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2020-08

市川孝・茶車茶会〜季の雲(ときのくも) - 2020.08.14 Fri

車をとばして約1時間半、長浜にたどりつく。



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ギャラリー季の雲(ときのくも)さんで(ほぼ追いかけをしている)市川孝さんの陶芸展


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ここのギャラリーは中国茶教室などもされていて、いつもDMの写真がとてもステキなのだ。(オーナーの中村さんが撮影されている)



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初日、市川さんによる茶車中国茶会へ
すでにギャラリーの片隅に市川ワールドが展開されていた。

この茶車(市川さん製作改造熱源も完備した移動式茶席とでも言おうか)は10号だそうだ。(川口美術にも7号か8号があるよ)
最終の回で、私とあとお一人、それにオーナーご夫妻というゆったり贅沢な会であった。


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まずは大きな茶の実もつけている茶の木から葉っぱをちぎって、、、


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器にそれぞれが入れて、そこへ湯をさす。
かつて茶の効能に気づいた神農さんの故事による。(湯をわかしていた時に茶の葉がたまたま中に落ち、そのまま煎じていたら素晴らしい飲み物になったという)



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実際のところ生の葉は青臭いのだが、これを蒸したり発酵させたりすると美味しいということに気づいた人は天才やな。


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というわけで、今回の茶会のテーマは「葉」である。


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今では茶車をひいてどこへでも行くさすらいの中国茶茶人というイメージだが、市川さん、本職は陶芸家なのである。金工も木工もされるので、ここにある器はほぼすべてご自身の作なのだ。



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暑いときには体をさましてくれる白茶(微発酵茶)を。それも20余年熟成させた老白茶である。ご自作の大きなポットで煮出したものをすくいとる。元来白茶はさわやかでさっぱりした風味なのだが、老茶になると重厚、、完全発酵茶である紅茶といわれてもおかしくない味わいになる。



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そこは市川流、ソルティドックのように杯の縁に塩の結晶をつける。自分の好みで塩加減をしながらいただくと、まさにスープのような味わいになることに驚く。



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これは市川さんのお庭の柚の木の葉である。



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葉っぱからして実のような芳香があるのを両手で揉んで手に香りを付け、その手でお茶をいただく。またかわった風味になる。中国茶の飲み方はいろいろあれど、大半はそう変わらない。そこへ市川流のアレンジを加えると楽しいお茶遊びになる。そんなところに惹かれて毎回市川さんのお茶会に行くのだわ。



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これがお茶を煮出したポット
どうみてもお料理しているようにしか見えない(^_^;
(もともと耐火性の料理用ポットであるのだが)


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次にお菓子、
昨年秋にJournal du The茶会にも使われた佐賀県の余韵(よいん)さんのもの



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本来は蓋をあけるとドライアイスの煙がわ〜っとたつ演出を考えておられたが、ドライアイスが手に入らなかったそうで氷に。でもこれだけでも充分美しいし楽しい。柚子釜にはいっているのは豆乳のゼリーと上に中国茶のゼリー。ほのかな甘みがまさに余韵を残す。



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茶の木には大きな茶の実
椿と同じなんだな。ツバキ科だし。これの使い道をずっと考えている。



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次のお茶は北京の有名な茶司・茶家十職の高級老白茶である。



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一見プーアルのように見えるがあれは黒茶、これはあくまで熟成白茶である。この状態ですでに香りが違うと感じた。



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まあ〜!最高
美味しい、先ほどのもおいしかったけれど、これは別格。杯に残る香りも最高であった。



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これをまたまた市川流にアレンジ
煮出したレモングラスをブレンドする。この右利き左利き両用の取っ手のついたミルクパンみたいなの、欲しい!と思ったがすでに売約済みであった。残念。



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レモングラスをいれるとまた別のお茶になる。
最後は(最終席でせかされなかったので)ゆっくりと煮出した白茶、十職の白茶、レモングラス、塩、何でもアリのブレンド大会。



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オーナーまでもご自分の白茶を持ち出して、これを入れる、、


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さらに秘蔵?の中国の柚餅子までいただく。



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これはほんのり甘く、後を引く美味しさでいくらでも食べられそう、、、、というので予定時間はるかにオーバーして長居をしてしまった。市川さん、オーナーさんご夫妻に感謝である。



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季の雲ではアンティークやブロカンテも扱っておられるので、探していた波佐見焼のコンプラ瓶(幕末頃)を見つけて小躍り、買って帰り、先日もとめたケルデル瓶と並べて悦にいったのである。

(ケルデル瓶コンプラ瓶、ともに江戸時代オランダへ日本の醤油や酒を輸出する容器として作られた物。ガラスは割れやすく、コンプラ瓶が後半活躍した)





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