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2018-09

重陽の節会2018〜嵐山・法輪寺 - 2018.09.11 Tue




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文字通り嵐の通り過ぎた後の嵐山
濁流が渦巻いております。



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しかも渡月橋の欄干が、このようなことに。
ニュースではみましたが、実際見るとなおのこと、自然災害のおそろしさを実感します。景色かわっちゃってる、、、、

さて、9月9日は重陽の節句。
1月の人日、3月の上巳、5月の端午、そして七夕にくらべるといまいちマイナーだけれど、お茶の世界ではけっこう鉄板のお題です。(「着せ綿」という銘の和菓子がでるのもこのころ)

おめでたい陽の数字(奇数)の一番大きい9が二つ重なる月日は、陽の気が強すぎるため不吉とされ、それを祓う節会。




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京都ではあちこちの神社仏閣で重陽節会がおこなわれていますが、嵐山法輪寺のは有名。ご本尊虚空蔵菩薩が愛でられた花が菊であったからという。
今年は2年ぶりの参拝、奉納されるお能の菊慈童がお目当て。2年前には菊慈童習っていなかったけれど、この2年のあいだに仕舞をきっちり習ったし、昨年は菊慈童をテーマの月釜なんかやっちゃったし。

法輪寺はむしろ十三参りで有名だけれどね。渡月橋からだと、この裏参道が近くて便利。




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本参道はこちら。



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虚空蔵は暁の明星の化身とも言われ、また智恵をつかさどるので、京都では13才になった男児女児が智恵をさずかりにお参りするのです。帰りに渡月橋で振り向くとせっかくの授かった智恵を落とすので、よばれたりしても決して振り返ってはいけないという、大人の世界の約束の大事さを学ばせるような習慣でもあります。




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まあこの時、娘に十三参りの着物をはじめて本身で作る、という親の楽しみもあるようで、さすが、着倒れの京都ならでは。

まずは本堂で法要がおこなわれます。
ここは真言宗のお寺なので、密教系の仏具荘厳がきらきらきれいです。真言声明もなかなか聞かせます。

もともと重陽節会は宮中に伝わった習慣で、呉茱萸(茱萸の実とはちがう)をつめた赤い茱萸袋を柱にかけ、邪気を払い、寒を防ぐまじないとするのです。 端午の節句には薬玉を飾り、重陽の節句にこの茱萸袋にかえるのです。なので、法輪寺でも、この日だけ、茱萸袋が授与されます。



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法要の後、参拝者に菊の花、一枝が配られ、1本1本、ご本尊へ手向けます。
旧暦ならともかく、太陽暦の9月9日はやっぱり菊には早いのですが、菊花の香りはやはり高貴で芳しい。



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さあ、お待ちかね!
「菊慈童(金剛なら枕慈童)」の舞囃子奉納。
能楽師がどなたかちょっとわからなかったのですが、2年前は金剛流の宇高兄弟のお父上でありました。

皇帝に仕える美少年、菊慈童は皇帝の枕をまたいだ罪で酈縣山(れっけんさん)の奥深い山に捨てられたのですが、あわれに思った皇帝が、観音経の4行(福寿海無量、、、)を書いた枕を与えました。慈童はそのお経を写す内に菊の下葉の露にそれが溶けて、その露をのみ不老不死にて700歳以上を生きたというお話しです。




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ちなみにこの菊には五色の綿で着せ綿がしてあります。

菊慈童の仕舞はキリ(最後の部分)を習ったので、今回は歌えるし、舞も所作がよくわかって、前来たときよりもうれしい。この仕舞、好きやわ〜。


   ♪すなわちこの文 菊の葉に
   ことごとくあらわれ さればにや
   雫もこうばしく したたりも匂い
   淵ともなるや 谷影の水の 所は酈縣の山のしただり
   菊水の流れ、、、、




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最後に菊酒がふるまわれ、おひらきとなりました。



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伝説の美少年・菊慈童
祗園祭の菊水鉾の慈童よりきれいなんです〜。



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茱萸袋は私はもっているので、これは友人へ買いました。
呉茱萸の薬湯のような芳香、これで邪気を祓えますように。



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境内から見下ろす渡月橋。

中国ではいまでも重陽には家族で<登高>といって、頭に茱萸を挿して、高いところに登ってピクニックするらしいので、そのまねごと?

そんな様子を書いた、この季節かならずくちづむ王維の大好きな漢詩ものせておこう。

  獨り 異鄕に在りて  異客と 爲り
  佳節に 逢ふ毎に  ますます親(しん)を思ふ 
  遙かに知る  兄弟 高きに登る處 
  あまねく 茱萸(しゅゆ)を插して  一人(いちにん)を少(か)くを 



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あいかわらず濁流の桂川
はやくおさまりますように。早く日常がもどりますように、どなたさまにも。




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帰りは渡月橋東たもとの琴聞き茶屋の名物道明寺粉だけの桜餅を。
餡がはいっていなくて、はさんだ桜の葉っぱの風味をを楽しむ上品な桜餅どす。







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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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