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2017-11

四ッ頭茶礼〜建仁寺・西来院 - 2017.11.29 Wed



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ここは祗園。
なにやら艶っぽい界隈でありますが、、、、




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おお、そうだそうだ、顔見世の季節だ。南座は工事中のため、今年はロームシアター(京都会館、、と言いたい、、)開催だったな。





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というような、花街に隣接した禅院になろうとは、一体誰が想像しただろう。特に開山の栄西禅師。
鴨東はもともとは洛外であったものをのちに花街が越してきてかくなることになったと聞いた。




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茶の実もすっかりはじけている建仁寺の茶の木の生垣。

建仁寺では毎年四月、栄西忌に四頭茶会がおこなわれ、私も2回ほど行ったことがあるのだが、このたび塔頭の西来院にて、淡○社主催の「禅院茶礼茶会」=四頭茶会がおこなわれたので参加してきた。

ちなみに四頭の説明は前回行ったときの記事をご参考に。




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西来院は普段は非公開、入ったことがなかったのでわくわく。作りは、並びの、なんだかしょっちゅう行っている両足院さんの相似形であった。




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場所は西来院だが、四頭についてまずレクチャーしてくれたのが霊源院(甘茶の花の頃一般公開)のご住職だったし、四頭でうちのグループにお茶をいれてくれたのは両足院さんだったし、建仁寺の塔頭の若手住職総出、という感じであった。





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ちなみにこれは数年前、参席したときの四頭説明図。
中国の禅宗寺院でおこなわれていた茶礼で栄西が伝えたとされるいにしえの喫茶法。客は4人の頭と連客それぞれ8名合計36人となる。





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望んだわけではないけれど、受付で頭の一人の役を拝領。(なんで決めたのか不明、そんなに淡○社に貢献してないけど、、)
でも頭はけっこう役得もあるのだ。





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本堂にはいると正面に茶を伝えた開山栄西禅師の頂相。建仁寺四頭では左右に竜虎の絵なのだが、ここではむかって左に鎌倉時代の中国へ留学していた龍山徳見禅師、彼は饅頭を日本に伝えた林淨因を日本につれて帰った方である。右には霊源院で修行していたゆかりの一休禅師。

林淨因のお寺が奈良にあるし(漢国神社)子孫が東京の和菓子屋塩瀬総本家、というのは知っていたが、もう一系統の子孫が横河電気というのは今回初めて知った!
本堂の天井の龍の絵を新しくしたときに足りなかった資金を、横河電気がぽんとだしてくいれたという逸話は初耳であった。おもしろいな〜。




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まずはそれぞれ縁高にはいったサイコロ型のこんにゃくと饅頭をいただく。ちなみに饅頭はその塩瀬とゆかりのある塩芳軒さん(^-^)

4人の頭の席には座牌という紫の帛紗のようなものがおいてある。あらかじめ茶の入った天目茶碗を客が持ち、4人の給仕僧が浄瓶の口に茶筅をさしてあらわれ、湯をそそいで点ててくれる。
頭のうれしいところは、頭だけイケメンのお坊様に跪いてお茶をたててもらえること♪(/・ω・)/ ♪
連客は立ったまま点てる。

ちなみにいただいた天目茶碗は約400年前のもの。おそらく当時の大名も使ったであろう茶碗であった。おそれいる。




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四頭茶礼がおわると別室にて、指物師・川本光春さんの副席へ。
なんでも大徳寺聚光院の古材がたくさん手に入ったので、これを使って香合やら,煙草盆やら、茶杓やらたくさんお造りになったよし、席中のお道具もほとんど全部ご自分の作品。物を作れる人ってうらやましい。




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印象的だったのが香合。全体は顔見世の招きの形で、その下に三色の違う種類の木をつかって歌舞伎の定式幕を模しているもの。木の色の違いにおどろく。白樺の幹をそのまま使った水指もおもしろかった。あと、点出さんに知人の姿をおもいがけず見つけて、お互いに「あ〜〜っ!!」(^_^;




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副席のあとの点心は霊源院へ移動。さきほどのレクチャーをしてくださったお坊様の自坊。
移動すがら茶碑の写真を撮っていると、これまた点心席のお手伝いに、別の知人をみつけて、これもびっくり!(茶界の狭さよ)




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霊源院は先ほども書いたが、甘茶の花の季節だけ一般公開されるので行ったことがある。二畳の落ち着く小間の茶室があったり、本堂から入れる躙り口のある四畳半があったり、見所は多い。
各茶席にご住職が茶席のしつらいをしてくださっていて、これも楽しんだ。一休の遺偈がすごかったなあ。



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五観の偈を唱和して、点心をいただく。禅院での茶会らしい雰囲気がよかった。




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矢尾治さんのお精進。




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胡麻をすりこんで、茄子をうかべた味噌汁が美味しかったな〜♪




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一歩外に出れば観光客がうじゃうじゃの祗園花見小路であったが、境内は人もそれほど多くなく、紅葉を楽しんで帰ったのであった。




口切りの茶事〜但馬の国 - 2017.11.26 Sun

口切り茶事は茶人にとって格別な茶事であって、何回経験してもうれしくわくわくするものである。

そらいろつばめ様が今年ルソンの壺を手にいれられた。それを使って初の口切り茶事に光栄にもお招きいただいた。
道すがら、渓谷の美しい紅葉を楽しみながら期待に胸がふくらむ。





