマになにか作って、、、とお願いしたところ一生懸命考えてくれはって、歌舞伎の「身代わり坐禅」のクライマックス、片身代わりの衣裳を写した物だった。ちなみに玉ノ井は登場する悋気な奥方の名前。





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中立のあとの後入り。




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本来ならば後座では軸は片付けて花だけになるが、今回は先生を偲ぶ会なので、そのまま飾残しとした。
先生に見守られながら、しのぶ話をしよう。

今も学生が使っている道具には久松先生が購入された物が数多くある。いずれも無名の陶工のものだったり、当時無名でも後に人間国宝になった人のものだったりするようなものだ。当時の値段ではあるが、500円くらいだった茶碗もある。




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(一応名水点のしつらいで)



それは学生時代に私がとても好きでよく使った茶碗で、今でも年に一度の学生茶会で再会できるととてもうれしく懐かしい。そう思うのは私だけでなく、私より上の世代、下の、、はるか下の世代の人も「懐かしい〜」と声をあげる。こういうのは、いわゆる名物茶碗より愛されている茶碗ではなかろうか。

そんなお道具を先生が入手されたときのお話しを聞くのがとても楽しみで楽しみで。




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(続き薄、干菓子は亀廣保)



自分の茶の道に迷って、これでいいのかと模索しつつ、久松先生の御本はとてもむつかしくて理解できませ〜ん、と言うと、K先生は「何回も繰り返し読んでいれば、そのうちわかるようになりますよ。」とおっしゃった。

そのお言葉に勇気をもらって、また難解な御本に挑戦しよう、、、きっとするだろう、、、するかも??(^◇^;)
高い山を前にまだちょっとひるんでいる段階。
そして自分の茶について、時に立ち止まってまた考えなければ。




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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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