4年ぶりに河井寛次郎記念館 - 2018.11.03 Sat
馬町あたりへ来たので、久しぶりに河井寛次郎記念館へいってみた。
前回来たのは、寛次郎のお孫さんで、ここの学芸員をされている鷺 珠江さんを囲んで寛次郎の茶碗でお茶を楽しむという会だった。
棟方志功筆、黒田辰秋作の「河井寛次郎記念館」
ここはとても好きな場所で、京都に移住する前からよく訪ねた。特に京都に家を作るに当たって、レベルこそ違え、なにか参考になるものはないかときょろきょろ。実はそういう方は多いらしい。
寛次郎一家のだんらんの場所であったという1階の囲炉裏ばた。
寛次郎が設計し、島根県安来町(出身地)の大工の棟梁であった兄が建てた重厚な、それでいてあったかい家。椅子やテーブル、家具もひとつひとつ寛次郎が設計し作り上げた物。
囲炉裏の向かいのテーブルには寛次郎や、民藝関係の雑誌や書籍がたくさんおいてあるので、ここにすわって、まるで自分の家みたいにくつろぎながら読書。ここはほんとうに落ち着く。
陶房と母屋の間にある中庭からの母屋の眺め。
この日はまったくの秋晴れであったので、、、
縁側では、いつもどこからとなくやってくるというサビ猫がお昼寝。カメラをむけてもあくび一つしたあとはコチラを全く無視して爆睡(^_^;
気持ちよさそうだな。猫になりたい。
二畳ほどの小部屋が居心地良さそうと思ったら、ここ本来は茶室だったんね。いいな〜。
なにより、この李朝っぽい風炉が、、、ほしい!
素焼きをする小さな窯のその奥に、
寛次郎愛用の登り窯
京都市内では環境問題とて、窯場が次々となくなり、みんな山科の方へ引っ越していったのは少々残念でもある。昔は煙や炎をだしていたのだろうな。
ここで轆轤を挽いたり手づくねしたりした、寛次郎の陶房。今もって彼の作品がたくさんおかれている。
我が愛する高麗茶碗、それへ導いてくれたのは、民藝であったから、民藝の旗手のひとり、寛次郎の茶碗が欲しい!とひところ思ったが、とても手がでない値段であったので、あきらめてそのまま。
さて、母屋へもどろう。
このタイル張りのレトロな洗面所も萌えポイント。
二階から囲炉裏端をみおろす。
ここはたくさん人がおしかける観光地ではないが、陶芸に興味がありそうな外国人の姿が多かった。熱心に英語の陶芸の本をずっと読んではった外人さんも。
二階の踊り場は日当たりも良く、ちょっとした応接スペースにもなっている。
あ、寛次郎先生のお写真。
「暮らしが仕事 仕事が暮らし」
このお言葉は実に深いですね。
ここは読書スペースであったでしょうか。居心地よさそう。
この家の、どこにいてもの明るさは真ん中に設けられた吹き抜けにある。この二階から一階を見下ろす、という仕掛け(?)が欲しくて、規模は小さいながら参考にさせていただいたな。
そうこうするうちに今もって現役の、この家の新築祝いに柳宗悦から贈られたという柱時計がボーンとのどかに時をつげたのであった。