fc2ブログ
topimage

2020-03

能・社中発表会「桜川〜網の段」 - 2020.03.19 Thu

開催があやぶまれた社中の発表会である。観世会館は2年前からおさえ、プロの能楽師、囃子方をおさえ、中止なら大変だと思っていたが、いろいろ配慮して敢行することになった。



DSC00489.jpeg



入り口では社中の若い方が入ってくる人全員の手にアルコールスプレー、マスクしてない人には手渡し、演目の間に定期的に窓を開け放って換気、時々手すりなどをアルコールで拭く、観客は社中のみで、知人友人はその演目だけ見てでていく、というできることは全部しての体制。



DSC00500.jpeg



なので見所(観客席)はがらがら、なんともさびしい限りであるが、致し方なく、また緊張しなくてもすむというメリットも(^_^;



DSC00495_202003172000268a3.jpg



今年は仕舞、「桜川」の「網の段」をやった。
いでたちは昨年と全く同じなのだが、桜川だからやっぱり桜の小紋じゃないとね。袴は今年もYouTube先生におそわりながら、けっこうぎりぎり締めたので、ゆるむことなく、だいぶん上手につけられるようになったと思う。



DSC00493.jpeg



扇は毎年演目にあわせて先生にお借りする。昨年の笠の段はシテが翁だったので渋かったが、今年は桜だ!舞扇はどれも意匠がすてきであれもこれも欲しくなる。まあ、どんな美しい扇を持っても芸がね〜、、、(^_^;

「桜川」はご存じ、貧しい家を助けようと自ら人商人に身を売った桜子(さくらご)をたずねて歩く母が、常陸国で寺子となった桜子に再会する話である。「隅田川」と似た筋立てであるが、あちらは悲劇であるのに対し、桜川はハッピーエンドが用意されている。

「網の段」は、狂女となった母が、川面に散る花びらを網ですくって物狂いの様を見せる場面で、物狂いと言えど、そこに品と教養がともなう。昨年、この会で片山九郎右衛門先生が舞われた。

見せ場は川面の桜をすくってしばし見入るが、「これは木の花!(桜のはなびらであってわがたずねる桜子ではない!)」と扇をかえして花びらを捨てるところで、好きな箇所なのだ。しかし、その前の六拍子(足拍子)をちょっと外したのがくやしい。バックにプロの能楽師のお謡いで舞えるのは贅沢なことであるが、毎年自分にあまり進歩がないのが残念である。今年もあとでDVD一回見てお蔵入りさせるんだろうな(´・_・`)

社中の方々の仕舞、舞囃子は見ごたえあって、鬼神がかっこいい「野守」、足拍子がそのまま太鼓の音になっている構成に感激した「富士太鼓」、衣裳面をつけてされる能「羽衣」、いずれもよかった。

コロナの影響か欠番になった舞囃子「邯鄲」を代わりに先生が舞われたのはうれしい贈り物であった。邯鄲、かっこいいし好きやわ。
私は舞囃子は長くて覚えられる気がしないのと、詞章のない部分がちょっと退屈してしまうので、当分は仕舞だけでいく。

いつもなら打ち上げ反省会を竹茂楼でするのだが、今年はやっぱりとりやめとなりこれは残念であった。
最後にコロナ対策にがんばってくれた社中の若い方々に感謝である。





NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (394)
茶事(亭主) (84)
茶事(客) (176)
茶会(亭主) (18)
煎茶 (10)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (109)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (32)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (144)
奈良散歩 (133)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (11)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (14)
中国茶 (49)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (2)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (5)
信州旅行2023 (2)
京都モダン建築 (3)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR