広沢池にて立待月を待つ - 2021.09.29 Wed
映るとも月は思わず 映すとも水は思わぬ広沢の池 (沢庵宗彭)
嵯峨、広沢池は月の名所である。
これは今年の1月、水が抜かれる季節にたずねた広沢池の写真、鯉揚げなどもおこなわれる。

水がないので、グランドみたいに見えるところが本来の広沢池、その西側に池につきだした小さな島を観音島という。観音様の石像と、この写真のお社に弁天様がいてる。
ここは平安時代、大覚寺と並んでおおきな堂宇を誇った遍昭寺の池で、本来観音島という島があったそうだが、失われた。それを明治になって地元有志が新たに作ったという人工の島である。
ここで月見をしたらさぞ美しいだろうなあ、、、と思って密かに思っていた。そして酔狂な人たち、、、いや、(^_^; 有志が集まったので、ここは一つ月待ちをしながらお茶を飲む、という会が成立。
なにせ灯りがないので真っ暗、観音様も全く見えない、懐中電灯がなければ足下も見えない。そんな中仲間たちと、弁天様のお社の手前に店を広げる。
この日の月は十七夜、立待月である。月の出が19時過ぎだったので、あのあたりかな〜と少し明るんでいる池の上の空を眺めつつ、みんなで持ち寄った軽食、お菓子をいただきつつ、各自お茶を点てて飲む。
お仲間のもってきてくれたおにぎりと、菊花茶に夢中になって、あ〜!というひとりの声に降り向けば、月はもう上っているではないか!上る瞬間をおにぎりに気をとられて逃す、、、という、、、(^_^;
でも来た来た〜っ!
少し欠けた下弦の月は東の山の端に昇るときは大きくそして赤い。
池に長くのびた月明かりのトレーンも赤い。
虫の声、夜なく鳥の声、風の音、さざ波、すべてが美しく、平安の昔からここが月の名所であったことに納得する。
そうこうするうちに弁天様のお社の上に月は昇って、やや雲も出てきた頃、月見の宴はおひらきに。
あちこちの自然の中に野点スポットがどこにでもある、京都はやっぱりいいとろだなあと思うのである。
そしてこんなお遊びに快く付き合ってくれるお茶友さんたちにも感謝である。
みのり菓子さんとオ・プチフォロ・パティシェールさんのスイーツコース〜cafe Fudan - 2021.09.27 Mon

千本丸太町近くの町家の民芸と古い器のcafe fudanさんにて。
いつも茶事のお菓子でお世話になっているみのり菓子さんと、プランツベースのお菓子オ・プチフォロパティシエールさんコラボのスイーツコース「鈴の音」へ。
さてさて、いつもは茶席の菓子ということで、それなりの制約があるが、それを取っ払ったとき、みのり菓子さんがどんなスイーツを作ってくださるのか、はたまたはじめてのオ・プチフォロ・パティシエールのプランツベースとはどんなスイーツなのか。
まずはみのり菓子さんの
*月もち
*無花果ソースで食べる白胡麻プリン
お盆の上であたかも中天にかかる満月のような月もちは、、、
割ると黄味餡、味はなんとスダチのすっぱさが効いている。この形態だと茶事の菓子にもなるわ。
もう一品の無花果ソース白胡麻プリンは、やはりカフェでしか味わえない一品。旬の無花果スイーツは是非食べたいが、ソースという形できたか!上にワサビがのっていて、胡麻豆腐を味わっているようなスイーツを食べているような不思議な感覚。
次のお皿はオ・プチフォロ・パティシエールさんの
*藤みのり(葡萄)と山城マスカットのテリーヌ キャラメルソース
テリーヌというから、小麦系のお菓子かなと思っていたらこんな透明のテリーヌ。
葡萄の断面が美しく、ほろ苦いキャラメルソースがぴったり。
(お供は紅茶で)
ちなみに<プランツベース>は初めて聞いた言葉で、文字通り植物食材のみを使うのだが、ベジタリアンとちょっと違うらしい。ベジが主に宗教上、動物愛護的考えによるのに対して、前者は主に健康、環境に配慮するものだと、、、付け焼き刃で勉強した(^_^;
そして菊の節句のような、満月のようなみのり菓子さんの
*菊花の吉野かん(葛)
お椀の中でふるふる、柑橘ソースがぴったり。これは菊の節句にいただきたいお菓子だわ。菓子椀持っているし、来年はこれをリクエストしようかな。
最後の皿はプチフォロさんの
*プラントベースティラミス+洋梨オーロラ+ソイラテアイス
ソイラテアイス(豆乳アイス)はちょっと不思議なテクスチュア、ティラミスの下に隠れた洋梨の薄切りが甘さをほどよく調整、はじめてパティシエール(洋菓子)風のお菓子で締めとなった。
こんなスーツのコースってめったにいただけないと思うので、今後もおふたりのコラボから目が離せない。
観月讃仏会2021〜唐招提寺 - 2021.09.25 Sat
今年の中秋の名月はどこで見ようか、ちょっと曇り空で見えるかどうか微妙だけれど。
そうだ、唐招提寺の観月讃仏会へ行って、三笠の山に出でし月かも〜♪としゃれてみようか。
唐招提寺開門17:40まで、時間つぶし、、、と言ってはいけない(^_^;同じ西ノ京の薬師寺で写経をする。なにせ16:30に滑り込んだので、17時までには終わらせてくださいね、と言われ速筆で書いたので、いつも以上に字が躍っているが、これもやっとこさ般若心経を最後まで暗唱できるようになった記念でもある。
