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2021-07

文月雑記2021 - 2021.07.29 Thu

文月のいろいろ


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円山公園にある茶菓円山でおこなわれた大好きな脇山さとみ展(by うつわやあ花音)
とぼけ具合と脱力具合がとても好きな器の数々。
茶寮の棚にも、この時だけ脇山さんの器がならぶ。



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よ〜く見たらつまみがワンコなのね。
ちょうど脇山さんも在廊であったので、久しぶりにお話しできてよかった。我が家に一体いくつ彼女の作品や茶道具があることだろう。今回また増やしてしまった。(*^_^*)



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TLでひろった情報。
ルピシアの「THE BOOK of TEA 100」


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なんと!100種類のお茶のティーバッグ!
紅茶も、日本茶もフレーバーティーもあって、どれから飲もうかウキウキなのである。これもお家時間の楽しみか。



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大阪の歴史博物館へ初めていった。
なんと!入館までに小一時間待つという人気ぶり、しかも若者が多いので、ちょっと密々が心配になる。


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開催中は「あやしい絵」展
このポスターの絵は淀君で、、、、


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その目線の先にあるのが大阪城って、、、できすぎ〜。


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どこがあやしいのか普通じゃん、と思う絵もあったが、ちょっと正統派からのハズレ具合がよかった。


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昨年秋いただいたヒオウギの種。撒いたが全然音沙汰なしなので放置していたら、、、なんと春先に芽が出てたので、あわてて鉢に。今年は花が咲くところまでいかず。秋に地植えして来年の祇園祭には咲かす、という野望。


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これがあの花見小路でっせ。
人がおらん。でもこの方が好き。(各方面のかた、ごめんなさい)



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祗園の一画にある鍵善良房さんの作った美術館ZENBI


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待ちに待った大好きな山口晃画伯の展示。
うれしいことにこのポスターは百万遍東の志賀街道のお地蔵さん、京大のあるところで学生時代からなじみ深い場所なのだ。



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(今回撮影OKのブースあり)


画伯といえば、その画力のすざまじさと同居する脱力ユーモアがなんといっても味。今回の展示は新聞連載小説「親鸞」の挿絵がメイン、すごい真面目な当時の時代の美しい絵の横にえええ??と思うような現代の物が紛れていたり、ユーモアが潜ましてあったりで楽しませていただいた。



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ははは、、、ため息ちゃん


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それが美術館向かいの小さなミュージアムショップで鍵善さんの薯蕷になっているのには感動した!


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祗園では閉めた店もあれば新しく出来たお店も。
なんと金平糖の緑寿庵清水がこんなところに開店してはった。


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小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ
、、、、


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島崎藤村「千曲川旅情の歌」である。
この詩、大好きで、学生時代にその雰囲気にひたろうと小諸城址に建てたという懐古園を訪れ、心の中でその詩を詠じたのであった。まさかウン十年の時を経て、ふたたび訪れる機会がこようとは。


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当時の記憶は全然ないが、ずいぶん整備されたような気がする。
城趾にのぼれば、雨にけむる千曲川

千曲川いざよふ波の岸近き宿にのぼりて
 濁り酒濁れる飲みて草枕しばしなぐさむ、、、、



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城内の矢場では実際に弓道がおこなわれていた。



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ひきしぼった弓はぶれもせず、二射とも的を射貫いた腕前に感服。

千曲川の歌は後半もいいのよね。

昨日またかくてありけり 今日もまたかくてありなむ
 このいのちなにをあくせく 明日をのみ思ひわずらふ、、

  

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古美術のお店が軒を連ねる古門前あたりを歩いていて、こんなろうじをみつけた。
三善路地(みつよしろうじ)
入り口の三善製菓所のもっているろうじらしい。



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おおお〜っ!せまいろうじの奥に小さなお店がちまちまと。


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リノベされたようだが、なんか昔懐かしいろうじだな。


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ちょっと前まで京都にはこんな狭いろうじはたくさんあった。生活の便利さを追求するあまり次第に姿を消すろうじ、あらためて創造していかないとアカンのやなあ、、


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松園の美女にまた会いに来た。


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先日の福田美術館でお目にかかったばかりだが、もっとたくさんの松園に会えるのがうれしくてたまらない。
10年以上前、京都に移住したばかりの頃に近代美術館でやっていた松園展以来の大々的展示だ。
有名な「焔」も、昔から大好きな「花筐〜照日の前」、ここから能への興味が爆発したところの「草子洗小町」、、、などなど目白押し。「序の舞」は後期出展であったが。



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一方では夏休みお子様向けドラえもん展もあったりして、、、(^_^;



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久しぶりに行列ができていない日に美術館ランチ。



酷暑の茶事〜棚機津女に宿借らむ、、、 - 2021.07.27 Tue


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ちょうど後祭の宵山の日だったので、大舩鉾の手ぬぐいを軸に仕立てたのと、大舩鉾=凱旋の船の「凱」の扇を寄付に。


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さて、本日のテーマは、、、

 棚機津女に 宿借らむ
   天の河原に我は来にけり (「伊勢物語」82段)

七夕(旧暦七夕は今年は新暦で8月14日)で。
待合に帯を流して男女に分かれてすわってもらうという乞巧奠のもじりをとりいれたり。



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本来ならば水をいれるのは角盥なのだが、ずっとさがしているのになかなか良い物に出会えない。
ここは耳盥(お湯をいれたとか)でゆるして。


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梶の葉は裏庭に腐るほどあるので、ネットで見ながら自己流七夕飾りも作ってみた。


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そしてやっぱり糸巻きやろうな。


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この方たちに持たせたのは百人一首・家持の歌「かささぎの 渡せる橋に、、、」
秋の歌だが、七夕に天の川をわたすのはカササギの橋だからなあ。



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実はうちの茶室にはクーラーがない。
建てた10余年前は今ほど暑くなかったような気がするが、暑いときは暑さを楽しめば良いなどと悠長なことをほざいておって、とっても後悔している。

なんで、クーラーつけんかったんや〜〜。

それでも酷暑に夏の茶がしたい。前回太鼓襖にかえて簾を導入、水屋のクーラー風をとりこむ工夫をしてみたが、あの時より暑さの厳しさがちがう!



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よって、暑さに強そうな若者を選んで(^_^;酷暑の夕ざりに挑戦。
なにしろ席入りは一番気温が高いと思われる昼下がりである。


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日陰はそれなりに涼しそうだが、、、


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露地は水を打っても打っても、瞬間干上がってしまう暑さである。


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簾、簀の子の屏風、水屋のクーラーがんがん、+扇風機、、、、で、お客様たちは概ね涼しいと言ってくれた。よかった!
夏もこれでいける、、、、と思ったが、あとでお客様が送ってくれた写真をみると、茶室から水屋丸見え〜!これはなんとか改善せんとな。


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天の川をわたる舟(ほんとうはカササギの橋)
花は直前に庭で取ってきた物だが、いれようと思っていた山ホロシが暑さでくたっとなって使い物にならない。酷暑の茶事の花はむつかしいな。


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七夕バージョンの煮物椀作ってみた。、、、って☆の人参だけど。


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そうめんも七夕っぽい。
この日は若い男子がふたりだったので、二合炊いたご飯が気持ちよく空になった。


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今年風炉茶事3回目だが、今回はいままでで最高の炭の熾り具合だった。見立ての風炉でなく、茶用に作られた風炉はやはり違うわ。おかげでお客様が帰られたあと、釜をあげようとしたらまだ煮立っていたのでびっくり。


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お菓子は恒例のみのり菓子さんの葛菓子
ずばり「七夕」
中に星にみたてたタピオカ(半生)が入っていて、その食感がおもしろい。


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後入りでは燈火を使ったが、まだまだ外は明るい。


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水指は注文してから完成まで5年、諏訪蘇山さんの青磁「瓜」に、宗哲さんの琴座(ヴェガ)と鷲座(アルタイル)の塗の蓋、ご姉妹コラボなのだ。
この時期に使わずしてなんとする。

懐石道具や、茶入など、今回のお客様の一人陶芸家のAさんの作品、道具屋のMさんからもとめた道具を多用。お世話になっているのかお世話しているのか(^_^;



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干菓子はやっぱりこれでしょう。亀廣保の祗園祭の団扇。
蟹に持たせたら完全なお祭り野郎に。両手に持たせる案もあったが、岸和田のだんじり祭みたいになってしまうのでやめておいた(^_^;



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薄器は天の川の波ということで。


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ちなみに香合は、南観音山の大工方さんが、御神松(鉾の上に立てる松)で作ってくださったもの、これもレアものでありがたく、この後祭の時期にこそ使わねば。

だれも熱中症にならず、それなりに涼しく楽しんでいただけたようでなによりうれしい。(若者だからか?)

