師走落葉甚茶事 - 2021.12.10 Fri

少し遅めのうちの露地の紅葉、このあたりがピークだろうか。よいタイミングでおこしの今日のお客様。
落葉はもう雨のようで、拾っても拾ってもきりがない。ここはあきらめて敷落葉を楽しんでもらおう。
朝は肌寒いので待合に火鉢を動員。
腰掛け待合には手あぶりも今年初。
本日は半年ぶりに其中庵さんをお正客に(ここのところ2回連続で其中庵茶事に伺っているお礼もかねて)1年ぶりのそらいろつばめさんもご一緒に。
この時期、1週間だけ芳香をはなつマルバヒイラギの花も楽しんでもらえただろうか。(この葉っぱの春の落葉にはほんと、毎年苦労するが、、、)
席入りの様子を陰からうかがうが、紅葉の背景が美しい。
初座の花は名残の菊。これはちょっとこの日のテーマと関係して。
花入れに見立てたのは玄々斎好みの鴨箱炭斗である。本歌は5つしかないという。田安家から拝領した鴨を入れた箱を炭斗にみたてたもの。これをだれかに預けたら、鴨がはいって戻ってきたらいいな(^_^;
懐石のうちのふろふき大根。
八寸では、開催中の畠山記念館の名品展(国博)(先だっての其中庵さんの茶事のテーマが阿畠山即翁だった)の話、泉屋博古館の住友家の茶道具の話、みなさんお道具におくわしいので茶談義がとまらない。
其中庵さんにお願いしたお肴は付祝言
♪ 千秋や萬歳と 俵をかさねてめんめんに、、、(「靫猿」)
みのり菓子さんにお願いしたお菓子は「木守り」
生の柿がまるまるついてきたのには意表をつかれたが、昔の菓子の甘さの基準が柿の甘さだった、ということを思い出した。中の羊羹にはプルーンがはいってアクセントのあるおいしさだった。(亭主役得にて2個食べる)
夕ざりではあるが中立の頃はもうすっかり暗くなってしまって、手燭交換には良い季節になった。足下が若干危険だが。
夕ざりの待合。あちこちに灯火を入れる作業がけっこうたいへん。タイミングをはかるのも難しいね。
後座の軸は内緒だが、ちょっと気合いをいれた。これについても茶碗についてもまたまた茶道具談義がはじまるのである。
干菓子は亀廣保さんの藪柑子と雪華。
みなさま、ご自分で茶事をされる方なのでそれぞれの苦労話もまた参考になり、特にこのコロナ時代のお茶や懐石についてもアイデアを披露し合って今宵も楽しくふけていったのであった。