薬師寺の土塀ぎわに咲いた彼岸花に心惹かれる。
般若心経を暗唱することに集中すると雑念が一瞬消える、ということに気づいた。完璧に覚えて、考えなくてもスラスラ口をついて出てくる人には通用しないと思うけれど。
薬師寺から徒歩10分ほど、唐招提寺。今年は蓮の季節にここまで見に来たから数ヶ月ぶり。開門まで皆さん、三々五々周辺で待つ。
17:40開門 ようやく境内に。
境内では萩の花の盛り
金堂ではお坊さんたちが、法要の準備に余念がない。
あ!鑑真様!、、、、じゃないよね(^_^;
日本仏教に戒律をもたらした鑑真様、今年は春に京都国立博物館で鑑真和上と戒律のあゆみ展にて、乾漆の御像を拝ませてもらった。
壇上には中秋の名月飾り
そして御献茶も行われるようだ。
だんだん日が暮れていき薄暗くなり始めた18時、鉦の音とともにお坊様たちが金堂の前に。
金堂の方を向かれたとき、一斉にお堂の扉が開き、光に包まれた毘盧遮那仏、千手観音、薬師如来のお姿が姿を現されたとき、思わず鳥肌がたった。あたりが暗くなったときだけによけいに。
(法要中は撮影はNGなので写真ありません)
30分の法要の間、お経を聞きつつ合掌、かの般若心経もくりかえされたので、ここは読経に参加する。ありがたや。各仏様の真言はききとれなかったが、そのあとに鑑真和上のお名前もでてきたのはききとれた。
その間に、裏千家家元名代の伊住宗陽師が仏様へ献ずるお茶を点てられた。
法要も終わるころにはもうあたりは真っ暗。
順番にお堂にあがって三尊様を拝む。千手観音様のお顔がほんとやさしくて見とれる。ご参拝の方々には子供たちもいて、ご近所さんが毎年来ておられる、、といった感じだ。
そうこうするうちに「月がのぼってきましたよ〜!」とお寺の方が叫ぶ。
おお!今日はもう曇りで見えないかと思っていた月がまさに三笠山の方から上ってくるではないか!徐々に高度を上げ、光輝も増し、いい月となった。
ほんとうに三笠の山に出でし月かも〜だ!
思わずこちらにも手をあわせたくなったよ。
そして唐招提寺にお別れ

近鉄の駅までの道のりもまた月を見ながら歩くのであった。
梨木神社〜萩祭り2021はなし - 2021.09.23 Thu

寺町通りを丸太町から上がると道路脇にはびっしり萩の花、、、といってもこちらは雑草扱いのヌスビトハギだが、それなりにきれい。
9月の萩祭りには茶席もでるはずの梨木神社、ご多分にもれず今年は神事のみでなにもおこなわれず寂しい限り。それにしても見るたびに複雑な思いになる一の鳥居と二の鳥居の間に無粋にも立つマンション、、、
気を取り直して二ノ鳥居くぐる。
萩はまだちょっと早い感じだ。
社務所に続く通路の萩。
ここの神社はしりあいの先生がかつて茶道教室をひらいていたし、年末には除夜釜もかかるので、なんとなくなじみがある。
毎年萩祭りの時には境内の萩の花にびっしりと参拝客の歌の短冊がつけられるのだが、今年は寂しいことにぱらぱら。
茶人さんたちには有名な梨木神社の名水、染の井。
何度かお水をもらいに来たが、夕方以降は閉められてしまうのは残念。
今日は容器を持参しなかったので、手に受けて一口。大きなペットボトル6本ご持参の方もおられた。ここはひっきりなしに名水汲みの人が来る。
もひとつ有名な染井のそばに立つ桂の木。
葉っぱがハート型なので、縁結びに人気があるそうだ。
本殿に向かうと居合い抜きされる方々が。
例年なら、ここでいろんな芸能が披露されるのだが、今年はないと思っていたが、お身内だけでされていた。
本殿の白萩
梨木神社は新しく、明治18年の創建、ご祭神がこれまた近代、幕末明治維新の人である三条実萬(さねつむ)、その子・実美(さねとみ)。実美は特に七卿落ち(1863)をした方というユニークな神社である。
寺とちがって檀家をもたず、新しい神社とて維持するためには冒頭の土地貸しでマンションができるという羽目になったもよう。複雑、、、、(下鴨神社もしかり)
しかし、萩の花はほんっと地味〜な花だな。遠くから見ると葉っぱしか見えない。でもそこがゆかしく、秋の花だなと思う。
秋といへば 空すむ月を契りおきて 光まちとる萩の下露 (定家)
「萩の宮」といわれるだけはある。
このあたりは藤原北家の隆盛の基となった良房の屋敷があった場所ともいう。
白萩がこぼれているのを見て、そういえば和菓子の「こぼれ萩」もそろそろ出る頃だなあと思いつつ萩の宮をあとにする。
そのまま北上して出町柳の萩の寺・常林寺へも行って見る。
ここはこぢんまりで、梨木神社と比べるべくもないが、人が多く行き交う出町柳からすっと入れる便利がいい。
こちらも見頃
そのまま鴨川へでる。
鴨川土手にも彼岸花は咲く。
そろそろ鴨川でお茶したいなあと思ったが、やっぱりまだ暑い、、、😩
屋上朝茶! - 2021.09.21 Tue
また新しいスタイルのお茶!
朝、紫野へ、Eさんのおさそいでビルの屋上へいざなわれると、、、

おお〜!
屋上茶室が!
なんとよい眺めの茶室であろうか。
あれは、、、舟形山だ!