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(待合の青銅製火鉢)


実はご主人が数年前、某国営放送の「ルソンの壺」という番組にでられたのだが、まさかほんもののルソンの壺を手に入れはるとは思わなかった。
ちなみにルソンとはいうが、これは出荷されたのがルソンであって、明時代の中国南部で焼かれたもの。


待合には蓮月さんの千鳥と初霜を歌った歌が。
蓮月さんのは比較的読みやすいはずなのに全然読めない、、、、しかし心配ご無用、この日の御連客はその道のエキスパートがいらっしゃる。





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(腰掛待合)


そうなの。本日の御連客はすごい方々ばかり、宗教界からは師匠、建築士I君、茶道に関する学術論文をたくさん上梓されている方、某美術館の学芸員さん、Y流に出入りしているお道具屋さん、不肖ワタクシだけが普通(^_^;、、、という錚錚たるメンバー。このあたりそらいろつばめ様のご人脈の広さと深さがうかがえる。それでも一応みなさまと面識はあるのでそれほど肩はこらずにすんだ。





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いよいよルソンの壺拝見。
釉薬のなだれがとても景色の良い壺である。そして今までみたどの口切りの茶壺より大きい。女性が指先だけで持つには(体温で中を温めないように茶壺は指先だけで持つ)ぎりぎりくらいの大きさ。

いよいよ封印を切る、口切り。楽しみでもあり、どきどきもする瞬間。






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松籟園が詰めた碾茶の「御茶入日記」。
これを拝見してどの濃茶をいただくか相談して決める。今回3種の濃茶をご用意くださったようだ。
選んだ松籟の半袋(詰茶のなかに埋まっている紙の袋・10匁入り)を取り出して挽家におさめる。





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詰茶は薄茶になる。




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今回ご亭主は茶臼までご用意くださった。これがまた良い宇治石の茶臼で!
客がそれぞれ挽かせていただく。学芸員さんが茶臼の研究もされている方なのでひき方とか、目が詰まったときの対処法とかいろいろご教授いただきありがたい。


初炭所望を予告無しでもすらすらこなす師匠、さすがである。
釜は宗旦好みの擂座釜、底が意外と浅いのが特徴。香合がF太朗君のベトナム土産の安南とは、ここでも茶縁を感じるなあ。




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そしてお心いれの懐石であるが、、、なんといっても特筆は今季初の蟹〜!!
こちらは蟹の産地も近い。蟹味噌いりの器もつけていただいて、早くも冬の味覚を堪能。
あ、但馬牛の芋煮もおかわりほしかったわね♪

懐石のお運びはご主人もお手伝いされる。ご夫婦で御茶、、、うらやましいな〜。




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ご亭主お得意のイタリアン系のサラダ。器が古伊万里のよくみると千鳥の形。
待合の千鳥の歌に響き合う。





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主菓子は御菓子丸さんの「甘い土」
雲龍ににたほろっとした小豆がほのかに甘く美味しい。甘い土、、なるほど。





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中立は寒いので囲炉裏のそばで。暖かいシアワセ。

熱々の美味しい濃茶をいただく。今年もよいお茶ができた、これからの1年、よいお茶をたくさん飲めますように。




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干菓子がこれまたビックリさせられるものであった。
麩の焼きのうえに塗られたペースト状のもの、味はほのかに甘くほのかにすっぱく、、、これは一体なんだろう?だれも当てられない。それもそのはず、京丹後のフルーツガーリックという初めて食したニンニクペースト。とてもニンニクとはどうしても信じられない味なのだ。全然ニンニク臭もない。これはやみつきになりそうだ。

薄茶の朱というよりは赤い雪吹の茶器と、少々扱いにくそうなやたらと長い茶杓が点前中、気になったが、、、、なんと!これは水屋のMさん所蔵の黒田辰秋の作であった!





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(露地の楓の落ち葉もまたよき風情にて)



最後まで、いろいろ驚きや初めてやで楽しい仕掛けをたくさん仕込んでいただいた口切り茶事、さらに道具についてあれこれその道専門の御連客の解説付きというまことに贅沢な茶事、心より堪能いたしました。ありがとうございました。
ご主人様、水屋の方々にも御礼申し上げます。






国宝展・第IV期〜京都国立博物館・最終週 主に絵巻物 - 2017.11.23 Thu

平日だったのに、、、

平日だったのに、、、、




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行ったらまた七条通に行列があぶれる国宝展。




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最終週だし某国営放送で特番やったしで、あまり興味のなかった層も「どんなもんかちょっくらのぞいてみるか」のノリで来ているにちがいない。




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さんざん行列つくったあげく、たどりついたチケット売り場でこれだよ。





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待っている間に文庫本半分よめちゃった。でも実質60分かかってなかったかも。

この国宝展も4回目となれば、どこになにがあるかだいたい予想がつくし、以前の期で見た物はよほど好きでない限りスルーしたので、要領よく見て回る。

今期一番見たいのはやはり1階の絵巻物シリーズ。

III期で感動した扇面法華経、前回は一番有名なほおづえをつく少女だったが、今期は初めて見る二面。髪の毛がようよう背丈ほどになった少女のうしろ姿が愛らしい。

平家納経、III期のはやや地味な法師編だったが、今回は必見の功徳編、もう、、、なんとみやびで美しい料紙であろうか。経文の上下に描かれた可憐な花々(朝顔、桔梗?がやけに目に付く)も、ふんだんに散らされた金銀の箔、巻頭の絵(平安王朝の人々が蓮池を眺めている?)、さすが時の権力者平家が作らせた物だけはある。巻末の署名が「平盛国」、清盛の側近だった人らしい。

