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2017-09

平安神宮煎茶献茶祭と茶会2017 - 2017.09.28 Thu


9月の最終日曜日、ご近所の平安神宮では毎年煎茶献茶祭と茶会がおこなわれます。
数年前にはじめて知ってから、ほぼ毎年楽しみにしています。




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最初、参席したときには煎茶道は全く知らず、まあ茶道と似たような動きをすればよかろうと、ぎくしゃくしたものですが、その後某流派を3ヶ月だけ学んで、ちょっとだけ理解したような気がします。




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煎茶道は茶道よりも流派は多く、その数200を越えるといわれていますが、こちらでは毎年6流派がそれぞれ年によって場所を変えて茶席をもたれます。
今年は何流がどこかな〜。

2000円で2席行けるので、どこをチョイスするかも楽しみなのです。



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朝、9時から本殿で献茶式です。
今年は皇風煎茶禮式のお家元がご奉仕。
茶道の献茶式は数々みてきたけれど、煎茶のお献茶は初めて拝見。こちらも(おそらく)台子を使うのね。撮影禁止のため写真はありませぬ。




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まずはこの献茶式をされた皇風煎茶禮式の席に行くことに。場所は神苑の池に半ば浮かぶ貴賓館。一番人気の茶室ですよ。



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池側からみるとこんな感じ。
献茶式終了後すぐの席のため、正客は宮司さん、ついでご奉仕の各家元がずらっとならんではりました。(僧籍のお家元がおおいのね、煎茶は)




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広間の茶席の外はもうすぐ池。池を渡る風が茶室にもふきこんでさわやか。
こちらの流派は腰衣(前掛けみたいなもの)をつけず、立ち振る舞いがみやびでおしとやか〜な感じ。HPを拝見すると、礼法作法を重んじる、とあったのでなるほどと納得です。

茶杯は流派の名前にふさわしく、朱泥に金の鳳凰が描かれていました。私が習っていた某流派は適々の茶で数滴しかいれないのですが、こちらは普通の量のお茶がいただけましたよ(^_^;







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泰平閣


軸は「遠観山有色 近聴水無声」

なんのことか??と思うけれど、調べてみたら中国語の教科書にのっている謎々で、「春は去っても花は残り、人が近づいても鳥は逃げない」と続き、、、、答は「山水画」なんだそうです\(◎o◎)/!なるほど〜!




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2席目はやはり室内の勅使館へ。こちらは瑞芳菴流のお席。
ここの受付にお茶をやっていないはずの若い友人がいて、ちょっとびっくり!でも近々煎茶習われるかも、、と。是非是非、お茶、やりましょ〜!



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こちらは勅使をお迎えする部屋なので、折上げ格天井に簾、格式の高さを現します。
瑞芳菴流の席も何度か入ったことがありますが、こちらは腰衣をおつけになって、所作はとっても武家流、、、というかきびきびしていて小気味よい感じです。





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席中、お運びさんにも知った顔がありまして、私のお茶人脈もけっこう広がってきたなあ、、、と思ったり(^_^;

まあ、一応ちょっとだけやけど、煎茶習っていたし、二煎目の急須の扱いや飲み方は少し慣れているので、流派違いとは言え、やっていたらとなりのおばさまに「何流をお習いですの?」と聴かれました。
習っているとはおこがましいのですが、そう見られるくらいには様になっていた、ということでしょうか。むふふふ、、、、





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他にも遥拝所の回廊では泰山流、神苑の外の額殿では玉川遠州流、記念殿では売茶本流が席をかけておられました。





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茶道の席とはまたちょっと雰囲気は異なりはするけれど、けっこう楽しい煎茶席巡りなのであります。




ほとけを支える〜蓮華・霊獣・天部・邪鬼〜根津美術館 - 2017.09.26 Tue

八王子から東京へ。(けっこう遠い、、、)
とにかく根津美術館へ行くのだ。

なにしろこのポスターを見た時に、行かねばっ!!と思って。



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仏画は、古くて黒くて何が描いてあるのかわからいような物が多いこともあって、それほど興味はなかったのだが、その仏の足元を支える、という視点はいままでなかったのじゃなかろうか。

普賢なら白象、文殊なら獅子、と有名な乗り物の他、もっといろいろ知りたいのだ。




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なにしろ中学のころは仏像オタクだったし。仏の種類、仏の世界、結ぶ印、など知りたくていろいろ図書館で本をあさった。特に密教系は異国の神々もまじってて神秘的でかつ、よくわからない、、、当時基本的知識もなかったし中学あたりの図書館ではたかがしれていたのよ。
仏と乗り物のお約束のペアについても知識をたくわえてなにかのときにひけらかそうと、、、もとい!(^_^; 勉強しようと。




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大日如来は七頭の獅子、不動明王は磐もしくはそれをアイコン化した瑟々座、愛染明王は宝瓶を下においた蓮華座、不動明王には矜羯羅童子と制多迦童子。
明王系は多すぎてよくわからない仏さまもあるが、降三世明王はユニークで、大自在天(ヒンドゥーのシヴァ神が密教ではこれになるらしい)とその妃・烏摩(パールヴァティー)を踏んづけている。
大威徳明王は水牛。

十二天あたりになるとさらにわからなくなる。梵天、帝釈天とか火天、水天とか、亀にのったのあり、鵞鳥にのったのあり、、、、
天邪鬼や餓鬼は四天王によく踏まれていて、時に顔面ふまれてるやん、、と気の毒になるようなのもいて、憎めない。

、、、と、きっとそういう目でみなければ地味で黒っぽい仏画でついついスルーしてしまっていただろうに、おもしろくて見入ってしまった。
根津、Good Job!


中でも最高に興味深かったのがこれ!