そして東の方には大文字が正面!
(これは来年の8月16日に、またよんでもらわなくっちゃ!😏)
遙か五山に囲まれ、洛中を眼下におさめる眺めの中で、まずは朝粥!!
小雨が降ってきたが、このロケーションは手放したくない。
おお〜!
うちにもあるが最近ほとんど出番のないアルポット!(アルコール湯沸かし)これでお粥もできるのか!
ほんのり色つきは7分搗きの玄米、棗入り。付け合わせのザーサイ?がおいしくて思わず「おかわりっ!」(^_^;
お粥が終わるとテキパキと、バスケットにほとんどおさまってしまう屋上茶室である。バスケットからのぞく柄杓に萌える。
続いて室内でお茶席
先ほどのアルポットが今度は釜になる。まさに茶飯釜そのものぢゃないか!
おそるべしアルポット、久々にひっぱりだして我が家でも使ってやらなくちゃ。
千本玉壽軒さんの「初雁」
黒糖餡を楽しんで松籟園さんのまろやか濃茶を一服いただく。
陶芸家A君のお皿で、菓子屋のなさんの干菓子もおいしい。(レモン味の松露❤️)濃茶を薄茶点てで贅沢にいただいて、一会はおひらきに。
そしてまたパタパタと茶席はあっというまにコンパクトに。
実はアルポットのみならず、この野点セット、私ももっているのだが、いまではどこに埋もれているのか、、、(^_^; これ見たら、やっぱりアルポットと一緒でちゃんと使ってやらないとな、、、と反省。
はい、茶室の最終形、拍手!
すばらしい。ロケーションもすばらしければ、いろんな見立てのアイデアもすてき。
ぜいたくな一客一亭、お招きほんとうに感謝である。
この秋も若き茶人としてあちこちでご活躍されるそうで、それを伺うのも楽しみである。
帰り道に今宮さんによったが、あぶり餅屋はまだ朝とて開店前という時間。一日得したような気持ち。
お参りして気持ち潤って帰途につく。
南都諸大寺チャリティー〜奈良きたまち散歩 - 2021.09.19 Sun

あいにくの小雨の奈良、歩道の複弁蓮華紋瓦紋に萌えながら奈良県文化会館へ。
2年に一度の南都諸大寺チャリティー墨書展である。
20年前、東大寺の守屋長老の発案で、売り上げは奈良県肢体不自由児・者の支援や福祉向上に使われる。
東大寺をはじめ薬師寺、興福寺、法隆寺、唐招提寺、大安寺、西大寺、圓照寺、法華寺、中宮寺とそうそうたる奈良好きにはたまらんラインナップ。
主導されている東大寺別当狭川普文師は今年修二会の和上を務められた。コロナ下で別火に入る2週間前から隔離生活をされていたが、その間に作られたという作品は墨跡のみならず、パステル画、立体的な仁王さんなど、とてもお坊さんとは思えない力作ばかり。というわけで会場にもおられ、精力的にご説明にまわっておられた。
(休憩室のベンチでソーシャルディスタンスの注意書きがやっぱり鹿なのね)
唐招提寺の天平の甍ではないが、軒丸瓦の拓本付きのものとか、修二会でいいお声をいつも拝聴している上司師のかわいい絵付きのものとか心惹かれる物がたくさん。
で結局、観音経にまつわる薬師寺のものをもとめて、軸装も同時にお願いした。
(その場で、観音経についておたずねした若いお坊さんの反応がとても楽しかった(*^_^*))
県立美術館の次期展示は森川杜園なのか。
幕末から明治にかけて活躍した奈良一刀彫りの天才、歌人文化人としても活躍した人だ。行かねば。
県庁の東、意外と知られていない名所の、みとりい池園地。この風情がはるか天平時代の景色を想起させてうっとりする。雨の風情もまたよし。
続く東大寺西大門跡は晩秋に黄金色になる。
↓昨年秋に撮った画像
今年もまた行こう。
さらに北上して今在家あたり、まだまだ古い町家が残っている。
あと何年くらいこのままでいてくれるかな〜とよそさんのお家なのに思ってしまう。京都の洛中の町家は今無残なありさまなので。
この道沿いの千壽庵吉宗さんは最近かき氷もはじめはったのでいつか行こうと思いつつ、お腹の具合と予定に鑑み今回はスルー。次は必ず!
そして東大寺転害門(てがいもん)に到着。
もう涼しくなったので、鹿だまりはみられなかった。
この門は平家の南都焼き討ちも、三好。松永の戦火もくぐり抜けた奈良時代の遺構なのだ。あくまで伝説だが景清が頼朝を討たんとひそんでいたので景清門ともよばれるとか。
もともと転害の「てがい」は手掻いからきているとか諸説あって、町名なら手貝になるのが不思議。結局害を転ずるというおめでたい文字におさまっているけれど。
転害門前の道(一条通)を西にもどって、きたまちエリアへ。
ここも観光客はあまり来ない場所だが歴史好きにはたまらん道なのだ。
つい最近約10年の歴史に幕をおろしたフルコト(奈良旅と暮らしの玉手箱: ここが1号、ことのまあかりは2号)の跡地をちょっと眺める。結局1回しかこれなかったが、ここで買ったクリッ墳(古墳のクリップ)いまだに愛用しているよ。
さてどんどん西へ行こう。
たぶん、あの小高い山が松永久秀の多聞城跡だと思う。現在は若草中学内に碑があるだけらしい。今回は時間不足でそこまで行けず。
奈良京都の要所で大和支配に絶好の場所だったが、宿敵筒井順慶と信長に翻弄され、多聞城は破却された。(順慶はちゃかり城の石垣を自分の郡山城に持ってったらしい)その後は「麒麟が来る」でも見たが、信貴山で名釜平蜘蛛と一緒に爆死するのだ。
ううう〜む、存続があやしい町家が、、、
なんとかがんばれ!