風炉の時期はなににつけても暑苦しくなく、作り込み過ぎないのがいいなあと思う。やはり風炉の茶事も捨てがたい。なんとかこの夏仕様でいけるんではないかと思うわ。



本宮祭宵宮〜伏見稲荷2021 - 2021.07.25 Sun



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説明するまでもなく、外国人観光客に絶大な人気を誇る伏見稲荷である。
毎年7月入って初の土用入り後の日祝日におこなわれる本宮祭、その前日18時から宵宮が行われる。

しかしながら毎年祗園祭とかぶるので、行きそびれていたが、コロナのおかげでちょっと余裕が出来て初めて行くことができた。
過去の写真を見ると芋の子を洗う人出で、にぎわっていたようだが、今年も縮小版、観光客も少ないためかご覧のようにすきすきである。かえって涼しくて風情をゆっくり楽しめる。



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今日の画像はほとんど「赤」である。
目がチカチカするかもよ。


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本来ならばプロの絵師の行灯があったり、全山提灯がともったり、本宮踊りなどのにぎわいもあるのだそうだが、今年はただただ静かに、提灯エリアも縮小しておこなわれた。



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伏見稲荷は全国津々浦々の3万あるといわれる稲荷社の大本締めである。本宮祭はその全国の稲荷さんのお使いが本社へお参りされるという祭なのだそうだ。
全国からお稲荷さんとお使いの狐の眷属がわらわらとおしよせてるのかもね。


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18時から本殿で神事が行われ(お供え物を供えて、そのあとで撤饌)、そのあと神官が御神火を箱に入れて本殿の前の二基の灯籠に火をともす。

とはいえきょうび、18時過ぎなんてまだまだ明るい。提灯の雰囲気を楽しむにはもう少し暗くならないと、、、としばし稲荷山を散策。


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あなたを異空間にさそう案内人です、、、、みたいな写真が千本鳥居のところで撮れた。普段なら、観光客ごった返しで人の写らない写真なんて撮れないのに。(昔の京都はこんな感じだったと思うが、美化しすぎか?)


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稲荷山は頂上まで登るとけっこういい登山になるが、今回は奥殿をちょっといったことろで引き返す。茶屋の前で、狐の眷属ならぬこんなかわいい子にであった。


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そろそろ日も暮れてきて提灯がいい具合になる。


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境内はどこも赤く妖しく染まる。


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夜店とてないが、浴衣を御召のご婦人方、甚平姿のお子様たちも、夕涼みがてらのんびり。これがいい雰囲気である。人混みに押し流されるのはゴメンだ。


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こちらは外拝殿
灯籠に浮かぶ動物の姿を確かめるのもいい。


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例年なら千本鳥居もその先の鳥居にも提灯がともるという。その景色も見たいが、その頃には人ももっとふえているだろうな。


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見上げると楼門の上に半月、梅雨明けの暑さにすこし朧


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帰り道、振り返った楼門、その奥に外拝殿、そして本殿、みんな赤く染まる。


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暮れゆく西山の遠景


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もう一度振り返る。
お参りに今から行く人も多い。


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参道入り口から最後にもう一度振り返る。ちょっとした妖しい異界へのショートトリップみたいな感じであったな。



コロナ下の祗園祭2021後祭〜24日巡行にかえて - 2021.07.24 Sat

本来なら、24日は後祭の山鉾巡行の日であるが、、、
一応立った山鉾もあるが、、、
巡行はないのだ。

しかし!
新町通りで少し鉾を動かすという情報をゲット!



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四条新町に向かうバスの中で御旅所の前を通過。いよいよ神さん、今日八坂神社へお帰りになる。



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南観音山〜!
実は南観音山の大工方知人の情報、ご本人は鉾の屋根に登っているらしい。


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朝9時前にたどりついたらちょうど記念写真撮影の最中であった。
去年は鉾もたたず、さびしいお祭りだったから、今年はフルではないにせよなんとなく皆さんのお顔が明るい。



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新町通りを10mほど北上して、そして南下するそうだ。


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音頭取りさんの表情も緊張の中にも明るさが。




2年ぶりのエンヤラヤ〜やわ〜!


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車方の皆さんもごくろうさんどす〜!


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37°に届こうかという猛暑日に、屋根で炙られるのもつらいと思うが、他の人には見えない景色がみえるものね。うらやましいよ。


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いったん南観音山に別れを告げて北へ、北観音山へ。


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こちらも10mくらい動かしたみたいだが、すでに会所に横付け、お囃子のみ。


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密を避けるため、お囃子方も鉾の上と、会所の二階に別れての演奏。


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吉田孝次郎御大のお姿も見られ、ご町内の方々総出でお囃子に聞き入る。
子供の頃からこれを聴いて育った、という方には感慨深いだろうコロナ下のお囃子である。



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南側に南観音山の姿


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本来なら巡行の後みんなに分けてもらえる柳の枝
楊柳観音さまだからね。

新町四条を南下すると、、、見えてくる見えてくる、、、



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大舩鉾の勇姿、こちらもお囃子が聞こえる。


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雲一つない灼熱の空に黄金の龍頭がまぶしい。


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巡行のかわりに各鉾町の役員さんの榊を奉じての御旅所巡礼、来年こそは巡行が見られるといいねえ。




軽井沢で朝茶事 - 2021.07.22 Thu



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いや、軽井沢に新幹線が止まるとは知らなんだ。東京周り、金沢行きの北陸新幹線、京都からだと3時間ちょいというところか。


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日なたはそれでも暑い軽井沢だが、日陰に入るとさすが〜、というくらいの涼しい風が吹くのである。ここはその軽井沢の別荘地、森にかこまれて、どこに建物があるのかワカラナイくらいの広大な敷地の別荘もある別天地である。


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その一つの別荘にご亭主は茶室を作られた。その茶室披きを朝茶事でされるという。
前日は御連客さんたちと車であちこち観光?、懐かしい小諸懐古園へウン十年ぶりにいくなどしてすごしたが、翌朝は5時前に起きて馳せ参じる。

待合になっている部屋は完璧な洋間なのに茣蓙や壁床など上手く使われて、全然違和感がない。
中国土産だというティーポットを冷めないように収納するバスケット、この中のポットで汲み出しのお湯をいれてくださる。なんていいアイデア。器の中の一片のミントの葉がさわやか。



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まあ、この広い別荘のお庭がすてきな露地になっている。ご亭主が、ここに植わっていたシャクナゲと紅葉に惚れ込んで手に入れた土地だという。蹲居や灯籠などご自分で手配されたものとか。


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広い露地を歩くと、今度はどんな景色になるのかとわくわくする。これは桂離宮なんかの手法といっしょだな。鶯の声、初めて意識して聞いたホトトギスの声、野鳥の声を楽しみながらの席入りとなった。


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ご亭主始め、御連客様方は皆表千家で方々である。

席は四畳半に一畳の点前座、閑隠席的枡床で、(私がいつかは欲しいと思っている便利な)洞庫もある。ほとんどご自分の設計なんだそうだ。実はご亭主、茶室を作るのはこれで3つめか4つめ(ワオ!)で、使い勝手を良くする方法がだんだんわかってきたとのこと。あとで水屋も拝見したいもの。


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初座は「滝 一條寒瀑詩腸洗」
詩腸とは、またむつかしい言葉だが、詩情、詩を書けそうな雰囲気、、なのだそうだ。

朝茶なのでまずは炭点前、切掛風炉が暑さをやわらげ、そして懐石となる。



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せっかくだから軽井沢らしい食材を、とのお心遣い、軽井沢トマトの甘くて美味しいこと、汁の実が信州そばの本場なので感動の蕎麦がき、軽井沢菜、皮ごと蒸したトウモロコシの粒と鬚の入った小吸物など、勉強になることもいっぱい。一汁一菜であり合わせを、とはいえ懐石が美味しいとやはりうれしい。水屋の方がご自分で天日干しされたというお米のご飯の美味しさもわすれられない。

御連客は茶道男子が4人、皆様お道具好きで、詳しいこと詳しいこと!私は楽焼きの印を見て○入ですね、なんてわからないのでただただすごいな〜と。
お菓子に、末富さんの丁稚羊羹を吸い出して(お行儀悪いと言うなかれ、あれ食べ方むつかしいのだ)中立。