一字蓮台法華経は経文の文字一つ一つが蓮台に乗っている。
一字一仏法華経序品では経文一字一字にお一人ずつ仏様の絵が添えられる。それぞれ違ったお顔だし、あっちむけこっちむけしているのが、なんかカワイイのだ。




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曼殊院の黄不動、このたび御衣絹加持(画絹を清める儀式)の跡が見つかったことでニュースにもなったため、人だかり。

明治の元勲井上馨が所持し、のちに原三渓の手にわたったという平安時代の仏画・孔雀明王像、同じく孔雀明王を描いた中国北宋の仏画と比べると面白いかも。後者は孔雀もリアルだが、日本のはすでに紋様化されつつある。

光琳の燕子花の実物を(意識して)見たのははじめてじゃなかろうか。燕子花そのものもさることながら、以前野村美術館で聞いた、背景の金箔を正方形でなく、わざと不整形にしている、というのがよく見て取れた。

無準師範像(南宋)。彼に寺院再興のため板千枚を送った東福寺の円爾弁円(えんにべんねん)、その御礼の無準師範の「板渡しの墨蹟」も国宝。無準さんの話は茶席ではけっこうでるのよ。

今期、油滴天目、卯花墻、喜左右衛門井戸のまわりはすかすかで楽々眺めることができる。(客層がやっぱり違う、、、)

最後に書跡コーナー。
藤原行成の消息、反古紙の裏に斜めになったり大きくなったり小さくなったり書き散らしている仮名がまた美しくて。
藤原伊行の芦手絵和漢朗詠集、芦手とは意匠化した文字を絵の中に紛れさせるもの、これまた雅な平安貴族のお遊びであろうか。


これで4期すべて拝見終了!

で、表にでてみると、、、




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待ち時間はさらにえぐいことになっておった(;゜0゜)


入場料1500円x4回、2回借りたイヤホンガイド1000円、図録3000円と、合計10000円つぎ込んじゃったな。でもつぎ込んだ時間の方が多いかもよ。

中にはすでによそで何回か見ている物も多かったが、まとめてみることに価値があったのか、自分でもなんでこんなに情熱を注いで見にいったのか不思議〜。でもこれですっかり京博知新館はお馴染みの居心地のいい場所になったような気がする。







第二回開炉茶事〜正午 - 2017.11.20 Mon

今季二回目の開炉の茶事、このたびは正午にて。





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(坪庭の千両が色づいてきた。ここまでくるとそろそろ野鳥がいつ丸坊主にしようかとタイミングをみはからっているのだ)




今回のお客様はみなさま手練れのお茶人さんばかり。ご自身で茶事もされればおよばれも多い。なかなか目も舌も肥えていらっしゃるので少々こわい。





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(今期初火鉢)



お正客は庸軒流の方。
昨年お茶事にお招きくださったので、その御礼に。庸軒はいわずとしれた宗旦四天王の一人、我が家の近くの黑谷さん、西翁院にはその茶室、淀看の席がある。





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(待合の陶俑さん、本日は銀杏の葉っぱ)



庸軒流のお点前はめったにみることができないので、興味津々であった。懐石は出し過ぎてはいけない、とか席中で客は帛紗を懐中しないが、帛紗ばさみにはかならず入れておくとか、質実剛健なイメージ。なかでも度肝をぬかれたのが茶巾の熱湯消毒であった。





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(うちの紅葉は洛中最遅かもしれない、、、)



手にした茶巾にいきおいよく柄杓で熱湯をかける。茶巾を席中代えないので、まさに清潔にするための「熱湯消毒」であるそうだ。たしかに理にかなっている。
時にどろどろになった茶巾で、これで茶碗拭いていいのん?と思わないでもなかったから。

ただし、修練をつまないとやけどしそう。その茶巾を茶碗に入れるときにほどけるように投げ入れる感じがまた独特。




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(丸葉ヒイラギが満開で、露地に出るととても佳い香りがする)



待合はお客様方お住まいの土地に所縁の酒井抱一、本席は啐啄斎の宗旦遺偈とした。宗旦忌も近い。

濃茶の茶碗が川上不白の箱なのだが、早くに父親如心斎を亡くした啐啄斎の後見になったのが如心斎一番弟子の不白であったのだ。




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懐石は例によって写真を撮るひまもなく、、、
みなさま、懐石がお上手で美味しいのでわたしのナンチャッテ懐石はお恥ずかしいのだが。




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桜の照葉は岡崎公園でいくらでもゲットできるのが、ここのいいところ。




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これは朝の光の具合。時がうつるにつれ、影の位置も形も色も変わっていく。




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前記事で自慢した、徐々にグレードアップしたふくべの炭斗。
織部は香合にしたので、灰器は古備前(伊部)。開炉に三べ(ふくべ・おりべ・いんべ)をだすのは千家系だけだというが。
(ちなみに前回の開炉の時には備前がなかったので、備前出身のワタクシが伊部のかわりに、、ということですませちゃった(^_^; )





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お客様にお砂糖が健康の為によくない方がおられたので、若い茶友さんからおそわった干し柿の中にクリームチーズを仕込んだものを主菓子に。
これはほんまに美味しいので、干し柿の季節は普段でもつくって食べている。




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(干菓子器に使った小引き出しのあるけんどん?)