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なんと金剛界曼荼羅の81尊を乗り物別に分けて分類した展示。
すごいわ、これ、こんな見方したことない。

ざっくりいうと、真ん中の大日如来が獅子、上のグループが孔雀、右のグループが迦楼羅、左のグループが有翼馬、下のグループが有翼象。今回の展示のポスターではこの有翼馬の部分がばっちり見えるよ。

あの色で仕分けした分類のパネル、写真に撮りたかったなあ〜。



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お庭は雨で着物だったので断念。
でもいそいでこちらまで出張って来れてよかった。とても満足。

10月22日までですのよ、おいそぎを〜!




美ささ苑獨楽茶会〜席主宗和流宗匠 - 2017.09.24 Sun

八王子の料亭、美ささ苑は月例茶会や文化サロンなどを開催する楽の会という会を主催されています。美ささ苑から茶会のご招待が来て、本日はこちらまで。

なぜに八王子くんだりまで茶会にやってきたのかというと、今を去ること4年前、岡本浩一先生の茶会がここであったということと、本日の席主、金森宗和流家元・宇田川宗光さんの根津美術館で懸けられた寒鴉斎号披露茶会に行かせてもらったこと、なにやらご縁を感じまして。





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4年ぶりの美ささ苑。
こちらが有する茶室獨楽庵は二畳壁床、利休が宇治田原にたてた茶室が原点になります。さまざまに所有者がかわり移築をくりかえし、幕末には松平不昧公が所持していたそうです。大正年間、実業家・武藤山治(鐘紡)が松平家より多くの所縁の品を譲り受け、獨楽庵も寺院ゆかりの古材を使って北鎌倉に復元されたとか。



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北鎌倉では戦後「好日会」が作られ、そうそうたる財閥数寄者が釜を懸けたそうです。
そして獨楽庵は巡り巡って現在、八王子の地に安住することになったのです。




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料亭の隣のこの入り口から入るのですが、アプローチが八王子の町中と思えないくらいステキで、写真を撮ろうと茶会のあとに行ったらもう閉まってました(^_^;
なので4年前の写真を参考までに。




あぷろーちみささえん 




ここの奥を行くと市中の山居、すてきな露地がひらけるのです。



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まずは広間で薄茶席。
席主は木工芸の人間国宝、須田賢司さんのご子息。なんでも慶応大学時代から宇田川宗匠と先輩後輩の仲だったそうで。

お祖父様も指物、木工の名人、母方のお祖父様も蒔絵の名人と一族だけで塗り物指物ひととおりそろうという、、、うらやましいお家ですね。

掛け物も二幅、これも慶応ゆかりの実業家・藤原銀次郎(工学部を設立した)の蘇軾の漢詩。

「月入戸尋幽人」
「杏花飛簾散徐香(原文では「春」)」

煙草盆も,薄器の蒔絵も、黒柿の茶杓も全部ご一族の作品。

寒鴉斎披露茶会でもでて、お土産にもいただいたsghr(スガハラガラス)のガラスの茶碗もたくさん。なかでも気になったのは仁清の鱗紋波の有名な茶碗をデフォルメしてガラスに写し取ったもの、宗和と言えば仁清だものね。すてき〜♪

宗和流のお点前は前に拝見したので学習済、他流派を多く知った今となってはそれほど違和感がありません。




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お菓子もほんのり菊花とお酒の香り、菊酒をイメージした琥珀と摺り琥珀の葉っぱ。とても上品でカワイイお菓子。(お名前を失念しましたが若い女性の和菓子職人さん作)




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続いて獨楽庵、三畳台目逆勝手枡床席で主菓子をいただく。ここの床柱が一抱えもある寺院の円柱とおぼしき(もしくは橋桁?)太い柱で意表をつきます。
お菓子は季節の栗きんとんだけれど、中の餡に葡萄の果汁がはいっているとか。


二畳の獨楽庵の方に掛かっている瓢箪の上を切って、下の部分を漆塗した花入は、根津所蔵の利休作「ふくら雀」を模した宇田川宗匠のもの。(宇田川さんは根津の学芸員でいらした)
この瓢箪は生の状態で、慶応同窓の官休庵宗屋さんに拝領したものなのだとか。黄蓮華ショウマがいれてあり、土壁に霧吹きで作った、きりぬいたような満月の姿が美しい。





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宇田川宗匠の濃茶席は船越伊予(織部、遠州に学んだ作事奉行)好みの三畳台目にて、宗匠直々のご説明、お若くていつもにこにこされている印象(つい荒○良○を連想してしまうイケナイ私)。

床には宗和の消息、花入が宗和をお気に入りだった梶井宮(慈胤法親王)作の竹一重切り、花は赤い実をつけたマユミとオケラ。宗和は姫宗和と言われる優美な茶風から当時の宮中のお気に入りの茶人だったので、その交友範囲は後水尾天皇はじめ鳳林承章とか近衞信尋とかそうそうたるメンツ。

獨楽庵をひらいた武藤山治が不昧公の茶道具の多くを譲り受けたので、それにちなむお道具がメイン。

主茶碗(これでいただいたのだが)が不昧公所持の斗々屋「松風」。茶室は暗いので手の中で沈んだ色をしていましたが、陽の光がさすと赤い窯変がうかびあがって朝陽がさしたように見えたのでありました。

茶杓が金森宗和作、共筒。華奢。これにも宗屋さんが箱を書いて「タマハリモノ(賜り物)」の銘を。(ほんまにお二人、仲がよいのね)

茶入がまた度肝を抜く細長く背の高いもの。松平家執事の譲り状付き、不昧公がつくらせた出雲焼。まさに仁清の背高肩衝「存命」写し。手にとらせてもらったが、下三分の一は上げ底になっているらしく、けっこうずっしり、これで安定感あるのね。この高いのに、茶杓を唐物のように掛けるので、なんだかイッパイイッパイの高さがおもしろかったわ。

解説を聞く前に見たので見損なったのは小林如泥の箱。
この肩衝には雪月花、と三つの仕覆がついているのですが、どれかひとつが如泥独特の太い木釘で作られた箱なのだそう。(ちなみに如泥は不昧おかかえの大工、指物師)




