ほとんどDIYの茶席にて茶事! - 2021.12.08 Wed

東本願寺と西本願寺の間、織部の茶室、燕庵を擁する茶道藪内流がある。
そのほど近くに、藪内流の若武者が新しく店を構えた。
お披露目もかねての茶事のおさそいに一も二もなく。
ビルの2Fにおおおお〜っ!
小間の茶室や!
変哲もないビルを茶室に変えるにあたって、ご自分と友人とでほとんどDIYだったと聞いてびっくりする。(多少大工さんははいったが)
茶道口に壁を継ぎ足して一回り小さくした、、、というのもDIYだと聞いてすごいな〜と。
天井の落としも半分はご自分で。それからそれから、菰天井!
これは雪国などで木を寒さから守るために巻く菰を買い取って自分で天井にしたとか。
天井のRもお見事!
釣釜もできる仕様になっている。
土壁も共通の茶友であるところの陶芸家A君のいい仕事!なんと茶筅でこの筋をひいたのだとか。
ビルの中ゆえ畳の寸法なども特注だったり、水回りの水屋が、実はもとトイレで、そのまま水道を使って自分でシンクや棚をしつらえたのだとか。すごいなあ。
そんなDIYとは思えぬ上出来の茶室にて茶事をしてくれた。
茶室の隣の小部屋は待合に。4人すわったらもういっぱいだけれど、ちゃんと床もある。茶壺のこの紐の結び方は?ご流儀なのか我流なのか?でもこれなら私でも毎年本見て苦しみながらじゃなく、紐飾りができそうやわ。
藪内の霰灰と隅のハマグリ(蛤型のすきま)。
軸は藪内六代比老斎(江戸中期〜後期)「通利不通情」(反語的意味だそうだ)
いつもながら料理を習いに行こうかなと思っちゃうくらい美味しいお手製懐石をいただく。胡麻入りの白味噌汁の美味しいこと。
たっぷりとした煮物椀の風味も抜群。
そしてついついお酒がすすんでしまう八寸。藪内の八寸は三種盛りなのだ。気心の知れた茶友ばかりなので話もはずんでしまう。
先日川口美術さんの茶席でお世話になった、あかま和菓子さん、こちらでもいただいた。この形は???と思って割ると中は鶯色の餡、なんと茶壺薯蕷だったのね。
後座の花ははしばみと白玉。
茶入が新兵衛(有来新兵衛・京で唐物商として活躍しつつ作陶もした。「へうげもの」にも登場してましたね〜)
いろいろなお道具に藪内の歴代の書き付けなどもあって、私すっかり藪内の歴代に詳しくなってしまったことよ。(自流の裏千家の歴代の花押見て、だれこれ?と言っているのに、、、(^_^;)
干菓子器の小さな小さな縁高!扇子と大きさを比べてみてほしい。男子なのに女子のツボを心得てはるわ〜。
茶事はもうすっかり慣れてはるので、流れるように。ほんとうに茶事がお好きなんだな、と思う。
新しい店も持ったことだし、家族も増えたことだし、これからもどんどん活躍していってほしいと近所のおばちゃん目線で思わずにいられない。
後座の炉縁、惺斎の花押などもあるこの雪華は浄益の金物なのだ。かなり心惹かれたわ〜。
楽しかった時も過ぎ、帰り道、東本願寺の銀杏がみごとであった。