濃茶の茶杓はいうまでもなく、9月の月釜、「菊慈童」のために入手した庸軒の「若水」。
庸軒が削り、数百年の時を経て、その流れを汲む方のお手に。





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後炭もこなして、久々に輪胴をいれる。火のまわりが早いこと。やはり炉はいいね〜。
お干菓子は亀廣保さんのいちょう、ぎんなん、霜月さんの柿琥珀(先日の乙女から拝領)。

薄茶の茶杓は久田尋牛斎。なんとなれば庸軒は久田家出身なのだよ。


最後に、あの茶巾熱湯消毒がもう一度見たくて、お正客様にお点前所望。




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こころよくお引き受けくださった。(おみ足がわるいので、椅子と建水台を特別に使用)

おお〜!!

やはり何度みても感動。しかもやけどもしない手練の技。一度席中でやってみようかな、これ。生兵法のナントやら、、になるかしら。




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茶事がおひらきになるころにはあたりはもう日暮れ。日がおちるのがほんとうに早い。お気をつけておかえりを。一座建立、楽しゅうございました。








ふくべ炭斗を徐々にグレードアップ顛末 - 2017.11.16 Thu

うちの近所、もう市バス交通難民の時期が来た。
観光客がどっとおしよせる紅葉の名所をかかえるので、とにかく市バスに乗れない。





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私は近場で紅葉を楽しむ。
先日の雨では、落ち葉を蹴散らす人がいないので、見事な地面に描かれた模様を楽しんだロームシアター前。(京都会館前、、、と言いたいけど)


さて、炉開きの茶事を2回終えたので、ちょっとしたmyふくべ炭斗の自慢をひとつ。


本来使い捨てのふくべ炭斗、その年にとれたウリ科の瓢から作る。しかし漆塗などをほどこせばその限りにあらず。

もともとお茶友さんが、2個もっているから、とくださったものであった。もちろん漆塗無し、そのまんまのふくべ、ちょっと乾燥してヒビも入っていた。
一回炉開きに使って、捨てるのもったいないし、どうしようかと。

そうだ、漆塗ならセミプロ(本職ではない)の父がいるではないか!




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御年90を越える父ではあるが、まだまだぴんぴんと元気。

しかしふくべはそのまますぐ漆を塗る、というわけにはいかず、中のデコボコをきれいにしたり、ひび割れを金継ぎしたり、いろいろ細工をして面倒をかけた。
漆塗が完成する過程を写真にとって送ってくるあたり父らしい。





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そして完成したのがこれ。
デコボコだったまんまのふくべの内側がなめらか。ひび割れも金継ぎが良い景色になっている。
父に感謝である。

そして、これをまた炉開きに使って、できたら、これに蒔絵がほしいな〜、、、と限りなくアップグレードする野望。さすがに蒔絵は父には無理。


そこで大覚寺茶会の折、櫂の香合をお願いした漆器蒔絵作家・岩渕祐二さんにふたたびお願いすることにした。
今回の炉開きにあわせて急いでくださったようだ。感謝。





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好みはやはり青海波。(櫂香合にも青海波、まああれは水にちなむし)
それも全面でなく、上品に散らしてもらった。





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中でも金彩にせず、黒漆の青海波の部分がとっても素敵なのだ。




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父の金継ぎともよく合っている。




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かくして、完成したmyふくべ炭斗。
2回の炉開き茶事にお披露目。


岩渕さんが父の仕事を誉めていた、といったらプロに誉められたと、とても喜んでいた。
これはお宝になる。




吉田塾〜小袖② - 2017.11.16 Thu

北観音山町内無明舎・吉田家住宅にておこなわれる恒例の吉田塾
今回のテーマは小袖第2回目(1回目はいきそびれた)と聞いていたのだが、、、、




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な、、、なんだ!?あれは!

荒巻鮭のようだが本物?彫り物かなんか??




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近寄ってみると匂いがするので、あ、やっぱり本物の荒巻鮭。

なんと吉田孝次郎先生(吉田家当主・前山鉾連合会会長)ご自身がさばいて荒巻にされていたのだった。家の中はここんちの猫の餌食になるので、外にぶらさげはったとか。とても洛中の風景に見えなくてあせった(^_^;




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吉田コレクション小袖編。
まずは幕末の頃、裕福な上つ方がまとわれた萌黄色の小袖から。




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淡雪の景色だが、この芝垣と黒木の鳥居で「野々宮」がテーマであろうとおっしゃる。

これを見て、ああ、この方は源氏物語がお好きなんだな、、、と心で得心するのが教養ある上流階級の方々の嗜みであると。

白の部分は伏せ糊で地の白をのこし、彩色は藍のみというシンプルながら地紋の豪華さで見せる上品な美しさ。よほどの身分と教養を兼ね備えた女性が誂えまとわれたのだろう。





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二枚目は浅黄のちりめんに松林、その中に笈と笠、上前には兜の刺繍。

これもこの紋様を見たら、笈=安宅の関+兜で義経、源平を連想できなければならないそうだ。
こちらは刺繍がほどこされ、すこし華やか。




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源平から脱線して、義経が落ち延びた平泉で毎日手をあわせたという中尊寺・人肌如来を描いた棟方志功の版画。これを先生はつい最近市で入手されたよし。





