fc2ブログ
topimage

2020-04

0先生の新規店舗の茶室にて茶事の試運転に招かれる - 2020.04.07 Tue


DSC00789.jpeg



芦屋にはこんなきれいな桜並木があるのね。沿道はおされな店ばかりでさすが〜と思う。

うちで時々茶席付き茶道具講座をひらいてくださっている古美術商のO先生が、この桜並木の途中に新規店舗をオープンされる。改修工事を終えて、引き渡しが2日前だったというひっこしで大変なさなか、茶事の予行演習(本番はお家元をお招き)をしようと、実験茶事にお招きいただく。(本来この日茶会をする予定がぶっつぶれた3人含む)



DSC00792.jpeg



お店の入り口のガラス戸には遠州流宗家お家元揮毫の店名が。
戸をあけると、正面に、、え?ここビルの一室でしたよね?、、、と驚く。
この障子の向こうが茶室になっているのだ。お家元揮毫の「和月庵」の扁額がかかる。


DSC00797.jpeg



茶室の手前が店舗部分になるが、茶事の時には待合にもなるし、勉強会ができるスペースとなっている。この障子の下が、、、


IMG_9099.jpeg



なんとたっぷりキャパのある収納スペースに。

ビル内に店舗+茶室を作るにあたって、どんな仕掛けやアイデアが施されているのか、改修の設計監修をされた建築士・岩崎さんもお客さまとして入られたので、解説を聞きながら茶事をする、というある意味贅沢な一会となった。

建築については彼のブログ記事にくわしいので、そちらを是非。



DSC00806.jpeg


収納式の障子を開け放つと茶室があらわれる。三畳(上台目)
店舗として使うときはここにも道具を並べて、またはお茶を一服のんでもらうこともできるのね。


IMG_9075.jpeg



障子を閉めてしまうと、ここが店舗の一部とはとても思えない。
独立した茶の湯空間になる。



IMG_9066.jpeg


遠州流(宗家)の炭はこれまた独特。丸ぎっちょを横に寝かせるのにはびっくり。枝炭が胡粉化粧していないのは知っていたけれど。

実はこの炉壇、スライド式になっていて、電熱炉にもすばやく替えられるのだ。(岩崎さん考案)いちいち灰をとりださなくても、お手軽にいつでも電熱でお茶を楽しめるのはポイント高い。



IMG_9071.jpeg



懐石、点心は先ほどの店舗部分に椅子をおいて、茶室の畳をテーブル代わりにする使い方を試された。人数が少なければ茶席で懐石もできるが、客としては椅子の方が確かに楽。小林逸翁美術館の茶席・即庵をほうふつとさせる。



IMG_9074.jpeg



いつもO先生のお手伝いされて、この日水屋で活躍のKさんが薮ノ内流なので、八寸は薮ノ内流儀で三種(海の物、山の物、里または川の物)


IMG_9097.jpeg



後座の花は馬酔木、寒芍薬(クリスマスローズ)、黒文字の枝。
右に墨蹟窓があって、自然光にしか見えないが、実は、、、、



DSC00803.jpeg


裏はこうなっていた!
茶室の照明は暗い↔明るいの調節が自在で、店舗部分の床の間の照明も蛍光色〜電球色に切替できるなど、ビル内ならではの工夫があちこちに。


IMG_9095.jpeg
(蝶々の雲平はKさん手作り、これ言っとかないと(^_^;)


濃茶は障子を閉めて、薄茶はこのように開け放つととても開放的な雰囲気になる。
ここはああしたほうが、こうした使い方も、、とご一緒した師匠のアドバイスがとぶ。

お道具はO商店の名品揃いでこれもうふふ、、である。テーマは「桃〜三千歳〜西王母〜祓邪」
(桃は古事記で伊弉諾尊が黄泉比良坂で桃の実を投げて難を逃れた話があり、桃の枝は魔を祓うといわれる)



IMG_9101.jpeg



最後にバックヤードと水屋拝見。きちんとして立派な水屋だわ。ただ水回りに問題は多少残っているとか。

引っ越しの荷物でひっくり返っている中、ありがたくも模擬とは言え茶事にお招きくださり感謝しかない。コロナ禍のさなか、船出されるのは大変だと思うが、ますますのご発展をお祈りします。

嵐が過ぎたら、できれば秋にまた京都で茶道具講座してくださいね。その日を楽しみになんとか生き延びよう。




NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (393)
茶事(亭主) (84)
茶事(客) (176)
茶会(亭主) (18)
煎茶 (10)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (109)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (32)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (144)
奈良散歩 (132)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (11)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (14)
中国茶 (49)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (2)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (5)
信州旅行2023 (2)
京都モダン建築 (3)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR