Bonjour!的壺中口切り茶事 - 2021.12.05 Sun

洛中の町家Bonjour!現代文明さんの宵である。
焼物作家谷口晋也さんの個展がひらかれるのにあわせて、お社中を持つ若き先生(スーパー水屋さんとしてお世話になってます〜)Eさんの口切り茶事、谷口さんの作品を使って、、、である。
谷口さんの作品を見ていたら、思い出した!今から5年前、建仁寺両足院で御菓子丸さんのお菓子とF太朗君のとコラボでみる・たべる・のむ茶会で不思議な軟体動物みたいな流動する器みたいな作品を見せてくれた方であった。 ↓↓
(2016年両足院で撮影)
さて、待合には、、、銀杏の葉を敷き詰めて、、、前日はまだたくさん葉っぱのついていた楓の紅葉、最後の席でとうとうこんなになってしまったようです。一枚水盤に浮いた葉っぱがそれはそれできれいであった。
さて、茶室は、、、なんとこの町家にあるかつて防空壕だった地下室。
四畳半ほどのまさに壺中、ここでどんな茶事がまちうけているのだろうか。
いつもは磁器が多い谷口さん、今回茶事に合わせて初めて茶壺、黒楽茶碗に挑戦されたとか。
茶壺は少し小ぶりで縄文土器をイメージしたという耳付き。Eさんが大徳寺近くの皐蘆庵茶舗さんに碾茶を詰めるのを依頼して(このお茶屋さんも茶壺に碾茶をつめたの初めてだったそうだ)濃茶も薄茶になる詰茶も本格的に。
封印した茶壺に小刀をあて、口切り、そして取り出した半袋を、、、、
カーテンの陰に控えるお弟子さんにわたすと、おお!さら〜さら〜っと石臼を挽きはめる。本来は水屋での仕事で姿は見えないのだが、こうして少しだけ挽く手が見えるのがなんともゆかしくてすてきだ。
その音は懐石の間中休みなく地下室に響いて、脳波を安定させるのかとても良い気持ちになる。時折碾茶を追加するときに音がとまるとかえってはっ!として我に返るというか、なんとも粋な演出であった。
5年前の谷口さんのご縁でもあり、F太朗さんがお正客、お酒がすすむ懐石についつい飲んでしまうわ。
そして中立の時、ずっと石臼を挽いてくれていた勇ましいたすき掛けのお弟子さんに、思わすご苦労様!と声をかけずにはいられない。
お菓子はあつあつの粟善哉。
そして後座は地下の壺中にて、置き炉を囲んで谷口さん初挑戦の黒楽で、挽いたばかりの濃茶をいただいた。すごくまろやかに挽けてていて、石臼の威力と挽き手の根性?を感じるお茶であった!
茶名「壹福」
ごちそうさまでした!