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2019-03

ギャラリーオーナーさんの茶事〜大工棟梁と庭師さんとご一緒に - 2019.03.29 Fri

西の方、国宝の美しいお城がある町へ、ギャラリーのオーナーさんのお茶事にお招きいただく。



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玄関に「在釜」のりっぱな額が。
本日ご連客のお若い大工の棟梁の作であった。



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腰掛け待合いにはなんだかオリエンタルな煙草盆、もしかしたら水煙草かもしれないとご亭主。
ご亭主はアジアの布に造詣の深い方で、本も上梓されており、若い頃からアジアやアフリカ遍歴もあるそうで、ここからすでにご亭主ワールドのはじまり。



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玄関脇の小さな流れがあるかとも見える露地は、これもご連客のお若い庭師さんの作。蹲居までの石の配置が変化に富んで、実際の長さより長く楽しんで露地を渡った。




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普通の塵箸の倍くらいある長い箸は、青竹でこれも庭師さん。青竹が箸にも結界にも灰吹きにも使えるって、、、青竹がふんだんに使える環境がうらやましすぎる。



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さらに躙り口にまたびっくり!
普通のサッシの掃き出し窓をうまいこと躙り口にしているのだが、その段差をきれいにカバーしているこれは、着脱可能、棟梁の作。




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こんな感じでサッシの戸なのに出入りがとてもスムーズ。
ちなみに席入り中の方が棟梁。
以前から、大工さんなのに陶芸ができて、大工だから竹の花入れでも茶道具でもなんでも自分で作れるヒト、ということでお名前だけは存知あげていた。実際にお目にかかれて、ご縁をいただいたのはとてもうれしい。




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お手製の懐石を美味しくいただく。ギャラリーをされているだけあって、懐石道具も新旧とりまぜてとてもセンスがすてき。

ちなみに炉縁も棟梁作、しかもその古材が本日の半東・水屋をされている方のお家の門だったそうで、これもびっくり。



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焼物や強肴、八寸につく箸は庭師さんの作、しかも青竹、煤竹、胡麻竹、、、と種類を変えているのがなんともうらやましい。

酒器は作家物の吹きガラス、八寸の島らっきょう(沖縄産)!
私は某沖縄パブの、おつまみの島らっきょうを全部食べ尽くしたツワモノ(?)なので、どれだけこれが好きかおわかりいただけるだろうか。



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かわいらしいお雛様の主菓子をいただいて中立

後座の花入は、下をななめにスパッと切った青竹、花は椿にトサミズキ。
釜が天明甑口八景釜で、蓋が大きいので、釜のふちと蓋置の二点支持で。これは木村宗慎さんの初釜でも見た扱いだが、ちょっとかっこいいな。

茶入の仕覆がインドネシアのバティック(ろうけつ染め)であるあたりがご亭主らしい。実は私も先だって、ご亭主のあつかわれているアジアの布、インドのシルクサリー地で着物と帯を誂えた。まとうのが楽しみなのだが、インドのものだけあって、袷でも涼しげ、今の季節はちょっと寒い、、、ということでまだ袖を通していない。



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続き薄は途中から、久しぶりにお点前をした、という庭師さんにお茶をたててもらい、半東さんも席入りしてもらう。
まさんど窯の平金さんが、まだ楽々荘で南丹丼茶会をしていたころ(私がまだ楽々荘を知らない頃)に作った(井戸ではない)茶碗がでてきたり、そのころから棟梁やご亭主は彼といっしょにお茶の活動をされていたとは、世の中ほんまに狭い。
半東さんは、この春思い切って1年限りのモノづくりの学校へ入るため、転居されるというし、京都からごいっしょしたお茶友さんは、3日!もかけてウユニ塩湖へ行った話を聞かせてくれるし、話はつきない。

そして最後に、炉中の炭拝見を所望、釜をあけてもらう。胴炭はしっかり残って割ることはできなさそうだが、他の炭はきれいに燃えていた。この時の炉中の景色ってほんとに萌える。
懐石の時にぽこぽこよく沸いて、濃茶の時に少しおちついて最適の温度、続き薄でだんだん釜の煮えがおさまって行く、、、今回の茶事の炭は大成功でしたね。




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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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