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2019-06

高島針江地区・生水(しょうず)の郷〜川端(カバタ)のある暮らし - 2019.06.17 Mon

(今日は画像が多いです、めったやたら、、、)


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湖西線で50分、もはや京都のベッドタウンと言ってもいい高島だが、新旭の駅に着く頃には電車には私の他、だれもいなかった、、、、(´・_・`)



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駅から1kmほど歩くと、各家をめぐる水路が見えてくる。
針江・霜降生水(しょうず)の里だ。

比良山系の豊富な地下水の湧水、これを家家に引き込んで、飲みもすれば顔も洗い、野菜も洗い、お鍋や食器も洗い、それをスカベンジャーたる鯉が水をきれいにし、汚染しない水を琵琶湖に流す、そんな川端(カバタ)の暮らしが今もいきている集落である。




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水道も引かれて便利になり、カバタを捨てる家も多かったと聞くが、2004年、NHKハイビジョン放送「里山・命巡る水辺」で針江地区の暮らしが紹介されてから、地域の人たちのカバタに対する意識がかわり、針江生水の郷委員会をたちあげ、この環境をまもる活動を始めた。




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(各家庭から流れるカバタからの水)


その番組は残念ながら見ていないのだが、昨年、一昨年と茶友が、ここで七夕の時期の茶会をひらいた。そのお誘いがあったのだが、これも残念ながら行けなかった。でも、その時初めて針江のカバタを知ったのであった。



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TVにでたことから、有名になったが、よその観光地のようによそもんが集団で集落に入ってくると、これはもう観光公害でもあるし、集落の人の暮らしもおびやかしかねない。
そこで、生水の郷委員会ではかならず地元のボランティアの人と一緒に巡るという方法をとった。これは賢い。



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集落の人ほとんどが氏子だという日吉神社、この前にある針江公民館の横に生水の郷委員会の窓口があって、ここでボランティアの地元農家のおばあさんガイドさんと合流する。
(カバタの見学申し込み方法はコチラ→

ちなみにここで鯉のエサ50円は購入ははげしくオススメする。



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公民館の隣は空き地になっていて、家はすでになくカバタだけが残されていた。
周りの緑は自生したクレソンである。水がきれいでないと生えない草だから、家はなくなっても生水はきれいな水を湧かせているのだ。



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カバタの構造はHPにもくわしいが、地面に10〜20mのパイプをたてる。(昔は竹だったそうだ)
するとそれだけでもうきれいな水はこんこんと湧いてくる。まずこれを壺池という一番きれいな水として溜めて使う。ここは飲用や野菜を洗う場所になる。その隣に壺池の水が流れ込む端池、ここには大きな鯉や金魚がいれられていて、ここで洗った食器などの食べ物のカスをきれいに食べてくれるのだ。そのきれいになった水が先ほどの家家の間を流れる水路に流され、やがて琵琶湖にかえっていくのだ。



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カバタだけでなく、この水路にもたくさんのニゴイが団体さんで待ち構えていて、縦横無尽に泳ぎ回り、水をさらにきれいにする。うちらが歩いているだけで、よってくるので、ここでエサを投入!すると楽しいのだが、私は買うのを忘れて、後悔。

鯉が入れない柵がある部分はカワニナがたくさん。(鯉ってカワニナ食べるんや)ということは、、、そう、蛍もたくさんいるらしい。(しかし夜はよう来んな、ここ)



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ここはかつては琵琶湖からの船着き場だったそうだ。(茶会はここでしたそうだよ)

写真では上手く撮れていないが、水はほんとうに透明できれい。水路では、ガイドさんは、ドジョウがあそこに、とか、鮎があそこにとか沢ガニとか、ほんまよく見つけはる。ご高齢と思われるのにウラヤマシイ視力のよさだ。




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カバタを巡るために集落を歩くと、焼杉の壁の家が多い。かつてはどこの家もそうだったが、京都でも失われつつあるこの焼杉壁、ここの人たちは意識して残そうとされているのだ。この町並みも財産である。




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この水路につきだしている部分が外カバタといわれる屋外にあるカバタ。



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この中はこのようになっている。
水温は井戸水といっしょで一年中変わらず13度くらいなのだそうだ。道理でひんやり涼しい。冬はきっとあたたかいのだろう。



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これが壺池。このお宅のカバタの水を試飲。
美味しい。なにか奥が深い味がする。



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もう一段池があって、こちらでは花をいれておいたり、野菜を冷やしたり。




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周りを囲むのが端池で、ご覧の通り大きなニゴイが泳ぐ。栄養がいいのでまるまる。