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かくの如く日本の古典紋様には物語性がある。源氏物語であったり平家物語であったり、そのなかのシンボル的な物が紋様になっている例が多いのに対して、西洋の紋様にはほとんどそれがない、というご指摘。いわれてみればなるほどそうだなあ。

しかし、紋様を見てこれはあれ、と連想できる教養は現代人にはそうそう簡単には身につかないのは残念。




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中には西洋風で、物語はなくただ美しいという紋様の小袖もある。これは商家の若い女性がまとったものだろうか。牡丹の花、藤の花の刺繍がゴージャス。

上の方が裂けて中がみえているが、うっすらと綿がひかれている。綿入れとはこういうふうになっているのだな。




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ついでビックリは明治の頃の男性用、重ね着の下着、なんとパッチワーク!!
布は唐桟縞をベースに、明治の初期に日本にはいってきたインド更紗などの捺染木綿(プリント地)。この柄は現代でもパッチワーク用の布によく使われているモノに似ている。

上着をさらっと脱いだときに、これが見える訳ね!粋なおしゃれ!




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吉田塾の楽しみはこれらの貴重な小袖を手にとってさわって見ることができること。

さわってみると思ったよりどれも軽くて手触りがよい。
退色もせずほんとうに200年もたったものとは思えない。当時は化学染料もなく草木染めであったとおもうが、その染色技術の高さにも感銘をうける。




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まあ、この刺繍の細かさ。




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染め残しで現された淡雪の部分に地紋が浮かんでなんと上品な美しさ。日本人の引き算の美しさが如実に感じられる。




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これは先ほどの笈の小袖の兜の部分。




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手にとって見て、兜のそばに鐙も描かれていることに気づいた。すばらしい。





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吉田家のお庭。

今年の祗園祭宵山はここで祗園囃子を聞きながらおよばれしたっけ、と思い出す。
奇跡的に残った大きな町家(維持のご苦労はほんまにたいへんだと思う)、やはり京都はこういう家があってこそ、だなあと改めて思う。




乙女たちの夕ざり茶事〜開炉 - 2017.11.13 Mon

この秋は月釜亭主やら大覚寺舟遊び茶会やら、大忙しであった。
気がついたら約半年ぶりの茶事であった。と、言い訳をまずしておいて、、、、




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すっかり勘所を忘れていて、不手際だらけの茶事であった。
他にも心にかかる問題もあって、平常心でなかったのは確かだが、それにもかかわらずきちんと一座をこしらえられる強い精神力を鍛えるには、まだまだ修行が足りぬ。




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にもかかわらずおつきあいくださったお客さま方、乙女たちに深く感謝したい。




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お正客は、この秋の茶席シリーズで水屋で大活躍してくれた乙女。ご自身、水屋のプロと言ってもいい水屋経験が豊富な方。

御連客は、新旧乙女茶会をいっしょにやったり、お客様できていただいた乙女たち。




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最近知った塵箸の流儀のちがい。
これが正しい裏千家流。実は表千家の上が平らな箸をしらずに使っていたのを、ご指摘をうけてカスタマイズした(^_^; ちなみに武者小路は斜め切りで矢筈におくらしい。
こんなの、普通の人にはだれが教えてくれるというのだろう。本にも載ってないし。





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今回は夕ざりで。
後座の露地の燈火が美しいと思うので。(あと暗くなるので露地の掃除がちょっと楽だったり、、、(^_^;  )




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燈火の準備をおえて、席入りを待つ。




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実は今週もう一回同じ趣向で茶事をするので、お道具に関してはまだ秘密にしておく。(それほどたいしたもんでもないけど、、、、)




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夕ざりは初座が花になる。
うちの庭の白玉椿と桜の照葉。桜の紅葉は色のバリエーションがほんとうに美しい。

練習もなしに久々の炉の初炭、あれも忘れた、これも間違えた、、、、で、ほんまにスミマセンでした。炭点前では炭斗がちょっと自慢なのだが、、、まだ内緒にしておく。

懐石は手作りしたが、これも写真を撮る心の余裕もなく、一枚もございません。





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唯一お客様からいただいた一枚。

席中はもう膳燭が必要であった。




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そして、、、乙女ばかりなのに、、、乙女ばかりだから? この日あけた日本酒が1本まるまるなくなった。お酒を辞退される方が多い昨今、なんとうれしい。




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主菓子は鍵甚さん製、銀杏、サツマイモ、生柿のはいった、私的には京都で一番美味しい亥の子餅。




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初座の終わりにはあたりはもう暗く、燈火が映える。




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後座の席入りは手燭を交換。
手燭を手に雁行するお客様の景色も美しい。




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後座の躙り口。




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濃茶の茶碗はこの秋、大活躍した高麗茶碗、この日の軸に響き合うものになった。(まだ内緒です)

薄茶は、、、、いつも渋好みの私だが、こんなきらきらかわいいのも持ってんのよ〜と主張する(?)ようなものをそろえた。干菓子器がちょっとアイデアだったのだが、これもちょっとまだ内緒。

この秋の茶会の思い出話や、ご自分の茶会の話や、あれこれあれこれ、ガールズトーク(ガール?と疑問に思わないように)。

蝋燭の灯りしかないので、ちょっと目をそらすとそこは闇、よってみんなの意識はともしびに向けられ、お互い心理的に近くなる。これが燈火の茶事の醍醐味である。





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久々の茶事、佳き時をすごしたが、様々な不手際、これからますます己の特に心を鍛えて精進いたします。