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宗和流は、金森家が幕末までに断絶したので、弟子の中でもっとも優秀な人材を選んで継いでいったという血脈による世襲制をとらずに現代まできている流派。お若いながら抜擢された宇田川宗匠、背負うモノも大きいだろうとお察ししつつも、独創的なセンスでりっぱに継いではるなあ、、、とも思います。これからもご縁をたまわればうれしいです。




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最後に美ささ苑のおいしい懐石をいただきました。お酒もトックリを独占して(まわりの方が飲まれない)頂戴いたしました。
はるばる八王子まででかけた甲斐がございました。







白川あかり茶の湯の3日間〜2017 - 2017.09.21 Thu



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岡崎の白川。
日ごろからの大好きな通り道でありますが、例年この季節、岡崎とき灯りに合わせてここに茶席がかかるのです。



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毎年亭主も趣向もくるくるかわって、参席したのは数年前からですが、昨年ははじめて亭主側になりました。

しか〜し!!!

昨年は台風とゲリラ豪雨で川の水位があがり、川の中でする茶席どころか、私の席はお客さま二人!という悲惨な年でありました。




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で、初日。
やっぱり近づいてくる台風に雨で、建築デザインを学ぶ学生さんデザイン、制作の竹の茶室は稼働せず。養生されております。(季節変えてくれ〜〜!!と思わず叫びたい)




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それでも疏水べりの竹中庵では雨をものともせず茶席が一席かかりました。
こんな時にくるお客さまだからほんとうに好きな数寄な人たち。ススキを畳にさして、秋の室礼。手作りのお団子のほんのり甘くておいしかったこと。





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2日目
この日こそ昼から台風直撃といわれ茶席はやはり竹中庵一席のみ。

それでも夜おそくまで風のみで意外と雨はふらなかったのですが。



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藪内のお点前、お菓子の晩柑糖、手作り洲浜がまた美味しい。
この日も台風をものともしないスキものが参席、同席した方にお謡をお願いして蝋燭の灯りのもと、「松虫」を一曲歌っていただきました。
  
  ♪ きりはたりちょう きりはたりちょう(虫の音)、、、


蝋燭の影はゆらゆら、朗々たる謡い、幽玄とはこのことか、、、ってなんてすてきな茶席だったことでしょう。スキモノしか味わえない茶席でしたよ。

(ちなみにこのあとの席はそろそろ台風の雨風も強くなって、なおすざまじいスキモノの席になったとか)



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で、3日目〜!!
台風一過、やっと晴れた!
竹の茶室もようやく日の目を見ました。(組み立ての学生さん、ご苦労様です)




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ここでお茶するご亭主はなんと中国茶の好日居さん。
(中へ入りたかったのだけれど、自分の席が忙しくてのぞくこともできなかった、、、、)

この日はやっと全部で4つの席がととのいました。




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ちなみに私の席はここ〜!
昨年からの念願を果たして、やっと川の中の席。




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昨夜、お謡を聞かせてくれた方のお能ユニット(?)も川の中で謡やら鼓やら、仕舞やらを、お茶席が掛かっている間、ずっと演じてくれました。





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今回は私は煎茶で参戦。
(本音をいえば、昨年風炉釜+灰の重い荷物で腰いわしたので、道具が小さくてコンパクトになとまる煎茶を選んだの)




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たくさんのお茶友さんがおいでくださり、初めましての方も。

新しい出発をする若い人もあり、お茶数寄をきわめた方もあり、赤子を抱っこされた方や、意外な線でつながっていた茶友が偶然同席になったり、、、、いろんなお話しをたくさん聞くことができ、それはそれは亭主冥利につきる席になりました。




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竹の茶室が気になりつつ、行けな〜い。

お能ユニットの演技が始まると道行く人が足を止めて見入るのです。かっこいいわ〜。




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萩の花、芙蓉を背にちょこんとすわってのお謡い、鼓。

お茶をいれながらBGMでこれをきく贅沢な時間。




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灯ともしごろになる白川べり。
(この灯りはスタッフがいろいろ検討した結果選んだ、まわりは蝋で中はLEDというもの。蝋燭独特の匂いがするが、溶けないの)




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うちの席の照明はこんな感じで。
暗すぎて、特に適々の茶(煎茶某流派は数滴しか茶をいれない)はちゃんと茶碗にはいっているのかいないのか、わからず往生しました。慣れないことはするもんじゃないわね。(ナンチャッテ○○流流祖を自称(^_^;)



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お客さまも暗さに足を踏み外して川へおちないようにしないとね。
(あ、白昼はまった方がおられた,,(^_^;  お怪我なくてなにより、水没スマホも復活したそうでよかった。私の水没したチャッカマンも復活しました〜)



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20時受付終了としたにもかかわらず、おわったら21時ごろ、それだけお話しがはずんだのです。



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竹の茶室は夜はこんな感じ。




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最後の席にちょろっとだけ入れていただきました。
竹の壁が一部らせんになって、ちゃんと茶室へのアプローチも完備した、なかなかすばらしいデザインの茶室でしたよ。

終了後、片付けや、三々五々おしゃべりしたり、ビールの差し入れがあったり、日付がかわるころおいとましました。


そして一夜明けた次の日、、、




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竹の茶室は原型をとどめず解体中。
まさに一期一会の茶室でしたね。


とにかくこの茶会は楽しんだもの勝ちです。亭主が一番楽しい茶席かも。
来年もまたできるといいな。





西行庵観月茶会2017 - 2017.09.18 Mon

真葛が原の西行庵にて観月の茶会へ。




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しかし!
台風近畿直撃の予報のたった前夜にて雨模様、残念ながら月は見えず。雨で濡れた石塀小路を行く。





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西行庵、待合の小間には狸(逆さまに読むと砧)の画賛。
狸だけでなく、西行庵の影の主さん、猫の在中庵さまも待合におでまし、暗い夜にとけこむほぼ黒猫のサビ猫さま。