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後座の花はご自宅から咲きそうな蕾を選んで持ち込んだという赤〜オレンジ色のめずらしい木槿(平家山?という種類)、ごっつい楽焼の釣り舟花入れに。
それから出てくる御茶碗という御茶碗が垂涎物ばかり。
いつか手に入れたいと憧れている熊川を始め、初期黄瀬戸、安南本歌、李朝青磁完品、三島、無地刷毛目などなど。私のストライクゾーンど真ん中!自分で持てないまでも、これらでお茶をいただけるありがたさ。そして博識な御連客方のお道具談義も勉強になる。

唐物の塗物を薄器に見立て、茶杓は御連客方がどうみても原叟(覚々斎)という宙宝和尚の写しであった。それにしても茶杓を形で、だれの作、とわかる能力は私にはない。みんなすごいわ〜。

ご亭主のお道具、茶室、露地に込めた思いが見事で、実に鮮やかな茶室披きでございました。
なんとか潜り込めてひたすら感謝である。


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朝茶事なので、終わってもまだ10時台、外はようやく日の光が眩しくなってくる頃。

水屋も拝見したが、立ち水屋でなのに丸炉(これは角炉だが(^_^;)がある!ステンレスのシンクの横に、ちゃんと灰と炭をいれられる、だれもがうらやむ丸炉、これもいくつかの茶室を作ってこられたご経験からと思う。(これがあれば灰入の炭なんか楽々用意できそうだ)



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軽井沢に別荘、そして茶室、垂涎のお道具、、どれもうらやましすぎるが、よんでいただけたことの僥倖を思えば、それだけで十分。
(ご亭主さま、御連客様、無理矢理客につっこんでくださったY様、ありがとうございました!)



コロナ下の祗園祭2021〜山鉾立ての後祭鉾町 - 2021.07.21 Wed

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八坂の神さんが御旅所でウキウキ?遊ばれている間にも、後祭の準備は粛々と。新町通り、遠景に鉾の姿を見るとやはり心が躍る。


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北観音山
巡行はないが、町内をちょっとだけ碾かれたそうだ。(間に合わんかった!)

ベンゼン環、、もとい、六角形は六角町、北観音山のお印。


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懸装も完成して、四隅の祗園守りの飾金具、2年ぶりに見たよ。


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北観音山町のシンボル、吉田家・無名舎、お茶会をさせてもらったご縁もあってご挨拶に。


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一般販売されず、関係者のみに配られる超レアの北観音山粽、無名舎の坪庭縁側にて。


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祗園祭の申し子、吉田孝次郎先生は朝から鉾周辺でご機嫌であったというが、お尋ねしたときにはお疲れでお休み中であった。先生のお好きな日本酒を差し入れ。


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玄関の間のヒオウギの生け込みを拝見したのはもう2年前になるのだなあ。今年はきれいに例年通りに。


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新町を南下すると南観音山


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大工方に知人がいて、お姿をさがしたが見つからず。
この鉾の上に立つご神木で作った香合をいただいて、ありがたし。


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観音様も2年間暴れられずにウズウズしてはるやろなあ。
(23日深夜近く、南観音山のご神体、楊柳観音さまは暴れるのよ「あばれ観音」)


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提灯のセッティング中
「百」は百足町、南観音山のシンボル。


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完成前の駒形提灯


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新町四条を南下すると、、、、「凱」の印の、、、


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大舩鉾!(神功皇后の凱旋の船)
大金幣を会所に飾ってはったが、今年は竜頭が船首に。しかも、、、



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2年前は白木だった龍頭が金ぴかに!
金箔を、いずれ貼るにせよ予算的に何年もかかるだろう、と言われていたのに今年すでに完成とは!クラウドファウンディングかなにかかな。



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こちらは埒などを制作中、猛暑の中お疲れ様である。


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新町通りを1本東、室町通りへ。
こちらは駒形提灯もすでに完成の鯉山



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ただ、ご神体はのらないようだ。


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宵山の時に見るのを楽しみにしている巨大鯉の木彫りも、今年は拝めないのね。


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黒主山さんは山は建てずに会所飾りだけされるとか。


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高張り提灯の向こうに見えるは、、、


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役行者山
こちらもまだ山建て未完成


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ここ数年の祗園祭の人出は殺人的で、情緒もクソもあったものではなかったが、コロナ下のこんな静かなお祭りの方がむしろしっくりくるような気がするのだが。

24日深更、神さんも無事神社へお帰りになられますよう。





国宝・東院堂にて写経〜薬師寺 - 2021.07.20 Tue

西ノ京ロータスロードを行く。


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まずは唐招提寺の蓮を愛でて、、、


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今年はじめてのこころみだという薬師寺の国宝・東院堂にてのお写経に参加する。


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いまのところ7月のみの予約開催、まずは勧進所にて生駒副住職の写経についてのお話しをうかがって、、


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ぞろぞろと東院堂へ。
この会では10名くらいのご参加。


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東院堂は八世紀初頭、吉備内親王が母親の元明天皇の冥福を祈り建立した建物でその後焼失、現在の建物は鎌倉時代の再建である。

吉備内親王は天武天皇の孫にして、長屋王の正妃であり、元正天皇、文武天皇の兄弟になる。長屋王の変では夫とともに自刃においこまれたという後の運命を思えば、ちょっと悲しい。


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東院堂、ご本尊はすらりとした白鳳時代の聖観音立像(青銅製)、これも国宝である。ちなみに聖観音とは、観音様が衆生を救うために33相の変化(千手観音とか、十一面観音とかいろいろ)をされるが、その変化の前の正真のお姿という。


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写経する机はちょうど観音様が見えない位置ではあったが、その存在を感じつつ般若心経を写す。先だって般若心経をコンプリートで覚えよう強化月間で(あくまで私的)がんばったが、ちょっと時間がたつとスルスル頭からでていってしまうのね(^_^;



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(背景は”凍れる音楽” 東塔)


いつもの写経道場と違って、開放された木造建築に吹き抜ける風を感じての写経、なにより場の力を感じるのは気のせいだろうか。ここは境内の各お堂の中で一番涼しい場所なので、坐禅修行につかわれるのだそうだ。



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さすがに国宝の建物となると、墨をすると汚す危険性もあるので、墨をたっぷりふくませた綿に筆をひたしての書写となる。

完成した写経は観音様の脇にある香炉にかざして奉納。
かねて持っている写経帳(12巻で一冊)もいっしょにお渡しする。
聖観音様に合掌。観音様のお姿は、一説には悲劇の皇子、有間皇子の面影を宿しているという。



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写経帳のはじめは平成28年になっているが、このところ写経のペースがあがっているのは、薬師寺の若いお坊さんのzoom講座を拝聴しているせいかしら。


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(小さな花蜘蛛)


最近では知努王(出家して文室浄三)という興味深い天武天皇の孫にして臣籍にくだったマルチ才人のお話を聞いたが、かの人は薬師寺の仏足石を作り、唐招提寺講堂建立にもかかわったという。そんな目で仏足石をみたことがなかったので、今回はまじまじと見てきたよ。知識を得ると言うことはほんとうに人生を豊かにするな。



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しかし、ここの蓮もでかい。
実の数もうちのよりはるかにおおいなあ。


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仲良しの蓮の兄弟?

やっぱりここも極楽浄土



速水滌源居〜梅雨の朝茶事 - 2021.07.18 Sun



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朝は4時半起き、それでも夏の夜の明けやすき、、、明るくはなっていたが、道に人の姿も車もまばらでぶっ飛ばして平野神社まで。


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その畔の速水流お家元のお屋敷、滌源居へ。
前二回は夜咄であったが、今回初の朝茶事である。


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夜、雨が降ったので、露地は苔の緑、植木の緑がしっとりと美しい。
とうとう、滌源居、3会とも雨がらみとなり、自分は雨女だったかしらと。


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待合の広間に竹内栖鳳の浪の絵をみる。広間はガラス戸をすべてとっぱらって、まさに朝茶事にふさわしい風情(ガラス戸をはずしたり入れたり、水屋さんのご苦労いかばかり、、、)

雨上がりの露地を通って立ち蹲居(楽!)を使って本席の広間へ。ここも障子すべてをとっぱらって、なんてさわやかなこと。外はもう十分明るいとは言え、座敷の中はまだ蝋燭のあかりがいるようなほの暗さである。

釜は夏らしく切掛、なんとガラスの火箸で蝋燭の灯りを写してキラキラとうつくしい。
軸は「朝汲水花清」
対句が「暮汲水花冷」、宋代の詩人の漢詩で、速水流三代目宗筧宗匠の文字。



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懐石の向付に燕!
お家元が宗燕さんですものね。
懐石のお運びに先代宗匠もおでましで、ありがたくて頭が下がる。ご飯が芋粥なのがうれしく、おかわり大盛りで!と思わず、、、