しかし、この道は歴史好きなら悶死しそうなほど遺跡にあふれている。
佐保川をわたる。
歴史的ビッグネーム・聖武天皇、光明皇后がねむる御陵はここにある。
コロナで連続2年行われていないが、毎年行っていた東大寺華厳茶会の日(5月3日)、茶会の前に東大寺の僧侶方がここに参拝されて大仏殿にもどって献茶になる段取りだったのだな(山陵祭)。
天平應真仁正皇太后が光明皇后とわかる人がいたらすごいな。
川中地蔵尊
さきほど渡った法蓮橋を整備したときに川中でみつかったお地蔵様を集めたそうだ。猿沢池ほどちかくの率川地蔵さん(石の舟にたくさんのお地蔵さんが乗ってはる)も同じような由来だろうな。
少し南下して東にもどると奈良女子大が見えてくる。ここらはきたまちエリアだ。
初めて見たわ、奈良女の正門。
レトロでおしゃれやわ〜!才媛たちが通う大学だが、奈良県に国立大学が女子大しかないのはなぜ?と今でも疑問。
奈良女に合わせたようなかわいい建物はきたまち案内所。
なんでも旧警察署鍋屋連絡所という交番の建物だったらしい。(明治41年建築、昭和3年現在地へ移転)今でも現役で利用されているのはいいね。
さらに南下すればきたまち商店街。コロナでしまっているお店が多かったのは残念。
さて、近鉄乗って京都へ帰ろう。
長月の未在 - 2021.09.17 Fri
円山公園から大谷本廟の方へ東にのぼるあたり、9ヶ月ぶりの未在さんである。
予約したのが昨年12月、これでも早いほうだと思う。
室礼は重陽、菊の節句にて。
香合は菊の焼物、吊り下げられているのは虫籠である。
そして茱萸嚢
料理の写真はNGなので備忘録代わりに記していきます(記憶力にやや難がありますが)。
本来18時一斉スタートなのだが、コロナ下のこともあり17時スタート、お酒も最初のお杯だけであとはワイン風ブドウジュースというのがちょっと残念である。
いつも量が私には多くて、かなり苦しいので最初から「少なめ」をお願い。(普通の胃袋サイズの方には少なめがおすすめよ)
茶事にならって、待合でくみ出しの香煎をいただき、最初は折敷に四つ椀で飯と汁を。
杯で菊花酒をいただくと菊づくしの焼き物の向付の梨とブドウの白和えに手をつける。この前の茶事では同じ梨・ブドウで酢の物にしたが、白和えもありだな。
煮物椀は今年お初の松茸!しかもまるごと一本!
それに上にこぼれ萩的に小豆をちらしたスッポン豆腐。スダチの輪切りやらなにやら、未在さんは食材の種類の多さも定評があるので、たくさんはいっているが、全部は覚えられない!
小さな杯にはいった銀杏の素揚げの揚げたてをつまみ、ああ、ここで日本酒が飲めたらな〜とかなわぬ願い(^_^;
そして名物、赤身の魚と白身の魚を別々の器、削り氷の上に豪華にのせたお造り。それぞれに多種の薬味やタレ3種付きである。イカの縁側の胡麻よごしなんて初めて。特製ポン酢につけて食べるのが一番好き。
焼き物は牛肉のたたき、これも上にいろいろ乗っていて、蜂蜜を使ったソースをお好みでつけていただく。付け合わせのマイクロキュウリが一見ミニミニスイカみたいでかわいかった。ここは珍しい食材を知る場所でもある。
そばちょこ風の器にはいるのは底に焼き茄子ピュレ(これ香ばしくておいしい)、ウニ、その上に万願寺唐辛子のピュレ。こんなものまでピュレになるとは。
それから豪華な八寸盛り、下に秋の草花をちりばめて。これがお皿によって違うのだ。ツレの皿には秋の青い草の実や菊の葉、葛、私のには萩の花。
乗っているのは親指大のスダチ寿司やイクラ、コハダともずくの酢の物、その他覚えきれない、ちまちま10品くらいのっていたであろうか。
炊き合わせは穴子と冬瓜、木胡椒(胡椒の葉っぱの佃煮みたいなの)、いつもこのあたりでもうお腹いっぱい、降参になるのだが、量少なめなのでまだ余裕。
それから酢の物三種盛り
蟹、琵琶湖の鱒、鮑、、、という豪華版。これも付け合わせがこっていたが内容忘れた、、。
一口大のご飯の上に青菜、これに茶事と同じように、湯桶で焦がしとお湯を注いでいただく。香物もこれだけでお腹一杯になるんちゃう?というくらいたくさん。
ここでお抹茶をそれぞれにご主人の石原さんが一碗ずつ点ててくださる。私は菊の絵の茶碗にて。
お菓子は丹波栗、白あんの茶巾しぼり、そして大納言小豆の粒あん。
これで終わりと思ってはイケナイ。
まだフルーツとシャーベットがあるのよ。
フルーツ盛り合わせも一体何種類入っているのだろう、ブドウ、イチゴ、ドラゴンフルーツまで入ってて、上にのっているハーブの葉っぱはしがむと、なんと!甘〜い!ほのかな甘さでなくて真剣に・甘い。これは甘味料になるステビア、こんな葉っぱだったのか。
さすがに最後のマスクメロンのシャーベットは辞退した。
お腹限界。でもいつもは120%一杯になって苦しいのだが、今回は105%くらいかな(^_^;
だから楽。
さて、次回の予約を、、、と思ったらやっぱり来年の12月以降なんだって!1年以上先〜。
それまで、元気で頑張らなくちゃと励みになる。
帰りは提灯でお見送りしてくださる。
今回も目と口と知識で楽しめたお料理の数々でした。また来年。
「ちはやふる」〜近江神宮〜大津市歴史博物館 - 2021.09.15 Wed
「ちはやふる」の漫画や映画で一躍有名になった近江神宮へお参り。

実は「ちはやふる」の漫画を読んでいない。百人一首競技カルタのクィーンを目指す女子高生の話とは聞いているが、ほんとは全然くわしくない(^_^;
ずいぶん昔からあるのかなと思っていたら、なんと昭和15年創建と聞いてびっくりした。そんなに新しかったのか!