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今回は母屋の浄妙庵にて濃茶をいただく。
お客さまは5名でとてもゆったり、しっとり、宵の暗さを蝋燭の燈下にて楽しむことができました。

遠州流の台子棚という千家系ではみたことのないような珍しい棚を使われました。一見台子のように見えて天板も地板もないという、、、象牙の仕覆掛けはカスタマイズされたそうで。

蝋燭の火はなんともこころもとなく、それでいて懐かしく、そんな中に映える白い白萩茶碗、むしろ粉引に見えて愛でてしまう。
庸軒の茶杓の銘は『手長』、茶入が聞か猿なるほど。本席の軸はしのだのもりのうらみくずの葉、、、ならぬお狐さん。猫・猿・狐がそろいましたね〜。

しかしこのごろ庸軒ブーム、来ているのか?あちこちで庸軒はやりだぞ(私も含め)。これはいい風潮だわ。

一碗2名分と丁寧に三碗もたてていただきました。




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濃茶が練られる間、別室にて笙が奏でられ、嵐の前の静けさに庭ですだく虫の音と相和して、平安貴族もかくやと思われるような、ちょっと夢見心地のひとときでした。




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濃茶のあとは西院の会席料理せんしょうさんの点心をいただきながら、笙を演奏された浄土宗西山派S寺のご住職をまじえて、笙のお話しなどを聞く。(まだお若いご住職、実は以前から知り合いで、自分たちの茶会でも笙を演奏していただいたことあり(^_^;)




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(敷物もくずの葉!)


笙の音は天の音、鳳凰の鳴き声とも。
ここ、西行庵の若奥様がキリシタン(^_^;でパイプオルガン奏者でもいらっしゃるので、音の強弱を別にすれば笙の音は楽器の構造から言っても、宗教的なことからいってもパイプオルガンにとても似ていると思いました。

そうそう、キリシタンでおもいだしたけれど、ここの小間、皆如庵は最後まで棄教しなかった高山右近ゆかりとお聞きしていたが、せんだって小豆島でおこなわれた高山右近祭に庵主さまが献茶なされたよし。



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雅楽の音楽理論とかは全くの門外漢なので、全然わからないのだけれど、今回の演奏は秋に奏でられる音色だそう。いままで聞いたことのある笙の曲とはすこし雰囲気が違うような。

ご住職はとてもお声がよろしいので、話題に後白河院がでてきたところで、後白河の愛した今様を一曲お歌いいただきました。西行と月にちなんで、西行さんの思い人、待賢門院璋子さま(後鳥羽帝中宮、崇徳、後白河の母)を思って歌った歌、、、


    弓張りの 月に外れて見し影の やさしかりしは いつか忘れん


朗々とした歌は蝋燭の火の仄かな火影できくといやがうえにも雰囲気満点で、またしてもしばし平安貴族になったような気がしたのでした。




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帰り、明日来る台風がウソのような虫の音だけが聞こえる静かな夜で、唯一月が見られなかった、、、と思っていたら、、、ああ、こちらで拝見できました+゚。*(*´∀`*)*。゚+
皆如庵の円相床!
(皆如庵:道安囲い、円相床といろいろみどころの多い茶室)






好日居・茶ノ教室夜会〜長月の頃2017 - 2017.09.16 Sat

好日居さんの茶ノ教室
本日は長月の頃

長月と言えば7日の白露から9日の重陽の節句、20日の旧八朔そして秋のお彼岸と、めまぐるしい。気温もあがったり下がったり、からっとした天気が続くかと思えば台風も来る。
着物も初旬は夏物、下旬は単衣、中旬が一番の悩みどころ、帯はもっと悩む、、、(そんなに持ってないし)





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今夜の好日居はジャックされてます(^_^;
常連さんの「さすらいのギタリストならぬギ茶リスト」さんが台湾土産の中国茶の茎茶という珍しいお茶を煎れてくれました。彼は庸軒流の茶道も始められた由、これからもおつきあい願いたい。

テーブル中ほど右手にあるお菓子はこれもお土産、味噌煎餅。



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台湾で有名で、一人2袋までしか買えないお煎餅だそうだが、この味は、、、なにか、、どこかで、、、
ああ!そうだ!伏見稲荷のお狐さん煎餅、もしくはおみくじ入り煎餅の味や!むしろ日本人が伝えなのかもね。





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そしてそのくだんの茎茶はみたところ縮れて曲がってかりんとを小さくしたような感じ。
味はちょっと個性的なんだが、飲んだあとの茶杯を匂ってみると、これがまた高級烏龍茶に遜色がないのがビックリであった。煎れたあとの茶葉というか茎はちゃんとまっすぐになって、かりがね、または茎ほうじ茶っぽかった。

ギ茶リストさんのエクストラの茶会、ちょっともうけた気分です。




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ここからが本当の茶教室。
まずは蕎麦粥をいただく。これに朧昆布、梅干し投入。胃に優しい美味しい。




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場所を奥に移して、今夜は怒濤の(?)烏龍茶三連発。

福建省・安渓鉄観音
台湾・凍頂烏龍茶
安南・宝品烏龍茶


中国、台湾、ベトナムの烏龍茶飲み比べ。
常連さんばかりなので順番に煎れあいっこしながら飲み比べる。

烏龍茶は微発酵の青茶なのでその香りが信条、特に空になった茶海に残る香りのうっとりすること!これこれ!これが好きで中国茶にはまったのだもの。





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お菓子はドライフルーツ、ナッツ。
デーツ(棗)が果肉がしっかりあっておいしい。こういうのをつまみながら、何煎もお茶をいれておしゃべりして楽しむ現地の人たちの姿が想像できるようだ。

で、私的にナンバーワンは(甲乙つけがたいながら)台湾の凍頂烏龍茶。なんとなく上品なんだよね、香りが。でもこれは人好き好き。




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さらに場所を移して奥の間で最後の菊花茶とそのブレンド。

先日も菊花茶をいただいたが、小菊を干した物で、お湯を注ぐとほんとうにさわやかな菊の香りに満たされる。まずはそのまま菊花茶を堪能、そして、今日いれた他のお茶、普洱茶などとブレンドしてどんなに味や香りが変わるかの実験。