お家元は酌をされながら、また千鳥(別杯)でもしっかり御酒をきこしめしながら、速水流の茶の湯のスピリットについて熱く語られる。まだお若いのだがしっかり伝統を学びつつ守りつつ、発展させていこうという意気込みを、ソフトなお声と語り口で聞かせて下さるのである。どんなくだらない質問をしても、丁寧にお答え下さる姿勢にも頭がさがる。上にたつ資格のある人ほど、謙虚だと思った。



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主菓子の道喜の水仙粽が出る頃には、露地はいつのまにか蟬の声で満たされた。今年初めて聞く蟬の声、もう梅雨明けも近いと思わせる。


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後座の席入りでは蝋燭はもういらない。外の明るさで時の移ろいを感じられるのは夕ざりも朝茶もいっしょで、なかなかドラマチックだ。

床には大きな竹の三重切(三代目宗筧)に白い一重の木槿、矢筈薄。
清々しい白木の釣瓶水指には半分焼きものの蓋が添っていて新鮮。

濃茶は5人分を全部練って下さった。主茶碗の高麗青磁が珍しく碗なりでよかったな。(青磁は筒か平が多いように思う)
古帛紗も世界各国のあちこちの裂(ヨーロッパ〜東南アジア)を出してくださって、海外旅行が出来ない昨今、行けない外国に思いを馳せられるように。

前回と同じく裏千家と違う茶通箱の扱いをされた。席中にもちだした箱に濃茶の茶入と薄茶の薄器をいれて、続き薄にするのである。
干菓子器が銘々皿なのだが、和紙で扇をかたどった手のひらサイズ、色違い。なんでも墨屋さんで先代が若宗匠の頃見つけはって、見立てにつかったものであるが、裏に花押をしたためてあるところがお値打ち。

茶入は古丹波瓢でかわいい手のひらサイズなのに、薄器が川太郎の大棗でその対照が面白い。茶杓は今回大活躍の三代宗匠、宗筧さんのものであった。銘は「白滝(だったかな?)」
和全の呉須赤絵写しの御茶碗で一服いただき爽やかな雨上がりの朝の空気を楽しんで、お開きとなってもまだ10時台なのであった。

朝茶もええなあ、、、(亭主やるとなると朝起きが大変すぎるが、、、)






神幸祭にかえて〜祗園祭2021 - 2021.07.17 Sat



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17日、18時前、八坂石段三若の法被を着た男たちが集まる。


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本来なら18時、三基の神輿が氏子町内を回りつつ、御旅所めざして出発するのだが、昨年に引き続き。今年も神輿はお出ましでない。
代わりに神様の依り代となる三本の榊を背中に載せた白馬を、ホイットホイットのかけ声と手拍子でお見送りする輿丁さんたちだ。



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境内の中にはいると、今年は神輿が三基とも、ちゃんと舞殿にお出ましだった。(昨年は中御座だけすみっこのほうに、、、だったと記憶する)


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そろそろ白馬の出立時刻、神社の方や宮本組の面々、三若輿丁さんたちなどが南楼門の前に集まる。


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風に翻る清々講社の幟と提灯


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そしてお出ましの白馬、背中に神様の御魂をうつされた榊。


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ここでもほいとほいと!のかけ声でお見送り。
昨年はゲリラ的開催だったので、見物する人は少なかったが、今年はみんなの期待が盛り上がって、境内も四条通りも人がすずなりだった。(それでも例年よりははるかに少ない)



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先回りして四条通りと東大路の角、あ、やってきた神宝奉持列。


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八坂の神主さんが道を浄め、、


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八坂石段下の前を通り過ぎる。
ここでは輿丁さんのみならず、大勢の見物客からもほいとほいと!の声と手拍子があがる。皆心待ちにしているんだね、本来の祭が早く帰ってきますように、と。



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神宝捧持行列のあとに神様がやってくる。


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八坂さんの前で進路を変え、四条通りを西へ


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四条通りを西へ、イレギュラーながら1年ぶりのお出かけに神様もウキウキかもしれない。



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四条通りをさらに西へ、御旅所へ向かう行列をお見送り


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神社へもどって神輿をみると、三基とも、本来神幸祭で屋根につける稲束がちゃんとついているのに感動した。昨年よりはちょっと本来の形に近づく。来年は、、、どうなるかな。



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行列が去った四条通りの西の方を眺めて手を合わす。


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こちらはNHKの昨年の番組ですっかり有名になった(白馬仕立てを主にデザインした)いづ重さんの店先。大将は宮本組としてきっとあの行列のなかにいらしたわね。また箱寿司食べに参ります。



コロナ下の祗園祭2021〜お囃子・前祭 - 2021.07.16 Fri






祗園囃子が帰ってきた。


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会合があり予期せず出てきた鉾町当たり、なんとすでに駒形提灯がつるされ、あちこちの鉾でお囃子が聞こえるではないか。


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これは13日の様子
鉾はすでに懸装品に覆われ、各鉾の浴衣を着た囃子方の人の姿もちらほら。



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すでに山建ても始まっていて、提灯はつるすところもあれば、ないところも。なにしろお囃子も会所も19時までなので、ともされた灯りが映える暗さにはならないのだ。



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それでも通の向こうに駒形提灯が見えるとほっとするね。


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今年は粽作りのお手伝いにもいけなかった綾傘鉾


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会所の大原神社の飾り付けもおわっているようだ。


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今年も日和神楽だけは八坂さんへ行くのかな。


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鉾町も私が学生の時と違って(ウン年前やけど(^_^;)町家の数も減って様変わりしているが、風情がのこる町もある。



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伯牙山の会所、文化財の杉本家では会所飾りがこれからみたいで。


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後祭ながら大舩鉾の会所は開いていた。船鉾は、前祭も後祭も鉾立てしないそうだ。今年は船首が大金幣のよう。(昨年は龍首だったっけ)


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あちこち廻っている内にあちらから、こちらからお囃子が聞こえて来る。


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今年は囃子手の数を減らしてのお囃子、練習時間も十分とれなかったそうで、そういえば、ちょっと息があっていないところもあったわね(^_^;


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町は祭礼の飾り付け


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13日なのにすでに会所飾りを終えている蟷螂山、さすが。



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そろそろ提灯に灯りを入れるも、残念ながら昼間の行灯状態はいたしかたない。


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交通規制がないので、鉾のすぐ近くまで車が走る走る。
ちょっとそぞろ歩きには恐い。


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お、しみだれ豚饅、もう売っている。
胃袋も若くないので、これ食べたら晩飯食べられなくなるのは目に見えているのでスルー。



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そのそばにあるのが霰天神山


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巡行はないながら、行われたくじ取り式で見事壱番を引き当てた山だ。


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菊水さんは会所飾りはするようだが、鉾は建てない。
会所がマンションの入り口になるので会所飾りも諦めた山鉾町もある。


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四条通りの一番目だつ場所にある函谷鉾


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提灯落としも秘密裡?にされるという情報をキャッチ(^_^;


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今年の祇園祭はどんな風になるのだろうか。神輿のかわりにやはり榊+白馬はでるようだが、これも時間を明らかにしていない。(でもSNSでけっこう情報は拾える)


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せめてミニチュアの山鉾巡行を眺めよう。


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月鉾の提灯を愛でつつ鉾町の某所へ


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月一の秘密の?勉強会、今月のテーマはずばり祗園祭


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会でいただくお弁当も祗園祭の豪華バージョン


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遠くにお囃子を聞きながらいただきました。
ごちそうさま。


コロナ下の祇園祭2021〜鉾立ての鉾町・前祭 - 2021.07.15 Thu

昨年は巡行はおろか鉾立てもなかった祗園祭、今年は約半分の鉾町が鉾を建てる。


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鉾は建てるが見に来ないでねという、遠方の人はともかく京都在住の人にはほぼ不可能なコメントをだす矛盾をかかえながら。


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もちろん巡行はない。


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けれど2年続けてないと、縄がらみや鉾立や、会所飾りの伝承がとどこおるので、とにかく鉾は建てる。実際鉾町の知人に聞いたら、会所飾りがすでにどうだったかわからなくなったりするという。


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もちろん建てない山鉾もある。
どうするかの判断を各鉾町に任せるという、むつかし選択を押しつけた形だが、建て始めるともう皆コロナのことなど忘れたように、熱中するのである。


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ただ、町中がテーマパーク化するあのわくわく感はない。


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海外から、あるいは国内からの観光客も少なく、花見小路などは、これがあの観光被害のメッカ、花見小路?と思うくらい人がいない京都で、ゆっくり鉾を見られるのは今のうちだけの楽しみであろうか。



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鉾が綱で引き上げ立つ様子、榊に紙垂をつける様子など、人がそれでも出ると思って、遠慮して見なかったが、懸装品がつけられる前の鉾を見ることはできた。


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巡行しない鉾が立つ。
それでも四条通りは華やぐ。


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なんとか来年は巡行が見られればいいなあ。
私の祗園祭アドレナリンも今ひとつ分泌不足である。


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各鉾町のみなさま、ご苦労様です。


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とにもかくにも祗園さんの夏が来た。



菓子屋ここのつ〜浅草で宵のお茶会 - 2021.07.14 Wed

浅草でお菓子?料理?の不思議な完全予約制茶寮を主催されている菓子屋ここのつさんの衝撃のお菓子にはじめて出会ったのは2年前、ならまち鹿の舟でのことであった。
その前からインスタにアップされるお皿の写真の数々をみて、すごく惹かれていたのだが。

実は、今回の上京の一番メインの目的であるのが、この、ここのつさんなのであった。(1ヶ月前から予約なんとか勝ちとった!)