境内には市井の歌人の歌碑もあって、「軍靴」というのに戦前を感じる。
ロケーションは、かつて中大兄皇子が遷都し、667年皇位をついで天智天皇になった近江大津京の跡といわれる。そう、この神社の御祭神は天智天皇なのだ。
社紋は「山桜に楽浪」
楽浪とはさざなみ、すなわち、、さざなみの志賀の都である。
ざざなみの志賀の都は荒れにしを 昔ながらの山桜かな
これは後世、平忠度が都落ちの時に藤原俊成に預けた歌で、源氏の世をはばかって「詠み人知らず」として千載集に収録された歌である。
戦前、近江大津京をいとなんだ天智天皇への滋賀県民のやむことのない畏敬の念が、この神社の創設へと動かし、皇紀2600年記念をもって創建されたとか。
そういえば天智天皇陵は山科(京都と滋賀の間)にある。地下鉄の駅名「御陵(みささぎ)」はそこからきている。なんでこんなところに、とかつて不思議に思っていたが、天皇にとって思い深い志賀の都=近江大津京ちかくに埋葬されたんだね。大津京は彼の死をもって5年で遷都になってしまったが。
本殿の前では神社の方が玉砂利のすきまの落ち葉をきれいに掃除してはった。
ここは社務所の中庭であるが、そんなに新しい神社とは思えないくらいのたたずまいである。
回廊も、、、なんだか法隆寺の回廊を思い出してしまった。
時期もあり、参拝客はまばらで静かである。
拝殿の向こうに本殿の屋根も見え、有形文化財となっている。
近江造り・昭和造りとよばれるそうで、建築専門ではない素人にはどこがそうなのかわからんが、近代神社建築の代表なのだそう。新しく作るにしても手を抜かずこれだけの建築を作ったことに当時の滋賀県民の熱い思いを感じる。
そして「ちはやふる」、競技カルタの殿堂としての近江神宮。
百人一首の名人位クイーン位など決める競技会場は神社のそばにある近江勧学館。
TVなどでしか見たことがないが、競技カルタともなると、ちんたら読み上げて取るわれわれの百人一首と全く様相が違って体育会系の競技だ。読み手の最初の1〜2文字で瞬殺、パシッと畳をたたくようにして札を飛ばす、これはハードだわ。
漫画の主人公らしい。
そもそもなんで近江神宮で競技カルタの最高峰大会がおこなわれるようになったのか?
百人一首の第一首目が天智天皇のご製であることによる。(秋の田のかりほのいおの苫をあらみ、、)
こちらの二階、名人位・クイーン位の決勝戦が行われる広間。
この畳の手擦れの跡が激戦を物語っているようだ。
近江神宮から足をのばして、車でほど近い大津市歴史博物館へ。
三井寺も近いここの眺めはすばらしい。琵琶湖に、向かいに見えるのは近江富士ことランドマークの三上山。
さて、目的は真盛豆で有名な?室町時代の天台宗僧侶・真盛上人の展示を見ようと、、、、
あら?!10月からだった!またやってしまった、、、。
というわけで来月また来るかも〜、、の志賀散歩であった。
重陽から月見の茶事 - 2021.09.13 Mon
8月は完全休業?で、9月になったので久々に茶事を再開。

時はまさに重陽の節句、秋到来、そして月見の季節に。
1年に一度重陽の節句の日だけに嵐山法輪寺で拝領できる茱萸嚢(端午の節句にかけた薬玉を、重陽の節句に茱萸嚢に掛け替える)ももってはいるが、ここはひとつ自分で作ってやろうと。
10年ほど前、茶事超初心者だったときにコワイモノシラズで先輩を招いた席で作ったことがある。その時の赤い布袋はまだあったのだ。
ワレモコウと菊の生花で綿をあててラップでくるんで仕込むのだ。(着せ綿の反対やな(^_^;)
本来なら袋に呉茱萸という漢方にもなる植物を入れるのだが、まあ手に入らんし。
今年初めて育てた我が家の蓮は枯れてもいくらでも使い道がある。
汲出は中国茶の胎菊茶で。
ほのかな菊の香りはちょっとカモミールに似ているかも。
今回この人たちが持つのは
「秋風にたなびく雲の絶え間より もれ出づる月の影のさやけさ」(左京大夫顕輔)
後座の軸が月の歌なんで。
待合の床に虫籠と鈴虫
待合の軸はやっぱり「着せ綿」よね。「菊慈童」とどちらにしようかと迷ったけれど。
夕ざりなので席入り時にはまだ日は高く、、、そして思い出したように暑い真夏日、、それでも露地の風情は少し秋めいてきた。
花は小花の寄せ集めである。
うちの庭のもあり、もとめたのもあり。
秋海棠、大文字草、秋明菊、オケラ、利休草?、藤袴
懐石の焼物以降は点心風それぞれ個別にとりわけて。
いつもは重箱を使うのだが、今回はまだ夏の名残で涼しさ演出、笊を使ってみた。お客様がおもちくださった無花果をゆでて白味噌だれをつけたやつ、甘くておいしかった〜(自画自賛)♪
今回も美簾堂さん誂えの簾を活用、水屋のクーラーの風を茶室に送り込む。
お菓子はいつものみのり菓子さんの万寿菊
中の餡が無花果でと〜ってもおいしい。
後座入り時、まだ外はそれなりに明るいが、茶室の中は灯りがいる。