ブレンドするとまるで別物の茶にかわることにびっくり。
そして意外や意外、一番合う、、、と思ったのがクセのある普洱茶とのブレンド。どちらの特徴も引きたてあって、別次元のおいしさとなっておりました。

こういう多彩な茶をたのしめるのが、中国茶のおもしろいところでありましょうね。
(もちろん、上等な煎茶や玉露もまけてないよ)




月釜席主デビュー〜菊慈童に寄せて〜 - 2017.09.13 Wed

茶の湯のご縁はまことにありがたく、茶の教授者でもなく社中も持ってない、流派もかなりアヤシイ私などに月釜の席主のお話しが回ってきました。1年ほど前です。そうこういっているうちにその日がやってきました。




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あまり知られていない(知らせていない?)洛東の某塔頭寺院。
こちらはほんまにお庭が美しいのです。ご住職の日ごろのお手入れ、作務のすばらしさがしのばれる見事な苔庭。季節の花々も木々も見所なのです。




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これは昨年行った嵐山法輪寺の重陽の節句の法要、その時舞われた「菊慈童」です。
今回重陽の節句のころでもあり、テーマを菊慈童としました。(仕舞も習ったところ〜♪)

ご存じの方はご存じ、有名な謡曲です。観世流以外は「枕慈童」と。





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(待合)


古代中国魏の文帝に仕える美少年・慈童がある日あやまって帝の枕をまたいでしまう。その罪によって鳥も通わぬ辺境の酈縣山(れっけんざん)に放逐されるが、憐れに思った帝はくだんの枕に妙文(法華経普門品、俗に観音経の一節)「具一切功徳 慈眼視衆生 福寿海無量 是故応頂礼」を書いて与える。山の中で慈童はその妙文を忘れないように菊の葉に書き記すと、その葉に落ちた露のしたたりが不老不死の霊薬となり、700年以上の寿命を得たというお話し。

能では700年後の時代の周の皇帝の長寿をことほぐめでたい曲なのだが、700年も一人で山の中、、なんてどんなきびしい孤独なのだろうか。心なしか、待合の軸の菊慈童もちょっとさびしそうだよね。


ちなみに左の飾りは茱萸嚢(またはぐみぶくろ)、端午の節句に厄除けにかけた薬玉を重陽の節句にこの茱萸嚢にかけかえる宮中の習慣にちなんで。(さきほどの法輪寺では重陽の法要の時、これの小さいの、拝領できます)





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本席でかける「福寿海無量」をいろんな人の書を探して、探して、やっと出会ったのが白隠さんの白衣観音の画賛だった。「慈眼視衆生 福寿海無量」観音様の慈悲に満ちた目は衆生を見守り、その福寿の深さ広さは海のように果てしない、、、、観音様がお好きでたくさん観音様の絵をかかれた白隠さん、巡り会うことができてよかった。




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慈童が大事にした妙文の書かれた枕にかけて花入は信楽の旅枕。
花は桔梗以外はうちの庭で朝取ってきたものです。




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こちらの小間、四畳半は秋には絶景の紅葉が眺められるのですが、今はまだまだ青い。




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酈縣山というさびしい山の中にぽつんと取り残された慈童をイメージして小さな水指とか、霊薬にかけて薬器の薄器とか、やっぱり〆は宗旦四天王のあの人の茶杓「若水」よね。(西翁院に有名な茶室作った人〜)若さを保ってくれた水、、、という意味で。




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愛信堂さんにお願いした主菓子「甘露」、よ〜く見てください、菊の上にたまっている露が見所!なんと芸が細かい。

思いの外、ありがたいことにお茶のお友達がたくさんご来席くださり、実は用意したお菓子では数が足りなくなったのです。あわてて電話して,追加を〜〜〜とお願いしたら必死で間に合わせてくださった、これはほんとうにありがたかったです。



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干菓子は和菓子・青洋さんの雲平。小さい菊が三色三つつながっているのです。




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だから一人分はこんな感じ。
実はこれだけは追加できず、最後のお席の方にはあたらなかったのです。この場をかりておわびいたします。すみませんすみませんm(_ _)m




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全部で10席させていただきました。
会話が思った以上に弾んだ席もあれば、私一人がしゃべりすぎた席もあり、なかなかむつかしい(^_^;お客さまもあり、、、でも日ごろおつきあいしているお茶友さんが必ず一人はどの席にもいてくださったので、気分的に楽でした。どの席も席主、たのしく気分よく語れましたわ。皆々様、ありがとうございます。

そして特筆すべきはなんといってもスーパー水屋!!
声をかけたら喜んでお手伝いしてくださった若い茶友の皆様(みんなお若いのよ、でもキャリアはすばらしい)、その手際よさ、確実さはすばらしく、この万全のバックアップに全幅の信頼をよせ、お点前もお任せ、私はしゃべりだけに専念できるという幸せ!

自分が水屋担当になったら、ここまではできないという自信(?)はありますが、どんな小さなめだたない仕事でも黙々とこなす事が大事だと学んだ日でもありました。




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(法輪寺の菊慈童 惚れちゃうよな〜この美童ぶり!)



月釜で席をもたせていただくのも最初で最後かもしれません。
こういうご縁をくださったことに感謝をしつつ、皆様にも長寿をお祈りして最後に菊慈童の画像でしめます。





夏の雑記2017 - 2017.09.11 Mon

朝夕涼しく、この前まで着物も夏物?単衣?と悩んでいたのに、今はもうきっぱり単衣で!