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台東区の商店街をここのつさんめざして行く。なんか既視感あると思ったら三条通り商店街に似てるな。


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こちらが菓子屋ここのつさん。
写真はNGなので、つたないが出てきたお菓子?料理?の解説を文章でこころみる。

17時、外はまだ明るいがカーテンのなかにいざなわれると灯りは数本の蝋燭のみ。暗さに目が慣れない内はなんかアヤシイ魔術の集会っぽくて良い感じ。ここのつさんも黒いドレス。

最初にいただくのは、お母様の庭から採れたラベンダーの花を、ご自分で蒸留した冷たいお水。ラベンダーの香りに暑さがすっとひいていく。

最初のお茶は宮城産の釜入り茶。茶の木の北限近く、海の近くで採れたというお茶はなんだか力強い。

*お菓子一皿目:麦こがし(はったい粉)を黒糖蜜で固めた州浜。普通の州浜よりもろくてほろほろとした食感。私の世代では懐かしいはったい粉だが、別物。

お茶を二煎目三煎目と重ねつつ次なるお皿は、、、

*お菓子二皿目:桃のお皿
新鮮なので皮付きのままいただける桃のスライスに、甘酢漬けの新生姜のみじん切り、白花豆に生クリーム、そのうえに台湾産黒粒胡椒のマーガオ
一体どんな味なのかと思うでしょう?奇想天外なこの組み合わせなのにケンカしていない、天才かよ!と思わず心のなかで叫ぶ。めっちゃ美味しかったこれ。マーガオは噛むとレモングラスのような香りにするスパイス、これが効いている。

次なるお茶は沖縄紅茶。中国茶かと思うくらい香高い。これも何煎でもいける。

*お菓子三皿目:これこそお菓子?料理?
キュウリや青豆、ゴーヤなどの夏野菜、これにキャッサバ(タピオカの原料)と葛をミックスして作った喉ごしつるんの透明、それにいぶりがっこを薄く切ったのが入って、この塩味がきいている。パリパリと音をさせていただく。ドレッシングは何かわからなかったが、とても美味しい。

先ほどはラベンダーの花であったが、次の飲み物はラベンダーの茎を蒸留し、先ほどの宮城茶とあわせたもの。これは花のと全く違う香りで驚く。

*お菓子四皿目:冬瓜もなか
ぱりぱり最中の皮に、シロップ漬けの冬瓜、白花豆、バターのスライスを仕込む。もう、何これ!!めっちゃ美味しい!とこれも心の中で叫ぶ。バターのスライスがとっても効いている。クセのない冬瓜なのにじわりと美味しい。

*お菓子五皿目:透明お菓子にパッションフルーツ
アガーと寒天で作った透明お菓子にブルーベリー入り、このつるんつるんをパッションフルーツのソースでいただく。これはデザート的一皿で、パッションフルーツの甘酸っぱさがさわやか。

最後にホーリーバジルをドライにしたものをお茶に。
実際に栽培されているホーリーバジルの鉢植えをみせてもらう。淡い色のブラシのような花が咲いていた。スイートバジルとは全く違う芳香で、〆のお茶として最高であった。


以上でコースは終了であるが、部屋は高いカウンターがあって、客からはキッチンの雑多な物が見えないような工夫がしてある。語りながら庖丁を使われて、トントンと切る音はするのだが、その作業の姿は見えない。冷蔵庫にも扉に麦の穂を飾ってあって、冷蔵庫であることを意識させないような工夫が。
グラスもお皿も茶器も、とてもシンプルだがスタイリッシュ、出るお菓子毎に違うカトラリーを手渡してくださるのも良い感じであった。

なんだか心地良くてα波でまくり、心からリラックスして楽しめた茶寮であった。なんだかクセになりそう。東京は遠いけれど、通ってしまいそうな予感、、、、



三菱一号美術館「三菱の至宝展」〜三菱つながりで旧岩崎邸庭園 - 2021.07.13 Tue



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稲葉曜変天目です。

、、、、、ウソです。
数年前、わざわざこれを見に静嘉堂美術館へ行ったときのミュージアムショップでもとめたキャンディボックスです。


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これです!ホンモノは。


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丸の内、東京駅のすぐそばにある三菱一号美術館に曜変天目さんは仮住まい中。
世田谷のちょっと交通の便の悪い静嘉堂美術館が閉館し、来年この丸の内に移転してくるそうですが、その間同じ三菱系列のこの美術館へやってきています。



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静嘉堂美術館は一回しかいったことがなく、私などはわ〜い、行きやすくなったとよろこんでいますが、おそらく長年の静嘉堂ファンはさびしいこともあるでしょう。


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さて、この建物、もとはといえば明治に、政府おかかえ建築士ジョサイア・コンドル設計の煉瓦作りの建物だったそうです。丸の内再開発とか、いろいろあったらしく一時は文化財登録保存運動もあったようですが、昭和40年代、解体されてしまったのです。
それをコンドルの設計図や、当時の煉瓦作り西洋建築などを参考に復元されたのが2009年とか。



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復元とはいっても当時の面影を十分感じることができますね。よくぞ再建されたものです。一部は元の建物にあった材もつかわれているそうで。


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さて、曜変天目、やっぱり国宝三碗の中で、誰が見ても最高峰でしょう。あのコバルトブルーの鮮やかなきらめきの中にうかぶブラックホール的な虚無的ですらある黒い斑点。この美しくもまがまがしい茶碗が中国では不吉な物とされたのもわかるような気がします。また会えてうれしくてたまりません。


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展示はそれだけではありません。

大阪夏の陣で灰燼の中から拾い上げられ藤重親子の超絶テクにて蘇った九十九茄子茶入
よく図録で見て涙をながすほど?好きな三島芋頭水指(全面びっしりの暦手の中に「高麗仁寺府」の文字)
定窯の白磁輪花水指(東洋陶磁で見たような)
太田切和漢朗詠集、仁清色絵法螺貝香炉、、、、もうためいきがとまらないまさに「至宝」の数々。

ああ、「伊勢物語」絵(室町)もありましたね。たぶん渚の院の場面。
  「狩り暮らし 棚機津女に宿からむ 天の河原に我はきにけり」



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かくの如くお宝をコレクションする財力と、眼力、知識のあった岩崎家四代のすごい歴史。

初代の岩崎弥太郎と来た日にはどうしても「龍馬伝」の香川照之が必要以上に汚れた格好で演じていたお姿を思い出してしまっていけませんわ(^_^;
あそこまで貧乏だったら彼が持っていた漢籍や古典の知識を勉強する暇もなかったでしょうに。



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というわけではありませんが、不忍池の近くの旧岩崎邸庭園へも行きましょう。


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確か「龍馬伝」の冒頭、晩年の功なり遂げた弥太郎がこのテラスの上から祝賀パーテイーを見下ろす場面でしたねえ。あらまあ、、、庭園の方は工事中、、、


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この屋敷は弥太郎の長男、三菱財閥三代目・岩崎久彌の本宅として、美術館と同じジョサイア・コンドル設計で建てられたもの。


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静嘉堂のコレクションは2代目である弥太郎の弟、岩崎弥之助の美術収集から始まったのね。美術品だけでなくおびただしい東洋古典籍の蒐集(静嘉堂文庫)、そして実業にも辣腕をふるったのであるから、岩崎兄弟はすごい。もともと貧乏郷士であったふたりが、そこまでできる時代でもあったのですね。