軸は東山であろう山の端に半月がでたのを歌った東山殿と呼ばれたお方の歌。
濃茶をさし上げる。
この日のお客様は茶の湯でも人生でも大先輩にあたる方々とそのお弟子様、最初緊張して、それからお褒め上手なのにのせられてすっかりリラックス、茶室のこと、お道具のこといろいろおたずねもあって、話は尽きない。
いつもは短檠の代わりに李朝灯火器を使うのだが、まだ暑いのでさらっとガラスのオイルランプを。
季節は菊の節句から月見へ
亀廣保さんの干菓子。
薄茶はブロークン茶箱にて。
今回も皿かと思うような薄い三島の平茶碗で超絶技巧(こぼさずに上手く点てる)??をご披露しましたよ(^∇^)
簾越しの茶室、月待つ頃の風情にて
薄器は岩渕祐二さんの皓月平中次
黒柿の模様が東山の形、皓々と照る月を見て、茶杓の名が「村雨」、せっかくの月見も村雨にておひらきになりました。
今宵もよき茶事になりました。
ありがとうございました。
簾は編み直せる! - 2021.09.11 Sat
長年の風雪に耐えていた濡れ縁と露地の間の簾がついにばらけてしまった。葦を編んでいた糸がついに切れてしまったのだ。なんとか繕おうとしたが、糸は劣化が激しく引っ張るたびにぽろぽろ切れていく。こりゃ新調せなあかんな、と思った。
特注した3枚のうちの1枚なので、これだけホームセンターの簾というわけにもいかず、誂えてもらおうと久保田美簾堂さんにお願いしてみた。
この茶室夏仕様の時に特注簾を提案してくれて、あつらえてくれたとこである。
一目見て「編み直せるかもしれません。」のお言葉。
ええ〜そんなことできるのか〜と半信半疑であったが、途中で折れたり使えないほどいたんだりしている葦を抜いた分、新しい葦を追加して試してみますとのこと。

そして完成したのがこちら!
ばらけたのがきれいに編み直されている!
下の新しい部分はつるしてみると、、、
こんな感じであまり違和感なく、時間がたてばいい感じに経年変化してくると思う。
ふだんの状態では少し巻き上げているので、全然わからなくなる。
いや、こんなんできるんや!と感動。京の伝統産業技術畏るべし!
新調すればあとの2枚との差が歴然となって、かえってまずかったと思うし、新調したときの7割のお値段ですんだ。技術を持った職人さんの良心的ないい仕事にほんと感謝している。
巻き揚げ用の糸もワックスぬりなおしてもらってなめらか〜♪
(我が家のすすきの初穂)
使えるものは繕ってなおしてとことん使う、始末の文化でもある、としみじみ思う。そしてこの簾ももともと府外のいい簾屋さんのものだったので、そうして始末しての使用に耐えることができるのね。安かろう悪かろうものを次々とっかえひっかえの文化はもうおしまいだ。
赤に比べると育ちにくい感のある白の秋海棠、昨年はあまりの暑さに枯らしてしまったが、今年淡路島からいただいた新しい苗、寒冷紗など工夫して、初花を咲かせてくれそうだ。いよいよ秋の花の季節到来。
「京の国宝」〜京都国立博物館 - 2021.09.09 Thu
京都国立博物館開催中の「京(みやこ)の国宝」展(後期日程)へ。

寺社文化財の大きな危機は、明治維新の廃仏毀釈と第二次大戦前後の混乱の時期におきた。
その時期をいかに乗り越え、調査、保全、記録、法整備をしてきたか、という先人達の努力という点に重点がおかれた展示になっている。
特に明治19年の寺社宝物の調査や目録、それを作成するように命じた京都府の行政文書(重文)などは、初めて見るものばかり。今までこんな文書の展示ってあったのだろうか。
文書は墨書でこまかく記載され、記載された用紙も時代を経て古び、当時の人たちの労力に思いを馳せる。廃仏毀釈で失われるものの価値に気づいた人たちの、失われてはいけないという情熱がひしひしと感じられる。文化財の多かった京都と奈良だからできたことかもしれない。
宝物取調書に今ではお馴染みの国宝の名前が(例えば高山寺の鳥獣戯画!)書かれているのが感慨深い。先人達の努力がなければ、今目にすることもできなかったかもしれないもの。
明治29年の宝物簿が「推古時代」「天智帝時代」「弘仁時代」以下「藤原時代」とどんどん薄くなっていくのになるほど感。
もう一つの危機であった大戦後、それに昭和24年の法隆寺金堂の火災の教訓を経て、昭和25年に初めて制定された文化財保護法、その原本の展示もあった。昭和天皇の御名御璽に当時の総理大臣・吉田茂の署名に当時の時代を感じる。(吉田茂の国葬の記憶のある世代ですの)
その後も文化財の経年劣化風化を補修する取り組みなど写真、文書で知ることができ、日ごろ楽しんで見ている国宝、文化財がいかに守られているかという、いつもと違う切り口で見ることができてよかった。
(ミュージアム行くときはこの単眼鏡を忘れずに)
気になった国宝をいくつか。