というわけで暑かった今年の夏のこぼれ話をだらだらと、、、、




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北野天満宮の梅の土用(じゃないけど)干し。
境内にほんのり酸っぱい香り。今年も年末、この大福梅、いただきにこなくては。





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帰りには、やはりカステラ・ド・パウロさんのパステルデナタ。
この夏ポルトガルのあちこちでさんざんナタを食べたけれど、やっぱりここのが一番美味しいと思ってあらためて。甘さ控えめが日本人向きなのもあるわね。




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画像はN君にもらいました。某女史のお誕生祝の席で。雪佳さんの金魚玉の帯。
お気に入りで、今年も締められてよかった。ちなみに前は水草。




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徒歩圏内の平安神宮神苑。
子どもたちが小さいときによく連れてきたが、孫を連れてこられるようになったとは感慨深い。





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そしてやっぱり、泰平閣で鯉にエサ(麩、1本50円)やるのがお約束。





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睡蓮がまだまだきれい。




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2年ほど前ここ、AWOMB(蛸薬師新町)さんに手織り寿司を食べに来て目の前で売り切れたのよね。でもまあ、早めに行けば食べられたのだが、、、、いつの間にか行列にならばないと、しかも売り切れたらならんでても食べられない店になっちゃった。




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いつかリベンジ、、、と思いつつくじけていたのだが、一念発起して並ぶぞっ!と。早めに行ったにもかかわらず、並んで、整理券をもらって、どこかで時間つぶして、、、のかなりのハードルの高さ(^_^;

でもなんとか入店できて念願の手織り寿司の上(並、上、特上あり)ゲット。



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なんとまあインスタ映えすること!
ネタについては説明付き。え?こんなん寿司ネタになるの?のネタもあったけれど、単独に食べても美味しいよ。




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ミニミニ簀で巻き巻き。
ちまちまなのでガッツリ寿司を食べたい人には向かないけれど、女性に人気なのもわかるわ。
素麺巻のはいったおすましの出汁もおいしかった。
新しくできた木屋町店ではお昼も予約できるそうだが、きっとまた予約もとりにくいんだろうな〜。





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さて、我が家の水屋棚。
今年はとうとう夏の間に茶事できなかったが、夏茶事をするときは水屋のエアコンが効くように、簀の子の屏風にするのだが、どうしてもこの水屋が丸見えなのが悩みであった。





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そこで手に入れた折れ釘。




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ちょっとこれをとりつけて、、、、




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水屋棚を隠す簾かけ完成、、、、ってたいした仕事じゃないけれど(^_^;  来年の夏は心置きなく簀の子の屏風で夏茶会ができそうだわ。





京都迎賓館〜プレミアム企画「菊花彩る重陽のおもてなし」 - 2017.09.08 Fri

京都御苑の中で京都迎賓館ができてから12年になる。昨年から一般公開もされはじめ、1度は行きたいと思っていたが、今回公開+金剛流宗家による能の観賞と裏千家茶席付きのプレミアム企画ありとのことで応募。




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国賓として迎賓館に招かれたらだいたいこんな感じですよ、、、というイメージの企画だそうだ。

抽選なのでだめかな、と思ったが意外とすんなり当選。会費が1万円と高いので、競争率低かったのかとおもいきや、はずれて二次募集で来た、という方も。




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こちらは一般人ははいれない迎賓館南門。




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こちらが正規の門になる。


地下でけっこうキビシイ本人確認と手荷物・身体検査あり。




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玄関の扉はケヤキの一枚板(写真には写ってないけど)でなかなか見事な木であったのだろうと想像できる。




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10人くらいのグループに分かれて、それぞれガイドさん付き、敷かれたマットからはみだし厳禁の厳しさ。なにせあちらにもこちらにもスタッフがたくさん立っていて、目を光らせている。それぞれとても丁寧な接客(うちら模擬国賓やし)なんだが、宮内庁、人員ちょっとかかえすぎじゃないの?





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メインの晩餐室から眺める中央の池。向こうにみえる橋懸かりは廊橋といって、パブリックとややプライベートな空間とをつなぐ。

ここは佐野藤右衛門棟梁らによって作庭されたとか。左手の石柱は天正17年、秀吉の時代の五条橋(だったか)の橋桁なんだそうだ。簾の使い方が効果的。





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メイン晩餐室「藤の間」

名前の由来は正面の川島織物の大作綴れ織りの紋様。



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絨毯は、その藤の花びらが散った様子をあらわすとか。

とにかくここの迎賓館は日本の伝統的工芸をこれでもかとつぎ込んだ調度が見たくてきたようなもの、中でも一番見たかったのがこれ!





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この左手の舞台の扉、先日お邪魔した截金の人間国宝、故・江里佐代子さんの截金の大作「響流光韻(こおるこういん)」





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八枚の板にどれだけの時間と集中力を要したのだろう、、、と想像を絶する緻密な截金。




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この前にすわって待っていると、この八枚扉が音もなく前後左右に開いて(敷居がない、上から吊っている)金剛流宗家の「枕慈童(観世では菊慈童)」の舞台が!

つい最近、観世流で多少節回しが違うが仕舞を習っていたところなので、最後のキリの軽快な部分、ついいっしょにくちずさんでしまった。この時期演じられることが多い枕慈童、こういう形でこういうところで拝見できるなんて贅沢!(抽選にあたってほんまヨカッタ)





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見ていると目がちらちらしそうな幾何学的な天井の照明。




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釘隠は金工で「絆」をあらわすとか。




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几帳にも藤の花の京繍、これは江里佐代子さんのご実家のご家業、彼女のご実弟の作品であった。





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晩餐会のイメージ。椅子の布も西陣?織。このような丸テーブルを使うと120人収容できるらしい。




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食器、カトラリーもそこはやはり日本がほこるメーカーの製品ね。





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中の池の景色。ぱっと見、どこかのお寺の庭園のようにも見え、正面の建物は茶室のようにも見える。錦鯉がたくさん。生まれたばかりの小さな錦鯉の稚魚もいたが、これを狙って鳥がくるらしいよ。





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廊橋をわたる。
天井は船底。




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船底天井の四隅にそれぞれトンボ、コオロギ、蝶、キリギリスの虫の透かし彫り。





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虫の音を美しいと聞き、愛でるのは日本人だけらしいから、(他国では騒音なんだそうな)そこらへんをアピールか。




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ここは「桐の間」。和の晩餐室。

調度に桐の紋様がこれでもかと。
招かれるのは外国の賓客だから、さすがに足元は掘りごたつ形式。長さ12mの漆塗のテーブルはさすがに一枚板ではないようで。



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それぞれの座椅子の背もたれの後は漆塗の中に五七の桐の紋様。金と銀で少しずつ変えて描かれ、どれ一つとして同じ物はないのだそうだ。脇息の桐の透かし彫りもチェック!