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こちらは三代目久彌の家族写真。
奥方の寧子さま(保科子爵御令嬢)、おきれいですねえ。あ、弥太郎の奥様だった喜勢さんもお元気なんだ。
久彌は古典籍を愛好して、東洋文庫を設立、東方見聞録などの貴重な文献を後世に残してくれました。


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兄→弟→兄の息子→弟の息子
という三菱財閥の系譜、家族の団結力がすごいです。けっこう跡目争いなどが兄弟でおきている名家も多いなかで。


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4代目が小弥太、父・弥之助と二代にわたるコレクションの数々が現在の静嘉堂美術館の所蔵品。西洋文化偏重の世にあって、これだけ貴重な東洋の美術品、古典籍コレクションを残してくれたとは、ほんとうに感謝しかない。よくぞ残してくださった。


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あらためて三菱財閥四代の略歴を拝読してそう思います。


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事業を拡大充実させること、巨万の財力を文化のために使うこと、幕末明治の日本人にはどうしてこんな傑物ばかりが生まれてきたのでしょう。
明治は江戸のたまもの、昭和は明治の失敗といわれますが、令和はどういわれるんでしょうねえ、、、(^_^;


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ここ、ここ、「龍馬伝」で弥太郎が立っていたテラス。


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洋館棟は主に客のもてなしに、家族は主に和室棟ですごしていた、というのがなんとなくわかる。やはり畳と障子のある和室のここちよさは日本人だもの、てばなせないよねえ。


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で、和室から洋館を見る、、、なんとなく和洋両方一視野のシュール感がたまらないわ。



蓮の不忍池 - 2021.07.12 Mon



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おや、ここは極楽かしら?
いつのまに来ちゃったのかしら?


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いえいえ、ここは大都会の真ん中、なんかシュールな景色!

江戸を舞台にした物語やドラマで「不忍池」はよく出てくる地名、頭の中でこんなんかな、あんなんかな、と想像していたが、実は東博のほん近くだと知ったのは意外と最近のこと。(東京は土地勘がほとんどない)そこで今回は時間の余裕もあるので東博から歩いてたどりつく。



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なんとまあ、蓮の季節なんて最高じゃないですか!

江戸時代からあるこの池は戦後の一時期には水田になってたそうだが、その後復旧され、蓮はその時植えられた物と、以前からあって生き延びた在来の蓮との交配の蓮なのだそうだ。



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それにしてもここの蓮の立派なこと!葉っぱも茎もでかけりゃ、花も大きい。蕾は握りこぶしくらいはある。極楽の蓮の花もかくや、とおもわせるばかり。
まだ蕾の方が多いが、もう少ししたらあちこちに大輪の蓮がひらくのかと思うと、その季節に今一度、来たくなる。


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池の中に弁財天さん。
なんでも天海僧都が、不忍池を琵琶湖になぞらえて中島を竹生島にみたてて建てたものらしい。竹生島におわすのは弁財天さまだものね。(ちなみに天海は延暦年間に作られた延暦寺の見立ててで寛永年間つくった寺を寛永寺にしたという。)


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戦災で一度は焼けているがきれいに復興されたそうだ。


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お参り
お線香を上げてみるが、赤い紙で根元を束ねているのは江戸風なの?しかも火をつけるのに練炭とは!(関西では練炭の種火は見ないなあ、、、)


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それにしてもやっぱりここは極楽極楽、、、





聖林寺十一面観音さまに東京で再会 - 2021.07.11 Sun



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また東京に来てしまった。


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しかし丸の内口に出るのはひさしぶりだなあ。ここの天井はいつみてもステキだなあと思う。


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今回の上京の目的は色々あるが、初めて奈良から出て東京(東博)へお出ましになる聖林寺十一面観音様に再会するのも大きな目的の一つ。


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この観音様が東京へ出発する直前、わざわざ交通の便が決していいと言えない桜井の聖林寺をたずねたのは5月のことであった。あの時、静かな人里離れた山の中のお堂にいらした観音様が、東京でどうお見えになるかどきどきである。


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おお、すごい人に囲まれておられるな。
展示の背景に、三輪山はよいとして、大神神社の三ツ鳥居のまがいもんはいかがなものか、と思わないではないが、この観音様がもとはといえば大神神社の神宮寺であった大御輪寺におられた由来を示すにはよいのかもしれない。


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聖林寺で拝見したときよりはやや近く、しかも背部まで360°拝めるのはここならでは。十一面の後の暴悪大笑面が欠けているのも確認。さらに5月に見た時には搬送される直前ゆえ足元の蓮台が取り外されていたのだが、今回完全なお姿を見ることができた。
より明るい照明の中でたくさんの見入る人たちの中で、聖林寺で拝んだときよりお肌がつやつやで、お顔の亀裂も目立たないと思うのは気のせいだろうか。美術品としてはこちらの方がいい。でも扉が開けられたときフェノロサを感動させたのは、やはり聖林寺のお堂だったからだろうと思う。

それにしても大勢の人が無言で観音様の前で立ち尽くしていかれたのが印象的であった。



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そしてこちらも拝見したかった観音様の光背残欠。
これは全き姿ではない。非対称の残欠であるが、美しいオブジェになっている。(参考→)元の姿を研究復元した図も見たことがあるが、むしろこの残欠の方が美しい様な気がする。

聖林寺の観音堂の免震工事がおわるまで、約1年の東京滞在となられる。
また桜井にお帰りになられたら、あらためて拝みに行きたいと思う。

同時展示が現在正暦寺(清酒発祥之地、行ったよ昨年)に祀られている日光・月光菩薩像、法隆寺所蔵の地蔵菩薩立像、これらも、十一面観音さまと供にかつて大御輪寺の仏様であった。
仏像があちこちに分散しているのはかの悪名高い廃仏毀釈令により大御輪寺がなくなったことによるそうだ。よくぞ海外に流出しなかったものだと思う。


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久々の東博museumショップ。
この埴輪っぽいのは公式キャラクターのトーハクくんなんだそうだ。知らなかった(^_^;



瑜伽山園地〜旧山口家南都別邸庭園 - 2021.07.09 Fri



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大好きな飛火野あたりの景色、鹿も換毛期が終わってつやつやの毛並みにもどった。

奈良の高畑あたりの歴史を書いた本を読んでいて、ずっと謎だった鷺池(奈良ホテルの近く)の南側の土塀の正体がわかった。ずっと荒れ果てた感じの築地塀であったが、奈良県に平成17年に移管され、放置されたままだったが一昨年から整備復元が開始、昨年より公開されているとのことだった。



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行ってみてビックリ!!
あの崩れた感じがよい築地塀がきれいになくなって、新しい壁ができているではないか!
なんとカフェやレストラン、ホテル棟もある施設になっていたとは!
(それはそれで奈良観光のためとはいえ、奈良よお前もか、、、と、かなりショック、、、、)



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気をとりなおして、整備修復された瑜伽山園地「旧山口氏南都別邸庭園」(ゆうがやまえんち)へ。
ちなみに門がしまっているのはあくまで鹿よけのため。
庭園部分は無料で入れるというのはうれしい。


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まず目には入る建物は数寄屋造り、広間の茶室もあるらしい。

さて、この土地、前述の本によれば、もともとは興福寺の院家のひとつ、松林家の屋敷だったとか。松林家廃絶後、明治44年にかの有名な芦屋の滴翠美術館を作った実業家、4代目山口吉郎兵衛の弟、謙四郎の所有となった。戦後国有地となり奈良県に移管されてからは前述のとおり。



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長きにわたる放置ののち、発掘調査で庭園遺構が見つかり、価値のあるものと判断され、修復整備されたのである。

かつてここに足を運んだのは、高畑サロンのメンバー、志賀直哉、武者小路実篤、野村得庵、などなど。


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山口家の当主、兄の滴翠(吉郎兵衛)は茶人として有名であるが、謙四郎もかなりのコレクターであり、茶人であった。よって小間の茶室もあるのである。

「䕪庵(たくあん)」
四畳半の茶室で、なんと!けっこうリーズナブルなお値段で借りて茶会をすることもできるそうだ!


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残念ながら中は見ることができなかったが、躙り口もあり、


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蹲居周辺はよいのだが、蹲居自体はもうちょっと改善の余地あり。(新しいモノを置いただけみたい)


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この石塔は、ここが興福寺塔頭であったころの名残か。
向こうに腰掛け待合いもあるではないか。


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むむむ、、、この腰掛け待合は、、、


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正客と相伴客をわける割腰掛石、薮ノ内・燕庵にあるやつ、そうか滴翠も薮ノ内だったっぽいものな(道具などから推察)


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腰掛け待合いからの眺めもよし。
忠実に再現してあるのね。新しいから木の香りがとても心地良い。


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そしてなんと!砂雪隠まであるの!(砂雪隠は飾りで実用でないトイレ。実用は下腹雪隠で外露地に)
いや、これは感激だわ。


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雨樋からの雨受けに棕櫚縄が使われているのはオリジナルもこうだったのか???