もう何度も見ているが、御堂関白記(陽明文庫)、平家納経(厳島神社)、明月記(冷泉家時雨亭文庫)、瓢鮎図(妙心寺退蔵院)、無準師範の円爾弁円印可状(東福寺)もあったな。
ずっと「ゆり文書」と誤読していた(^_^;東寺百合文書(ひゃくごうもんじょ)。
宗達の「風神雷神図屏風」もお久しぶり。
それから、10月からの展示も楽しみ。
一昨年から改修工事にはいって、閉館中の東京・畠山美術館のお宝が京都でおがめる〜♪。
暑い日だったので、鑑賞のあとはかき氷活動も組み合わせる。お向かいの三十三間堂の南側へ。ここらへん滅多に来ることがないので、細い路地の向こうに見える京都タワーの景色がものめずらしい。
ずっと気になっていた茶舗清水一芳園のかき氷。
こちらはタブレットで注文からトッピングから支払いまでできる便利さ。
で、チョコミントエスプーマのかき氷、練乳は自由に追加できるやつ。
美味しかった(*^_^*)
葉月雑記2021 - 2021.09.06 Mon
オリンピックとコロナであっというまに通り過ぎた8月の雑記。

寺町二条のビストロLe Bouchon(ブション)へ。
なぜならネット番組「シェフは名探偵」を見てたら無性にフレンチを食べたくなって(^_^;
西島秀俊演じるちょっとお節介なシェフが、日常の何気ない謎ときをするお話しで、ギャルソンの濱田岳やスーシェフの神尾佑がほんと良い味だしていて、終わってしまったのが残念。
で、思い出しながら美味しくいただいた。
先だって茶碗鑑賞会でご一緒した茶道男子に教えてもらったパティスリーミャーゴラに早速行ってみた。紫野で、大宮通商店街の珈琲山居さんの並びだったのね。
若い男子が一人でされている小さなお店で、なにやらディスプレイが抹香臭いというか仏像のフィギュアがたくさん並んでて、ちょっと衝撃。
あれこれ迷ったが、マンゴーとレモン(いずれもフルーツではなくてフルーツの形のケーキです)と海の日というケーキをテイクアウト。
なにこれ、インスタ映えしすぎ♡
お味はレモンとマンゴーのフルーツ系がとても美味しい。
というので、後日またでかけて(用事が近所であったのだが)シトロンケーキを。レモンと紅茶味のこれも美味しかった。うん、フルーツ系がおすすめ。(和菓子党の私がすすめるのだから美味しいわよ)
過日苔寺西芳寺に行った折り、近くの地蔵院にも数年ぶりででかけた。お寺の前はもっと竹藪がいっぱいのイメージだったが、ここにも宅地化はおしよせている。
さて、奥の茶室の亥の目窓。これを亥の目ととるかハートととるか。
ここは苔も美しいがなんといっても竹林が美しいのだ。
びっくりしたのは、内の苔庭では邪魔者扱いで、見つけ次第除去している檜葉苔が株立ちちていること。こうなると低木みたいで良い感じになるんだなあ。うちではここまでは大きくならないと思うが。
また埋木フェチとしては、ここの埋木にも萌えるのでした。(一番好きなのは西本願寺)
数週間前に作った琥珀、結晶化するまでどえらい時間がかかったがなんとか。赤い色は自家製シゾジュースの色。この写真人に見せたら「マグロの切り身ですか?」と言われたorz
秋野気配がして、露地の白いヤブランがいつの間にか咲いていた。
旧暦七夕も過ぎたし、今年はいつも梶の葉を短冊にする書家さんはもう来られないのかなあ。梶の枝2本残しているけどそろそろ切ろうかなあ、、と思っていたら、御連絡が。
早速切ってお渡しできた。
短冊かなにか書材に無事なってくれたらうれしい。
コロナでスペイン料理食べながらビールかワイン、、が無理なので辛口ジンジャエールを飲みのみいただく二条城近くのEl Bogavante。
ガスパッチョも美味しい。
10年ほど習ったスペイン語、やめてもう何年もたつけれど、スペイン語をみるとなんだかうれしくなるね。まだけっこう単語覚えている。単発でまたちょっと習ってみようかな。
少し時間はかかるがお一人様パエージャが食べられるのがうれしい。(たいがい2名〜が多い)
食べる話ばかりで恐縮だが、ご近所のゲストハウス&サロン月とさんで、食べられるのが最後のみのりランチ。いつも茶事のお菓子でお世話になっているみのり菓子さんの提供するヘルシーランチなのだが、今後はお菓子中心にシフトされるそうで、この日が最後だったのだ。
食後は大好きなみのりロール(この日はサツマイモ餡)にスパイシーなお茶を。
ランチがここでいただけないのは残念だが、お菓子だけになるなら、一度に2種食べられるよね、とちょっとうれしかったりする。
月とさんは相変わらずおじいさまおばあさま、お父上がのこされたお宝発掘と整理にお忙しいようで、それだけ家族が残したお宝があるのがうらやましい。
さて、この夏座敷もあと一月足らずでおしまい。
途中長雨で気温が上がらない日が二週間も続いて、涼しいのはいいけれどなにか物足りない夏でもあった。秋の準備にもかからないとね。
茶福箱と茶箱〜9月編 - 2021.09.03 Fri