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釘隠も桐なら、、、、




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唐紙も当然桐よね。



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こちらの欄間も江里さんの截金作品。表と裏で「日月」、これは月の面。




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ここは桐の間の裏にある和食の厨房。どんな料理がつくられるのかな。




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ナグリの広縁。


奥にとっておきのセミプライベート空間、「瀧の間」があって、ここがもてなされるのに最高の舞台であると思ったが、さすがに撮影禁止であった。

22畳の座敷に目の前の葦戸をすかして見事な瀧が見えるのだ。障子のむこうのサッシをあけると瀧の音もすがすがしい。瀧を構成するのがまた見事な巨石、瀬戸内海の島で切り出されたものから、大阪城の残念石(大阪城の石垣に選ばれながら結局使われなかった石)まで。
扇透かしの欄間のある付書院も。

夏だから葦戸であって、冬には障子になるのだろうけれど、やはり瀧は夏の室礼が似合う。




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さきほどの桐の間には芸舞妓が踊りを披露する舞台もあって、ここの畳は真ん中に筋がほのかにはいる中継ぎ畳、上等なイ草を真ん中で継ぐ高級品。




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池のはしにもやってあるのは船大工が作った和舟。外国の賓客をこれに乗せて池を何周かするらしい。一番最初に乗らはったのがブータンの王様ご夫婦の新婚旅行だったのだそうだ。





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作者名までチェックしきれないが、照明もあちこちこだわり。




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ケヤキの床だが、外国の賓客はここを土足、ハイヒールでも歩くそうで、傷つきそうだが、特殊な樹脂でカバーしているのだとか。しかし、大丈夫か?




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最後に茶席に案内されるまで、待っていたのが「聚楽の間」
お付きの人の待合にもなるという。ファブリックはもちろん西陣織り、椅子やテーブルにほどこされた繊細な竹の編み細工は竹工芸人間国宝の早川尚古斎の作品





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こちら釘隠は千代結び。
国際外交の場であるからには友好は大切なんだが、どうも最近世界の動向がきな臭い。絆も結びもなかなかむつかしい世の中。



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最後に立礼席となったのは「夕映えの間」

左手の綴れ織りは、東の比叡山で「比叡月映」



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反対側が夕映えの間の由来となった西の愛宕山、「愛宕夕照」




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お菓子はやはり着せ綿よね。



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業躰のなかでも偉いさんの倉斗先生のご説明つき。これもまた贅沢。
たまたま次客になったので、お点前の方に点ててもらって得した気分。

これも外国の賓客相手だから、やはり立礼にするしかないのだろうが、和室の数寄屋の茶室もできたらデモンストレーションに作ってほしかったわ。




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お手本のような鶴首竹花入のムクゲ、ワレモコウ、紫のは何だっけ??


かくの如く、プレミアム企画、やはりプレミアムだった。また季節を変えて開催されるのなら是非行きたい。抽選また当たればいいがな〜。







故・江里佐代子さん宅にて〜月の茶会 - 2017.09.05 Tue

截金(きりかね)は奈良時代から伝わる伝統装飾技法で、細く切った金箔、銀箔、プラチナ箔を筆と漆を用いて貼っていくもの、かつて仏像や仏画の荘厳に使われた技法。

仏師である夫君の仏像を截金で荘厳するうちに、独自のセンスで仏像以外の截金作品を世に送り出し、人間国宝になられたのが故・江里佐代子さん。
10年前に渡欧中、急逝された。まだ62才の若さであった。




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この手鞠のような截金の茶器に惹かれて香雪美術館の江里佐代子展を見に行ったのはもうかれこれ5年前のことである。今でも、この茶器、ほしいな〜〜〜〜と切に思うのだが。

今はお嬢さんがあとをつがれ、弟子もたくさん育っているときくし、デパートの伝統工芸展でもその作品を見ることができる。






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実はその佐代子さんのお宅、夫君の康慧さんの工房平安佛所はご近所なのである。
いつもこの截金を連想させる目立つデザインのお宅を見ながら散歩したりしている。なんと!そのお宅の中に入れるチャンスが!!





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江里さんのお宅の奥は、かつて業躰さんのお家だったという茶室があるのだそうだ。
ここである先生が釜を懸けられる。そのお弟子さんのご縁で、その茶会に参席させていただいた。江里さんがここを入手されてちゃんとした茶会をするのはこの日が初めてだったそうだ。

この先生と佐代子さんとのご縁は、まだ佐代子さんご存命中、彼女の茶器を手に入れたいと連絡してからはじまったという。

しかし、あの家の表からは想像もできないようないい茶室がこんな町中にひそんでいたとは!
感激!