手のひらの自然 小倉百人一首〜京菓子展2017 - 2017.11.10 Fri

弘道館にて毎年公募している京菓子のデザイン、実作、の展示がおこなわれる「手のひらの自然 京菓子展」、今年のテーマは「小倉百人一首」であった。




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京菓子は、銘を聞いてさらにイメージをふくらませることができる宝石のようなお菓子だと思うが、それが百人一首の歌によせて実作で展示されるのだから、これはちょっと興奮する。




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寄付に、小間に、広間に、展示されている30点の京菓子。
ひとつひとつにライティングが施されて、浮かび上がって見えるのは壮観だ。




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寄付にあったのは京都市長賞受賞の「紅水染(もみじ)」
  ちはやぶる 神代も聞かず竜田川、、、がテーマだね。からくれなゐにくくられた水がかくも美しく。



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 瀬をはやみ 岩にせかるる瀧川の、、、

が、テーマの「清流」。透明な錦玉が、きっと夏には涼しげ。




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たくさんの賞を獲得して、私もこれいいな〜と思ったのがこの「つきあかり」




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画像ではうまく再現できていないが、実際はもっと透き通ったブル−。

  、、、、もれいづるつきの かげのさやけさ


味わうことはできないが、日本酒錦玉製なのだそうだ。中心をずらせた穴が秀逸。




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 かささぎの わたせるはしに おく霜の、、、

カササギを連想させる翼の造型。練り切り製。




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これもけっこう好き。ブルー系のお菓子が京菓子には珍しいので、よけいに惹かれるのかも。
で、歌は、、、忘れました(^_^;

これも「かささぎの、、、」だったかな。




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 しのぶれど 色に出にけり わが恋は、、、

「彩心」という銘のこのお菓子はすけて見えている恋心があでやか。




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葛製のお菓子、「遠望」

  わたのはら こぎいでてみれば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白波

小舟と沖つ白波。これもブルー系で好き。





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これもちょっと萌えた「舞うひと」

 あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ、、、

姿をしばしとどめんと、僧正遍昭が歌ったをとめの舞の衣が風にひるがえるイメージがすぐさま浮かんだのである。



 
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これも好きだな、「言霊」

これには特定の歌はなくて、歌自体が言霊というコンセプトか。

ぷくぷく湧いて出てくる言の葉は言霊となって身の回りにあふれる、、、そんなイメージ。





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「滝の糸」

  滝の音はたえてひさしくなりぬれど、、、

真ん中の錦玉部分が透き通っていてきれい。




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さて、呈茶の席では、実際に展示されているお菓子のうち三種からひとつ選べるのだ。




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私はこれを選んだ。

「ひとりぬるよ」

  嘆きつつ ひとりぬるよの 明くるまは、、、

真っ黒なこなしに巻き付いたとりどりの色の糸、、、、おんなの情念がからみつく、、、そんなイメージ。

菓子で真っ黒は墨でしかだせない、と弘道館の太田先生。老松で(昔)和菓子を実際に作ってはったしねえ。この黒は古梅園の墨なんだそうで。中の白餡といい、黒いこなしといい、最近食べた和菓子の中で一番おいしいかも。




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呈茶しながら太田先生、例によって蘊蓄を次々ご披露して下さる。今回もしらんかったわ〜!とビックリするような豆知識を少々仕入れた。(円山公園真葛が原の安養寺は山号が慈円山、ここから円山公園の名前がついたとか、いろいろ、、)

そして昔作ったという和菓子ノートもみせてくださった。お菓子の材料がグラムでなくて匁なのがツボ。



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なんとお茶をいただいた茶碗の絵付けが、、、かのカイロ大学を卒業し東京でブイブイいわしてはったあのお方。(今はちょっとアカンけどな)ちなみに文字はアラビア語で平和、、、だったかな。




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最後に、北野大茶会の絵図がかかる床の間に工芸菓子「青空寂寞」




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 奥山にもみぢふみわけ 鳴く鹿の、、、

見事な秋の山の風景になっていた。


他にもたくさんあったのだが、全部はのせきれない。今年は終わってしまったが、毎年テーマをかえて公募され、展示されるので、まだの方は来年是非。






国宝展・第III期〜京都国立博物館・源氏物語絵巻、平家納経など - 2017.11.08 Wed

III期はもう文化の日しか行けない、と思って混雑覚悟で行ったら、、、、




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こんなんだよ〜Σ(゚д゚|||)
ちなみに入り口は左端。七条通まであふれて、さらに折れ曲がってえらいことに、、




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ほんまに冗談じゃなく90分並んだ。しかも雲一つない空の下、日焼け止めをもっと厚塗りしておくべきであった。
さて、いったん中へ入ると、確かに人混みはいつも以上であったが、それなりに隙を縫って見ることはできる。しかし、人酔いしたのか、救急車で運ばれる方もいたからご用心。




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今回、私的に目玉であったのが、平家納経、源氏物語絵巻などの絵巻物。
これだけは並んで最前列でかぶりつき。
源氏物語は柏木と竹河がでていたが、落剥がはげしい。徳川美術館で顔料の化学的分析までやって現代の絵師がよみがえらせた復元絵巻を頭で補いながら見る。↓