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スカベンジャーのおかげできれいになった水は外の水路へ。



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カバタの水が合成洗剤で汚染されないように、ひいては琵琶湖の環境を守るため、各家庭は粉石鹸をつかっている。
その他、上流の人は下流の人のために、特によごれた水は流さないよう、わきまえて集落の人間関係は信頼でむすばれるのだ。

ちなみに私も琵琶湖の水のため少しでも、、、ともう30年以上食器洗いは石鹸を使っている。(かつては廃油で自分で作ってた)



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かつては壺池まで上水を汲みにきていたが、最近はポンプで家の中に汲みあげる家も多い。飲料水になるので、水質検査は定期的に保健所が行っている。



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こちらは別のお宅のカバタ。
タッパーにいれたなにかを冷やしているところらしい。



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見えているザルは昔から農家の手作業で作られ、カバタで洗った野菜などをいれておくための大事な道具であったそうだ。



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端池の鯉
水の透明度がわかるだろうか。



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これはハヤかなんかだったか?この子らは小さいので外の水路から入ったり出たり。



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池の上の棚には野菜などを置いておくと天然の冷蔵庫になる。



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こちらでも味見。
お腹たぽたぽ
それにしても比良山系の地下水の量はすごい。どんだけ雪がふっているのだろう。

しかしかつて何回か水が湧かなくなった時もあったそうで、暖冬などで雪が降らなければちょっと危機的状況になりそうだ。



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環境指標植物で、水質の変化に敏感に反応するという梅花藻があちこちに繁殖しており、水温が一定のため、年中花を咲かせるという。



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水路があつまり琵琶湖へ流れ込む針江大川。
ここですら水の透明度は高い。



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それでも溜まってくる澱や茂りすぎた水藻など、年に四回、集落総出で川掃除をするのだ。



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ガイドさんにその時の写真をみせてもらった。
梅花藻は残し、それ以外の藻は琵琶湖に流さないように刈って、刈られた藻は乾かして堆肥にするという。ほんまのエコやわ。



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さすがに近年は洗濯機がない家はないが、かつてはここが洗濯場であり、井戸端会議ならぬ川端会議が開かれたという場所。



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だから、ゴメン、エサもってないんだってば、、、、



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祠の前のもう使われていない壺池だが、いまでも水は湧き続けている。



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そして空の色を映す。



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集落には豆腐屋と魚屋が一軒ずつあるくらいで、店らしい店はない。自販機も集落でたった一つである。そして朽ちかけた古い家も多い。ここは繊維工場の宿舎であったらしい。
高島はかつて繊維業がさかんな土地であったが、安い中国製品に駆逐され、今ではもうその面影はない。
しかし、都会から田舎の暮らしがしたいと移住してくる人もいて、案外集落には若い人が多いのだそうだ。



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集落で一軒の魚屋さんのカバタでは、めったにでてこないというオオサンショウウオがお出ましになっており、ラッキーであった。(いるのわかります?)



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魚屋さんでは、高島出身の(ちがう地区)姑がよく作っていた大豆と小エビの煮物とか売っていて懐かしい。それからご存じ鮒寿司!、、、実は私これ、苦手で、、、(^_^;



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ここでは水道水と地下水の飲み比べができるようになっていて、やはり水道水の平板さに比べて地下水の奥の深い味わいを確認。



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お!
沢ガニ発見!


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集落にある曹洞宗正伝地、菊の御紋があってなかなか格式の高いお寺である。



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ここにもカバタがあるわけだが、カバタ小屋がよそと違ってなんか暑い、、、
なぜならここでたっくさんの漬物が発酵しているからである。お寺さんで消費するぶんかなあ。発酵熱おそるべし。



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境内には近所の人も汲みに来る、という湧水があって、水量も多い。
またここでも試飲。(飲み過ぎてさすがに後でお腹がごろごろ、、、)



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この水が流れる水路には山葵まで生えていた!



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よくみれば、小さな梅花藻の花



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川だけでなく、どこのお家にもきれいな花が丹精されている。
育てるのがきむづかしいむつかしい花も繁殖して、水がいいとここまで違うのか。



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ここの集落の人たちは、カバタに感謝して、花を供えているという。そのために育てているというのもあるのだそうだ。さらにこの針江地区に注目があつまるから、よけいにきれいにしようと意識もされている。



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どこを歩いていても水の流れる音が聞こえる。
聞こえている限りなんだか安心できる水の郷。

人は便利さに流れるから、時代の波にこんな水の文化もいずれは押し流してしまうのでは、と危惧する。みんなが高い意識をもって維持し守っていかねば失われてしまう。消えてしまった他の暮らしの文化と同じように。(あ、京町家や京都の町並みを思い出してしまった)


最後に生水の郷委員会の窓口で売っていた本。
カバタだけでなく、大きく琵琶湖の生態系環境についても書かれていて意識高いです。



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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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