また改めて初秋の茶福箱。

(弁当の写真は自分のデータをぶっとばしてしまったので、お借りしました(^_^;)
まるで茶碗の桐箱のようなお弁当、真田紐も季節や用途でかえてはるみたいで、今回も茶箱の女王様のお好みでトリコロール♡
もうぎっちりみっしりで、おかずが何層にもなっていて、いっぺんには食べきれぬ。30品目くらい入っているのではないだろうか。前回は食べるのにいそがしかったが、今回はひとつひとつ、お味を吟味しつついただく。どの一品も手抜きがない。
お酒もちょっぴりいただきつつ、とにかく美味しいのだがボリュームありすぎて、全員完食できず。残りはお持ち帰り。(私は晩ご飯にまた美味しくいただいた)
そして場所を茶室に移して、茶福箱のあとは茶箱でお茶を。
我が家の、今年最初のススキの穂と最後の桔梗と、秋海棠、水引をコンプラ瓶にいれて。
今回も銀瓶と市川孝さんの涼炉で、茶箱女王様の茶箱。女子会らしくかわいいサイズだ。
(銀瓶は蓋が深いので、蓋を切る必要がないことを初めて学習しましたわ)
茶箱の組み合わせを色々プロデュースしておられるので、今回はどんな道具組なのか楽しみながらお茶をいただく。
お菓子は、これもご準備いただいた甘泉堂さんの水ようかん。
茶箱にはいるサイズで、湯飲みか茶碗か微妙なラインをついているが、高台を見るとしっかり茶碗の三輪休雪の萩。ジャワ更紗の古帛紗との相性もいい。お好みの無農薬抹茶はいつ飲んでもパンチがきいてるわ。
道具を展開したところ。
茶筅が特注の小さいもの、これでよく上手に点てられるなあ。
お道具はそれぞれぴったりの仕覆に入ってて、それを見るのも茶箱の楽しみ。
道具組は今回女子会?のイメージで(女子がよろこびそうな綺麗なの)組んでくださった。
秋草の茶筅筒に、なんと象牙の茶巾筒、これには撫子。薄器の蓋をあけると蓋の立ち上がりの所に秋の七草。季節やなあ。今回もすてきな道具組、ありがとうございました。
それから座敷に戻ってお菓子摘まみながら、フレーバーティーやら紅茶やら(ルピシアのThe Book of Tea 100)選んでもらって飲んで、しゃべって、あれこれ楽しいひとときをすごす。
今回も女王様、Tさん、Mさん、ありがとうございました!
蓮養育日記2021 - 2021.09.01 Wed
蓮の花もさることながら、あの葉っぱと実がなんとも好きなのだが、育てるのは場所もないし、手がかかりそうだし〜、、、と思っていたが、思いがけず春先、師匠が大鉢と蓮根を持ってきてくださった。おおお〜っ!これはちゃんと養育せねばならん。

赤玉土を大鉢に入れて蓮根を埋めて、裏庭の一番日当たりの良い場所に設置。(若干通行に邪魔になる場所なんだが、、、(^_^;)
そうこうするうちに芽がでてきたぞ。
おおお〜っ!葉っぱ出てきた。
葉っぱが開くのだが、ひょろひょろしてなんだか頼りない。
だんだん数がふえてくる。
この頃から鉢に繁殖したボウフラをどうするか悩む。最初1匹1匹すくいとったりしたが、、、途中であきらめた。蚊に刺されるなら刺されても、、の悟りの境地。
二鉢あるうちの一鉢だけどんどん繁殖、葉っぱも大きく、茎も太くなってきた。
結局アカン方の鉢は蕾が一つだけでたが、咲かずに枯れてしまった。なんのちがいだろうな。でも葉の茎はすんごい太いのがでてきたんだけどな。
ある日、おおおおお、、こ、、、これはもしや花芽では?!
来た〜っ!!
蕾はどんどんふくらみ、それはそれは毎日なでて(^_^;いつくしんで、いつ咲くかと朝起きるのが楽しみに。
初開花の前日、蕾はふれればポンと音がしてはじけそうなくらいふくらむ。
来た来た!
おちょぼ口みたい。この状態で一日たって、翌朝、、、
ついに咲きました!第一号。
夕方にはつぼんで、朝にまた開いて、、、
でも2〜3日で散華するのね。
はらはらと落ちた花びらも美しい。
(ああ、でも中華料理の蓮華を思い出しちゃう(^_^;)
それから2号3号と咲いて、日々楽しませてくれた。
でも、どんな具合なのかは不明ながら、4号と5号は蕾のまま枯れてしまった。
それから6,7,8,9、10号は美しく咲く。
これが一番最盛期
それから8月末の長雨と低気温で蕾が3つだめになった。蓮は暑さと太陽の光が好きなんだな。
結局花は咲かなかったけれど葉っぱはどんどん茂る鉢と、如雨露がいっぱいできた鉢と、なんだかモンスターみたいになってきた。
雨が降るとはちすの上にたまる雨粒を楽しみ、
散華は蹲居にうかべたり
オブジェになる蓮の実を楽しんだり
葉っぱの裏から青空を眺めてみたり、ほんとうに楽しませてもらった。
(そういえば象鼻杯はまだためしていないな。)
そして枯れ蓮もまたすてきなオブジェや茶花になるのである。
冬になったら、蓮根を掘りだして株分けして、また来年の開花をめざそう。
重い鉢を持ってきてくださった師匠に感謝!