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2021-06

茶入と茶碗・「大正名器鑑」の世界〜根津美術館 - 2021.06.11 Fri



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東京へ来るのは1年4ヶ月ぶりだ〜。昨年2月、最後に行ったときに「マスク忘れた、まあいいか」くらいの感覚であったのだがそれからの経過にはほんまにびっくり。
しかし、品川駅にこんなに人がいないのははじめて。(都心部はそれなりの人出)


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東京で一番いっている根津美術館も一昨年の秋以来久々。
今回の展示は、高橋箒庵、畢生の大事業「大正名器鑑」の世界、それに収録された名器を根津のコレクションを中心に実物といっしょに拝見するという贅沢な物。


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しかし、大正名器鑑、名前はメジャーなわりに、あんなスペースオキュパイなもの(ポスターの箪笥みたいな物が2つセットになっている)、復刻版にせよ持っている人は少ないと思うので、わたしもあまり実物を見たことがない。
さすがにお茶の先生は持ってはった。お茶の教授者たるもの、これくらいはもってほしいと思うのだが。普通の家には無理。(ちなみに国会図書館デジタルコレクションで見ることができる)



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「大正名器鑑」はあらためて説明するまでもないが、大正10年〜昭和元年にかけて、実業界を引退した高橋箒庵が大正10年から昭和元年にかけて編集した茶の湯の名物記(茶入と茶碗)である。
松平不昧公の「古今名物類聚」を指針にしたというが、そちらは写真でなく絵、写真がつかえるというのは強いなあ。


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(大師会でも使われる茶室のひとつ 弘仁亭)

中身を実際にまじまじみたのは初めて。
各名物の「名称」「寸法」「付属物」「伝来」「雑記(文献資料など列記、これで学術的価値があがったらしい)」「実見録(箒庵が実際に見た感想など)」それに本体、茶入なら底、挽屋から仕覆などの付属品にいたるまでの写真がつくのである。
これはたしかにすごい、大事業であっただろうなあ。


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(大雨であったが根津の庭園はいつきてもすばらしい)


記録をとるにあたって、箒庵は160ヶ所以上もの所蔵先を訪ねたと言うから、体力的にも精神的にもタフな人だったのだなあ。(経済的にはいうにおよばずうらやましい)

中には関東大震災でその後失われたものもいくつかあって(利休七種赤楽の「木守」など)、これはその貴重な資料となっている。そもそもこの名器鑑を作ろうと箒庵が思いついたのが、失われることもあるだろうから今のうちに記録を、ということだったらしい。


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記録を見ながら実物の名器をみるとまた格別の味わいがある。
根津青山とも家族ぐるみの付き合いであったらしく、ここに所蔵されている名品も多い。まずは根津の名品中の名品「松屋肩衝」!でた!という感じ。まあこの肩衝は付属品の多いこと多いこと。
大好きな鼠志野「山の端」もでた!

印象的なのは、
瀬戸肩衝「雪柳」(釉薬が溝をつたってかさなった雪柳の枝に見える)
青井戸「柴田」
三島の「上田暦手」
あと目がハートになる(^_^;御本の茂三(内側に鶴刷毛目あり)などなど根津のお宝総動員みたいな感じで頭はお祭り状態になるのである。


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この名器鑑刊行後に、それをねぎらって根津青山が慰労会を開いた時の茶道具も展示されていて、二人の交流の深さを実感する。
しかし、いいなあ、お金もあって(まあ実業界では苦労もあっただろうが)時間もあって、ハイレベルな茶の湯の同志もいて、箒庵うらやましすぎる。
それでもそんな茶の湯者、みんながみんなこんなふうに心血を注いだ事業を残すわけではないので、箒庵、見直したぞ(それまでゆる〜くしか彼のこと知らなかったな)。



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箒庵の書に
 「散る花も 紅葉も掃きて 春秋の あはれを知るは 箒なりけり」
うまいこと言う、とこれまたうなってしまった。


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美術館をでて青山骨董通りを歩いて見たが、肝腎の骨董屋がどこにも見つけられなかったのはなぜだろう???


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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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