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庭に目を転じれば、滝の石組みなど、発掘されたそのままらしい。


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この灯籠も興福寺由来っぽい。

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それから近代数寄者が大好きだった巨石もちゃんとある。
(野村碧雲荘、太閤庵、北村四君子苑など巨石のオンパレード)



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大きな木や、竹林は整備される前からあったような記憶がある。


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竹林もかなり整備されて、間伐採もされているようだ。
この先に隈研吾設計のホテル(富裕層ねらい)があるのだ。


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建物、庭園は文句なく整備されているが、できればあの築地塀は残してほしかったなあ、、、


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隣接した処にレストラン棟が。その名も「滴翠」


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ここも隈研吾というから入って見た。


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それぞれが個室になっていて、庭園を見ながらランチもいただける。


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七夕の糸巻ききんとんをいただいた。どこの和菓子か聴くの忘れたが、とっても美味しかったよ。


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さて、お向かいの鷺池へ。


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久々に見る浮御堂である。


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もう貸しボートも復活しているらしい。
奈良はコロナでも通常運転っぽくていいわ〜。ほっとする。


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駅へ向かう道、興福寺の南側で、ここを根城にしているアイドル猫?<コロッケ>に初めて遭遇する。


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興福寺のお坊さんのTLにいつも登場するにゃんこで、奈良クラスター(コロナじゃないよ)の間では人気者だが、実物はけっこう大きい堂々たる猫さんだった。


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〆はもちろん、ことのまあかりで削氷(けずりひ)
きれいなブルーの<鸕野讚良(持統天皇)>で(*^_^*)



古伊万里勉強会〜タコ焼き付き〜講師タライ・ラマ師 - 2021.07.07 Wed

はじまりは伊万里の作家・渡邉心平さんの器を手に入れてからだった。


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なにしろ茶碗が渋くて地味地味なものばかりなので、懐石の器にこんな伊万里もいいな〜と思ったのだ。そこで分散的な知識になっている古伊万里について系統だった勉強がしたくなった。そうだ、こんなときは神戸のタライ・ラマ師だ!豊富な焼きものの知識と、なによりそのゲンブツの宝庫、実物をみながら勉強できるのがなによりもありがたい。


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というわけで、古伊万里勉強会である。
そのためにも博多の某美術商のもとで資料用のお話しを色々聞いて来られたそうなのだ。(すごい!)



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詳しい資料もいただいた。
頭の整理のためにそれを私的に解釈(よってマチガイあったらごめん)してまとめてみた。(写真ともあっていなかったらゴメン)



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<初期伊万里>1620〜1640年

文禄慶長の役で朝鮮半島から連れてこられた陶工たちは、最初唐津を焼いていた。その一人、李参平(金ヶ江三兵衛)は故国で作っていた白磁を作るため、鍋島藩内に白磁鉱石を発見、伊万里の誕生となる。
一方伊万里の美しさが人気を博したため、唐津焼は1620年以降焼かれなくなるのである。



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初期伊万里の特徴は
 *三分の一高台(高台の幅が全体の1/3以下):大きい高台でへたらずに焼成する技術がまだなかった。
 *生掛け:素焼きせずに呉須で絵付けして本焼するので発色が鈍く白磁が青味を帯びる
 *素朴な呉須の絵付け;朝鮮半島の儒教的思想の影響 中国磁器からの影響もありつつ

この年代をみていて気づいたのだが、中国明末の古染付けの時代に初期伊万里はほぼかぶっているのな。なんだか面白い。と思ったら、来た〜!古染も実物がでてくるでてくる。

ちなみに古染も中国人が日常的に使っていた薄い常器古染と日本人が注文して焼かせたポテっとした茶器古染があるのだが、常器古染は芙蓉手が多く、古伊万里にこれを模したものがけっこうある。区別がつくのだろうか?高台の底の仕上げが違うそうだ。古伊万里はきちっとつるつる、古染は砂高台とか粗いのが多い。



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これは初期伊万里から、古九谷様式への過渡期のレアもの(ラマ師、レアものをたくさんお持ちなんで、うれしいのだが、頭がこんがらがる、、、)
高台が大きくなり、形もヴァリエーションが出てきたが、まだ色絵はなく藍九谷とも。


<古九谷様式>1640〜1670年

長らく金沢で焼かれたと思われていたが、現在ではほぼ伊万里説にかたまっている。典型的古九谷様式は写真がないのだが、ようするにいわゆる古九谷を想像してもらうといい。

色絵の時代である。五彩の上絵付けで、古九谷のどちらかというと沈んだダークな色調のやつ(青手)が現在も人気である。


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左下は五彩手という古九谷様式で、これは南京赤絵(17世紀明末〜清)と区別がつかないじゃん!と言うとまたまたすかさず出てくる南京赤絵の火入れ(右)おお〜!確かにちょっと違うな。


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ヴァリエーションも豊富で、写真のような鉄釉(吸坂手)、京焼っぽい仁清手、青磁、染付、などもあった。


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そして次の柿右衛門様式に行く前に近年新分類として言われだした「初期色絵」1670年前後。
かつては初期柿右衛門といわれたり、古九谷様式にはいっていたりしたそうだ。

古九谷様式の時代、明末の混乱で中国からの陶磁器輸入が困難になった西洋が、目をつけたのが伊万里だったのだ。(ドイツ・シャルロッテンブルグのポーセリンルームに行ったとき、それ、学習した!)
古九谷様式はそんな西洋人の好みにあうように、いろいろデザインや技法を試行錯誤していった歴史なのだ。
ところが、西洋人の好みは、青味を帯びた白磁ではなくて、もっとあかるい不透明な白磁であり、それを実現したのが柿右衛門様式、この初期色絵はそこへたどりつくまでの試行錯誤の時代の物。

まだ乳白色の濁し手(にごしで)は完成せず、うっすら青味を帯びるが古九谷より白い。



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そしていよいよ、、完成形

<柿右衛門様式>1670〜1690頃

ついに乳白色の濁し手と呼ばれる素地の完成。

*呉須を使わない(なるたけ釉薬を薄くするためには呉須の厚さが邪魔になる)
*上絵付け(素地を焼いてから絵付け)
*ベンガラを細かくすりつぶし柿色の様な赤を生み出した


実は私、濁し手の意味がわかっていなかった。今回実物とともにようやく得心がいった。


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かくして陶工たちやその周りの人たちの研鑽努力のたまものの柿右衛門様式伊万里は遠く西洋で大人気を博したのである。

しかし!それも1700年頃には一時途絶えてしまう。
金襴手様式(柿右衛門が内山=官で焼かれていたが、これは外山=民←ざっくり)が主流になったのと、中国国内が安定し、景徳鎮の輸出が復活したこと、東インド会社による輸出量の低下、幕府の貿易制限などが理由といわれる。
またのちに享保の改革(1716〜)の贅沢禁止令の影響もあるとされる。1750年以後のものは技術的にややおちるため後期伊万里とよんで古伊万里とは区別する云々。


いままで古伊万里古伊万里と気安く呼んでいたが、これだけの時代変遷を経ていろんな伊万里があるのだから、後期伊万里を古伊万里なんてよんではいけないのね。

ああ、それにしても陶工たちのたゆまぬ努力が世界的に有名なIMARIを作り上げたのだと思うと感動の物語を聞いたような気がするわ。



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さて、頭の体操をしたあとはたこ焼きタイム、ああ、これ久しぶりに食べたかったんだ。
たこ焼き器が新しくなってパワーアップ、主にご子息が焼いて下さった。(←父より上手い)



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もちろん、最初から最後まで、ソース+出汁の神戸式たこ焼き!


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そしてラマ師の茶籠点前(かなりアヤシイ、、、(^_^;)でお薄をいただく、ありがたいひととき。


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ぐい飲みを茶箱用茶碗に見立てて。


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なんと古唐津のぐい飲み、そして2年続けて流れた唐津やきもん祭茶会の定番、陶片煎餅を久々にいただく。↑同じ模様の特注煎餅


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ああ〜それにしてもすごかった。
そしてこれだけお持ちと言うことも、おしげもなく出して下さることも、感謝しかない。
感動の古伊万里物語の大団円。


<おまけ>


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はい、この茶碗はなんでしょう?