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広間の席は今ではもう作れないという絞りの毛氈を斜めに敷いて、「みなさまが正客」という態にて、茶箱の月点前。器据(きずえ)というぱたぱたと折りたためる板をつかったり、香道からきたウグイスという茶筅立てを使ったり、なかなか雅なお点前で、茶箱点前の中では御所籠の次にややこしい。

青銅器みたいな形の瓶掛けがおもしろく、茶箱は木目が美しいタモの木製。茶箱用の小さい茶碗が実は乾山であった。





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ご年配とお見受けするが、受付もこなし、後見の後見もこなし、なかなかのスーパーレディの先生、私もあのくらいになったときにかくありたし、と思う。しかも語り口はやわらかく、お弟子さん達を大切にしてはることは、お弟子さんを見ていてよくわかる。しかもこの茶会のために長いことご無沙汰しながらもかなりご遠方から駆けつけられた方も多い。




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次は四畳半の小間にて。
さすが、業躰さんのお宅だっただけあって、露地も小間の造作もすばらしい。天井も真行草、栗?のナグリの落としがけ、大きなスサがとびとびにはいった土壁、その他きっと建築士のI君をつれていったらいろいろ解説がきけただろうに、惜しいことをした。





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小間の点前も茶箱月、で意表をつかれる。今度は利休好みの菊置き上げ茶箱。瓶掛けも菊の模様の火鉢。お菓子が松露であったが、月に村雲の懐紙にのせると、松露も月にみえるね。
床は近衞基熙の歌で十三夜を歌った歌。(先生も読めない、、、とのこと(^_^; )

小間を担当しはったのが先生の東京のお弟子さんグループ。なんでもお互いに20歳代の時にであわれてから、先生のお宅に居候して、あちらこちら茶席や美術館、道具屋さん、ごいっしょされ、まるで姉妹のように約半世紀を過ごされたとか。こういう師弟関係は昨今ではなかなかあるものではないと思うのだが。うらやましいお話し。






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さて、堺万さんの点心をいただいて、いよいよ江里康慧さんの工房へ。
あの截金を連想させる大きな窓は天井の高い工房の明かり取りの窓であったか!初めて内側から眺めることができた。新たに生まれる途中の仏様、修復中の仏様、いずれも華やかな緻密な截金の荘厳をまぢかに見ることができたのは得がたい体験であった。

お隣は佐代子さんのあとを継がれたお嬢さんの朋子さんの工房。こちらのギャラリーでは香雪美術館で見た作品にガラスなしでふたたび出会うことができ、感動を新たにする。この髪の毛より細い金線で、ほぼ下絵なしの幾何学模様、ぴしっと整合する様はもう感動しかない。ああ、やっぱりほしいな〜〜〜ひとつくらい☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆





花山天文台〜京都大学大学院理学研究科附属天文台 - 2017.09.03 Sun


今年の夏の特別公開になんと!花山(かざん・もしくは・かさん)天文台が!!
学生の時、教養部の授業で行った時以来だから半世紀、、、とはいわないが(^_^; それに近い年月がたったのだなあ。




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当時貸し切りバスで行ったから、以来なんとなくもっと遠い場所にあるような気がしていたが、実は家から車で10分ほどのお膝元にあったんだ、、、(◎-◎;)




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場所は東山ドライブウェイの途中。(ドライブウェイというけどたいしたドライブウェイとちゃうよ、ただの山道、、、(^_^;)
入り口から歩くこと約5分。





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とちゅう、眼下の町並みの眺めや東山の稜線を楽しみながら。





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着いた〜!!




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入り口のプレート、でもこれは新しい物。
オリジナルは、、、、、




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ぐっと渋いわね。これは歴史館に展示されている。

University of Kyoto が Kyoto University に変わっているところに時代を感じる。ちなみに創建は昭和4年(1929年)

京都帝国大学ができたころは大学内、北白川にあったそうだが、市電の開通など環境の変化で山科の、ここへ新しく建てられたのだそうだ。




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山科だから、現在は星なんかそんなに見えまいと思うが、一応現役の天文台である。ちなみに1968年に最先端の観測施設は飛騨の天文台に移ったため、ここは主に教育活動や教育普及活動がおこなわれていて、定期的に学校実習などで使われているらしいが、一般への公開ははじめて。




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おおお〜〜!!


天井見上げてちょっと感動。
口径45cm屈折式天体望遠鏡。
(ちなみに世界には1mを越える屈折望遠鏡もあるらしいし、ハッブル宇宙望遠鏡なんて宇宙に浮いている望遠鏡もあるけれど)




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一般公開の間は閉じてる天井の窓。
ドーム天井の曲線が美しいわ。




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この望遠鏡をのぞくにはこの階段を登る。ここに登った記憶だけがわずかに残ってるなあ、ウン十年前、、、、




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3代目館長の宮本博士は、この望遠鏡を何時間も何時間も眺めて火星の表面の変化を描いたそうだ。気の遠くなるような作業。でも天文物理学をする人には苦じゃないのよね。相手が時間のスケールがまったくちがうものだけに。




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これはガイドのおじさま。
手に持っているロープは手動で望遠鏡を動かすときのもの!レトロや!

自動で動くときは重力駆動型日周追尾装置、、、というか、滑車につるした重りで動くらしい。これもけっこうレトロ。




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ドームを囲むバルコニーからはやはりいい景色。右手の山は最初天文台の移築先の候補でもあった吉田山。風がつよく、もう秋の気配。トンボがたくさん飛んでいる。






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京大理学部の物理といえばノーベル賞受賞者を何人も出しているが最近はどうなのだろう。その京大学派が光り輝いた時代のよき香りがする花山天文台。秋空によく映える。





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このちょっと西部劇にでてきそうな建物は旧子午線館、現在は歴史館として当時の観察機器を展示している。





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売りは河島英五のアルバムのジャケットらしい(^_^;





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ちなみにこれが子午線を正確に示す子午儀、天体観測をするのに正確な時間が必要だったために天文台開設時から作られた施設なのだ。この窓からまっすぐどこまでも行けば北極点にたどり着く、、はず。





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帰り路、あちこちに咲く野生の山百合。楚々としていいなあ。昔住んでた宝塚の庭には、鳥の糞かなにかで自生した山百合がたくさん咲いてありがたかったなあ。




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最後に平日分だけだが地下鉄東山駅から天文台への無料シャトルバスの時刻表を載せときます。少ないから乗り遅れないようにね。東山ドライブウェイは歩いておりるのは非常に危険だし。

9月30日までの一般公開です。




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