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(徳川美術館の復元・柏木)


物語の文字部分の展示もあって、料紙の美しさ、仮名文字の流麗さ、お互いにひきたてあう美しさにしびれる。


それから今回たぶん初めてだと思う平家納経。さまざまな大きさの金箔、砂子、銀箔がちりばめられた料紙の美しさといったら!文字を書く紙にここまでこだわったのは日本人だけじゃなかろか。

高校時代持っていた古語辞典の口絵にのっていて憧れた「扇面法華経冊子」が目の前に。これ意外に大きい。顔に振りかかる髪をはらおうともせずに机にほおづえをつく少女、そのよこで物語を読みきかせているようにも見える高貴な男性。若紫と源氏を連想させるようなシーンだが、机の上に梶の葉があることに初めて気づいた。これは七夕の頃の光景なのだろうか。

金光明経、別名「目無経」
初めてしったが、墨の素描で絵物語の下書きだけが描かれ、その上にびっしり金光明経が描かれている物。絵物語の人物は最後に出てくる一名をのぞいて目鼻が描かれていない状態なので目無経といわれるらしい。
後白河院がこの絵物語を描かせていたところ、完成の前に崩御されたため絵物語は中断、その下絵の上に供養にと描かれた経文だということだ。なんか物語があるなあ。


信貴山縁起絵巻も今期最終の剣の護法童子がでてくる人気の延喜加持編。ほんまに絵巻物って日本の漫画のルーツにちがいないと思える。平安時代の庶民のなんと生き生きとした姿。絵巻の最後の方でつま先立ちして手を翳して命蓮をみる雑司の姿は、現代人のしぐさと少しもかわらない。
当時の人は絵をスクロールするたびにきっとドキドキしたに違いない。われわれが漫画をドキドキしながらページをめくるのと同じだ。





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今会期、行列必至の展示目玉は漢委奴国王の金印であったが、あまり興味がないので並ばずに後方からチラ見。意外と小っちぇえ、、、

さらに行列つくるのは油滴天目(東洋陶磁)だが、II期の曜変ほど人気がないみたいで少なかった。それでも図録でみるよりはるかに白くはっきりと油滴が星のように輝いているので、やはり実物はすごいなと思う。

驚いたことに意外と人が群れていないのが喜左右衛門井戸。これ、井戸茶碗展なら目玉中の目玉なんだが、、、
おかげで根津の井戸展以来の再会、ゆっくりじっくり拝見できた。

神護寺に伝わる有名な似絵、伝源頼朝、伝平重盛、伝藤原光能像。
これは京博の平成知新館完成の時の記念展に並んででていたのを覚えている。光能の貴族的なぽっちゃり顔、垂れ目の重盛、きりっと男前の頼朝、これ、なんか意図的に(鎌倉幕府の意向?)頼朝を男前にしてる?

等伯の松林図にも久しぶりに会えた。
向き合っていると音が消えるようにさえ思えた静謐なる絵だが、今回ばかりはあまりに人がわさわさと大混雑だったので、ちゃんと対峙できなかったのが残念である。
もちろん夭折した息子・久蔵の絢爛豪華な桜の障壁画と並んでいるのはちょっと胸にせまるものがあるよ。

さて、大人気の国宝展、最後のIV期を残すのみ。あと一回、がんばろう。でももう平日にしかいかない、、、






南山城の古刹〜和尚様の茶事 - 2017.11.05 Sun

南山城では洛中より一足早く木々が色づいている。



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恭仁京のあったあたりであり、文化圏的にはほとんど奈良、のこのあたりには、開山が奈良時代にまでさかのぼれる古刹がたくさんある。




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景色も奈良の景色に似て、どこかのどかだ。
柿の実も色づくこの季節に、師匠におさそいいただいてその古刹の一つのご住職がご亭主をされる茶事に。





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天台宗のお寺で鎌倉時代創建、ご本尊の阿弥陀様は南北朝時代のものとか。本堂にはいってびっくりした!脇侍が金彩の華やかな観音菩薩と勢至菩薩(たぶん、、)、黒っぽい阿弥陀様の背後に彩色鮮やかな3Dの極楽図か来迎図、、、、こんなの見たことない。

極楽浄土は美しくないといけない、という和尚様のお考えでこのような立体背景をつくられた。菩薩様の制作はなんと、あの(ご近所の)仏師、江里康慧さん、截金の人間国宝であった奥様の故・佐代子さんの截金荘厳も施されているそうだ。

ちなみに和尚様、おそらく70才代とお見受けしたが、この革新的なパワーは一体どこからくるのかw( ̄o ̄)w!