これだけで一発で当てられる人は当てられるのよね〜。
答は金海



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先だって熊川と堅手と金海の区別がつかん!とわめいていたので、特別出演で出していただいた三種三碗。

結論:私にはこの三つを見分ける能力がない。



鷹ヶ峰・AMAN京都でアフタヌーンティー - 2021.07.05 Mon

京都の北、鷹ヶ峰、光悦寺のあるあたりに富裕層ターゲットのホテルAMAN京都ができたのは1年とちょっと前。


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お泊まりするには値段が(^_^;(^_^;なので、泊まることはないだろうが、レストランは比較的リーズナブル。ここのアフタヌーンティーの豪華さを話では聞いていたのだが、やっと行くことができた。


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しょうざんリゾートの裏手になる。しょうざんもなかなかステキなのだが、ここはもともと織屋関係の方の所有地、美術館をつくるつもりで巨石をあつめ、石畳にしたり、石垣を築いていたのをそのまま利用しているそうだ。
しかしまあ、この石畳の石のりっぱなこと!



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来る途中で夕立にあい、そのせいか緑はしっとりして石もぬれて美しく、山の気がむんむんする。洛中と気温も湿度も違う別世界。


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こちらで、いよいよアフタヌーンティーをいただこう。


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席から、雨に濡れた緑の庭園を楽しみながら待つひととき。


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最初にホワイトアスパラのスープ
スタッフの方が以前お茶事でご一緒した方でびっくり!こちらにお勤めとは聞いていたが、お目にかかれるとは!一気にリラックス。


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冷たい紅茶もおしゃれにグラスで


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二段重ねの引重みたいなのが出てきて、見ただけで顔がほころぶ。
いずれも小さいものがちまちまと美しく。
こちらはスナック的な重
(フォアグラマンゴー最中、そら豆ケーキ、生ハムのトルタ、イクラと鮭のキッシュ)



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次がもう心が躍ってしょうがないデセールの重
(水饅頭、デコポンのタルト、チョコレートのチェリー、ブルーベリージャム入りの小さい紫陽花求肥、うすい豆のモンブラン、抹茶黒蜜ブッセ)
どれから食べようか迷う迷う。


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もしかして多べききれんかもしれないと思いつつ別腹で入っちゃうピスタチオのパフェ
(ピスタチオクリームは別名ビーガンのクリーム)


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二種のスコーン(プレーンとアスパラガス)に三種(苺ジャム、クロッテッドクリーム←これ好き、アンチョビバター)のペーストをのっけて。



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わらび餅はワゴンでトッピングを選べるという、、、もちろん全種を希望。


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もっちもちのわらび餅が美味しい。
おいおいお腹の方はどうなんだ?→晩飯を抜くことで処理しよう。


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最後に立礼っぽいワゴンで抹茶を点てていただいた。なによりうれしい。


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コバルトブルーの茶碗に緑が映えるではないか。
お茶は山政小山園の「四方の薫」という抹茶であった。


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目も心もおなかもいっぱいである。
食後はテラスに出て、森の空気と緑を楽しみながら焙じ茶をいただいた。
月ごとに内容がかわるそうなので、これはまた季節を違えて行かねば。


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お土産付きで帰って開けてみると小さいアミューズとAMAN特製の紅茶ティーバッグであった。これもまたうれしい。



もみじの小路でカフェラテ - 2021.07.03 Sat



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池半さんを出て、めったに歩かないこのあたり、ぶらぶら歩いていたら、あら、どこかで見たような町家、、、と思ったら、昨年秋、オープニングイベントで、乙女工作部?のMさんが自作の荷茶屋を持ち込んで、ミニ茶会してはったもみじの小路ではないか!



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築100年の五軒の町家を同時改修するというプロジェクト。
カフェやバー、コワーキングスペースや一棟貸しの宿泊施設が入ると聞いていたので、その後どうなったか気になっていたので入って見た。


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よい雰囲気の中庭もおちついた感じ。
バーの方は店主が外人さんなので、もう治外法権というか、英語しか聞こえないにぎわいになっていた。


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ここの一画にあのweekender coffeeの焙煎所がある。町家の走り庭を上手く使ったスペースだ。


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名前がweekendだけあって??普段は珈琲豆の焙煎だけされているが週末だけコーヒーをいただけるそうだ。


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これが焙煎機か〜。
たまたま日曜だったのでこれはコーヒーをいただかねば。


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注文して中庭の好きな場所でいただくというスタイル。
できるまでこの風情を楽しむ。


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これがもみじの小路の名前の由来となったシンボルツリー、樹齢100年の紅葉だ。


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腰掛け待合い風になっている場所で風に吹かれながらぼーっとするのも一興、お客さんにはご近所さんとおぼしき年配の方もおられて、ゆるゆるしておられる。
町家の雰囲気に数寄屋のテイストも加わってなかなか居心地が良い。


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さて、でてきたカフェラテ、さすが珈琲焙煎所のコーヒーだけあって、とても美味しかった。

なかなか面白いこころみの小路、若干出かけにくい場所ではあるが、時々のぞいてみようと思う。


<もみじの小路>
松原通御幸町西入ル


五条鴨川べりで台湾茶を楽しむ〜池半茶藝室 - 2021.07.01 Thu



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鴨川の五条より南、こんな川べりの道があるなんてしらなかった。このあたりめったに来ることがないから。(まだEfishがあったころに一度)


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場所は謡曲「融」でもおなじみ?、かつて陸奥国の塩釜を模したものを邸宅内に作っちゃったという源融の河原院があったとされる場所あたり。


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池半・茶藝室さん。
もともとは一邸貸しの町家ゲストハウス鴨半さん、その中に昨年末つくらはった茶藝室へ。


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一組だけ限定予約制という喫茶室で本日は台湾茶の飲み比べを。
(切り取ってタペになってる赤穂緞通、これは紋様が複雑でええやつや)


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たくさんある台湾茶の中から好きな物を3つ選べる。

一応コース仕立てにしようと、さわやかな白茶(野放老樹白茶)、香り高い青茶(東方美人)、熟成の紅茶(花蓮蜜香紅茶)を選ぶ。


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お茶をいれてくださるのは小慢(シャオマン)台北(京都にも支店あるよ、小慢)で仕事されていたというお若い女性。


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さすがお茶の本場、台湾仕込みのご亭主はお茶の栽培や種類についてもたいへんお詳しく、質問にもすらすら答えて下さって、とても勉強になった。


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さらに、今はもうない大阪の無茶空茶館の黃先生のお話や、陶人なのか中国茶人なのかわからない(^_^;市川孝さんのお話しやら、いろいろできて楽しかった。


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さらりとした白茶は何煎でも飲める。3〜4煎目あたりでようやく本領発揮のスロースターターだ。
青茶などと違って白茶はお湯を注ぐまで、ずっと発酵を続けるので、水出しのときもまだ発酵が続いているという。


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最初のお菓子はほかほかのあったかい胡麻団子、黒蜜で。
美味しい〜♪


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胡麻の味の口を水でまず洗って、2種目は東方美人茶。
ウンカが作るこのお茶は香り高さでは最高だろう。


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飲んだあとの杯の香りを聞くのが中国茶の大きな楽しみなのだが、このお茶は特にその香りが最高なのである。酔いしれたわ。


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3つめは二階の座敷にて。
階段の上で、こんなのが迎えてくれた(^_^;


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座敷に入るなり、思わず歓声!
なんて眺めだ!


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四条より南の鴨川沿いってあまり美しいというイメージがなかったが、どうしてどうして。良き眺めに、水鳥が時々飛んで視野を横切るのである。


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座敷の片隅には風炉釜も。


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一輪添えられた桔梗、鴨川を背景に。


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三つ目の花蓮蜜香紅茶は同じく香り高いが、完全発酵の紅茶だけにカジュアルに飲める感じ。
それでも蜜香であるから、やはり聞香杯をかぐのが楽しみなのである。


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二煎目からはご自分で煎れて楽しんでくださいとのこと、だてにあちこちの中国茶を飲みにいっているわけではないので(^_^;喜んで煎れる煎れる。


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一見鉄瓶に見えるが実は土瓶のこれは台湾の作家さんのもの。ひとつで五行(木火土金水)を表しているという。(木:蓋のつまみ、火:火に掛けるし、土:土瓶だし、金:取っ手が金属、水:中にはいっているし)
蓋の霊芝模様、鐶付きの伏龍がすてきである。


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最後に二種目のお菓子、杏仁豆腐、サツマイモゼリー、仙草ゼリー(タピオカみたいでもちもち)などを。これも美味しくて最高の〆となった。





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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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