東大寺開山忌〜国宝・執金剛神〜おん祭り直前の奈良 - 2021.12.20 Mon
ちょっとはげた感じの若草山を見ながら二月堂よこの法華堂(三月堂)をめざす。

12月16日、東大寺開山の良弁上人の忌日である。この日来年の練行衆のお名前が発表され、一日だけ法華堂の秘仏、国宝・執金剛神(しゅこんごうしん)のご開帳がある。
すでに列ができているがそれでも例年の半分くらいらしい。
コロナゆえ15人ずつのグループで少しずつ移動するというなんともはがゆい進み方である。
法華堂の前の石灯籠には今年の3月の修二会の輪結界がまだ巻かれたままだ。
かつて法華堂にはご本尊の不空羂索観音の脇侍に、これも国宝の日光月光菩薩がいらして、私子供の時から大好きだったのだが、現在は東大寺ミュージアムへお引っ越しされてしまって、以来法華堂の中はとんとご無沙汰だった。
執金剛神はちょうどご本尊の背面におられて、厨子の中、見上げる形になる。というか思ったより小さい!というのが第一印象(^_^;
護法神ゆえ金剛杵を振りかざしているお姿、はるか天平時代の作で良弁上人の念持仏とも。秘仏であるゆえ彩色も比較的残り、腕の朱の色ははっきり見える。
法華堂のとなりの二月堂、来年の修二会の和上は橋村師なのね。来年は聴聞がかなうや否や。
二月堂の前の開山堂もこの日のみ中へはいることができる。
良弁上人の御像、裏側に実忠和尚(修二会を始めた)の御像を拝んで、、、
いつもお隣の四月堂の縁側から背伸びしてやっと見える糊こぼし椿もきちんと見ることができた。修二会の頃盛りをむかえるので、まだ早く、一輪だけつぼみがふくらんでいた。
次は手向山八幡宮から古梅園の前を通って春日大社の参道をめざす。
奈良公園の秋もそろそろ終わりで、
若草山も先週の日曜から入山できなくなっている。
参道脇にある水谷茶屋の有名な敷紅葉もすでに色あせてしまっていた。
今年の秋はなんだか目が回るくらい忙しくて、、、
この茶屋は大正年間に建てられたもと四阿だったらしいが、戦後現在のように壁を作って家の体裁になったという。
かつてこのあたりに水谷窯という窯場があってお茶碗など焼いていたと先日奈良っ子のD先生にお聞きしたが、どのあたりであったのだろうか。
来年は真っ赤な絨毯の景色を見たいなあ。
そして春日さんの参道、今宵(16日〜17日深夜)若宮さまはこの道をくだって御旅所におでましになる。御旅所までの参道がほんとうにきれいに掃き清められているのはさすがだ。
御旅所には鼉太鼓(カバーかけられている)もすでにセットすみで神様を待つ。
あの真っ暗な中、炎と香で清められた道を警蹕の聲とともに「青山の動くが如」く神様が目の前をとおり過ぎられる瞬間の感動は忘れられない。残念ながら今年も一般参拝できないのだが。(2年前の暁祭)

これは2年前の暁祭の写真。
御旅所の入り口の結界
毎年菰で新しく作られる神様の御座所
本来ならこの前で、17日の午後から御旅所祭で賑やかに芸能が繰り広げられるはずだが、今年も神様限定のものになる。
餅飯殿商店街の一角にある春日大社大宿舎、おん祭りに奉仕される人が潔斎される場所で大宿所祭がおこなわれるのだが、こちらも今年は一般参拝なしで立ち入り禁止になっている。ああ、残念だわ、、
最後にことのまあかりさんで来年の奈良旅手帳をゲットして(雪丸シールはおまけ)帰宅す。