さて、寄付の前に、ここで般若心経をあげる師匠。




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茶室も和尚様がご自分で設計も、建材も注文をつけて作られた四畳下座床の小間。
これがうちの小間の間取りとまったく同じなのになぜこう広く感じるのだろうと思ったら、中柱と袖壁がないのだ。炉は向切らしい。これはいかにも給仕がしやすい。

この茶室、和尚様工夫の仕掛けがいろいろあって、即席?洞庫とか、障子をあけたら土間の椅子席がでてくるとか、天井は今時絶対手に入らないと思われる竹を薄くへぎにした網代とか、ほんま見所満載で楽しい。




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露地もこだわって作庭、蹲居も古い灯籠を思いついて礎石部分を蹲居にみたて据えた物、灯籠の後の岩石の枯山水のような景色は、もとあった石段を崩した物、とかこれも見所が多い。

初座で澤庵さんの「不生不滅」の短歌を拝んで、点前座、ああ、絶品の時代もののすり鉢を見立てた風炉!
エッジのきいた美しい灰型はお嬢様がつくられたかも、とのこと(親子でお茶!いいな〜!)
なにより萌えたのは前瓦の代わりの、砕いた瓦の破片。このすり鉢に似合いすぎ。


炭斗がまた唐籠の外側に圓能斎の消息貼り付けているのだもの、すごいわ。




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(裏千家の塵箸はこのような仕様です、、、最近までしらなかった)



懐石もお嬢様の手作り、ツボは汁のカボチャ団子がハロウィン仕様(^o^) そして八寸の里芋の揚げたの、醤油が薄くかかって、ほんま熱々で美味しかった。このレシピはいただきだな。


そして寄せ向こうの器がすばらしかったこと。
表がとろっとした平皿は裏をひっくり返して初めて三島なんや!とわかる逸品、これよかったわ〜よかったわ〜。金継ぎのある山茶碗のお向こう、これでお茶をたててもいいわね。

酒器がこのお寺の山を削ってでてきた土で焼かせたとっくりであったり、ここでも和尚様のパワーが炸裂していたが、お話しは軽妙洒脱で楽しく、さすがにお仕事柄だろうか。




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後座はお嬢様のお点前にて。
出てくるわ出てくるわの高麗系シリーズ、高台付近がもはや井戸!だろ、の堅手茶碗が濃茶に、続き薄では三島もあれば古唐津がまたいいのよ。
和尚様、あまりに好みが似ております。似すぎております。ヤバイです。

お点前がおわっても茶の湯談義、お道具談義、人生談義がつきない。
実は和尚様、某茶道学園の創立にちかいころのご卒業、しかし流派にこだわらず、ご自分の審美眼とポリシーのみを軸にすばらしい数寄をつっぱしって展開しておられる。

あと10年ぐらいで、あの境地に到達できればな〜が目標。(まあ、、、、挫折するかもしらんが、、、)

今回も心に残る茶事になった。師匠、ありがとう+゚。*(*´∀`*)*。゚+
和尚様、お嬢様、御連客様、ありがとうございました。





炉開きの頃、哲学の道かいわい〜SIONE・とま屋 - 2017.11.02 Thu

10月はほんまに雨ばかりで青空がなかなかおがめなかった。




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10月の最後、久々に青空の休みだったので、哲学の道散歩へ。
岸辺ではもう山茶花なども咲いて、紅葉にはまだ早く、人の訪れも少ない。




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かわいいお尻を出してエサをとる鴨のつがい。シンクロナイズドスイミングよろしく。
こんなカップルがたくさんいましたよ。





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研究室時代、ここのおとなりの不老園さんでは宴会をしたものだったが、いつのまにかお隣の町家がお店になっている。
真葛窯のお嬢さん、河原尚子さんのショップSIONEが哲学の道近くへ移転されたという話を聞いたが、ここだったか。




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家業は兄上が継がれるとして、ご自分は佐賀で焼物修行をされ、陶板画制作や、陶器をメインにしたプロダクトデザイン(陶器のラッピングそのものが商品、、、という感じかな)をてがけておられる。そういえば先日の高台寺での金毛茶会で彼女の作品がたくさん使われていた。




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センスが良くて、若い女性に人気がでるのもわかるが、私の歳では白磁に金彩は少々、派手。でもかわいいのでぐい飲みを入手。つい酒器と考えてしまった酒飲みだが、尚子さんはエスプレッソもいれられますよ〜と。そうか、そっちのほうがおしゃれ。





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哲学の道南端、若王子を西へ行く道に知る人ぞ知る和菓子のとま屋さん。しらなければ絶対素通り、でも、お茶仲間ではかなり有名。





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お休みがきまぐれなので、暖簾がでていたらラッキ〜♪たどりつける。




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店舗の入り口がこんな感じで、ショウケースになにも入っていないことが多いので、このまま回れ右をする人もいるかもしれない。





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お庭をまわった(個人宅の)玄関をはいるとこんな素敵な応接間、いや、カフェ。
調度が欧州骨董なのもなぜか似つかわしく、昭和の雰囲気、哲学の道にまさに似合っているのだ。




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店主のおばさまがおひとりで、ほとんど趣味?で作られている和菓子だが、ここの絶品はなんといってもわらび餅、わらび餅の中に上品な餡がはいっていて、とろっとろのお菓子なのだが、季節なので栗きんとんをいただく。




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昔ご近所に住んでいた外国の留学生が作ったお茶碗だそう。北欧のブロカンテテーブルによく似合う。




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こちらのお庭に残るのは3本の梅の木、そしてなんと贅沢なことに、ここに居ながらにして永観堂の紅葉を見ることができるのだ。いつも最後に色づく木が一番よく見えて、毎年楽しみにされているよし。





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で、わらび餅はお持たせに10個買ったら、柚子餅をオマケにつけてくださった。得した〜!





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そして久々に晴れた日なので、とうとう風炉の灰を片付け、、、、




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炉開き!




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いよいよ茶人の正月が来る。




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そして炭も洗っちゃおう。
久しぶりに見る炉の炭は大きいなあ〜。





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