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2018-03

不昧公お膝元にて枕流会茶会〜松江 - 2018.03.20 Tue

お茶会に参席のため、はるばる来たのは、、、、



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なんと松江〜!!
私の記憶の最古の部類に入る三歳児だったころ以来だから、まあ、ほとんどはじめての場所といっていい。



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松江は松平不昧公のお膝元、おりしも没後200年の今年、「不昧公200年祭」に沸いているのだった。

そのお膝元で、不昧公が愛した茶の湯の精神と文化を受け継いで次世代に伝えようとしているグループが枕流会である。流派の垣根も越えて、参加は個人から、島根県の肝いりだったり、政財界のリーダーだったりする。その活動に興味をもちつつお招きもいただきながら松江は遠くて〜、、、だったのだが、今年とうとう、松江まで来ることができた。




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松江城の北、赤山茶道会館が茶会の会場である。「茶道会館」というからもっと味気ないビルを想像していたが、予想に反して立派な数寄屋の建物である。坪庭のある広い内部は江戸時代からここにあったように思えるが、昭和50年代の建築と聞いてまたびっくりする。

島根県知事だった田部長右衛門(23代)の尽力と聞く。彼は大山林地主でもあり、茶の湯をはじめ島根の文化振興に尽くした方だとか。不昧公ゆかりの茶道具も多く収蔵する田部美術館の設立や、この茶道会館に隣接する不昧公ゆかりの茶室明々庵の再建など、またご息女の1人は官休庵家元夫人である。




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待合になった広間の座敷の縁側は静かで、うらうらとよい日和、最高に気持ちがよい。庭の向こうの藁葺き屋根が再建された明々庵になる。


まずは二階の洋室広間で蕎麦懐石をいただく。ここを担当されているのが有名なお茶人ブロガーEさん、彼が懇意にされている蕎麦職人さんといっしょに考えて下さったこだわりのオリジナルメニュー。




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向付は蕎麦粉を葛でかためたもの、蕎麦めし、そして松江と言えばやっぱりこれ!しじみ汁。




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蕎麦しんじょう
炊き合わせなどの強肴などもあって、箸洗いかわりにこの、、、、




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水蕎麦が最高のご馳走であった!
十割のぷるぷるの蕎麦を、タレなしで、冷たい名水でいただくという、蕎麦によほどの自信がなければ出せぬシロモノ。蕎麦そのものの味わいがとても印象深かった。




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次に濃茶席
ここは四畳半下座床の小間である。粗いスサのはいった土壁が渋い。
亭主は尾道からいらした数寄者さん。お話しがとても面白く勉強になる。
不昧公の雛の消息が軸に、呉須有馬筆の香合、古芦屋釜(茶屋四郎次郎が所持)、桃山の伊賀水指、古瀬戸春慶の茶入(薄造りで軽い!)、主茶碗はゴブレットみたいな大ぶりな宝城呉器、いずれも名品揃い。

印象に残ったのは、久須美疎安のサインがはいった(かれの義父であるところの)庸軒のごつい竹の蓋置。庸軒ってなんとなく好きやわ。(家の近くに淀看席あるし)

近衞豫楽院御作の竹の筒状の花入
ご亭主はこれにどんな花をいれるか悩まれたそうだが、すぐれた茶人でもあった豫楽院の言動を記した「槐記」(侍医であった山科道安著)にこんな花をいれた!という図がのっていたそうな。それをそのまま踏襲したそうで、柳の若芽を三本、一本は結び柳にし、そして椿。江戸時代のお公家さんの茶の湯の姿を彷彿とさせる。そして銘が「雛鶴」、軸の文にひびきあう。

お正客が宗偏流、私が裏千家で、官休庵の方もいらして、ご亭主は表千家、お点前は速水流というあまりの融通無碍な席にちょっと感動。流派を越えた自由なお茶の気風を垣間見た思いだ。




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薄茶は明るい縁側に面した広間にて
ご亭主はいつも京都でお世話になっていて、今回おまねきくださった方。ここ、出雲と深い絆を持っておられ、枕流会のお世話もされている。有馬頼底猊下ともご懇意なので、猊下所縁のお道具もたくさん。

雪舟の寿老人の軸にかわいい道八の狗香合
茶碗は古曽部焼、出雲焼、織部、、、、みなさんがそれぞれ薄茶をおかわりした数だけでてくる多彩な茶碗の数々をひとつひとつ手にとって拝見させて楽しませていただいた。

お菓子は地元・三英堂さんの「四ヶ村」
以前ご亭主の京都での茶会でいただき、その名前の由来を調べた記憶があった。



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画像は三英堂さんのHPからいただいたが、まさに開きかけの白い椿で,実に美しいお菓子。
不昧公が鷹狩りの際、この椿に目をとめて「これほどの品のある椿は、近隣の四つの村を見わたしてもない。」とおっしゃって命名されたものだとか。

実際その椿の本歌は不昧公の茶室「菅田庵」のそばに今もあるそうで、そこから挿し木したものだったか、その四ヶ村椿が床に飾られていたのには感動した。





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これが四ヶ村!たしかにこんなに美しく品のある椿はなかなかない。ああ、いいものを見たわ。

こういう茶の湯の活動が、都を遠く離れた地方都市で根付いて息づいていることはなんと貴重なことであろうか。松江のような古い歴史のある地方都市は(交通の便があまりよくないことが逆に作用して)伝統文化のタイムカプセルだと思う。損なわれることなくこれからも守って発展させていってほしいなと、僭越ながら思った次第。

枕流会の皆様、おさそいくださった薄茶席ご亭主様、蕎麦懐石のE様、ありがとうございました。



<おまけ>

隣接する明々庵の画像


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不昧公好みの茅葺き茶室
二畳台目向切の小間と四畳半




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見えにくいけれど「明々庵」の扁額は不昧公のもの



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こちら小間席

この茶室はいろいろ流浪して(東京にも行っていた)、先の田部長右衛門さんの尽力でここに再建されたそう。(不昧公没後150年記念事業として。50年前!)



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ここは高台であって、はるか松江城も望めるのであった。












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